JP2002320426A - 海藻類養殖装置及び同海藻類養殖装置を備えた魚介類養殖装置 - Google Patents

海藻類養殖装置及び同海藻類養殖装置を備えた魚介類養殖装置

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JP2002320426A
JP2002320426A JP2001131127A JP2001131127A JP2002320426A JP 2002320426 A JP2002320426 A JP 2002320426A JP 2001131127 A JP2001131127 A JP 2001131127A JP 2001131127 A JP2001131127 A JP 2001131127A JP 2002320426 A JP2002320426 A JP 2002320426A
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seawater
seaweed
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seaweeds
flounder
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Katsutomi Ido
勝富 井戸
Hideyasu Shindo
秀逸 新藤
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DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO K
DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO KK
HAKUSAN SUISAN KK
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DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO K
DENSHI BUSSEI SOGO KENKYUSHO KK
HAKUSAN SUISAN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 海藻類を陸上で養殖することにより海藻類の
安定した養殖を可能とすることができるとともに、海藻
類に満遍なく光を当てて海藻類の光合成を活発に行わせ
て海藻類の成長効率を向上させることができる海藻類養
殖装置及び同海藻類養殖装置を備えた魚介類養殖装置を
提供する。 【解決手段】 アオサ養殖水槽14内にはエアレーショ
ン装置18が設置されている。そして、エアレーション
装置18によりアオサ養殖水槽14内には上下方向へ循
環する旋回流が形成され、その旋回流にのってアオサは
アオサ養殖水槽14内全体を浮遊する。この浮遊により
アオサには太陽光が満遍なくあたるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海藻類の陸上養殖
を可能とする海藻類養殖装置及び同海藻類養殖装置を使
用して、陸上での魚介類の養殖を可能とする魚介類養殖
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海藻類としての海苔の養殖は、一般的に
海洋養殖により行われている。具体的には、海苔の種を
付けた網をイカリ等の錘により海中に沈め、その網に海
苔を成長させることによって行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
海洋での海苔の養殖においては、海洋の汚染、海水の温
度変化、原虫又はウィルス等の様々な海洋に依存する原
因により海苔の生産量が左右されるという問題があっ
た。また、太陽光等の光が網に成長した海苔に照射され
てその海苔の光合成が行われることになるが、網はイカ
リにより海中に沈められているため、海中での網の移動
量は限られている。そのため、例えば網の裏面に成長し
た海苔には、網の表面に成長した海苔と比較して光が当
たりにくく、光合成が活発に行われない。従って、網に
おいて、海苔の光合成が活発に行われる場所と、行われ
ない場所とが存在し、海苔の成長効率がよくないという
問題があった。
【0004】本発明は、このような従来技術に存在する
問題点に着目してなされたものである。その目的とする
ところは、海藻類を陸上で養殖することにより海藻類の
安定した養殖を可能とすることができるとともに、海藻
類に満遍なく光を当てて海藻類の光合成を活発に行わせ
て海藻類の成長効率を向上させることができる海藻類養
殖装置及び同海藻類養殖装置を備えた魚介類養殖装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の海藻類養殖装置は、海藻
類及び海水が収容され、光源から前記海藻類への光の照
射が行われる海藻類養殖水槽内に、中空状をなし略垂直
向きに配置される中空管と、当該中空管内下端側に配置
され、空気を吹出す気泡ポンプとよりなるエアレーショ
ン装置が設置され、前記気泡ポンプから吹出された気泡
により海水を曝気処理し、前記気泡が中空管内の海水と
混入されることにより当該海水を中空管内で上昇させて
上部の吐出口から吐出させると同時に、中空管の下部の
流入口から海水を汲み上げて海藻類養殖水槽内で海水を
循環させ、その海水の循環に海藻類をのせて海藻類養殖
水槽内に浮遊させることを特徴とするものである。
【0006】請求項2に記載の発明の海藻類養殖装置を
備えた魚介類養殖装置は、魚介類及び海水が収容され、
魚介類を養殖する養殖水槽と、前記海水中に含まれる魚
介類の糞尿等を微生物により分解する生物分解部と、前
記微生物による糞尿等の分解により生じた分解物を栄養
源として成長する海藻類及び海水が収容され、その海藻
類を養殖するとともに、前記海藻類が分解物を吸収する
ことにより海水中の分解物を除去し、海水を浄化する前
記請求項1に記載の海藻類養殖装置と、前記海藻類養殖
装置に光を照射するための光源とを備え、養殖水槽と生
物分解部と海藻類養殖装置との間で海水を循環させなが
ら海水を浄化するとともに、魚介類及び海藻類を養殖可
能に構成したことを特徴とするものである。
【0007】請求項3に記載の発明の海藻類養殖装置を
備えた魚介類養殖装置は、請求項2に記載の発明におい
て、前記曝気処理は高圧静電場処理を施した電子エアー
により行うことを特徴とするものである。
【0008】請求項4に記載の発明の海藻類養殖装置を
備えた魚介類養殖装置は、請求項2又は請求項3に記載
の発明において、前記海水は高圧静電場処理を施した電
子水を使用して調製することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を海藻類養殖装置と
してのアオサ養殖装置及びそのアオサ養殖装置を備えた
魚介類養殖装置としてのヒラメの養殖装置に具体化した
一実施形態を図1及び図2に従って説明する。図1はヒ
ラメの養殖装置を模式的に示す概略図である。
【0010】図1に示すように、アオサ養殖装置10を
備えたヒラメの養殖装置11(以下、単に養殖装置11
と称す)はヒラメ養殖水槽12と、生物分解部としての
生物分解水槽13と、アオサ養殖装置10と、光源とし
ての太陽光とから主に構成され、まず、前記ヒラメ養殖
水槽12から説明する。ヒラメ養殖水槽12にはヒラメ
及び養殖海水が収容され、ヒラメを陸上で養殖すること
ができるように構成されている。ヒラメには、炭素
(C)、リン(P)及び窒素(N)を含有する配合飼料
が供給され、また、ヒラメの生育に必要なミネラル類と
して、カルシウム、鉄及び亜鉛が補給されるようになっ
ている。さらに、ヒラメ養殖水槽12内は曝気装置(図
示せず)から吹き出される電子エアーにより曝気処理が
施されるようになっている。前記電子エアーは電子エア
ー発生装置から発生される。
【0011】ヒラメ養殖水槽12は、第1及び一対の第
2循環パイプ15a,15b、弁体15c、循環ポンプ
16及び一方の第2循環パイプ15bに設けられた熱交
換器15fを介して前記生物分解水槽13と連結されて
いる。そして、前記弁体15cが開放され、循環ポンプ
16によりヒラメ養殖水槽12内の養殖海水が汲み上げ
られて第1循環パイプ15aから生物分解水槽13へ供
給されるように構成されている。
【0012】前記生物分解水槽13は供給された養殖海
水中に含まれるヒラメの糞尿、残餌、老廃物等を分解
し、養殖海水を浄化する機能を有している。具体的に生
物分解水槽13の構造について説明すると、生物分解水
槽13内にはろ材としての粉炭(備長炭)層、牡蠣殻
層、種菌濾過材層、サンゴ(粒)層、サンゴ石層、イズ
カライト層、硅砂層、セラミックボール層及び麦飯石層
が積層されて設けられている。なお、各ろ材の層の積層
順序は適宜組み替えてもよく、前記ろ材の層のうちの少
なくともいずれか一層により生物分解水槽13の機能を
発揮させてもよい。
【0013】また、前記生物分解水槽13内にはヒラメ
から排出された糞尿、残餌、老廃物等を硝酸塩にまで分
解する生物分解を行なう微生物としてのでんぷん分解細
菌、たんぱく分解細菌、アンモニア生成細菌等の従属栄
養細菌や亜硝酸生成細菌、硝酸生成細菌等の硝酸化成細
菌(硝化細菌)が生息している。そして、糞尿、残餌、
老廃物等が生物分解水槽13でろ過、生物分解されて浄
化された養殖海水は、主に熱交換器15fが設置されて
いない第2循環パイプ15bからヒラメ養殖水槽12へ
供給される。残りの養殖海水はヒラメ養殖水槽12内の
水温及びアオサ養殖水槽14内の水温がヒラメ及びアオ
サの養殖に適した水温になるように熱交換器15fによ
り加熱又は冷却されて第2循環パイプ15bからヒラメ
養殖水槽12へ供給されるようになっている。
【0014】図2に示すように、前記アオサ養殖装置1
0はアオサ養殖水槽14と、エアレーション装置18と
から主に構成されている。前記アオサ養殖水槽14は養
殖海水とアオサが収容され、陸上でアオサを養殖できる
ように構成されている。また、図1に示すように、アオ
サ養殖水槽14は第1,第3及び第4循環パイプ15
a,15d,15e、循環ポンプ16及び流量調節弁1
5gを介して前記ヒラメ養殖水槽12と連結されてい
る。そして、前記弁体15cが開放され、さらに流量調
節弁15gが開放された状態で循環ポンプ16によりヒ
ラメ養殖水槽12内の養殖海水が汲み上げられると、養
殖海水の一部が第1及び第3循環パイプ15a,15d
からアオサ養殖水槽14へ供給されるように構成されて
いる。
【0015】アオサ養殖水槽14の構造について説明す
ると、図2に示すように、アオサ養殖水槽14は有底円
筒状をなし、その底部には生物分解層17が設置されて
いる。この生物分解層17は網目状に形成された第1プ
レート17aと、その第1プレート17a上に設置され
た第2プレート17bとから二層構造に形成されてい
る。なお、生物分解層17は第1プレート17a上に前
記ろ材を収容した網袋を配置して構成してもよく、第2
プレート17bは省略してもよい。また、前記第1プレ
ート17aと、底壁との間には養殖海水が流入可能な空
間が形成されるように前記生物分解層17がアオサ養殖
水槽14内に設置されている。前記第2プレート17b
には前記生物分解水槽13に設けられたろ材の層が設け
られ、そのろ材の層内に前記硝化細菌等の微生物が生息
している。
【0016】アオサ養殖水槽14のほぼ中央位置にはエ
アレーション装置18が設置されている。エアレーショ
ン装置18は中空管18aと、その中空管18a内に配
設される通気チューブ18bの先端に設けられ、中空管
18a内の下端側に配置された気泡ポンプ18cとより
構成されている。前記中空管18aは上下両端面が開放
され、下端側に養殖海水の流入口18d、上端側に吐出
口18eが形成されている。中空管18aは流入口18
dが前記生物分解層17より下方に位置するように略垂
直に設置されている。前記通気チューブ18bは電子エ
アー発生装置(図2ではAPと図示)に接続されてい
る。そして、電子エアー発生装置から発生した電子エア
ーによりアオサ養殖水槽14内の養殖海水が曝気処理さ
れる。
【0017】また、前記生物分解水槽13内で糞尿、老
廃物、残餌等が生物分解されて発生した窒素、リン、カ
リウム等の分解物が養殖海水に含まれてアオサ養殖水槽
14内に供給されるようになっている。そして、アオサ
は前記窒素、リン、カリウム等を栄養源として成長する
とともに、光源としての太陽光によって光合成を行い成
長する。そして、アオサに分解物が吸収されるととも
に、養殖海水が生物分解層17を通過することにより、
糞尿等がろ材でろ過され、さらに、微生物により生物分
解されて養殖海水が浄化される。その浄化された養殖海
水がオーバーフローにより第4循環パイプ15eからヒ
ラメ養殖水槽12へ供給されるようになっている。
【0018】ヒラメ養殖水槽12、アオサ養殖水槽14
及び生物分解水槽13間を循環する養殖海水は人工海水
用塩を電子水に溶解したもので、その電子水は電子水生
成装置(図示せず)により調製される。前記人工海水用
塩としてはマリン・エッセンス(日本家庭用塩 株式会
社製)を使用した。また、蒸発等による養殖海水の減少
を補給するため、電子水をヒラメ養殖水槽12及びアオ
サ養殖水槽14に供給可能になっている。
【0019】前記電子エアー及び電子水について説明す
ると、それらは前記電子エアー発生装置及び電子水生成
装置に設けられた高電圧静電場発生装置により形成され
た静電場を空気又は水に印加して静電場処理を行うこと
により製造される。即ち、空気又は水に高電圧静電場発
生装置により電子を印加して、酸化状態にある前記空気
又は水を還元することにより製造される。
【0020】さて、上記ヒラメの養殖装置11によるヒ
ラメ及びアオサの養殖方法について説明する。電子エア
ー発生装置により電子エアーを発生させ、ヒラメ養殖水
槽12の養殖海水及びアオサ養殖水槽14の曝気処理を
行う。この曝気処理により各養殖水槽12,14の養殖
海水には空気が溶け込み、養殖海水の溶存酸素濃度は高
濃度に維持され、ヒラメ、アオサ及び微生物が呼吸困難
になることはなくなる。また、電子エアーは空気に電子
が印加され、酸化ガスが還元、中和されているため、養
殖海水における病原菌や細菌等の発生が抑制され、養殖
海水が清浄に維持される。
【0021】また、電子エアーの電子により養殖海水が
還元、中和され、養殖海水が励起振動し、養殖海水のク
ラスターが小さくなる。従って、電子水より調製された
養殖海水が電子エアーによる曝気処理により、さらにク
ラスターが小さくなる。すると、ヒラメ、アオサの細胞
内へ養殖海水が効率よく浸透し、ヒラメ、アオサの細胞
における新陳代謝が活発に行われるとともに、体内での
酵素の働きが高まる。
【0022】また、アオサ養殖水槽14に設置されたエ
アレーション装置18により、養殖海水の曝気処理が行
われると電子エアーが気泡ポンプ18cから吹き出され
る。すると、空気が水中の気泡となって供給されて平均
比重の小さい気液二相流体を作り、外部の養殖海水との
比重差により揚水される状態となる。その揚水によりア
オサ養殖水槽14内の養殖海水は中空管18a内を上昇
して吐出口18eから吐出される。それと同時に、生物
分解層17を通過して浄化された養殖海水が流入口18
dから中空管18a内へと吸い込まれる。このエアレー
ション装置18による揚水作用の繰り返しにより図2の
矢印に示すように、アオサ養殖水槽14内には上下方向
へ流動する旋回流が形成される。
【0023】すると、アオサ養殖水槽14全体に流動す
る前記旋回流にのってアオサはアオサ養殖水槽14内全
体に広がりながら浮遊する。その結果、太陽光がアオサ
に満遍なく照射され、アオサの光合成が活発に行われ
る。
【0024】さて、ヒラメ養殖水槽12において、ヒラ
メは配合飼料等を栄養源として成長する。そのヒラメに
より排泄された排泄物、老廃物、残餌等が含まれた養殖
海水は、弁体15cを開放した状態で循環ポンプ16に
より汲み上げられ、生物分解水槽13へ供給される。そ
して、生物分解水槽13において、養殖海水中の排泄
物、老廃物、残餌等はろ材によりろ過除去され、さら
に、そのろ材に生息する微生物により生物分解されて養
殖海水は浄化される。
【0025】その浄化された養殖海水の一部は熱交換器
15fによりヒラメ及びアオサの養殖に適した水温に調
節されて一方の第2循環パイプ15bからヒラメ養殖水
槽12へ再度供給され、残りの養殖海水は熱交換器15
fを通過せず第2循環パイプ15bからヒラメ養殖水槽
12へ直接供給される。なお、この養殖海水中には糞尿
等が分解されることにより発生した窒素、リン、カリウ
ム等も含まれている。
【0026】また、ヒラメ養殖水槽12の養殖海水の一
部は、流量調節弁15g及び弁体15cを開放した状態
において、循環ポンプ16により汲み上げられてアオサ
養殖水槽14へ供給される。そして、アオサはその養殖
海水中に含まれる窒素、リン、カリウムを栄養源とする
とともに、活発な光合成により効率よく成長する。さら
に、養殖海水中に含まれる前記排泄物、老廃物、残餌等
が生物分解層17を通過するうちに、ろ材に除去され、
さらにろ材に生息する微生物により生物分解されてその
養殖海水は浄化される。この糞尿等が分解されることに
より発生した窒素、リン、カリウムはアオサにより吸収
されて養殖海水は浄化され、その浄化された養殖海水は
第4循環パイプ15eからヒラメ養殖水槽12へ供給さ
れる。
【0027】従って、上記構成の養殖装置11において
は、ヒラメ養殖水槽12、生物分解水槽13及びアオサ
養殖水槽14が循環パイプ15a,15b,15d,1
5eにより連結され、各水槽13,14,15の間で養
殖海水が循環される。そして、養殖海水が循環されるこ
とにより、ヒラメ、ヒラメの排泄物等を栄養源とする微
生物、微生物により生成される分解物を栄養源とするア
オサの間に食物連鎖が形成され、その食物連鎖により養
殖海水が浄化される。
【0028】上記実施形態によれば以下のような特徴を
得ることができる。 ・ エアレーション装置18によりアオサ養殖水槽14
内全体に循環する旋回流が形成されるため、旋回流にの
せてアオサをアオサ養殖水槽14内全体に浮遊させるこ
とができる。従って、太陽光がアオサ全体にあたりにく
い海洋養殖と異なり、アオサには太陽光が満遍なく当た
る。即ち、アオサ全体の葉緑素により光合成が行われ、
アオサの活性が高くなり、アオサの成長効率を向上させ
ることができる。
【0029】・ 陸上に設置されたアオサ養殖水槽14
内でアオサを養殖したため、海洋の汚染、海水の温度変
化、原虫又はウィルス等の様々な海洋に依存する原因に
よりアオサの生産量が左右されるという不具合をなく
し、養殖量を安定させることができる。
【0030】・ ヒラメの排泄物、老廃物、残餌等は生
物分解水槽13及びアオサ養殖水槽14のろ材で除去、
さらに微生物により生物分解され、その分解物はアオサ
に吸収されて養殖海水は浄化される。そのため、養殖海
水の汚れによる定期的な交換、養殖装置11内の清掃等
の大掛かりな作業を行う回数を減らすことができる。ま
た、養殖装置11の外部にヒラメの排泄物、残餌等が混
入された排水が排出されず、養殖装置11周辺の環境へ
の影響をなくすことができる。
【0031】・ エアレーション装置18によりアオサ
養殖水槽14に旋回流を形成した。そのため、水中ポン
プや水中ミキサーを使用してアオサ養殖水槽14内に旋
回流を形成する場合と比較して、旋回流を形成するため
の電力消費量を1/2〜1/5にしてアオサ及びヒラメ
の養殖コストが嵩むのを防止することができる。
【0032】・ ヒラメの養殖装置11はヒラメ、ヒラ
メの排泄物等を栄養源とする微生物、微生物により生成
される分解物を栄養源とするアオサにより食物連鎖が形
成されている。そのため、食物連鎖により養殖海水を浄
化することができ、閉鎖された同一系内の陸上養殖場で
同時に安定した状態で養殖を継続可能とすることができ
る。
【0033】・ 酸化ガスが還元、中和された電子エア
ーにより養殖海水の曝気処理を行うため、酸化ガスによ
る養殖海水の汚染、腐敗を防止して病原菌や細菌等の発
生を抑制することができる。従って、清浄な養殖海水の
なかでヒラメ及びアオサの養殖を行うことができ、養殖
量の低下を防止することができる。
【0034】・ 電子水を使用して養殖海水を調製した
ため、養殖海水のクラスターを小さくすることができ
る。従って、ヒラメ及びアオサの細胞における新陳代謝
が活発に行われるとともに、体内での酵素の働きが高ま
り、静電場処理を施していない養殖海水で行った養殖と
比較してヒラメ及びアオサの生育速度を速めることがで
きる。
【0035】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよい。 ・ アオサ養殖水槽14内に設置された生物分解層17
を省略してもよい。 ・ 実施形態では、電子水を使用して養殖海水を調製し
たが、電子水を使用せず、水道水を使用して養殖海水を
調製してもよく、滅菌処理を施した海水を使用してもよ
い。
【0036】・ 実施形態では、電子エアーを使用して
曝気処理を行ったが、電子エアーを使用せず、一般のエ
アーポンプを使用してエアレーション装置18により曝
気処理を行ってもよい。
【0037】・ 実施形態では、魚介類としてのヒラメ
の養殖に具体化したが、魚介類としてのタイ、オコゼ、
トラフグ、ホタテ貝、牡蠣、ヒオウギ貝、バカ貝、エビ
類、カニ類、タコ、イカ、鮑、サザエ、トコブシ、バイ
貝、ホラ貝等の養殖に具体化してもよい。
【0038】・ 実施形態では、海藻類としてアオサの
養殖に具体化したが、ワカメ、昆布、ヒジキ等の養殖に
具体化してもよい。 ・ 実施形態では、太陽光を光源としたが、蛍光灯、ハ
ロゲンランプ等のように光を発生し、海藻類の光合成を
可能とするものを光源としてもよい。
【0039】・ 実施形態では、アオサ養殖装置10を
ヒラメの養殖装置11に組み込んだが、アオサ養殖装置
10を単独で使用し、アオサの配合飼料を与えながらア
オサのみを養殖してもよい。
【0040】・ 実施形態では、ヒラメ養殖水槽12と
生物分解水槽13とを別々に設けたが、ヒラメ養殖水槽
12内に生物分解部としての生物分解層17を設けても
よい。
【0041】次に上記実施形態及び別例から把握できる
技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記
する。 ・ 前記海藻類養殖水槽内に海水中含まれる魚介類の糞
尿等を微生物により分解する生物分解層を設けたことを
特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の
海藻類養殖装置を備えた魚介類養殖装置。このように構
成した場合、魚介類の養殖水槽で発生した魚介類の糞尿
等は生物分解部及び海藻類養殖水槽内で生物分解され、
海水が浄化される。そのため、海水の汚れによる定期的
な交換、清掃等の大掛かりな作業を行う回数を減らすこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
海藻類養殖装置によれば、海藻類を陸上で養殖すること
により海藻類の安定した養殖を可能とすることができる
とともに、海藻類に満遍なく光を当てて海藻類の光合成
を活発に行わせて海藻類の成長効率を向上させることが
できる。
【0043】請求項2に記載の発明の魚介類養殖装置に
よれば、海藻類を陸上で養殖することにより海藻類の安
定した養殖を可能とすることができるとともに、海藻類
に満遍なく光を当てて海藻類の光合成を活発に行わせて
海藻類の成長効率を向上させることができる。また、魚
介類、魚介類の排泄物等を栄養源とする微生物、微生物
により生成される分解物を栄養源とする海藻類を食物連
鎖により連結し、その食物連鎖により海水を浄化するこ
とができる。
【0044】請求項3に記載の発明の魚介類養殖装置に
よれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、海水の溶
存酸素濃度を高濃度に維持することができるとともに、
曝気処理を行う空気中の酸化ガスを還元、中和して、酸
化ガスによる海水の汚染、腐敗を防止することにより病
原菌や細菌等の発生を抑制し、魚介類及び海藻類の養殖
を安定した状態で行うことができ、養殖量の低下を防止
することができる。
【0045】請求項4に記載の発明の魚介類養殖装置に
よれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加
え、魚介類及び海藻類の細胞における新陳代謝が活発に
行われるとともに、体内での酵素の働きが高まり、電子
水を使用せずに養殖を行う場合と比較して魚介類及び海
藻類の生育速度を速めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のヒラメの養殖装置を模式的に示す
概略図。
【図2】 実施形態のアオサ養殖水槽を示す断面図。
【符号の説明】
10…海藻類養殖装置としてのアオサ養殖装置、11…
魚介類養殖装置としてのヒラメの養殖装置、12…ヒラ
メ養殖水槽、13…生物分解部としての生物分解水槽、
14…海藻類養殖水槽としてのアオサ養殖水槽、18…
エアレーション装置、18a…中空管、18c…気泡ポ
ンプ、18d…流入口、18e…吐出口。
フロントページの続き (72)発明者 新藤 秀逸 岐阜県加茂郡白川町白山860番地 白山水 産 株式会社内 Fターム(参考) 2B104 CA01 EA01 EB05 ED01 EF09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海藻類及び海水が収容され、光源から前
    記海藻類への光の照射が行われる海藻類養殖水槽内に、
    中空状をなし略垂直向きに配置される中空管と、当該中
    空管内下端側に配置され、空気を吹出す気泡ポンプとよ
    りなるエアレーション装置が設置され、前記気泡ポンプ
    から吹出された気泡により海水を曝気処理し、前記気泡
    が中空管内の海水と混入されることにより当該海水を中
    空管内で上昇させて上部の吐出口から吐出させると同時
    に、中空管の下部の流入口から海水を汲み上げて海藻類
    養殖水槽内で海水を循環させ、その海水の循環に海藻類
    をのせて海藻類養殖水槽内に浮遊させることを特徴とす
    る海藻類養殖装置。
  2. 【請求項2】 魚介類及び海水が収容され、魚介類を養
    殖する養殖水槽と、 前記海水中に含まれる魚介類の糞尿等を微生物により分
    解する生物分解部と、 前記微生物による糞尿等の分解により生じた分解物を栄
    養源として成長する海藻類及び海水が収容され、その海
    藻類を養殖するとともに、前記海藻類が分解物を吸収す
    ることにより海水中の分解物を除去し、海水を浄化する
    前記請求項1に記載の海藻類養殖装置と、 前記海藻類養殖装置に光を照射するための光源とを備
    え、養殖水槽と生物分解部と海藻類養殖装置との間で海
    水を循環させながら海水を浄化するとともに、魚介類及
    び海藻類を養殖可能に構成したことを特徴とする海藻類
    養殖装置を備えた魚介類養殖装置。
  3. 【請求項3】 前記曝気処理は高圧静電場処理を施した
    電子エアーにより行うことを特徴とする請求項2に記載
    の魚介類養殖装置。
  4. 【請求項4】 前記海水は高圧静電場処理を施した電子
    水を使用して調製することを特徴とする請求項2又は請
    求項3に記載の魚介類養殖装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7854090B2 (en) * 2006-07-03 2010-12-21 Atomic Energy Council-Institute Of Nuclear Energy Research Method of hormesis for seaweed through irradiation
JP2014036596A (ja) * 2012-08-14 2014-02-27 Riken Shokuhin Kk 海藻類養殖用装置及び海藻類養殖方法
CN108157263A (zh) * 2017-12-14 2018-06-15 江苏中洋集团股份有限公司 一种暗纹东方鲀的互动观光池
CN108998347A (zh) * 2018-10-08 2018-12-14 江苏恩蓝生物科技有限公司 一种藻桶

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