JP6927452B1 - 水処理方法及び水処理設備 - Google Patents

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Abstract

海等の自然水域に放出される水の残留塩素濃度の低減を図る。自然水域から水を取水口21を通じて水路に取り込むとともに、水路25に取り込んだ水を放水口24を通じて前記自然水域に放出する水処理方法は、前記水路25内の所定位置において塩素系薬剤を前記水に添加する工程と、前記所定位置よりも放水口24側の位置において溶存水素を含む水素含有液又は気体水素を前記水に添加する工程と、を含む。

Description

本発明は、水処理方法及び水処理設備に関する。
発電所内の復水器等の設備の水冷用の海水を取り込んだり、取り込んだ海水を放出したりすべく、取水路及び放水路が海域から発電所内にまで敷設されている。取水路及び放水路の内側にはフジツボ類及びイガイ類等の海生生物が繁殖するところ、このような海生生物の付着は取水路及び放水路ならびに復水器冷却管の狭窄或いは閉塞を招き、その結果、取込水及び放出水の流量の低下や復水冷却効率の低下が発生する。このような問題を解決するべく、塩素系薬剤を取水路に投入すると、取水路及び放水路における海生生物の発生を抑えることができる。特許文献1には、塩素系殺菌剤を用いて取水路及び放水路に海生生物が付着することを防止する方法が記載されている。
特開2019−76813号公報
しかしながら、放水路から海へ放出される海水の残留塩素濃度が高いと、海の自然環境に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで、本開示は、水の残留塩素濃度の低減を図ることを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、残留塩素を含む水に溶存水素を含む水素含有液又は気体水素を添加すると、その水に含まれる残留塩素が低減するという新たな知見を得た。
そこで、以上の課題を解決するための発電所における水処理方法であって、前記発電所に設置された復水器と自然水域との間に設けられた取水路により、前記自然水域から塩水を取り込んで前記復水器に前記塩水を供給し、前記復水器と前記自然水域との間に設けられた放水路により、前記復水器から前記塩水を前記自然水域に放出し、前記発電所に設置された電気分解装置に前記取水路から前記塩水を供給し、前記電気分解装置によってその塩水を気体水素と有効塩素を含む塩素系水溶液とに電気分解し、その塩素系水溶液を前記取水路内の前記塩水に添加し、前記発電所に設置された気体溶解装置に前記電気分解装置から前記気体水素を供給し、前記放水路又は前記取水路から前記塩水を前記気体溶解装置に供給し、前記気体溶解装置により前記気体水素を前記塩水に溶かすことによって溶存水素を含む水素含有液を生成し、前記水素含有液を前記放水路内の前記塩水に添加する。
また、以上の課題を解決するための発電所に構築される水処理設備は、前記発電所に設置された復水器と自然水域との間に設けられ、前記自然水域から塩水を取り込んで前記復水器に前記塩水を供給する取水路と、前記復水器と前記自然水域との間に設けられ、前記復水器から前記塩水を前記自然水域に放出する放水路と、前記取水路から前記塩水が供給され、その塩水の電気分解によって気体水素と有効塩素を含む塩素系水溶液とを生成し、その塩素系水溶液を前記取水路内の前記塩水に添加する電気分解装置と、前記電気分解装置から前記気体水素が供給され、前記放水路又は前記取水路から前記塩水が供給され、前記気体水素を前記塩水に溶かすことによって溶存水素を含む水素含有液を生成し、前記水素含有液を前記放水路内の前記塩水に添加する気体溶解装置と、を備える。
本開示によれば、水の残留塩素濃度が低減する。よって、例えば水が自然水域に放出される場合であっても、自然水域の環境に悪影響を及ぼさない。
海水設備が構築された火力発電所の平面図である。 海水設備及び復水器の模式図である。 図2のIII部の位置51に白金触媒61が設けられた場合の拡大図である。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されているところ、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は火力発電所10の平面図である。図2は、火力発電所10に構築された海水設備11(本発明の水処理設備に相当)及び復水器18の模式図である。
火力発電所10は、自然水域としての海2に臨む敷地に建設されている。火力発電所10は海水設備11、燃料貯蔵設備14及び発電設備16を備える。海水設備11は水路25及び添加装置30を有する。
発電設備16は、図示しないタービン、ボイラ、発電機及び復水器18を備える。燃料貯蔵設備14からボイラに供給された燃料が燃焼されると、高温・高圧の蒸気がボイラにおいて生成され、その蒸気のエネルギーによりタービン及び発電機が駆動され、発電機において電気エネルギーが生成される。設備としての復水器18はタービンに連結されており、タービンから排出された蒸気が復水器18に供給される。復水器18は表面復水器又は混合復水器である。
海水設備11の水路25は、復水器18よりも上流側の取水路20と、復水器18よりも下流側の放水路22と、を有する。取水路20は、海2の塩水を火力発電所10内に取り込むための水路である。取水路20は、海中又は海底から復水器18又はその近傍にかけて地盤に構築されている。取水路20の端部が海中又は海底において開口し、その開口が取水口21とされている。海2の塩水は取水口21を通って取水路20に取り込まれる。取水路20に取り込まれた塩水は復水器18へ送られる。放水路22は、塩水を海2に放出するための水路である。放水路22は、海中又は海底から復水器18又はその近傍にかけて地盤に構築されている。放水路22の端部が海中又は海底において開口し、その開口が放水口24とされている。復水器18内の塩水が放水路22に排出され、排出された水は放水口24へ送られる。そして、塩水は放水口24を通って海2に放出される。
復水器18のインレットは流路及びポンプ19等を介して取水路20に連結されている。復水器18のアウトレットは流路等を介して放水路22に連結されている。このポンプ19は取水路20内の塩水を復水器18に送液する。復水器18に供給された塩水によって、タービンから供給された蒸気が冷却されて凝縮される。復水器18において冷却に使用された塩水は放水路22に排出されて、放水路22を通じて海2に放出される。なお、ポンプ19の代わりに位置エネルギー又は圧力差を利用して、塩水が海2から取水路20、復水器18及び放水路22を経由して海2に流れるものとしてもよい。
取水路20、放水路22及び復水器18には海生生物を含む塩水が流れるため、海生生物が取水路20、放水路22及び復水器18の内部に付着・繁殖しやすい。海生生物の付着及び繁殖を抑えるべく、塩素系薬剤が添加装置30によって取水路20内の塩水に添加される。また、放水路22から海2に放出される塩水の残留塩素濃度の低減を図るべく、溶存水素を含む水(以下、水素水という。)が添加装置30によって放水路22内の塩水に添加される。以下の説明では水素水の溶媒となる水は塩水であるが、淡水又は上水であってもよい。
添加装置30について以下に詳細に説明する。
添加装置30は電気分解装置31、気体溶解装置41及び送液ポンプ35,44及びバルブ45を有する。
電気分解装置31のインレットが導入管32及び送液ポンプ35を介して取水路20に連結され、電気分解装置31の液用アウトレットが排出管33を介して取水路20に連結され、電気分解装置31の気体用アウトレットが送管34を介して気体溶解装置41の気体用インレットに連結されている。気体溶解装置41の液用インレットが導入管42及び送液ポンプ44を介して取水路20に連結され、気体溶解装置41の液用アウトレットがバルブ45及び排出管43を介して放水路22に連結されている。
送液ポンプ35は取水路20内の塩水を電気分解装置31に供給する。
電気分解装置31は、取水路20から導入された塩水を電気分解することによって、電気分解装置31の陽極に塩素(Cl2)を生成する。そのため、電気分解装置31によって電気分解された塩水には、遊離塩素及び結合塩素等からなる有効塩素が含まれている。遊離塩素とは、塩水中の塩素ガス分子(Cl2)、次亜塩素酸(HClO)及び次亜塩素酸イオン(ClO-)のことをいう。結合塩素は、塩水に含まれるアンモニア及びその化合物と遊離塩素が反応することによって得られたものであって、例えばモノクロラミン、ジクロラミン、トリクロラミン等のクロラミンのことをいう。
電気分解装置31における塩水の電気分解によって水素(H2)が電気分解装置31の陰極に生成される。電気分解装置31は脱気塔又は受槽等を有し、電気分解された塩水中の水素分子が脱気塔又は受槽等において塩水から分離されて、気体水素が塩水から発生する。その気体水素は電気分解装置31から送管34を通って気体溶解装置41に送られる。送管34の中途部には、電気分解装置31から気体溶解装置41への気体水素の流量を調整するバルブが設けられてもよい。
電気分解装置31において水素が分離された塩水は塩素系薬剤であり、より具体的には、有効塩素を含む塩素系水溶液である。その塩素系水溶液が電気分解装置31から排出管33を通って取水路20に投入される。その塩素系水溶液が取水路20内の塩水に添加されるため、海生生物の付着及び繁殖が抑制される。排出管33から取水路20に塩素系水溶液が添加される位置は、取水路20の出来る限り広い範囲で海生生物の付着及び繁殖の防止効果を得るために、取水口21に可能な限り近いことが好ましい。
図2に示す例では、1体の送液ポンプ35が設けられている。それに対して、取水路20から導入管32、電気分解装置31及び排出管33を経由して取水路20までの経路に複数の送液ポンプ35が設けられてもよい。また、取水路20から導入管32、電気分解装置31及び排出管33を経由して取水路20までの経路に一又は複数のバルブが設けられてもよい。一又は複数の送液ポンプ35及びバルブは、取水路20から電気分解装置31への塩水の供給流量を調整したり、電気分解装置31から取水路20への塩素系水溶液の投入流量を調整したりする。送液ポンプ35及びバルブが制御されたり、電気分解装置31の消費電力が制御されたりすることによって、取水路20並びにそれよりも下流側の復水器18及び放水路22における残留塩素濃度が適切に調整される。
送液ポンプ44は取水路20内の塩水を気体溶解装置41に供給する。なお、気体溶解装置41の液用インレットが導入管42及び送液ポンプ44を介して放水路22に連結されて、送液ポンプ44が放水路22内の塩水を気体溶解装置41に供給してもよい。
気体溶解装置41は、取水路20から導入された塩水に、電気分解装置31から導入された気体水素を溶解させる。これにより、気体溶解装置41内において、溶存水素を含む塩水(以下、水素水という。)が生成される。気体溶解装置41において気体水素が塩水に効率よく溶解し、水素水中の溶存水素濃度が高くなるために、気体溶解装置41の内部がコンプレッサー等によって高圧に加圧されてもよい。
気体溶解装置41において生成された水素水が気体溶解装置41からバルブ45及び排出管43を通って放水路22に投入される。バルブ45は、放水路22への水素水の投入流量を調整する。水素水が放水路22内の塩水に添加されることによって、その塩水中の残留塩素が低減又は除去されて、その塩水が中和される。中和された塩水は放水路22から海2に放出される。中和された塩水の残留塩素濃度は、海2の自然環境に影響を及ばさない程度であり、例えば地元との協定や、法律、規則等によって定められた値以下である。放水路22における塩水の残留塩素濃度が高い領域を広くするべく、排出管43から水素水が添加される位置は放水口24に近いほど良い。特に、海2に放出される塩水の残留塩素濃度を前記定められた値以下に抑えられるのであれば、排出管43から水素水が添加される位置が放水口24近傍であることが好ましい。
以上の実施形態によれば、以下のような有利な効果をもたらす。
(1) 気体溶解装置41によって生成された水素水が放水路22内の塩水に投入されるため、放水路22から海2に放出される塩水の残留塩素濃度が低減する。そのため、海2における自然環境に悪影響を及ぼさない。
(2) 電気分解装置31によって生成された塩素系水溶液が取水路20内の塩水に投入されるため、取水路20、復水器18及び放水路22における海生生物の付着及び繁殖が抑えられる。特に、放水路22内の塩水の残留塩素濃度が低減するため、電気分解装置31によって生成された塩素系水溶液の有効塩素濃度を低くしなくても済み、海生生物の付着及び繁殖が確実に抑えられる。
(3) 電気分解装置31において塩水から生成された気体水素が利用されるため、塩水の残留塩素の低減のために水素を別途準備しなくても済む。放水路22内の塩水の残留塩素濃度の低減を低コストで行える。また、電気分解装置31において気体水素を大気に放出しなくても済む。
(4) 電気分解装置31において生成された気体水素が放水路22内の塩水に直接注入されるのではなく、その気体水素が気体溶解装置41によって一旦塩水に溶解された上で、水素水が放水路22内の塩水に添加される。それゆえ、放水路22内での塩水の中和が効率よく進行する。
以上に実施形態について説明した。以上の実施形態は変更又は改良され得る。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
(A) 上記実施形態では、取水路20内の塩水に添加される塩素系薬剤が、電気分解装置31によって生成された塩素系水溶液である。それに対して、予め生成されて且つ貯留槽等に貯留された塩素系水溶液が投入装置によって取水路20内の塩水に添加されてもよい。塩素系水溶液は例えば次亜塩素酸水溶液又は塩素化イソシアヌル酸水溶液であるが、それ以外の塩素系水溶液であってもよい。また、塩素系水溶液の代わりに塩素ガスが取水路20内の塩水に噴出されるものとしてもよい。塩素ガスはガスボンベに貯留されている。また、塩素系水溶液の代わりに固形塩素系薬剤が投入装置によって取水路20内の塩水に投入されるものとしてもよい。固形塩素系薬剤は例えば次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩素化イソシアヌル酸又はさらし粉である。固形塩素系薬剤は貯留タンクに予め貯留されている。
(B) 上記実施形態では、電気分解装置31によって生成された気体水素が気体溶解装置41に供給される。それに対して、添加装置30がガスボンベ又は水素生成装置を有し、ガスボンベに貯留された気体水素又は水素生成装置によって生成された気体水素が気体溶解装置41に供給されてもよい。水素生成装置は、例えば、水を電気分解して水素と酸素を生成する電気分解装置である。
(C) 上記実施形態又は上記変形例(B)では、気体水素が気体溶解装置41において予め塩水に溶解される。それに対して、気体水素が放水路22内の塩水に直接噴出されて、気体水素がその塩水に溶解するものとしてもよい。
(D) 上記実施形態では、取水路20又は放水路22内の塩水が気体溶解装置41に供給される。それに対して、上水が気体溶解装置41に供給されてもよい。また、海2以外の自然水域の淡水が気体溶解装置41に供給されてもよい。
(E) 上記実施形態では、自然水域が海2であり、火力発電所10が海2の沿岸に建造されている。それに対して、自然水域が塩湖、淡水湖、沼又は河川であり、火力発電所10が塩湖、淡水湖、沼又は河川の沿岸に建造されるものとしてもよい。自然水域に存在する水が淡水である場合には、上記(A)及び(B)の変形例を併せて適用する必要があるか、電気分解装置31に供給される淡水に塩化ナトリウムを溶解させる必要がある。なお、汽水が塩水であるので、本開示では汽水湖は塩湖の一種である。
(F) 上記実施形態では、海水設備11が火力発電所10に構築されている。それに対して、海水設備11が他の種類の発電所、例えば水力発電所、揚水発電所、原子力発電所に構築されるものとしてもよいし、発電所以外の工場に構築されるものとしてもよい。また、取水路20と放水路22との間に設けられた設備が復水器18であったが、他の設備、例えば水力発電機であってもよい。
(G) 水素水又は気体水素が添加される位置は、排出管33から取水路20に塩素系水溶液が添加される位置から放水口24までのうちどの位置でもよい。但し、復水器18に海生生物が付着するのを抑制するため、水素水又は気体水素が添加される位置が復水器18の下流側であることが好ましい。
(H) 図3に示すように放水路22内において水素水又は気体水素を添加する位置51の後方に白金触媒61を浸漬して、水素水又は気体水素が添加された水に白金触媒61を接触させてもよい。白金触媒61は白金を含有するところ、その含有率は高いほどよく、また、微視的な白金の表面積が大きいほどよい。白金触媒61を配置することで、白金の触媒作用により、水素水又は気体水素による残留塩素の中和が促進される。すなわち、白金触媒61は、溶存水素又は気体水素が残留塩素を還元する力を増強する。なお、白金触媒61を配置する位置は、図2に示す放水路22内の位置51から下流側の範囲52であればどの位置でもよい。
また,白金を含有する白金触媒61に代えて,第10族元素金属(例えば、ニッケル、白金)、金属酸化物(例えば銅−酸化クロム)及び白金族金属(例えば、ルテニウム,パラジウム,ロジウム)からなる群の中から選ばれた少なくとも1つの物質を含む還元性触媒を用いてもよい。このような還元性触媒によっても、溶存水素又は気体水素の還元力が増強されて、残留塩素の中和が促進される。
残留塩素を含む水(以下、塩素水という)と水素水を混合することによって、残留塩素濃度が低減することを5回の試験(うち1回は比較試験)により検証した。以下に具体的に説明する。
塩素水として、次亜塩素酸溶液を用いた。
水素水として、水素タンクから水素ガスをビーカ中の純水に導入してバブリングしつつ撹拌したものを用いた。なお、白金等の触媒は用いていない。こうして得られた水素水の水素濃度を水素濃度計で測定したところ約0.8ppmであった。
以上の塩素水と水素水とを等量(本試験では50mlずつ)をビーカ内で混合し、その混合水を攪拌して、残留塩素濃度を求めた。なお、残留塩素濃度はDPD法で測定した。また、併せて水素濃度計により混合後の水素濃度も測定した。なお、塩素水と水素水を混合撹拌する際、紫外線照射等の他の手段は用いていない。
表1〜表4は、塩素水と水素水を混合した4回の各試験における、混合前の塩素水の塩素濃度、混合時の残留塩素濃度、及び、混合直後、混合から5分後、10分後、15分後における残留塩素濃度及び水素濃度及び、混合直後からの低下濃度を示す。なお、混合時の残留塩素濃度及び水素濃度は、混合前の残留塩素濃度及び水素濃度の半分になっているが、これは、塩素水と水素水を等量混合して50%に希釈されたことによる。
また、表5は、比較例として、塩素水と純水を50mlずつ混合した場合の結果を示す。
表5に示すように、比較例の場合は、混合後も残留塩素濃度の低下は認められなかったのに対して、表1〜表4に示すように、水素水を塩素水と混合した場合は、いずれの試験においても、時間の経過に伴って残留塩素濃度が低下し、混合後15分の時点で0.06〜0.12ppmの濃度低下が認められた。
以上の通り、塩素水に水素水を混合することにより、残留塩素濃度が低下できることを確認した。
以下、表1〜表5に試験結果を示す。
Figure 0006927452
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なお、上記試験では、水素水を塩素水に混合することによる塩素濃度低下を確認したが、上記の通り、試験で用いた水素水は水素ガスを純水にバブリングすることにより得られたものであるから、塩素水に直接水素ガスをバブリングすることによっても同様の効果が期待できる。
次に、塩素水と水素水を混合する際に白金触媒を浸漬した場合の残留塩素濃度低減効果の向上について3回の試験により検証した。以下に具体的に説明する。
塩素水として、次亜塩素酸溶液を用いた。
水素水として、水素タンクから水素ガスをビーカ中の純水に導入してバブリングしつつ撹拌したものを用いた。なお、水素水の生成においては白金等の触媒は用いていない。
以上の塩素水と水素水とを等量(本試験では50mlずつ)をビーカ内で混合し、その混合水を攪拌して、残留塩素濃度を求めた。なお、残留塩素濃度はDPD法で測定した。
表6〜表8は、塩素水と水素水を混合した3回の各試験における、混合前の塩素水の塩素濃度、混合時の残留塩素濃度、及び、混合直後、混合から5分後、10分後、15分後における残留塩素濃度及び、混合直後からの低下濃度を示す。なお、混合時の残留塩素濃度は、混合前の残留塩素濃度の半分になっているが、これは、塩素水と水素水を等量混合して50%に希釈されたことによる。
表6は塩素水と水素水を50mlずつ混合し、白金触媒を浸漬しなかった場合の結果を示す。表7は白金触媒を5粒、表8は白金触媒を15粒浸漬した場合の結果を示す。なお、本試験で使用した触媒は、SHIMADZU PLATINUM CATALYST ST SUPPORT 5/64” ALUMINA BALL SHIMADZU CORPORATION(白金触媒STタイプ P/N638-60116)であり、直径2mm程度の粒状のものである。
表6に示すように、塩素水と水素水を混合する際に白金触媒を浸漬しなかったものは、実施例1と同様に時間の経過に伴って残留塩素濃度が低下する。混合後15分の時点における残留塩素の低下濃度代は0.06ppmであった。
次に表7に示すように、塩素水と水素水を混合する際に白金触媒を5粒浸漬したものは、表6に示す触媒浸漬無しの結果と比較して残留塩素の低下濃度代の増加が認められた。混合後15分の時点における残留塩素の低下濃度代は0.23ppmであり、触媒浸漬無しの結果と比較して約3.8倍の低下濃度代であった。
最後に表8に占めすように、塩素水と水素水を混合する際に白金触媒を15粒浸漬したものは、表6及び表7に示す結果と比較して残留塩素の低下濃度代の増加がさらに認められた。混合後15分の時点における残留塩素の低下濃度代は0.31ppmであり、触媒浸漬無しの結果と比較して約5.2倍、触媒5粒を浸漬した結果と比較して約1.3倍の低下濃度代であった。
以上の通り、塩素水に水素水を混合する際に白金触媒を浸漬することにより、残留塩素濃度がさらに低下できることを確認した。
以下、表6〜表8に試験結果を示す。
Figure 0006927452
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2…海(自然水域)
18…復水器(設備)
20…取水路
22…放水路
25…水路
30…添加装置
31…電気分解装置
41…気体溶解装置
61…白金触媒

Claims (10)

  1. 発電所における水処理方法であって、
    前記発電所に設置された復水器と自然水域との間に設けられた取水路により、前記自然水域から塩水を取り込んで前記復水器に前記塩水を供給し、
    前記復水器と前記自然水域との間に設けられた放水路により、前記復水器から前記塩水を前記自然水域に放出し、
    前記発電所に設置された電気分解装置に前記取水路から前記塩水を供給し、前記電気分解装置によってその塩水を気体水素と有効塩素を含む塩素系水溶液とに電気分解し、その塩素系水溶液を前記取水路内の前記塩水に添加し、
    前記発電所に設置された気体溶解装置に前記電気分解装置から前記気体水素を供給し、前記放水路又は前記取水路から前記塩水を前記気体溶解装置に供給し、前記気体溶解装置により前記気体水素を前記塩水に溶かすことによって溶存水素を含む水素含有液を生成し、前記水素含有液を前記放水路内の前記塩水に添加する
    水処理方法。
  2. 前記塩素系水溶液が前記取水路内の前記塩水に添加される位置よりも下流の位置から前記塩水を取り込んで前記気体溶解装置に供給する
    請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記放水路における、前記水素含有液を添加する位置よりも下流の前記塩水に、前記溶存水素の還元力を増強させる触媒を浸漬し、前記水素含有液が添加された前記塩水に前記触媒を接触させる
    請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記触媒が白金を含有する請求項に記載の水処理方法。
  5. 前記自然水域が海又は塩湖である請求項1から4の何れか一項に記載の水処理方法。
  6. 発電所に構築される水処理設備であって、
    前記発電所に設置された復水器と自然水域との間に設けられ、前記自然水域から塩水を取り込んで前記復水器に前記塩水を供給する取水路と、
    前記復水器前記自然水域との間に設けられ、前記復水器から前記塩水を前記自然水域に放出する放水路と、
    前記取水路から前記塩水が供給され、その塩水の電気分解によって気体水素と有効塩素を含む塩素系水溶液とを生成し、その塩素系水溶液を前記取水路内の前記塩水に添加する電気分解装置と、
    前記電気分解装置から前記気体水素が供給され、前記放水路又は前記取水路から前記塩水が供給され、前記気体水素を前記塩水に溶かすことによって溶存水素を含む水素含有液を生成し、前記水素含有液を前記放水路内の前記塩水に添加する気体溶解装置と、
    を備える水処理設備。
  7. 前記塩素系水溶液が前記取水路内の前記塩水に添加される位置よりも下流の位置から前記塩水が取り込まれて前記気体溶解装置に供給される、請求項6に記載の水処理設備。
  8. 前記水素含有液を添加する位置よりも下流の前記塩水に浸漬され、前記溶存水素の還元力を増強させる触媒を更に有する
    請求項6又は7に記載の水処理設備。
  9. 前記触媒が白金を含有する請求項6から8の何れか一項に記載の水処理設備。
  10. 前記自然水域が海又は塩湖である請求項6から9の何れか一項に記載の水処理設備。
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