JP2001236926A - 放電ランプ - Google Patents

放電ランプ

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JP2001236926A
JP2001236926A JP2000043225A JP2000043225A JP2001236926A JP 2001236926 A JP2001236926 A JP 2001236926A JP 2000043225 A JP2000043225 A JP 2000043225A JP 2000043225 A JP2000043225 A JP 2000043225A JP 2001236926 A JP2001236926 A JP 2001236926A
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oxide
quartz glass
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molybdenum foil
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JP2000043225A
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Koji Tagawa
幸治 田川
Mitsuru Ikeuchi
満 池内
Toyohiko Kumada
豊彦 熊田
Katsumi Sugaya
勝美 菅谷
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容器の封止部を形成する石英ガラスとモ
リブデン箔との溶着部分に十分に大きな耐圧強度が得ら
れて、その破壊を防止することができ、高いランプの動
作圧力が得られる放電ランプを提供すること。 【解決手段】 本発明の放電ランプは、発光管部と当該
発光管部に連設された封止部とを有する、石英ガラスよ
りなる放電容器を備え、前記発光管部内に配置された電
極を先端に有する電極棒が一端に接合されると共に他端
に外部リード棒が接合されたモリブデン箔が、前記放電
容器の封止部に封止されてなる放電ランプであって、前
記モリブデン箔の表面は、酸化物被覆層が介在された状
態で、封止部を形成する石英ガラスに溶着されているこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電ランプに関し、
詳しくは液晶プロジェクター用光源などとして好適に用
いられる放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば液晶プロジェクターなど
の光学装置用の光源ランプとして、小型で発光効率が高
く、演色性の良好なショートアーク型のメタルハライド
ランプや超高圧水銀ランプが好適に使用されている。な
かでも超高圧水銀ランプは演色性に優れており、最近で
はこの超高圧水銀ランプが液晶プロジェクターなどの光
学装置用ランプとして主流を占めつつある。しかし、こ
の超高圧水銀ランプは、ランプ点灯時の動作圧力が非常
に大きいものであるため、その気密シール部の耐圧強度
は、従来のメタルハライドランプのそれより大きいこと
が要求されている。
【0003】通常、超高圧水銀ランプにおいては、例え
ば、球形または楕円球形の発光管部と、この両端に連設
された封止部とを有する、石英ガラスよりなる放電容器
において、当該発光管部内に対向配置された電極を先端
に有する電極棒の基端部分と接合されたモリブデン箔
が、当該封止部を形成する石英ガラスと直接溶着される
ことにより、気密シール部が形成された構造とされてい
る。そして、当該モリブデン箔にイットリウム酸化物
(Y2 3 )をドープさせて耐圧強度を向上させるなど
の工夫がなされている。
【0004】しかしながら、このような超高圧水銀ラン
プにおいては、そのランプ動作時において、放電容器内
の非常に高い圧力によって、モリブデン箔とこれに溶着
されている石英ガラスとの界面に大きな圧力が作用する
こととなり、その結果、モリブデン箔と石英ガラスとの
界面が剥がれる、いわゆる箔浮き現象が発生し、結果と
して、当該ランプの気密シール部が破壊されてしまう、
という問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に基づいてなされたものであって、その目的は、放
電容器の封止部を形成する石英ガラスとモリブデン箔と
の溶着部分に十分に大きな耐圧強度が得られて、その破
壊を防止することができ、高いランプの動作圧力が得ら
れる放電ランプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の放電ランプは、
発光管部と当該発光管部に連設された封止部とを有す
る、石英ガラスよりなる放電容器を備え、前記発光管部
内に配置された電極を先端に有する電極棒が一端に接合
されると共に他端に外部リード棒が接合されたモリブデ
ン箔が、前記放電容器の封止部に封止されてなる放電ラ
ンプであって、前記モリブデン箔の表面は、酸化物被覆
層が介在された状態で、封止部を形成する石英ガラスに
溶着されていることを特徴とする。
【0007】本発明の放電ランプにおいては、酸化物被
覆層は、シリコン酸化物と、元素周期律表の第3族、第
13族および第14族から選択される、炭素を除く少な
くとも一種の元素の酸化物との複合酸化物からなること
が好ましい。
【0008】上記の放電ランプにおいて、複合酸化物
が、更に、元素周期律表の第1族および第2族から選択
される少なくとも一種の元素の酸化物を含有することが
好ましく、または、酸化物被覆層は、シリコン酸化物と
アルミニウム酸化物とを含有する複合酸化物からなり、
シリコン酸化物の含有割合が50〜95モル%であり、
アルミニウム酸化物の含有割合が5〜50モル%である
ことが好ましい。
【0009】本発明の放電ランプにおいては、酸化物被
覆層を形成する複合酸化物は、放電容器を形成する石英
ガラスの熱膨張率をE[K-1]とするとき、E±1×1
-6[K-1]の範囲内の熱膨張率を有することが好まし
い。
【0010】
【作用】本発明の放電ランプによれば、モリブデン箔の
表面と封止部との間には、例えばシリコン酸化物と、元
素周期律表の第3族、第13族および第14族から選択
される、炭素を除く少なくとも一種の元素の酸化物との
複合酸化物からなる酸化物被覆層が介在されているの
で、気密封止構造の形成時において、当該酸化物被覆層
を形成する複合酸化物は粘性の低いものとなり、これに
より、モリブデン箔との濡れ性が向上することとなり、
当該ランプの動作圧力が大きいものであっても、十分に
大きい耐圧強度を有するものとなり、これにより、気密
封止構造が破壊されることを防止することができる。ま
た、酸化物被覆層を形成する複合酸化物は、封止部を形
成する石英ガラスと同質のシリコン酸化物を含有してな
るので、当該複合酸化物は、石英ガラスと良好に接合す
ることができる。
【0011】酸化物被覆層を形成する複合酸化物は、放
電容器を形成する石英ガラスの熱膨張率をE[K-1]と
するとき、E±1×10-6[K-1]の範囲内の熱膨張率
を有することにより、酸化物被覆層と放電容器との熱膨
張率の違いによるクラックの発生を防止することがで
き、これにより、信頼性の高い気密封止構造が形成され
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
放電ランプについて詳細に説明する。図1は、本発明の
放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図であ
り、また、図2において、(イ)は、図1における放電
ランプのモリブデン箔を拡大して示す説明図であり、
(ロ)は、図2におけるモリブデン箔の説明用断面図で
ある。この例の放電ランプを構成する放電容器10は、
楕円球形の発光管部11と、この発光管部11の両端か
ら外方に伸びるよう連設された封止部12とを有してな
り、石英ガラスにより形成されている。
【0013】放電容器10の発光管部11内には、当該
放電容器10の管軸上において、一対の放電電極13が
対向配置されており、この放電電極13を先端に有する
電極棒14が一端に接合されると共に、他端に外部リー
ド棒16が接合されたモリブデン箔15が、封止部12
において封止されている。そして、発光管部11内に
は、水銀および例えばアルゴンなどの希ガスよりなる封
入ガスが封入されている。これにより、例えば波長38
0〜780nmの可視光の連続スペクトルを放射するこ
とができ、例えば液晶プロジェクターの光源として好適
に用いることができる。
【0014】モリブデン箔15は、図2(ロ)に示すよ
うに、その表面、すなわち当該モリブデン箔15の上面
に位置する電極棒14および外部リード棒16の部分を
含む表面に酸化物被覆層17が形成されている。
【0015】そして、モリブデン箔15は、その表面に
形成された酸化物被覆層17を介して、封止部12を形
成する石英ガラスと溶着接合されることにより、当該酸
化物被覆層17が介在された状態で気密に封止され、こ
れにより気密シール部Hが形成されている。
【0016】酸化物被覆層17は、例えば、放電容器1
0を構成する封止部12を形成する石英ガラスと同質の
シリコン酸化物を必須成分とし、これと、周期律表第3
族、第13族および第14族から選択される、炭素を除
く少なくとも一種の元素の酸化物(以下、「粘性低下促
進酸化物」ともいう。)とからなる複合酸化物よりなる
ものとされる。このような粘性低下促進酸化物として
は、例えば、アルミニウム酸化物、イットリウム酸化
物、ホウ素酸化物、スカンジウム酸化物、ガリウム酸化
物、ゲルマニウム酸化物などを好適に用いることがで
き、特にアルミニウム酸化物を用いることが好ましい。
【0017】また、この粘性低下促進酸化物には、必要
に応じて、周期律表第1族および第2族から選択される
少なくとも一種の元素の酸化物(以下、「補助成分」と
もいう。)を含有させることもできる。このような補助
成分としては、例えば、ナトリウム酸化物、カリウム酸
化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物などを好
適に用いることができる。
【0018】以上のような酸化物被覆層17を形成する
複合酸化物において、シリコン酸化物の含有割合は、例
えば50〜95モル%、好ましくは70〜90モル%で
あり、粘性低下促進酸化物の含有割合は、例えば5〜5
0モル%、好ましくは10〜30モル%であり、また、
当該複合酸化物の接合時における熱膨張率は、放電容器
10を形成する石英ガラスの熱膨張率をE[K-1]とす
るとき、E±1×10 -6[K-1]の範囲内の大きさであ
ることが必要である。特に、粘性低下促進酸化物がアル
ミニウム酸化物よりなる場合には、複合酸化物は、シリ
コン酸化物の含有割合が例えば50〜95モル%、好ま
しくは70〜95モル%であり、アルミニウム酸化物の
含有割合が例えば5〜50モル%、好ましくは5〜20
モル%である。
【0019】この粘性低下促進酸化物の含有割合が過小
である場合には、相対的にシリコン酸化物の含有割合が
高くなることにより、酸化物被覆層が粘性の高いものと
なり、そのため、当該酸化物被覆層とモリブデン箔との
濡れ性が十分に大きいものとならず、結果として、当該
酸化物被覆層とモリブデン箔とが十分な強度を有して接
合されない。一方、この粘性低下促進酸化物の含有割合
が過大である場合には、相対的にシリコン酸化物の含有
割合が低くなることにより、放電容器を構成する封止部
を形成する石英ガラスとの密着性が良好なものとならな
い。
【0020】そして、上述のように、酸化物被覆層17
を形成する複合酸化物は、放電容器10を形成する石英
ガラスの熱膨張率をE[K-1]とするとき、E±1×1
-6[K-1]の範囲内の熱膨張率を有することが好まし
い。この複合酸化物の熱膨張率が、上記の範囲を逸脱す
る場合には、気密シール部にクラックが生ずることとな
り好ましくない。
【0021】以上のような酸化物被覆層17は、例え
ば、次のような工程によりモリブデン箔15の表面上に
形成される。 (1)例えばポリビニルピロリドンなどの高分子材料を
バインダーとし、例えばエチルアルコールなどの有機溶
剤を溶媒として、複合酸化物となるべきシリコン酸化物
および粘性低下促進酸化物を含有するスラリーを調製す
る。 (2)このスラリーを、モリブデン箔15の表面、すな
わち当該モリブデン箔15の上面に位置する電極棒14
および外部リード棒16の部分を含む表面に塗布する。 (3)スラリーが塗布されたモリブデン箔15、電極棒
14および外部リード棒16を水素雰囲気中に投入し、
この雰囲気中の温度を約1時間要して約900〜100
0℃まで昇温させ、この温度下において約10〜30分
間加熱処理する。これにより、当該スラリーが複合酸化
物となって酸化物被覆層17が形成される。
【0022】以上のような構成の放電ランプによれば、
モリブデン箔15の表面と封止部12との間には、例え
ばシリコン酸化物と特定の粘性低下促進酸化物との複合
酸化物からなる酸化物被覆層17が介在されているの
で、当該酸化物被覆層17は、気密シール部Hの形成時
において、その複合酸化物が粘性の低いものとなり、こ
れにより、モリブデン箔15との濡れ性が向上すること
となり、その結果、当該ランプの動作圧力が大きいもの
であっても、十分に大きい耐圧強度を有するものとなっ
て気密シール部Hが破壊されることを防止することがで
きる。また、酸化物被覆層17を形成する複合酸化物
は、封止部12を形成する石英ガラスと同質のシリコン
酸化物を含有してなるので、当該複合酸化物は、石英ガ
ラスと良好に接合することができる。
【0023】更に、酸化物被覆層17を形成する複合酸
化物の粘性低下促進酸化物がアルミニウム酸化物よりな
る場合には、当該複合酸化物は、シリコン酸化物の含有
割合が例えば50〜95モル%であり、アルミニウム酸
化物の含有割合が例えば5〜50モル%であることによ
り、その熱膨張率を、放電容器10を形成する石英ガラ
スの熱膨張率をE[K-1]とするとき、E±1×10-6
[K-1]の範囲内にすることができる。そして、酸化物
被覆層17を形成する複合酸化物の熱膨張率が上記の範
囲内にあることにより、当該複合酸化物と封止部12
(放電容器10)を形成する石英ガラスとの熱膨張率の
違いによるクラックの発生を防止することができ、これ
により、信頼性の高い気密シール部Hが得られる。
【0024】以上のような放電ランプは、既述のよう
に、十分に大きい耐圧強度を有するものであるので、例
えばランプ動作時の圧力が10MPa以上の超高圧ラン
プとして用いることができる。
【0025】以上、本発明の好ましい実施の形態につい
て説明したが、本発明においては、種々の変更を加える
ことができる。すなわち、発光管部内には、例えば金属
ハロゲン化物などのハロゲン含有物質を封入することが
でき、これにより、本発明の放電ランプをメタルハライ
ドランプとすることもできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の放電ランプの具体的な実施例
について説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 <実施例1〜実施例7>下記の表1に示される組成の複
合酸化物の各々を、バインダーであるポリビニルピロリ
ドンおよび溶媒であるエチルアルコールと共に、約1時
間ボールミルにより混合させることによりスラリーを調
製し、このスラリーを、モリブデン箔(15)におけ
る、その上面に位置する電極棒(14)および外部リー
ド棒(16)の部分を含む表面に塗布した。電極棒(1
4)および外部リード棒(16)に接合されたモリブデ
ン箔(15)を水素雰囲気中に投入し、この雰囲気中の
温度を約1時間要して約950℃まで昇温させ、この温
度下において約20分間加熱処理を施すことにより、複
合酸化物を得、これにより、酸化物被覆層(17)を形
成した。形成された各酸化物被覆層(17)は、その粘
度が約20[CP]であり、その厚みは約10μmであ
った。そして、この酸化物被覆層(17)が形成された
モリブデン箔(15)を、封止部(12)となるべき、
内径2.5mm、外径7mmの石英ガラス製の管に入れ
て、アルゴンガスを10MPa導入して排気し、バーナ
ーにより加熱して気密シール部(H)を形成することに
より、下記の仕様を有する放電ランプを製造した。
【0027】 ・放電容器(10) :長さ 70mm ・発光管部(11) :成分 石英ガラス 外径 13mm 内径 7mm ・封止部(12) :成分 石英ガラス 長さ 28mm 外径 5.2mm ・電極棒(14) :長さ 10mm(タングステン) 外径 0.5mm ・モリブデン箔(15):幅 2.0mm ・外部リード棒(16):外径 0.5mm ・定格電力 :150w ・封入物 :アルゴンガス,水銀
【0028】<比較例1>モリブデン箔にイットリウム
酸化物(Y2 3 )をドープさせ、酸化物被覆層を形成
しなかったこと以外は、上記の実施例と同様のランプ仕
様を有する放電ランプを製造した。このときのイットリ
ウム酸化物のドープした量の割合は0.6質量%であっ
た。
【0029】<耐圧強度の評価>図3に示すように、管
状の石英ガラス製容器20に、実施例1〜7および比較
例1に準じたモリブデン箔21を気密封止し、各実施例
および比較例の放電ランプにおける気密シール部と同様
の気密シール部22を形成した。そして、この石英ガラ
ス製容器20の開口部分23にステンレス製管30の一
端を挿入し、当該ステンレス製管30の外周部分にエポ
キシ系接着剤31を充填することにより、放電ランプの
発光管部に対応する気密空間部24を形成し、これによ
り、耐圧試験容器Tを作製した。なお、この図におい
て、25および26は、それぞれ放電ランプの電極棒お
よび外部リード棒に対応したタングステン棒である。ま
た、32はアルコールタンク、33は加圧ポンプ、34
は圧力計、35はロータリーポンプ、36は接続ジョイ
ントである。
【0030】そして、このステンレス製管30の他端よ
り、アルコールタンク32より供給されたアルコール蒸
気を注入し、約0.2MPa/secの速度で気密空間
部24内の圧力を徐々に上昇させて、石英ガラス製容器
20が破壊されたときの圧力(以下、「耐圧強度」とい
う。)を圧力計34により測定した。下記の表1におい
て、各耐圧強度を併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】以上、表1の結果から明らかなように、酸
化物被覆層が介在された状態で、モリブデン箔の表面が
封止部を形成する石英ガラスに溶着されてなる気密シー
ル部によれば、11.3〜20MPa以上の耐圧強度が
得られた。従って、比較例1の放電ランプにおける気密
シール部に比して耐圧強度が113%〜200%も向上
したことが明らかである。
【0033】また、実施例1に係る放電ランプの気密シ
ール部(H)の元素構成を電子プローブ微量分析(EP
MA分析)した結果を図4に示す。この図において、X
は封止部(12)を示し、Yはモリブデン箔(15)を
示す。また、図中のaはアルミニウム、bはシリコン、
cはモリブデンを示す。なお、各元素の表示フルスケー
ルは、モリブデンが20000cps、シリコンが16
000cps、アルミニウムが1000cpsである。
【0034】図4から明らかなように、封止部(12)
とモリブデン箔(15)との間には、アルミニウムが最
も多く存在することが分かる。これにより、モリブデン
箔(15)の表面が、酸化物被覆層(17)が介在され
た状態で、封止部(12)を形成する石英ガラスと溶着
されることにより気密シール部(H)が形成されている
ことが理解される。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放電ラン
プによれば、モリブデン箔の表面と封止部との間には、
例えばシリコン酸化物と、元素周期律表の第3族、第1
3族および第14族から選択される、炭素を除く少なく
とも一種の元素の酸化物(粘性低下促進酸化物)との複
合酸化物からなる酸化物被覆層が介在されているので、
気密封止構造の形成時において、当該酸化物被覆層を形
成する複合酸化物は粘性の低いものとなり、これによ
り、モリブデン箔との濡れ性が向上することとなり、当
該ランプの動作圧力が大きいものであっても、十分に大
きい耐圧強度を有するものとなり、これにより、気密封
止構造が破壊されることを防止することができる。さら
に、元素周期律表の第1族および第2族から選択される
少なくとも一種の元素の酸化物を含有する粘性低下促進
酸化物を用いても、同様な効果を得ることができる。ま
た、酸化物被覆層を形成する複合酸化物は、封止部を形
成する石英ガラスと同質のシリコン酸化物を含有してな
るので、当該複合酸化物は、石英ガラスと良好に接合す
ることができる。
【0036】更に、酸化物被覆層を形成する複合酸化物
は、放電容器を形成する石英ガラスの熱膨張率をE[K
-1]とするとき、E±1×10-6[K-1]の範囲内の熱
膨張率を有することにより、酸化物被覆層と放電容器と
の熱膨張率の違いによるクラックの発生を防止すること
ができ、これにより、信頼性の高い気密封止構造が形成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電ランプの一例における構成を示す
説明用断面図である。
【図2】(イ)は、図1における放電ランプのモリブデ
ン箔を拡大して示す説明図であり、(ロ)は、(イ)に
おけるモリブデン箔の説明用断面図である。
【図3】本発明の放電ランプの実施例および比較例の耐
圧強度の測定方法を示す説明図である。
【図4】本発明の放電ランプの気密シール部における元
素構成を示すために、電子プローブ微量分析を行った結
果を示す図である。
【符号の説明】
10 放電容器 11 発光管部 12 封止部 13 放電電極 14 電極棒 15 モリブデン箔 16 外部リード棒 17 酸化物被覆層 H 気密シール部 20 石英ガラス製容器 21 モリブデン箔 22 気密シール部 23 開口部分 24 気密空間部 25,26 タングステン棒 T 耐圧試験容器 30 ステンレス製管 31 エポキシ系接着剤 32 アルコールタンク 33 加圧ポンプ 34 圧力計 35 ロータリーポンプ 36 接続ジョイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊田 豊彦 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 菅谷 勝美 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 Fターム(参考) 5C043 AA14 BB04 CC02 CD01 DD11 EA11 EB18 EC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管部と当該発光管部に連設された封
    止部とを有する、石英ガラスよりなる放電容器を備え、
    前記発光管部内に配置された電極を先端に有する電極棒
    が一端に接合されると共に他端に外部リード棒が接合さ
    れたモリブデン箔が、前記放電容器の封止部に封止され
    てなる放電ランプにおいて、 前記モリブデン箔の表面は、酸化物被覆層が介在された
    状態で、封止部を形成する石英ガラスに溶着されている
    ことを特徴とする放電ランプ。
  2. 【請求項2】 酸化物被覆層は、シリコン酸化物と、元
    素周期律表の第3族、第13族および第14族から選択
    される、炭素を除く少なくとも一種の元素の酸化物との
    複合酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の
    放電ランプ。
  3. 【請求項3】 複合酸化物が、更に、元素周期律表の第
    1族および第2族から選択される少なくとも一種の元素
    の酸化物を含有することを特徴とする請求項2に記載の
    放電ランプ。
  4. 【請求項4】 酸化物被覆層は、シリコン酸化物とアル
    ミニウム酸化物とを含有する複合酸化物からなり、シリ
    コン酸化物の含有割合が50〜95モル%であり、アル
    ミニウム酸化物の含有割合が5〜50モル%であること
    を特徴とする請求項2に記載の放電ランプ。
  5. 【請求項5】 酸化物被覆層を形成する複合酸化物は、
    放電容器を形成する石英ガラスの熱膨張率をE[K-1
    とするとき、E±1×10-6[K-1]の範囲内の熱膨張
    率を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいず
    れかに記載の放電ランプ。
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