JP3119318B2 - 循環水路系の水質管理方法及び水質管理表 - Google Patents

循環水路系の水質管理方法及び水質管理表

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は循環水路系の水質管理方
法及び水質管理表に関する。
【0002】
【従来の技術】水の濃縮を伴う循環水路系、例えば冷却
塔からの冷却水をポンプ送りで熱交換器に送り、さらに
冷却塔へ循環する循環水路、軟水器から給水タンクを経
てポンプ送りで蒸気ボイラーに給水するボイラー系統ラ
イン、あるいは水の濃縮を伴わない非循環水路系、例え
ば単に受水槽から高置き貯水槽に水をポンプ送りし、各
階へ給水する高層ビル等での飲料水給水ライン等では、
水を送るライン内、又は熱交換器、ボイラー、冷却塔、
給水管等の内部での錆および/又はスケールの発生が常
に問題とされてきた。
【0003】特に、冷却塔−熱交換器循環系統ライン及
びボイラー系統ラインなどの循環水路系では、循環水が
水の蒸発に伴い濃縮されるため、各種イオン濃度及び溶
質濃度が高くなって錆・スケールが一層発生し易い。J
IS−B8223は、ボイラの錆・スケール発生を防止
するため、「ボイラの給水及びボイラ水の水質」と題し
て、所謂蒸気循環ボイラの水質管理について詳細に規定
している。これによれば、給水及びボイラ水中の各種成
分(イオン及び溶質)の上(又は上下)限濃度が定めら
れ、例えば丸ボイラのボイラ水については、伝熱面蒸発
率が30kg/m2・hのものでは、電気伝導率は60
00(μs/cm)以下、Mアルカリ度は100〜80
0と規定されている。
【0004】前記JIS規定を遵守すれば錆・スケール
を一応抑制できるが、各成分を完全に規定範囲に収める
のは容易でない。すなわち、ある成分が規定範囲から外
れている場合、これを規定範囲に収めるため、一般に各
種の防錆剤、スケール分散剤、清缶剤等が使用される
が、例えば薬剤Aを使用して成分aを規定範囲に収める
と、別の成分bが規定範囲から外れる場合もあり、その
場合は成分bを規定範囲に収めるためにさらに薬剤Bを
投入せざるを得ないなど、総じて薬剤の使用が統一性お
よび論理性に欠け、薬剤使用量が多くなりがちである。
このように投入薬剤の種類と量の管理は一般的に難し
く、ランニングコストも高くつき、また飲料水などでは
保健上の理由からも薬剤多用には問題がある。
【0005】一方、循環水路系では新規給水を抑制して
濃縮倍数をある程度高目に維持する方がエネルギー効率
ないし熱効率の点で好ましいが、従来の水質管理方法で
は、錆・スケールの発生の点で、濃縮倍数をどの程度ま
で上げても心配ないかどうかを判断するための尺度ない
し指標が全く存在せず、専ら冷却装置又はボイラー等の
運転操作員の経験と勘に頼って新規給水の時期と給水量
を決めていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】JIS-B8223に規定され
た錆・スケールを防止するための規制範囲は、個々の成
分毎についての規制範囲であって、各成分の総和に対す
るいわゆる全体規制値なるものが存在しない。この全体
規制値を見出すことができれば、錆・スケールの発生強
度について定量的な判断が可能になり、この判断に基づ
き、循環水路系に投入すべき薬剤の種類、量に関して、
あるいは循環水路系に対する新規給水の時期と給水量に
関して、従来よりも統一的かつ論理的な運用ができるは
ずである。
【0007】本発明の目的はこの錆・スケールの発生強
度を示す指標ないし全体規制値を求め、循環水路系の水
質管理に役立てることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水の濃縮を伴
う循環水路系内の各種イオン及び溶質濃度の測定値a
と、前記循環水路系に対する給水中の各種イオン及び溶
質濃度の測定値bとを、同一種類ごとに対比し、前記測
定値aの測定値bに対する割合a/bを濃縮倍数Xiとし
たとき、前記濃縮倍数Xiの平均値Xバーに対する、前
記濃縮倍数Xiの標準偏差Sの割合、すなわち変動係数
CVを指標として水質を管理する循環水路系の水質管理
方法を提供する。
【0009】また本発明は、前記測定値aと測定値bを
同種イオン及び溶質毎に隣接して列挙すると共に、測定
値aに濃縮倍数Xiを付記し、かつ前記濃縮倍数Xiと対
比可能な位置に平均濃縮倍数Xバーを表示してなる水質
管理表を提供する。
【0010】
【作用】変動係数は、平均濃縮倍数(Xバー)に対する
各イオン及び溶質の濃縮倍数のバラツキの度合いを示す
ものであり、変動係数が大きいということは、イオンや
溶質が相互に反応し、析出し、あるいは蒸気中に混入す
る量が大きいことを示す。従って変動係数を求め、これ
を指標とすることにより、循環水路系内の現象ないし変
化に関して的確な情報把握が可能となり、錆、スケール
の発生を未然に防止することができる。
【0011】また、本発明の水質管理表を使用すること
により、各イオン及び溶質の濃縮倍数が平均濃縮倍数
(Xバー)からプラス・マイナスでどの程度外れている
かが簡単に分かるので、異常濃縮成分又は異常希釈成分
を一目で見付けることができ、異常成分に対応した水質
改善対策を迅速、的確にとることができる。この水質管
理表は前記水質管理方法と共に使用することにより、そ
の実用価値を最大限に発揮するものである。
【0012】
【実施例】本発明者は、JISで規定する循環水路系の
水質管理方法が、イオン濃度及び溶質濃度を上(上下)
限規定するだけで、個々の濃度値は実際の錆・スケール
の発生しやすさ(発生強度)を示す指標となり得ないこ
とに鑑み、各濃度値を給水の濃度値と比較することを着
想した。すなわち循環水路系中のイオン濃度及び溶質濃
度が、給水の対応イオン濃度及び溶質濃度と比較して、
何倍(濃縮倍数)になっているかを見るのである。
【0013】濃縮倍数は、循環水路系の水が理想の状態
で濃縮されたとすると、すなわち水系のイオンや溶質が
相互に反応もせず、析出もせず、また蒸気中に混入もし
なければ、全てのイオン、溶質(成分)について同じ倍
数になる筈である。しかし、現実には濃縮倍数は成分に
より大きなバラツキが見られる。従って逆にこのバラツ
キがあるということは、何らかの事象が循環水路系内で
起こっていることを示すものといえる。本発明者はこの
ことから濃縮倍数が水質管理のポイントになることを着
想し、水質管理方法として具体化したのである。
【0014】循環水路系内で生じている事象を正確に把
握するには、データに基づく統計的手法が欠かせないの
であるが、従来のJISの水質管理方法では、統計的方
法を全く採用できなかった。この点濃縮倍数は統計処理
に好適であり、以下に説明する如く、水質管理に関して
的確な判断を下すための情報が得られる。
【0015】本発明では、冷却塔−熱交換器系統ライン
やボイラー系統ラインなどの、水の濃縮を伴う循環水路
系内の各種イオン濃度および溶質濃度の測定値aと、前
記循環水路系に対する給水中の各種イオン濃度および溶
質濃度の測定値bとを測定する。 変動係数の安定性及
び信頼性のため、測定対象はなるべく多種類であること
が望ましいが、例えば以下の7成分の濃度を測定するこ
とが推奨される。
【0016】(1)軟水器を使用しない循環水路系の場
合 導電率,塩素イオン,硫酸イオン,Mアルカリ
度,全硬度,ケイ酸イオン,蒸発残留物
【0017】(2)軟水器を使用した循環水路系の場合 導電率,塩素イオン,硫酸イオン,Mアルカリ
度,ナトリュウムイオン,ケイ酸イオン,蒸発残
留物
【0018】前記(2)の場合、全硬度の代わりに
ナトリュウムイオンを測定する。これは軟水器を使用す
る場合は全硬度を測定する意味がないのと、イオン交換
樹脂にナトリュウムが含まれているからそのイオン濃度
を監視する必要があるからである。
【0019】なお、硫酸イオン及びナトリュウムイオン
は従来のJISでは水質管理上の対象とされてなかった
が、本発明者はこれらが錆・スケールの発生に密接な関
係があることを見出し、測定対象として加えた。
【0020】測定値aと測定値bとを得ると、次にa/
b(=濃縮倍数Xi)を計算する。
【0021】ここで各成分の濃縮倍数を以下のように表
すと、 成分 濃縮倍数 成分 濃縮倍数 導電率 X1 全硬度 X5 塩素イオン X2 (Naイオン X5) 硫酸イオン X3 ケイ酸イオン X6 Mアルカリ度 X4 蒸発残留物 X7 濃縮倍数だけを見てもある程度の水質判断は可能である
が、平均濃縮倍数と変動係数を算出することにより飛躍
的に確実、便利な水質判断が可能となる。
【0022】変動係数を求めるには、先ず標準偏差
(S)を下式により求める。
【0023】 S=√{Σ(Xi−Xバー)2/(7−1)} (但
し、i=1,2,3,4,5,6,7) (Xバーは
平均濃縮倍数を表す。)
【0024】変動係数(CV%)は、 CV%=(S/Xバー)×100% により求められる。
【0025】変動係数は平均濃縮倍数(Xバー)に対す
る各濃縮倍数のバラツキの度合いを示すものであり、変
動係数が大きいということは、イオンや溶質が相互に反
応し、析出し、あるいは蒸気中に混入する量が大きいこ
とを示す。従って変動係数を求めることにより、錆、ス
ケールの発生しやすさ(発生強度)について的確な情報
把握が可能となる。
【0026】本発明者は多くの実験例から、(S/Xバ
ー)×100%で表される変動係数(CV%)が10%
以下のとき冷却水の管理はベストの状態にあり、スケー
ル、腐食、スライムの発生がないこと、少なくとも約2
0%以内ならば許容され得ることを見出し、水質管理上
の有力な基準になり得ることを見出した。
【0027】本発明の水質管理方法は、単に錆・スケー
ルの発生を防止するに止まらず、エネルギー効率を高め
る上でも有効である。すなわち、変動係数が20%以内
であれば循環水路系で錆・スケールの発生が防止される
から、変動係数の自然増大を睨みながら、あるいは磁場
電子場装置等により変動係数を積極的に抑制しつつ、変
動係数が約20%の範囲内で、平均濃縮倍数が最大限に
なるまで新規給水なしでボイラーや冷却装置等を運転す
ることにより、ボイラーや冷却装置等のエネルギー効率
が高まり、節水にも役立つ。実験によると、濃縮倍数を
5倍にすると使用水量を1/10以下にできることが確
認された。
【0028】さらに平均濃縮倍数が高いと系内での鉄分
の溶出が抑制され、変動係数を低位に安定させるのに有
効であることも分かった。
【0029】なお、錆・スケールの発生しにくい良好な
水質にも拘らず、濃縮倍数を測定する際の測定誤差ない
しエラー等により変動係数が20%を越えることもあ
る。この場合は、各濃縮倍数を検討することにより異常
値が容易に判明するので、その異常値を除いて計算し直
すことが可能である。例えば以下の実施例2では、硫酸
イオンの濃縮倍数10.0が平均濃縮倍数7.41に比
べて異常に高いことが分かる。このような単独の異常値
は理論的に説明不可能であるから、何らかの要因(例え
ば付近に重油焚きの煙突があればその排煙の影響)で硫
酸イオンが系に混入したものと考えられる。従ってこの
異常値を除外して計算し直すことにより正しい変動係数
を得ることができる。
【0030】また各濃縮倍数を対比し子細に検討すれ
ば、平均濃縮倍数からの±で隔たりが大きい異常値につ
いて、これが測定誤差やエラーによるものか、あるいは
他の理由によるものか等が判明するので、循環水路系の
水質判断と水質改善対策が飛躍的に確実となる。
【0031】表1および表2に、変動係数が20%以下
と以上の各場合について実験を行なった結果を示す。同
表より明らかなように、変動係数が20%を越えた場合
は錆・スケールの発生が認められたが、20%以下に制
御した場合は殆ど認められなかった。
【0032】なお、表1および表2の実施例1および2
では、変動係数を20%以下に制御するため後述の線状
アンテナを具備した振動磁界電界場発生装置を用いてい
る。変動係数を抑制するためにはこの他に、公知の清缶
剤の使用、又は新規給水による濃縮倍数の低下など各種
方法を採用可能である。
【0033】(実施例1および比較例1)実施例1では
変動係数が20パーセントを越えないように図1(B)
に示す振動磁界電界場発生装置を使用する。この装置は
直径10cmの鋼管2内に、直径3mm、長さ約500
mmステンレス線の1/2波長線アンテナ1を収容し、
このアンテナ1に、鋼管中央外側部に設けられた約30
0MHz高周波電源3を接続し、鋼管2の両端4,4’
を水の出入口としたものである。
【0034】振動磁界電界場により変動係数が抑制され
る理論付けは必ずしも明確ではないが、本発明者は次の
ような仮説を立てた。すなわち、ケイ酸SiH4の固有
振動数は2191ν/cm、又は914ν/cmであ
り、ケイ酸を振動磁界電界場の中に置くと、共振理論に
基づきケイ素のM電子核の4つの電子が活性化し、シロ
キサン結合(−Si−O−Si−)が二次元、三次元と
なって重合し、この重合体が各種の無機、有機イオンと
結合して対応成分の溶解度を高め変動係数を低下させる
のである。
【0035】実施例1では図3に示す如く、ボイラー1
3の給水系において振動磁界電界場発生装置15を給水
タンク11に付設し、同タンク11内の水をポンプ送り
でこの装置15内に循環させた。供給水としては表1に
記載した組成の軟水を用い、また振動磁界電界場発生装
置には1Wの電力を出力させ、線状アンテナの電流を1
0mAとし、同装置内の処理水の流量を15m3/時と
した。
【0036】当初150μs/cmであった軟水の導電
率が1960μs/cmとなるまでボイラー給水運転を
続け、その時点で給水タンク内の水をサンプリングし分
析した結果を表1に示した。
【0037】なお、比較例として、実施例と同様、但し
振動磁界電界場発生装置15を用いず、代わりに市販の
清缶剤を用い、導電率1710μs/cmまでボイラー
給水運転を続け、サンプリングした水の分析結果を水質
管理表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】導電率を目安としてボイラー運転を続け、
6ヵ月後にボイラー、配管内の錆、スケールの発生状態
を調べたところ、実施例1の場合には殆ど認めるべき錆
およびスケールの発生がなく、比較例1の場合にはかな
りの錆およびスケールが認められた。比較例1では平均
濃縮倍数10.04に比べて硫酸イオンの濃縮倍数1.
0が極端に低く、これが変動係数の増大をきたし、又、
ケイ酸イオンの濃縮倍数の差がシリカ系の固いスケール
となって缶内に発生したと考えられる。
【0040】このように本発明の水質管理表によれば、
濃縮倍数が異常に高いもの又は低いものが一目で分かる
から、異常な濃度のイオン及び溶質に対応した水質改善
対策を迅速かつ的確にとることができる。
【0041】なお、前記表1中の各パラメータ測定は、
JISKO101に準拠し、phはガラス電極法、塩素
イオンはイオン電極法、硫酸イオンはクロム酸バリウム
法、Mアルカリ度は酸消費量法、Naイオンはイオン電
極法、ケイ酸イオンは全シリカ、蒸発残留物は重量法で
測定した。
【0042】(実施例2および比較例2) 実施例1で
用いられたものと同じ線状アンテナによる振動磁界電界
場発生装置(出力電力1W、線状アンテナ電流10m
A、約300MHz)を第2図の循環冷却水系統ライン
で9の位置、即ち熱交換器7と冷却塔下部5との間に位
置させた。補給水として表2に記載した組成の工業用水
(軟水器不使用)を用い、導電率を目安に運転を行なっ
た。なお、本発明装置9内の流量は50m3/時に設定
された。他方、比較のために、本発明装置を用いず、同
様の運転を平行的に実施した。水の導電率が約830μ
s/cm程度に達した段階で両者の循環水をサンプリン
グし分析した結果を水質管理表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】実施例2では変動係数は20%より幾分大
であったが(硫酸イオンの濃縮倍数が異常に高いことか
ら、空気中の排ガスの影響があったと思われる。)、錆
・スケール発生防止に対しかなりの効果が認められた。
なお硫酸イオン濃度が平均値に近い通常の環境下で実施
した場合、同じような導電率を示した段階で、本発明装
置を用いた時の平均濃縮倍数は7.05、標準偏差1.
16、変動係数は16.4%であった。
【0045】なお、外部からのSOxの混入を少なくす
るには濃縮倍数が3以下が望ましい。
【0046】振動磁界電界場は、図1に示す如く、望ま
しくはステンレス、鋼導線又は銅導線で所定の長さ、即
ち250mmあるいは500mmおよび1000mmの
線状アンテナ1を、鋼管2内に収納し、これに約300
Mhz(波長約1m)の高周波電源を接続し、電源の出
力電力を0.5〜1Wとし、線状アンテナ電流を10m
Aとすることにより与えられる。被処理水は前記鋼管2
に設けられた出入口4,4’を通じ一方向へ流される。
【0047】なお、水の誘電率や防水絶縁コート(例え
ばポリエチレン)の誘電率により波長短縮率が与えら
れ、実際のアンテナの長さは短くなる。
【0048】被処理水の導入流量は0.2〜200m3
/時の範囲内に選択される。なお鋼管の直径は水の処理
量、流量によるが、通常5〜20cm程度である。かく
することにより、線状アンテナから3mの距離において
500μV/m以下の電界強度が与えられ、有効な水処
理が可能であり、かつ電波法に抵触することのない、最
適な振動磁界電界場が与えられる。
【0049】
【発明の効果】本発明は前記の如く、循環水路系の各種
イオン濃度および溶質濃度の濃縮倍数の変動係数を指標
として水質を管理するので、錆・スケールの発生しやす
さ(発生強度)を定量的に把握することが初めて可能に
なり、各種水処理装置の効率的かつ的確な運転を可能に
し、また清缶剤についてはその使用量を必要最低限にで
き、またボイラー等への給水については給水時期と給水
量を的確に把握でき、従って錆・スケールの発生を効果
的かつ確実に防止することができ、ボイラーや冷却装置
等の寿命を大幅に向上させることができる。
【0050】また変動係数が所定値以下であることを確
認しつつ、新規給水なしで平均濃縮倍数を安心して上限
値まで増大させることができるから、ボイラーおよび冷
却装置等のエネルギー効率を格段に高めることができ、
また大幅な節水が可能になる。
【0051】また本発明の水質管理表を使用することに
より、濃縮倍数が平均濃縮倍数からプラス又はマイナス
方向に異常に離れているイオン及び溶質が一目で分かる
から、異常成分に対応した水質改善対策を迅速かつ的確
にとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は1/4波長アンテナを用いた装置、
(B)は1/2波長アンテナを用いた装置、(C)は1
波長アンテナを用いた装置。
【図2】循環冷却水系に本発明をを適用した場合の水路
経路図。
【図3】蒸気ボイラーの給水系に本発明を適用した場合
の水路経路図。
【符号の説明】
1…アンテナ 3…高周波電源 7…熱交換器 8…冷却塔上部 10…軟水器 11…給水タンク 13…蒸気ボイラー 14…ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大江 武男 大阪府大阪市城東区今福西3丁目2−2 −605 (56)参考文献 特開 平3−28762(JP,A) 特開 平2−227193(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 5/00 C02F 1/00 - 1/78 G01N 33/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の濃縮を伴う循環水路系内の各種イオ
    ン及び溶質濃度の測定値aと、前記循環水路系に対する
    給水中の各種イオン及び溶質濃度の測定値bとを、同一
    種類ごとに対比し、前記測定値aの測定値bに対する割
    合a/bを濃縮倍数Xiとしたとき、前記濃縮倍数Xi
    平均値である平均濃縮倍数Xバーに対する、前記濃縮倍
    数Xiの標準偏差Sの割合、すなわち変動係数CVを指
    標として水質を管理する循環水路系の水質管理方法。
  2. 【請求項2】 変動係数CV=約20%を基準として水
    質を管理する請求項1記載の循環水路系の水質管理方
    法。
  3. 【請求項3】 前記測定値aおよびbが、導電率、塩素
    イオン、硫酸イオン、Mアルカリ度、全硬度、ケイ酸イ
    オン、蒸発残留物の測定値を含む請求項1または2記載
    の水質管理方法。
  4. 【請求項4】 前記測定値aおよびbが、導電率、塩素
    イオン、硫酸イオン、Mアルカリ度、ケイ酸イオン、蒸
    発残留物、ナトリュウムイオンの測定値を含む請求項1
    または2記載の水質管理方法。
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