JP2014129978A - 熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム - Google Patents
熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014129978A JP2014129978A JP2012288814A JP2012288814A JP2014129978A JP 2014129978 A JP2014129978 A JP 2014129978A JP 2012288814 A JP2012288814 A JP 2012288814A JP 2012288814 A JP2012288814 A JP 2012288814A JP 2014129978 A JP2014129978 A JP 2014129978A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iodine
- water
- heat exchanger
- heat exchange
- antifouling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Abstract
【解決手段】熱交換器の表面に供給される熱交換用の水にヨウ素を供給する工程と、
該ヨウ素を含む熱交換用の水を熱交換器の表面に接触させて殺菌処理を行う工程と、を有し、塩素化有機物および臭素化有機物を生成しないことを特徴とする熱交換器の防汚処理方法。また、熱交換器の表面に供給する熱交換用の水にヨウ素を供給するヨウ素供給手段を有する熱交換器の防汚処理システム。
【選択図】図1
Description
(熱交換器)
熱交換器は、熱交換の対象となる熱媒体(水やフロンなど)を内部に流通させる経路を有し、外部表面に海水などの熱交換用の水を接触させて熱媒体との熱交換を行うための構造を有する。例えば、各種機器の冷却後に温かくなった冷却水を熱交換器内部に循環させ、熱交換器外部に海水を接触させることにより、冷却水の温度を下げることに用いられる。熱交換器としては、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器、多管式熱交換器、渦巻管式熱交換器、タンクコイル式熱交換などの種類が含まれる。
(熱交換用の水)
熱交換用の水は、熱交換の目的により温熱源、冷熱源のいずれかとなり、海、河川、湖、池などの自然環境から取水した水は微生物を含む可能性が高く熱交換器が汚損しやすいので、処理対象の水として好適である。また、クーリングタワーなど開放系の循環水を熱源として利用する場合においても対象水に微生物が混入する可能性があり、それらも対象水となるが、微生物を含み得る水であれば特に限定されない。
(熱交換器の汚損)
熱交換器の汚損は、熱交換器表面に微生物が付着して増殖し、これに微生物の代謝物である糖類やSS成分(浮遊物質)や水中の塵などが複合的に蓄積して熱交換器表面のスケール量が増大することで汚損が進行すると考えられる。
(防汚・殺菌効果を評価する指標の定義)
熱交換器の効率を評価するための指標として熱通過係数が用いられる。熱交換器を循環する熱媒体の入口出口の温度、外部から熱交換するために供給する海水等の外部熱媒体の入口出口の温度を測定して、通水媒体の流量、流速、熱交換器の表面積などから、外部熱媒体から循環熱媒体への熱通過の効率を熱通過係数として捉えるもので主にプレート式熱交換器の効率を評価する指標になっている。熱交換器に外部熱媒体として海水等を使用する場合、継続的な通水により伝熱表面が徐々に汚損して伝熱効率が悪化し熱通過係数が低下するので、この係数の変化を捉えることで、防汚効果を評価することができる。また、防汚効果の結果から熱交換器表面に対する殺菌効果・汚損抑制効果についても併せて評価できる。
(ヨウ素含有水による防汚処理方法)
以下のようにいくつかの態様がある。
(ヨウ素含有水による防汚処理条件)
防汚処理を行う際の熱交換器を通過する熱交換用の水の流速は、0.2m/秒〜5.0m/秒であることが好ましく、より好ましくは0.5m/秒〜1.5m/秒である。
ヨウ素を含む熱交換用の水による処理温度は、5℃〜40℃であることが好ましく、より好ましくは10℃〜25℃である。
(熱交換器の防汚処理システム)
本発明の熱交換器の防汚処理システムは、熱交換器表面に通水させる熱交換用の水にヨウ素を供給するヨウ素供給手段を有することを特徴とする。その他の装置構成として、熱交換器システム、ヨウ素含有水を調製し供給するためのヨウ素水生成・添加手段、ヨウ素濃度を測定して制御するヨウ素濃度検出手段、およびヨウ素回収手段を備える。図1は、海洋温度差発電等の海水を加熱媒体として循環水を加熱することを想定したものであり、冷凍機109は温熱を吸収する部位に見立てている。循環水を加熱するためのプレート式熱交換器102を有する海水熱交換器システム101に関するヨウ素防汚処理システムの模式図である。海水を冷却媒体として用いる場合は、冷凍機109は加熱装置に置き換えて同様の熱交換を行うシステムとなる。海水熱交換器システム101において、循環水タンク107の循環水は、ポンプ108により冷凍機109に通水した後、熱交換器102の内部に循環され、熱交換器102の表面に通水する海水との熱交換によって加熱され温度は上昇する。熱交換器102に通水させる海水は海水タンク106からポンプ105により海水ライン100を通って供給される。なお、海水および循環水のそれぞれのラインは流量計104および110を有し、流量をモニタリングできる。熱交換器102の表面の防汚処理を行うため、ヨウ素水ライン200が海水ライン100に接続され、ラインミキサー103によりヨウ素水が海水に混入されてヨウ素含有海水が調製される。ヨウ素水を調製するヨウ素水生成・添加システム201は、ヨウ素水生成コントローラー204を用いて水位センサー205と海水給水バルブを連動させ、ヨウ素水タンク206に海水を満水になるまで供給し、ポンプ209で海水をヨウ素202を底部に保有するヨウ素キャニスター203に通水し循環させて、ヨウ素を海水に飽和溶解させる。温度センサー207により飽和溶解させたヨウ素水の温度を測定し、その温度データをヨウ素水添加コントローラー208に送り、温度から飽和溶解度を演算し、適正な添加量になるようにポンプ210を制御してヨウ素水ライン200からヨウ素水を海水ラインに混入してヨウ素含有海水を調製する。ヨウ素水添加コントローラー208に備えるタイマーでヨウ素水添加の間隔および処理時間を設定し、一定の条件でヨウ素添加ができる。ヨウ素含有海水のヨウ素濃度は、ヨウ素濃度検出システム301により検出される。ヨウ素濃度検出システム301が備えるヨウ素濃度計(分光光度計)303にヨウ素含有海水を経由させてヨウ素濃度を測定し、測定したヨウ素濃度の値に基づいて、ヨウ素濃度検出コントローラー302により濃度信号を外部出力してヨウ素濃度をモニタリングする。ヨウ素濃度検出コントローラー302とヨウ素水添加コントローラー208は連動し、ヨウ素水が添加されるタイミングに合わせて、ヨウ素濃度検出コントローラー302に送られた信号に基づいてヨウ素濃度計(分光光度計)303への海水、ヨウ素含有海水、水道水ラインのバルブを制御し、ヨウ素濃度計(分光光度計)303のゼロ調整、ヨウ素濃度検出、ライン洗浄を自動で行う。また、処理後のヨウ素含有海水の排水ラインにヨウ素を回収するためのヨウ素回収システム401を設置している。
(ヨウ素水の生成・添加システム)
ヨウ素水生成・添加システムはヨウ素水生成手段およびヨウ素水添加手段を有する。ヨウ素水生成手段は、ヨウ素を充填したキャニスターとヨウ素水タンクから構成され、海水をキャニスターとタンク間を数時間循環させて、海水にヨウ素を飽和溶解させた溶液をヨウ素水タンクに調製する。ヨウ素水タンクに海水を供給する海水ライン211は、熱交換器システム101の海水タンク106に接続して海水を供給してもよく、または熱交換器システムの海水ライン100から分岐させてもよい。ヨウ素の溶解度は温度に依存するため、温度測定によってヨウ素濃度を把握することができる。この飽和ヨウ素溶液を、ヨウ素ライン200を経由して海水ライン100に混入して所定の濃度のヨウ素含有水を調製し、熱交換器に通水して熱交換器表面を殺菌処理する。ヨウ素溶液は連続的に添加するのではなく、例えば1日に1回10分程度の添加を行うことで防汚効果が発現することができる。
(ヨウ素濃度検出手段)
本発明のヨウ素濃度検出手段は、吸光光度法の原理により水に含有されるヨウ素の濃度を測定することに特徴を有する。溶液中のヨウ素はオレンジ色に着色することに着目し、その吸光度を測定し、検量線からヨウ素濃度を算出する。ヨウ素濃度が数mg/Lの低濃度の場合は、測定セル長を100mmにするなど十分な長さにすることで精度よく測定することができ、測定したヨウ素濃度をヨウ素添加手段に連動させて添加濃度を制御することができる。
(ヨウ素回収手段)
ヨウ素含有海水からヨウ素を回収するために、熱交換器を通った後の排水経路にヨウ素回収手段を備える。ヨウ素回収手段としては、例えばヨウ素を吸着する資材に接触させて回収することができ、その資材として陰イオン交換樹脂充填塔を用いることができる。陰イオン交換樹脂を充填した塔にヨウ素を含有する水を通水してヨウ素成分(I2、I−)を回収することができる。ヨウ素吸着させたイオン交換樹脂は別工程に移し、溶離再生して再利用する。回収したヨウ素成分は生成してヨウ素にする。海水中ではI2の一部がI−に形態変化するため両ヨウ素成分を回収することが好ましい。
(ヨウ素を用いた熱交換器の防汚処理方法の特徴)
ヨウ素の使用量を低減して十分な防汚を行える以外に、ヨウ素を用いた熱交換器の防汚処理方法は、既存の熱交換器の防汚方法と比較して、以下のような有利な点を有する。
(イ)ヨウ素を海水に溶解しても、塩素処理の場合に生じるクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロ、ブロモホルムなどのトリハロメタンのような有害な塩素化有機物および臭素化有機物を生成しない。さらに、ヨウ素は塩素やオゾンと同等の殺菌効果があるが、酸化力が弱いという特徴がある。例えば、オゾン処理の場合は、塩化物イオン、臭化物イオンが共存していると、それらを酸化してハロゲン酸化物が生成し、溶存有機物との反応で有害な塩素化有機物および臭素化有機物が生成することになる。一方、ヨウ素は塩化物イオン、臭化物イオンなどのハロゲンイオンを酸化するだけの酸化力がないため、塩素あるいはオゾン酸化処理由来のハロゲン化物は生成しない。また、発がん性があると言われている臭素酸イオンも生成しない。
(ロ)処理時間が短く、処理頻度が少ないため、ヨウ素に継続して曝すことによる熱交換器の素材の変化が起こらない。
(ハ)海水中のヨウ素濃度を吸光光度法で測定するため、化学反応による測定と比べて、リアルタイムでこまかなヨウ素濃度の調節ができる。
(ニ)熱交換器を稼動させながら、防汚処理を行うことができるため、無駄に設備を停止させる必要がない。
(ホ)塩素、オゾン等の薬剤と比較すると、ヨウ素は酸化力が弱いため、処理水が環境中に排出された場合でも、排出先で強い酸化が起こらないため、水環境に対する刺激が温和である。
(ヘ)処理水に添加したヨウ素を回収するので、資源を再利用でることから環境負荷が少ない。
(ト)熱交換システムに付随する配管の内部に生じる汚損についても同時に防汚処理を行うことができる。
図1に示す海水熱交換システム(101)、ヨウ素水生成・添加システム(201)、ヨウ素濃度検出システム(301)およびヨウ素回収システム(401)で構成されシステムを用いてヨウ素による熱交換器の防汚処理を行った。
(海水熱交換システムによる熱交換処理)
本実施例に示す海水熱交換システムは、加熱媒体として海水を、また、循環媒体として水を用いた。海から海水を汲み上げ海水タンク(106)に供給し、ポンプ(105)を使って熱交換器(102)に送水した。循環水タンク(107)に水を入れ、これをポンプ(108)で冷却器に導入し、一定温度に冷却したのち、流量計(110)で流量管理しながら、熱交換器(102)に送水し、水を海水で加熱する熱交換を行った。水は循環方式とし、海水はワンウェイ方式とした。熱交換器はプレート式の熱交換器を用い、通液媒体の流量はいずれも50L/分とし、プレート内の線速度は0.2m/minとした。熱交換器への両媒体の出入口に温度計を設置して熱交換器流入前後の温度を測定した。このシステムを2系列用意し、1系列をヨウ素添加による防汚処理区とし、もう一方を無処理区とした。
(ヨウ素水生成・添加システムによるヨウ素水生成・添加による防汚処理)
熱交換器の防汚にはヨウ素水を用い、ヨウ素水生成・添加システムで調製し、一定の条件で海水ラインにヨウ素水を添加することで行った。ヨウ素水タンク(206)に水位センサーを用いて満水になるまで海水を入れ、併設するヨウ素を充填したヨウ素キャニスターにポンプを用いて海水を5時間循環通水して、ヨウ素水タンク内に、ヨウ素を飽和溶解させたヨウ素含有海水を調製した。ヨウ素の海水への溶解度は温度に依存するので、タンク内に設置した温度センサーにより温度を測定して、温度と飽和溶解度の相関関係から、調製した飽和ヨウ素溶液中のヨウ素濃度を算出した。ヨウ素水添加コントローラーにより、ヨウ素水を海水熱交換システムの海水ラインに添加して熱交換器の防汚処理を行った。熱交換器へのヨウ素接触を均質化するために、熱交換器の前段にラインミキサーを設置してライン混合を行った。ヨウ素水の添加条件については、後述する条件により、パルス的な添加により熱交換器の防汚処理を行った。
(ヨウ素濃度検出システムによるヨウ素濃度測定)
熱交換器の海水ラインに添加したヨウ素の濃度は、熱交換器出口ラインから少量の海水をヨウ素濃度検出システムに送水することで確認した。ヨウ素含有海水を分光光度計の原理を備えたヨウ素濃度計のフローセル(光路長さ100mm)に導入し、440nmの吸光度を測定することにより、事前に計測した海水溶媒中のヨウ素濃度と吸光度と検量線データを下にヨウ素濃度検出した。海水に添加したヨウ素は、海水が弱アルカリ性であるため、および含有する有機物或いは還元性物質との反応により、添加したヨウ素(I2)の一部がヨウ化物イオン(I−)に形態変化してしまう。そのヨウ素損失割合は海水の組成、汚れ度合いによって異なるので、海水添加後の状態で、一定濃度のヨウ素が含有していることを確認する必要がある。そのため、熱交換器出口ラインにヨウ素濃度検出システムを取り付けヨウ素濃度の管理を行った。
(ヨウ素回収システムによるヨウ素回収)
海水に添加したヨウ素は、上記したように一部がヨウ化物イオン(I−)に形態変化してしまう。ヨウ素回収においては、それらヨウ素成分を併せて回収する必要があり、本実施例では、イオン交換樹脂による回収を実施例とした。
海水熱交換システムの熱交換器からの海水排出ラインにヨウ素回収システムを取付け海水熱交換器から排出するヨウ素含有海水からヨウ素の回収する実験を行った。
ヨウ素回収システムのヨウ素回収材には強塩基性陰イオン交換樹脂を用いた。φ200mm×1000mmのアクリル管で作成したカラムに強塩基性陰イオン交換樹脂23Lを充填し(カラム下部に多孔板および樹脂ネットを装着)、熱交換器からの排出ラインを分岐してイオン交換樹脂カラムに熱交換器排出液を通水できるラインを設け、電磁バルブを設置して通常排水ライン、ヨウ素回収系統ラインの切り替えができる配管とした。防汚のためにヨウ素水を熱交換器の海水ラインに添加するタイミングで電磁弁を切り替えて、ヨウ素含有海水がイオン交換樹脂カラムに通水できるようにした。ヨウ素含有海水がイオン交換樹脂カラムに通水されるタイミングで、カラム入口および出口の海水を採水して臭素酸化滴定法により、全ヨウ素濃度を測定し、DPD法により、ヨウ素(I2)の濃度を測定し、ヨウ素回収性能を評価した。
防汚のためのヨウ素の添加条件は、ヨウ素添加した後の海水中のヨウ素濃度、ヨウ素を添加している時間、ヨウ素処理の頻度とし、表1の条件でヨウ素水を添加して約1ヶ月間連続的に熱交換器の防汚実験を行った。各条件での実験では実験を実施する季節により汚損しやすさが異なるため、時期を変えて、また、ヨウ素処理の条件も変えて、いくつかの条件で防汚実験を行った。海水の温度は季節変動し、厳寒期では約10℃、温暖期では約30℃まで変動する。各実験ともに2系列用意した熱交換システムの1系列を使ってヨウ素による防汚効果を確認する実験を行い、もう1系列を無処理区とした。
熱交換器に連続通水する海水および循環水の熱交換器への入口および出口の温度を1時間に1回の頻度で測定して、熱通過係数を算出して熱交換効率の変化を捉えて評価した。また、実験後に熱交換器を分解してプレート上の汚れ付着状況を観察して防汚効果を評価した。
各処理条件での防汚実験における熱通過係数の推移を図2〜5に示す。
海水を熱媒体として用いる場合、季節或いは採水深度により使用する海水の温度が異なり、海水中の微生物、不溶物、溶存有機物量にも差があり、熱交換器の汚れ付着の程度も異なるため、使用する海水の物性・組成に応じて、ヨウ素の添加条件を適宜設定する必要がある。
実施例3においてヨウ素濃度検出システムで計測したヨウ素水添加時の熱交換器出口におけるヨウ素濃度測定結果の1例を図6に示す。
(防汚処理後の海水からのヨウ素回収)
上記実施例1および3においてヨウ素回収システムで防汚処理後のヨウ素含有海水からヨウ素回収した結果を図7および8に示す。
海水に添加したヨウ素(I2)は一部がヨウ化物イオン(I−)等に形態変化してしまうため、図7に示すようにI2濃度が10mg/lになるよう海水にヨウ素添加した場合には、トータルヨウ素は約20mg/lとなる。また、I2濃度を65mg/lになるよう海水にヨウ素添加した場合にはトータルヨウ素は100〜110mg/lとなる。ヨウ素成分を含有した防汚処理後の海水をイオン交換樹脂カラムに通液すると、それぞれカラム入口のヨウ素濃度が異なるにも関わらず、図7、8に示したように、カラム出口では微量のヨウ素が残存するだけとなり、90%以上の回収率でヨウ素成分を回収できることが確認できた。特にイオン交換樹脂を用いた場合は、ヨウ素(I2)のみならず、ヨウ化物イオン(I−)も同時に回収できるので効果的である。イオン交換樹脂で回収したヨウ素成分は還元剤、塩化ナトリウム溶液などを用いて溶離し、再酸化してスラリーヨウ素を得て精製することでヨウ素(I2)に再生できる。
海水に薬剤を添加して熱交換器の防汚処理を行う際の環境影響を評価するため、海水にヨウ素を添加した際に生成する、塩素化有機物および臭素化有機物であるトリハロメタン類の生成有無について評価を行った。塩素処理を行った場合を比較例とした。
101 海水熱交換システム
102 熱交換器
103 ラインミキサー
104 流量計
105 ポンプ
106 海水タンク
107 循環水タンク
108 ポンプ
109 冷凍機
110 流量計
200 ヨウ素水ライン
201 ヨウ素水生成・添加システム
202 ヨウ素
203 ヨウ素キャニスター
204 ヨウ素水生成コントローラー
205 水位センサー
206 ヨウ素水タンク
207 温度センサー
208 ヨウ素水添加コントローラー
209 ポンプ
210 ポンプ
211 海水ライン
301 ヨウ素濃度検出システム
302 ヨウ素濃度検出コントローラー
303 ヨウ素濃度計(分光光度計)
401 ヨウ素回収システム
Claims (16)
- 熱交換器の表面に供給される熱交換用の水にヨウ素を供給する工程と、
該ヨウ素を含む熱交換用の水を熱交換器の表面に接触させて殺菌処理を行う工程と、を有し、
塩素化有機物および臭素化有機物を生成しないことを特徴とする熱交換器の防汚処理方法。 - 熱交換用の水が海水である請求項1に記載の防汚処理方法。
- 前記殺菌処理は、時系列においてパルス的に間隔をおいて行われる、請求項1または2に記載の防汚処理方法。
- 前記殺菌処理の処理時間は、10秒〜60分である、請求項1から3のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 前記殺菌処理の間に設けられる間隔は、1時間〜48時間である、請求項3に記載の防汚処理方法。
- 前記殺菌処理は、熱交換器を作動中に同時に行う、請求項1から5のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 熱交換用の水に供給したヨウ素を回収する工程を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 熱交換器を通過する熱交換用の水の流速は、0.2m/秒〜5.0m/秒である、請求項1から7のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- ヨウ素を含む熱交換用の水による処理温度は、5℃〜40℃である、請求項1から8のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 熱交換用の水に含まれるヨウ素の濃度は、0.5容量ppm〜150容量ppmである、請求項1から9のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- ヨウ素濃度と処理時間との積は2容量ppm・分〜2000容量ppm・分である、請求項1から10のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 前記熱交換器に接続される配管内部を防汚処理する請求項1から11のいずれか一項に記載の防汚処理方法。
- 熱交換器の表面に供給する熱交換用の水にヨウ素を供給するヨウ素供給手段を有する熱交換器の防汚処理システム。
- ヨウ素供給手段が飽和溶解したヨウ素水を生成するヨウ素水生成手段と該ヨウ素水を前記熱交換用の水に添加する手段とを有する、請求項13に記載の熱交換器の防汚処理システム。
- 前記熱交換用の水に含まれるヨウ素の濃度を吸光光度法により検出するヨウ素濃度検出手段を有する、請求項13または14に記載の熱交換器の防汚処理システム。
- 前記熱交換用の水に含まれるヨウ素を吸着可能な陰イオン交換樹脂カラムによりヨウ素を回収するヨウ素回収手段を有する、請求項13から15のいずれか一項に記載の熱交換器の防汚処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012288814A JP2014129978A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012288814A JP2014129978A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014129978A true JP2014129978A (ja) | 2014-07-10 |
Family
ID=51408497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012288814A Pending JP2014129978A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | 熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014129978A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5946563B1 (ja) * | 2015-06-16 | 2016-07-06 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 | 浄化装置およびこの浄化装置を用いた熱交換システム |
US9657600B2 (en) | 2015-02-02 | 2017-05-23 | Innovative Designs & Technology Inc. | Heat exchanger, a purifier, an electrode-containing pipe, a power generation system, a control method for heat exchanger and a scale removing method |
WO2022186013A1 (ja) * | 2021-03-05 | 2022-09-09 | オルガノ株式会社 | 水処理方法および水処理剤組成物 |
JP7264561B1 (ja) | 2022-11-09 | 2023-04-25 | 株式会社Okamura | 防汚装置及び防汚方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06134467A (ja) * | 1992-06-17 | 1994-05-17 | Baltimore Aircoil Co Inc | 蒸発式熱交換システム、蒸発式熱交換システムの再循環水中の細菌集団固体数を制御する方法及び水処理法、流体処理システム並びに流体処理法 |
JPH07256279A (ja) * | 1994-03-28 | 1995-10-09 | Hisaka Works Ltd | 熱交換器の汚れ防止方法 |
JPH0937979A (ja) * | 1995-07-28 | 1997-02-10 | Noriko Senoo | 浴用温水浄化装置 |
JP2000140858A (ja) * | 1998-11-12 | 2000-05-23 | Kurita Water Ind Ltd | スライム抑制方法、添加剤及び冷却水循環装置 |
JP2001047059A (ja) * | 1999-08-11 | 2001-02-20 | Kurita Water Ind Ltd | スライム防除方法及びスライム防除剤 |
WO2006011315A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-02 | Katayama Chemical Inc. | 船舶バラスト水の処理方法 |
US20070068875A1 (en) * | 2003-07-16 | 2007-03-29 | Envirotower Inc. | Combining waterborne bionutrients with scale particles and use of a waterborne particle remover to remove the combined particles from the water |
JP2012007969A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Hokuto Denko Kk | バラスト水中の残留オキシダント(tro)濃度の監視方法 |
-
2012
- 2012-12-28 JP JP2012288814A patent/JP2014129978A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06134467A (ja) * | 1992-06-17 | 1994-05-17 | Baltimore Aircoil Co Inc | 蒸発式熱交換システム、蒸発式熱交換システムの再循環水中の細菌集団固体数を制御する方法及び水処理法、流体処理システム並びに流体処理法 |
JPH07256279A (ja) * | 1994-03-28 | 1995-10-09 | Hisaka Works Ltd | 熱交換器の汚れ防止方法 |
JPH0937979A (ja) * | 1995-07-28 | 1997-02-10 | Noriko Senoo | 浴用温水浄化装置 |
JP2000140858A (ja) * | 1998-11-12 | 2000-05-23 | Kurita Water Ind Ltd | スライム抑制方法、添加剤及び冷却水循環装置 |
JP2001047059A (ja) * | 1999-08-11 | 2001-02-20 | Kurita Water Ind Ltd | スライム防除方法及びスライム防除剤 |
US20070068875A1 (en) * | 2003-07-16 | 2007-03-29 | Envirotower Inc. | Combining waterborne bionutrients with scale particles and use of a waterborne particle remover to remove the combined particles from the water |
WO2006011315A1 (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-02 | Katayama Chemical Inc. | 船舶バラスト水の処理方法 |
JP2012007969A (ja) * | 2010-06-24 | 2012-01-12 | Hokuto Denko Kk | バラスト水中の残留オキシダント(tro)濃度の監視方法 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9657600B2 (en) | 2015-02-02 | 2017-05-23 | Innovative Designs & Technology Inc. | Heat exchanger, a purifier, an electrode-containing pipe, a power generation system, a control method for heat exchanger and a scale removing method |
JP5946563B1 (ja) * | 2015-06-16 | 2016-07-06 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 | 浄化装置およびこの浄化装置を用いた熱交換システム |
JP2017001004A (ja) * | 2015-06-16 | 2017-01-05 | イノベーティブ・デザイン&テクノロジー株式会社 | 浄化装置およびこの浄化装置を用いた熱交換システム |
WO2022186013A1 (ja) * | 2021-03-05 | 2022-09-09 | オルガノ株式会社 | 水処理方法および水処理剤組成物 |
JP7264561B1 (ja) | 2022-11-09 | 2023-04-25 | 株式会社Okamura | 防汚装置及び防汚方法 |
JP2024068669A (ja) * | 2022-11-09 | 2024-05-21 | 株式会社Okamura | 防汚装置及び防汚方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Lin et al. | A critical review of the application of electromagnetic fields for scaling control in water systems: mechanisms, characterization, and operation | |
Xie et al. | Effects of flow and water chemistry on lead release rates from pipe scales | |
JP4121368B2 (ja) | 鉄酸塩イオンの製造方法 | |
USRE40943E1 (en) | Method in treating aqueous waste feedstream for improving the flux rates, cleaning and the useful life of filter media | |
Rossman | The effect of advanced treatment on chlorine decay in metallic pipes | |
Cristiani | Solutions to fouling in power station condensers | |
KR100900561B1 (ko) | 자외선 살균장치의 제어장치 및 제어방법 | |
Edwards et al. | The blue water phenomenon | |
Salman et al. | Performance of physical treatment method and different commercial antiscalants to control scaling deposition in desalination plant | |
JP2014129978A (ja) | 熱交換器の防汚処理方法および防汚処理システム | |
Hamid et al. | Ozone combined with ceramic membranes for water treatment: Impact on HO radical formation and mitigation of bromate | |
Melidis et al. | Corrosion control by using indirect methods | |
JP2019120528A (ja) | 工業水系で生じる障害の評価方法 | |
Nono et al. | Assessment of probable causes of chlorine decay in water distribution systems of Gaborone city, Botswana | |
Eisnor et al. | Impact of secondary disinfection on corrosion in a model water distribution system | |
Woszczynski et al. | Comparison of chlorine and chloramines on lead release from copper pipe rigs | |
Al-Bloushi et al. | Effect of organic on chemical oxidation for biofouling control in pilot-scale seawater cooling towers | |
Odell | Treatment technologies for groundwater | |
Chien et al. | Evaluation of biological stability and corrosion potential in drinking water distribution systems: a case study | |
Shi et al. | Challenges of point-of-use devices in purifying tap water: The growth of biofilm on filters and the formation of disinfection byproducts | |
Bischoff et al. | Choosing the most appropriate technique for wastewater disinfection–parallel investigation of four disinfection systems with different preceding treatment processes | |
Al-Zahrani et al. | Using different types of anti-scalants at the Al-Jubail power and desalination plant in Saudi Arabia | |
WO2007057940A1 (en) | Water disinfecting apparatus and method | |
Pontius | Information Collection Rule to Gather Critical Data | |
JP2010194479A (ja) | 純水製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140529 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20151029 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160830 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170228 |