JP3117649B2 - 移送品の除塵装置 - Google Patents

移送品の除塵装置

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義雄 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷工程や電子部
品の製造工程や実装工程あるいは機械部品の製造工程や
組立工程に組み込まれる移送品の除塵装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷工程や工業製品の製造工程や
実装工程、組立工程等では移送品の除塵は必要なかっ
た。しかし、近年、高精細な各種印刷や工業製品の高精
密化により僅かな塵埃も製品品質を低下させるという問
題がでてきた。このため製造工程における塵埃を減少さ
せる手段としてICの製造等に利用されるクリーンルー
ムを用いることも考えられるが、クリーンルームの設置
には莫大な設備費がかかるうえに、ランニングコストも
高く製品価格に大きな影響を与えるという問題があり、
また、クリーンルームを利用する程のクリーンさを必要
としない場合に利用できる除塵装置の開発が要望されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価なう
え、ランニングコストが少なくて済む移送品の除塵装置
を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め本発明は、移送される移送品の対向面側を開口させた
除塵ボックスを配設し、該除塵ボックスの入口側にイオ
ン送風式の除電器を配置するとともに、除塵ボックスの
出口側に移送路を挟んで直交する一側方から吸気して他
側方に排気する集塵装置を配置した移送品の除塵装置を
請求項1の発明とし、請求項1の発明において、移送コ
ンベアにより移送品を搬送する移送品の除塵装置請求項
2の発明とし、移送コンベアの上面に前後方向または左
右方向に連通する多数の溝を形成した移送品の除塵装置
を請求項3の発明とし、移送コンベアの上面に前後左右
方向に連通する溝を形成した移送品の除塵装置を請求項
4の発明とし、移送コンベアがローラコンベアである移
送品の除塵装置を請求項5の発明とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を図に基づいて詳細に説明する。1は除塵ボックスで
あり、該除塵ボックス1は着脱自在な仕切板1dによ
り、入口2が設けられる除電のための前部室と、出口3
が設けられる集塵のための後部室とに区画されるととも
に、移送品との対向面側を開口させたものである。そし
て、除塵ボックス1の前部室の入口2と後部室の出口3
に上下動自在に取り付けられるスライド板4は後記する
移送コンベア17の上面から出入口の高さ、すなわち移
送品の通過を調整自在とするものである。5は除塵ボッ
クス1の入口側の天板に形成された開口1aに下面の吹
出開口5aを臨ませて取り付けられたイオン送風式の除
電器で、該除電器5は移送コンベア17上に載置された
移送品にプラス及びマイナスのイオンを吹き付けて移送
品のプラス及びマイナスの電荷を除去するものである。
また、該除電器5は外部と連通される外気導入開口5b
の内面に着脱自在に装着されるフィルター6と、該フィ
ルター6に続いて配置される外気吸引用の吸気ファン
7、7と、該吸気ファン7の下方に配置されるプラスと
マイナスのイオンをそれぞれ発生する電極針8、8と、
前記吹出開口5aに着脱自在に装着されるフィルター9
とよりなるものである。10は除塵ボックス1の後部室
側に移送コンベア17を挟んで、直交する一側方から吸
気して他側方に排気するよう配置される集塵装置であ
り、該集塵装置10は外部と連通する外気導入開口10
aの内面に着脱自在に装着に装着されるフィルター11
と、除塵ボックス1の後部室の側面に形成される吸気開
口1bに配置される吸気ファン12、12と、除塵ボッ
クス1の対向側側面に形成される排気開口1cに配置さ
れる排気ファン13、13と、該排気ファン13に接続
される排気ダクト14とよりなるものである。
【0006】17は除塵する移送品を搬送する移送コン
ベアであり、該移送コンベア17の前後ローラに巻き掛
けられる絶縁体よりなるコンベアベルトは図2に示され
るように、コンベアベルトの上面に前後方向あるいは左
右方向に連通する多数の溝18を形成するための波状隆
起19を形成し、コンベアベルト上に載置された移送品
が接触面積の小さな隆起頂部間に支持され、空間に保持
させた状態と同じにして電荷が検出される状態、すなわ
ち除電されやすい状態に保持するとともに、除電器5か
ら放出されたイオンが空気流に乗って移送品の下面側に
も流れるようにして除電を確実に行えるようにしている
が、図3に示されるように、コンベアベルトの上面に前
後左右方向に連通する溝18を形成するための多数の突
起20を形成し、コンベアベルト上に載置された移送品
が接触面積のより少ない突起頂部に支持され、空間に保
持された状態と同じにして前記と同様除電されやすい状
態に保持するともに、除電器5から放出されたイオンが
空気流に乗って移送品の下面側にも流れるようにしてい
るが、除電する移送品自体に凹凸がある場合には平坦な
コンベアベルトでよい。21は移送コンベア17を駆動
する減速機付モータである。
【0007】このように構成されたものは、各種印刷工
程や工業製品の製造工程や実装工程、あるいは組立工程
等に移送コンベア17を組み込んでおき、常時は除電器
5を作動させて、移送コンベア17のコンベアベルトの
除電を行うとともに、集塵装置10を作動させてコンベ
アベルトの塵埃を吸引除去する。そして、印刷や実装、
組立工程に搬送される移送品が移送コンベア17によっ
て搬送され、入口2を通じて除塵ボックス1の前部室内
に進入すると、除電器5の吸気ファン7により外気導入
開口5bからフィルター6を介して吸引された清浄空気
は、電極針8、8によって生成されたプラスとマイナス
のイオンと混合されてイオン空気流となる。そして、除
電器5の吹出開口5aより吹き出されたイオン空気流は
除塵ボックス1の前部室の開口1aを通じて移送コンベ
ア17上の移送品に吹き付けられることとなる。移送コ
ンベア17上に載置された移送品はコンベアベルトの上
面に形成された波状隆起19の接触面積の小さな隆起頂
部に保持され、除電されやすい状態となっているうえ
に、波状隆起19により形成された多数の溝18を介し
て移送品の下面側までイオン空気流は回り込むこととな
って移送品の静電気は的確に除去されることとなる。
【0008】このように除電された移送品が除塵ボック
ス1内を進行して除塵ボックス1の後部室に進入し、移
送コンベア17を挟んで配置されている集塵装置10の
位置に達すると、除塵ボックス1の後部室の側面に形成
された吸気開口1bに臨んで配置されている吸気ファン
12、12は外気導入開口10aよりフィルター11を
介して清浄空気を吸い込んで除塵ボックス1内に流入さ
せることとなる。このように流入した清浄空気は除塵ボ
ックス1の後部室の対向側側面に形成されている排気開
口1cに臨んで配置されている排気ファン13、13に
より吸引され、排気ファン13に接続されている排気ダ
クト14を通じて排気されてゆくこととなるが、この排
気時、除電により移送品の表面に付着していた塵埃は移
送品から離れて浮遊したり、浮遊しやすい状態で移送品
の表面に乗っているので、これらの塵埃は吸気開口1b
から排気開口1cに向かう集塵装置10の排気気流にの
って排気ダクト14への排出されてゆくこととなる。そ
して、除塵された移送品は各種印刷工程や工業製品の製
造工程や実装工程、組立工程等に送り込まれることとな
る。なお、好ましい実施の形態では、移送コンベア17
を介して移送品の搬送を行っているが、連続したシート
状物等の除塵の際には移送コンベア17は不要となる。
また、好ましい実施の形態では移送コンベア17をベル
ト式としているが、絶縁材よりなるローラコンベアを用
いてよい。さらに、好ましい実施の形態では移送品の上
面にのみ除塵ボックス1を配設させているが、下面側あ
るいは上下両面に除塵ボックス1を配設させてもよい。
また、好ましい実施の形態では除塵ボックス1を仕切板
1dによって前部室と後部室に区画して集塵気流を強め
ているが、移送品が気流により不安定になる場合には、
仕切板1dを外して一連の除塵室とすればよく、このよ
うにすればファンモータの交換することなく気流を弱め
ることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明は前記説明によって明らかなよう
に、次工程に送りこまれてゆく移送品の除電をイオン送
風式の除電器により行って移送品の表面に静電気で付着
している塵埃を浮遊させたり、浮遊しやすい状態とした
うえ、除塵ボックスの出口側に設けられ、搬送路を挟ん
で外気を吸引しつつ排気を行う集塵装置の排気気流中に
移送品を介在させることにより、移送品に乗っている塵
埃や浮遊している塵埃を排気気流に乗せて排出して移送
品表面の除塵を的確に行うことができる。また、集塵装
置と除電器とを組み合わせた安価な装置で安価なランニ
ングコストで塵埃除去を行うことができる。しかも、構
造が簡単で小型となるため既存の装置に組み込むことも
極めて容易である。また、請求項2のように、移送コン
ベアにより移送品を搬送すれば、小物部品や単品の除塵
も容易となる。さらに、請求項3、4のように、移送コ
ンベアの上面に前後方向または左右方向に連通する溝を
形成したり、前後左右方向に連通する溝を形成し、移送
品を小さな接触面で保持させることにより、電荷が検知
できる除電しやすい状態とすることができるうえに、移
送品の下面側にもイオン空気流を流すことができるの
で、除塵効果をより大きなものとすることができる。ま
た、請求項5のように、移送コンベアをローラコンベア
とすれば、製作に手間がかかる溝を形成する必要がなく
なり、装置をより安価に提供できるものとなる等種々の
利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠斜
視図である。
【図2】本発明の好ましい実施の形態の移送コンベアベ
ルトの要部を示す一部切欠斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態の他の移送コンベ
アベルトの要部を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 除塵ボックス 5 除電器 10 集塵装置 17 移送コンベア 18 溝

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移送される移送品の対向面側を開口させ
    た除塵ボックス(1)を配設し、該除塵ボックス(1) の入
    口側にイオン送風式の除電器(5) を配置するとともに、
    除塵ボックス(1) の出口側に移送路を挟んで直交する一
    側方から吸気して他側方に排気する集塵装置(10)を配置
    したことを特徴とする移送品の除塵装置。
  2. 【請求項2】 移送コンベア(17)により移送品を搬送す
    る請求項1に記載の移送品の除塵装置。
  3. 【請求項3】 移送コンベア(17)の上面に前後方向また
    は左右方向に連通する多数の溝(18)を形成した請求項1
    に記載の移送品の除塵装置。
  4. 【請求項4】 移送コンベア(17)の上面に前後左右方向
    に連通する溝(18)を形成した請求項1に記載の移送品の
    除塵装置。
  5. 【請求項5】 移送コンベア(17)がローラコンベアであ
    る請求項1に記載の移送品の除塵装置。
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