JP2946591B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサの製造方法Info
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- JP2946591B2 JP2946591B2 JP1136990A JP1136990A JP2946591B2 JP 2946591 B2 JP2946591 B2 JP 2946591B2 JP 1136990 A JP1136990 A JP 1136990A JP 1136990 A JP1136990 A JP 1136990A JP 2946591 B2 JP2946591 B2 JP 2946591B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関し、特
に、半導体層の形成方法に関するものである。
に、半導体層の形成方法に関するものである。
従来の技術 従来においては、固体電解コンデンサを製造する場
合、弁作用を有する金属焼結体の表面に陽極酸化により
酸化皮膜を形成し、そしてこの金属焼結体の酸化皮膜上
に半導体層として二酸化マンガン層を形成していたが、
この二酸化マンガン層を形成するために、陽極酸化を行
った金属焼結体に、ある濃度の硝酸マンガン溶液を含浸
させ、その後200〜300℃・湿度2%以下の乾燥雰囲気中
で熱分解するということを10数回繰り返していた。な
お、硝酸マンガンは比重1.10〜1.95の濃度のものが用い
られ、最初は低い濃度のものを用い、順次高い濃度のも
のを用いていた。
合、弁作用を有する金属焼結体の表面に陽極酸化により
酸化皮膜を形成し、そしてこの金属焼結体の酸化皮膜上
に半導体層として二酸化マンガン層を形成していたが、
この二酸化マンガン層を形成するために、陽極酸化を行
った金属焼結体に、ある濃度の硝酸マンガン溶液を含浸
させ、その後200〜300℃・湿度2%以下の乾燥雰囲気中
で熱分解するということを10数回繰り返していた。な
お、硝酸マンガンは比重1.10〜1.95の濃度のものが用い
られ、最初は低い濃度のものを用い、順次高い濃度のも
のを用いていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の方法では、容量達成
率は高いが、生成された二酸化マンガンは非常に多孔性
であり、かつ陽極体との接触強度が弱いため、損失値が
大きく、容量の周波数特性もあまり好ましいものではな
かった。従って、緻密な二酸化マンガンを生成させるこ
とが望ましいが、その目的のために熱分解の雰囲気の湿
度を高くすると、容量達成率が悪く、かつ漏れ電流値も
高くなるという課題があった。
率は高いが、生成された二酸化マンガンは非常に多孔性
であり、かつ陽極体との接触強度が弱いため、損失値が
大きく、容量の周波数特性もあまり好ましいものではな
かった。従って、緻密な二酸化マンガンを生成させるこ
とが望ましいが、その目的のために熱分解の雰囲気の湿
度を高くすると、容量達成率が悪く、かつ漏れ電流値も
高くなるという課題があった。
本発明は、これらの課題を解決するもので、容量達成
率、損失特性、容量の周波数特性および漏れ電流特性が
良好な二酸化マンガンよりなる半導体層を形成すること
ができる固体電解コンデンサの製造方法を提供すること
を目的とする。
率、損失特性、容量の周波数特性および漏れ電流特性が
良好な二酸化マンガンよりなる半導体層を形成すること
ができる固体電解コンデンサの製造方法を提供すること
を目的とする。
課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明の固体電解コンデ
ンサの製造方法は、陽極酸化により酸化皮膜を形成した
金属焼結体の酸化皮膜上に半導体母液を含浸させ、これ
を熱分解することによって二酸化マンガンよりなる半導
体層を形成する際、湿度50%以上のスチーム雰囲気と湿
度2%以下の乾燥雰囲気とを交互に用いて半導体母液を
熱分解することによって、二酸化マンガンよりなる半導
体層を形成するようにしたものである。
ンサの製造方法は、陽極酸化により酸化皮膜を形成した
金属焼結体の酸化皮膜上に半導体母液を含浸させ、これ
を熱分解することによって二酸化マンガンよりなる半導
体層を形成する際、湿度50%以上のスチーム雰囲気と湿
度2%以下の乾燥雰囲気とを交互に用いて半導体母液を
熱分解することによって、二酸化マンガンよりなる半導
体層を形成するようにしたものである。
作用 上記した製造方法によれば、2種類の雰囲気で交互に
熱分解するようにしているため、2種類、すなわち多孔
性の二酸化マンガンよりなる半導体層と緻密な二酸化マ
ンガンよりなる半導体層とが交互に繰り返されるという
構造となり、その結果、でき上がった固体電解コンデン
サでは、各々単独の雰囲気で熱分解を行った場合の長所
のみが反映されることになるため、容量達成率、損失特
性、容量の周波数特性及び漏れ電流特性の優れたものを
得ることができる。
熱分解するようにしているため、2種類、すなわち多孔
性の二酸化マンガンよりなる半導体層と緻密な二酸化マ
ンガンよりなる半導体層とが交互に繰り返されるという
構造となり、その結果、でき上がった固体電解コンデン
サでは、各々単独の雰囲気で熱分解を行った場合の長所
のみが反映されることになるため、容量達成率、損失特
性、容量の周波数特性及び漏れ電流特性の優れたものを
得ることができる。
実施例 以下、本発明の実施例を従来例と比較しながら説明す
る。
る。
従来例1 弁作用金属であるタンタル粉末を周知の方法で成形,
焼結して金属焼結体とし、この金属焼結体をリン酸水溶
液中で陽極酸化することにより酸化皮膜を形成する。次
いで比重が1.35の硝酸マンガン溶液を常温で前記酸化皮
膜上に浸漬付着させた後、温度250℃・湿度1%の乾燥
雰囲気で熱分解することによって二酸化マンガンよりな
る半導体層を形成する。この操作を6回繰り返した後、
比重が1.90の硝酸マンガン溶液でも同様に4回繰り返
す。次にグラファイト層,銀ペースト層及び半田層の陰
極導体部を形成し、そして樹脂外装を施して固体電解コ
ンデンサを製造した。
焼結して金属焼結体とし、この金属焼結体をリン酸水溶
液中で陽極酸化することにより酸化皮膜を形成する。次
いで比重が1.35の硝酸マンガン溶液を常温で前記酸化皮
膜上に浸漬付着させた後、温度250℃・湿度1%の乾燥
雰囲気で熱分解することによって二酸化マンガンよりな
る半導体層を形成する。この操作を6回繰り返した後、
比重が1.90の硝酸マンガン溶液でも同様に4回繰り返
す。次にグラファイト層,銀ペースト層及び半田層の陰
極導体部を形成し、そして樹脂外装を施して固体電解コ
ンデンサを製造した。
従来例2 従来例1における熱分解を、温度250℃・湿度60%の
スチーム雰囲気で行ったものを従来例2とする。
スチーム雰囲気で行ったものを従来例2とする。
実施例1 従来例1,2では、温度250℃・湿度1%の乾燥雰囲気あ
るいは温度250℃・湿度60%のスチーム雰囲気を単独で
用いて熱分解を行っていたが、実施例1は、温度250℃
・湿度60%のスチーム雰囲気と温度250℃・湿度1%の
乾燥雰囲気を交互に用いて熱分解を行うようにしたもの
のうち、温度250℃・湿度60%のスチーム雰囲気での熱
分解から始めたものである。
るいは温度250℃・湿度60%のスチーム雰囲気を単独で
用いて熱分解を行っていたが、実施例1は、温度250℃
・湿度60%のスチーム雰囲気と温度250℃・湿度1%の
乾燥雰囲気を交互に用いて熱分解を行うようにしたもの
のうち、温度250℃・湿度60%のスチーム雰囲気での熱
分解から始めたものである。
実施例2 実施例1では、温度250℃・湿度60%のスチーム雰囲
気での熱分解から始めたが、実施例2は温度250℃・湿
度1%の乾燥雰囲気での熱分解から始めたものである。
気での熱分解から始めたが、実施例2は温度250℃・湿
度1%の乾燥雰囲気での熱分解から始めたものである。
表1は以上説明した本発明の実施例1,2における固体
電解コンデンサの特性を、従来例1,2の特性と比較した
結果を示したものである。
電解コンデンサの特性を、従来例1,2の特性と比較した
結果を示したものである。
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1,2
における固体電解コンデンサは、単一の熱分解雰囲気で
行った従来例1,2の全ての特性を改善することができ
た。
における固体電解コンデンサは、単一の熱分解雰囲気で
行った従来例1,2の全ての特性を改善することができ
た。
発明の効果 以上のように本発明の固体電解コンデンサの製造方法
によれば、陽極酸化により酸化皮膜を形成した金属焼結
体の酸化皮膜上に半導体母液を含浸させ、これを熱分解
することによって二酸化マンガンよりなる半導体層を形
成する際、湿度50%以上のスチーム雰囲気と湿度2%以
下の乾燥雰囲気とを交互に用いて半導体母液を熱分解す
ることによって、二酸化マンガンよりなる半導体層を形
成するようにしているため、単一の熱分解雰囲気で行っ
た従来のものよりも容量達成率、損失特性、容量の周波
数特性および漏れ電流特性の優れた固体電解コンデンサ
を製造することができるものである。
によれば、陽極酸化により酸化皮膜を形成した金属焼結
体の酸化皮膜上に半導体母液を含浸させ、これを熱分解
することによって二酸化マンガンよりなる半導体層を形
成する際、湿度50%以上のスチーム雰囲気と湿度2%以
下の乾燥雰囲気とを交互に用いて半導体母液を熱分解す
ることによって、二酸化マンガンよりなる半導体層を形
成するようにしているため、単一の熱分解雰囲気で行っ
た従来のものよりも容量達成率、損失特性、容量の周波
数特性および漏れ電流特性の優れた固体電解コンデンサ
を製造することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 ▲吉▼浩 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−232711(JP,A) 特開 昭59−115516(JP,A) 特公 昭52−10840(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01G 9/032
Claims (1)
- 【請求項1】弁作用を有する金属焼結体の表面に陽極酸
化により酸化皮膜を形成し、この金属焼結体の酸化皮膜
上に半導体母液を含浸させ、これを熱分解することによ
って二酸化マンガンよりなる半導体層を形成する際、湿
度50%以上のスチーム雰囲気と湿度2%以下の乾燥雰囲
気とを交互に用いて半導体母液を熱分解することによっ
て、二酸化マンガンよりなる半導体層を形成することを
特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1136990A JP2946591B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1136990A JP2946591B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03215919A JPH03215919A (ja) | 1991-09-20 |
JP2946591B2 true JP2946591B2 (ja) | 1999-09-06 |
Family
ID=11776103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1136990A Expired - Fee Related JP2946591B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946591B2 (ja) |
-
1990
- 1990-01-19 JP JP1136990A patent/JP2946591B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03215919A (ja) | 1991-09-20 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |