JP2004267868A - ラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】液体中に気体を混合・貯蔵する。
【解決手段】気体と液体とを気液混合比率1〜50%(体積比)の範囲で加圧(0〜100kg/cm)下で送給する機能を有する気液送給ポンプと、送給された気液混合体を気泡径10,000ナノメートル以下の超微細気泡態化させて混合するライン・アトマイザーとからなり、溶存気体の富化を必要とする水圏へ超微細気泡態化させて気液混合体を送給することを特徴とする。前記気体は、純酸素、酸素富化空気または空気などの酸素を含む気体であり、あるいは、二酸化炭素を含む気体であることができる。前記水圏は、富栄養化水圏、低酸素ないし無酸素化水圏、植物系生物活性化水圏とすることができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、海水及び淡水等の溶存気体の富化を必要とする水圏へ所望の気体(ガス体)を、所望の量を、急速に溶解させ、一部を溶存態化し、残余は超微細気泡態化して貯留・供給する分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
社会生活の高度化に従って、水圏の利用、あるいは水圏への浄化負荷は益々増えている。それに連れて水圏の環境悪化も益々増えており、その改善は喫緊の人類的課題とされている。魚類や貝類の孵化・生育・放流や養殖・活魚保育に際して、適合する水域の確保や新鮮な生育水の補給が困難になってきており、生物生育環境の維持が脅かされて、成長遅延や大量斃死の事態が発生している。生活廃棄物や産業廃棄物の処理はそれなりに進んでいるものの、地上での永久的な保管・埋設には限界があり、放流され、あるいは溶けだした富栄養化物質が水圏に蓄積され、赤潮発生の頻発化や、ヘドロ等の未分解物質の蓄積などが社会問題になっている。
【0003】
河川の流路調整や護岸等により、河川の流路が人工化され、自然浄化力が作用し難くされている。海浜地帯においても、道路建設・浸食防止の護岸・港湾機能の高度化等々により、自然海浜は近年顕著に減少し、それらの人工海浜においては赤焼けで海水植物の欠乏・死滅するなど海水生物の貧化が問題となっている。
人工漁礁や海水植物の養殖・増殖の試みもなされてきているが、必ずしも成功してはいない。
微生物から高等生物への自然生態系の生産力は、非常に大きなものであるが、水圏においては、その水圏に含まれる溶存気体(酸素・二酸化炭素)に制約されていると考えられている。
【0004】
通常ガス体は、定常状態では、安定した状態で存在し、従って、ガス体の反応活性は低く、反応効率が悪いものとされている。しかし、ガス体が、液体中に溶解し、溶存状態で存在する場合は、反応活性が高く、反応速度が著しく向上することが知られている。
液体中のガス体の溶存は、溶媒溶体の固有の物性・性状及び温度、圧力等の外的な条件により制約を受けるため、所望するガス種(特に、酸素ガス等の難溶解性のガス種)を、所要時間内に、継続的に、或いは、反復して、所要量を溶解・溶存させる事は、困難とされて来た。
【0005】
気体が溶存するためには、溶解限度の範囲で、気液の接触界面に制約される。静止界面での接触面積は限られており、自然界では風波による接触面積の増加・攪拌が溶存化に寄与している。人工的には、曝気や、気体の吹き込み等で溶存化増大が試みられている。しかし、吹き込み気体においても、その気体粒径を小さくできなかったため、吹き込まれた気体粒子が急速に浮上してしまい、とけ込む気体の割合は限られていた。したがって、ガス体を液体中に直接貯蔵することは、溶媒液体の比重、粘性等の固有の物性・性状により制約を受けるため、実用化されていない。
【0006】
従来、溶液中にガス体(気体)を溶解させ、溶存状態化させることは、困難とされて来た。特に、酸素等の難溶解性のガス体については、高圧下では、液中への溶解量は増加することが知られている。しかし、その溶解量は、数mg/リットル程度で、極めて少量である。また、ガス体を液体中、特に、非閉鎖・開放系の液中に、大量に、長時間、貯留することは、困難とされて来た。
本発明者は、活性汚泥法による排水浄化に関して、液体中に気体を微細気泡として分散・貯蔵する発明をなした(特許文献1参照)。
そこでは対象が活性汚泥を含む処理排水であり、オゾンをも併せて混合することができることを主眼とされていた。
【0007】
【特許文献1】
特願2002−212598
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気液混合・貯蔵の概念を、養魚水圏、植物プランクトンが異常に増殖されることが危惧される富栄養化水圏、ヘドロ等が蓄積している無酸素化水圏や、炭酸ガス同化作用を行う水生植物生物を増・養殖する植物系生物活性化水圏に拡張し、適用範囲に新天地を開拓するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のラインアトマイザーによる溶存化・貯蔵ガス供給システムは、気体と液体とを気液混合比率1〜50%(体積比)の範囲で加圧(約0.0981〜9.81MPa(1〜100kg/cm))下で送給する機能を有する気液送給ポンプと、送給された気液混合体を気泡径10,000ナノメートル以下の超微細気泡態化させて混合するライン・アトマイザーとからなり、溶存気体の富化を必要とする水圏へ超微細気泡態化させて気液混合体を送給することを特徴とする。前記気体は、純酸素、酸素富化空気または空気などの酸素を含む気体であり、あるいは、二酸化炭素を含む気体であることができる。前者の場合における前記溶存気体の富化を必要とする水圏は、養魚水圏、植物プランクトンが異常に増殖されることが危惧される富栄養化水圏、ヘドロ等が蓄積している低酸素ないし無酸素化水圏のいずれかであることができ、後者の場合における前記溶存気体の富化を必要とする水圏は、炭酸ガス同化作用を行う水生植物生物を増・養殖する植物系生物活性化水圏とすることができる。
【0010】
本発明のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システムは、所要のガスを用途に応じ、管理・制御システムにより管理・制御し、
(1) 溶存態化して、供給する
(2) 高反応活性を目的として、原子状態化して、供給する
(3) 超微細気泡態化して、溶液中に滞留・貯蔵し、溶存ガスの消耗・消費に備え、継続的に、溶存ガスを補充・供給する
(4) 上記、(1)〜(3)を夫々単独に、又は各2項又は3項を組み合わせて、供給する
ものであることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガスロック、エアロックを起こすことなく気体と液体との混合体を送給することができる気液圧送ポンプと、超音波及びキャビテーションを発生させる機能を備えたアトマイザーにより構成されるラインアトマイザーを用いて、加圧下で、該溶液と所望のガスを混合し、気泡径10,000ナノ・メートル以下の超微細気泡態化することにより、気体の液体中への溶解速度を高め、溶存態化し、ガス体を超微細気泡態として、分散・滞留・貯蔵することを可能にし、併せて所要のガス体を所望量、溶存させることを可能とすることを基本とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明が適用対象とする水圏は、養魚水圏、植物プランクトンが異常に増殖されることが危惧される富栄養化水圏、ヘドロ等が蓄積している無酸素化水圏や、炭酸ガス同化作用を行う水生植物生物を増・養殖する植物系生物要活性化水圏である。
養魚水圏としては、内陸水圏・海水圏・気水圏等における魚類や貝類の孵化・生育・放流や養殖・活魚保育用の水槽・生け簀・筏吊り等の飼育・養育用水圏を含む。飼育・養育密度や肥育速度を上げ、飼育個体の大型化を図るためにも、また、飼育・養育中の魚類・貝類等からの排泄物の蓄積、餌等の残り物の腐敗等から、水質の悪化が危惧され、溶存酸素の補給が強く望まれる。
【0013】
富栄養化水圏や無酸素化水圏としては、ダム湖・用水池・河口地帯・港湾内等の、人工排泄・不完全処理水・廃棄物が流入する地域であって、水の循環・交換がされ難い場所が挙げられる。このような場所では、流入する栄養物質が過剰に蓄積されて富栄養化され、赤潮の発生を典型とする植物プランクトン等の異常発生が生起して溶存酸素の欠乏状態を来たし、魚類を初めとする動物性の生物が仮死状態になったり、回遊しなくなることがある。さらに、このような水圏においては、微生物等による分解が間に合わずに浮遊固形物の増加やヘドロの蓄積等が進行しやすく、溶存酸素の欠乏から無酸素状態へと移行しやすく、自然の分解能力が失われることに至ることが間々見られる。
【0014】
一方、植物系生物要活性化水圏としては、稚魚や幼魚、稚貝等の餌となる植物プランクトン、水草・海草等の増・養殖を図る生け簀・水槽・増・養殖池や、食用の水草・海草等の増殖水域、更には、磯焼け・赤焼けが問題視されてきている磯根や護岸海岸の波打ち水圏等が挙げられる。人工漁礁・人工藻場等への海草等の定着・繁殖の促進にも利用できる。
本発明で溶存富化に用いる気体は、酸素を含む気体または炭酸ガスを含む気体である。具体的には、酸素を含む気体としては、純酸素、酸素富化空気または空気、が挙げられる。
【0015】
ヘンリーの法則により、気体の溶解量は、その気体の分圧に比例することから、溶存富化に用いる気体は、純度の高い気体ほど溶解量が大きくなる。従って、酸素の溶存富化を行う場合は、空気(酸素分圧約21%)より酸素富化空気がより望ましいし、最も望ましいのは、純酸素(酸素分圧約90〜95%)を用いることである。
また、炭酸ガスを含む気体としては、精製炭酸ガスの外、各種燃料からの燃焼廃ガス等が挙げられる。
【0016】
本発明で超微細気泡を含む気液混合体を得るために用いるラインアトマイザーは、気液比50容積%以下の気液(気体を含む液体)を約0.0981〜9.81MPa(1〜100kg/cm)の圧力で圧送する機能を持つ気液圧送ポンプと、前記気液を、高圧(約0.0981〜9.81MPa(1〜100kg/cm))下で渦流・混合し、キャビテーション及び20〜12,000kHzの超音波を夫々単独に又は同時に発生し、前記気液を気泡径1nm〜10,000nmの超微細気泡化し、更にOラジカル化、OHラジカル化する機能を持つアトマイザーにより構成される。アトマイザーとしては、微細(超微細)な気泡に効率的に分散・混合し、液体中に貯留させることができるものであれば、いずれの形態のものも用いられ得る。
【0017】
アトマイザーとしては、例えば、スタティック型ミキサーを多段、又は機能別に並列に用いるものでも使用可能である。アトマイザーの好ましい例として、「オゾン反応装置」(特開平7−124577号公報)に用いられている「攪拌装置」(ミキサー)(OHRラインミキサーとも呼ばれる)を挙げることができる。
特開平7−124577号公報に記載される「攪拌装置」は、図1に示すようなものである。
【0018】
図1において、チューブ1の流体流入側に、ほぼ相似形の2枚の半楕円形の翼盤2を配し、翼盤2の弦側側縁3を互いに向き合わせ、チューブの軸心に対して対称的に交差させ、交差部より流体流入側に位置する2枚の翼盤2の弦側側縁3間を、チューブの横断面をほぼ2等分する三角形の仕切板4で閉塞し、翼盤の弧状縁部(翼盤2の弦側側縁3と反対側の縁部)をチューブ1の内周壁6に固着して形成してなる変流部と、該変流部に続くチューブ1の内周壁6に、頭頂部をチューブの軸心方向に向けた半球状の頭部7と、逆載頭円錐台状の脚部8とにより一体成形された1個以上の突起物9を、チューブ1の軸芯に対して放射状に配して形成されてなる反応部とにより形成される。
【0019】
このアトマイザーに、気体と液体とを気液混合比率1〜50%(体積比)の範囲で加圧(1〜100kg/cm)下で送給する機能を有する気液送給ポンプで気体と液体とを送給することにより、アトマイザーを通過するに要する短時間内に、気泡径1nm〜10,000nmの超微細気泡を液体中に均一に分散混合することができる。
液体を送給する通常のポンプは、液体に気体が混入していると、ガスロック、エアロックを起こし、送給能力が急激に低下し、混入気体が6〜8容積%に達すると実質的に送給不能に至る。
【0020】
気体が混入した液体を圧送するポンプとして、気体の割合が増加してもその圧送能力が低下しない気液圧送ポンプとして、例えば、兵神装備株式会社より市販されている「モーノポンプ」がある。
「モーノポンプ」は、図2に示すように、断面が長円形である雌ネジ状空間が穿たれたステーター10内の雌ネジ状の空間内を、ピッチの大きな螺旋状で断面が円形で螺旋状をなすローター11が回転することによって、ステーターとローターとにより形成される空隙が順次移動し、その空隙内に存在する物質が移動していくタイプの定量送給ポンプである。なお、図2の下方には、各位置におけるローターとステーターに穿たれた空間との関係が示されている。それによれば、ステーターに穿たれた空間の1ピッチがローターの螺旋の2ピッチに対応していることが判る。
【0021】
「モーノポンプ」によれば、混合される気体が50容積%以下の気液混合流体も、圧送能力の低下なしに圧送が可能であり、気体と液体との混合割合、流量を調整・変動させることが自在にできる。
アトマイザーと気液圧送ポンプとから構成されるラインアトマイザーの基本的な配置例を図3に示す。
図3において、12はアトマイザー、13は気液圧送ポンプであり、図3(a)では気液圧送ポンプ13の後段にアトマイザー12を配置する。気体が混入される液体が液体導入管14から、混入気体が気体導入管15から、それぞれ導入され、気液圧送ポンプ13を経由してアトマイザー12に導かれ、気液が混合される。混合分散された気液混合態は気液混合態導出管16から所望の場所に導出される。
【0022】
図3(b)に示す配置例では、液体導入管14と気体導入管15とから液体と気体が導入され、アトマイザー12にまず導かれて気液混合態とされ、それが気液圧送ポンプ13を通過して高圧の状態で再びアトマイザー12’に導かれて、更に超微細な気液混合態とされて気液混合態導出管16から所望の場所に導出される。
気体導入管15の手前には、高圧ボンベ等の適宜の気体供給源、あるいは、オゾン発生器や酸素・オゾンサイクルジェネレータ等の気体供給装置が繋がれている。
【0023】
ラインアトマイザーを通過する液体に圧力を加えることができる。液体にガス体を導入する前に、適宜の加圧器を設けることによって圧力を加えてもよいし、気液圧送ポンプの入口径と出口径、或いは、アトマイザーの入口径と出口径とを異ならせることによっても、圧力を変化させることができる。したがって、一般的には、ガスの溶解度は、高圧下で高くなるため、液体へのガス体の溶解に資することができる。
気泡の超微細化と気液の超微細化混合には、機械的な攪拌・切断機能だけでは、ナノ・レベルに到達することは困難であり、加圧により、気液2相流の流速を上げ、キャビテーション及び超音波を発生させ、渦流との相乗効果により、はじめて、気泡の超微細化と超微細化混合とを達成できる。
【0024】
気体の溶解・溶存には、圧力要件が重要であり、高圧下の方が有利であることは、良く知られている。これらのことを総合勘案して、本発明では、圧力範囲を約0.0981〜9.81MPa(1〜100kg/cm)の範囲を選んだ。
ラインアトマイザーを通過させることによって、液体は、気体(酸素または二酸化炭素)を飽和状態の溶存気体を含む上に、超微細気泡態の気体を混合包蔵することとなる。超微細気泡態の気体は、溶存気体が消耗して溶存気体が飽和状態以下になるとき、容易に液体中に溶け込むことができる。
【0025】
液体中の気泡は、通常、浮力によって液体中を上昇し、液体表面に至って液体から離脱する。気泡微細化による気泡の水中上昇速度の遅速化効果については、気泡の粒径が30μm程度では、気泡の水中上昇速度が1m/hr程度、1μm程度では0.005m/hr程度以下となる(Stokesの法則による)。このような気泡の水中上昇速度であれば、液体中の溶存気体が消耗された場合に直ちにその場で直ちに補充することができる程度に長時間水中に留まっており、かつ、消耗されたその場所に近接して水中に均一に多量に、超微細気泡態として、分散させておくことができるため、貯蔵機能を果たすことができる。
【0026】
溶存気体の供給速度が遅いことによって、液体中での生物・化学反応(水生生物の呼吸作用を含む)の進行が制約されるのが一般的であった。超微細気泡態が液体中に存在することによって溶存気体が迅速に補給されることによって、液体中での生物・化学反応の進行が継続・促進され得る。生物・化学反応を遂行させるに要する時間内において、必ずしも連続供給する必要がなくなり、間歇供給が可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明によって、閉鎖系又は非閉鎖系の該溶液中に所望のガス(気体)種を、その所望量を、極めて短時間に、溶存態として自在に供給し、更に、溶存ガスの消耗・消費に備え、該溶液中に超微細気泡態として、分散・滞留・貯蔵させることにより、即座に、該溶液中に分散・貯蔵してある超微細気泡を溶解させ、継続的に、溶存ガスを補充・供給することを可能にした。
特に、難溶解性の酸素ガスを例に取れば、以下のような効果がある。
【0028】
本発明のシステムを用いて、海水又は淡水中に酸素ガスを溶存化して添加し、溶存酸素濃度を高めることにより、水生生物例えば、牡蠣などの生育を、著しく促進することが知られている。又、魚貝類、藻類及びプランクトン類等の養殖に用いる海水や淡水は、多くの場合循環使用する場合も多く、所要の溶存酸素量の確保が、困難となり、酸素欠乏による斃死事故が大きな障害になっているが、本発明を適用することにより、魚貝類、藻類及びプランクトン類等の酸素欠乏による斃死事故は容易に防止することが出来る。
【0029】
また、本発明は、ガス溶解効率が、在来の技術に比べ、著しく高く、しかも、溶液中に、0.5秒以下と言う短時間に、大量のガスを超微細気泡態として貯蔵すると言う、画期的な機能を有する為、難溶解性の酸素ガスをも、多量に、安価に、急速溶解させることが可能となり、水槽・池などの閉鎖された水系のみならず、開放された海域又は湖沼や河川においても、適用可能である。
従って、水質汚染が進み、BOD値が高く、または、溶存酸素量が低下し、生物の生息環境が劣化した海域、湖沼や河川に、本発明を適用することにより、溶存酸素量を増加させ、水質を改善し、水棲生物の生息環境の改善も可能である。
【0030】
又、酸素ガスに微量のオゾンガスを混入することにより、有害細菌の殺菌も容易に実施できる事から、水槽、プール等の閉鎖された水系のみならず、開放された河川、湖沼、海浜等の水辺の一部を、遊泳区域等として特定し、特定した部分の水域だけを、遊泳に適した水質に滅菌・改善することも可能である。
更に、温暖化ガスとして、排出を規制される二酸化炭素(CO)を、本発明を用いて、有光浅海域の水中に、溶解させ、超微細気泡態化して、分散・滞留・貯蔵・供給することにより、二酸化炭素は、藻類の炭酸同化作用により、摂取・消費され、環境中への放出を防止出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアトマイザーとして好適に使用され得る気液ミキサーの一例を示す説明図である。
【図2】本発明に最適に使用され得る気液圧送ポンプの一例を示す説明図である。
【図3】本発明に用いられるラインアトマイザーを例示する説明図であって、(a)はアトマイザーが一段の例、(b)はアトマイザーが2段の例を示す。
【符号の説明】
1:チューブ
2:翼盤
3:(翼盤の)弦側側縁
4:仕切板
6:(チューブの)内周壁
7:半球状の頭部
8:脚部
9:突起物
10:ステーター
11:ローター
12:アトマイザー
13:気液圧送ポンプ
14:液体導入管
15:気体導入管
16:気液混合態導出管

Claims (6)

  1. 気体と液体とを気液混合比率1〜50%(体積比)の範囲で加圧(約0.0981〜9.81MPa(1〜100kg/cm))下で送給する機能を有する気液送給ポンプと、送給された気液混合体を気泡径10,000ナノメートル以下の超微細気泡態化させて混合するアトマイザーとからなり、溶存気体の富化を必要とする水圏へ、一部を溶存態化し、残余を超微細気泡態化させて気液混合体を送給することを特徴とするラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
  2. 前記気体が純酸素、酸素富化空気または空気などの酸素を含む気体である請求項1に記載のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
  3. 前記溶存気体の富化を必要とする水圏が、養魚水圏、植物プランクトンが異常に増殖されることが危惧される富栄養化水圏、ヘドロ等が蓄積している低酸素ないし無酸素化水圏のいずれかである請求項2に記載のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
  4. 前記気体が二酸化炭素を含む気体である請求項1に記載のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
  5. 前記溶存気体の富化を必要とする水圏が、炭酸ガス同化作用を行う水生植物生物を養殖する植物系生物活性化水圏である請求項4に記載のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
  6. 所要のガスを用途に応じ、管理・制御システムにより管理・制御し、
    (1) 溶存態化して、供給する
    (2) 高反応活性を目的として、原子状態化して、供給する
    (3) 超微細気泡態化して、溶液中に滞留・貯蔵し、溶存ガスの消耗・消費に備え、継続的に、溶存ガスを補充・供給する
    (4) 上記、(1)〜(3)を夫々単独に、又は各2項又は3項を組み合わせて、供給する
    請求項1〜5のいずれかに記載のラインアトマイザーによる気体の溶存化及び貯蔵・供給システム。
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