JP3116754U - 和服装飾具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汚れや損傷の有無に関係なく和服の開口部を華やかに又はお洒落に装飾して、和服の着用時の美観を高めることができる和服装飾具を提供すること。
【解決手段】 和服装飾具1は、袖口52の縁部に沿ってその袖口52の内周面に添着されるものであり、主として、袖口52を装飾するための装飾用布帛2と、その装飾用布帛2を袖口52の内周面に着脱可能に添着させる貼着シート3とを備えている。装飾用布帛2は、その幅方向一端部にあたる折り目側端部8が袖口52の縁端から外方へ向けて僅かに突出されており、貼着シート3は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成されている。貼着シート3は、その一方側の粘着面が袖口52の内周面に貼着されており、その他方側の粘着面が装飾用布帛2の裏部6のうち袖口52縁端からの突出部分を除いた箇所に貼着されている。
【選択図】 図2

Description

本考案は、和服の開口部、例えば、襟部、袖口、身八口、振八口又は裾部などの内周面を華やかに又はお洒落に装飾する和服装飾具に関するものである。
和服を着用した場合において、その襟部、二箇所の袖口、二箇所の身八口、二箇所の振八口(振り又は振り口ともいう。)又は、裾部などの開口部は、着用者の動きに伴って揺れ動き易い部位であり、その意味で周囲からの注目を惹きやすく、和服の美観を高める隠れたアクセントポイントである。
しかしながら、上記した和服の開口部は、いずれも着用者の身体が擦れ動く部位でもあるため汚れたり損傷したりして美観が損なわれやすく、アクセントポイントとして有効に機能し辛いという問題点があった。また、和服の開口部内周面は、汚れやすい上に、一旦汚れてしまうと専門家の手によらなければ、汚れを落とすことが難しく、常に美しく維持し続けることが極めて困難であるという問題点もあった。
本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、汚れや損傷の有無に関係なく和服の開口部を華やかに又はお洒落に装飾して、和服の着用時の美観を高めることができる和服装飾具を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の和服装飾具は、装飾対象となる和服の開口部内周面を装飾するためのものであり、和服とは別体の長尺帯状の布帛地で形成され、その布帛地の一面側に設けられ装飾模様が施される表部と、その表部と表裏の関係にあって前記布帛地の他面側に設けられ自らの幅方向一端側に装飾模様が少なくとも施される裏部とを有する装飾部材と、その装飾部材の前記裏部を和服の開口部内周面に向けて、その装飾部材の前記裏部のうち前記装飾模様のある幅方向一端部を和服の開口部縁端から僅かに外方へ突出させた状態で、その装飾部材を和服の開口部内周面に着脱可能に添着させる添着部材とを備えている。
この請求項1記載の和服装飾具によれば、装飾部材が添着部材により和服の開口部内周面に添着されると、その和服の開口部内周面には装飾部材の表部の装飾模様が現され、和服の開口部縁端からは装飾部材の裏部の装飾模様が僅かに現され、これらの装飾模様によって和服の開口部に美的アクセントが付与される。
請求項2記載の和服装飾具は、請求項1記載の和服装飾具において、前記装飾部材は、前記表部及び裏部の全体に装飾模様が施され、その表部および裏部が略同一幅ずつ表裏に折り重ねられ、その非折り目側の端部を相互に縫合することで帯状に形成され、更に、前記表部および裏部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、前記添着部材は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成され、その一方側の粘着面が和服の開口部内周面に貼着され、その他方側の粘着面が前記装飾部材の前記裏部における前記突出部分を除く部分に貼着されるものである。
請求項3記載の和服装飾具は、請求項2記載の和服装飾具において、前記装飾部材の前記表部および裏部にはそれぞれ異なる装飾模様が施されている。
請求項4記載の和服装飾具は、請求項1記載の和服装飾具において、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープを備えており、前記装飾部材は、前記両面粘着テープの一方側の粘着面に貼着される前記表部と、その表部の幅方向一端側からその表部の幅より小さく折り返されて前記両面粘着テープの他方側の粘着面に貼着される前記裏部とを備え、更に、その裏部および表部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、前記添着部材は、前記両面粘着テープの他方側の粘着面のうち、前記装飾部材の前記裏部との非貼着部分である。
請求項5記載の和服装飾具は、請求項4記載の和服装飾具において、前記装飾部材は、前記添着部材によって和服の開口部内周面に添着される場合、前記突出部分の突出長さが前記裏部の折返し長さより小さく形成されている。このため、装飾部材が両面粘着テープを介して和服に添着された場合に、その両面粘着テープが和服の開口部外周面側に露出することを防止できる。
請求項6記載の和服装飾具は、請求項1記載の和服装飾具において、前記装飾部材は、前記表部の幅方向一端側からその表部の幅より小さく折り返されることで前記裏部が形成されると共に、その折り返しにより二つ折り状となった前記表部及び裏部を纏り縫いにより縫合することで帯状に形成され、更に、前記表部および裏部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、前記添着部材は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成され、その一方側の粘着面が和服の開口部内周面に貼着され、その他方側の粘着面が前記装飾部材における前記裏部形成側の面に貼着されており、なおかつ、前記添着部材を形成する両面粘着テープは、前記突出部分を除いて前記表部および裏部の双方に跨って設けられるものである。
請求項7記載の和服装飾具は、請求項1から6のいずれかに記載の和服装飾具において、前記装飾部材は、襟部、袖口、身八口、振八口、又は、裾部の周囲長さと略等しい長さの帯状体に形成されている。よって、和服の襟部、袖口、身八口、振八口又は裾部の内周面ほぼ全周に沿って装飾部材を周着させることができる。
請求項8記載の和服装飾具は、請求項1から7のいずれかに記載の和服装飾具において、前記装飾部材における和服の開口部縁端から突出される前記突出部分の突出長さは、和服の開口部縁端部の厚みと略等しい。装飾部材の突出部分の突出長さとしてはごく僅かではあるが、和服の全体的美観を害することなく、控えめながらも一層効果的なアクセントを和服の開口部外周面側に付与することができる。
本考案によれば、隠れたアクセントポイントである和服の開口部を装飾部材の装飾模様によって華やかに又はお洒落に装飾することで、和服の着用時の美的装飾性を高めることができるという効果がある。しかも、装飾部材は和服の開口部縁端から僅かに外方へ突出されるので、和服の開口部外周面側に控えめながらも、装飾部材の裏部の装飾模様による美的装飾性を与えて、尚かつ、あたかも内側に別の着物を重ね着したような風合いを和服の開口部に付与できるという効果がある。
また、例えば、和服の開口部内周面に黄ばみや変色又は汚れがみられるような場合でも、和服の開口部内周面に装飾部材を添着させることで、これらを覆い隠すことができて、臆することなく和服を着用できるという効果もある。しかも、装飾部材を新品の和服に添着すれば、かかる和服の開口部の汚れや損傷を防ぐこともでき、更に、装飾部材が汚れたり損傷した場合には、添着部材を和服から剥がして装飾部材を交換できるという効果もある。
また、請求項2記載の和服装飾具によれば、装飾部材は同一幅ずつ表裏に折り重ねられた表部及び裏部の全体に装飾模様が施されているので、例えば、装飾部材の表部が汚れた場合に装飾部材を裏返して再度添着させれば、まだ汚れていない装飾部材の裏部によって和服の開口部内周面を装飾することができるという効果がある。
また、請求項3記載の和服装飾具によれば、装飾部材の表部と裏部とは互いに異なる装飾模様が施されているので、その時々の好みや状況に応じて装飾部材の表裏を入れ替えることで、異なる装飾模様によるアクセントを楽しむことができるという効果がある。
また、請求項4記載の和服装飾具によれば、装飾部材の表部は両面粘着テープの一方側の粘着面に粘着され、装飾部材の裏部は両面粘着テープの他方側の粘着面に粘着され、両面粘着テープにおける装飾部材の裏部との非貼着部分が添着部材となるので、表部及び裏部を表裏に折り返して相互に縫合する必要もなく、本考案に係る物品を極めて簡素に製造することができるという効果がある。
更に、請求項6記載の和服装飾具によれば、和服の開口部縁端から突出される突出部分は、装飾部材における表部および裏部の折り目側の縁端部であるが、かかる縁端部は裏部が表部に対して纏り縫いにより縫合されるので、かかる装飾部材が和服の開口部内周面に添着される場合に表部の表面に現れる裏部の縫目を目立ち難くできるという効果がある。
また、表部及び裏部の折り目側の縁端部は二つ折り状に折り重なって始末されるので、例えば、三つ折り状にして布端の始末をする場合に比べて、装飾部材の折り目側の縁端部を薄く仕上げることができるという効果がある。しかも、添着部材は、和服の開口部縁端から突出される突出部分を除いて表部及び裏部の双方に跨って覆設されるので、この添着部材により裏部の布端を被覆でき、かかる裏部の布端が解れて破損することを防止できるという効果がある。
以下、本考案の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本考案の一実施例である和服装飾具1(図2参照)が使用される和服50の正面図である。本実施例の和服装飾具1は、図1に示すような和服50の開口部の内周面、例えば、襟部(襟裏)51、袖口52、振八口53、身八口54又は裾部55のうち少なくともいずれか1つの内周面に添着(貼着)されて、和服50を装飾するためのものである。
なお、図1では、本考案の和服装飾具1が適用される和服50として袷仕立てのものを図示しているが、本考案の和服装飾具1が適用される和服50の種類は必ずしもこれに限定されるものではなく、単仕立てのものや襦袢など他の種類の和服であっても良い。
以下説明する各実施例では、和服装飾具が装着される和服の開口部として袖口を用いて説明する。また、各実施例において用いる装飾用布帛、表部、又は、裏部の幅とは、これらを平面視した場合における短手方向の長さのことをいう。更に、図3、図6及び図8では、便宜上、装飾用布帛の幅方向の一部を省略して図示するものとする。
図2は、第1実施例の和服装飾具1が袖口52の内周面に添着される状態を示した斜視図であり、図中の破線は、装飾用布帛2の縫合用の糸4を示している。また、実際の装飾用布帛2は袖口52の全周に添着されるものではあるが、図2では、説明の便宜上、装飾用布帛2の一部のみを図示し、更に部分的に折り返した状態を図示している。
図2に示すように、和服装飾具1は、袖口52の縁部に沿ってその袖口52の内周面に添着されるものであり、主として、袖口52を装飾するための装飾用布帛2と、その装飾用布帛2を袖口52の内周面に着脱可能に添着させる貼着シート3とを備えている。装飾用布帛2は、袖口52とは別体に形成される長尺帯状の布帛地であり、その布帛2が添着される袖口52の周囲長さと略等しい長さに形成されている。
装飾用布帛2は、その一面側(図3上側)に設けられる表部5とその他面側(図3下側)に設けられる裏部6とを有しており、これらの表部5及び裏部6の外面全体にはそれぞれ異なる所定の装飾模様7,8が施されている。なお、装飾用布帛2の装飾模様7,8は単色のものでも多色のものでも良く、更に、本実施例において相互に異なる形態とされた装飾模様7,8を、相互に同種のものとするようにしても良い。
また、装飾用布帛2の素材として使用される布帛地は、例えば、正絹などの天然繊維であっても、ポリエステルなどの化学繊維であっても良い。更に、装飾用布帛2の幅は、例えば、袖口52用のものであれば略15mm、振八口53用又は身八口54用のものであれば略50〜70mm、襟部51用又は裾部55用のものであれば略20mm程度とするのが好ましい。
図3は、図2のII−II線における横断面図であり、図4は、和服装飾具1が装着された袖口52の正面図である。図3に示すように、装飾用布帛2は、1枚の布帛地を表裏に略同一幅ずつ折り重ねたものであり、その非折り目側端部9を糸4で相互に縫合することで帯状に形成されている。そして、この装飾用布帛2は、その幅方向(図3左右方向)一端部にあたる折り目側端部10が袖口52の縁端から外方(図3右方)へ向けて僅かに突出されている。
ここで、装飾用布帛2の折り目側端部10の突出長さL1は、和服50の着用者の好みに応じて適宜調節可能であるが、例えば、袷仕立ての和服50などに使用する場合には袖口52の縁部の厚みtと略等しい略1.5mm〜数mm程度とすることで、図4に示すように、和服50の全体的美観を害することなく、控えめながらも一層効果的なアクセントを袖口52の外側(袖口の外周面側)に付与することができる。
図3に戻って説明する。貼着シート3は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成されている。この貼着シート3は、その一方側の粘着面(図3下側面)が袖口52の内周面に貼着されており、その他方側の粘着面(図3上側面)が装飾用布帛2の裏部6のうち、袖口52縁端からの突出部分(図3のL1の部分)を除いた箇所(袖口52内周面と対向する箇所)に貼着されている。つまり、貼着シート3は、袖口52と装飾用布帛2との対向面間に介装されることで、かかる両者を面接合させている。
次に、図5から図8を参照して、上記実施例の変形例について説明する。図5は、第2実施例の和服装飾具20が袖口52の内周面に添着される状態を示した斜視図であり、図6は、図5のVI−VI線における横断面図である。また、実際の和服装飾具20は袖口52の全周に添着されるものではあるが、図5では、説明の便宜上、装飾用布帛2の一部のみを図示し、更に部分的に折り返した状態を図示している。
第2実施例の和服装飾具20は、上記した第1実施例の和服装飾具1に対して、装飾用布帛の構造を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。まず、図5に示すように、第2実施例の和服装飾具20は、袖口52の縁部に沿ってその袖口52の内周面に添着されるものであり、主として、袖口52を装飾するための装飾用布帛21と、その装飾用布帛21を袖口52の内周面に着脱可能に添着させる貼着シート22とを備えている。
装飾用布帛21は、袖口52とは別体に形成される長尺帯状の布帛地であり、その布帛21が添着される袖口52の周囲長さと略等しい長さに形成されている。装飾用布帛21は、その一面側に設けられる表部23とその他面側に設けられる裏部24とを有しており、これらの表部23及び裏部24の外面全体には所定の装飾模様(図示せず)が施されている。また、貼着シート22は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成されている。なお、装飾用布帛21の表部23の幅は、上記した第1実施例における装飾用布帛2の幅と略等しくするのが好ましい。
図6に示すように、装飾用布帛21は、1枚の布帛地の幅方向一端側(図6右側)を折り返したものであって、その表部23が貼着シート22の一方側の粘着面(図6上側)に貼着され、その裏部24が表部23の幅方向一端側から表部23の幅より小さく折り返されて貼着シート22の他方側の粘着面(図6下側面)に貼着されている。このように表部23及び裏部24が粘着シート22にそれぞれ貼着されることで、装飾用布帛21は定常的に二つ折りの形態とされるのでもある。また、ここに貼着シート22の他面側の貼着面のうち裏部24との非貼着部分22aは、袖口52の内周面に貼着されて、装飾用布帛21を袖口52に添着させる部分である。
また、装飾用布帛21は、その幅方向一端部にあたる折り目側端部25(図6左側)が袖口52の縁端から外方(図6右方)へ向けて僅かに突出されている。ここで、装飾用布帛21は、貼着シート22によって袖口52の内周面に添着される状態において、袖口52の縁端からの突出長さL1が裏部24の折返し長さL2より小さく形成されている(L1<L2)。これによって、装飾用布帛21の裏部24が袖口52の縁端部と重なり合う格好となり、貼着シート22が袖口52から露出することが防止される。
次に、図7は、第3実施例の和服装飾具30の平面図であり、図8は、図7のVIII−VIII線における横断面図であって、和服装飾具30が袖口52に添着された状態を示している。この第3実施例の和服装飾具30は、上記した第1実施例の和服装飾具1に対して、装飾用布帛の構造を変更したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明する。なお、図7では、和服装飾具30の長手方向の一部を省略して図示している。
図7に示すように、第3実施例の和服装飾具30は、上記した袖口52の縁部に沿ってその袖口52の内周面に添着されるものであり、主として、袖口52を装飾するための装飾用布帛31と、その装飾用布帛31を袖口52の内周面に着脱可能に添着させる貼着シート32(図8参照)とを備えている。装飾用布帛31は、袖口52とは別体である1枚の長尺帯状の布帛地で形成されており、その布帛31が添着される袖口52の周囲長さと略等しい長さに形成されている。
また、この装飾用布帛31は、その四辺の縁端部がいずれも二つ折り状に裏側(図7の紙面奥側)に折り返されて始末されており、その四辺のうち、布帛31の幅方向一端側の縁辺に相当する一辺(図7中の上辺)が「纏り縫い」により縫合され(図7中の符号35)、残る三辺(図7中の左辺、右辺及び下辺)が「直線縫い」により縫合されている(図7中の符号36)。
なお、本実施例によれば、装飾用布帛31の四辺の縁端部のうちで「纏り縫い」が施されている縁端部(35)のみが、後述する表部33及び裏部34の折り目側の縁端部に相当するものであって、図8に示すように袖口52から突出される部分として用いられるものである。従って、装飾用布帛31の「直線縫い」が施された残る三辺に設けられた折返し部分は、この装飾用布帛31の裏部34として機能するものではない。
図8に示すように、装飾用布帛31は、その一面側(図8上側)に設けられる表部33とその他面側(図8下側)に設けられる裏部34とを有しており、これらの表部33及び裏部34の外面全体には所定の装飾模様(図示せず)が施されている。装飾用布帛31は、表部33の幅方向一端側(図8右側)からその表部33の幅(図8中の左右方向長さ)より小さく折り返されることで裏部34が形成され、この折り返された裏部34が表部33に対して「纏り縫い」により縫合されている。
また、貼着シート32は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成され、その一方側の粘着面が和服50の袖口52の内周面に貼着され、その他方側の粘着面が装飾用布帛31における裏部34形成側の面(図8中の布帛31の下側面)に貼着されている。ここで、粘着シート32は、袖口52からの突出部分(図8中の右端部分)を除いて表部33および裏部34の双方に跨って覆設されるので、この粘着シート32によって裏部34の布端34aを被覆して、かかる布端34aの解れを防止することができる。
以上、実施例に基づき本考案を説明したが、本考案は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲内で、寸法、形状又は素材などについて種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、第2実施例では、装飾用布帛21は、袖口52の内周面に添着される場合に、袖口52の縁端からの突出長さL1が裏部24の折返し長さL2より小さく形成されていると説明したが、この突出長さL1と折返し長さL2とが略等しくなるように装飾用布帛を袖口52に添着するようにしても良い。
本考案の一実施例である和服装飾具が使用される和服の正面図である。 和服装飾具が袖口の内周面に添着される状態を示した斜視図である。 図2のII−II線における横断面図である。 和服装飾具が装着された袖口の正面図である。 第2実施例の和服装飾具が袖口の内周面に添着される状態を示した斜視図である。 図5のVI−VI線における横断面図である。 第3実施例の和服装飾具の平面図である。 図7のVIII−VIII線における横断面図であって袖口に添着された状態を示している。
符号の説明
1,20,30 和服装飾具
2,21,31 装飾用布帛(装飾部材)
3,32 貼着シート(添着部材)
5,23,33 表部(表部、布帛地の一面側)
6,24,34 裏部(裏部、布帛地の他面側)
7,8 装飾模様
9 非折り目側端部(装飾部材の非折り目側の端部)
10,25 折り目側端部(突出部分、和服の開口部縁端からの突出部分、装飾部材の幅方向一端側)
22 貼着シート(両面粘着テープ)
22a 非粘着部分(添着部材)
50 和服(装飾対象たる和服)
51 襟部(和服の開口部)
52 袖口(和服の開口部)
53 振八口(和服の開口部)
54 身八口(和服の開口部)
55 裾部(和服の開口部)
L1 突出長さ(突出部分の突出長さ)
L2 折返し長さ(裏部の折返し長さ)
t 厚み(和服の開口部縁端部の厚み)

Claims (8)

  1. 装飾対象となる和服の開口部内周面を装飾するための和服装飾具において、
    和服とは別体の長尺帯状の布帛地で形成され、その布帛地の一面側に設けられ装飾模様が施される表部と、その表部と表裏の関係にあって前記布帛地の他面側に設けられ自らの幅方向一端側に装飾模様が少なくとも施される裏部とを有する装飾部材と、
    その装飾部材の前記裏部を和服の開口部内周面に向けて、その装飾部材の前記裏部のうち前記装飾模様のある幅方向一端部を和服の開口部縁端から僅かに外方へ突出させた状態で、その装飾部材を和服の開口部内周面に着脱可能に添着させる添着部材とを備えていることを特徴とする和服装飾具。
  2. 前記装飾部材は、前記表部及び裏部の全体に装飾模様が施され、その表部および裏部が略同一幅ずつ表裏に折り重ねられ、その非折り目側の端部を相互に縫合することで帯状に形成され、更に、前記表部および裏部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、
    前記添着部材は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成され、その一方側の粘着面が和服の開口部内周面に貼着され、その他方側の粘着面が前記装飾部材の前記裏部における前記突出部分を除く部分に貼着されるものであることを特徴とする請求項1記載の和服装飾具。
  3. 前記装飾部材の前記表部および裏部にはそれぞれ異なる装飾模様が施されていることを特徴とする請求項2記載の和服装飾具。
  4. 表裏に粘着面が形成される両面粘着テープを備えており、
    前記装飾部材は、前記両面粘着テープの一方側の粘着面に貼着される前記表部と、その表部の幅方向一端側からその表部の幅より小さく折り返されて前記両面粘着テープの他方側の粘着面に貼着される前記裏部とを備え、更に、その裏部および表部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、
    前記添着部材は、前記両面粘着テープの他方側の粘着面のうち、前記装飾部材の前記裏部との非貼着部分であることを特徴とする請求項1記載の和服装飾具。
  5. 前記装飾部材は、前記添着部材によって和服の開口部内周面に添着される場合、前記突出部分の突出長さが前記裏部の折返し長さより小さく形成されていることを特徴とする請求項4記載の和服装飾具。
  6. 前記装飾部材は、前記表部の幅方向一端側からその表部の幅より小さく折り返されることで前記裏部が形成されると共に、その折り返しにより二つ折り状となった前記表部及び裏部を纏り縫いにより縫合することで帯状に形成され、更に、前記表部および裏部の折り目側の縁端部が和服の開口部縁端から突出される突出部分であり、
    前記添着部材は、表裏に粘着面が形成される両面粘着テープで形成され、その一方側の粘着面が和服の開口部内周面に貼着され、その他方側の粘着面が前記装飾部材における前記裏部形成側の面に貼着されており、
    なおかつ、
    前記添着部材を形成する両面粘着テープは、前記突出部分を除いて前記表部および裏部の双方に跨って設けられるものであることを特徴とする請求項1記載の和服装飾具。
  7. 前記装飾部材は、襟部、袖口、身八口、振八口、又は、裾部の周囲長さと略等しい長さの帯状体に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の和服装飾具。
  8. 前記装飾部材における和服の開口部縁端から突出される前記突出部分の突出長さは、和服の開口部縁端部の厚みと略等しいことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の和服装飾具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018168489A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 守住 木村 着物

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