JP3118505U - 骨盤矯正用ガードル - Google Patents

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Abstract

【課題】上部骨盤と下部骨盤の両方を有効に緊締する、一枚ものの編地からなる骨盤矯正用ガードルを提供する。
【解決手段】腰部2にX字状の襷掛け補強部を設け、補強部がカットボス方法によって補強糸を編成した骨盤矯正用ガードル1を構成するものである。
【選択図】図1

Description

本考案は、骨盤矯正用ガードルに係り、更に詳しくは、骨盤を矯正する機能を持つガードルに関するもので、骨盤矯正用のパンティも含むものである。
骨盤は、全身の動きの要であり、臓器を保護する重要な役割を担っている。その骨盤は図8に示すように、第五腰椎11、仙骨12、尾骨13、左右の寛骨14,14からなっている。ところが骨盤10は、寛骨14以外の三つの骨11、12、13が、関節と椎間軟骨で連結され、骨の間に靭帯が張って結合している。
そのため骨盤10は、年令と共に周囲の筋力も低下するし、また各種の原因によって、仙骨12と寛骨14との間の仙腸関節15がズレたり、下の股関節16が開いたりして、骨盤の歪みを生ずることになる。その原因は、長時間の無理な姿勢や、重量物の持ち上げや、出産等に起因する。そこで腰痛、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、挫骨神経痛等を発症することになる。
これら症状の対処療法として、腰部に巻き付けるための骨盤安定用ベルトが提案されている(例えば特許文献1、実用新案文献1、実用新案文献2)。しかし、屈曲運動をすると位置のズレることがあり、また着用者に窮屈感を与えるものとなっている。
特開2004−24437号公報 実用新案登録第3037024号公報 実用新案登録第3046803号公報
またアタッチメント式のものや、ガードル式のものも公知である(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6、実用新案文献3)。しかしガードル式のものは、ベルトを縫い合わしたもので、着脱が面倒であり、また針金等の芯材は洗濯による破損や、身体を傷付けることが問題となっており、一枚ものの編地からなるものが望まれている。
特開平6−173101号公報 特開2002−263127号公報 特開2005−113311号公報 実用新案登録第3076910号公報
一方、上部骨盤と下部骨盤との両方を有効に緊締するためには、ガードル腰部の補強部分を、X字状に襷掛けすることが好ましく、この先行技術としては、特許文献8と特許文献9が開示されている。しかしこの先行技術の補強部分は、強力な伸縮性を有するものとはなっていない。そして、カットボス方法(添え糸を両端で切断する方法)によるものでもなかった。
特開2005−15925号公報 特開平10−8303号公報
カットポス方法によると、適度に圧迫するサポート力を有することができる。この公知技術としては、本考案の出願人が先に出願した特許文献10と特許文献11が公知である。但し、上部骨盤と下部骨盤の両方を緊締する骨盤矯正用のガードルではなかった。
特開2000−345407号公報 特開2004−60076号公報
本考案は、骨盤矯正用のガードルを目的としたものである。そのためには、左右の寛骨の位置を矯正するための上部骨盤と、股関節の位置を矯正するための下部骨盤との両方を有効に緊締する必要がある。従って、X字状の襷掛け等によって、上部と下部の両方を圧迫することが好ましい。
上記の事情に鑑み、本考案は、上部骨盤と下部骨盤の両方を有効に緊締する、一枚ものの編地からなる骨盤矯正用ガードルの提供を課題とする。
本考案は上記目的を達成するために、腰部にX字状の襷掛け補強部を設け、該補強部がカットボス方法によって補強糸を編成した骨盤矯正用ガードルを構成するものである。
本考案の骨盤矯正用ガードルは、外側に開きがちな上部骨盤と下部骨盤の両方を、有効に圧迫することができる。
本考案の骨盤矯正用ガードルは、一枚ものの編地からなるために、着脱しやすく装着感がよく、洗濯による破損や身体を傷付ける恐れもない。
本考案の骨盤矯正用ガードルには、下腹部の弛みやヒップの垂れ下りを矯正する整容効果も有する。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本考案の骨盤矯正用ガードルの一実施例を示す正面図、図2は、同右側面図、図3は、同背面図である。図4は、本発明の骨盤矯正用ガードルの一実施例を示す上端のウエストバンド部A1の組織図、図5は、同下部のバンド部A2の組織図、図6は同X字状の襷掛け補強部以外のB部の組織図、図7は同襷状に囲むX字型部Cの組織図である。図8は、本発明の骨盤矯正用ガードルの他の実施例を示す上端のウエストバンド部A1の組織図、図9は、同下部のバンド部A2の組織図、図10は、同X字状の襷掛け補強部以外のB部の組織図、図11は、同襷状に囲むX字型部Cの組織図、図12は、骨盤の名称を示す正面図である。
図1、2、3に示すように、骨盤矯正用ガードル1は、腰部2にX字状の襷掛け補強部Cを設けている。本考案でいうX字状の襷掛けとは、図1のように正面からみてX字状に形成されており、側面からみると図2のように太鼓型をしており、背面からみると図3のように上部はV字型であり、下部は直線状になって尾骨を持ち上げるように形成されている。
骨盤矯正用ガードルは、パターン1として、小径丸編機により、左右の脚部と腰部とからなる筒編地を1本づつ編成し、各筒編地の腰部の編地の内側を裁断して裁断した部分を互いに縫製してガードルとしたものと、パターン2として、大径丸編機により、一体の筒編地を編成し、筒編地の脚部の中央部を縫製してガードルとしたものとの2種類のガードルが編成されるが、いずれのガードルも筒編地は以下に記載する編成方法で編成する。
パターン1の骨盤矯正用ガードルの上端のウエストバンド部A1の糸使いは、図4に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は、198DTのポリウレタン弾性糸芯糸に、44DTと44DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第2コースC2は22DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン糸をシングルカバリングしたSCY、第3コースC3は33DT、10フィラメントのウーリーナイロン単糸を合撚した双糸という順序で繰り返し交編して編成する。
なお、DTとは、10000mで1gの糸の繊度を1DTとする。
また、ウーリーナイロン糸に代えてSCY、ナイロンフィラメント又は綿糸を用いてもよい。
パターン1の骨盤矯正用ガードルの下端のバンド部は、図5に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTとのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第2コースC2は33DTのウーリーナイロンの単糸(10フィラメント)を合撚した双糸、第3コースC3は第1コースと同様に、120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTとのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第4コースC4は33DTのウーリーナイロンの単糸(10フィラメント)を合撚した双糸という順序で繰り返し交編で編成する。
パターン1のX字状の襷掛け補強部の他のB部の糸使いは、図6に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第2コースC2は33DTのウーリーナイロンの単糸(10フィラメント)を合撚した双糸、第3コースC3は第1コースと同様に、120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第4コースC4は33DTのポリウレタン弾性糸芯糸にウーリーナイロンの単糸(10フィラメント)を合撚した双糸の順で繰り返し編成する。
パターン1のX字状の襷掛け補強部Cの糸使いは、図7に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY(C1a)と78DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン24フィラメント双糸bを添え糸とし、カットボス編みで編成し、第2コースC2は33DTの単糸(10フィラメント)を合撚したウーリーナイロン双糸、第3コースC3は第1コースと同様に、120DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY(C1a)と78DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン24フィラメント双糸bを添え糸とし、カットボス編みで編成し、第4コースC4は33DTの単糸(10フィラメント)を合撚したウーリーナイロン双糸を順次交編により編成する。
ここで、交編とは、2種類以上の編糸を交互に組み合わせて編成した編地であり、本願の場合、通常はサポート糸とナイロン糸とを交互に編成し、ナイロン糸に透明感があるため、ゾッキ編より透明感が高くファッション性に優れている。
インレイ編とは、編地に本発明の場合、ポリウレタン弾性糸を挿入して編成することをいう。
カットボス編とは、地糸の上に別の糸を重ねて編成する場合に、地糸からなる編地の部分的な領域に別の糸を編み込んで編成することを総称していう。機能的には、部分的な補強を目的とする場合とデザインを目的とする場合があるが、本発明の場合は、部分的な補強を目的としている。
なお、実施例では糸使いの一例を示すが、糸使いはこれに限定されるものでなく、本考案の糸使いは適宜選択しうるものである。
たとえば、ウーリーナイロン糸に代えてSCY、ナイロンフィラメント糸又は綿糸を用いてもよい。ポリウレタン弾性糸は20ないし1000DT、好適には、100ないし200DTの範囲で変更できる。また、ナイロン糸に代えてポリエステル糸を用いてもよい。ナイロンフィラメント糸は5ないし120DT、好適には、30ないし70DTの範囲で変更できる。綿糸を用いた場合は、40ないし80番手の範囲で変更できる。
パターン2の骨盤矯正用ガードルの上端のウエストバンド部A1の糸使いは、図8に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は、198DTのポリウレタン弾性糸芯糸に、44DTと44DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第2コースC2は22DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン糸をシングルカバリングしたSCY、第3コースC3は33DT、10フィラメントのウーリーナイロン単糸を合撚した双糸、第4コースC4は33DTのウーリーナイロンの単糸(10フィラメント)を合撚した双糸という順序で繰り返し交編で編成する。
なお、ウーリーナイロン糸に代えてSCY、ナイロンフィラメント又は綿糸を用いてもよい。
パターン2の骨盤矯正用ガードルの下端のバンド部は、図9に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTとのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第2コースC2は50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸、第3コースC3は第1コースと同様に、117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTとのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCY、第4コースC4は50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸という順序で繰り返し交編で編成する。
パターン2のX字状の襷掛け補強部の他のB部の糸使いは、図10に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸を編成し、第2コースC2は117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCYを挿入し、第3コースC3は第1コースと同様に、50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸を編成し、第4コースC4は117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCYを挿入し、この順で繰り返し編成する。
パターン2のX字状の襷掛け補強部Cの糸使いは、図11に示すように、4口編みからなり、第1コースC1は50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸(C1a)に、44DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン糸をシングルカバリングしたSCY(C1b)を添え糸とし、カットボス編みで編成し、第2コースC2は117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCYを挿入し、第3コースC3は第1コースと同様に、50DTのウーリーナイロンの単糸(34フィラメント)を合撚した双糸(C3a)に、44DTのポリウレタン弾性糸芯糸に78DTのウーリーナイロン糸をシングルカバリングしたSCY(C3b)を添え糸とし、カットボス編みで編成し、第4コースC4は117DTのポリウレタン弾性糸芯糸に13DTと13DTのウーリーナイロン糸をダブルカバリングしたDCYを挿入し、この順で繰り返し編成する。
なお、骨盤矯正用ガードルは、パターン1において、襷状に囲むX字型部とその他の部分の編地部を交編により編成する例と、パターン2において、襷状に囲むX字型部とその他の部分の編地部をインレイ編みで編成するのが好適であるが、襷状に囲むX字型部をインレイ編みで編成しその他の部分の編地部を交編により編成してもよい。
以上の構成からなるため、図3に示すように、上部骨盤はH1,H1の圧迫力によって、また下部骨盤はH2,H2の圧迫力によってサポ−トされる。
本考案の骨盤矯正用ガードルは、骨盤矯正用を始めとして、下腹部の弛みやヒップの垂れ下りを矯正する整容矯正用としても、広く利用しうるものである。
本考案の骨盤矯正用ガードルの一実施例を示す正面図である。 同右側面図である。 同背面図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン1のウエストバンド部の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン1の下部バンド部の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン1の襷状に囲むX字型部の他の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン1の襷状に囲むX字型部の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン2のウエストバンド部の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン2の下部バンド部の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン2の襷状に囲むX字型部の他の組織図である。 本考案の骨盤矯正用ガードルのパターン2の襷状に囲むX字型部の組織図である。 骨盤の名称を示す正面図である。
符号の説明

骨盤矯正用ガードル

腰部

締付部

襷状に囲むX字型部以外の部

襷状に囲むX字型部
10 骨盤
11 第五腰椎
12 仙骨
13 尾骨
14 寛骨
15 仙腸関節
16 股関節
H1 上部骨盤の圧迫力
H2 下部骨盤の圧迫力

Claims (5)

  1. 上下にずり落ち防止用の締付部と襷状に囲むX字型部とその他の部分の編地部を有する骨盤矯正用ガードルにおいて、襷状に囲むX字型部はカットボス方法によって補強糸を編成したことを特徴とする骨盤矯正用ガードル。
  2. 前記襷状に囲むX字型部の第1コースはダブルカバリングヤーン(DCY)にシングルカバリングヤーン(SCY)を添え糸とし、カットボス編みで編成し、第2コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で編成し、第3コースはDCYにSCYを添え糸とし、カットボス編みで編成し、第4コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で交編により編成した請求項1記載の骨盤矯正用ガードル。
  3. 前記襷状に囲むX字型部の第1コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸にSCYを添え糸とし、カットボス編みで編成し、第2コースはDCYを挿通し、第3コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸にSCYを添え糸とし、カットボス編みで編成し、第4コースはDCYを挿通しインレイ編みで編成した請求項1記載の骨盤矯正用ガードル。
  4. 前記襷状に囲むX字型部の他の部分の組織の第1コースはDCYで編成し、第2コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で編成し、第3コースはDCYで編成し、第4コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で交編により編成した請求項1記載の骨盤矯正用ガードル。
  5. 前記襷状に囲むX字型部の他の部分の組織の第1コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で編成し、第2コースはDCYを挿通し、第3コースはウーリーナイロン糸、SCY、ナイロンフィラメント又は綿糸で編成し、第2コースはDCYを挿通しインレイ編みで編成した請求項1記載の骨盤矯正用ガードル。
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