JP3119009B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
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- JP3119009B2 JP3119009B2 JP05039177A JP3917793A JP3119009B2 JP 3119009 B2 JP3119009 B2 JP 3119009B2 JP 05039177 A JP05039177 A JP 05039177A JP 3917793 A JP3917793 A JP 3917793A JP 3119009 B2 JP3119009 B2 JP 3119009B2
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- Japan
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- porous sintered
- sintered body
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- electrolytic capacitor
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体電解コンデンサの製
造方法に関するものである。
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の固体電解コンデンサは、弁作用金
属よりなる多孔性焼結体の表面に陽極酸化により酸化皮
膜を形成し、そしてこの多孔性焼結体の酸化皮膜上に半
導体層としての二酸化マンガン層を形成するために、陽
極酸化を行った多孔性焼結体にある濃度の硝酸マンガン
溶液を含浸させ、その後、200〜300℃で熱分解す
るということを10数回繰り返していた。なお、硝酸マ
ンガン溶液は比重1.10〜1.95の濃度のものが用
いられているもので、最初は低い濃度のものが用いら
れ、その後は、順次高い濃度のものが用いられていた。
属よりなる多孔性焼結体の表面に陽極酸化により酸化皮
膜を形成し、そしてこの多孔性焼結体の酸化皮膜上に半
導体層としての二酸化マンガン層を形成するために、陽
極酸化を行った多孔性焼結体にある濃度の硝酸マンガン
溶液を含浸させ、その後、200〜300℃で熱分解す
るということを10数回繰り返していた。なお、硝酸マ
ンガン溶液は比重1.10〜1.95の濃度のものが用
いられているもので、最初は低い濃度のものが用いら
れ、その後は、順次高い濃度のものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では、多孔性焼結体のサイズが大きくな
るに従って、多孔性焼結体内部の細孔バスが長くなり、
その結果、焼結体内部に均一な二酸化マンガン層が形成
されないため、容量達成率が低く、固体電解コンデンサ
としての特性が悪くなるという課題を有していた。
うな従来の方法では、多孔性焼結体のサイズが大きくな
るに従って、多孔性焼結体内部の細孔バスが長くなり、
その結果、焼結体内部に均一な二酸化マンガン層が形成
されないため、容量達成率が低く、固体電解コンデンサ
としての特性が悪くなるという課題を有していた。
【0004】図2は多孔性焼結体の厚さと容量達成率の
関係を示したもので、この図2からも明らかなように、
容量達成率は多孔性焼結体の厚さに大きく依存するもの
で、多孔性焼結体の厚さが1mm以上になると容量達成率
は急激に低下するものである。
関係を示したもので、この図2からも明らかなように、
容量達成率は多孔性焼結体の厚さに大きく依存するもの
で、多孔性焼結体の厚さが1mm以上になると容量達成率
は急激に低下するものである。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、容量達成率を高めることができるとともに、tan
δ特性、漏れ電流特性も向上させることができる固体電
解コンデンサの製造方法を提供することを目的とするも
のである。
で、容量達成率を高めることができるとともに、tan
δ特性、漏れ電流特性も向上させることができる固体電
解コンデンサの製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、厚さが
1.0mm以下の弁作用金属よりなる多孔性焼結体の表面
に陽極酸化により酸化皮膜を形成し、かつこの多孔性焼
結体内部の酸化皮膜上に硝酸マンガン水溶液を含浸さ
せ、これを熱分解することによって半導体層である二酸
化マンガン層を形成し、さらに、この厚さが1.0mm以
下の多孔性焼結体を複数個重ね合わせた後、硝酸マンガ
ンを熱分解することによって多孔性焼結体外部に別の二
酸化マンガン層を形成するようにしたものである。
に本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、厚さが
1.0mm以下の弁作用金属よりなる多孔性焼結体の表面
に陽極酸化により酸化皮膜を形成し、かつこの多孔性焼
結体内部の酸化皮膜上に硝酸マンガン水溶液を含浸さ
せ、これを熱分解することによって半導体層である二酸
化マンガン層を形成し、さらに、この厚さが1.0mm以
下の多孔性焼結体を複数個重ね合わせた後、硝酸マンガ
ンを熱分解することによって多孔性焼結体外部に別の二
酸化マンガン層を形成するようにしたものである。
【0007】
【作用】上記した固体電解コンデンサの製造方法によれ
ば、厚さが1.0mm以下の弁作用金属よりなる多孔性焼
結体を用いているため、多孔性焼結体内部の細孔パスは
短くなり、その結果、多孔性焼結体の内部に均一な二酸
化マンガン層を形成することができ、そして内部の酸化
皮膜上に均一な二酸化マンガン層を形成した多孔性焼結
体を複数個重ね合わせた後、硝酸マンガンを熱分解する
ことによって多孔性焼結体外部に別の二酸化マンガン層
を形成するようにしているため、容量達成率の高い良好
なコンデンサ特性(tanδ、漏れ電流特性)を有する
固体電解コンデンサを得ることができるものである。
ば、厚さが1.0mm以下の弁作用金属よりなる多孔性焼
結体を用いているため、多孔性焼結体内部の細孔パスは
短くなり、その結果、多孔性焼結体の内部に均一な二酸
化マンガン層を形成することができ、そして内部の酸化
皮膜上に均一な二酸化マンガン層を形成した多孔性焼結
体を複数個重ね合わせた後、硝酸マンガンを熱分解する
ことによって多孔性焼結体外部に別の二酸化マンガン層
を形成するようにしているため、容量達成率の高い良好
なコンデンサ特性(tanδ、漏れ電流特性)を有する
固体電解コンデンサを得ることができるものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例と、比較のための従来
例について説明する。
例について説明する。
【0009】(従来例)図1に示すように、弁作用金属
であるタンタル粉末を周知の方法で成形、焼結して寸法
がt1.8×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体
を作り、そしてこの多孔性焼結体をりん酸水溶液中で陽
極酸化することによって酸化皮膜を形成する。次いで、
比重が1.35の硝酸マンガン溶液を常温で前記酸化皮
膜上に浸漬付着させた後、温度250℃で熱分解するこ
とによって半導体層としての二酸化マンガン層を形成す
る。この操作を6回繰り返した後、比重が1.90の硝
酸マンガン溶液でも同様に4回繰り返す。次に、グラフ
ァイト層、銀ペースト層および半田層の陰極導体部を形
成し、そして樹脂外装を施して固体電解コンデンサ1を
製造した。
であるタンタル粉末を周知の方法で成形、焼結して寸法
がt1.8×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体
を作り、そしてこの多孔性焼結体をりん酸水溶液中で陽
極酸化することによって酸化皮膜を形成する。次いで、
比重が1.35の硝酸マンガン溶液を常温で前記酸化皮
膜上に浸漬付着させた後、温度250℃で熱分解するこ
とによって半導体層としての二酸化マンガン層を形成す
る。この操作を6回繰り返した後、比重が1.90の硝
酸マンガン溶液でも同様に4回繰り返す。次に、グラフ
ァイト層、銀ペースト層および半田層の陰極導体部を形
成し、そして樹脂外装を施して固体電解コンデンサ1を
製造した。
【0010】(実施例1)従来例では寸法がt1.8×
w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を用いていた
が、本発明の実施例1では、寸法がt0.9×w3.0
×l3.8(mm)の多孔性焼結体を用い、この多孔性焼
結体をりん酸水溶液中で陽極酸化することによって酸化
皮膜を形成し、次いで、比重が1.35の硝酸マンガン
溶液を常温で前記酸化皮膜上に浸漬付着させた後、温度
250℃で熱分解することによって半導体層としての二
酸化マンガン層を形成する。この操作を6回繰り返す。
w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を用いていた
が、本発明の実施例1では、寸法がt0.9×w3.0
×l3.8(mm)の多孔性焼結体を用い、この多孔性焼
結体をりん酸水溶液中で陽極酸化することによって酸化
皮膜を形成し、次いで、比重が1.35の硝酸マンガン
溶液を常温で前記酸化皮膜上に浸漬付着させた後、温度
250℃で熱分解することによって半導体層としての二
酸化マンガン層を形成する。この操作を6回繰り返す。
【0011】このようにして得た2個の多孔性焼結体
を、従来例と同じ寸法t1.8×w3.0×l3.8
(mm)となるように重ね合わせた後、比重が1.90の
硝酸マンガン溶液を用いて浸漬付着−熱分解の操作を4
回繰り返して多孔性焼結体外部に別の二酸化マンガン層
を形成する。次に、グラファイト層、銀ペースト層およ
び半田層の陰極導体部を形成し、そして樹脂外装を施し
て固体電解コンデンサ1を製造した。
を、従来例と同じ寸法t1.8×w3.0×l3.8
(mm)となるように重ね合わせた後、比重が1.90の
硝酸マンガン溶液を用いて浸漬付着−熱分解の操作を4
回繰り返して多孔性焼結体外部に別の二酸化マンガン層
を形成する。次に、グラファイト層、銀ペースト層およ
び半田層の陰極導体部を形成し、そして樹脂外装を施し
て固体電解コンデンサ1を製造した。
【0012】(実施例2)本発明の実施例1では寸法が
t0.9×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を
2個重ね合わせたが、本発明の実施例2では寸法がt
0.6×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を3
個重ね合わせたもので、その他は本発明の実施例1と同
じである。
t0.9×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を
2個重ね合わせたが、本発明の実施例2では寸法がt
0.6×w3.0×l3.8(mm)の多孔性焼結体を3
個重ね合わせたもので、その他は本発明の実施例1と同
じである。
【0013】(表1)は以上説明した本発明の実施例
1,2における固体電解コンデンサの特性を、従来例の
特性と比較した結果を示したものである。
1,2における固体電解コンデンサの特性を、従来例の
特性と比較した結果を示したものである。
【0014】
【表1】
【0015】(表1)の結果から明らかなように、最終
的な多孔性焼結体の寸法が同一であったとしても、複数
の多孔性焼結体を重ね合わせる方が固体電解コンデンサ
の特性(容量、tanδ、漏れ電流特性)は良く、ま
た、重ね合わせる多孔性焼結体の厚さが薄くなるに従っ
て、コンデンサ特性はさらに良くなるものである。
的な多孔性焼結体の寸法が同一であったとしても、複数
の多孔性焼結体を重ね合わせる方が固体電解コンデンサ
の特性(容量、tanδ、漏れ電流特性)は良く、ま
た、重ね合わせる多孔性焼結体の厚さが薄くなるに従っ
て、コンデンサ特性はさらに良くなるものである。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明の固体電解コンデン
サの製造方法によれば、厚さが1.0mm以下の弁作用金
属よりなる多孔性焼結体を用いているため、多孔性焼結
体内部の細孔パスは短くなり、その結果、多孔性焼結体
の内部に均一な二酸化マンガン層を形成することがで
き、そして内部の酸化皮膜上に均一な二酸化マンガン層
を形成した多孔性焼結体を複数個重ね合わせた後、硝酸
マンガンを熱分解することによって多孔性焼結体外部に
別の二酸化マンガン層を形成するようにしているため、
容量達成率の高い良好なコンデンサ特性(tanδ、漏
れ電流特性)を有する固体電解コンデンサを得ることが
できるものである。
サの製造方法によれば、厚さが1.0mm以下の弁作用金
属よりなる多孔性焼結体を用いているため、多孔性焼結
体内部の細孔パスは短くなり、その結果、多孔性焼結体
の内部に均一な二酸化マンガン層を形成することがで
き、そして内部の酸化皮膜上に均一な二酸化マンガン層
を形成した多孔性焼結体を複数個重ね合わせた後、硝酸
マンガンを熱分解することによって多孔性焼結体外部に
別の二酸化マンガン層を形成するようにしているため、
容量達成率の高い良好なコンデンサ特性(tanδ、漏
れ電流特性)を有する固体電解コンデンサを得ることが
できるものである。
【図1】本発明と従来例の固体電解コンデンサを示す斜
視図
視図
【図2】多孔性焼結体の厚さtと容量達成率の関係を示
す特性図
す特性図
1 固体電解コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/052 H01G 9/00 H01G 9/04
Claims (1)
- 【請求項1】 厚さが1.0mm以下の弁作用金属よりな
る多孔性焼結体の表面に陽極酸化により酸化皮膜を形成
し、かつこの多孔性焼結体内部の酸化皮膜上に硝酸マン
ガン水溶液を含浸させ、これを熱分解することによって
半導体層である二酸化マンガン層を形成し、さらに、こ
の厚さが1.0mm以下の多孔性焼結体を複数個重ね合わ
せた後、硝酸マンガンを熱分解することによって多孔性
焼結体外部に別の二酸化マンガン層を形成することを特
徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05039177A JP3119009B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05039177A JP3119009B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06252011A JPH06252011A (ja) | 1994-09-09 |
JP3119009B2 true JP3119009B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=12545840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05039177A Expired - Fee Related JP3119009B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3119009B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3718412B2 (ja) | 2000-06-01 | 2005-11-24 | キャボットスーパーメタル株式会社 | ニオブまたはタンタル粉末およびその製造方法 |
WO2004097870A1 (en) | 2003-04-28 | 2004-11-11 | Showa Denko K.K. | Valve acting metal sintered body, production method therefor and solid electrolytic capacitor |
-
1993
- 1993-03-01 JP JP05039177A patent/JP3119009B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06252011A (ja) | 1994-09-09 |
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