JP3437547B2 - 高圧放電ランプ - Google Patents

高圧放電ランプ

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JP3437547B2 JP2000330477A JP2000330477A JP3437547B2 JP 3437547 B2 JP3437547 B2 JP 3437547B2 JP 2000330477 A JP2000330477 A JP 2000330477A JP 2000330477 A JP2000330477 A JP 2000330477A JP 3437547 B2 JP3437547 B2 JP 3437547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は高圧放電ランプ、特
に高圧放電ランプのシール構造と、その製造方法に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】文字、図形などの画像を拡大投影し表示
する手段として、最近、液晶プロジェクタ装置などが知
られている。このような画像投影装置は所定の光出力が
必要であるため、光源としては輝度の高い高圧放電ラン
プが一般に、広く使用されている。この種のランプは、
反射鏡と組み合わされるのが一般的である。最近は、反
射鏡の集光率の向上のために、高圧放電ランプの電極間
距離(アーク長)の短縮が要望されている。 【0003】ところが、こうした電極間距離の短縮は、
ランプ電圧の低下に結びつき、したがって同じランプ電
力で動作しようとした場合、ランプ電流の増加を結果と
して生じる。ランプ電流の増加は、電極損失の増大につ
ながり、電極材料の蒸発を活発にし、電極の早期劣化、
すなわちランプの短寿命化をまねく。 【0004】このような理由から電極間距離を短縮する
場合は、ランプ動作時の水銀蒸気圧などを増加させて、
ランプ電圧の低下(ランプ電流の増加)を防ごうとする
のが一般的であり、その例として、特開平2−1485
61号公報に開示されている高圧水銀ランプがある。 【0005】開示されているランプの電極間距離は1.
2mmであり、50Wの定各電力にて点灯したとき、動
作圧力は約200気圧に達し、その高圧力により、76
Vという高いランプ電圧が得られるとの開示がなされて
いる。 【0006】このように電極間距離を短縮する場合は、
適切なランプ電圧を得るために、十分に動作圧力を高め
る必要があり、それゆえランプは、そのような超高圧動
作に耐え得る十分な、耐高圧力を有するシール構造を持
たねばならない。 【0007】図39(a)は特開平2−148561号公
報に開示されている高圧力動作のランプのシール部の概
略構成の一部分を示す図である。 【0008】図中100は石英ガラスからなる略球状の
発光部、101は発光部100から延在する側管部であ
り、また102は発光部100内に電流を導入するタン
グステン製の電極である。103はモリブデン箔、10
4はモリブデン製の外部電流導入リード線であって、こ
れらはモリブデン箔103の一端に、一端が発光部10
0内に突出する電極102、他端には外部電流導入リー
ド線104が接続されてなる電極組立体105を構成し
ている。そして電極組立体105は、モリブデン箔、1
03の塑性変形によって石英ガラスとの熱膨張の差を吸
収する箔シール構造にて、側管部101に気密に封着さ
れている。 【0009】この箔シール構造にて200気圧もの高い
動作圧力に耐えうる有力な手段は、別の文献、例えば、
「ザ セブンス インターナショナル シンポジウム
オンザ サイエンス アンド テクノロジ オブ ライ
ト ソースズ 1995」(The 7th International Sy
mposium on the Science & Technology of Light Sourc
es(1995)Symposium Proceedings)の111項に詳しく
記載されている。 【0010】この記載されている内容の概要を図39
(b)を用いて説明する。 【0011】図39(b)は、図39(a)のAA’部の断面
図である。電極102の一部は側管部101内に埋設さ
れているが、電極102の周りには、図37のドットで
示すように、未密着部107が生じている。この未密着
部107の幅をWとすると、記載されている内容によれ
ば、未密着部107の幅Wを小さくことで、ランプの耐
高圧力を向上させることができるとある。つまり幅Wを
小さくする構造とすることで、この未密着部107への
応力集中を低減でき、ランプの耐高圧力が向上するとの
説明がなされている。 【0012】一方、別の耐高圧力のシール構造として、
例えば、米国特許第4282395号に開示されている
ようなロッドシール構造なるものが知られている。これ
は、図40に示すように、発光部100から離れた側管
部101の部位Bで、石英ガラス(膨張係数5.5×1
0-7/℃)とタングステン(膨張係数46×10-7/
℃)の中間の熱膨張係数を有するガラス、例えば超硬質
ガラス200(膨張係数32×10-7/℃)を介して、
電極102を側管部101に気密に封着する構造であ
る。中間ガラス200を介した電極102と石英ガラス
の密着力は、モリブデン箔の塑性変形によるモリブデン
箔と石英ガラスとの密着力より、はるかに強く、箔シー
ル構造よりも耐高圧力の点で優れている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】図39(b)に示した幅
Wの最小値は電極102の径であるから、以上の教授に
よると、箔シール構造の場合、ランプの最高耐圧力は電
極102の径で制限される。ゆえにランプ電流が大き
く、その電流を許容するのに十分に太い電極を必要とす
る高出力のランプにおいては、箔シール構造によって、
例えば、特開平2−148561号公報に開示されてい
る200気圧もの高い動作圧力のランプは実現困難であ
る。それゆえ特開平2−148561号公報に開示され
ているランプの例は、いずれも50W以下の低出力のも
のに限られている。 【0014】図40に示すロッドシール構造では、箔シ
ール構造よりも高い耐高圧力をランプに持たせることが
でき、箔シール構造のランプよりも大出力で、かつ動作
圧力の高いランプを提供できる。しかしながら、図40
に示す従来のロッドシール構造は、例えば先の特開平2
−148561号公報に開示されているランプのよう
に、水銀などの、動作中のランプの温度によって、蒸気
圧が大きく変化する物質から、発光物質が構成されてい
るランプには適さない。 【0015】なぜなら、ロッドシール構造に用いられる
中間ガラスの使用最高温度は、超硬質ガラスの230℃
(常用値。最高は490℃)に代表されるように、石英
ガラスの900℃(常用値。最高は1100℃)よりも
低いので、通常、電極は、図40に示すように、動作時
もっとも温度の高い発光部100からできる限り離れ
た、低温度部の部位B付近で気密封着されねばならな
い。 【0016】それゆえ、ロッドシール構造のランプで
は、密閉された発光部100内部に、図40において部
位Aと示した低温度領域(電極102と側管部101が
密着していない隙間)が生じてしまう。したがって、従
来のロッドシール構造により、例えば発光部100内部
に発光物質として水銀を封入し、特開平2−14856
1号公報に開示されている高圧力動作の水銀ランプを得
ようとしても、部位Aに水銀が凝縮し、所望とする水銀
蒸気圧が得られず、正常にランプは動作し得ないからで
ある。ランプを正常に動作させようとして無理に、発光
部100と側管部101との接続部付近で封着すると、
今度は、動作中に、中間ガラス200が高い温度にさら
されて軟化し、そして高圧力の発光部100内部と、略
大気圧である外部との圧力差により、密着が破られ、ラ
ンプが破損してしまう。 【0017】本発明は上記の課題を解決し、優れた耐高
圧力を有し、かつランプの高出力化にも対応できる高圧
放電ランプのシール構造、およびそのようなシール構造
を有する高圧放電ランプを製造するための方法を提供す
ることを目的としている。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明にかかる高圧放電ランプは、高融点ガラス
質材料からなる発光部と、前記高融点ガラス質材料から
なり前記発光部から延在する封止部と、前記発光部内部
に封止された、少なくとも、希ガスおよび、室温で固体
もしくは液体の材料と、前記発光部内に形成される放電
アークに電流を供給する、前記封止部に一部が埋設され
た導電性金属構造物と、前記封止部において高融点ガラ
ス質材料と前記導電性金属構造物との境界領域付近に、
金属もしくは前記金属の酸化物の少なくとも1種類の金
属材料が付与され、前記導電性金属構造物に対し、高融
点ガラス質材料が気密に封着する気密封着部とを備えた
高圧放電ランプであって、前記気密封着部内の前記導電
性金属構造物が、放電アークを保持する側から外部駆動
装置に電気的に接続される側に向かって連続的に細くな
る形状を少なくとも有し、前記封止部に箔を用いないこ
とを特徴とするものである。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。 【0020】(実施の形態1)図1は、本発明の高圧放
電ランプの実施の形態1における構造図である。図1に
おいて、1は放電外管となる発光管部、2は電極封止
部、3は放電電極棒、4はガラス筒、5は封入水銀と金
属ハロゲン化物、6発光管内と電極封止部の境を示す。
発光管部1は、石英ガラスを用い、ガラス筒4は、96
%シリカガラス、たとえばコーニング社(Corning Inc.)
製のバイコール(Vycorョ)を用いた。放電電極棒3はタン
グステン材料で、電極棒径は0.9mmである。また、
発光管部1の容積は、約0.45cc、封止する前の状
態での発光管内と電極封止部の境の内径6は、2.0m
mである。 【0021】水銀を90mg、また金属ハロゲン化物を
沃化インジウム0.4mgと沃化ツリウム1.0mg封
入した図1のランプは、200Wの電力にて点灯した場
合、約80Vのランプ電圧を得る。この場合の推定され
る動作圧は約200気圧である。驚くべきことに、従来
の箔封止構造でもなく、また従来のロッド封止構造でも
ない、放電電極棒3と封止部石英ガラス2との間に石英
ガラスよりも融点の低いバイコールのガラス筒4を介在
させた本発明の高圧放電ランプは、封入発光材料が発光
管部1内にて蒸発して、移動することなく正常に動作
し、約200気圧もの動作圧に耐える。 【0022】本発明の実施の形態1に示す高圧放電ラン
プの封止構造の優れた点は、以下に述べる検証実験の結
果で、より明らかにすることができる。 【0023】ここで、図2は、従来の金属箔を用いた封
止の高圧放電ランプの構造説明図である。7は放電外
管、8は封止部、9は放電電極棒、10は金属箔、11
は外部駆動装置に接続された引き出しリード線、12は
封入水銀と金属ハロゲン化物、13は発光管内と封止部
の境を示す。放電電極棒9はタングステン材料で、電極
棒径は0.9mmである。また、封止する前の状態での
発光管内と電極封止部の境の内径13は、2.0mmで
ある。金属箔10はモリブデン材料を用いた。 【0024】図3は、上記構成において封止したランプ
の気密性、耐圧を測定するためのテストランプの構造図
である。14は封止部であり(代表して図3は図1の封
止方法にて封止した図)、図1,2各々の状態で封止し
てある。15は、発光管内排気部であり、封止しないで
石英ガラス管のままである。 【0025】図1,図2各々の状態で封止した図3の測
定ランプを用い、封止部の隙間の観察を行った。隙間の
観察のために、発光管排気部15より注射器でインク
(ニューコクシン・食用赤色102号)を注入し、小さ
い隙間にもインクが進入するようシール部を水中に入れ
た状態で超音波振動を与え、数時間放置した。 【0026】その結果、図1の封止部にはインクの進入
は観察されなかった。しかし、従来封止のランプ(図2
ランプ)は金属箔と電極棒との接続部にまで電極棒に沿
ってインクが挿入した様子が観察された。つまり、従来
よりも優れた気密性を有していることが判る。 【0027】また、同様に図1,図2各々の状態で封止
した図3の測定ランプを用い、気密性を測定するため、
発光管排気部15をロータリーポンプとターボ分子ポン
プに接続された排気台に接続し、真空に引いた。する
と、図1,図2両方のランプとも数分で2.0*10-6
atmまで引いた。この真空度はランプの実用に充分耐
えうるレベルである。 【0028】次に、上記のランプの初期耐圧を測定し
た。発光管排気部15から高圧ガスを導入し、破壊する
圧力を測定する。そのランプ破壊圧力をランプの初期耐
圧とした。今回使用した高圧ガスは200kg/cm2
最高圧なので、それ以上高圧の測定ができなかった。図
1のランプは200kg/cm2で破壊されなかった。 【0029】それに対し従来封止ランプ(図2ランプ)
は、100〜150kg/cm2の初期耐圧であった。金
属箔のない封止構造にすることで高耐圧構造になってい
ることがわかる。 【0030】以上のように、放電電極棒と封止部石英ガ
ラスとの間に石英ガラスよりも融点の低いバイコールの
ガラス筒を介在させた封止構造をもつ本発明の高圧放電
ランプは、高耐圧かつ、封入水銀や金属ハロゲン化物が
シール部の放電電極棒付近に凝縮することもないランプ
を実現できる。 【0031】尚、放電電極棒3とガラス筒4との間隙に
ガラス粉末を充填したもの、また、そのガラス粉末に金
属を混合したもの、さらに電極棒3に金属膜のついたも
のにおいても同様な実験を行い、同様な結果を得た。 【0032】電極棒3とガラス筒4のみで封止したラン
プに関しては、封止した後も電極棒とガラス筒との間隙
がわずかに残る場合があり、ランプ間の封止状態のばら
つき要因となっていたが、ガラス粉もしくは、ガラス粉
に金属を混合したものを充填した場合は、そのばらつき
がなくなり、より気密封止できるようになった。 【0033】また、電極棒3に酸化金属膜のついたもの
に関しては、封止時にガラスと電極棒との熱膨張係数の
違いによって生じるクラックがなくなった。この理由に
ついて正確にはわからないが、おそらく酸化金属膜によ
りガラスと電極棒との熱膨張係数の違いが緩和されたの
であろう。封止時にできるクラックがなくなることによ
り、よりガラスと電極棒との気密性が向上し、また、ク
ラックが大きくできてしまったことにより起こる設計値
よりも極端に耐圧が下がるといったランプ間のばらつき
を抑える効果が得られた。 【0034】また、電極棒を、電極の長軸に垂直な断面
積の放電アークを保持する側を0.9mm2、外部駆動
装置に電気的に接続される他端部側の断面積を0.05
mm2と連続的に細くなる形状にし、同様な実験を行っ
た。このランプを図4に示す。すると、電極棒16が細
くなっていくにつれ、封止部に圧縮の歪みが強くかかっ
ていることが観察された。一般に封止部の圧縮歪みは耐
圧を向上させるので、さらに高耐圧構造になっているこ
とが判る。 【0035】(実施の形態2)次に、実施の形態1で説
明した図1のランプの製造方法について、説明する。 【0036】図5は電極棒50である。また、図6は電
極形成体を形成するための型51である。型には、電極
棒50を立てるための穴52と、ガラス筒を挿入するた
めの穴53がある。穴52は、電極棒50を挿入した
際、電極棒50が傾くことなく挿入できるだけの径の穴
が開いている。電極棒50は、電極をランプ内に気密封
止した際、封止部端から外部駆動装置へ接続する側を、
穴52に挿入するため、あらかじめ穴52の深さを規制
しておかなくてはならない。もちろん、放電アークを保
持する側を穴52に挿入しても良いが、その際には封止
部端から、放電アークを保持する側端の電極棒に合わせ
て穴52の深さを調整し、規制しなくてはならない。ま
た、ガラス筒を挿入するための穴53は、ガラス筒を挿
入した際、ガラス筒が傾くことなく挿入できるだけの径
の穴が開いている。 【0037】また、図7は、ガラス筒である。ガラス筒
は、ランプ外管よりも低い融点の材料であるが、ここで
はバイコールを用いる。ガラス筒外径は、ランプ側管部
内径よりも小さく、ガラス筒内径は電極棒径よりも大き
いものを準備する。 【0038】この準備した電極棒50を準備したタング
ステン製の型51に図8のように挿入し、立てる。次
に、ガラス筒54を、型51に図9のように挿入し、立
てる。また次にガラス筒と同じ材料、もしくはガラス筒
よりもさらに融点の低い材料のガラス粉を、ガラス筒の
内側に充填する(図10の55に示す)。 【0039】そして、図10の圧縮形成用治具56に示
しているようにドーナツ型で、外径が型の穴53にちょ
うど隙間なく挿入できるように、また内径が電極棒が通
るように準備した圧縮形成治具56を用いて図10のよ
うに矢印57の方向からガラス粉55を圧縮し、固定す
る。このようにして、電極形成体ができる。 【0040】なお、以上のようにしてできた電極形成体
を真空、あるいは水素雰囲気中高温で加熱焼成してもよ
い。また必要であれば、以上の工程の後に、放電アーク
を保持する側に、コイルを溶接してもよい。図11は、
コイルの付いた状態での電極形成体57である。 【0041】また、図12に示すように電極棒50の代
わりに、電極棒径と同サイズのタングステン製・棒状治
具200を用い、ガラス筒54にガラス粉55を詰め
る。次に、図13に示すように、そのガラス粉付きガラ
ス筒を型51より取り出し、焼結する事で、焼結された
ガラス筒201を形成する。このようにして焼結された
ガラス筒201を、電極棒の所定の位置に挿入し、電極
形成体202として用いても良い(図14)。なお、型
51、棒状治具200について、本実施例ではタングス
テン製のものを使用したが、もちろん、モリブデン製や
ステンレス製等でも本実施例は実現可能であり、材料は
特定しない。 【0042】又、ガラス粉に電極棒材料の熱膨張係数の
近い金属粉を混合し用いても良い。例えば、タングステ
ン粉、酸化タングステン粉、また、モリブデン粉、酸化
モリブデン粉等を、バイコール粉に乳鉢で均等に摺り合
わせた混合粉を前記したと同様に、ガラス筒に充填し用
いても良い。金属粉を混合することにより、混合粉の熱
膨張係数が電極棒のそれに近くなり、より気密性の高い
封止ができるようになる。 【0043】不均一な混合粉を用いる場合には、融点の
高い混合粉が放電アークを保持する一端側に位置するよ
うにすればよい。 【0044】また、混合粉でなくとも、電極棒の外管に
封止する部分に金属を蒸着してもよい。図15に、電極
棒に金属を蒸着する様子を示した。図15には示してい
ないが、蒸着の雰囲気は真空中もしくは不活性ガス中で
行う。電極棒50の両端は回転可能なチャック58で保
持し、電極棒の下には、蒸着しない部分への蒸着防止の
ためのシャッター板59を配置し、その下から、金属蒸
気60をあて、電極棒の外管と封止する部分に金属蒸着
を施す。その金属蒸着施した電極棒を用いて、図9、図
10に示したように、ガラス筒を電極棒に配置して、電
極形成体を形成する。 【0045】また、その他にも、金属のスパッタリング
や、熱CVD法、プラズマCVD法などであってもよ
い。このように変形した工程であっても、最終的に得ら
れるランプの封止構造は、優れた耐高圧力や密着性を有
す。 【0046】また、ガラス筒を例えば、異なる材料のガ
ラス筒をつなげて用いる場合も、融点の高いガラス筒が
放電アークを保持する一端側に位置するようにすればよ
い。また、融点が連続的に変化しているガラス筒を用い
る場合においても、ガラス筒の融点の高くなっている端
部を放電アークを保持する一端側に位置すればよい。な
ぜならば、融点の高い材料は、一般に封入物、例えば金
属ハロゲン化物等との反応性も低く、また、より高温動
作に耐えうるので、発光管部に最も接している部分に融
点の高い材料を用いることは、ランプの寿命特性上有用
である。 【0047】次に、電極形成体57をランプ外管に封止
する工程を説明する。 【0048】図16は、ランプに挿入する電極である
が、金属バネ61は、電極を側管部管中に保持するため
に電極形成体57の外部駆動装置に接続する側端部62
に溶接してある。 【0049】図17は、別の工程で準備した外管66
で、石英ガラスを加熱し膨張させて、所定の形状に形成
された中空の略球状の発光管部63と、発光管部63の
両端から延在する石英ガラス管の側管部64、65とか
ら構成されている。側管部65は、電極を挿入、封止す
る部分である。側管部64の一端は閉じており、他端部
65は電極挿入できるよう開口している。 【0050】まず、図17のランプ発光管部形成加工済
み外管側管部65より図16の放電電極を挿入する。電
極は、側管内部径よりも充分細い挿入棒により押し入れ
る。放電電極を挿入する様子はプロジェクターにより観
察する。プロジェクターの投射面に電極と発光管の位置
を印しておき、それに合わせて電極を挿入する。 【0051】次に図18の略矢印400に示すように、
外管66内の排気を行う。図には示していないが、排気
は真空ポンプを用い、外管66内が10-5torr程度まで
減圧に排気する。その後、図18の矢印401に略示す
るように、外管66内にアルゴンガスを200mmbarr封
入する。この状態で、図19に示すように、例えばレー
ザー等を用いて、端部がまだ封止されていない側管部6
5の開口端付近68を、加熱し封止する。図19には示
していないが回転可能なチャックにて外管66を保持
し、矢印67で示すように、外管66を回転させ、加熱
封止を行ってもよい。 【0052】続いて、図20に示すように、今度は、電
極を挿入した側管部65が上側に位置するように、図に
は示さないが回転可能なチャックにて外管66を保持す
る。この状態で外管66を矢印69が示すように回転さ
せ、回転している間に、側管部65の端部を加熱溶融せ
しめる。これは矢印70で略示するレーザーで行われ
る。レーザーは側管部65の適当な長さにわたって矢印
71が示すように上下に移動して側管部65を加熱溶融
せしめ、側管部65を気密封止する。 【0053】この際、ガラス筒、及びガラス粉は、石英
ガラスよりも融点が低いため、その融点によっては石英
ガラスが溶融する前に沸騰膨張することがある。例え
ば、コーニング社製パイレックスガラスは、軟化点が8
21℃であるが、沸騰膨張するため、封止が困難であ
る。上記したバイコールガラスは、軟化点1530℃で、沸
騰膨張することなく封止が容易かつ、実施の形態1に記
したように密着性高く封止できる。 【0054】以上の工程において、発光管中に電極が1
本封止された。次にもう1本の電極の封止について説明
する。図21に示すように、他端からもう1本の電極を
挿入するために、もともと閉じてあった側管部64の端
部を、矢印300で略示するように、例えばカッターに
より切断し、開口端部301を形成する。次に、図22
に示すように、開口端部301が、上に向くようにラン
プを配置し、その開口端部301よりランプの発光材料
である水銀72a、メタルハライド72b等を封入す
る。また、電極302を挿入する。水銀の封入量は、発
光管部の容積や電極間距離により、異なるが、発光管部
63の内容積が0.45cc、電極間距離が1.5mm
である場合、90mgである。これにより、点灯時のラ
ンプ電圧は80Vとなる。 【0055】また、メタルハライドとしては、沃化イン
ジウム0.4mgと沃化ツリウム1.0mgを封入し
た。 【0056】次に図23の略矢印310に示すように、
外管66内の排気を行う。図には示していないが、排気
は真空ポンプを用い、外管66内が10-5torr程度まで
減圧に排気する。その後、図23の矢印311に略示す
るように、外管66内に乾燥した所定量のアルゴンガス
を封入する。この状態で、図24の矢印74で略示する
ように、例えばレーザー等を用いて、端部がまだ封止さ
れていない側管部54の端付近を、加熱し封止する。図
24には示していないが回転可能なチャックにて外管6
6を保持し、矢印67で示すように、外管66を回転さ
せ、加熱封止行ってもよい。 【0057】発光管部63には水銀、メタルハライド等
蒸気圧の高い物質が封入されているので、側管部65を
レーザーで加熱する際、発光管部内封入物72が蒸発し
ないよう、発光管部63を水冷しつつ、気密封着を行
う。 【0058】そして、図25に示すように、電極棒の外
部駆動装置に接続する側の電極を露呈せしめるため、両
側管端部のガラスを、矢印320で略示するように、例
えばカッターにより切断する。この時点で、両電極端に
ある金属バネ61は、除去しておいてもよい。このよう
にして、図1のような実施の形態1と同様の優れた耐高
圧力、気密性を有する高圧放電ランプが得られる。 【0059】また、封止方法として、前記においては、
発光管部63内を減圧状態で加熱溶融させ封止部外管を
焼き萎めて封止行ったが、図26のように封止部を加熱
溶融させた後、外管66の回転を止め、すばやく金型7
5により封止部を圧縮し、成形して封止する方法でも、
特に問題なく実施例1と同様の優れた耐高圧力、気密性
を有する高圧放電ランプが得られる。金型成形を行うこ
とにより、設計したランプの封止部形状にばらつきなく
成形しやすいという有用な利点がある。 【0060】(実施の形態3)図27は本発明の高圧放
電ランプの実施の形態3を示す構造図である。 【0061】図27において、501は放電空間に放電
アークが形成される石英ガラス製の球形の発光部、50
2は放電アークに電流を供給するための導電性金属構造
物が気密封止される封止部である。503は、その放電
アークに電流を供給する導電性金属構造体である棒状の
タングステン電極である。 【0062】タングステン電極503の一端は放電アー
クを保持するために発光部501内に配置され、もう一
方の端は、図27には示していない放電アークに電流を
供給する外部駆動装置に接続されるように、封止部50
2を介して、外部に配置されている。 【0063】封止部502においては、タングステン電
極503と石英ガラスとの界面付近には、図中の小さな
黒点で示すように、タングステンの粉末504が分布し
ている。そして発光部501内には、発光物質として水
銀505、および図には示していないがランプの始動を
補助するためのアルゴンガスが封入されている。 【0064】図27に示すランプの主要な寸法データ
は、球形発光部501の内容積が約0.45cc、タン
グステン電極503の直径は0.9mm、球形発光部5
01内のタングステン電極503の間隙、すなわち電極
間距離は1.5mmである。 【0065】水銀505の封入量を90mgとして、こ
のランプを200Wの電力にて点灯した場合、約80V
のランプ電圧を得る。この場合の推定される動作圧は約
200気圧である。驚くべきことに、従来の箔シール構
造でもなく、また従来のロッドシール構造でもない、タ
ングステン電極503と石英ガラスとの界面付近に、タ
ングステンの粉末504が分布しているシール構造の本
発明の高圧放電ランプは、水銀505が封止部502の
タングステン電極503付近に凝縮することもなく、完
全に蒸発して正常に動作し、約200気圧もの動作圧力
に耐える。 【0066】本発明の実施の形態3に示す高圧放電ラン
プのシール構造の優れた点は、以下に述べる検証実験の
結果で、より明らかにすることができる。 【0067】図28は、その検証実験に使用したシール
構造を示す図である。図28(a)は、外径6mm、内径
2mmの石英ガラス管513に、図27に示した本発明
の実施の形態3と同様に、直径0.9mmのタングステ
ン電極503を、電極と石英ガラスとの界面付近にタン
グステン粉末504を分布させて封止したガラス管であ
る。 【0068】また図28(b)は石英ガラス管513に箔
シールを施したガラス管を示している。510はタング
ステン電極503と同じ直径0.9mmを有し、長さが
異なるタングステン電極、511、512はそれぞれモ
リブデン箔、モリブデン棒で、モリブデン箔511の厚
さ0.02mmである。 【0069】図28(a)、(b)に示すガラス管に対し
て、石英ガラス管513の開口端515から一定の速度
で窒素ガスを導入して加圧しながら、ガラス管が破壊し
た圧力を耐高圧力として測定を行った。その結果、図2
8(b)に示した箔シール構造のガラス管は、約160気
圧で破壊したのに対し、図28(a)に示す本発明の実施
の形態3のシール構造では、210気圧の圧力を加えて
も破壊することはなった。 【0070】別の測定として、今度は石英ガラス管51
3の開口端515から石英ガラス管513内部を真空排
気したところ、図28(a)、(b)に示すガラス管ともに、
10−6Torr程度の真空度まで排気されることが確
認された。 【0071】このように、図27又は図28(a)に示す
本発明の実施の形態3のシール構造は、タングステン電
極503と石英ガラスとの界面付近に分布するタングス
テンの粉末504が、非常に密着しにくいタングステン
(タングステン電極503)と石英ガラスとを接合する
バインダーの役目を果たす(この原因は正確にはわから
ないが、おそらくタングステン粉末504をガラス内に
分布させたことで、石英ガラスの熱膨張係数がタングス
テンのそれに近づき、剥離しにくくなったこと、及びタ
ングステン粉末504の一部がタングステン電極503
と化学的に強固に結合することが考えられる)結果、従
来の箔シール構造より優れた耐高圧力や気密性を有す
る。 【0072】なお、本実施の形態では、タングステン電
極503と石英ガラスとの界面付近にタングステン粉末
504が分布する高圧放電ランプについて説明したが、
タングステン粉末504は酸化タングステンの粉末であ
ってもかまわない。またタングステン以外の金属、例え
ばモリブデンの粉末であってもかまわないし、酸化モリ
ブデンの粉末であってもかまわない。これらの粉末に置
換したランプにおいても、優れた耐高圧力や気密性が損
なわれることはなかった。さらにはこれらの混合物の粉
末であってもかまわない。 【0073】(実施の形態4)次に本発明の実施の形態
4を、図29に示し説明する。 【0074】図29に示す本発明の実施の形態4の高圧
放電ランプは、図27に示した実施の形態3のランプに
おいて、タングステン粉末504を、タングステンの薄
膜506に置換し、タングステン電極503が、この薄
膜506を介して石英ガラス(封止部502)に気密封
着されたシール構造を有する。 【0075】本実施の形態のランプにおいても、水銀5
05の封入量を90mgとして、このランプを200W
の電力にて点灯した場合、動作圧力は約200気圧で、
約80Vのランプ電圧を得る。水銀505が封止部50
2のタングステン電極503付近に凝縮することもな
く、完全に蒸発して正常に動作し、約200気圧もの動
作圧力に耐える耐高圧力シール構造を有している。 【0076】なお、本実施の形態の高圧放電ランプにお
いて、タングステン薄膜506を酸化タングステンの薄
膜に置換した構造としても優れた耐高圧力や気密性が損
なわれることはない。また別の金属薄膜、例えばモリブ
デン薄膜や酸化モリブデンの薄膜に置換した構成であっ
てもかまわないし、これらの多層薄膜を形成した構造で
あってもかまわない。 【0077】実施の形態3および実施の形態4におい
て、タングステン電極503の、少なくとも封止部50
2に埋設させている部分の表面に、酸化処理を施すこと
が、特に有益であることを付記しておく。表面を酸化さ
せておくことで、タングステン電極503表面付近の石
英ガラスにクラックが生じることを、ほぼ完全に防止で
き、耐高圧力や気密性に有利に働く。 【0078】また実施の形態3および実施の形態4で
は、放電アークに電流を供給するための導電性金属構造
物が、タングステン電極503のみで構成されているラ
ンプを例に説明したが、図39や図28(b)で示した従
来の箔シール構造でみられる、タングステン電極(図3
9の102、図28(b)の510)とモリブデン箔(図
39の103、図28(b)の511)と外部電流導入リ
ード線(図39の104、図28(b)の512))とか
ら導電性金属構造物が構成されたランプであっても、少
なくともタングステン電極(図39の102、図28
(b)の510)と石英ガラスとの界面付近にタングステ
ンの粉末が分布しているか、又はタングステン電極がタ
ングステンの薄膜を介して石英ガラスと接合する構造で
あれば、実施の形態3および実施の形態4のランプと同
様の優れた耐高圧力や気密性が得られる。 【0079】また実施の形態3および実施の形態4で
は、発光物資として水銀のみが封入されている、高圧放
電ランプを例に説明したが、発光物質としては、水銀以
外に、例えば金属ハロゲン化物が添加されたランプであ
ってもよい。 【0080】実施の形態3および実施の形態4に例示し
たランプのシール構造は、水銀や金属ハロゲン化物など
のように室温では、液体又は固体で、点灯中に蒸発し発
光する物質が封入される高圧放電ランプに特に有益であ
るが、例えばキセノン放電ランプのような、希ガスのみ
が封入されたランプに対しても有効であることは勿論で
ある。 【0081】さらに実施の形態3および実施の形態4で
は、封止部502が発光部501から、互いに反対方向
に延在する、いわゆるダブルエンド型のランプについて
説明したが、封止部が1つで、その1つの封止部に一対
の電極が封止される、いわゆるシングルエンド型のラン
プであってもかまわないし、この場合は、本発明のシー
ル構造は、放電ランプではない、発熱コイルを有する電
球にも適用可能である。 【0082】以下の実施の形態5からは、実施の形態3
および実施の形態4に例示した本発明の高圧放電ランプ
を製造する方法に関するものである。 【0083】(実施の形態5)図30から図35は本発
明の実施の形態5に係る高圧放電ランプの製造方法の工
程図である。 【0084】図39において、540は、別の工程で準
備した外管で、石英ガラス管を加熱し膨張させて、所定
の形状に形成された中空の球状の発光部541と、発光
部541の両端から延在する石英ガラス管の側管部54
2a、542bとから構成されている。側管部542
a、542b各々は、その長さ方向にわたり円形で断面
均一であり、発光部541よりも断面は勿論小さい。 【0085】この準備された外管540は、側管部54
2a、542bの内面にタングステン粉末が塗布され
る。図31を基にその詳細を説明する。図31におい
て、543は平均粒径2μmのタングステン粉末と平均
粒径20μmのSiO2粉末を、ニトロセルロースを酢
酸ブチルに溶かして作成した有機バインダーに混合した
溶液である。 【0086】この溶液543を側管部542aに塗布す
る。その作業は図31に示すように、外管540を側管
部542a、542bが上下に位置するように配置し
て、それを矢印544が示すがごとく、上下に移動させ
て行う。側管部542aに塗布し、約10分程度自然乾
燥したのち、今度は外管540の上下を入れ替え、残り
の側管部542bに、同様に溶液543を塗布する。そ
の後、側管部542a、542bに溶液543が塗布さ
れた外管540を、約500℃の温度で30分間、熱処
理を施し、有機バインダーを熱分解させれば、側管部5
42a、542bの内面にはタングステン粉末545が
付着して塗布の工程が完結する。 【0087】次に側管部542aの端部を封止し、図3
2に示すように、別の行程で準備した放電アークに電流
を供給するための導電性金属構造物であるタングステン
電極550を、側管部542bから側管部542aへ挿
入する。ここでタングステン電極550の発光部541
内に配置されアーク放電を維持する端でない、他方の端
には鉄片551が接続されている。この状態で、図には
示していないが回転可能なチャックで側管部542a、
542bを保持し、矢印552で示すように、ガラス管
540を回転させる。そして外管540内を排気しなが
ら、端部がまだ封止されていない側管部542bの端付
近を、加熱し封止する。これは矢印553で略示するよ
うに、例えばレーザーで行う。 【0088】続いて、図33に示すように、今度は、タ
ングステン電極550を挿入した側管部542aが上側
に位置するように、図には示さないが回転可能なチャッ
クにて外管540を保持する。このとき側管部542a
の外側に、移動可能な磁石560を用意して、鉄片55
1に磁力を作用させて、タングステン電極550が下方
向に落下するのを防止し、さらにタングステン電極55
0のアークを保持する端が、発光部541内の所定の位
置に配置されるように、タングステン電極550を側管
部542a内に適切に配置する。 【0089】この状態で外管540を矢印565が示す
ように、ほぼ外管540の長軸を中心にして回転させ、
回転している間に、側管部542a(石英ガラス)を加
熱崩壊せしめる。これは矢印561で略示するレーザー
で行われる。レーザーは側管部542aの適当な長さに
わたって矢印562が示すように上下に移動して側管部
542a(石英ガラス)を軟化崩壊させ、側管部542
aを気密封止する。 【0090】次に図34に示すように外管540をチャ
ックの保持から解放し、側管部542bの封止端を切断
し、一端に鉄片551が接続されているタングステン電
極550を、再び、側管部542bへ挿入する。同時に
発光物質である水銀570を発光部541内に挿入す
る。この作業は、図には示していないが、側管部542
bの開口端部から管状針を挿入し、その先端が発光部5
41の中央近くにきたときに針を止めて行われる。針は
乾燥した比較的低圧のアルゴンガス源に連通しており、
このガス流が針を通して水銀570を押し出す。水銀5
70の封入量は、発光部541の容積や電極間距離によ
り、大いに異なるが、発光部541の内容積が0.45
cc、電極間距離が1.5mmという特定の例では、9
0mgである。 【0091】この状態で、図には示していないが回転可
能なチャックで側管部542a、542bを保持し、矢
印552で示すように、ガラス管540を回転させる。
そして外管540内を真空排気して、今度は、乾燥した
所定量のアルゴンガスを外管540内に導入し、側管部
542bの端付近を、加熱封止する。この加熱は矢印5
53で略示するようにレーザーで行う。 【0092】そして最後に図34に示した側管部542
aの場合と同様に(又は必要ならば水銀570の蒸発を
防止するために発光部541を冷却する手段を付加し
て)、側管部542bを、レーザーにて加熱崩壊せし
め、側管部542bを気密封止する。側管部542a、
542bの端部を切り落とし、タングステン電極550
の鉄片551が接続されている一端を露呈させ、鉄片5
51を除すると、図35に示すタングステン電極550
と石英ガラスとの界面付近にタングステンの粉末545
が分布した、実施の形態3と同様の優れた耐高圧力や気
密性を有する高圧放電ランプが得られる。 【0093】また、図31に示した側管部542a、5
42bにタングステン粉末545を塗布する工程と、図
32に示した側管部542aにタングステン電極550
を封止する工程の間に、タングステン電極550の表面
を酸化処理する工程、例えば陽極酸化処理の工程を付加
した製造方法としてもかまわない。 【0094】(実施の形態6)次に本発明の高圧放電ラ
ンプの製造方法の実施の形態6を説明する。本実施の形
態における高圧放電ランプの製造方法は、先の実施の形
態5に示した製造方法において、図31で説明した、タ
ングステン粉末545を側管部542a、542bに塗
布する工程を、以下に説明するように、側管部542
a、542b内面に、タングステンの薄膜を製膜する工
程に置換したものであり、それ以外の工程は実施の形態
5と同様の製造方法である。 【0095】図36は本実施の形態において、タングス
テンの薄膜を側管部542a、542b内面に製膜する
工程で使用するスパッタリング装置を模式的に示した図
である。図中580a、580bは一対のタングステン
製のスパッタ電極であり、これらは、それぞれ側管部5
42a、542bの開口端から挿入され、側管部542
a内に電極間領域Wspが形成されるように配置されて
いる。 【0096】薄膜は、ほぼこの電極間領域Wspで成長
し、それゆえ電極間領域Wspは、側管部542a(又
は542b)に形成されねばならない。スパッタ電極5
80a、580bそれぞれの一端には、スパッタ中の温
度上昇を抑制するためにアルミニウムの放熱版581が
接続されており、さらに整合器583を介して高周波電
源582が接続されている。この装置にて以下に説明す
るようにタングステンの薄膜を側管部542a、542
b内面に製膜する。 【0097】まず側管部542a、542bの開口端付
近に設置した、略示したフランジ587、588、およ
びOリングシール586により外管541内を真空シー
ルする。この状態でフランジ587に設けた排気口58
5より、図には示さないターボ分子ポンプを主排気ポン
プとする真空装置にて、外管541内を一定のバックグ
ラウンドまで排気する。その後フランジ588に設けた
ガス導入口よりアルゴンガスを導入する。 【0098】アルゴンガスは約3sccm一定の流量で
流される。そして周波数500KHzの高周波電力20
Wをスパッタ電極580a、580b間に印加し、グロ
ー放電を発生させ、タングステンをスパッタする。 【0099】これにより電極間領域Wspにおいて、側
管部542aの内面にタングステンの薄膜が成長する。
所定の時間、放電を持続して100nm程度の膜厚のタ
ングステン薄膜590を製膜した後、今度は側管部54
2b内に、スパッタ電極580a、580bを再配置
し、同様に側管部542b内面にタングステンの薄膜を
製膜する。 【0100】タングステン薄膜590を側管部542
a、542b内面に製膜した後は、図32から図34に
示した実施の形態5と同様の工程により、最終的に図3
7に示すように(これは実質的には図35に示すランプ
と同様の構成である)、タングステン電極550が、タ
ングステン薄膜が拡散分布する石英ガラス層599を介
して、石英ガラスに気密封着されたシール構造を有する
高圧放電ランプを得る事が出来る。 【0101】なお、図36においては、アルゴンガスを
フローさせてスパッタリングを行ったが、所定の圧力の
アルゴンガスを封入した状態でスパッタリングを行って
もよいし、又は酸素ガスのフローを付加して、反応性ス
パッタリングとしても構わない。またタングステン薄膜
590を作成した後、熱酸化やプラズマ酸化などの酸化
処理をさらに行い、酸化タングステン膜としても構わな
い。 【0102】さらに先端を酸化処理したタングステン電
極を使用してもよいし、またモリブデン製のスパッタ電
極を用いて、タングステン薄膜を作成する工程をモリブ
デン薄膜を作成する工程に置換したり、又はそれらの多
層膜を作成する工程に置換して構わない。 【0103】本実施の形態では、一対のスパッタ電極5
80a、580bを側管部542a、又は542bに挿
入してスパッタリングを行う例を説明したが、図38に
示すように、棒状のスパッタ電極592を側管部542
a(又は542b)内に挿入し、筒状のスパッタ電極5
93をスパッタ電極を中心軸として側管部542a(又
は542b)の外周部に配置し、アルゴンガスに置換さ
れた真空チャンバー591内でスパッタリングを行い、
タングステン薄膜590を作成してもかまわない。 【0104】また製膜の方法は、スパッタリング法以外
に、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、真空蒸着
法などであってもよい。このように変形した製膜工程で
あっても、最終的に得られるランプのシール構造は、優
れた耐高圧力や密着性を有する。 【0105】実施の形態5および実施の形態6では、放
電アークに電流を供給するための導電性金属構造物が、
タングステン電極550のみで構成されているランプの
製造方法を例に説明したが、導電性金属構造物が、図3
9や図28(b)で示した従来の箔 シール構造でみられ
る、タングステン電極(図39の102、図28(b)の
510)とモリブデン箔(図39の103、図28(b)
の511)と外部電流導入リード線(図39の104、
図28(b)の512))とから構成されていても、同様
の方法で製造可能である。 【0106】また、同様に水銀だけでなく、金属ハロゲ
ン化物が封入されるランプについても、同様の製造方法
で製造可能であるし、逆に水銀を含まない、例えばキセ
ノン放電ランプの製造も、同様の方法で製造可能であ
り、封入物の種類には制限はされない。また、実施の形
態3から6では、導電性金属構造物がタングステン棒の
場合を例に説明したが,導電性金属構造物はこれに限ら
れるものではなく、例えばタングステン棒とモリブデン
棒とが突き合わせ溶接により一体化された棒状の金属で
あっても良い。 【0107】以上、本発明は好ましい実施例について説
明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、種々
の変形が可能であることは勿論である。本実施の形態で
示した本発明の高圧放電ランプの製造点灯方法は例示で
あって、本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定さ
れるものである。 【0108】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、優れた耐
高圧力および密着性を有し、かつランプの高出力化にも
対応できる高圧放電ランプのシール構造を提供し、そし
てそのようなシール構造を有する高圧放電ランプの製造
を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施の形態による、放電電極
棒と封止部石英ガラスとの間に石英ガラスよりも融点の
低いガラス筒を介在させた封止構造を備えた高圧放電ラ
ンプの構成を示す図。 【図2】 従来の箔封止構造を備えた高圧放電ランプの
構成を示す図。 【図3】 ランプの気密性、耐圧を測定するためのテス
トランプの構成を示す図。 【図4】 電極の長軸に垂直な断面積は、放電アークを
生成する部分に向かって、大きくなるように形成されて
いるランプの構成を示す図。 【図5】 本発明の第2の実施の形態における放電電極
棒の構成を示す図。 【図6】 本発明の第2の実施の形態における電極形成
体を形成するための型の構成図。 【図7】 本発明の第2の実施の形態におけるガラス筒
の構成を示す図。 【図8】 本発明の第2の実施の形態における電極形成
体の製造方法を示す図。 【図9】 本発明の第2の実施の形態における電極形成
体の製造工程を示す図。 【図10】 本発明の第2の実施の形態における電極形
成体の製造方法を示す図。 【図11】 本発明の第2の実施の形態における電極形
成体の構成を示す図。 【図12】 図9と似た工程を示す図。 【図13】 図7と似た構成を示す図。 【図14】 図11と似た構成を示す図。 【図15】 本発明の第2の実施の形態における電極
棒に金属を蒸着する製造方法を示す図。 【図16】 本発明の第2の実施の形態における電極の
構成を示す図。 【図17】 本発明の第2の実施の形態における外管の
構成を示す図。 【図18】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図19】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図20】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図21】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図22】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図23】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図24】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図25】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図26】 本発明の第2の実施の形態における製造方
法の工程を示す図。 【図27】 本発明の実施の形態3の高圧放電ランプを
示す構造図。 【図28】 (a)本発明の実施の形態3のシール構造
を示す構造図。 (b)従来のシール構造を示す構造図。 【図29】 本発明の実施の形態4の高圧放電ランプを
示す構造図。 【図30】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図31】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図32】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図33】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図34】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図35】 本発明の実施の形態5の高圧放電ランプの
製造方法の一工程を示す図。 【図36】 本発明の実施の形態6の高圧放電ランプの
製造方法で使用されるスパッタリング装置の摸式図。 【図37】 本発明の実施の形態6の高圧放電ランプを
示す図。 【図38】 本発明の実施の形態6の別のスパッタリン
グ装置を示す図。 【図39】 従来の高圧放電ランプの箔シール構造を示
す図。 【図40】 従来の高圧放電ランプのロッドシール構造
を示す図。 【符号の説明】 1 発光管部 2 電極封止部 3 放電電極棒 4 ガラス筒 5 封入水銀と金属ハロゲン化物 6 発光管内と電極封止部の境 501 発光部 502 封止部 503 タングステン電極 504 タングステン粉末 505 水銀 506 タングステン薄膜 545 タングステン粉末 550 タングステン電極 580a スパッタ電極 580b スパッタ電極 590 タングステン薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−208831(JP,A) 特開 平3−64851(JP,A) 特開 昭62−115644(JP,A) 特開 昭56−86434(JP,A) 特開 昭55−21898(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/36 H01J 9/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 高融点ガラス質材料からなる発光部と、
    前記高融点ガラス質材料からなり前記発光部から延在す
    る封止部と、前記発光部内部に封止された、少なくと
    も、希ガスおよび、室温で固体もしくは液体の材料と、
    前記発光部内に形成される放電アークに電流を供給す
    る、前記封止部に一部が埋設された導電性金属構造物
    と、前記封止部において高融点ガラス質材料と前記導電
    性金属構造物との境界領域付近に、金属もしくは前記金
    属の酸化物の少なくとも1種類の金属材料が付与され、
    前記導電性金属構造物に対し、高融点ガラス質材料が気
    密に封着する気密封着部とを備えた高圧放電ランプであ
    って 前記気密封着部内の前記導電性金属構造物が、放電アー
    クを保持する側から外部駆動装置に電気的に接続される
    側に向かって連続的に細くなる形状を少なくとも有し、
    前記封止部に箔を用いないことを特徴とする高圧放電ラ
    ンプ。
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