JP6383906B1 - 微細気泡発生装置及びそれを用いた水槽システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、微細気泡発生装置を水生生物の養殖に応用した場合の、水槽および養殖に使用する水をろ過する装置を含む水槽システムに関する。
また本発明の基本原理は、水槽や生簀のような閉鎖水域だけではなく、海や湖のような開放水域にも適用できる。
従来多くの島で地域の産業として中心をなしてきた漁業に於いては、海洋汚染や国内外の大型漁船による商業漁業の影響、自然環境保護等の問題により島民が海上において水生生物(海洋生物)を捕獲するのが困難になってきている。その対策として沿岸に生簀を作り養殖をすることも良く行われるが、これは実施できる場所が限定されているうえに、この方法では海洋汚染による影響は解消されないので、十分な解決策になっていない。
この発明はそのような背景から生まれてきたものであるが、特に過疎化の進んだ山間部や離島に於いて水生生物の養殖を行う中でなされた発明である。
「マイクロバブル」とは、一般に気泡の直径が10マイクロメートル(1/100mm 以降10μmと記す)〜数十μm以下の微細な気泡のことをいい、
「マイクロナノバブル」とは、直径が数百ナノメートル(以降nmと記す)〜10μm)の気泡のことを言う。さらに、
「ナノバブル」とは気泡の直径が数百nm以下の気泡を言うが、気泡の大きさが小さく、更に短時間で水中に溶解するので目視では確認しにくい。しかし水中の気体濃度を高める働きがある。
「微細気泡」とは一般に使用されている、マイクロバブル、マイクロナノバブル、ナノバブルの総称である。
そしてこの方法では微細気泡の発生量が少なく、この発生量を増やそうとすれば強力なポンプが必要となり、水槽の近傍に置くことは難しい。もちろん本願特許に使用する微細気泡発生の装置とは技術が異なる。
マイクロナノバブル処理槽、重力式濾過槽および飼育槽循環ポンプを備えて、マイクロナノバブル処理槽は、飼育槽から魚の飼育に使用された飼育水が導入され、飼育槽からの飼育水にマイクロナノバブルを含有させるということが記載されているが、マイクロナノバブル発生装置に関しては記述が無い。
これは石灰質等からなる各種のネクトン(魚類)、プランクトン(微生物)、藻類、海草等が突然おきた地殻変動によって生きたまま埋没堆積し、数千万年を経過した今日、これらの魚介類や有機物が分解腐触し、原形をとどめず溶性帯びた化石体となったものと言われている。
このアラゴナイトに微生物を定着させ、水中に配し、ろ過として使用すると他の炭酸カルシウムの様態に比較して微生物の定着がよくなる。
貝殻をろ材として用いる例もあるが、微生物の定着とカルシウム補給の二つの効果が低く、これに比べると本願特許に記載の方法は圧倒的にろ過効果が高い。
これは微細気泡発生機構を有する円筒状多翼羽根車形状の貫流ポンプ(クロスフロ−ポンプ)で構成されるポンプエアレ−ション装置を曝気槽や養殖槽および培養槽内に設置し、槽内に一様で幅広の水流を微小気泡とともに供給し、効果的なエアレ−ションを行う技術とされている。
しかしこれは曝気槽や大型養殖槽に於いて用いられる技術であり、これを養殖水槽内に配置するとその振動と騒音と激しい水流で養殖水槽の水生生物は生息できない。また貫流ポンプを使用するために多量の電力を消費し水温の上昇を招く。この事からも小規模な養殖水槽には使用できない。
さらに、装置が大きくなり、電力消費量が増え水槽の温度が上昇して、この面からも飼育している生物の環境に影響を与える。
また微生物を使った生物ろ過に於いては微生物の定着が難しく、養殖現場では実用レベルとして使用できなかった。観賞用水槽ではプロテインスキマーと言う装置が効果ありと言われているが、多くの場合は水換えを併用している。
ここで用いる第一次気泡放出口は開放された送気管の一端であっても良いが、多孔質の素材を使用した散気管を用いると気泡の微細化がし易くなりより好ましい。
比較的小さめな気泡は、微細気泡水備蓄室の下部に設けた放出口より水域に放出される。
一方比較的大き目の気泡(マイクロバブル)は微細気泡水備蓄室内を上昇し、第二次気泡微細化ユニットの気泡取入れ口より第二次気泡微細化ユニットへ吸込まれ、その内部の撹拌翼で撹拌され、更に気泡が微細化され、第三次気泡放出口から第三次気泡として放出される。
また、微細気泡発生装置を挿入した浄化水槽を用意し、プールなどを使用した大型の養殖水槽内の水を引き込み、浄化した後に大型養殖水槽に戻す様にして、大型水槽内の水をろ過する場合にも使用できる。
気泡微細化ユニットまたは前記微細気泡発生装置を設置した水槽の微細気泡を上段水槽に送出する送泡パイプを設け、送泡パイプの先端である微細気泡放出口を上段水槽内に水平方向または下方向に向けて、上段液槽内に配して水を循環させる。
特に、ろ過装置に、微生物を定着させた多孔質ゼオライトやアラゴナイトを用いると、ろ過効果をいっそう高める。
視認しやすいものとしては、その気泡が水中の異物に付着して浮き上がらせて、上部水槽の喫水線を超えた水とともに、オーバーフローパイプの中に流し、その水に混入している残滓を濾しとり、容易に異物の排除できるという効果がある。
微生物の培養に於いては、乳酸菌と糖化菌の共生培養をすると、それぞれ単独で培養した場合に比べて10倍以上促進されると言われているが、本装置を用いると更に10倍促進されるというデータもある。この方法により微生物の大量培養が可能になる。
また、微生物によるろ過性能も高くなり、酸素濃度も高くなるため、狭い水槽中でも養殖生物を高密度に生育することができる。 これは大きな、産業上の効果である。
このように簡単な装置により陸上養殖を実施できる。
たとえば、微細気泡を使った洗浄に好適に用いることが可能であり、その場合は例えば、水に換えて洗浄用オイルを使用することも同じ技術範囲で容易に考えられる。また空気に換えて、その処理に必用な気体を用いる事も可能である。
水中に散気管35を配置し、送気ポンプ33により送られてくる気体(空気)を導くため、散気管35に送気管34を接続する。
比較的小さめな気泡は、微細気泡水備蓄室37に蓄積された後、下部に設けた、備蓄気泡放出口41より放出される。
一方比較的大き目の気泡は第一の水中ポンプの微細気泡放出口より高い位置に配された第二次気泡微細化ユニット32の吸込み口より吸込まれ、内部で撹拌され、更に気泡が微細化される。この気泡を第三次気泡18とする。
この例では水槽1の床を傾斜させてあり、その低部に微細気泡発生装置3が設置されている。
これは水槽1内の水生生物の排泄物や残滓14のうち斜面に沿って下降して来たものに対して微細気泡を付着させ、浮揚しやすくするためである。
そして上端は水槽1内の最高水位の高さにあわせそれ以上水位が上がらない様にする。
微細気泡が付着した排泄物や残滓は養殖用水11の表面に浮き上がり、オーバーフローパイプ12へ養殖水とともに流れ込む。流れ込んだ水は途中で残滓フィルタ56を通し排泄物や残滓を濾し取った後下部水槽62に流入させる しかし、オーバーフローパイプ12は必ずしも水槽1を貫通しなくてもよく、オーバーフロー水の排出口の高さはオーバーフローパイプ12全体の最下端に位置すればよい。
微細気泡発生装置3により発生した微細気泡19は水槽1内に拡散され、養殖水の酸素濃度を上げ、養殖生物13のみではなく、微生物ろ過に用いる上昇水フィルタ51及び下降水フィルタ52内に定着させた微生物、特に好気性微生物を活性化して水中のアンモニア及び亜硝酸を硝化する能力を著しく高める。
そのためにPH調整剤を水中に投入すると良い。
また水中のカルシウムが減少するという問題も生じる。
このためにカルシウム補給剤も投入すると、これが水中に溶出されるとPHがアルカリの方に向かう。
炭酸カルシウムの結晶の一種にアラゴナイトがある。これは貝が化石化したもので養殖水が酸性化すると水中に溶け出すことでカルシウムの補給になると共にPH調整効果(水の酸性化を防ぐ)がある。
その点アラゴナイトやゼオライトは水質ろ過に使用する微生物に適した穴径をもっている。同じ炭酸カルシウムの結晶体であるカルサイト(方解石)は容易に水に溶け出さないのでこの用途には向かない。
しかし、気泡の径が大きいと穴の中に気泡が入り込めず、穴の中のバクテリアに十分酸素が供給されない。そのために微細気泡を微生物ろ過装置に供給することは従来のように散気管で水中に気泡放出する方法だけでは不十分である。微細気泡はろ材の孔の中の微生物に直接酸素を届けることができると共に水中酸素濃度を画期的に高めるので、更に微生物の活性化に図れる。
このとき、微細気泡発生装置の気泡放出口17と送泡パイプ63の間に水中ポンプ53を挿入すれば、確実に微細気泡水を微生物に送り込むことができる。
同じ炭酸カルシウムの結晶体であるカルサイト(方解石)は容易に水に溶け出さないのでこの用途には向かない。
この変換は一般に硝化といわれているが、微細気泡により微生物を活性化すると硝化作用を強めることができる。
これは陸上で海洋生物を養殖するときなど非常に有効であるが、長期間水換えをしないと水中のカルシウム成分が不足がちになるとともに水が酸性化してくるという問題も発生してくる。
ろ材としてアラゴナイトを使用するとこの点でも好適である。つまり水が酸性化してくると炭酸カルシウムであるアラゴナイトが徐々に水中に溶出してきて養殖水を中和し、酸性化防ぐ。
前記水槽1を上下に複数段に重ね、相対的に下部に位置する下部水槽62内に微細気泡発生装置3を配置し、微細気泡発生装置3で発生した微細気泡を下部水槽62内に放出するとともに相対的に上部に位置する上部水槽61にも送出するため、送泡パイプ63を設け、送泡パイプ63の先端である上部微細気泡放出口64を前記上部水槽61内に配置する。
送泡パイプの先端である上部微細気泡放出口64は図3に示す通り上部液槽61内に水平方向に向ける。
振動と騒音があると水生生物にストレスが加わり、食欲が低下し、成長が止まり、場合によっては死滅する場合があるので、樹脂製の撹拌翼23による穏やかな水流と微細バブルの上昇力効果を用いることにより、別個の揚水ポンプなどを用いなくても、下部水槽62から上部水槽61に、水とバブルを一気に押し上げ循環させることができるため、飼育生物に十分な溶存酸素を含んだ水を上部水槽61に補充するこの方式は有効である。
一方第二次気泡微細化ユニット32から放出された気泡のうち微細な気泡はそのまま水域に放出しても微細気泡としての効果は発揮できる。
養殖生物13は上部水槽61と下部水槽62に、ともに入れることができる。もちろんそのいずれか片方でも可能である。
また微細気泡発生装置3も下部水槽内62に設置する。 それにより発生した微細気泡18によって上部水槽61内及び下部水槽62内の養殖水2を循環させるとともに微生物ろ過装置5内の微生物に酸素を供給して活性化する役割を果たす。
水槽上部の喫水線位置に入り口を持つオーバーフローパイプ12を付加し浮遊物を流しだすことによりこれらを取り除くことができる。水と共に流しだすときに残滓フィルタ56を用い除去し、水は水槽に戻す。
11 養殖用水
12 オーバーフローパイプ
13 養殖生物
14 浮遊または浮揚している排泄物や残渣
15 除去された排出物や残渣
16 第一次気泡
17 第二次気泡
18 第三次気泡
19 水中を浮遊している微細気泡
2 気泡微細化ユニット
21 気泡
22 気泡取入口
23 撹拌翼
24 水中モーター
25 微細気泡放出口
26 微細気泡
3 微細気泡発生装置
31 第一次気泡微細化ユニット
32 第二次気泡微細化ユニット
33 送気ポンプ
34 送気管
35 散気管
36 気泡受け板
37 微細気泡水備蓄室
38 第二次気泡放出口
39 第三次気泡放出口
40 気泡飛散防止壁
41 備蓄気泡放出口
5 微生物ろ過装置
51 上昇水フィルタ
52 下降水フィルタ
53 水中ポンプ
54 ろ過水の流れ
55 ろ材
56 残滓フィルタ
6 二段水槽
61 上部水槽
62 下部水槽
63 送泡パイプ
64 上部水槽微細気泡放出口
Claims (2)
- 水域と、送気ポンプと、前記送気ポンプに接続された送気管と、前記送気管に接続され、前記水域内に配置され前記水域内に第一次気泡を放出する散気管と、前記第一次気泡をその気泡取入口から取り入れて微細気泡化する第一次気泡微細化ユニットと、前記第一次気泡微細化ユニッより水域内に放出された第二次気泡が衝突する位置に配置された気泡受け板と、前記第二次気泡をその気泡取入口から取り入れて更に微細気泡化する第二次気泡微細化ユニットとを有し、前記気泡受け板はその上部を前記第一次気泡微細化ユニットの微細気泡放出口に近く、その下部を前記第一次気泡微細化ユニットの微細気泡放出口に遠くなるように傾けて配置されている事を特徴とする、微細気泡発生装置。
- 前記水域内の一定範囲を養殖用水槽として囲み、前記養殖用水槽内に、請求項1に記載の微細気泡発生装置と、水質ろ過に用いる微生物と、アラゴナイトまたは多孔質ゼオライトを配した水槽システム。
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