JP7264561B1 - 防汚装置及び防汚方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、オゾンにより水生生物の付着を防止する際に、適量のオゾンを供給できる防汚装置の提供を課題とする。【解決手段】本発明の一態様に係る防汚装置は、流水が通過する通水路に水生生物が付着することを防止する防汚装置であって、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成部と、上記オゾン水を上記流水に混合する混合部と、上記流水のオキシダント濃度を測定する濃度測定部と、上記濃度測定部で測定されるオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン濃度を制御する制御部とを備え、上記流水に対して、上記濃度測定部が、上記混合部より下流側に位置する。【選択図】図1

Description

本発明は、防汚装置及び防汚方法に関する。
例えば沿岸に立地する火力発電所等では、海水を冷却水として使用する場合がある。この場合、海面から汲み上げられた海水は、流水として通水路を通過し、冷却を必要とする機器に供給された後、再び海に排水される。
上記流水中に含まれるイガイ、フジツボ、ヒドロ虫、あるいは海藻類といった水生生物が上記通水路の内壁に付着し、繁殖する場合がある。上記水生生物の付着は、通水路や機器の配管の圧力損失を大きくさせたり、上記通水路への異物の侵入を防ぐため上記通水路に配設されているスクリーンやストレーナを詰まらせたりする。このため、水生生物の付着は、海水を汲み上げる冷却水ポンプの動力の増加、火力発電所であれば送電端出力の低下等の不都合を引き起こす場合がある。
上記水生生物の付着を防止(防汚)する方法として、空気とオゾンおよび海水を取り込んで海水中にマイクロバブルを混合する方法が提案されている(特開2008-178789号公報参照)。この従来の防汚方法では、オゾンの殺菌作用により上記水生生物の付着を防止する。
特開2008-178789号公報
オゾンの殺菌作用は、濃度が高くなれば強くなる。一方で、SDGs14の海洋サステナビリティが国際的にも社会的にも解決すべき課題の1つであることから、オゾンによる周辺環境への影響を踏まえる必要がある。このため、一般に海水温度の高いときは、貝や藻類などの成長は活発であり、それを抑制するためには高い濃度のオゾンが必要である一方、海水温度が低い場合は、それほど高濃度のオゾンを必要としないという原理のもと、上記従来の防汚方法では、海水温度の低い冬季には、オゾンを10%含む空気のマイクロバブルを使用し、海水温度の高くなる夏季には、オゾンを90%含む空気のマイクロバブルを使用することが提案されている。特許文献1によれば、これにより、周辺環境への影響を配慮しつつ、物体表面の有機物の付着や水生生物の幼生の成長を抑制できるとされている。
しかし、本発明者らの知見によると、水生生物の付着の多寡は、単に水生生物の成長の活発さのみに依存するわけではなく、例えば単位体積当たりの水生生物の存在密度にも大きく依存する。この水生生物の存在密度は、海水を例にとると、同じ場所であっても降雨があると、海水が薄まるため水生生物の存在密度は低下する。また、潮の満ち引きによって深さが変化すると存在する水生生物の種類の変化等により存在密度は変化し得る。このように水生生物の付着の多寡は1日の時分においても変化するから、上記従来の防汚方法で行われている制御では、過不足なく適量のオゾンを供給しているとは言えず、オゾンの供給量には最適化の余地がある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、オゾンにより水生生物の付着を防止する際に、適量のオゾンを供給できる防汚装置及び防汚方法の提供を目的とする。
本発明者らは、オゾンはマイクロバブルとして供給することで半減期を長くすることができるものの、それでも短時間で分解されるため、仮に過剰なオゾンが供給されている状況においても、通水路の下流側で測定されるオゾン量は、ほぼ0mg/Lであり、オゾン量の測定ではオゾン供給の過不足を判断できないことを知得している。そこで、本発明者らが、オゾン供給の過不足を判断できる指標について鋭意検討したところ、オキシダント濃度が適切な指標となるとの結論に至った。「オキシダント」とは、オゾンガスを海水中又は淡水中に注入したときに発生する臭化物イオンとオゾンの反応生成酸化物をいい、残留オキシダント(Total Residual Oxidants:TRO)ともいう。水溶液中では、次亜臭素酸イオン(BrO)、臭素酸イオン(BrO )、臭素イオン(Br)、次亜臭素酸(HBrO)などの形態で存在する。ここで、「オキシダント濃度」は、オゾン供給をした際に支配的に観測される次亜臭素酸イオン(BrO)及び臭素酸イオン(BrO )の合計量の濃度(質量%)で代表するものとする。
本発明者らが、オゾンを供給した際のオキシダント濃度の振る舞いを詳細に検討したところ、オゾンが水生生物の殺菌(酸化)に消費されている間は、オキシダント濃度は増加せず、殺菌すべき水生生物が存在しない場合に増加を始める傾向にあることを突きとめ、本発明を完成させた。本発明者らは、水生生物と臭化物イオンが存在する場合に、オゾンは選択的に水生生物と酸化反応をするためであると推察している。
すなわち、本発明の一態様に係る防汚装置は、流水が通過する通水路に水生生物が付着することを防止する防汚装置であって、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成部と、上記オゾン水を上記流水に混合する混合部と、上記流水のオキシダント濃度を測定する濃度測定部と、上記濃度測定部で測定されるオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する制御部とを備え、上記流水に対して、上記濃度測定部が、上記混合部より下流側に位置する。
当該防汚装置は、オゾンを微細気泡の状態で流水に混合するので、オゾンの流水中での半減期を長くすることができ、流水中に存在する水生生物の殺菌を効果的に行うことができる。また、当該防汚装置は、オゾンを混合した流水のオキシダント濃度を下流側で測定し、制御部でこのオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する。オキシダント濃度は過剰にオゾンが供給された場合に上昇するので、このようにオキシダント濃度に基づいてオゾン量を制御することで、過不足なく適量のオゾンを供給することを可能とする。
上記流水として、海又は河川から取水した自然水が上記通水路の入口に供給されており、上記通水路の出口から排出された流水が、上記海又は河川に返送されているとよい。このように海又は河川から取水した自然水を利用し、利用後に返送することで、環境負荷を低減しつつ、上記流水を大規模な設備の冷却にも用いることが可能となる。
上記オゾン水生成部の水として、上記自然水を用いるとよい。このように上記オゾン水生成部の水として、上記自然水を用いることで、新たな水源や複雑な配管を不要とすることができる。
上記混合部の混合位置が、上記通水路の入口に設定され、上記濃度測定部の測定位置が、上記通水路の出口に設定されているとよい。このように上記混合部の混合位置を上記通水路の入口に設定し、上記濃度測定部の測定位置を上記通水路の出口に設定することで、オゾン供給を過多とすることを抑止しつつ、より確実に水生生物の付着を防止することができる。
本発明の別の一態様に係る防汚方法は、流水が通過する通水路に水生生物が付着することを防止する防汚方法であって、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成工程と、上記オゾン水を上記流水に混合する混合工程と、上記流水のオキシダント濃度を測定する濃度測定工程と、上記濃度測定工程で測定されるオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する制御工程とを備え、上記流水に対して、上記濃度測定工程の測定が、上記混合工程の混合より下流側で行われる。
当該防汚方法は、オゾンを微細気泡の状態で流水に混合するので、オゾンの流水中での半減期を長くすることができ、流水中に存在する水生生物の殺菌を効果的に行うことができる。また、当該防汚方法は、オゾンを混合した流水のオキシダント濃度を下流側で測定し、制御工程でこのオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する。オキシダント濃度は過剰にオゾンが供給された場合に上昇するので、このようにオキシダント濃度に基づいてオゾン量を制御することで、過不足なく適量のオゾンを供給することを可能とする。
上記混合工程で、上記オゾン水の混合が間欠的に行われるとよい。このように上記混合工程で、上記オゾン水の混合を間欠的に行うことで、不要なオゾン供給を抑止できるので、効率的に水生生物の付着を防止することができる。
上記濃度測定工程で、オキシダント濃度が0.05質量ppm以上0.4質量ppm以下となるように上記オゾン量を制御するとよい。このように上記濃度測定工程で、オキシダント濃度が上記範囲内となるように上記オゾン量を制御することで、オゾン供給を過多とすることを抑止しつつ、より確実に水生生物の付着を防止することができる。
本発明の防汚装置及び防汚方法は、オゾンにより水生生物の付着を防止する際に、適量のオゾンを供給できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る防汚装置を示す構成図である。 図2は、図1の濃度測定部の一例を示す構成図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る防汚方法を示すフロー図である。 図4は、図1とは異なる実施形態に係る防汚装置を示す構成図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る防汚装置及び防汚方法について、適宜図面を参照しつつ説明する。
〔防汚装置〕
図1に示す防汚装置1は、流水Rが通過する通水路Tに水生生物が付着することを防止する防汚装置である。当該防汚装置1は、図1に示すように海Mの海水Sを冷却水として使用するプラントの冷却水系統に設置することができる。当該防汚装置1は、ポンプ10と、オゾン水生成部20と、混合部30(第1混合部31及び第2混合部32)と、濃度測定部40と、制御部50とを備える。
上記プラントとしては、例えば火力発電所P(図1参照)を挙げることができる。火力発電所Pは、熱交換器P1、復水器P2等を有する。以下、上記プラントが火力発電所Pである場合を例にとり説明するが、上記プラントが火力発電所Pに限定されることを意味するものではない。
<通水路>
通水路Tは、熱交換器P1の伝熱管、復水器P2の流路等を構成することになる。当該防汚装置1では、通水路Tは熱交換器P1及び復水器P2の直前で分岐し、熱交換器P1及び復水器P2に対して並列に流水Rを供給できるように構成されている。また、通水路Tの入口T1側には取水ピットP3が設けられており、通水路Tの出口T2側には放水ピットP4が設けられている。取水ピットP3には、異物の侵入を防ぐためのスクリーンP5及びストレーナP6が上流側からこの順に配設されていてもよい。当該防汚装置1は、熱交換器P1、復水器P2、スクリーンP5、ストレーナP6の一部又は全部に対し、水生生物の付着を防止することができる。
また、火力発電所Pは、循環ポンプP7を有し、取水ピットP3の海水Sを熱交換器P1や復水器P2へ流水Rとして供給する。循環ポンプP7の能力は、必要とされる流水Rの量により適宜決定されるが、例えば100m/h以上10万m/h以下とできる。
当該防汚装置1では、流水Rとして、海Mから取水した自然水Yが通水路Tの入口T1に供給されており、通水路Tの出口T2から排出された流水Rが、海Mへ返送されている。このように海Mから取水した自然水Yを利用し、利用後に返送することで、環境負荷を低減しつつ、流水Rを大規模な設備の冷却にも用いることが可能となる。
通水路Tの壁の材質としては、繊維強化プラスチック(FRP)、チタン、タールエポキシ塗装した一般構造用圧延鋼材(SS4400)、犠牲陽極の亜鉛を取り付けたSS4400、アルミ黄銅、ポリ塩化ビニル(PVC)などを用いることができる。これらは単独で用いられてもよく、混在して用いられていてもよい。中でもオゾンによる水生生物の付着防止効果の観点からは、犠牲陽極の亜鉛を取り付けたSS4400及びアルミ黄銅が好ましい。また、耐腐食性の観点からは、FRP及びチタンが好ましい。
通水路Tの一部の壁には、アクリル等の透明な材質が用いられていることが好ましい。このように通水路Tの一部の壁に透明な材質を用いることで、通水路Tにおける微細気泡の状態を確認することができる。
通水路Tを流れる流水Rの速度は、特に限定されないが、例えば1.0m/s以上5.0m/s以下、好ましくは1.5m/s以上3.0m/s以下とできる。流水Rの速度が上記下限未満であると、上記プラントに必要量の流水Rを供給できないおそれがある。逆に、流水Rの速度が上記上限を超えると、圧損が大きくなり過ぎるおそれや、流水Rにオゾンを十分に供給できないおそれがある。
<ポンプ>
ポンプ10は、自然水Yを後述するオゾン水生成部20へ移送するポンプである。
ポンプ10は、必要量の自然水Yを移送できれば特に限定されず、公知のインラインポンプを使用することができる。
ポンプ10は、海Mの海水Sを直接、あるいはスクリーンP5及びストレーナP6を通過した取水ピットP3の自然水Yを直接汲み上げることもできるが、循環ポンプP7により汲み上げられた流水Rから分流して汲み上げることが好ましい。このように構成することで、ポンプ10の負荷を減少させ、ポンプ10の消費電力を低減することができる。
ポンプ10の移送能力(供給量)は、必要とされるオゾン水の量により適宜決定されるが、例えば5m/h以上1万m/h以下とできる。また、ポンプ10は、その供給量が制御部50により可変に制御されていてもよい。
<オゾン水生成部>
オゾン水生成部20は、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成する。オゾン水生成部20は、例えば酸素ガス発生器と、オゾン発生器と、微細気泡発生器とから構成することができる。
上記酸素ガス発生器では、酸素ガスを発生する。上記酸素ガス発生器としては、公知のPSA方式あるいはPVSA方式のガス発生器を用いることができる。
上記オゾン発生器では、上記酸素ガス発生器で発生させた酸素ガスを、例えば無声放電方式、水電解方式、紫外線方式等でオゾンガスとし、上記微細気泡発生器に供給する。
上記微細気泡発生器では、上記オゾン発生器で発生させたオゾンを含む微細気泡を水に注入してオゾン水とする。
オゾン水生成部20の水としては、別の水源、例えば水道水等を用いることも可能であるが、例えば取水ピットP3に貯えられた自然水Yを用いることが好ましい。このようにオゾン水生成部20の水として、自然水Yを用いることで、新たな水源や複雑な配管を不要とすることができる。
上記微細気泡を水に注入する方法としては、旋回液流式、スタティックミキサー式、機械的せん断式、微細孔式等の液流せん断による気相分散を用いた方法や、加圧溶解式等の液中ガスの溶解度を変化させる方法などを用いることができる。
微細気泡は、水中で球形を保つことができず、楕円形状等に変形する。このため、静止水中であっても微細気泡は真っ直ぐ上昇せず、ジグザグ運動やらせん運動を伴いながら上昇する。このため、微細気泡は、水中を浮上するときの上昇速度が十分に遅く、水中に長く留まることができる。オゾンは不安定な物質であり、大気中では比較的短時間で酸素に分解して消滅するが、水中、特に淡水中ではその減衰が遅く、数秒から数十分にわたって分解せず存在し得る。当該防汚装置1では、オゾンを微細気泡として水中に留まらせることで、通水路Tにオゾンを供給する。オゾンには高い殺菌力があることが知られており、当該防汚装置1は、このオゾンの殺菌力により通水路Tに水生生物が付着することを防止する。
上記微細気泡の平均径の下限としては、100nmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、上記微細気泡の平均径の上限としては、500μmが好ましく、100μmがより好ましい。上記微細気泡の平均径が上記下限未満であると、微細気泡の生成が困難となるおそれや、微細気泡の生成にコストがかかり過ぎるおそれがある。逆に、上記微細気泡の平均径が上記上限を超えると、上記微細気泡の水中での滞在時間が短くなり、特に通水路Tの下流に十分にオゾンを供給できず、水生生物の付着防止効果が低下するおそれがある。なお、「微細気泡の平均径」は、微細気泡を発生させたオゾン水を高速ビデオカメラにより1ピクセル4μmの倍率で約2mm□の範囲で撮影し、撮影画像の画像処理により求めることができる。オゾン水生成部20の水が海水である場合、オゾンが海水中の不純物等と速やかに反応して微細気泡の平均径の測定ができない場合がある。このような場合にあっては、微細気泡の平均径は、オゾン水生成部20の水を淡水に置き換えた場合に観測される平均径と等しいとみなす。微細気泡に関する他の諸元についても同様とする。
上記微細気泡の濃度の下限としては、10個/mLが好ましく、10個/mLがより好ましい。一方、上記微細気泡の濃度の上限としては、10個/mLが好ましく、10個/mLがより好ましい。上記微細気泡の濃度が上記下限未満であると、水生生物の付着防止効果が低下するおそれがある。逆に、上記微細気泡の濃度が上記上限を超えると、微細気泡の生成にコストがかかり過ぎるおそれがある。なお、微細気泡の平均径が大きいほど上記微細気泡の濃度は低くなり、逆に微細気泡の平均径が小さいほど上記微細気泡の濃度は高くなる。例えば上記微細気泡の平均径が200nm以上500nm以下である場合、上記微細気泡の濃度の上限としては、10個/mLが好ましい。逆に、上記微細気泡の平均径が100nm以上200nm以下である場合、上記微細気泡の濃度の下限としては、10個/mLが好ましい。
上記オゾン水におけるオゾン濃度の下限としては、0.4質量ppmが好ましく、0.5質量ppmがより好ましい。一方、上記オゾン濃度の上限としては、10質量ppmが好ましく、5質量ppmがより好ましい。上記オゾン濃度が上記下限未満であると、水生生物の付着防止効果が低下するおそれがある。逆に、上記オゾン濃度が上記上限を超えると、オゾン水の生成にコストがかかり過ぎるおそれがある。なお、オゾン濃度を実測することは困難であるため、ここでいう「オゾン濃度」とは、オゾン水生成部20の水に投入したオゾンの量から算出される計算投入濃度を指す。
当該防汚装置1では、流水Rに混合されるオゾン量は、オゾン水のオゾン濃度で制御される。このため、上記オゾン濃度は可変である。
<混合部>
混合部30は、上記オゾン水を流水Rに混合する。
混合部30として、流水Rに一様に攪拌するための混合器を設けてもよいが、当該防汚装置1では、オゾン水生成部20からの配管を通水路Tに直結させ、通水路Tに直接オゾン水を流し込む構成を採用している。このような構成であっても、流水Rの流れによりオゾン水は攪拌され、流水Rに混合される。
当該防汚装置1では、図1に示すように、第1混合部31及び第2混合部32を有し、オゾン水を2箇所で混合する。このうち第1混合部31は、オゾン水を通水路Tの入口T1に供給している。すなわち、混合部30の混合位置が、通水路Tの入口T1に設定されている。ここで、「混合位置が通水路の入口である」とは、混合位置が純粋に通水路の取水口である場合に加え、取水口とプラントの最初の設備(図1ではスクリーンP5)との間である場合を含む。
第2混合部32は、オゾン水を熱交換器P1及び復水器P2の直前で、通水路Tが分岐する前の位置に供給している。このようにオゾン水を熱交換器P1及び復水器P2の直前に供給することで、熱交換器P1及び復水器P2に対する水生生物の付着防止効果を高めることができる。また、通水路Tの分岐前位置とすることで、1つの混合部30(第2混合部32単体)で熱交換器P1及び復水器P2の両方にオゾン水を供給することを可能とする。
オゾン水生成部20で生成される全オゾン水量に対する第1混合部31に供給するオゾン水の割合の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましい。第1混合部31に供給するオゾン水の割合を上記下限以上とすることで、スクリーンP5及びストレーナP6への水生生物の付着を、より確実に防止できる。一方、第1混合部31に供給するオゾン水の割合の上限としては、特に限定されず、100質量%、すなわち第1混合部31に全オゾン水を供給してもよいが、熱交換器P1及び復水器P2に対する水生生物の付着防止効果の観点から99質量%が好ましい。
オゾン水の混合後(第2混合部32の下流側)の流水Rにおけるオゾン濃度の下限としては、0.1質量ppmが好ましく、0.2質量ppmがより好ましい。一方、上記オゾン濃度の上限としては、1質量ppmが好ましく、0.5質量ppmがより好ましい。上記オゾン濃度が上記下限未満であると、水生生物の付着防止効果が低下するおそれがある。逆に、上記オゾン濃度が上記上限を超えると、オゾン水の生成にコストがかかり過ぎるおそれがある。
<濃度測定部>
濃度測定部40は、流水Rのオキシダント濃度を測定する。濃度測定部40は、オキシダント濃度測定器により構成できる。
濃度測定部40の測定位置は、通水路Tの出口T2に設定されている。つまり、流水Rに対して、濃度測定部40は、混合部30より下流側に位置する。ここで、「測定位置が通水路の出口である」とは、測定位置が純粋に通水路の出口である場合に加え、出口とプラントの最後の設備(図1では熱交換器P1及び復水器P2であるが、これ以降に主冷却水を用いる設備が追加されている場合は、その最下流の追加設備)との間である場合を含む。具体的には、図1に示す防汚装置1では、濃度測定部40の測定位置は、放水ピットP4内である。濃度測定部40の測定位置は、放水ピットP4内でも出口T2に近接していることが好ましい。排水するまでの間の系全体のオゾンの過不足を確実に把握することができる。あるいは、濃度測定部40の測定位置を、熱交換器P1及び復水器P2が合流した後(すなわち最下流の設備の直後)の配管に設けてもよい。この場合、濃度測定部40のための取水位置が、放水ピットP4内に設けるよりも上流側に位置することとなるため、必要な配管の長さあるいは濃度測定部40と制御部50との間の信号線の長さを短くすることが可能となり、当該防汚装置1をコンパクト化できる。
上記オキシダント濃度測定器としては、電気化学式の無試薬型のオキシダント濃度測定器が好ましく、中でも選択的にオキシダントを測定できる3電極型ポテンシャルパルスボルタンメトリー法を用いたオキシダント濃度測定器がより好ましい。微小固体電極ポーラログラフ方式のオキシダント濃度測定器を用いることで、容易にオキシダント濃度の連続測定が可能となる。以下、微小固体電極ポーラログラフ方式のオキシダント濃度測定器を用いることを前提に説明を続けるが、オキシダント濃度測定器が微小固体電極ポーラログラフ方式に限定されることを意味するものではない。
濃度測定部40は、例えば図2に示すように構成されるとよい。具体的には、濃度測定部40は、測定対象となる流水Rの一部をサンプリングする水槽41と、この水槽41にサンプリングされた流水Rに浸漬され、オキシダント濃度を測定する電極42と、水中アース43とを有する。
水中アース43は、メッシュ状であり、水槽41を二分するように配置される。すなわち、図2に示すように、水槽41は、水中アース43により第1領域41aと第2領域41bとに分けられる。水中アース43としては、銅メッシュが好ましい。
流水Rは、放水ピットP4から第1領域41aに供給される。また、第2領域41bの水は排出されている。第2領域41bの水は、海Mに直接排水されてもよいし、放水ピットP4に返送されて、放水ピットP4を介して海Mへ排出されてもよい。放水ピットP4に返送する場合、第1領域41aへ供給する流水Rの取水位置よりも返送位置が流水Rに対して下流側であることが好ましい。
上述のように構成すると、流水Rは、第1領域41aから水中アース43を介して第2領域41bへ移動した後に電極42によりオキシダント濃度が測定されることになる。従って、水中アース43を通過し、除電された流水Rのオキシダント濃度を測定することとなるため、オキシダント濃度の測定精度を高めることができる。
なお、水中アース43は、図2に示す構成の他、水槽41を二分することなく、単に水槽41中の流水Rに浸漬するのみの構成を採用することもできる。このような構成であっても、一定の除電効果を発揮する。
また、濃度測定部40は、電磁波の影響を受け難い場所に設置することが好ましい。このように濃度測定部40を電磁波の影響を受け難い場所に設置することで、オキシダント濃度の測定精度を高めることができる。具体的には、例えば濃度測定部40を、サーボモータ等の電磁波を発する機器とは異なるボックスに設置するとよい。
<制御部>
制御部50は、濃度測定部40で測定されるオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン量を制御する。制御部50は、マイクロコントローラやパーソナルコンピュータ等の計算機で実現することができる。
当該防汚装置1では、制御部50は、オゾン水生成部20のオゾン濃度を制御することで、混合部30でオゾン水を混合した後の流水Rのオゾン量を制御する。具体的にはオゾン水生成部20で生成されるオゾン濃度を高めると、流水Rのオゾン量を増やすことができる。オゾン量を下げる場合は、逆の制御を行えばよい。すなわち、オゾン水生成部20で生成されるオゾン濃度を低下させる。
<利点>
当該防汚装置1は、オゾンを微細気泡の状態で流水Rに混合するので、オゾンの流水R中での半減期を長くすることができ、流水R中に存在する水生生物の殺菌を効果的に行うことができる。また、当該防汚装置1は、オゾンを混合した流水Rのオキシダント濃度を下流側で測定し、制御部50でこのオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン量を制御する。オキシダント濃度は過剰にオゾンが供給された場合に上昇するので、このようにオキシダント濃度に基づいてオゾン量を制御することで、過不足なく適量のオゾンを供給することを可能とする。
また、当該防汚装置1では、混合部30の混合位置を通水路Tの入口T1に設定し、濃度測定部40の測定位置を通水路Tの出口T2に設定することで、オゾン供給を過多とすることを抑止しつつ、より確実に水生生物の付着を防止することができる。
〔防汚方法〕
図3に示す防汚方法は、流水Rが通過する通水路Tに水生生物が付着することを防止する防汚方法である。当該防汚方法は、図1に示す防汚装置1を用いて行うことができる。
当該防汚方法は、図3に示すように、オゾン水生成工程S1と、混合工程S2と、濃度測定工程S3と、制御工程S4とを備える。
<オゾン水生成工程>
オゾン水生成工程S1では、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成する。オゾン水生成工程S1は、当該防汚装置1のオゾン水生成部20により行うことができる。
<混合工程>
混合工程S2では、上記オゾン水を流水Rに混合する。混合工程S2は、当該防汚装置1の混合部30により行うことができる。
混合工程S2で、上記オゾン水の混合は間欠的に行われることが好ましい。特に通水路TにスクリーンP5やストレーナP6が配設されている場合、通水路T内に付着する水生生物は、スクリーンP5やストレーナP6を通過し得た幼生に限られる。この場合、幼生が成長するには一定の期間を要するから、即座に水中生物を除去する必要性は低い。このため、オゾンの供給を一定期間行わなくとも、当該防汚装置1を設置したプラントに不具合が生じるおそれは極めて低い。むしろ、混合工程S2で、上記オゾン水の混合を間欠的に行うことで、不要なオゾン供給を抑止できるので、効率的に水生生物の付着を防止することができる。
オゾン水の混合を行わない停止期間としては、例えば8時間以上1か月以下とすることができる。上記停止期間が上記下限未満であると、オゾン供給の抑止による効率化が不十分となるおそれがある。逆に、上記停止期間が上記上限を超えると、水生生物の付着防止効果が不十分となるおそれがある。
上記停止期間は、水生生物の成長速度に依存して変動させてもよい。すなわち、水生生物の成長速度が遅い冬季においては、上記停止期間を長くとり、水生生物の成長速度が速い夏期においては、上記停止期間を短くとってもよい。
オゾン水の混合を行う運転期間は、上記停止期間と同様に適宜決定してもよいが、制御部50での制御状態により決定してもよい。例えば、濃度測定部40で測定されるオキシダント濃度が所定値以上であり、かつ混合部30におけるオゾン水の混合割合が所定値以下である状態が、一定期間継続した後に停止するようにしてもよい。このような条件がそろった場合には、通水路Tの水中生物が十分に除去されていると判断できるためである。
<濃度測定工程>
濃度測定工程S3では、流水Rのオキシダント濃度を測定する。濃度測定工程S3は、当該防汚装置1の濃度測定部40により行うことができる。
流水Rに対して、濃度測定工程S3の測定は、混合工程S2の混合より下流側で行われる。すなわち、濃度測定工程S3は、オゾン水が混合されている流水Rのオキシダント濃度を測定する。
<制御工程>
制御工程S4では、濃度測定工程S3で測定されるオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン量を制御する。制御工程S4は、当該防汚装置1の制御部50により行うことができる。
制御部50での制御は、濃度測定工程S3でのオキシダント濃度が所定値の範囲となるように制御することが好ましい。上記所定値の範囲の下限としては、0.05質量ppmが好ましく、0.1質量ppmがより好ましい。一方、上記所定の範囲の上限としては、0.4質量ppmが好ましく、0.2質量ppmがより好ましい。上記所定値が上記下限未満であると、水生生物の付着防止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記所定値が上記上限を超えると、オゾン供給が過多となり、周辺環境への影響が懸念される。
<利点>
当該防汚方法は、オゾンを微細気泡の状態で流水Rに混合するので、オゾンの流水R中での半減期を長くすることができ、流水R中に存在する水生生物の殺菌を効果的に行うことができる。また、当該防汚方法は、オゾンを混合した流水Rのオキシダント濃度を下流側で測定し、制御工程S4でこのオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン量を制御する。オキシダント濃度は過剰にオゾンが供給された場合に上昇するので、このようにオキシダント濃度に基づいてオゾン量を制御することで、過不足なく適量のオゾンを供給することを可能とする。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る防汚装置及び防汚方法について、適宜図面を参照しつつ説明する。
〔防汚装置〕
図4に示す防汚装置2は、流水Rが通過する通水路Tに水生生物が付着することを防止する防汚装置であって、ポンプ11(第1ポンプ11a及び第2ポンプ11b)と、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成部20と、上記オゾン水を流水Rに混合する混合部33と、流水Rのオキシダント濃度を測定する濃度測定部40と、濃度測定部40で測定されるオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン量を制御する制御部51とを備え、流水Rに対して、濃度測定部40が、混合部33より下流側に位置する。
当該防汚装置2のオゾン水生成部20及び濃度測定部40は、第1実施形態の防汚装置1と同様に構成できるので、詳細説明を省略する。また、第1実施形態と同様にプラントが火力発電所Pである場合を例にとり説明する。
<ポンプ>
第1ポンプ11aは、取水ピットP3の自然水Yをオゾン水生成部20へ移送するポンプであり、第2ポンプ11bは、取水ピットP3の自然水Yを混合部33の拡散槽34(後述)へ移送するポンプである。
第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bは、必要量の自然水Yを移送できれば特に限定されず、公知の渦巻ポンプを使用することができる。
第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bの移送能力(供給量)は、必要とされる流水Rの量により適宜決定されるが、第1実施形態の防汚装置1のポンプ10の移送能力と同等とすることができる。
<混合部>
混合部33は、拡散槽34と、第1混合部31と、第2混合部32とを有する。
当該防汚装置2では、取水ピットP3の自然水Yと、オゾン水生成部20で生成されたオゾン水とを拡散槽34で混合し、その混合水を第1混合部31及び第2混合部32の2箇所に供給する。第1混合部31及び第2混合部32は、第1実施形態の第1混合部31及び第2混合部32と同様に構成される。
当該防汚装置2では、自然水Yとオゾン水との混合比は、第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bの流体の供給量を制御すること、すなわち上記混合水のオゾン濃度を制御することで行うことができる。また、第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bの流体の供給量の制御により、通水路Tの下流側に供給される流水Rの流速が、上記混合比によらず一定となることが好ましい。
オゾン水の混合後の流水Rにおけるオゾン量は、第1実施形態の混合部30と同様とできる。
<制御部>
制御部51は、第1実施形態の制御部50と同様に構成できる。
当該防汚装置2では、制御部51は、第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bの供給量を制御することで、混合部33でオゾン水を混合した後の流水Rのオゾン量を制御する。具体的には第1ポンプ11aの供給量を上げると、又は第2ポンプ11bの供給量を下げると、オゾン量を上げることができる。このとき、通水路Tに供給される流水Rの流速が一定となるように制御することが好ましいので、第1ポンプ11aの供給量の上昇と第2ポンプ11bの供給量の減少は同時に行うことが好ましい。オゾン量を下げる場合は、逆の制御を行えばよい。また、オゾン水生成部20で生成されるオゾン水のオゾン濃度を一定に保ったまま第1ポンプ11a及び第2ポンプ11bの制御を行ってもよいが、上記制御に加えて、オゾン水生成部20で生成されるオゾン水のオゾン濃度を制御してもよい。
〔防汚方法〕
当該防汚装置2を用いた防汚方法は、流水Rが通過する通水路Tに水生生物が付着することを防止する防汚方法である。当該防汚方法は、図3に示す第1実施形態の防汚方法と同様に、オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成工程S1と、上記オゾン水を流水Rに混合する混合工程S2と、流水Rのオキシダント濃度を測定する濃度測定工程S3と、濃度測定工程S3で測定されるオキシダント濃度に基づいて流水Rのオゾン濃度を制御する制御工程S4とを備え、流水Rに対して、濃度測定工程S4の測定が、混合工程S2の混合より下流側で行われる。
当該防汚方法の各工程は、第1実施形態の対応する工程と同様であるので、詳細説明を省略する。
<利点>
当該防汚装置2及び当該防汚方法においても、第1実施形態の防汚装置1及び防汚方法と同様の効果を奏する。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、流水として、海から取水した自然水を用いる場合を説明したが、上記自然水は、河川から汲み上げてもよい。また、流水を使用するプラントの規模によっては池を水源とすることも可能であり、流水の水源は特に限定されない。
上記実施形態では、オゾン水のオゾン濃度やポンプの流量制御により流水のオゾン量を制御する場合を説明したが、これらの制御は、他の方法によってもよい。例えばオゾン水生成部から混合部へ至る配管等に流量可変バルブを設け、この流量可変バルブにより流量を制御してもよい。
また、上記第2実施形態では、オゾン水と自然水との両方の流量を制御する場合を説明したが、例えば自然水の量のみで調整する方法を採用してもよい。
あるいは、上記第1実施形態の流量制御に代えて上記第2実施形態の流量制御を用いることもできる。逆に上記第2実施形態の混合部に代えて上記第1実施形態の混合部を用いることもできる。
上記実施形態では、混合部の混合位置が通水路の入口に設定され、濃度測定部の測定位置が通水路の出口に設定されている場合を説明したが、流水に対して、上記濃度測定部が上記混合部より下流側に位置する限り、それぞれの位置が通水路の途中に設定されることを妨げるものではない。
上記実施形態では、当該防汚装置が使用されるプランとして火力発電所を例に取り説明したが、当該防汚装置は、例えばLNG気化設備など多量の冷却水を要する他のプラントにも好適に用いることができる。
また、火力発電所の構成も上記実施形態に限定されるのではない。各構成要素の一部が省略されていてもよいし、一部の構成要素に当該防汚装置を経た流水の供給がなされていなくともよい。また、熱交換器及び復水器への流水の供給は並列である必要はなく直列であってもよい。直列に供給する場合は、熱交換器及び復水器のいずれが上流側であってもよい。
以上説明したように、本発明の防汚装置及び防汚方法は、オゾンにより水生生物の付着を防止する際に、適量のオゾンを供給できる。従って、本発明の防汚装置及び防汚方法は、水生生物の付着を防止しつつ、海洋等の水源の水質保全に寄与できる。
1、2 防汚装置
10、11 ポンプ
11a 第1ポンプ
11b 第2ポンプ
20 オゾン水生成部
30、33 混合部
31 第1混合部
32 第2混合部
34 拡散槽
40 濃度測定部
41 水槽
41a 第1領域
41b 第2領域
42 電極
43 水中アース
50、51 制御部
R 流水
T 通水路
T1 入口
T2 出口
Y 自然水
P 火力発電所
P1 熱交換器
P2 復水器
P3 取水ピット
P4 放水ピット
P5 スクリーン
P6 ストレーナ
P7 循環ポンプ

Claims (7)

  1. 流水が通過する通水路に水生生物が付着することを防止する防汚装置であって、
    オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成部と、
    上記オゾン水を上記流水に混合する混合部と、
    上記流水のオキシダント濃度を測定する濃度測定部と、
    上記濃度測定部で測定されるオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する制御部と
    を備え、
    上記流水に対して、上記濃度測定部が、上記混合部より下流側に位置する防汚装置。
  2. 上記流水として、海又は河川から取水した自然水が上記通水路の入口に供給されており、
    上記通水路の出口から排出された流水が、上記海又は河川に返送されている請求項1に記載の防汚装置。
  3. 上記オゾン水生成部の水として、上記自然水を用いる請求項2に記載の防汚装置。
  4. 上記混合部の混合位置が、上記通水路の入口に設定され、
    上記濃度測定部の測定位置が、上記通水路の出口に設定されている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の防汚装置。
  5. 流水が通過する通水路に水生生物が付着することを防止する防汚方法であって、
    オゾンを含む微細気泡を水に注入したオゾン水を生成するオゾン水生成工程と、
    上記オゾン水を上記流水に混合する混合工程と、
    上記流水のオキシダント濃度を測定する濃度測定工程と、
    上記濃度測定工程で測定されるオキシダント濃度に基づいて上記流水のオゾン量を制御する制御工程と
    を備え、
    上記流水に対して、上記濃度測定工程の測定が、上記混合工程の混合より下流側で行われる防汚方法。
  6. 上記混合工程で、上記オゾン水の混合が間欠的に行われる請求項5に記載の防汚方法。
  7. 上記濃度測定工程で、オキシダント濃度が0.05質量ppm以上0.4質量ppm以下となるように上記オゾン量を制御する請求項5又は請求項6に記載の防汚方法。

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