JPH11273621A - セラミック製放電ランプ - Google Patents

セラミック製放電ランプ

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JPH11273621A
JPH11273621A JP7007898A JP7007898A JPH11273621A JP H11273621 A JPH11273621 A JP H11273621A JP 7007898 A JP7007898 A JP 7007898A JP 7007898 A JP7007898 A JP 7007898A JP H11273621 A JPH11273621 A JP H11273621A
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discharge vessel
ceramic
discharge
depth
discharge lamp
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JP7007898A
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Mitsuru Ikeuchi
満 池内
Kazuyuki Mori
和之 森
Akishi Miyanaga
晶司 宮永
Takuya Tsukamoto
卓也 塚本
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色むらの少ない光を放射することができるセ
ラミック製放電ランプを提供すること。 【解決手段】 透光性多結晶セラミックスよりなる放電
容器10と、この放電容器10内に互いに対向するよう配置
された一対の電極21とを具えてなるセラミック製放電ラ
ンプにおいて、放電容器10の表面に、エッチング処理に
よって深さが1μm以上の多数の凹部が形成されてい
る。放電容器10の表面に形成された凹部の深さが1〜
4.6μmであることが好ましく、また、放電容器10を
構成する透光性多結晶セラミックスの平均結晶粒子径が
20〜50μmであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性多結晶セラ
ミックスよりなる放電容器を有するセラミック製放電ラ
ンプに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置のバックライト用光
源や紫外線処理装置の光源として、高圧または低圧の水
銀放電ランプやメタルハライドランプなどの放電ランプ
が使用されている。このような放電ランプでは、透光性
の放電容器の発光管部内に一対の電極が互いに対向する
よう配置されると共に、水銀、希ガス、および必要に応
じて各種の金属ハロゲン化物よりなる発光物質が封入さ
れている。放電ランプの放電容器は、通常、石英ガラス
により形成され、球形または楕円球形の発光管部と、そ
の両端に連設された狭窄管部とを有してなり、先端に電
極を有する電極構造体がこの狭窄管部において封着され
ることによって、当該狭窄管部に気密封止構造が形成さ
れると共に、発光管部内に気密に伸びる電流供給部が構
成されている。
【0003】一方、透光性材料としては、石英ガラスの
他に、例えばアルミナ、イットリア、イットリウム−ア
ルミニウム−ガーネット(いわゆる「YAG」)、ジル
コニアなどの透光性多結晶セラミックスが知られてお
り、この透光性多結晶セラミックスは、石英ガラスに比
較して、機械的強度が大きいこと、耐熱温度が高いこ
と、特定の金属元素に対して優れた耐蝕性を有すること
などの利点を有している。このため、最近においては、
放電容器を透光性多結晶セラミックス、特に、透光性多
結晶アルミナにより形成したセラミック製放電ランプが
注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなセラミック製放電ランプにおいては、以下のような
問題がある。例えば発光物質としてハロゲン化希土類金
属、ハロゲン化アルカリ金属および水銀が放電容器内に
封入されてなるメタルハライドランプにおいては、発光
物質を構成する各金属原子は、それぞれ励起状態におけ
るエネルギー準位が異なるものであるため、アークから
放出される光は、当該アークの部位によって発光色が異
なることが知られている。例えば、水銀による光は、主
としてアークの中心部位において放出され、希土類金属
による光は、アークの中心部位および周辺部位において
放出され、アルカリ金属による光は、アークの中心部位
および周辺部位において放出される。また、直流点灯型
のランプにおいては、アーク中の陽イオンが陰極側に偏
在するカタホレシスと称される現象が生じるため、アー
クにおける陰極側の部位と陽極側の部位とでは、発光色
が異なる。そして、このようなメタルハライドランプに
よって、例えば照明装置や、ファイバー照明装置などの
ように、拡散角の小さい光学系と組み合わせて照明装置
を構成すると、当該照明装置から照射される光には、顕
著な色むらが生ずる、という問題がある。
【0005】このような問題を解決するため、石英ガラ
ス製の放電容器を有する放電ランプにおいては、当該放
電容器の表面に、サンドブラストによってフロスト加工
を施すことが行われている。しかしながら、セラミック
製の放電容器においては、その硬度が高いため、サンド
ブラストによって表面にフロスト加工を施すことは困難
である。また、例えばアルミナ粉などの硬度の高い砂材
を使用してサンドブラストを行うことにより、放電容器
の表面にフロスト加工を施すことも考えられるが、この
ような手段では、放電容器の機械的強度が著しく低下す
る、という問題がある。
【0006】本発明は、以上のような事情に基づいてな
されたものであって、その目的は、透光性多結晶セラミ
ックスよりなる放電容器を具えてなり、色むらの少ない
光を放射することができるセラミック製放電ランプを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック製放
電ランプは、透光性多結晶セラミックスよりなる放電容
器と、この放電容器内に互いに対向するよう配置された
一対の電極とを具えてなるセラミック製放電ランプにお
いて、前記放電容器の表面に、エッチング処理によって
深さが1μm以上の多数の凹部が形成されていることを
特徴とする。
【0008】本発明のセラミック製放電ランプにおいて
は、放電容器の表面に形成された凹部の深さが1〜4.
6μmであることが好ましい。また、放電容器を構成す
る透光性多結晶セラミックスの平均結晶粒子径が20〜
50μmであることが好ましい。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、アークから放出される光
は、放電容器の表面に形成された特定の深さの多数の凹
部によって散乱する。そのため、放電容器を通過する光
は、当該放電容器において混光され、その結果、色むら
の少ない光が放電容器の外部に放射される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセラミック製放電
ランプについて詳細に説明する。図1は、本発明のセラ
ミック製放電ランプの一例における構成を示す説明用断
面図である。このセラミック製放電ランプにおいて、放
電容器10は、放電空間Sを囲繞する大略球形状の発光
管部11と、この発光管部11の両端から外方に伸びる
よう連設された直管状の狭窄管部12とを有してなり、
透光性多結晶セラミックスにより形成されている。
【0011】ここに、放電容器10を構成するセラミッ
クスとしては、透光性アルミナ多結晶体、透光性イット
リウム−アルミニウム−ガーネット多結晶体、透光性イ
ットリア多結晶体を用いることができるが、これらのう
ち、アルミナ多結晶体が特に好ましい。また、放電容器
10は、通常、発光管部11の最大外径が4〜10m
m、内容積は0.05〜1.5cm3 、狭窄管部12の
外径は1.8〜2.6mm、内径は0.3〜1.0m
m、長さは9〜15mm、全長は26〜34mmとされ
る。
【0012】放電容器10の表面には、エッチング処理
によって深さが1μm以上、好ましくは1〜4.6μm
の多数の凹部が形成されている。この凹部は、例えば放
電容器10を構成する透光性多結晶セラミックスの粒界
に形成されている。本発明において、「凹部の深さ」と
は、JIS B 0601に規定されている十点平均粗
さを意味する。この凹部の深さが1μm未満である場合
には、当該放電容器において十分に光が散乱しないた
め、色むらの少ない光を放射することが困難となる。一
方、凹部の深さが4.6μmを超える場合には、放電容
器10の機械的強度が低下したり、或いは、放電容器1
0の表面積が相当に大きいものとなるため、当該放電容
器10の表面に吸着する水分の量が増大し、その結果、
ランプの始動電圧が上昇することなどの不具合が生じた
りすることがある。
【0013】放電容器10のエッチング処理としては、
熱エッチング処理または化学的エッチング処理が用いら
れる。このようなエッチング処理によれば、放電容器1
0の機械的強度を低下させることなく、当該放電容器1
0の表面に凹部を容易にかつ確実に形成することができ
る。熱エッチング処理は、高温で熱処理を行うことで蒸
発速度の違いによって粒界部分がくぼみ、放電容器10
の表面に対してエッチングを行う方法である。具体的に
は、熱エッチング処理は、水素分圧が水蒸気分圧より高
く、かつ、全圧が1×10-2Pa以下の雰囲気下におい
て、処理温度が1300〜1600℃、処理時間が1〜
24時間の条件で行われる。上記の条件で熱エッチング
処理を行うことにより、放電容器10の表面に例えば1
〜2μmの深さの凹部を形成することができる。
【0014】化学的エッチング処理は、放電容器10を
構成する透光性多結晶セラミックスの結晶粒子の粒界に
存在する酸化物などの不純物を、エッチング剤によって
分解して除去することにより、放電容器10の表面に対
してエッチングを行う方法である。 具体的には、化学
的エッチング処理は、硫酸、塩酸などの酸の水溶液をエ
ッチング剤として用い、高蒸気圧下において、処理温度
が100〜250℃、処理時間が0.2〜24時間の条
件で行われる。このような化学的エッチング処理によれ
ば、放電容器10の表面に例えば1〜8μmの深さの凹
部を形成することができる。
【0015】また、放電容器10を構成する透光性多結
晶セラミックスは、その平均結晶粒子径が20〜50μ
mのものであることが好ましい。本発明において、「平
均結晶粒子径」とは、「インターセプト長の1.5倍」
を意味する。ここに、「インターセプト長」とは、以下
の方法により測定されるものをいう。透光性多結晶アル
ミナの焼結体の表面を、例えばダイヤモンドペーストに
より研磨し、この研磨された面を粒界が現れるようプラ
ズマエッチング処理した後、走査型電子顕微鏡(SE
M)により、プラズマエッチング処理された面の写真を
撮影する。得られた写真に、適宜の寸法の正方形を描
き、この正方形にその横辺および縦辺の各々に平行な直
線を等間隔で引くことにより、正方形内に同一の寸法の
枡目を形成し、正方形の4辺および枡目を形成する直線
の各々を横切る粒界の数を測定する。そして、正方形の
4辺および枡目を形成する直線の合計の長さ(写真上で
の長さ)をLとし、正方形の4辺および枡目を形成する
直線の各々を横切る粒界の数をnとしたとき、インター
セプト長はL/nの値である。例えば、一辺が300μ
mの正方形内に一辺が30μmの正方形の枡目を形成し
た場合には、正方形の4辺および枡目を形成する直線の
合計の長さLは6600μmであり、正方形の4辺およ
び枡目を形成する直線の各々を横切る粒界の数nが33
0である場合には、インターセプト長は20μmであ
り、平均結晶粒子径は30μmである。
【0016】透光性多結晶セラミックスの平均結晶粒子
径が20μm未満である場合には、得られる放電容器1
0は透光性が低いもの(例えば全光線透過率が95%以
下)となることがある。一方、透光性多結晶セラミック
スの平均結晶粒子径が50μmを超える場合には、放電
容器10の表面に凹部を形成することによる混光効果が
低くなる傾向にある。
【0017】放電容器10内には、一対の電極21が発
光管部11内において互いに対向するよう配置されてい
る。この電極21は、狭窄管部12内から発光管部11
内に間軸に沿って伸びる電極棒22の先端部に金属コイ
ルが巻き付けられて形成されている。電極棒22の基端
には、当該電極棒22と同方向に伸びる棒状のリード線
23が例えば溶接により一体に連結されて電気的に接続
された状態とされている。具体的には、電極21が発光
管部11内に位置すると共にリード線23の先端が外部
に位置され、また電極棒22の基端側部分およびリード
線23の先端以外の部分が狭窄管部12内に位置された
状態とされている。ここに、電極棒22および金属コイ
ルの材質としては例えばタングステンなどが用いられ、
リード線23の材質としては例えばニオブなどが用いら
れる。
【0018】そして、これらの電極棒22、リード線2
3、並びに後述するスリーブ26により構成される電極
構造体が放電容器10の狭窄管部12に挿通されてい
る。具体的には、電極21が発光管部11内に位置する
と共にリード線23の先端が外部に位置され、また電極
棒22の基端側部分およびリード線23の先端以外の部
分が狭窄管部12内に位置された状態とされている。
【0019】更に、狭窄管部12におけるスリーブ26
よりも外方に位置する外端側部分には気密封止構造が形
成されている。具体的には、フリットが狭窄管部12の
外端側部分内に注入されて、スリーブ26の外端(図2
で右端)から突出する電極棒22の基端部およびリード
線23と狭窄管部12の内壁面との間の間隙に封止材3
0が充填されると共に、狭窄管部12の外端部上に封止
材30のビード部31が外方に突出するよう形成され、
このビード部31内に、リード線23の中間部分が埋没
された状態で固定され、リード線23の先端部はこの封
止材30のビード部31から外部に突出した状態とされ
ている。
【0020】放電容器10の発光管部11内には、例え
ばハロゲン化希土類金属、ハロゲン化アルカリ金属およ
び水銀が封入され、その他に、バッファーガスとして、
アルゴン、キセノン、ネオン−アルゴンなどの希ガスが
封入されている。
【0021】上記のセラミック製ランプによれば、放電
容器10の表面にエッチング処理によって深さが1μm
以上の多数の凹部が形成されているため、電極21間に
生ずるアークから放出される光が、放電容器10を通過
する際に、その表面に形成された凹部によって散乱する
ことにより、当該放電容器10において混光され、その
結果、色むらの少ない光を放電容器10から外部に放射
することができる。また、放電容器10の表面の凹部の
深さを4.6μm以下とすることにより、放電容器10
の機械的強度の低下が回避されると共に、放電容器10
の表面に吸着する水分の量が増大することがなくて所期
のランプ特性を有するセラミック製放電ランプが得られ
る。
【0022】本発明のセラミック製放電ランプを例えば
メタルハライドランプとして実施する場合には、図2に
示すように、放電容器10を内管とし、この放電容器1
0を取り囲むよう、外管40が設けられることが好まし
い。具体的に説明すると、図示の例の外管40は、一端
に排気管残部41を有し、他端にピンチシール42を有
してなり、石英ガラスまたは硬質ガラスにより形成され
ており、外管40の内部空間Nは排気されることによっ
て例えば1×10-3Pa以下の真空状態とされている。
外管40のピンチシール部42には、モリブデンよりな
る一対の金属箔43が互いに離間して埋設されており、
金属箔43の各々の内端部(図で左端部)には、接続用
リード44を介してリード線23が電気的に接続され、
金属箔43の各々の外端部には、外管40の管軸方向に
伸びる給電用リード45が接続されている。また、外管
40内には、例えばジルコニウム−アルミニウム合金よ
りなるゲッター46が配置されており、このゲッター4
6は、適宜の位置に設けられた支柱(図示省略)に、ス
ポット溶接により固定されている。このような構成の二
重管構造のランプ装置では、内管である放電容器10の
発光管部11の温度状態を高い温度に安定して維持する
ことができると共に、温度分布の均一化を達成すること
ができるため、放射される光の放射方向依存性が軽減ま
たは解消される。
【0023】本発明の放電ランプの具体的構造は図示の
ものに限られず、種々の構成とすることができる。例え
ば、電極構造体において、リード線23を分割して内方
リード線が電極棒22と直接接続され、当該内方リード
線の外周にニオブのスリーブが配置された構成とするこ
とができる。また、スリーブの代わりにコイルを設ける
構成、あるいはスリーブやコイルを有しない構成とする
こともできる。更に、放電容器は、両端封止型のものに
限られず、一端封止型のものであってもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明のセラミック製放電ランプの具
体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。なお、以下の実施例および比較
例において、放電容器の表面の凹部の深さは、非接触型
の表面粗さ計により測定した、JIS B 0601に
規定する十点平均粗さ(基準長さ0.8mm,評価長さ
4mm,ろ波うねり曲線に沿っての長さ)の値を示す。
【0025】〈実施例1〉図1に示す構成に従い、平均
粒子径が約30μmの透光製多結晶アルミナよりなり、
発光管部(11)の最大外径が5.8mm,内容積が1
00mm3 であり、狭窄管部(12)の外径が1.8m
m、内径が0.75mm(肉厚0.5mm)、全長が3
0mmの放電容器(10)を作製した。この放電容器
(10)の表面の凹部の深さは、0.6μmであった。
上記の放電容器(10)に対して、全圧が約3×10-3
Pa(水素ガス分圧2×10-3Pa,水蒸気分圧1×1
-3Pa)、処理温度が1450℃、処理時間が8時間
の条件で熱エッチング処理を行うことにより、当該放電
容器(10)の表面に、深さが1.1μmの多数の凹部
を形成した。
【0026】下記の条件により、図1に示す構成に従っ
て電極構造体(20)を作製すると共に、フリットガラ
スおよび固体発光物質を用意した。電極棒(21)とし
ては、先端に直径が0.1mmのタングステンコイルが
巻付けられて(巻き数:4)電極(21)が形成され
た、外径が0.2mmのタングステン線よりなるものを
使用した。リード線(23)としては、外径が65mm
のニオブ線を使用した。スリーブ(26)としては、外
径が0.72mm、長さが6mmの多結晶アルミナより
なるものを使用した。フリットガラスとしては、Dy2
3 −Al2 3 −SiO2 系のフリットを使用した。
固体発光物質としては、DyI3 −TlI−NaI(組
成比が33:10:57(重量%)のもの〕3.6mg
および水銀2.2mgを使用した。
【0027】上記の放電容器(10)、電極構造体(2
0)、フリットガラスおよび固体発光物質の各々に対し
て、雰囲気圧力が5×10-4Pa,処理温度が1000
℃,処理時間が30分間の条件で脱ガス処理を行った。
そして、電極構造体(20)を放電容器(10)内に配
置し(電極間距離3.5mm)、フリットガラスを加熱
して溶融し、これを電極棒(22)およびリード線(2
3)と放電容器(10)の狭窄管部(12)との間に充
填する共に、放電容器(10)内に、固体発光物質およ
びアルゴンガス(封入圧13kPa)を封入することに
より、定格電力が20Wのセラミック製放電ランプを製
造した。
【0028】〈実施例2〉放電容器(10)の熱エッチ
ング処理において、処理時間を16時間に変更すること
により、当該放電容器(10)の表面に深さが1.6μ
mの多数の凹部を形成したこと以外は、実施例1と同様
にして定格電力が20Wのセラミック製放電ランプを製
造した。
【0029】〈実施例3〉放電容器(10)対して、熱
エッチング処理の代わりに下記の条件で化学的エッチン
グ処理を行うことにより、当該放電容器(10)の表面
に深さが2.8μmの多数の凹部を形成したこと以外
は、実施例1と同様にして定格電力が20Wのセラミッ
ク製放電ランプを製造した。内壁がフッ素樹脂よりなる
オートクレーブ内に、10%硫酸水溶液を仕込み、この
オートクレーブ内において、放電容器(10)を200
℃で15分間加熱した。
【0030】〈実施例4〉放電容器(10)の化学的エ
ッチング処理において、処理時間を30分間に変更する
ことにより、当該放電容器(10)の表面に深さが4.
0μmの多数の凹部を形成したこと以外は、実施例3と
同様にして定格電力が20Wのセラミック製放電ランプ
を製造した。
【0031】〈実施例5〉放電容器(10)の化学的エ
ッチング処理において、処理時間を45分間に変更する
ことにより、当該放電容器(10)の表面に深さが4.
6μmの多数の凹部を形成したこと以外は、実施例3と
同様にして定格電力が20Wのセラミック製放電ランプ
を製造した。
【0032】〈実施例6〉放電容器(10)の化学的エ
ッチング処理において、処理時間を1時間に変更するこ
とにより、当該放電容器(10)の表面に深さが5.5
μmの多数の凹部を形成したこと以外は、実施例3と同
様にして定格電力が20Wのセラミック製放電ランプを
製造した。
【0033】〈実施例7〉放電容器(10)の化学的エ
ッチング処理において、処理時間を2時間30分間に変
更することにより、当該放電容器(10)の表面に深さ
が6.5μmの多数の凹部を形成したこと以外は、実施
例3と同様にして定格電力が20Wのセラミック製放電
ランプを製造した。
【0034】〈比較例1〉放電容器(10)の熱エッチ
ング処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様に
して定格電力が20Wのセラミック製放電ランプを製造
した。
【0035】〈比較例2〉放電容器(10)の熱エッチ
ング処理において、処理時間を4時間に変更することに
より、当該放電容器(10)の表面に深さが0.9μm
の多数の凹部を形成したこと以外は、実施例1と同様に
して定格電力が20Wのセラミック製放電ランプを製造
した。
【0036】〈実験例〉実施例1〜7および比較例1〜
2に係るセラミック製放電ランプについて、下記のよう
にして放射光の色むらを評価すると共に、始動電圧を測
定した。結果を表1に示す。 色むらの評価方法:セラミック製放電ランプと、外径が
70mmの狭角ビームミラー(3m離れたスクリーン上
に投射したときに、中心から26.5cm離間した位置
における照度が中心の照度の1/2の値となるよう設計
された、反射面にディンプルを有しないもの)とにより
ランプ装置を構成し、このランプ装置からの光を当該ラ
ンプ装置から3m離れた個所に配置したスクリーン上に
投射する。そして、このスクリーン上において、一辺が
30cmの正方形の領域を設定し、当該正方形の領域の
中心点、頂点および4辺の各々の中間点(合計9点)に
おける色温度を測定し、これらの色温度の最大値と最小
値との差を求めた。この差が200K以内であれば、通
常、色むらは気にならない程度のものである。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜7に係るセラミック製放電ランプは、放電容器の表面
に深さが1μm以上の多数の凹部が形成されているた
め、色むらが極めて少ない光を放射するものであること
が確認された。また、実施例1〜5に係るセラミック製
放電ランプは、放電容器の表面に形成された凹部の深さ
が1〜4.6μmの範囲にあるため、始動電圧が700
V以下で十分に低いものであることが確認された。これ
に対し、比較例1〜2に係るセラミック製放電ランプ
は、放電容器の表面に形成された凹部の深さが1.0μ
m未満であるため、放射される光の色むらが著しいもの
であった。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明のセラミック製ラ
ンプによれば、放電容器の表面にエッチング処理によっ
て深さが1μm以上の多数の凹部が形成されているた
め、電極間に生ずるアークから放出される光が、放電容
器を通過する際に、その表面に形成された凹部によって
散乱することにより、当該放電容器において混光され、
その結果、色むらの少ない光を放電容器から外部に放射
することができる。
【0040】また、放電容器の表面の凹部の深さを4.
6μm以下とすることにより、放電容器の機械的強度の
低下が回避されると共に、放電容器の表面に吸着する水
分の量が増大することがなくて所期のランプ特性を有す
るセラミック製放電ランプが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック製放電ランプの一例におけ
る構成を示す説明用断面図である。
【図2】本発明のセラミック製放電ランプによる二重管
構造のランプ装置の構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 放電容器 S 放電空間 11 発光管部 12 狭窄管部 20 電極構造体 21 電極 22 電極棒 23 リード線 26 スリーブ 30 フリットガラス 31 フリットガラスのビード部 40 外管 41 排気管残部 42 ピンチシール部 43 金属箔 44 接続用リード 45 給電用リード N 外管の内部空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮永 晶司 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 塚本 卓也 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性多結晶セラミックスよりなる放電
    容器と、この放電容器内に互いに対向するよう配置され
    た一対の電極とを具えてなるセラミック製放電ランプに
    おいて、 前記放電容器の表面に、エッチング処理によって深さが
    1μm以上の多数の凹部が形成されていることを特徴と
    するセラミック製放電ランプ。
  2. 【請求項2】 放電容器の表面に形成された凹部の深さ
    が1〜4.6μmであることを特徴とする請求項1に記
    載のセラミック製放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電容器を構成する透光性多結晶セラミ
    ックスの平均結晶粒子径が20〜50μmであることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミック
    製放電ランプ。
JP7007898A 1998-03-19 1998-03-19 セラミック製放電ランプ Withdrawn JPH11273621A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006120805A1 (ja) * 2005-05-12 2006-11-16 Harison Toshiba Lighting Corp. メタルハライド放電ランプおよびメタルハライド放電ランプシステム
EP2190005A3 (en) * 2008-11-25 2012-07-11 NGK Insulators, Ltd. Light-emitting container for high-intensity discharge lamp and high-intensity discharge lamp

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