JP3399763B2 - 液晶バックライト用セラミック製高圧水銀放電ランプ - Google Patents

液晶バックライト用セラミック製高圧水銀放電ランプ

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JP3399763B2 JP35640596A JP35640596A JP3399763B2 JP 3399763 B2 JP3399763 B2 JP 3399763B2 JP 35640596 A JP35640596 A JP 35640596A JP 35640596 A JP35640596 A JP 35640596A JP 3399763 B2 JP3399763 B2 JP 3399763B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光管が透光性セ
ラミックスで成形された液晶バックライト用高圧水銀放
電ランプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高圧水銀放電ランプは、発光管内に一対
の電極が対向配置されるとともに、水銀と希ガスおよび
必要に応じて各種の発光金属や発光金属の化合物などが
封入されている。発光管は、球形や楕円球形をした中央
部の両端に筒状の電極導入部が一体に形成されており、
通常は石英ガラスで成形される。そして、60atm程
度以上の水銀の動作圧で点灯されるが、かかる高圧水銀
放電ランプは、発光効率が高くて長寿命であり、色度が
安定しているなどの長所を有するので、液晶プロジェク
ターなどのバックライト用光源としてしばしば使用され
ている。水銀の動作圧を100atm以上にすると、ア
ークが絞られ、点光源化されるので、液晶バックライト
用光源としてはさらに適切になる。高圧水銀放電ランプ
を開示した特許公報としては、例えばUSP5,49
7,049を挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高圧水銀放電ランプ
は、点灯時の内圧が高いので、発光管は大きな強度が要
求される。従って、発光管の肉厚はどうしても厚くな
る。例えば、前記の特許公報に開示された高圧水銀放電
ランプにおいては、入力電力が150Wの場合、石英ガ
ラス製発光管中央の発光部の最大外径が11.5mm、
内径が4.9mmであり、つまり、肉厚が3.3mmで
あり、外径に対する肉厚の割合は、28%にも及ぶ。こ
のように、発光管の肉厚が厚いために、発光管の熱容量
が大きくなり、点灯初期における発光管の温度上昇に時
間がかかる。従って、ランプの光出力が定常値に達する
時間、つまり光出力の立上り時間が遅いと言う問題点が
ある。
【0004】このように、強度を大きくするために発光
管に肉厚を厚くすると光出力の立上りが遅くなるので、
強度と光出力の立上りを両立させるために、発光管の肉
厚はぎりぎりの設計が行われる。従って、点灯時にラン
プが破壊することがあるが、破壊の際の発光管の破片の
飛散を防止するために、従来は、高圧水銀放電ランプを
取り囲む凹面反射鏡の前面をシールドガラスで覆うこと
が多かった。このため、凹面反射鏡内が極めて高温にな
るが、この温度を石英ガラスの耐熱温度である1100
℃以下にするために、冷却ファンなどで発光管を冷却し
ていた。従って、ランプユニットの構造が複雑になり、
かつ大型化する不具合があった。また、前面シールドガ
ラス付きの反射鏡の中に発光管を収納したとしても、6
0atm以上の動作圧を有する高圧水銀放電ランプは、
ランプが破裂したときに大きな爆発音を発生し、一般の
使用者に精神的な衝撃を与える。
【0005】次に、液晶プロジェクターなどのバックラ
イト用光源は、赤色が強いことが望まれる。そして、発
光金属としてリチウムを封入すると赤色が強く発色する
ことが知られている。しかし、リチウムは、そのイオン
半径が小さいため、発光管が石英ガラス製の場合は、点
灯で高温になった発光管の管壁を電界で移動して外部に
逃散してしまうので、短時間でランプ寿命が尽きる不具
合がある。
【0006】そこで本発明は、万一破裂した場合の破裂
音が小さく、発光管の強度が強く、光出力の立上り時間
が早く、高い動作圧で点灯することができ、赤色を強く
発色するリチウムを封入してもランプ寿命の長い液晶バ
ックライト用高圧水銀放電ランプを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、透光性セラミックスで成形さ
れた発光管内に、一対の電極を対向配置するとともに、
リチウムとハロゲン及び水銀と希ガスを封入し、発光管
中央部の最大外径Dと発光管端部の電極導入部の外径d
の比d/Dの値を0.4以下とし、水銀の動作圧を60
atm以上で点灯する。
【0008】透光性セラミックスとしては、アルミナ、
イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネット
(YAG)、ジルコニアなどを挙げることができるが、
これらの透光性セラミックスは、石英ガラスよりも耐熱
温度が高く、かつ密度が高くて強度が大きい。従って、
発光管の肉厚は、石英ガラスの場合よりも薄くすること
ができるが、熱容量を小さくして光出力の立上りを良く
するためには、肉厚をできるだけ薄くすることが望まし
い。しかし、肉厚をあまり薄くすると、非常に小さな確
率ではあるが、発光管が破裂してしまうことがある。
【0009】そこで本発明者らは、発光管の形状と破裂
音の関係を検討した結果、発光管中央部の最大外径Dと
発光管端部の電極導入部の外径dの比d/Dの値を0.
4以下にすることにより破裂音が小さく、従って、肉厚
を薄くすることが可能であることを見出して本発明を完
成した。発光管の肉厚が薄くなると熱容量が小さくなる
ので、立上り時間を大幅に短縮することができる。発光
管の肉厚は、例えば、請求項2の発明のように、1mm
以下に薄くしても十分な強度が確保でき、水銀の動作圧
を60atm以上で点灯できる。ただし、強度上および
製作上の理由から、最低肉厚として0.6mmは必要で
ある。そして、透光性セラミックススの耐熱温度は12
00℃程度であるので、本発明のランプは強制的に冷却
を行う必要がなく、ランプユニットを小型化することが
できる。
【0010】次に、放電ランプを長時間点灯すると、僅
かではあるが電極が消耗し、電極間距離が変化する。そ
の結果、電極間で発生している放電プラズマが変化する
ので、空間的な発光分布が変化する。そして、液晶バッ
クライト用高圧水銀放電ランプは、精密な集光系に組み
込んで使用するので、空間的な発光分布が僅かに変化し
ても、集光効率などが大きく変化し、バックライト光へ
の影響が大きい。ことに、高圧水銀放電ランプは、水銀
の動作圧が高いので、発光体積が小さくて精密な集光系
を使用することができるが、反面、空間的な発光分布が
僅かに変化しても極めて大きな影響を受ける。また、リ
チウムを添加する場合は、水銀はアークの中心部で発光
しているが、リチウムは主にアークの周辺部で発光して
いるので、空間的な発光分布が変化すると、バックライ
ト光の色ムラを引き起こす。
【0011】そこで請求項3の発明のように、透光性セ
ラミックスで成形された発光管の中央部の直線透過率を
85%以下にすると、発光管の管壁における拡散光が多
くなるので、空間的な発光分布が変化しても、バックラ
イト光への影響が緩和される。従って、前記の問題点が
解消され、長時間にわたって一定の光質、例えば一定の
色温度や演色性を得ることができる。しかし、直線透過
率を60%以下になると集光効率が低下するので、結局
のところ、発光管の中央部の直線透過率を60〜85%
にするのがよい。
【0012】発光管内にリチウムとハロゲンを封入する
と、赤色を強く発色できるが、リチウムの封入量は、発
光管の寸法や入力電力に依存する。十分な赤色を発色さ
せるためには、請求項4の発明のように、5.8μmo
l/cm以上封入する必要がある。しかし、リチウム
を過剰に封入するとアーク温度の低下を招き、光出力が
低下する。ここで、透光性セラミックスは石英ガラスよ
りも密度が高いために、イオン半径の小さなリチウムも
発光管の管壁内を電界で移動することが少なく、長時間
にわたって赤色を強く発色でき、ランプ寿命が長くな
る。
【0013】また、リチウムよりも多いモル数のハロゲ
ンを封入すると、長時間点灯時に管壁に付着するタング
ステンなどの電極物質が過剰のハロゲンによってクリー
ニングされるので、管壁が汚れることがない。
【0014】放電ランプの立上り時間は、発光管内の発
光物質の蒸気圧に依存する。そして、この蒸気圧は、発
光管内の最も温度の低い点、つまり最冷部で決定され
る。従って、低い温度で高い蒸気圧が得られる発光物質
を封入すれば立上り時間を短縮できるが、ヨウ化リチウ
ムや塩化リチウムなどのハロゲン化リチウムの蒸気圧は
金属リチウムの蒸気圧よりも高いが、リチウムより少な
いモル数のハロゲン、例えばヨウ素を封入すると、Li
nI(n>1)のようなリチウムリッチの化合物が生成さ
れ、この物質の蒸気圧はLiIの蒸気圧よりも低くな
る。そこで、請求項4の発明のように、発光管内にハロ
ゲンとハロゲンのモル数の少ないリチウムを封入する
と、立上り時間を短縮することができるが、ハロゲンの
封入量が金属リチウムの封入量よりも多いことが重要で
ある。
【0015】次に、請求項5の発明のように、発光管内
に水素を封入すると発光効率を向上することができる
が、希ガスに対するモル比で0.01〜0.2%の水素
を封入すると、優れた発光効率を得ることができる。従
来の発光管が石英ガラスからなるランプでは、水素が拡
散で発光管の管壁を透過してしまい、水素を添加するこ
とが極めて困難であったが、本発明のランプは密度の高
い透光性セラミックスを使用するので、水素が発光管の
管壁を透過しにくく、従って、水素を添加することが可
能になる。
【0016】水素を封入することにより発光効率が向上
する理由は、次のとおりと推測される。すなわち、水素
は、低エネルギーの電子に対して、水銀よりも大きい衝
突段面積を持ち、その励起エネルギー準位は、水銀より
も高い。従って、水素を添加すると、アークプラズマ中
の励起や電離過程に大きな影響を与えないが、電気伝導
度を低下させ、熱伝導度を増加させる。これにより、ア
ークが収縮し、輝度が増加するが、更には、水素分子の
再結合エネルギーにより、水銀原子の励起が盛んにな
り、発光効率が増加する。
【0017】発光管中央部の最大外径Dと発光管端部の
電極導入部の外径dの比d/Dの値が0.4以下では、
内圧に対する機械的な強度のバラツキが減少し、結果的
に機械的な強度が増大することになるが、発光管の中央
部と電極導入部の温度差が大きくなり、熱衝撃に弱くな
る。そこで、請求項6の発明のように、発光管の成形材
料である透光性セラミックスとして、平均粒径が15μ
m以下の結晶からなる多結晶アルミナを使用すると、熱
衝撃に強くなり、ランプの点灯開始時の急激な温度上昇
によってランプが割れることがなくなる。また、透光性
セラミック製の発光管に電極を封止する際には、封着ガ
ラスを溶融させるさせるために、1650℃程度に加熱
する必要があるが、平均粒径が1.5μm以下の結晶か
らなる多結晶アルミナを使用すると、この溶融時に発光
管にクラックが発生する確率が低下する。なお、平均粒
径が1.5μm以下の結晶からなる多結晶アルミナは、
例えば、Materials Transactions,JIM,Vol.32,
No11(1991),pp1024 に記載されている。
【0018】また、請求項7の発明のように、透光性セ
ラミックスとして、平均粒径が50μm以下の結晶から
なる多結晶イットリウム・アルミニウム・ガーネットを使
用すると、熱衝撃に強くなり、ランプの点灯開始時の急
激な温度上昇によってランプが割れることがなくなる。
また、前記のとおり、セラミックス管に電極を封止する
際には、封着ガラスを溶融させるさせるために、165
0℃程度に加熱する必要があるが、平均粒径が2μm以
下の結晶からなる多結晶イットリウム・アルミニウム・ガ
ーネットを使用すると、この溶融時に発光管にクラック
が発生する確率が低下する。平均粒径が2μm以下の結
晶からなる多結晶イットリウム・アルミニウム・ガーネッ
トは、例えば、Materials Transactions,JIM,Vo
l.32,No11(1991),pp1024 に記載されている方法に類似
する方法で製造される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、直流点灯される本発明の
高圧水銀放電ランプの一実施例を示す。発光管1は、透
光性セラミックススにて成形されており、最大外径がD
の球形や楕円球形をした中央部11の両端に外径がdの
筒状の電極導入部12,12が一体に連設されている。
透光性セラミックススとしては、アルミナ、イットリ
ア、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YA
G)、ジルコニアなどを挙げることができる。そして、
発光管1の中央部11内には、電極として、タングステ
ン製の陽極2と陰極3が2mmの間隔で対向配置されて
いる。なお、交流点灯する放電ランプであっても良いこ
とは勿論のことである。
【0020】電極2,3の端部にニオブ線5が接続さ
れ、ニオブ線5の端部に白金合金からなる外部リード線
6が接続されている。電極導入部12内には電極2,3
を保持するアルミナ製のスリーブ4が配置されており、
電極導入部12の端部はフリットガラス7でシールされ
る。酸化され易いニオブ線5はスリーブ4とフリットガ
ラス7て完全に覆われており、耐酸化シール構造になっ
ている。そして、外部リード線6がフリットガラス7か
ら延び出している。
【0021】発光管の仕様および封入物は次のとおりで
ある。 発光管 材質 透光性多結晶YAG 平均粒径 1.8μm 中央部の最大肉厚 1mm 中央部の直線透過率 80% 内容積 0.5cc 中央部の最大外径D 12mm、 電極導入部の外径d 3.6mm d/D=0.3 封入物 水銀 70mg リチウム 5.1μg 封入ガス アルゴン 200Torr ヨウ素 95μg
【0022】かかる高圧水銀放電ランプをランプ電流
1.5A、ランプ電圧100V、消費電力150Wで点
灯したところ、ランプ特性は次のとおりであった。 発光効率 65lm/W 演色評価指数 65 発光管上部の温度 1100℃ 立上り時間 90秒 水銀動作圧 120atm なお、水銀の動作圧は、J.Appl.Phys. Vol.71,pp47
39に記載されている方法で求めた。すなわち、定常点灯
状態において、水銀原子のスペクトル線577nmのプ
ロファイルを測定し、その半値全幅Δλ(nm)を求め
ると、動作圧Pは、P(atm)=12.0*(Δλ−
2.2)で求められる。
【0023】次に、発光管の破裂音試験、発光管の失透
試験、光出力の立上り試験、水素添加による発光効率試
験を行った結果を説明する。
【0024】〔発光管破裂音試験〕発光管1の中央部1
1の最大外径Dと電極導入部12の外径dの比d/Dが
発光管1の破裂音に大きく影響するために、比d/Dを
変化させて比d/Dと発光管の破裂音の関係を調べた結
果を説明する。試験方法は次のとおりである。すなわ
ち、異なる比d/Dのランプに点灯状態で水銀の蒸気圧
が200atmになるように水銀を封入して、前面シー
ルドガラス付きの反射鏡内に配置し、定常状態に達した
後に、放電安定用インピーダンスを短絡し、瞬時的に過
剰の電力を投入し、強制的に破裂させる。そして、ラン
プから1.5mの位置において、5人の官能試験によっ
て評価した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 × 非常に気になる △ 気になる ○ ほとんど気にならない ◎ 気にならない
【0026】これから分かるように、比d/Dの値が小
さくなるほど破裂音は減少し、比d/Dの値が0.4に
なると、破裂音がほとんど気にならなくなり、0.3で
は全くといって良いほど気にならなかった。従って、比
d/Dの値を0.4以下にすることによって、万一発光
管が破裂しても、その音は気にならない程度にすること
ができる。破裂音が小さいことは液晶バックライト用ラ
ンプとして非常に重要な要件であるが、破裂は発光管の
中央部と端部の境界付近で発生する。そして、破裂の際
に瞬時に発光管内のエネルギーが開放されるので、破裂
時の開口面積が大きくなるにつれて、つまり、比d/D
の値が大きくなるにつれて破裂音が大きくなるものと思
われる。
【0027】〔発光管失透試験〕前記の実施例ランプを
ベースにしてヨウ素の封入量を変化させたランプを製作
し、リチウムのモル数M1 と、ハロゲンのモル数M2
比M1 /M2 の値と500時間点灯時の発光管の失透の
有無の関係を調べた。その結果を表2に示すが、これか
ら分かるように、M1 /M2 ≦1にすることにより、つ
まり、リチウム量よりもハロゲン量を多くすることによ
り、透光性セラミックスで成形された発光管の失透を防
止することができる。
【0028】
【表2】
【0029】〔光出力の立上り試験〕前記の実施例ラン
プをベースにしてリチウムの封入量を変化させたランプ
を製作し、リチウムのモル数M1 と、ハロゲンのモル数
2 の比M1 /M2 と光出力が定常値になるまで時間、
つまり光出力の立上り時間の関係を調べた。その結果を
表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】石英ガラス製のランプでは、通常、立上り
時間は90秒程度であるが、表3から分かるように、M
1 /M2 ≦1にすれば、つまり、リチウム量よりもハロ
ゲン量を多くすると、従来の石英ガラス製のランプより
も立上り時間を短縮することができる。なお、ハロゲン
量が多くて、0.3>M1 /M2 とすると、室温下でハ
ロゲン化水銀が生成し、このハロゲン化水銀は蒸気圧が
非常に高いので、始動電圧を高くしてしまう。
【0032】次に、前記の実施例ランプをベースにして
発光管の肉厚が異なるランプを製作し、発光管の肉厚と
光出力の立上り時間の関係を調べた。この結果を表4に
示すが、これから分かるように、発光管の肉厚が1mm
以下であれば、従来の石英ガラス製のランプよりも立上
り時間を短縮することができる。ただし、強度上および
製作上の理由から、最低肉厚として0.6mmは必要で
ある。
【0033】
【表4】
【0034】〔発光効率試験〕前記の実施例ランプをベ
ースにして水素をアルゴンに対するモル比で0.005
%〜0.5%の範囲で封入し、この水素の封入量と波長
350から700nmの光出力の発光効率の関係を調べ
た。その結果を図2に示す。これから分かるように、水
素のモル比が0.8%までは発光効率は上昇するが、そ
れ以上封入すると発光効率は減少する。水素を添加しな
い前記の実施例ランプの発光効率は65lm/Wである
ので、アルゴンに対するモル比が0.01〜0.2%の
範囲において発光効率を向上させることができ、0.8
%では、約1.2倍の発光効率を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、透光性
セラミックスで成形された発光管内に、一対の電極を対
向配置するとともに、リチウムとハロゲン及び水銀と希
ガスを封入し、発光管中央部の最大外径Dと発光管端部
の電極導入部の外径dの比d/Dの値を0.4以下と
し、水銀の動作圧を60atm以上で点灯するので、破
裂した場合の破裂音が小さく、発光管の強度が強く、光
出力の立上り時間が早く、かつ高い動作圧で点灯するこ
とができ、赤色を強く発色するとともに、発光効率の高
い液晶バックライト用高圧水銀放電ランプとすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【図2】水素の封入量と発光効率の関係図である。
【符号の説明】
1 発光管 11 発光管の中央部 12 発光管の電極導入部 2 陽極 3 陰極 4 アルミナスリーブ 5 ニオブ線 6 外部リード線 7 フリットガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 和之 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 森本 幸裕 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 池内 満 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (72)発明者 松野 博光 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシ オ電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−273595(JP,A) 特開 平2−148561(JP,A) 特開 平8−298099(JP,A) 特開 平2−5358(JP,A) 特開 平4−370643(JP,A) 特公 昭43−29549(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/12 - 61/22 H01J 61/30 - 61/36

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性セラミックスで成形された発光管
    内に、一対の電極が対向配置されるとともに、リチウム
    とハロゲン及び水銀と希ガスが封入され、該発光管中央
    部の最大外径Dと発光管端部の電極導入部の外径dの比
    d/Dの値が0.4以下であり、水銀の動作圧が60a
    tm以上で点灯される液晶バックライト用セラミック製
    高圧水銀放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記発光管の中央部の肉厚が0.6〜
    1.0mmであることを特徴とする請求項1記載の液晶
    バックライト用セラミック製高圧水銀放電ランプ。
  3. 【請求項3】 透光性セラミックスで成形された前記発
    光管の中央部の直線透過率が60〜85%であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の液晶バックライ
    ト用セラミック製高圧水銀放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記発光管内に封入されたリチウムのモ
    ル数M と、ハロゲンのモル数M の比M /M
    が0.3≦M /M ≦1であることを特徴とする請
    求項1、請求項2又は請求項3記載の液晶バックライト
    用セラミック製高圧水銀放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記発光管内に、希ガスに対するモル比
    で0.01〜0.2%の水素が封入されたことを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の
    液晶バックライト用セラミック製高圧水銀放電ランプ。
  6. 【請求項6】 前記透光性セラミックスが、平均粒径が
    15μm以下の結晶からなる多結晶アルミナであること
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
    又は請求項5記載の液晶バックライト用セラミック製高
    圧水銀放電ランプ。
  7. 【請求項7】 前記透光性セラミックスが、平均粒径が
    50μm以下の結晶からなる多結晶イットリウム・アル
    ミニウム・ガーネットであることを特徴とする請求項
    1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の
    液晶バックライト用セラミック製高圧水銀放電ランプ。
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