JP3116810B2 - 放電管体の製造方法 - Google Patents

放電管体の製造方法

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真弓 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般照明用、投射
型ディスプレー用などに利用される高圧放電ランプ用の
放電管体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属ハロゲン化物放電ランプの場
合、放電管体として石英ガラスが用いられる場合が多
い。しかし、この材料の欠点として、ランプ点灯の積算
時間が増えた場合、石英ガラスがランプ封入物の高圧蒸
気と反応する結果、光学的透過率が低減する現象が不可
避的であること、および、石英ガラスの熱伝導性が著し
く低く(約0.9W/mK)、放電管体の温度分布の均
一化の障害になっている点などがある。不均一な温度分
布は、内部の熱対流を促進し、放電アークの曲がりを大
きくする。
【0003】そこで、石英製放電管体の内面に酸化アル
ミ膜や酸化タンタル膜などの単層または多層の保護膜を
設ける対策も考えられている(例えば、米国特許第52
70615号明細書)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この放
電管体の欠点として、異種金属酸化膜を用いた場合の高
温での耐食性が実用に供するほど高くはないことが挙げ
られる。ランプ点灯時の1000℃付近の高温状態で
は、ランプ封入物質である希土類ハロゲン化物と酸化膜
との反応が認められ、失透抑制効果が未だ不十分であ
る。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、放電
管体の内壁膜として異種金属酸化膜を使用せず、より失
透の少ない長寿命の高圧放電ランプを実現する放電管体
の製造方法を提供することを目的とする
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の放電管体の製造
方法は、高圧放電ランプ用の放電管体であって、石英ガ
ラスの中空体の管壁内面に、シリコンの酸化物からなる
薄膜を少なくとも1層以上含む単層膜または多層膜を具
備する放電管体の製造方法であって、中空放電管体の両
端から挿入した対向する金属電極間に高周波を印加し、
グロー放電を発生させて得られるスパッタリング薄膜と
することを特徴とする構成である。また、本発明の放電
管体の製造方法は、高圧放電ランプ用の放電管体であっ
て、石英ガラスの中空体の管壁内面に、シリコンの酸化
物からなる薄膜を少なくとも1層以上含む単層膜または
多層膜を具備する放電管体の製造方法であって、中空放
電管体の内面にシリコン膜を形成後、酸化処理を施し酸
化膜とすることを特徴とする構成である。
【0007】また、本発明の製造方法は、前記内壁膜
を、前記中空放電管体の両端から挿入した対向する金属
電極間に高周波を印加し、グロー放電を発生させて得ら
れるスパッタリング薄膜とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1と図2を用いて説明する。
【0009】(実施の形態1)図1は本発明の一実施例
の高圧放電ランプ用の放電管体の断面模式図である。
【0010】図1において、1は石英ガラス管体であ
り、その内部に巻き付けタングステン線5を先端付近に
備えたタングステン電極2が対向して配置されている。
3はモリブデン箔、4はモリブデン電極である。6は石
英ガラス管体1の上に形成した内壁膜である。図1
(b)は図1(a)のAーB線で示された部分の拡大断
面を模式的に示した拡大断面模式図である。石英ガラス
管体1の上に、酸化シリコン膜7を500オングストロ
ーム(以下、Åと略記する)、酸窒化シリコン膜8を1
000Å形成した。
【0011】(実施の形態2)図2は本発明の一実施例
の高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法に用いたスパ
ッタリング装置の模式図である。
【0012】上記した2層膜の成膜は、タングステン電
極2を石英ガラス管体1に封じ込む前の段階で実施され
るものである。従って、金属と金属ハロゲン化物の封入
に利用する側管16が成膜時には残っている。スパッタ
電極10は、酸化シリコンと酸窒化シリコンを成膜する
場合ともに、シリコン(純度99.999%)を使用し
た。スパッタ電極10は石英ガラス管体の両端の開口部
から挿入し、真空シールは、Oリングシール17によっ
た。スパッタ電極間距離Wspは約12mmであり、スパ
ッタ電極の直径t0 は4.4mmとした。2本のスパッ
タ電極には、整合器14を介して高周波電源13を接続
した。
【0013】12はAlブロックからなる放熱板であ
り、スパッタ中のターゲット温度の上昇を抑制する効果
がある。ガス導入部15には、不活性ガスのAr、反応
性ガスのO2 ,N2 および内壁プラズマクリーニング用
ガスのCF4 が配管接続されている。磁石11は電界と
磁界が平行になるように配置しており、スパッタリング
速度の高速化に寄与しているが、必ずしも必要ではな
い。側管16はターボ分子ポンプを主排気ポンプとする
排気系に接続している。高周波電源13としては周波数
500kHz、最大電力250Wの機種を用いた。
【0014】次に、本発明の具体例を説明する。 (実施例1)以下に、酸化シリコンを有する高圧放電ラ
ンプ用の放電管体の実施例について詳細を述べる。
【0015】図2に示すごとく、石英ガラス製の放電管
体にシリコン(純度99.999%)を挿入し、5×1
-4Paまで高真空に排気する。次に、酸素ガスを4.
5sccm流し、高周波を20W印加した。膜厚は、酸
化シリコン膜が1000Åとなるように、スパッタ放電
時間を設定した。
【0016】次に、タングステン電極を電極間距離Wsp
が5.5mmになるよう放電管体に取付け、水銀、よう
化ディスプロシウム、よう化ネオジウム、よう化セシウ
ムおよびArガスを封入し、放電ランプを完成させた。
比較のため、内壁膜を設けていないランプ、内壁膜が窒
素アルミ膜のランプ、および酸化マグネシウム膜を設け
たランプを同様に作成した。これらのランプを点灯し、
スクリーン照度が初期値の1/2になる時間をランプ寿
命と考えて測定した結果を(表1)に示した。尚、ラン
プは10倍の加速点灯を行った。直径3cmの球空間を
持つセラミックの容器内にランプを設置し、点灯して1
20時間後にスクリーン照度を測定した。ランプ寿命は
その測定値から計算で求めたものである。
【0017】
【表1】
【0018】(表1)の結果より明らかなように、内壁
膜を設けていないランプの寿命と比較して、本発明のラ
ンプは30%の長寿命化が認められた。また、内壁膜が
窒化アルミ膜のランプ、及び酸化マグネシウム膜を設け
たランプは、内壁膜のない放電ランプに比較して、長寿
命化効果が見られなかった。以上のように、酸化シリコ
ン膜は異種金属の酸化膜に比較して格段に優れた長寿命
効果を安定して示した。また、ランプ間のばらつきも内
壁膜を設けていないランプの約半分であることがわかっ
た。
【0019】(実施例2)以下に、酸化シリコン、酸窒
化シリコンの2層膜を有する高圧放電ランプ用の放電管
体の実施例について詳細を述べる。
【0020】図2に示すごとく、石英ガラス製の放電管
体にシリコン(純度99.999%)を挿入し、5×1
-4Paまで高真空に排気する。次に、Arガスを3.
1sccm、窒素ガスを1.0sccm、酸素ガスを
0.4sccm流し、高周波を20W印加した。
【0021】次に、酸素ガスを4.5sccm流し、高
周波を20W印加した。膜厚は、酸窒化シリコン膜7が
500Å、酸化シリコン膜8が1000Åとなるよう
に、スパッタ放電時間を設定した。
【0022】次に、タングステン電極を電極間距離Wsp
が5.5mmになるよう放電管体に取付け、水銀、よう
化ディスプロシウム、よう化ネオジウム、よう化セシウ
ムおよびArガスを封入し、放電ランプを完成させた。
比較のため、内壁膜を設けていないランプ、内壁膜が酸
化シリコン膜単層のランプ、および窒化膜を設けたラン
プなどを同様に作成した。これらのランプを点灯し、ス
クリーン照度が初期値の1/2になる時間をランプ寿命
と考えて測定した結果を(表2)に示した。
【0023】
【表2】
【0024】(表2)の結果より明らかなように、内壁
膜を設けていないランプの寿命と比較して、酸化シリコ
ン膜と酸窒化シリコン膜との積層膜を用いた本発明のラ
ンプEは40%の長寿命化が認められた。また、内壁膜
が酸化シリコン膜単層のランプGに比較すると、酸化シ
リコン膜に酸窒化シリコン膜を設けたランプEは、更に
10%の長寿命化効果があった。以上のように、酸化シ
リコン膜を第1層に酸窒化シリコン膜を第2層に用いた
場合、酸化シリコン膜を用いない場合に比較して格段に
優れた長寿命効果を安定して示した。
【0025】封入物質は上記以外にも、各種希土類よう
化物や金属よう化物が可能である。さて、本発明が有効
となり得た原因は、最上層に高耐食性の酸窒化シリコン
膜を採用したこと、および第1層の下地膜に酸化シリコ
ン膜を採用し、上層の酸窒化シリコン膜の膜質向上に寄
与させたことなどである。この膜構成では、ターゲット
を取り替える事なく、ガスの設定切換えのみで2層膜が
得られるという利点がある。
【0026】上記実施例では酸窒化シリコン膜を第2層
としたが、実際には、これ以外にも種々考えられる。単
層膜、2層膜、3層膜および4層以上の多層膜でもよい
し、下地から、上部に向かって組成を連続的に変調し
た、いわゆる傾斜機能膜でもよい。
【0027】本発明は、異種金属の酸化膜や窒化膜に比
較して、シリコンの酸化膜あるいは酸窒化膜が内壁膜と
して優れていることを利用している。上記元素の窒化膜
は酸化膜に比べ高融点であり、高温環境での使用を考え
ると好ましい。しかし窒化膜の欠点として、対酸化性の
無さと、昇華性による蒸気圧の高さがある。酸窒化膜と
することにより、両者の利点を兼ね備えた優れた高温耐
食材料が実現できた。
【0028】なお、上記実施例では金属ターゲットを用
いて、反応性スパッタにより成膜したが、酸化物をター
ゲットとしたスパッタでも同様の効果が得られることは
明かである。
【0029】さらに、酸化膜あるいは酸窒化物は上記し
たスパッタリング法以外に、熱CVD法、プラズマCV
D法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などによっ
て作成してもよい。
【0030】次に、まずシリコン膜を作成し、その後、
熱酸化やプラズマ酸化などの酸化処理を施し、酸化膜を
得てもよいし、酸窒化物ではまず酸化膜を作成し、その
後、熱窒化やプラズマ窒化などの窒化処理を施し、酸窒
化膜を得てもよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明は、石英ガラス管体
のランプ点灯中の失透現象を抑制できるため、長寿命の
高圧放電灯を実現できる。また、セラミックス放電管体
を使用しないため、光の直線透過率が高く、点光源に近
い良好な光学特性が得られ、しかも管体の3次元的成型
も容易であり、コストも低くできるなど、多くの利点を
示した。また、石英ガラスと同種の酸化シリコン膜を利
用して、放電管体の表面状態の均一化を図り、ランプ間
の特性ばらつきを少なくする効果も認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例の高圧放電ランプ用の
放電管体の断面模式図 (b)図1(a)AーB線で示された部分の拡大断面模
式図
【図2】本発明の一実施例の高圧放電ランプ用の放電管
体の製造方法に用いたスパッタリング装置の模式図
【符号の説明】
1 石英ガラス管体 2 タングステン電極 3 モリブデン箔 4 モリブデン電極 5 巻き付けタングステン線 6 内壁膜 7 酸化シリコン膜 8 酸窒化シリコン膜 10 スパッタ電極 11 磁石 12 放熱板 13 高周波電源 14 整合器 15 ガス導入部 16 側管 17 Oリングシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−238748(JP,A) 特開 平5−58680(JP,A) 特開 平5−254887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/35 H01J 9/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧放電ランプ用の放電管体であって、石
    英ガラスの中空体の管壁内面に、シリコンの酸化物から
    なる薄膜を少なくとも1層以上含む単層膜または多層膜
    を具備する放電管体の製造方法であって、中空放電管体
    の両端から挿入した対向する金属電極間に高周波を印加
    し、グロー放電を発生させて得られるスパッタリング薄
    膜とすることを特徴とする放電管体の製造方法。
  2. 【請求項2】金属電極の先端部に酸化物を具備させ、ス
    パッタリングを行なうことを特徴とする請求項記載の
    放電管体の製造方法。
  3. 【請求項3】高圧放電ランプ用の放電管体であって、石
    英ガラスの中空体の管壁内面に、シリコンの酸化物から
    なる薄膜を少なくとも1層以上含む単層膜または多層膜
    を具備する放電管体の製造方法であって、中空放電管体
    の内面にシリコン膜を形成後、酸化処理を施し酸化膜と
    することを特徴とする放電管体の製造方法。
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