JP3117275B2 - フェルラ酸含有化粧料 - Google Patents
フェルラ酸含有化粧料Info
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Description
成の促進作用を有する製剤に関する。
よる染毛が行われ、皮膚での色素細胞不全症による尋常
性白斑、脱色素性母斑の治療のためには8−メトキシソ
ラレンの内服または外用と長波長紫外線の照射が行われ
ている。また、ファッションとして小麦色の肌にするた
めには、日光または人工の紫外線を少量ずつ照射する方
法が取られている。一方、皮膚黒色化剤としての製品が
市販されているが、これらは一種の染色剤である。
黒色化は自由な色調に染められるという長所はあるもの
の、毛髪の伸長に伴い色むらが生じ、また多くの場合、
毛髪のキューティクルに損傷を与え、艶としなやかさに
欠ける毛髪にすることがある。さらにまた染毛時に顔面
などに薬液の飛散があるとそれがシミとなって残るケー
スもある。
も紫外線の照射はその障害を無視することはできず、炎
症を伴うことが多く、皮膚の老化を促進し、シミ、ソバ
カスの発生、憎悪を招くことがあり、美容的には好まし
い手段ではない。また決して簡便な手法ではない。皮膚
染色剤は簡便ではあるが、自然な色調、透明感は得られ
にくく、また紫外線に対するスクリーニング効果も期待
できない。本発明者らは、皮膚、毛髪など生体組織に何
ら影響、障害を与えることなく、生体が本来持つ色素細
胞を活性化しメラニン産生を促進して、表皮を、均一
で、なめらかな透明感を持った深みのある色調とし、毛
髪を自然のつややかな黒色とし、さらに各種白斑の治療
に供する外用剤を鋭意研究した結果、意外にもフェルラ
酸及びそのエステルにその効果があることを見いだし本
発明を完成させるにいたった。
/またはフェルラ酸エステルを含有するメラニン生成を
促進する外用剤である。本発明におけるフェルラ酸エス
テルとは、特に限定されないが、好ましい例としては、
γ−オリザノール等を挙げることができる。本発明にか
かるフェルラ酸及び/またはフェルラ酸エステルを含有
する外用剤により、メラニン生成を促進し、表皮を、均
一で、なめらかな透明感を持った深みのある色調とし、
毛髪を自然のつややかな黒色とすることができる。した
がって、本発明の目的は、皮膚、毛髪のいずれにも適用
可能なメラニン生成を促進する新規な外用剤組成物を提
供するにある。
ルの使用量は、製剤の形態により一概に言えないが、通
常 0.1〜10重量%であり、好ましくは 0.5〜5重量%、
さらに好ましくは 0.5〜2重量%である。
ず、クリーム、軟膏、ローション、乳液、貼付剤など、
所望の形状とすることができる。これら製剤の基剤原料
としては、化粧品、医薬部外品、医薬品等に通常使用さ
れる各種原料を用いることが可能である。使用できる基
剤原料としては動植物油、鉱物油、エステル油、ワック
ス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面
活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール
類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの公知の
原料が挙げられる。さらに必要に応じ、pH調製剤、抗
酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを
添加することができる。また、血流促進剤、殺菌剤、消
炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角
質溶解剤等の成分を配合することもできる。
用剤を製造するには、一般に用いられる方法によること
ができる。例えば、スクワラン等の油相と高級アルコ−
ルを加温して油相とし、別に、フェルラ酸、グリセリ
ン、パラベン、緩衝剤等を精製水に加温溶解して水相と
する。この油相を水相に撹拌しながら添加し、高速乳化
機を用いて乳化し、引き続き撹拌しながら室温に冷却し
てフェルラ酸を含有したクリ−ム剤を得ることができ
る。
または皮膚の色素細胞において、タイロシンよりメラニ
ンを生成する酸化酵素であるチロシナーゼの生合成を促
進し、これにより活性化されたチロシナーゼが細胞内の
メラニン顆粒の数量及び、大きさを改善することによ
り、毛髪および皮膚の色調の自然な黒化と正常化を図る
ことができると推察される。
ーゼの合成を促進することは次の実験から明らかであ
る。即ち、マウス由来のB16メラノーマ細胞をフェル
ラ酸0.005-0.01 %を添加した10%FCS-MEM培地で、5%
炭酸ガス下、5日間培養したところ、細胞内のメラニン
量はコントロールに比べ0.005 %で145 %、 0.01%で220%
に増加した。 また同一の実験系で、フェルラ酸に加え
て培地にコージ酸0.03%を添加した場合のメラニン量の
変化はコージ酸未添加の時と同様であり、本メラニン生
成促進作用がコージ酸により阻害されないものであるこ
とがわかった。培養後のメラノーマ細胞内のチロシナー
ゼをSDSページ電気泳動で分離し、その量をデンシト
メトリーで測定したところ、フェルラ酸0.01% 添加培養
系でのチロシナーゼ量はコントロール培養細胞に比べ、
約2倍に増加しており、フェルラ酸のメラニン生成促進
作用がチロシナーゼ合成促進作用に基づくものであるこ
とが分かった。また、後述するヒトでの使用試験でγ−
オリザノールがフェルラ酸に準じる効果を示しているの
は、生体の上皮細胞に含まれるエステラーゼにより、γ
−オリザノールが分解を受け、フェルラ酸を遊離するた
めであろうと考えられる。
とする。原料9、10を混和し、原料11〜13、15
を加え、80〜90℃に加温、撹拌、溶解し、水相とす
る。水相に原料1、14を加え、撹拌下、油相を水相に
添加し、ホモミキサーを用いて乳化後、撹拌しながら室
温まで冷却し、フェルラ酸を1%含有するクリーム剤を
得た。
とする。原料9、10を混和し、原料11〜14を加
え、80〜90℃に加温、撹拌、溶解し、水相とする。
撹拌下、油相を水相に添加し、ホモミキサーを用いて乳
化後、撹拌しながら室温まで冷却し、γ−オリザノール
を1%含有するクリーム剤を得た。
量を100mlとし、1%フェルラ酸を含有するローシ
ョンを得た。
ニック
した。室温まで冷却した後、原料4を加え、エタノール
を添加して100mlとした。
軟膏剤
を撹拌、研和しながら徐々に加え、十分混練し全質均等
とし、0.5%γ−オリザノール含有軟膏剤を得た。
とする。原料8、9を混和し、原料10〜13を加え、
80〜90℃に加温、撹拌、溶解し、水相とする。撹拌
下、油相を水相に添加し、ホモミキサーを用いて乳化
後、撹拌しながら室温まで冷却しクリーム剤を得た。
量を100mlとし、比較試験用ローションを得た。
につき、22才から38才の皮膚疾患のない健康男性11名
をパネラーとして、上腕部および、上肢部の一定の部分
を3ケ所決めて、毎日、入浴後就寝前および起床後の1
日2回、9週間にわたり塗布を続け、3週間ごとに塗布
部分の皮膚の黒化度、色調を周囲の皮膚と下記の評価基
準で比べさらに、色差計により塗布部分の黄色度(Y
I)を測定した。なお、本試験は被験者に対してはどの
試料がどの成分の製剤かは知らせないブラインド方式で
行った。塗布中の皮膚色調の変化とYIの平均値の変化
を図3に示す。 評価基準 ++ 塗布部分の色調は周囲に比べ暗色度
を増した。 + 塗布部分の色調は周囲に比べやや濃くなった。 ± 変化ない
用製剤につき、40才から56才の頭部皮膚疾患がなく、や
や白髪の目立つ健康男性14名をパネラーとして、毛髪
の一定の部分を3ケ所決めて、毎日、入浴後就寝前およ
び起床後の1日2回、9週間にわたり塗布を続け、3週
間ごとに塗布部分の毛髪の黒化度、色調を周囲の毛髪と
下記の評価基準で比べ、さらに毛髪約200mg を採取しこ
の中の総メラニン量を以下の方法で測定した。すなわ
ち、毛髪を 3.8mlの0.4 M過塩素酸により分解、ホモゲ
ナイズした後、ヨウ化水素酸および過マンガン酸酸化
し、メラニンより特異的に生成されるピロールおよびフ
ェニルアラニン系の化合物をHPLCにより定量し試料
中の総メラニン量を求めた。なお、本試験は被験者に対
してはどの試料がどの成分の製剤かは知らせないブライ
ンド方式で行った。塗布中の毛髪色調の変化とメラニン
量の平均値の変化を図4に示す。 評価基準 ++ 塗布部分の毛髪の色調は周囲に比べ
暗色度を増した。白髪が目立たなくなった + 塗布部分の毛髪の色調は周囲に比べやや濃くなっ
た。白髪があまり目立たなくなった ± 変化ない
本発明にかかるフェルラ酸およびフェルラ酸エステル類
を用いた製剤が、メラニン生成に関与するチロシナーゼ
酵素の生合成を促進し、生体色素細胞中のメラニン量を
増加することにより、上皮および毛髪の色調を黒化する
ことが明らかである。
Claims (2)
- 【請求項1】フェルラ酸及び/またはフェルラ酸エステ
ルを含有するメラニン生成を促進する外用剤。 - 【請求項2】フェルラ酸エステルがγ−オリザノールで
ある請求項1記載のメラニン生成を促進する外用剤。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04088259A JP3117275B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | フェルラ酸含有化粧料 |
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Family Applications (1)
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JP04088259A Expired - Lifetime JP3117275B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | フェルラ酸含有化粧料 |
Country Status (1)
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-
1992
- 1992-03-13 JP JP04088259A patent/JP3117275B2/ja not_active Expired - Lifetime
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