JP3153449B2 - 高圧放電ランプ、及び高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法と、中空管体の製造方法 - Google Patents

高圧放電ランプ、及び高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法と、中空管体の製造方法

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JP3153449B2 JP24807895A JP24807895A JP3153449B2 JP 3153449 B2 JP3153449 B2 JP 3153449B2 JP 24807895 A JP24807895 A JP 24807895A JP 24807895 A JP24807895 A JP 24807895A JP 3153449 B2 JP3153449 B2 JP 3153449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、一般照明
用、投射型ディスプレー用などに利用される高圧放電ラ
ンプ、及び高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法と、
中空管体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属ハロゲン化物放電ランプの場
合、放電管体として石英ガラス(その組成は、100%
に近いSiO2 である)が用いられる場合が多い。
【0003】しかし、ランプ点灯の積算時間が増えた場
合、石英ガラスがランプ封入物の高圧蒸気と反応する結
果、光学的透過率が低減する現象が不可避的である点、
および、石英ガラスの熱伝導性が著しく低く(約0.9
W/mK)、放電管体の温度分布の均一化の障害になっ
ている点などが、この石英ガラス材料の欠点であった。
更に、上記不均一な温度分布により、内部の熱対流が
促進される結果、放電アークの曲がりが大きくなるとい
った問題も生じていた。
【0004】そこで、こうした問題点に対して、石英ガ
ラス製の放電管体の内面に酸化アルミ膜や酸化タンタル
膜などの単層または複数層(多層)の保護膜を設ける対
策が提案されている(例えば、米国特許5270615
号明細書)。
【0005】又、別の対策方法として、セラミック製の
放電管体(Al23,AlN,YAG,スピネル等)を
使用して、高い防蝕性による失透防止と、高い熱伝導性
による放電管体の温度分布の均一化、さらに熱負荷特性
の改善といった効果を得る試みがなされている(例え
ば、特公平5−87938号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の様な保護膜を設ける対策が施された放電管体では、
酸化膜の高温での耐食性が実用に供するほど高くはない
といった欠点があった。
【0007】即ち、ランプ点灯時の1000℃付近の高
温状態では、ランプ封入物質である希土類ハロゲン化物
と酸化膜との反応が認められることから、上記従来の保
護膜による対策では、失透抑制効果が未だ不十分であっ
た。
【0008】また、保護膜として酸化膜を利用するた
め、放電管体を均熱化するという効果が得られないとい
う不十分な点もあった。
【0009】他方、上記従来のセラミクス製の放電管体
では、セラミック管体と端面での封止部での腐食が無視
できないという問題や、セラミック焼結体の粒界反射に
よる直線光透過率の低下で理想的点光源から特性が外れ
てしまうといった課題などがあり、上記セラミクス製の
放電管体の実用化が妨げられていた。
【0010】また、上記セラミクス製の放電管体は、石
英ガラス製の管体に比較して、コストが高く、しかも複
雑な製造工程を必要とするといった不満もあった。
【0011】ところで、石英ガラスの線膨張係数は特徴
的に小さく(0.54ppm/℃)、その上に直接、線
膨張係数の大きい酸化アルミ(7〜8ppm/℃)など
を耐蝕膜として形成しても、ランプ動作時の高熱(最高
約1000℃)と消灯時の室温を繰り返す場合の動的な
機械的応力により、内面膜は、ひび割れ、または剥離し
てしまい、実用的に見て、実質的に耐久性のある構造の
実現には至っていないといった課題もあった。上記の米
国特許5270615号は、下地として、線膨張係数が
1〜4ppm/℃の酸化膜を用い上記課題を解決しよう
とするものであるが、これも又、未だ不十分であった。
【0012】本発明の目的は、上記従来の課題を考慮
し、従来に比べてより一層、失透を抑制することが出
来、より寿命の長い高圧放電ランプ、及び高圧放電ラン
プ用の放電管体の製造方法を提供することである。
【0013】又、本発明の目的は、例えば高圧放電ラン
プ等に利用可能な中空管体の新たな製造方法を提供する
ことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
【0015】
【0016】
【0017】請求項の本発明は、不活性ガスと、1種
類以上の金属または1種類以上の金属ハロゲン化物とを
封入した石英ガラス製の中空管体の内壁面に、1種類以
上の元素の酸窒化物の層を少なくとも1層以上有する膜
を具備し、前記膜が、少なくとも酸窒化アルミの層を含
み、前記酸窒化アルミの層に、Si、MgまたはYが含
まれている高圧放電ランプである。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】請求項の本発明は、不活性ガスと、1種
類以上の金属または1種類以上の金属ハロゲン化物とを
封入した石英ガラス製の中空管体の内壁面に、1種類以
上の元素の酸窒化物の層を少なくとも1層以上有する膜
を具備し、前記中空管体の端部の内壁面では、前記石英
ガラスが露出された状態である高圧放電ランプである。
【0022】請求項の本発明は、所定の中空管体の両
端に各々設けられた開口部から、その中空管体の内壁面
に形成されるべき膜の元素と同一元素を含む一対のスパ
ッタ電極を挿入し、互いに対向する前記一対のスパッタ
電極の先端部同士の間隔が、所定距離だけ隔てられる様
に、前記一対のスパッタ電極を固定し、前記固定された
スパッタ電極間に直流電圧または高周波電圧を印加し
て、グロー放電を発生させて、スパッタリング法により
前記中空管体の内壁面の全部又は一部に前記膜を形成す
る中空管体の製造方法である。
【0023】請求項の本発明は、所定の中空管体の内
壁面に形成されるべき膜の元素と同一元素を含むターゲ
ットを先端部に備えた一対のスパッタ電極を、その中空
管体の両端に各々設けられた開口部から挿入し、互いに
対向する前記一対のスパッタ電極の先端部同士の間隔
が、所定距離だけ隔てられる様に、前記一対のスパッタ
電極を固定し、前記固定されたスパッタ電極間に直流電
圧または高周波電圧を印加して、グロー放電を発生させ
て、スパッタリング法により前記中空管体の内壁面の全
部又は一部に前記膜を形成する中空管体の製造方法であ
る。
【0024】請求項の本発明は、前記中空管体の内壁
面の一部とは、前記中空管体の内壁面の内、前記開口部
の近傍の内壁面以外の全部または一部である中空管体の
製造方法である。
【0025】請求項の本発明は、前記スパッタ電極の
先端部を非平面形状にした中空管体の製造方法である。
【0026】請求項の本発明は、前記ターゲットの先
端部を非平面形状にした中空管体の製造方法である。
【0027】請求項の本発明は、石英ガラス製の中空
管体の内壁面に所定の膜を形成した高圧放電ランプ用の
放電管体の製造方法であって、前記中空管体の内壁面
に、1種以上の元素の窒化物の層を形成し、その後、
その形成された窒化物の層に対して酸化処理を施して、
その窒化物の層の全部又は一部を酸窒化物の層に変化さ
せる高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法である。
【0028】請求項の本発明は、石英ガラス製の中空
管体の内壁面に所定の膜を形成した高圧放電ランプ用の
放電管体の製造方法であって、前記中空管体の内壁面
に、1種以上の元素の酸化物の層を形成し、その後、
その形成された酸化物の層に対して窒化処理を施して、
その酸化物の層の全部又は一部を酸窒化物の層に変化さ
せる高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法である。
【0029】請求項10の本発明は、石英ガラス製の中
空管体の内壁面に所定の膜を形成した高圧放電ランプの
製造方法であって、前記中空管体の内壁面に、所定の金
属の層を形成し、その後、その形成された金属の層に対
して酸窒化処理を施して、その金属の層の全部又は一部
を酸窒化物の層に変化させる高圧放電ランプ用の放電管
体の製造方法である。
【0030】請求項11の本発明は、不活性ガスと、1
種類以上の金属または1種類以上の金属ハロゲン化物と
を封入した石英ガラス製の中空管体の内壁面に形成され
た線膨張係数が実質的に0.8から2ppm/℃の間で
ある透明誘電体膜の第1層と、その第1層の上に形成さ
れた線膨張係数が実質的に2から5ppm/℃の間であ
る透明誘電体膜の第2層と、その第2層の上に形成され
た線膨張係数が実質的に5から10ppm/℃の間であ
る透明誘電体膜の第3層とを少なくとも有する膜を具備
する高圧放電ランプである。
【0031】請求項12の本発明は、前記膜の最上層が
酸窒化物の層により構成された高圧放電ランプである。
また、請求項13の本発明は、点光源に近い高圧放電ラ
ンプにおいて、石英ガラス製の中空管体の電極の根元部
近傍を除いた内壁面に保護膜を有し、前記根元部近傍が
露出された状態とすることにより、前記保護膜のある領
域に比べ、前記保護膜のない領域の方が、失透現象が大
きいことを特徴とする高圧放電ランプである。
【0032】本願発明では、例えば、高圧放電ランプの
動作環境下で、従来に比べて耐食性の高い酸窒化膜を放
電管体内面に備えた構成となるので、従来に比べてより
一層、失透抑制が可能であり、より寿命の長い高圧放電
ランプの提供が可能となる。
【0033】また、本願発明の製造方法によれば、例え
ば、スパッタリングによる膜の均一化と膜付着力が強化
され、膜の剥離が従来に比べてより生じにくくなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高圧放電ランプ、
及び高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法と、中空管
体の製造方法の実施の形態について説明する。
【0035】図1は本発明にかかる実施の一形態の高圧
放電ランプの断面模式図であり、同図を参照しながら、
実施の本形態の構成を説明する。
【0036】尚、中空管体の内壁面の表面に積層して形
成された複数の層を、一括して膜と呼ぶ。即ち、ここで
言う膜は、通常の場合、複数の層を有している。従っ
て、単に膜と呼ぶ代わりに、多層膜と呼ぶこともある。
但し、形成された層が一つしかない場合、上記膜は、そ
の一つしかない層そのものを意味する。従って、これを
上記多層膜に対する概念から、単層膜とも呼ぶ。
【0037】一方、膜を形成する各層の番号付けは、例
えば、高圧放電ランプの石英ガラス管体1の内壁面の表
面に形成された層を第1層とし、その第1層の表面に形
成された層を第2層というようにする。即ち、中空管体
の内壁面から遠ざかるに従って、層の番号が増加するよ
うに、各層の番号付けがなされるものである。
【0038】図1において、1は石英ガラス管体であ
り、その内部に巻き付けタングステン線5を先端付近に
備えたタングステン電極2が対向して配置されている。
【0039】3はモリブデン箔、4はモリブデン電極で
ある。6は石英ガラス管体1の上に形成した内壁膜であ
る。この内壁膜6は、次に説明する様に、窒化アルミの
層7と、酸窒化アルミの層8との2つの層により構成さ
れている。
【0040】即ち、図2は、図1中においてA−B切断
線を施した部分の矢視断面を模式的に示した矢視拡大断
面模式図である。実施の本形態では、石英ガラス管体1
の上に、窒化アルミの層7を600オングストロームの
厚みになる様に形成し、酸窒化アルミ膜8を1200オ
ングストロームの厚みに形成した。
【0041】次に、本発明の実施の一形態の高圧放電ラ
ンプ用の放電管体の製造方法について、図3を参照しな
がらその構成を中心に説明する。図3は本発明の実施例
の高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法に用いたスパ
ッタリング装置の模式図である。
【0042】図2に示す様に、窒化アルミの層7と、酸
窒化アルミの層8との2つの層により構成される膜(以
下、2層膜とも言う)の形成は、タングステン電極2を
石英ガラス管体1に封じ込む前の製造段階で実施される
ものである。
【0043】従って、この2層膜の成膜時には、金属と
金属ハロゲン化物の封入に利用する側管16が、まだ存
在している。側管16は、後段の製造工程で必要だから
である。
【0044】一方、実施の本形態の場合、スパッタ電極
10は、石英ガラス管体1の内壁面に形成されるべき膜
の元素と同一元素を含む材料を用いて構成されている点
が従来の構成と大きく異なる点である。即ち、スパッタ
電極10は、従来は別個のものとして設けられていたス
パッタ用の電極の機能とターゲットの機能との両方を兼
ね備えているものである。
【0045】窒化アルミの層7と、酸窒化アルミの層8
の元素は、共にアルミである。従って、スパッタ電極1
0は、窒化アルミの層7を形成する場合も、酸窒化アル
ミの層8を形成する場合も、共に、それら各層の元素と
同一の元素である金属アルミ(純度99.999%)を
使用した。
【0046】スパッタ電極10を、石英ガラス管体の両
端の開口部301から挿入し、真空シールを、Oリング
シール17により実現した。
【0047】この様にして、その先端部が互いに対向す
る様に挿入された一対のスパッタ電極10は、そのスパ
ッタ電極間距離Wspが、約12mmになるように固定さ
れた。尚、そのスパッタ電極の直径t0 は4.4mmと
した。
【0048】これら一対のスパッタ電極10には、整合
器14を介して高周波電源13を接続した。
【0049】12はアルミ製ブロックからなる放熱板で
あり、スパッタ中のターゲット温度の上昇を抑制する効
果がある。実施の本形態の場合、上述したようにスパッ
タ電極10が、スパッタ用ターゲットをも兼ねているの
で、スパッタ電極10の温度の上昇を抑制する効果があ
る。
【0050】ガス導入部15には、不活性ガスのAr、
反応性ガスのO2 ,N2 および内壁プラズマクリーニン
グ用ガスのCF4 が、供給可能な様に配管接続されてい
る。
【0051】磁石11は、電界と磁界が平行になるよう
に配置されており、スパッタリング速度の高速化に寄与
しているが、必ずしも必要ではない。
【0052】側管16は、ターボ分子ポンプを主排気ポ
ンプとする排気系に接続されている。高周波電源13と
しては、周波数500kHz、最大電力250Wの機種
を用いた。
【0053】上述した、窒化アルミの層と、酸窒化アル
ミの層との2層により構成された膜を有する高圧放電ラ
ンプについて、更に詳細に説明しながら、その製造方法
の実施の一形態について、更に詳細に述べる。
【0054】図3に示すごとく、石英ガラス製の放電管
体の両端の開口部301から、アルミ金属(純度99.
999%)製のスパッタ電極10を挿入し、5×10-4
Paまで高真空に排気する。
【0055】次に、Arガスを3.1sccm、窒素ガ
スを1.4sccm流し、高周波電源13により高周波
を20W印加した。
【0056】次にArガスを3.1sccm、窒素ガス
を0.9sccm、酸素ガスを0.5sccm流し、高
周波を20W印加した。
【0057】各層の厚みは、窒化アルミの層7が600
オングストローム、酸窒化アルミの層8が1200オン
グストロームとなるように、スパッタ放電時間を設定し
た。
【0058】次に、タングステン電極2(図1参照)を
電極間距離が5.5mmになるよう石英ガラスの放電管
体1に取付け、水銀、よう化ディスプロシウム、よう化
ネオジミウム、よう化セシウムおよびArガスを封入
し、高圧放電ランプを完成させた。
【0059】ここで、高圧放電ランプのスクリーン照度
が、初期値の1/2になるまでの時間を、その高圧放電
ランプの寿命と定義する。その場合、以上のようにして
構成された高圧放電ランプの寿命は、内壁膜のない高圧
放電ランプの寿命に比較して、30%以上延びることが
確認出来た。
【0060】また、内壁膜が酸化アルミの層のみ(単層
膜)による構成の場合と、窒化アルミの層を第1層と
し、酸化アルミの層を第2層とする2層膜(多層膜)の
構成の場合とを検証した結果は次のとうりである。即
ち、これら両者の場合、内壁膜が形成されていない放電
ランプに比較して、30%以下しか寿命は延びず、中に
は逆に、寿命が短くなる場合もあった。このような結果
から、酸窒化物の層が、寿命の延長に極めて有効に作用
していることがわかる。
【0061】次に、高圧放電ランプを1000時間点灯
して、その後に高圧放電ランプの管壁の直線透過率を測
定した。
【0062】その結果、管壁の円周方向に10点測定し
た直線透過率の平均値として、酸化物の単層膜の場合に
は53%、窒化物の単層膜の場合には49%、酸窒化物
の単層膜の場合には77%であった。
【0063】この場合、測定光源はHe−Neレーザー
(波長6328オングストローム)である。
【0064】以上のように、酸窒化物の層(膜)は、酸
化物の層(膜)や、窒化物の層(膜)に比較して格段に
優れた長寿命効果を安定して示した。
【0065】また、窒化アルミの層(膜)の特長である
高熱伝導率により、石英ガラス管体1の温度分布がより
一層均一化し、ランプ水平点灯時のアークの曲がりが、
減少した。 水平点灯時における、石英ガラス管体1の
管壁の温度は、実施の本形態の場合、上部中央で811
℃、下部中央で809℃で殆ど温度差はない。
【0066】一方、石英ガラス管体の内壁面に膜が形成
されていない場合は、上部中央で818℃、下部中央で
786℃となり、両者の温度差は32℃という大きな値
であった。なお、ランプ電力はいずれも250Wであ
る。このことから、窒化物の層は、中空管体の管壁温度
の均一化を実現するために有効である。酸窒化物も窒化
物に近い、高い熱伝導率を有していることから、酸窒化
物の層(膜)は、中空管体の管壁温度の均一化を実現す
るためにも、優れた効果を発揮するということがわか
る。
【0067】尚、上記実施例では、スパッタ電極10と
して、高純度(99.999%)の金属アルミを用いた
が、このアルミニュウム中にSi,Y,またはMgなど
を添加したアルムニュウム合金をスパッタ電極として用
いても良い。
【0068】実施の他の形態として、Siを2wt%含
有するアルミニュウム合金により形成されたスパッタ電
極により、酸窒化物の層を、石英ガラス管体の内壁面に
コーティングした高圧放電ランプを作成した。この構成
では、上記の高純度アルミニュウム合金のスパッタ電極
10の場合に比べて、5%寿命が延びた。
【0069】又、高圧放電ランプに封入する物質は上記
以外に、各種希土類よう化物や金属よう化物であっても
よい。また、高圧ナトリウム放電灯の場合にも本発明は
適応可能であることがわかる。
【0070】さて、本発明が有効となり得た原因は、中
空管体の内壁面に形成された膜の最上層として、高耐食
性の酸窒化アルミの層を採用したこと、及び第1層の下
地膜に窒化アルミの層を採用し、最上層の酸窒化アルミ
の層の膜質向上に寄与させたことなどが挙げられる。
【0071】上記のようにして膜を構成すれば、各種の
層を形成する際に、その都度、スパッタターゲットをも
兼ね備えるスパッタ電極を取り替える必要が無く、ガス
導入部15(図3参照)により、石英ガラス管体1内に
導入されるべきガスの設定切換えを行なうだけで、上記
のような2層膜が得られるという、極めて大きな利点が
ある。
【0072】上記実施例ではアルミの酸窒化物の層を最
上層としたが、実際には、アルミ以外にも種々考えられ
る。
【0073】例えば、タンタル、ニオブ、バナジウム、
クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イットリ
ウム、スカンジウム、マグネシウム、シリコン、そして
ランタン系希土類元素の中から選んだ元素の酸窒化物の
層を、一つまたは複数層形成して、膜を構成してもよ
い。又、この膜が、酸窒化部の層以外の層を含んでいて
もよいということは、言うまでもない。
【0074】膜の構成は、単層膜、2層膜、3層膜およ
び4層以上の多層膜でもよいし、下地から、上層部に向
かって組成を連続的に変調した、いわゆる傾斜機能膜で
もよい。
【0075】尚、単層膜の場合は、石英ガラス管体1の
内壁面に直接に酸窒化アルミの層8等の酸窒化物を用い
て形成した薄膜を形成すればよいことは言うまでもな
い。
【0076】さらに、上記実施例に示したその厚みは、
これに限定されるものではなく、例えば酸窒化アルミの
層の厚みは、200〜5000オングストロームの間か
ら選んでよい。
【0077】本発明は、酸化部の層や窒化物の層に比較
して、酸窒化物の層が内壁膜として優れていることを利
用している。
【0078】上記元素の窒化物の層は、酸化物の層に比
べ高融点であり(例えば、窒化アルミの融点は2800
℃であるのに対して酸化アルミでは2054℃)、高温
環境での使用を考えると好ましい。
【0079】さらに、熱膨張係数も窒化物の層のほうが
低く(例えば、窒化アルミでは4.5ppm/℃である
のに対して酸化アルミでは7〜8ppm/℃)、低熱膨
張の石英ガラス(0.54ppm/℃)管体上に製膜す
る上で酸化物の層より有利である。
【0080】一方、窒化物の層の欠点として、対酸化性
の無さと、昇華性による蒸気圧の高さがある。酸窒化物
の層とすることにより、両者の利点を兼ね備えた、優れ
た高温耐食材料の膜が実現できるものである。
【0081】なお、上記実施例では金属スパッタ電極1
0を用いて、反応性スパッタにより成膜したが、酸窒化
物、酸化物または窒化物を含むスパッタ電極を用いたス
パッタでも同様の効果が得られることは明かである。
【0082】さらに、酸窒化物の層は、上記したスパッ
タリング法以外に、熱CVD法、プラズマCVD法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法などによって作成し
てもよい。
【0083】又、最初に窒化物の層を作成し、その後、
熱酸化やプラズマ酸化などの酸化処理を施して、酸窒化
物の層を形成してもよいし、これとは逆に、まず酸化物
の層を作成し、その後、熱窒化やプラズマ窒化などの窒
化処理を施し、酸窒化物の層を得てもよい。
【0084】図4(a)〜図4(c)に示す内容は、窒
化物の層を作成し、その後、酸化処理を施して、酸窒化
物の層を形成する製造工程の一例である。即ち、同図で
は、上記酸化処理は、最初に作成された窒化物の層81
に対して施され(図4(a)、図4(b)参照)、その
窒化物の層81の一部としての表面部を酸窒化物の層8
2に変化させる(図4(c)参照)場合の例を示してい
る。尚、その他の例として、最初に作成された窒化物の
層81の全部が、酸窒化物の層82に変化するようにし
てももちろんよい。図4(b)の80は、酸化処理に利
用される酸素イオンを模式的に表したものである。
【0085】さらに、金属の層を形成後、熱処理やプラ
ズマ処理により酸窒化物の層を得てもよい。
【0086】図3に示す装置でスパッタを行なった場
合、石英ガラス管体1の内壁面の内、一対のスパッタ電
極10の間にある空間に面した内壁面の領域部のみにス
パッタ膜が成長する。そして、後の工程で挿入される予
定のタングステン電極2(図1参照)のそれぞれの根元
部に相当する部分、つまり開口部301の近傍の内壁面
には、ほとんど膜が成長していないということが、実験
により確認出来た。
【0087】このような現象を積極的に利用して、スパ
ッタ電極10の先端部同士の距離を調整することによ
り、図5に示すように、タングステン電極2の根元部5
1において、石英ガラスが、むき出しの状態、即ち露出
した状態にすることが可能である。図5に表した構成
は、内壁面の全面に保護膜を付けた様子を示す、図1の
ランプ模式図の場合と比較して、タングステン電極2の
根元部51の構成が異なるものである。
【0088】図5に示した構成の場合、石英ガラス管体
1内の封入物と、石英ガラスとの反応による失透現象
が、上述のように、意図的に作成した保護膜のない部分
において選択的に進行し、保護膜領域では失透現象が遅
くなる。
【0089】タングステン電極2の根元部は失透して
も、実用上の影響が少ない部分であるから、本発明のこ
のよな製造方法は、ランプ光束の大部分が通過する主領
域の失透を抑制する効果があり、結果的にランプの長寿
命化を図ることができる。
【0090】さらに、光学薄膜にとって膜厚の均一性は
重要であるが、図3に示す様に、スパッタ電極10の先
端部の表面が平面である場合に比較し、非平面形状にす
ると、内壁膜の膜厚の均一性を向上できる。図6は、タ
ーゲットの先端の形状を、非平面形状の一例としての凸
面形状にした場合を示すものである。
【0091】また、放電管体の形状に応じて、一対のス
パッタ電極10の先端形状とその先端同士の距離、およ
びガス流量などのスパッタ条件を最適化することによ
り、層の厚み、あるいは膜厚の分布の均一性を±10%
以内にできる。
【0092】なお、スパッタ電極の先端は、球状または
回転楕円体状に形成した放電管体の中央部に突出させる
べきであり、突出長がないと、膜厚分布は悪化する。
【0093】上記実施例では、タングステン電極2を有
する、いわゆる有電極タイプのHIDランプについて説
明したが、これに限らず例えば、図7に示す様に、放電
管体の内部に突出させた電極を備えず、外部からのマイ
クロ波または高周波で励起発光させるようにした高圧放
電ランプに対しても、本願発明は利用可能である。その
場合でも、上記と同様の効果が得られる。図7におい
て、32は、高圧放電ランプを励起発光させるために、
外部に設けられた高周波電源であり、31は整合器であ
り、30は、石英ガラス管体1の外周を取り巻くように
配設されたターンコイルである。
【0094】次に、石英ガラス製の中空体の管壁内面
に、第1層として線膨張係数が0.8から2ppm/℃
の間である透明誘電体の層と、第2層として線膨張係数
が2から5ppm/℃の間である透明誘電体の層、第3
層として線膨張係数が5から10ppm/℃の間である
透明誘電体の層から構成される3層膜を具備する構成の
例について説明する(図8参照)。図8は、本発明の実
施の他の形態における3層膜の構成を示すための、石英
ガラス管体とその内壁面に形成された膜の断面模式図で
ある。尚、図8は、図1のA−B切断線で示された部分
の略示断面模式図である。
【0095】図3に示すごとく、石英ガラス製の放電管
体に、タンタル金属(純度99.99%)のスパッタ電
極10を挿入し、5×10-4Paまで高真空に排気す
る。
【0096】次に、Arガスを2.4sccm、酸素ガ
スを1sccm流し、高周波を15W印加した。
【0097】次に、タンタル金属のスパッタ電極をアル
ミ製(純度99.999%)のスパッタ電極に取り替
え、5×10-4Paまで高真空に排気する。
【0098】次に、Arガスを2.4sccm、窒素ガ
スを1sccm流し、高周波を15W印加した。
【0099】次にスパッタ電極はそのままで、Arガス
を2.4sccm、酸素ガスを0.3sccm、窒素ガ
スを0.7sccm流し、高周波を15W印加した。
【0100】層の厚みは、酸化タンタルの層101が5
00オングストローム、窒化アルミの層102が500
オングストローム、酸窒化アルミの層103が1000
オングストロームとなるように、スパッタ放電時間を設
定した(図8参照)。
【0101】次に、タングステン電極2を電極間距離が
5.5mmになるよう放電管体1に取付け、水銀、よう
化ディスプロシウム、よう化ネオジミウム、よう化セシ
ウムおよびArガスを封入し、放電ランプを完成させ
た。
【0102】実施の本形態の高圧放電ランプの寿命は、
内壁膜のない従来の放電ランプの寿命に比較して、30
〜100%の長寿命化が確認できた。
【0103】また、窒化アルミ膜の高熱伝導率により、
石英ガラス管体の温度分布が均一化し、ランプ水平点灯
時のアークの曲がりが、減少した。
【0104】封入物質は上記以外にも、各種希土類よう
化物や金属よう化物が可能である。
【0105】また、高圧ナトリウム放電灯の場合にも本
発明は適応可能であることがわかる。
【0106】さて、本発明が有効となり得た原因として
は、次のことが考えられる。
【0107】即ち、膜を構成する各層の熱膨張係数が、
下層から上層に向かうに従って、より大きな値となる様
に、各層の材料を選択して積層したことにより、大きな
温度範囲で安定な構成となっていること、最上層に高耐
食性の酸窒化アルミの層を採用したこと、そして、中間
層に熱伝導率の高い窒化アルミの層(150W/mK)
を採用することにより、放電管体を均熱化したことなど
である。
【0108】従って、3層膜の構成としては、上記実施
例以外に種々考えられる。
【0109】即ち、(表1)に示すごとく、石英ガラス
管体の内壁面のすぐ上に線膨張率が0.8から2ppm
/℃の間である透明誘電体を第1層として形成し、その
第1の上に線膨張係数が2から5ppm/℃の間である
透明誘電体を第2層として形成し、その第2層の上に線
膨張係数が5から10ppm/℃の間である透明誘電体
を第3層として形成して構成される3層膜を具備するこ
とによっても、上記と同様に高圧放電ランプの長寿命化
が可能となる。尚、(表1)の左の欄は、上記実施の本
形態で説明した各層の材料を示しており、中央の欄は、
各層の材料の線膨張係数のとり得る許容範囲を示してお
り、右の欄は、左の欄に挙げた材料に代えて、使用可能
な材料を示したものである。
【0110】
【表1】
【0111】なお、(表1)中で、例えばHfO2+T
iO2はHfとTiの複合酸化物を意味しており、コー
ディエライトは 2MgO+2Al23+SiO2、β−
スポデューメンはLi2O+Al23+4SiO2、サイ
アロンはSi−Al−O−N、ムライトは3Al23
2SiO2のことである。
【0112】線膨張係数の値は、非対称な結晶構造を示
す単結晶では、結晶軸の方向により異なった値を持つ
が、ここでは、実用上平均的な線膨張係数の値を考慮し
ている。
【0113】例えば、窒化アルミ(AlN)では、a軸
方向で4.15ppm/℃、c軸方向で5.27ppm
/℃であるが、多結晶体では、平均値として、4.5〜
4.8ppm/℃の範囲の値を示すとみなしてよい。そ
のため、窒化アルミ(AlN)を、(表1)中で線膨張
係数が2〜5の範囲の材料に相当するものとして分類し
ている。
【0114】また、アルミ、タンタル、ニオブ、バナジ
ウム、クロム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、イ
ットリウム、スカンジウム、マグネシウム、シリコン、
または、ランタン系希土類元素等の元素を用いて形成さ
れる各種酸窒化物の線膨張係数の値は、材料の種類・酸
素および窒素の組成比によって異なる値を取るので、そ
の値に対応した層に使用できる。
【0115】例えば、酸窒化珪素(SiON)の場合は
SiO2に近い組成の場合は第1層に相当する線膨張係
数(0.8〜2ppm/℃)を示し、Si34に近い組
成の場合は第2層に相当する線膨張係数(2〜5ppm
/℃)を示す。従って、(表1)において、第2層に使
用可能な材料として分類されているSiONは、Si 3
4に近い組成を有するものである。
【0116】例えば、(表1)中で酸窒化アルミの代わ
りに、スピネルMgAl24を採用すれば、アルカリ金
属(Na,Liなど)を封入物質とした場合に、より高
い耐食性が得られる。
【0117】上記実施例では3層膜構成としたが、実際
には、さらに多層化することも可能である。図9に、6
層により構成された膜の例を示す。同図は、図1のA−
B切断線で示された部分の略示断面模式図である。
【0118】図9に示すように、第1層91として、酸
化タンタルよりさらに線膨張係数の小さいHfO2+T
iO2の層、第2層92として酸化タンタルの層、第3
層93として、窒化アルミよりさらに線膨張係数の小さ
いAl23+Nb25の層、第4層94として窒化アル
ミの層、第5層95として酸化アルミの層、最上層の第
6層96としてMgAl24の層を積層して膜を形成し
た。この様に層数を増やしてやると、より高い耐久性の
ランプが得られた。
【0119】しかし、上記構成では、製造工程が増え、
コスト増となる場合もあるので、得たい性能水準から層
数を決めるのが合理的である。
【0120】尚、上記実施例では金属製のスパッタ電極
を用いて、反応性スパッタにより成膜したが、酸化物ま
たは窒化物をスパッタ電極としたスパッタを用いても同
様の効果が得られることは明かである。
【0121】また、成膜法はスパッタ法が好ましいが、
他の熱CVD法、プラズマCVD法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法などによって作成しても効果は期待
できる。
【0122】又、本発明の中空管体の製造方法は、上記
実施例では、高圧放電ランプ及び高圧放電ランプ用の放
電管体の製造方法を例に挙げて説明したが、これに限ら
ず例えば、蛍光灯用の中空管体等の製造方法にも適用可
能であり、要するに、スパッタリング法により中空管体
の内壁面の全部又は一部に膜を形成することが出来さえ
すれば、中空管体の形状や大きさ、種類や用途等は問わ
ない。
【0123】又、本発明の膜が、複数層の場合で、それ
ら複数層を構成する窒化物の層と、酸窒化物の層が形成
された例として、上記実施例では、酸窒化物の層が最上
層となる場合について説明したが(図2、図4(c)参
照)、これに限らず例えば、その逆で、窒化物の層が最
上層となる構成でもよい。この場合、石英ガラス製の中
空管体の内壁面に膜を形成する高圧放電ランプ用の放電
管体の製造方法として、次のような工程により製造すれ
ばよい。即ち、前記中空管体の内壁面に、1種以上の元
素の酸化物の層を形成し、その後、その形成された酸化
物の層に対して窒化処理を施して、その酸化物の層の全
部又は一部を酸窒化物の層に変化させるものである。更
に又、別の例として、例えば、石英ガラス製の中空管体
の内壁面に膜を形成する高圧放電ランプ用の放電管体の
製造方法として、次のような工程により製造するように
してもよい。
【0124】即ち、具体的には、前記中空管体の内壁面
に、所定の金属の層を形成し、その後、その形成された
金属の層に対して酸窒化処理を施して、その金属の層の
全部又は一部を酸窒化物の層に変化させるという製造方
法である。
【0125】又、上記実施例では、一対のスパッタ電極
10が、石英ガラス管体1の内壁面に形成されるべき膜
の元素と同一元素を含む材料を用いて構成されている場
合について、説明したが、これに限らず例えば、図10
に示すように、中空管体の内壁面に形成されるべき膜の
元素と同一元素を含むターゲット102を先端部に備え
た一対のスパッタ電極101を用いる構成であってもよ
い。この場合、スパッタ電極101の材料は、上記同一
元素を含む必要はない。以上のように本発明は、石英ガ
ラス管体のランプ点灯中の失透現象を抑制できるため、
長寿命の高圧放電灯を実現できる。
【0126】また、本発明は、セラミクス放電管体を使
用しないため、光の直線透過率が高く、点光源に近い良
好な光学特性が得られ、しかも管体の3次元的成型も容
易であり、コストも低くできるなど、多くの利点を有し
ている。
【0127】また、本発明は、熱伝導率の高い窒化アル
ミ膜を利用して、放電管体の温度分布の均一化を図り、
熱対流を低減して、アークの曲がりを少なくする効果も
有している。
【0128】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、従来に比べてより一層、失透を抑制することが
出来、しかもより一層寿命を長く出来るという長所があ
る。
【0129】又、本発明は、例えば高圧放電ランプ等に
利用出来得る中空管体の新たな製造方法を提供すること
が出来るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の一形態の高圧放電ランプ
の断面模式図である。
【図2】図1中においてA−B切断線が施された部分の
矢視拡大断面模式図である。
【図3】本発明の実施の一形態の高圧放電ランプ用の放
電管体の製造方法に用いたスパッタリング装置の模式図
である。
【図4】(a):石英ガラス管体の内壁面の上に窒化物
の層を形成する工程を示す模式図である。 (b):図4(a)で示した工程で形成された窒化物の
層に対して、酸化処理を施す工程を示す模式図である。 (c):酸化処理により、窒化物の層の表面部を酸窒化
物の層に変化させる工程を示す模式図である。
【図5】本発明の実施の他の形態としての、タングステ
ン電極の根元部において石英ガラスが露出するように構
成された、高圧放電ランプの断面模式図である。
【図6】本発明の実施の一形態の高圧放電ランプ用の放
電管体の製造方法に用いたスパッタリング装置のスパッ
タ電極及びその先端部の形状を示す模式図である。
【図7】無電極放電ランプの略示構成図である。
【図8】本発明の実施の他の形態における3層膜の構成
を示すための、石英ガラス管体とその内壁面に形成され
た膜の断面模式図である。
【図9】本発明の実施の他の形態における6層膜の構成
を示すための、石英ガラス管体とその内壁面に形成され
た膜の断面模式図である。
【図10】本発明の実施の他の形態の高圧放電ランプ用
の放電管体の製造方法に用いたスパッタリング装置のス
パッタ電極と、その先端部に設けられたターゲット部の
形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1 石英ガラス管体 2 タングステン電極 3 モリブデン箔 4 モリブデン電極 5 巻き付けタングステン線 6 内壁膜 7 窒化アルミの層 8 酸窒化アルミの層 10 スパッタ電極 11 磁石 12 放熱板 13 高周波電源 14 整合器 15 ガス導入部 16 側管 17 Oリングシール 102 ターゲット 301 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−238748(JP,A) 特開 平5−58680(JP,A) 特開 平5−254887(JP,A) 特開 平4−248247(JP,A) 特開 平5−21041(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/35 H01J 9/20 H01J 61/073

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスと、1種類以上の金属または
    1種類以上の金属ハロゲン化物とを封入した石英ガラス
    製の中空管体の内壁面に、1種以上の元素の酸窒化物
    の層を少なくとも1層以上有する膜を具備し、前記膜
    は、少なくとも酸窒化アルミの層を含み、前記酸窒化ア
    ルミの層に、Si、MgまたはYが含まれていることを
    特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】 不活性ガスと、1種類以上の金属または
    1種類以上の金属ハロゲン化物とを封入した石英ガラス
    製の中空管体の内壁面に、1種類以上の元素の酸窒化物
    の層を少なくとも1層以上有する膜を具備し、前記中空
    管体の電極の根元部近傍の内壁面では、前記石英ガラス
    が露出された状態であることを特徴とする高圧放電ラン
    プ。
  3. 【請求項3】 所定の中空管体の両端に各々設けられた
    開口部から、その中空管体の内壁面に形成されるべき膜
    の元素と同一元素を含む一対のスパッタ電極を挿入し、
    互いに対向する前記一対のスパッタ電極の先端部同士の
    間隔が、所定距離だけ隔てられる様に、前記一対のスパ
    ッタ電極を固定し、 前記固定されたスパッタ電極間に直流電圧または高周波
    電圧を印加して、グロー放電を発生させて、スパッタリ
    ング法により前記中空管体の内壁面の全部又は一部に前
    記膜を形成することを特徴とする中空管体の製造方法。
  4. 【請求項4】 所定の中空管体の内壁面に形成されるべ
    き膜の元素と同一元素を含むターゲットを先端部に備え
    た一対のスパッタ電極を、その中空管体の両端に各々設
    けられた開口部から挿入し、 互いに対向する前記一対のスパッタ電極の先端部同士の
    間隔が、所定距離だけ隔てられる様に、前記一対のスパ
    ッタ電極を固定し、 前記固定されたスパッタ電極間に直流電圧または高周波
    電圧を印加して、グロー放電を発生させて、スパッタリ
    ング法により前記中空管体の内壁面の全部又は一部に前
    記膜を形成することを特徴とする中空管体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記中空管体の内壁面の一部とは、前記
    中空管体の内壁面の内、前記開口部の近傍の内壁面以外
    の全部または一部であることを特徴とする請求項3又は
    記載の中空管体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記スパッタ電極の先端部を非平面形状
    にしたことを特徴とする請求項記載の中空管体の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記ターゲットの先端部を非平面形状に
    したことを特徴とする請求項記載の中空管体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 石英ガラス製の中空管体の内壁面に所定
    の膜を形成した高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法
    であって、前記中空管体の内壁面に、1種以上の元素
    の窒化物の層を形成し、その後、その形成された窒化物
    の層に対して酸化処理を施して、その窒化物の層の全部
    又は一部を酸窒化物の層に変化させることを特徴とする
    高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法。
  9. 【請求項9】 石英ガラス製の中空管体の内壁面に所定
    の膜を形成した高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法
    であって、前記中空管体の内壁面に、1種以上の元素
    の酸化物の層を形成し、その後、その形成された酸化物
    の層に対して窒化処理を施して、その酸化物の層の全部
    又は一部を酸窒化物の層に変化させることを特徴とする
    高圧放電ランプ用の放電管体の製造方法。
  10. 【請求項10】 石英ガラス製の中空管体の内壁面に所
    定の膜を形成した高圧放電ランプの製造方法であって、
    前記中空管体の内壁面に、所定の金属の層を形成し、そ
    の後、その形成された金属の層に対して酸窒化処理を施
    して、その金属の層の全部又は一部を酸窒化物の層に変
    化させることを特徴とする高圧放電ランプ用の放電管体
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 不活性ガスと、1種類以上の金属また
    は1種類以上の金属ハロゲン化物とを封入した石英ガラ
    ス製の中空管体の内壁面に形成された線膨張係数が実質
    的に0.8から2ppm/℃の間である透明誘電体の第
    1層と、その第1層の上に形成された線膨張係数が実質
    的に2から5ppm/℃の間である透明誘電体の第2層
    と、その第2層の上に形成された線膨張係数が実質的に
    5から10ppm/℃の間である透明誘電体の第3層と
    を少なくとも有する膜を具備することを特徴とする高圧
    放電ランプ。
  12. 【請求項12】 前記膜の最上層が酸窒化物の層である
    ことを特徴とする請求項11記載の高圧放電ランプ。
  13. 【請求項13】 点光源に近い高圧放電ランプにおい
    て、石英ガラス製の中空管体の電極の根元部近傍を除い
    た内壁面に保護膜を有し、前記根元部近傍が露出された
    状態とすることにより、前記保護膜のある領域に比べ、
    前記保護膜のない領域の方が、失透現象が大きいことを
    特徴とする高圧放電ランプ。
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