JP3117639B2 - 化粧用気密コンパクト容器 - Google Patents

化粧用気密コンパクト容器

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JP3117639B2
JP3117639B2 JP08074399A JP7439996A JP3117639B2 JP 3117639 B2 JP3117639 B2 JP 3117639B2 JP 08074399 A JP08074399 A JP 08074399A JP 7439996 A JP7439996 A JP 7439996A JP 3117639 B2 JP3117639 B2 JP 3117639B2
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一男 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧用の気密コンパ
クト容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧料には揮発性成分を含有するものが
あり、このような化粧料を収容する化粧用コンパクト容
器では、揮発性成分が揮発しないように化粧料収容部を
気密に密閉できる構造になっている。
【0003】実開平3―34412号公報にはその一例
が開示されている。この公報に開示されたものは、容器
本体に中皿が固定され、蓋体の内面に弾性材からなるシ
ール部材が取り付けられていて、シール部材はその下面
から径方向内側に向かって下方に延びる環状の鍔部を備
えている。そして、蓋体を閉じると、鍔部が中皿の上部
開口から中皿内に挿入され、且つ鍔部の外側面が中皿の
開口内周縁に弾性的に圧接されて、中皿内を気密にシー
ルする構造になっている。
【0004】このように閉蓋時にシール部材の鍔部が中
皿内に挿入される構造では、鍔部の先端部分を化粧料の
上面に突き当てないように、中皿への化粧料の充填量が
制限されるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実開平7−3510号
公報には、この問題を解決したシール構造を備えた気密
コンパクト容器が開示されている。このシール構造で
は、中皿の上部にフランジ部分を設け、このフランジ部
分に蓋体のシール部材を気密に接触するようにしてい
る。このようにすればシール部材が中皿内に突出するこ
とがないので、化粧料の充填量が制限されることはな
い。
【0006】しかしながら、このシール構造は、中皿の
フランジ部とシール部材との環状の気密接触部分が1条
しかなく、気密性に若干の不安があった。本発明はこの
ような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであ
り、中皿への化粧料の充填量が制限されず、且つ、気密
保持に対する信頼性の高い化粧用気密コンパクト容器を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明は、容器本
体と、容器本体に固定され上端にフランジ部が設けら
れ、当該フランジ部周縁に山部を形成した、内部に化粧
料を収容する中皿と、容器本体に開閉可能に取り付けら
れた蓋体と、蓋体の内面に取り付けられた弾性材からな
るシール部材とを備え、シール部材には、蓋体の閉蓋時
に中皿のフランジ部の上面に圧接する環状の第1シール
突起と、中皿のフランジ部の外側面に圧接する環状の第
2シール突起が設けられると共に、該シール部材がその
第1シール突起と第2シール突起との間で中皿のフラン
ジ部周縁の山部に圧接していることを特徴とする化粧用
気密コンパクト容器である。
【0008】ここでいう蓋体には外蓋が含まれることは
勿論であるが、容器本体と外蓋との間に設置される中蓋
も含まれる。容器本体に対する蓋体の取り付け構造とし
てはヒンジ機構が好適であるが、ネジ機構であっても構
わない。
【0009】蓋体を閉じると、シール部材の第1シール
突起と第2シール突起が中皿のフランジ部に環状に圧接
して二重に気密接触する。したがって、両方の気密接触
部分が同時に破られない限り、中皿の気密が破られるこ
とはない。又、シール部材は中皿の内部に突き出ること
がないので、シール部材が化粧料の中皿への充填量を制
限することがない。
【0010】〈本発明の原材料〉シール部材としてはエ
ラストマ等の弾性を有する軟質樹脂が好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
及び図2の図面に基いて説明する。化粧用気密コンパク
ト容器(以下、コンパクト容器と略称する)は、容器本
体1と、容器本体1の一端にヒンジ部(図示せず)を介
して回動可能に取り付けられた蓋体2とを備えている。
図1は蓋体2を閉じた状態を示し、図2は蓋体2を若干
開いた状態を示している。
【0012】容器本体1と蓋体2との間には、前記ヒン
ジ部から周方向に180度離間した位置に、蓋体2を閉
状態に保持し回動不能にするロック機構(図示せず)が
設けられており、このロック機構のロックを解除して蓋
体2を開回動できるようにする解除ボタン(図示せず)
が容器本体1あるいは蓋体2のいずれかに設けられてい
る。尚、これらロック機構と解除ボタンの構造について
は周知技術であるので説明を省略する。
【0013】容器本体1の上縁内側には中枠3が固定さ
れており、この中枠3は央部に穴4が設けられ、この穴
4に中皿5が嵌合固定されている。この中皿5の上部外
周には外方へ張り出す環状のフランジ部6が設けられて
おり、このフランジ部6を中枠3の上面に載置させてい
る。フランジ部6はその外縁近くで最上位となる山部7
を有しており、この山部7の外方に、なだらかに下がる
凸曲面部8を経て、中枠3の上面に対してほぼ垂直に位
置する外側面9が連なり、又、山部7の内方に、なだら
かに下がる凹曲面部10を経て水平部(上面)11が連
なっている。
【0014】中皿5において水平部11よりも下位内側
が、揮発性成分を含有する化粧料を収容する化粧料収容
部20になっている。尚、中皿5のフランジ部6の内側
には飾りリング12が固定されている。
【0015】一方、蓋体2の天板部13の内側には、下
面にシール部材14を備えたシール取付板15が嵌合固
定されている。シール部材14はエラストマ等の弾性材
で形成されており、蓋体2に嵌合固定される前のシール
取付板15に予め一体化されている。例えば、シール取
付板15をインサートさせた金型にエラストマを射出成
形して、シール部材14を成形しシール取付板15と一
体化する。
【0016】シール部材14は、中央平坦部16と、中
央平坦部16の外縁部から下方に延びる周縁部17とを
備えており、中央平坦部16の外縁近傍には下方に突出
する環状の第1シール突起18が設けられ、周縁部17
の下縁には内方に突出する環状の第2シール突起19が
設けられている。
【0017】このコンパクト容器では、蓋体2を閉じる
と、シール部材14の第1シール突起18が中皿5のフ
ランジ部6の水平部11に圧接するとともに、第2シー
ル突起19がフランジ部6の外側面9に圧接し、更にフ
ランジ部6の山部7の頂上が第1シール突起18よりも
外側に位置する中央平坦部16の下面に当接する。
【0018】このように、このコンパクト容器では閉蓋
時に、第1シール突起18による環状の気密接触部と第
2シール突起19による環状の気密接触部と山部7の頂
上による環状の気密接触部が3条平行に形成され、三重
の気密構造になっている。したがって、第1シール突起
18と第2シール突起19と山部7の3カ所の気密が同
時に破られない限り、中皿5に収容した化粧料の揮発性
成分が揮発することがなく、気密保持の確実性が極めて
高い。
【0019】又、閉蓋時にも中皿5の化粧料収容部20
にシール部材14が挿入されないので、シール部材は中
皿5への化粧料の充填量になんら関わりがない。
【0020】尚、フランジ部6に凸曲面部8を設けてい
るので、蓋体2を閉じる時に第2シール突起19はこの
凸曲面部8を滑りながら圧縮変形していき徐々に圧接力
を強めながら外側面9に圧接していく。したがって、第
2シール突起19の圧縮変形が極めてスムーズに進み、
蓋体2の閉じ動作がスムーズである。
【0021】この実施の形態では閉蓋時にフランジ部6
の山部7をシール部材14の中央平坦部16に当接する
ようにしているが、これは必ずしも必要ではなく、山部
7を中央平坦部16に接触しないようにしても構わな
い。この場合には、第1シール突起18と第2シール突
起19の各気密接触部による2条の気密接触部が平行に
形成され、二重の気密構造となる。この場合にも、第1
シール突起18と第2シール突起19の両方の気密が同
時に破られない限り、中皿5に収容した化粧料の揮発性
成分が揮発することがないので、従来のものに比べると
気密保持の確実性が高い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蓋体に取り付けたシール部材に環状の第1シール突起と
第2シール突起を設け、蓋体の閉蓋時に第1シール突起
を中皿のフランジ部の上面に圧接し、第2シール突起を
中皿のフランジ部の外側面に圧接するようにし、かつ、
このシール部材が第1シール突起と第2シール突起との
間で中皿のフランジ部周縁に形成した山部に圧接するよ
うにしたので、気密接触部が3重に形成されて気密保持
の確実性が増すという優れた効果が奏される。しかも、
シール部材は中皿への化粧料の充填量に何ら関わりがな
く、充填量を制限することもないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧用気密コンパクト容器の閉状態
を示す断面図である。
【図2】 本発明の化粧用気密コンパクト容器の開状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 蓋体 5 中皿 6 フランジ部 9 外側面 11 水平部(上面) 14 シール部材 18 第1シール突起 19 第2シール突起 20 化粧料収容部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体と、容器本体に固定され上端に
    フランジ部が設けられ、当該フランジ部周縁に山部を形
    成した、内部に化粧料を収容する中皿と、容器本体に開
    閉可能に取り付けられた蓋体と、蓋体の内面に取り付け
    られた弾性材からなるシール部材とを備え、シール部材
    には、蓋体の閉蓋時に中皿のフランジ部の上面に圧接す
    る環状の第1シール突起と、中皿のフランジ部の外側面
    に圧接する環状の第2シール突起が設けられると共に、
    該シール部材がその第1シール突起と第2シール突起と
    の間で中皿のフランジ部周縁の山部に圧接していること
    を特徴とする化粧用気密コンパクト容器。
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