JP3116079B2 - ヌクレオチドの新規な製法 - Google Patents

ヌクレオチドの新規な製法

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JP3116079B2
JP3116079B2 JP03514505A JP51450591A JP3116079B2 JP 3116079 B2 JP3116079 B2 JP 3116079B2 JP 03514505 A JP03514505 A JP 03514505A JP 51450591 A JP51450591 A JP 51450591A JP 3116079 B2 JP3116079 B2 JP 3116079B2
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アール ブロードフエラー,ポール
ジー ホーエル,ヘンリー
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インスティチュート オブ オーガニック ケミストリ アンド バイオケミストリ アカデミー オブ サイエンス オブ ザ チェコ リパブリック
レガ シュティヒティング ブイゼットダブリュ
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はヒドロキシホスホニルメトキシプロピルヌク
レオチドの新規な製法および該製法で製造される新規な
中間体に関する。
〔背景技術〕
3−ヒドロキシ−2−(ホスホニルメトキシ)プロピ
ル(HPMP)側鎖を有するヌクレオチド類似体は広い活性
スペクトルを有する強力な抗ウイルス化合物として報告
されている。この組に属する化合物の例には、HPMP−ア
デニン(HPMPA)、HPMP−グアニン(HPMPG)およびHPMP
−シトシン(HPMPC)が包含される。HPMP−置換ヌクレ
オチドはキラル中心を含有し、そして生物活性は一方の
鏡像体中に存し、他方には存しないと想定されてきた。
従って、入手容易でかつ安価な出発物質を用いて活性鏡
像体を選択的に生成し得る合成方法を開発するのが望ま
しい。
ブロンソン(Bronson)等(J.Med.Chem.,1989年、32:
1457)は、シトシンを3−O−ベンジル−2−O−
〔(ジエチルホスホニル)メチル〕−3−O−(メチル
スルホニル)グリセロールとカップリングさせ、次いで
脱保護して生成物を得ることを包含する(S)−HPMPC
の合成を報告している。グリセロール出発物質はキラル
(R)−グリセロールアセトナイドから誘導される。
ホリイ(Holy)等(Coll.Czech.Chem.Comm.,1989年,5
4:2470)は、(R)−グリセロールアセトナイドトシレ
ートを4−メトキシ−2−ピリミジノンと反応させ、得
られた生成物を1−〔(2,3−ジヒドロキシ)プロピ
ル〕シトシンに変換させることによる(S)−HPMPCの
合成を報告している。後者の化合物をクロロメチルホス
ホニルジクロライドと反応させ、そして生成物を塩基接
触作用による転位によって(S)−HPMPCに変換させ
る。
グリセロールアセトナイドはまた(S)−HPMPA〔ウ
ェブ(Webb)、「Nucleosides and Nucleotides」、198
9年、8:619〕およびHPMPG〔テリイ(Terry)等、Antivi
ral Res.,1988年、10:235〕の合成にも使用されてい
た。これらの操作はいずれも出発物質として高価なキラ
ルグリセロールアセトナイドの使用を必要とし、そして
中間体化合物のクロマトグラフィーによる精製を必要と
する多工程方法を包含している。
グリシドールをアデニン、シトシンまたはウラシルと
反応させて2,3−ジヒドロキシプロピル置換ヌクレオチ
ドを形成させる反応は、上田等によりJ.Heterocyclic C
hem.,1971年、8:827に報告されている。(±)−グリシ
ドールをチミンまたは5−フルオロウラシルと反応させ
るのは、セイター(Seiter)等によりBull.Chem.Soc.Jp
n.,1973年、46:1572に報告されている。先行技術には、
本発明に係る既知の方法にまさる顕著な改善をなしてい
るHPMP−ヌクレオチドの製法が開示されていないし、示
唆もされていない。
〔発明の開示〕
本発明によれば、ヒドロキシホスホノメトキシプロピ
ル(HPMP)ヌクレオシド抗ウイルス化合物の新規にして
改良された製法が提供される。本発明の方法は置換され
ていてもよいプリンまたはピリミジンベースを置換され
ていてもよいグリシドールと反応させ;先の工程でグリ
シドールを使用されているときは、このようにして形成
された中間体の第一ヒドロキシ基を保護し;この生成物
をメタンスルホネート誘導体と反応させ;そして種々の
保護基を除去して最終生成物を形成させる各工程を包含
している。
本発明の方法は入手容易なプリンおよびピリミジンベ
ースおよびグリシドールを出発物質としている。本発明
の方法によれば、異性体分離およびその次のクロマトグ
ラフィー精製の必要性をなくすことにより、材料および
労働コスト双方の経済性に利点を生じ;そして、先行技
術の方法とは異って、本発明の方法は最終生成物の大規
模の合成に適している。更に、本発明の方法は立体特異
性であり、そして、キラルグリシドールを出発物質とし
て、ラセミ化なしに生成物を生成させる。
(発明の構成) 本発明に係るHPMP−型ヌクレオシド抗ウイルス性化合
物の製法は反応式(I)で示される。
反応式(I)において、Bはプリンまたはピリミジン
ベースであり;B′はプリンまたはピリミジンベースある
いは保護されたプリンまたはピリミジンベースであり;L
は通常の脱離基であり;R1はヒドロキシ保護基であり;
そしてR2は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であ
る。
「プリンまたはピリミジンベース」には、限定される
ものではないが、アデニン、グアニン、チミン、ウラシ
ル、シトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、8−ブロ
モグアニン、8−クロログアニン、8−アミノグアニ
ン、8−ヒドラジノグラニン、8−ヒドロキシグアニ
ン、8−メチルグアニン、8−チオグアニン、2−アミ
ノプリン、2,6−ジアミノプリン、5−エチルシトシ
ン、5−メチルシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨ
ードウラシル、5−エチルウラシル、5−プロピルウラ
シル、5−ビニルウラシルおよび5−ブロモビニルウラ
シルが包含される。
「保護されたプリンまたはピリミジン」とは、所望の
反応を妨げ得る官能基が塩基性条件下で安定な基でブロ
ックされているプリンまたはピリミジンベースを称す
る。例えば、シトシンの4−アミノ基がベンゾイル基で
ブロックされていてよい。
「脱離基」には、限定されるものではないが、ハライ
ド例えばクロライド、ブロマイドおよびアイオダイド;
メシレート;およびトシレートが包含される。「アルキ
ル」は、直鎖および有枝鎖炭素鎖双方を包含する。「ヒ
ドロキシ保護基」は例えばトリチル、アリルおよびベン
ゾイル基を包含する。
反応式(I)において、第I工程は式(III b)の化
合物の製造を包含する。プリンまたはピリミジンベース
B′を相当する陰イオンを発生させるためにまず塩基で
処理する。塩基は特に限定されるものではなく、金属水
素化物例えば水素化ナトリウムおよび水素化カリウム、
金属カーボネート例えば炭酸ナトリウムおよび炭酸カリ
ウム、ならびに金属アルコキサイド例えばカリウムt−
ブトキサイド;塩基は好ましくは接触量で使用される。
プリンまたはピリミジンベースが、反応性を有して本
発明の方法の反応条件下で望ましくない生成物を形成し
得る官能基を1個もしくはそれ以上含有している場合、
例えばシトシンおよびアデニンの4−アミノ基、および
グアニンの2−アミノおよび4−オキソ基の場合、この
ような官能基はヌクレオシド化学で普通に使用されてい
る保護基を用いて保護されていてもよい。例えば、アデ
ニンおよびシトシンの4−アミノ基はベンゾイルで保護
することができ、グアニンの4−オキソおよび2−アミ
ノ基はトリフェニルメチル基で保護することができる。
このような保護基の導入およびその次の除去の方法の選
択は当業者が周知である。
系中に生じた陰イオンB′はグリシドール(II a)
と反応して式(III a)の2,3−ジヒドロキシヌクレオシ
ドを生じる。式(III a)の化合物の第1アルコールは
ホスホネート基を付加する前に保護する。しかし、本発
明の方法については、グリシドール反応剤は第1アルコ
ールが保護されているもの、すなわち式(II b)の化合
物であるのが好ましい。保護されたグリシドールとB′
との反応は、未保護のグリシドールを用いる反応よりも
高い収率で、相当する式(III b)の生成物を一貫して
生じる。ヒドロキシ保護基は例えばフェニル基が置換基
を有していないか、またはフェニル基の1個またはそれ
以上が例えばメトキシ;またはアリル、ベンジル等で置
換されているトリフェニルメチル−タイプであってよ
い。好ましくは、ヒドロキシ保護基はトリフェニルメチ
ル型化合物の群から選択される。
反応は不活性双極性非プロトン性有機溶媒例えばジメ
チルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン(NM
PO)、ジメチルスルホキシドおよびヘキサメチルホスホ
ルアミド中所望の生成物の形成に好ましい温度で実施さ
れ;一般には反応温度は上昇され、約50〜150℃であっ
てよい。好ましくは、反応は約100℃乃至約120℃で実施
される。出発物質B′およびグリシドールはモル当量で
用いるか、あるいは一方もしくは他方の試薬を若干過剰
量、例えば他方に比して約2当量までで使用してもよ
い。好ましくは、B′はグリシドールの約1.3当量まで
の量で過剰に使用する。
本発明の方法の第2工程は、メタンホスホネート部分
を式(III b)の化合物の第二ヒドロキシ基に導入する
ことを包含している。この工程を実施するに先立って、
B′が保護されていない官能基を含有しているときは、
このものは随意保護されていてもよい。例えば、シトシ
ンの4−アミノ基はN,N−ジメチルホルムアミドまたは
そのアセタールで処理して相当するジメチルホルムアミ
ジノ誘導体に変換することができる。
それで、式(III b)の化合物はまず塩基で処理して
相当するアルコキサイド陰イオンを生じさせる。塩基は
金属水素化物例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム
または水素化リチウム;および金属アルコキサイド例え
ばカリウムt−ブトキサイド、またはナトリウムメトキ
サイド等であってよい。次に、アルコキサイド陰イオン
を含有する反応混合物をメタンホスホネートLCH2P
(O)(OR2(IV)(式中、Lは脱離基であり、そ
してR2は先の定義のとおり1〜5個の炭素原子を有する
アルキル基である)で処理して式(V)の保護されたHP
MPヌクレオシドを与える。Lは好ましくはp−トルエン
スルホネート(トシレート)、メタンスルホネート(メ
シレート)およびトリフルオロメタンスルホネート(ト
リフレート)からなる群から選択され;そしてR2は好ま
しくは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基例えばメ
チル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルであ
る。
この方法の第3工程は、プリンまたはピリミジンベー
スのホスホン酸系保護基すなわちR2、ヒドロキシ保護
基、および存在しているときは、任意の保護基の除去を
包含している。ホスホネートは、トリアルキルシリルハ
ライド例えばトリメチルシリルブロマイドまたはトリメ
チルシリルアイオダイドで処理し、次いで任意に水を添
加することにより母体の酸に変換されることができる。
プリンまたはピリミジンベース上のヒドロキシ保護基お
よび存在しているときは、他の保護基を除去するのに使
用される方法は言うまでもなく保護基の性状に左右さ
れ;典型的な脱保護技術の例には酸または塩基接触加水
分解、水素添加または金属媒介脱保護があげられる。
本発明の方法の好ましい態様では、反対順序を出発物
質から最終生成物に至るまで形成される中間体化合物を
単離、精製することなく好都合に実施される。中間体の
費用のかかる労力強化の単離、精製の必要性がなくなる
ことは、先行技術の方法にまさる著しい改善を示してい
る。本発明の別の利点は、グリシドール反応剤の立体化
学が方法全体にわたって維持され、その結果所望の立体
配位を有する最終生成物がラセミ化なしで得られること
にある。
本発明の方法は広範囲のHPMP置換プリンおよびピリミ
ジン塩基の合成に適用可能であるが、特にヒドロキシホ
スホノメトキシプロピルシトシン(HPMPC)、特に
(S)−HPMPCの合成に適用し得る。(S)−HPMPCの製
造に適した本発明の好ましい態様を反応式(II)に具体
的に示す。
反応式(II)において、Trはトリフェニルメチルであ
り、そしてTsはトシルである。N4−ベンゾイルシトシン
(VI)を上昇した温度で非プロトン性極性有機溶媒中塩
基で処理することによりその陰イオン形態に変換され
る。適当な塩基は例えば水素化ナトリウム、カリウムt
−ブトキサイド、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム等
であり、適当な溶媒は例えばジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホールアミド等であり;そして典型的
な反応温度は約70℃乃至約150℃の範囲にある。次い
で、(S)−〔(トリフェニルメトキシ)メチル〕オキ
シランを上記反応溶液に加え、そして溶液を上昇した温
度に維持して(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(2−ヒ
ドロキシ−3−トリフェニルメチル)プロピル〕−シト
シン(VII)の形成を行う。
上で得られた脱保護された(2,3−ジヒドロキシ)プ
ロピルシトシンを氷浴温度で金属水素化物例えば水素化
ナトリウムで処理し、次にジエチルトシルオキシメチル
ホスホネートで処理して化合物、(S)−N4−ベンゾイ
ル−N1−〔〔(2−ジエチルホスホニルメチル)−3−
トリフェニルメチル〕プロピル〕シトシン(VIII)とす
る。
次に、トリチル保護基は、先に得られた化合物(VII
I)を酸性媒質例えば塩酸で約0〜5℃で処理すること
により、除去して式(IX)の化合物を提供する。広い範
囲の他の酸をこの工程を達成するのに使用することがで
き、例としては酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、臭化亜
鉛、酸性イオン交換樹脂が包含され、これらは列記した
もので小数例である。適当な反応温度および時間は当業
者によって容易に確定することができる。
脱トリチル化に次いで、得られた化合物(X)を室温
でトリアルキルシリルハライド例えばトリメチルシリル
ブロマイドで処理してジエチルホスホネートをホスホン
酸に変換させる。この後者の化合物を次に塩基例えば水
酸化アンモニウムで処理してベンゾイル保護基を除去
し、所望の最終生成物(S)−HPMPCとする。
(S)−HPMPCの別の好ましい製法を反応式(III)に
具体的に示す。
反応式(III)において、シトシンを塩基例えば先に
列挙したものの存在下に(S)−〔(トリフェニルメト
キシ)メチル〕オキシランとカップリングさせて式(X
I)のシトシン誘導体とする。次に、式(XI)の4−ア
ミノ基を、ジメチルホルムアミドまたはそのアセタール
で処理して、相当するジメチルホルムアミジン誘導体
(XII)に変換する。化合物(XII)を前述の如くジエチ
ルトシルオキシメチルホスホネートで塩基促進アルキル
化に付して、式(XIII)の化合物とする。化合物(XII
I)を酸性媒質中脱保護し、そしてその生成物を例えば
トリメチルシリルブロマイドで処理して(S)−HPMPC
とする。
反応式(IV)に具体的に示した如く、(S)−HPMPC
の他の好ましい製法において、式(XI)のシトシン誘導
体を塩基で処理し、次いでジエチルトシルオキシメチル
ホスホネートで処理して式(XV)の化合物とする。後者
の化合物を酸で処理してトリチル保護基を除去し、そし
て式(XIV)の化合物が得られ、このものを前述の如く
(S)−HPMPCに変換する。
本発明の別の特徴は、(S)−HPMPCの合成での新規
な中間体に関する。これらには、式(VII)、(VII
I)、(IX)、(X)、(XII)および(XV)の化合物が
包含される。
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明の方法を以下の実施例で更に詳しく説明する。
これらの実施例は本発明の範囲を制限するものと解すべ
きではない。
製造例I.(±)−トリフェニルメトキシメチルオキシラ
ン トリメチルクロライド(18.816g、0.067モル)を無水
メチレンクロライド(54ml)中の(±)−グリシドール
(5g、0.067モル)およびトリエチルアミン(13.84g、
0.137モル)のかくはん溶液に加えた。室温で15時間か
くはんした後、反応液を水(2×10ml)および食塩水
(20ml)で洗滌した。有機相を無水Na2SO4で乾燥した後
蒸発させると黄色フォームが得られ、このものをシリカ
ゲル(ヘキサン中5%EtOAc)で精製すると標記化合物
(17.64%、82.6%)が固体として得られた。
1H NMR(CDCl3):2.62(dd,J=2.4および5.2Hz,1H),
2.77(t,J=4.5Hz,1H),3.08−3.18(m,2H),3.29−3.8
0(m,1H),7.20−7.38(m,3H),7.45−7.52(m,2H). 製造例II.(S)−トリフェニルメトキシメチルオキシ
ラン 5入り3つ口丸底フラスコに、トリチルクロライド
(133.8g、0.48モル)およびメチレンクロライド(400m
l)を入れた。このものをN2下0℃に冷却し、そしてト
リエチルアミン(70.7g、0.70モル)で処理した。0℃
で1時間かくはんした後、メチレンクロライド(100m
l)中(R)−グリシドール(88%ee、37.03g、0.5モ
ル)の溶液を0.75時間かけて加えた。得られた溶液を周
囲の温度に加温し、3時間かくはんした。次に、このも
のを濾過し、濾液を水(2×500ml)および食塩水(2
×500ml)で洗った。有機相をMgSO4で乾燥し、濃縮する
とフォームとなり、このものをイソプロピルアルコール
から結晶化させると標記化合物(116.2g、76.5%)が灰
色がかった白色の粉末として得られた。
〔α〕=−6.01(C=1、MeOH) 実施例1.(±)−N1−〔(2,3−ジヒドロキシ)プロピ
ル〕シトシンの製造 乾燥DMF(6ml)中のシトシン(0.55g、4.95ミリモ
ル)、(±)−グリシドール(0.404g、5.45ミリモル)
および無水炭酸カリウム(5mg、0.04ミリモル)を71℃
で3時間かくはんした。グリシドール(4)は反応混合
物のTLCによると完全に反応していた。DMFを高真空で留
去し、そして得られた黄色味をおびた濃厚な液体をシリ
カゲル(3g)に吸着させた。このものをシリカゲルカラ
ムの頂部にのせ、これを酢酸エチル中20%MeOHで溶離す
ると標記化合物とグリシドールから誘導される重合体と
の混合物が得られた。エタノールから結晶化させると標
記化合物(0.44g、52.3%)が固体として得られた。
融点:169〜171℃ UV:λmax274nm(ε=8,083). 1H NMR(DMSO−d6):3.11−3.47(m,3H),3.55−3.75
(m,1H),3.88(dd,J=3.3および13.3Hz,1H),4.71(t,
J=5.8Hz,1H),4.95(d,J=5.3Hz,1H),5.61(d,J=7.1
Hz,1H),7.00(bd,J=23.7Hz,2H),7.44(d,J=7.1Hz,1
H). 分析値C7H11N3O3・0.5H2Oに対する計算値: C,43.30;H,6.23;N,21.63 実測値:C,43.33;H,5.92;N,21.38 実施例2.(S)−N1−〔(2,3−ジヒドロキシ)プロピ
ル〕シトシン 実施例1に記載の如く、乾燥DMF(20ml)中無水炭酸
カリウム(40mg、0.289ミリモル)の存在下にシトシン
(2.2g、19.8ミリモル)と(R)−グリシドール(88%
ee、1.51ml、22.8ミリモル)との反応により、43.1%収
率で標記化合物(88%ee)が得られた。
実施例3.(±)−N1−[(2,3−ジヒドロキシ)プロピ
ル]シトシンのトリチル化による(±)−N1−[(2−
ヒドロキシ−3−トリフェニルメトキシ)プロピル]シ
トシンの製造 (a)1.1当量グリシドールの使用 乾燥DMF(5ml)中のシトシン(0.55g、4.95ミリモ
ル)、(±)−グリシドール(0.362ml、5.46モル)お
よび無水炭酸カリウム(5mg)の混合物を71℃で3時間
かくはんした。このものを室温に冷却し、そしてDMAP
(0.031g、0.25ミリモル)、乾燥ピリジン(0.783g、9.
9ミリモル)およびトリチルクロライド(1.48g、5.2ミ
リモル)で処理した。得られた反応混合物を80℃で3時
間、次いで室温で17時間攪拌した。このものを酢酸エチ
ル(60ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(2×15m
l)、水(15ml)および食塩水(15ml)で洗いそしてMgS
O4で乾燥した。酢酸エチルを蒸発させるとぱりぱりのフ
ォーム(1.98g)が得られ、そしてシリカゲルでのクロ
マトグラフィー(酢酸エチル中10〜15%メタノール)で
精製すると結晶性固体として標記化合物(0.74g、35
%)が得られた。
融点:227〜228℃ UV:λmax274nm(ε=7,149). 1H NMR(DMSO−d6):2.81−2.98(m,2H),3.26−3.42
(m,1H),3.85−3.97(m,1H),4.02(dd,J=4.7および1
4.2Hz,1H),5.23(d,J=5.8Hz,1H),5.54(d,J=7.1Hz,
1H),7.93(bd,2H),7.1−7.29(m,16H). (b)1.5当量グリシドールの使用 乾燥DMF(2.5ml)中のシトシン(0.275g、2.48ミリモ
ル)、(±)−グリシドール(0.281g、3.7ミリモル)
および無水炭酸カリウム(2.5mg、0.018ミリモル)を70
℃で1.5時間かくはんした。DMFを減圧で留去した。得ら
れた固体のPMRは、このものが89:11の比で(±)−N1
〔(2,3−ジヒドロキシ)プロピル〕シトシンおよびシ
トシンを含有していることを示した。
上記固体を乾燥ピリジン(4ml)に溶解し、そしてト
リチルクロライド(0.602g、2.14ミリモル)およびDMAP
(13mg)を室温で順次加えた。85℃で3時間かくはんし
次いで上記実施例3(a)に記載の如く処理すると、フ
ォーム状固体(0.88g)が得られた。メチレンクロライ
ドおよびトルエンから結晶させると標記化合物(0.360
g、34%)が得られた。母液を濃縮し、そしてシリカゲ
ルクロマトグラフィー(酢酸エチル中10%メタノール)
により精製すると標記化合物(60mg、5.7%)および
(±)−N1−〔〔2−〔(2−ヒドロキシ−3−トリフ
ェニルメトキシ)プロピルオキシ〕−トリフェニル−メ
トキシ〕プロピル〕シトシン(以下本文でダイマーと称
する)(10mg、0.8%)が得られた。
(c)2当量グリシドールの使用 2当量の(±)−グリシドールを用いて上記実験をく
り返すと39.6%の収率で標記化合物および1.6%の収率
でダイマーが得られた。
実施例4.シトシンと(±)−トリフェニルメトキシメチ
ルオキシランとの反応による(±)−N1−〔(2−ヒド
ロキシ−3−トリフェニルメトキシ)プロピル〕シトシ
ンの製造 (a)接触量のNaHの使用 シトシン(80mg、0.72ミリモル)を乾燥DMF(3ml)中
の80%NaHのかくはん懸濁液に加えた。室温で1時間後
に(±)−トリチルオキシメチル−オキシラン(0.19
g、0.6ミリモル)を反応混合物に加え、そしてかくはん
を106℃で5時間続けた。反応は反応混合物のTLCで指示
される如く完了した。このものを冷却し、そしてDMFを
真空で留去した。得られた固体を酢酸エチル(20ml)と
水(2ml)との間で分配した。有機相を分離し、水(5m
l)でもう一度洗い、そしてNaSO4で乾燥した。酢酸エチ
ルを蒸発させると褐色の固体(0.28g)が得られ、この
ものをメチレンクロライド−トルエンから結晶化させる
と81.7%の収率で標記化合物(0.21g)が得られた。
(b)1当量のNaHの使用 無水DMF(4ml)中の(±)−トリチルオキシメチルオ
キシラン(0.190g、0.6ミリモル)、シトシン(67mg、
0.6ミリモル)および水素化ナトリウム(80%、18mg、
0.6ミリモル)を用いて上記の反応を実施すると、23.3
%の収率で標記化合物(60mg)が得られた。
(c)NaHに代ってK2CO3の使用 上記の操作に従って、無水DMF(3ml)中炭酸カリウム
(10mg、0.072ミリモル)の存在下に(±)−トリチル
オキシメチルオキシラン(0.19g、0.6ミリモル)および
シトシン(0.08g、0.72ミリモル)から82%の収率で標
記化合物が得られた。
実施例5.(±)−N4−ベンゾイル−N1−〔(2−ヒドロ
キシ−3−トリフェニルメトキシ)プロピル〕シトシン (a)1当量のN4−ベンゾイルシトシンの使用 実施例4の操作に従って、80%水素化ナトリウム(0.
571g、1.805ミリモル)の存在下にN4−ベンゾイルシト
シン(0.388g、1.803ミリモル)を(±)−トリチルオ
キシメチルオキシラン(0.57g、1.805ミリモル)で処理
し、ヘキサンEtOAc(1:3)を用いてシリカゲルでクロマ
トグラフィー処理すると72.9%の収率で結晶性固体とし
て標記化合物が得られた。
融点105−107℃ UV:λmax259nm(ε=23,500),306nm(ε=10,38
0). 1H NMR(CDCl3):3.05−3.18(m,1H),3.21−3.33
(m,1H),3.66−3.90(m,1H),4.2(bs,1H),4.35(d,J
=13.6Hz,1H),7.13−7.72(m,15H),7.88(d,J=7.5H
z,1H),8.73(bs,1H). 分析値C33H29N3O4に対する計算値: C,74.56;H,5.50;N,7.90 実測値:C,74.02;H,5.67;N,7.63 (b)1.2当量のN4−ベンゾイルシトシンの使用 乾燥DMF中80%水素化ナトリウム(16mg、0.53ミリモ
ル)の存在下で上述の如く(±)−トリチルオキシメチ
ルオキシラン(0.762g、2.41ミリモル)をN4−ベンゾイ
ルシトシン(0.621g、2.89ミリモル)と反応させると85
%の収率で標記化合物が得られた。
実施例6.(S)−N4−ベンゾイル−N1−[(3−アリル
オキシ−2−ヒドロキシ)プロピル]シトシンの製造 室温で無水DMF(4.5ml)中でかくはんした水素化ナト
リウム(80%、12mg、0.4ミリモル)にN4−ベンゾイル
シトシン(0.466g、2.17ミリモル)を加えた。反応混合
物を1時間かくはんし、そして(S)−アリルオキシメ
チル−オキシラン(0.206g、1.8ミリモル)で処理し
た。次に、このものを6時間105℃に加熱し、冷却し、
そして真空濃縮した。得られた橙赤色ゴム状物質を水
(5ml)および酢酸エチル(20ml)で処理した。このも
のを5分間かくはんし、そして不溶性固体(0.145g、回
収率31.1%)を濾集し、N4−ベンゾイルシトシンと同定
した。濾液を分離ロートに移し、そして酢酸エチル層を
分離した。このものを次に水(3×5ml)で洗い、Na2SO
4で乾燥し、そして蒸発させると淡黄色の固体0.423gが
得られた。この物質をジエチルエーテルにスラリー化す
ると55.7%の収率で標記化合物(0.331g)が得られた。
エーテル濾液を蒸発させ、得られた明るい緑色を帯びた
ゴム状物質をシリカゲル(EtOAc中0.5%MeOH)でフラッ
シュ・クロマトグラフィー処理すると収率3.6%で標記
化合物が得られた。
融点:139〜141℃ 〔α〕=−55.06(C=1.155,MeOH). UV:λmax259nm(ε=21,500),305nm(ε=10,12
0). 1H NMR(CDCl3):3.4−3.56(m,2H),3.77(dd,J=7.
6および13.5Hz,1H),3.98(d,J=5.7Hz,3H),4.16−4.2
5(m,1H),4.28(dd,J=2.7および13.5Hz,1H),5.10−
5.25(m,2H),5.79−5.92(m,1H),7.39−7.62(m,4
H). 分析値C17H19N3O4に対する計算値: C,61.97;H,5.85;N,12.79 実測値:C,61.82;H,6.05;N,12.77 実施例7.(±)−N4−ベンゾイル−N1−〔(3−アリル
オキシ−2−ヒドロキシ)プロピル〕−シトシンの製造 実施例6の操作に従って、(±)−アリルオキシメチ
ルオキシラン(9.02g、0.079ミリモル)、N4−ベンゾイ
ルシトシン(20.40g、0.095ミリモル)および乾燥DMF
(241ml)中の80%水素化ナトリウム(0.526g、0.018モ
ル)から、標記化合物が39.5%の収率で得られた。
実施例8.(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(3−ベンジ
ルオキシ−2−ヒドロキシ)プロピル〕−シトシンの製
造 乾燥DMF(4ml)中80%水素化ナトリウム(0.012g、0.
4ミリモル)およびN4−ベンゾイルシトシン(0.388g、
1.8ミリモル)から室温で1時間で製造したN4−ベンゾ
イルシトシンのナトリウム塩に乾燥DMF(0.5ml)中の
(R)−ベンジルオキシメチルオキシラン(0.296g、1.
8ミリモル)を加え、そして110℃で6時間かくはんし
た。反応のHPLCで確認したとおり反応が完了した。DMF
の大部分を減圧で留去した。得られたゴム状生成物を酢
酸エチル(20ml)と水(5ml)との間で分配した。酢酸
エチル層を分離し、水(3×10ml)で洗滌し、Na2SO4
乾燥し、そして蒸発させると黄色生成物(0.595g)が得
られた。酢酸エチルで磨砕すると収率57.3%で標記化合
物(0.392g)が得られた。母液を濃縮し、そしてシリカ
ゲルでクロマトグラフィー処理(酢酸エチル)すると標
記化合物(50mg、7.3%)が得られた。
融点:138℃ 〔α〕=−49.19(C=1.425,MeOH). UV:λmax259nm(ε=22,440),306nm(ε=10,22
0). 1H NMR(CDCl3):3.45−3.58(m,3H),3.79(dd,J=
7.1および13.3Hz,2H),4.16−4.33(m,2H),4.51(s,2
H),7.2−7.6(m,8H),7.69(d,J=7.2Hz,1H),7.89
(d,J=7.4Hz,2H),8.91(bs,1H). 分析値C21H21N3O4・0.9H2Oに対する計算値: C,63.76;H,5.81;N,10.62 実測値:C,63.97;H,5.50;N,10.63 実施例9.(±)−N4−ベンゾイル−N1−〔(3−ベンジ
ルオキシ−2−ヒドロキシ)プロピル〕−シトシンの製
造 実施例8の操作に従って、乾燥DMF(85ml)中水素化
ナトリウム(純度80%、0.263g、8.1ミリモル)の存在
下に(±)−ベンジルオキシメチルオキシラン(6.0g、
0.0365モル)をN4−ベンゾイルシトシン(9.446g、0.04
39モル)で処理すると収率59.2%で標記化合物(8.2g)
が得られた。
融点:144−6℃ 実施例10.(±)−N1−〔(2−ジエチルホスホニルメ
トキシ−2−トリフェニルメトキシ)−プロピル〕シト
シンの製造 ワンポット合成:無水DMF(3ml)中シトシン(0.134
g、1.21ミリモル)および水素化ナトリウム(8mg、0.27
ミリモル)の混合物を室温でかくはんした。1時間後、
(±)−トリチルオキシメチルオキシラン(0.38g、1.2
ミリモル)を一度に加え、そして105℃で5時間かくは
んを続けた。(±)−N1−〔(2−ヒドロキシ−3−ト
リチルオキシ)プロピル〕−シトシンの形成はそのHPLC
で認められた。
上記均質反応溶液を氷浴で冷却し、引き続いて80%水
素化ナトリウム(0.100g、3.3ミリモル)およびジエチ
ルトシルオキシメチルホスホネート(純度85%、0.682
g、1.8ミリモル)で処理した。0℃で0.5時間そして室
温で15時間かくはんした後、エタノール2、3滴を加え
て過剰の水素化ナトリウムを急冷した。溶媒を減圧で除
去し、そして得られた橙色残渣を酢酸エチル(30ml)と
水(5ml)との間で分配した。有機相を分離し、そして
飽和重炭酸ナトリウム(10ml)および食塩水(10ml)で
洗った。Na2SO4で乾燥した後、酢酸エチルを蒸発させる
と橙色生成物(0.550g)が得られ、このものをシリカゲ
ルでのクロマトグラフィー(CH2Cl2中10〜15%MeOH)で
精製するとフォーム状固体として標記化合物(0.26g、3
7.4%)が得られた。
1H NMR(CDCl3):1.25(t,J=7Hz,6H),2.97−3.12
(m,1H),3.33(dd,J=3および10.5Hz,1H),3.55−3.6
8(m,2H),3.84−3.96(m,2H),3.96−4.24(m,5H),5.
63(d,J=6.9Hz,1H),7.0−7.6(m,18H). 実施例11.(±)−N1−〔(2−ジメチルホスホニルメ
トキシ−3−トリフェニルメトキシ)プロピル〕−シト
シンの製造 ジエチルホスホネートの代りにジメチルトシルオキシ
メチルホスホネートを用いて、実施例10の実験をくり返
すと、収率15.6%で標記化合物が得られた。
1H NMR(CDCl3):3.0−3.1(m,1H),3.27(dd,J=2.8
および10.5Hz,1H),3.51−4.26(m,10H),4.17(dd,J=
3.0および13.6Hz,1H),5.69(d,J=6.9Hz,1H),7.0−7.
66(m,18H). 実施例12.(±)−N1−〔(2−ジエチルホスホニルメ
トキシ−3−ヒドロキシ)プロピル〕−シトシンの製造 実施例10の操作に従って、接触量の80%水素化ナトリ
ウム(13mg、0.44ミリモル)の存在下にシトシン(0.24
9g、2.24ミリモル)を(±)−トリチルオキシメチルオ
キシラン(0.590g、1.87ミリモル)で処理し、次いで系
中で中間体をジエチルトシルオキシメチルホスホネート
(純度85.1%、1.06g、2.80ミリモル)でアルキル化す
ると粗製の(±)−N1−〔(2−ジエチルホスホニルメ
トキシ−3−トリチルオキシ)プロピル〕シトシン(1.
267g)が得られた。
上記ヌクレオチドに80%酢酸(20ml)を加え、95℃で
3時間かくはんした。水(20ml)を反応に加え、次に−
0℃に冷却した。沈澱したトリチルアルコールを濾集し
た。濾液を蒸発させ、得られた濃厚な生成物を水(3×
30ml)と共に、次にトルエン(3×30ml)と共に共蒸留
して酢酸を除去した。このものを次にシリカゲルカラム
にかけ、CH2Cl2中15%MeOHで溶離すると、ゴム状物質と
して標記化合物(0.147g、23.5%)が得られた。カラム
を更にCH2Cl2中20%MeOHで溶離すると(±)−N1
〔(2,3−ジヒドロキシ)プロピル〕シトシン(20.2m
g、6%)が得られた。
1H NMR(MeOH−d4):1.30(t,J=7.1Hz,3H),1.31
(t,J=7.1Hz,3H),3.5−3.63(m,1H),3.67−3.92(m,
4H),3.97−4.22(m,6H),5.85(d,J=7.2Hz,1H),7.53
(d,J=7.2Hz,1H). 実施例13.ホルムアミシジン法による(±)−N1
〔(2−ジエチルホスホニルメトキシ−3−ヒドロキ
シ)プロピル〕シトシンの製造 乾燥DMF(3ml)中室温で1時間シトシン(0.134g、1.
21モル)および80%水素化ナトリウム(8mg、0.27ミリ
モル)から得られたシトシンのナトリウム塩と(±)−
トリチルオキシメチルオキシラン(0.38g、1.2ミリモ
ル)との混合物を110℃で5時間かくはんした。得られ
た(12)の溶液を室温に冷却し、そしてDMFジメチルア
セタール(0.286g、2.4ミリモル)を一度に加えた。次
に、このものを85℃で1.5時間かくはんし、そして減圧
で(11)の粗ジメチルホルムアミジン誘導体約1mlに濃
縮した。このものと無水DMF(3ml)中のジエチルトシル
オキシメチルホスホネート(0.909g、2.4ミリモル)を
0℃に冷却し、そして80%水素化ナトリウム(64mg、2.
13ミリモル)で処理した。得られた黄色反応混合物を0
℃で1.5時間、そして室温で14時間かくはんした。処理
後に得られた粗生成物は、(±)−N1−〔(2−ジエチ
ルホスホニルメトキシ−3−トリチルオキシ)プロピ
ル〕シトシンおよびそのN4−ジメチルホルムアミジン誘
導体の混合物である。この混合物を80%酢酸(11ml)に
溶解し、そして3時間還流させた。処理後、黄色を帯び
たゴム状生成物(0.693g)が得られ、このものをシリカ
ゲル(EtOAc中15%MeOH)でのクロマトグラフィーによ
り精製すると収率43.6%で標記化合物(0.175g)が得ら
れた。
実施例14.(±)−N1−〔(2−エチルハイドロジエン
ホスホニルメトキシ−3−ヒドロキシ)プロピル〕シト
シンの製造 2N水酸化ナトリウム溶液(4.5ml)を(±)−N1
[(2−ジエチルホスホニルメトキシ−3−ヒドロキ
シ)プロピル]シトシン(0.230g、0.69ミリモル)に加
えた。室温で1.25時間後の反応のTLCは出発物質が完全
に消費されたことを示した。反応をダウエックス(Dowe
x)50×8(H+)で酸性化し、そして濾過した。樹脂を
水20mlで洗った。合した濾液を蒸発させると収率77.3%
で標記化合物(0.163g)が得られた。
1H NMR(D2O):1.26(t,J=7.1Hz,3H),2.52−2.68
(m,2H),3.75−4.0(m,6H),4.21(dd,J=2.8および1
4.1Hz,1H),6.19(d,J=7.6Hz,1H),7.88(d,J=7.6Hz,
1H). MS:C10H18N3O6P,308・1011に対する分子イオン(m/
e): 実測値:308.1009 実施例15.(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(2−ヒド
ロキシ−3−トリフェニルメトキシ)プロピル〕−シト
シンの製造 (a) 乾燥DMF(1,000ml)中のN4−ベンゾイルシトシ
ン(100.1g、0.47モル)にN2下100℃で80%水素化ナト
リウム(3.0g、0.10モル)を一度に加え、そしてスラリ
ーを0.25時間かくはんした。(S)−トリチルオキシメ
チルオキシラン(88%ee、125.1g、0.40モル)を加え、
そして更に110℃で4時間かくはんした。反応はそのHPL
Cで確認される如く完了した。反応混合物を濾過し、そ
して更に精製することなく次の反応に使用した。濾液は
HPLCを基にして標記化合物を溶液中90%含有していた。
(b) 別個の実験で、上記反応で得られた粗生成物を
シリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2中の3〜5%Me
OH)で精製し、そして分析用の純粋な標記化合物が得ら
れた。
融点:105−7℃ UV:λmax259nm(ε=23,500),306nm(ε=10,38
0). 1H NMR(CDCl3):3.05−3.18(m,1H),3.21−3.33
(m,1H),3.66−3.90(m,1H),4.2(bs,1H),4.35(d,J
=13.6Hz,1H),7.13−7.72(m,15H),7.88(d,J=7.5H
z,1H),8.73(bs,1H). 分析値C33H29N3O4に対する計算値: C,74.56;H,5.50;N,7.90 実測値:C,74.02;H,5.67;N,7.63 (c) 上記(a)に記載の反応を次の溶媒および条件
を用いてくり返すと標記化合物が得られた。
(1) NaH,NMPO,70〜80℃で2時間次いで100〜104℃
で3.5時間。
(2) NaH,18−クラウン−6,DMF,103℃,5時間。
(3) NaH,ベンジルトリエチルアンモニウムクロライ
ド,DMF,70℃で6時間、105℃で4時間。
(4) KOC(CH33,DMF,70℃で16時間次いで105℃で
8時間。
実施例16.(S)−N4−ベンゾイル−〔(ジエチルホス
ホニルメトキシ−3−トリフェニルメトキシ)−プロピ
ル〕シトシンの製造 (a) 実施例15(a)で得られたDMF中の粗製(S)
−N4−ベンゾイル−N1−〔(2−ヒドロキシ−3−トリ
フェニルメトキシ)プロピル〕シトシンの溶液を53
つ口丸底フラスコに入れ、そして0℃に冷却した。80%
水素化ナトリウム(32.4g、1.06モル)を二部分量で加
え、そして8℃の発熱を認めた。すぐに、ジエチルトシ
ルオキシメチルホスホネート(80%純度、215.6g、0.54
モル)を加え、そして反応を6時間のかくはん後に完了
させた。反応を酢酸エチル(2)で希釈し、水で急冷
し、水(2×1)および飽和NaHCO3(1)で洗い、
MgSO4で乾燥し、そして濃縮するとそのプロトンNMRスペ
クトルで指示されるとおり(S)−トリチルオキシメチ
ルオキシラン2%を伴う粗製の標記化合物(230.1g)が
得られた。この粗生成物を更に精製することなく次の操
作に用いた。
(b) 別個の実験で、小量の粗生成物をシリカゲルで
のカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中1〜3%MeOH)
で精製すると標記化合物の分析用試料が得られた。
1H NMR(DMSO−d6):1.14(t,J=7Hz,3H),1.16(t,J
=7Hz,3H),2.94−2.98(m,1H),3.24−3.31(m,1H),
3.58−4.09(m,9H),7.23−7.63(m,19H),7.98(d,J=
7Hz,3H),11.19(bs,1H). 分析値C38H40N3O7P・0.5H2Oに対する計算値: C,66.07;H,5.98;N,6.08 実測値:C,65.96;H,5.84;N,6.09 実施例17.(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(2−ジエ
チルホスホニルメトキシ−3−ヒドロキシ)プロピル〕
シトシンの製造 (a) 塩化水素ガスを0〜5℃でメチレンクロライド
(1.2)中の粗(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(2
−ジエチルホスホニル−3−トリフェニルメトキシプロ
ピル〕シトシン(230.1g、実施例16で得られた)の溶液
中に、HPLCで測定して出発物質が消費されるまで(約10
分)、泡立たせた。水(500ml)を加え、そして得られ
た二相混合物を5分間激しくかくはんした。有機相を分
離し、そして10%塩酸(2×250ml)で抽出した。合し
た水溶液を0〜5℃に冷却し、40%水酸化ナトリウム溶
液でpH=8に調節し、次にCH2Cl2(2×500ml)で抽出
した。合したCH2Cl2溶液をMgSO4で乾燥し、真空濃縮す
ると3工程後(S)−トリチルオキシメトキシ−オキシ
ランから収率55%で粘張性油として粗標記化合物(96.2
g)が得られた。
1H NMR(DMSO−d6):1.16(t,J=7Hz,3H),1.18(t,J
=Hz,3H),3.44−3.57(m,2H),3.68−3.80(m,3H),3.
88−4.01(m,5H),4.13(dd,J=8および17Hz,1H),4.8
8(t,J=6Hz,1H),7.27(br d,J=7Hz,1H),7.49(t,J
=7Hz,2H),7.60(t,J=7Hz,1H),7.98(d,J=7Hz,3
H),11.18(br s,1H). 分析値C19H26N3O7P・0.5H2Oに対する計算値: C,50.89;H,6.07;N,9.37 実測値:C,50.99;H,6.03;N,9.32 (b) 次の試薬および条件で脱トリチル化を実施する
と適度乃至すぐれた収率で標記化合物が得られた。
(1) 80%酢酸、75℃、45分。
(2) 80%酢酸、100℃、30分。
(3) 80%酢酸、0〜5℃、3時間。
(4) 80%ギ酸、0〜5℃、30分。
(5) 95〜97%ギ酸、室温、5分。
(6) トリフルオロ酢酸、n−ブタノールまたはイソ
プロピルアルコールまたはCH2Cl2、22時間 (7) ZnBr2、CH2Cl2、室温、10分〜3時間。
(8) アンバーリスト(Amberlyst)15(H+)、MeO
H、50℃、24分。
(9) HCl/MeOH洗滌で活性化したアンバーリスト15
(H+)、50℃、6.5時間。
(10) HCl/MeOHで活性化したダウェックス50×8
(H+)。
実施例18.(S)−N4−ベンゾイル−N1−〔(3−ヒド
ロキシ−2−ホスホニルメトキシ)−プロピル〕シトシ
ンの製造 アルゴン下に室温でメチレンクロライド(1.2)中
の(S)−N1−〔(2−ジエトキシホスホニルメトキシ
−3−ヒドロキシ)プロピル−N4〕−ベンゾイルシトシ
ン(188g、0.428モル)の溶液をブロモトリメチルシラ
ン(200ml、1.52モル)で処理し、そして得られた混合
物を18時間かくはんした。次に、このものを真空濃縮し
て残渣とし、このものをメチレンクロライド(500ml)
に再溶解し、そして再濃縮すると茶褐色フォームとして
粗製過シリル化標記化合物(289g)が得られた。この物
を更に精製することなく次の工程に用いた。標記化合物
の分析用試料は、粗製フォームを水で処理し、これから
所望の標記化合物を晶出させることによって製造した。
1H NMR(DMSO−d6):3.45−3.81(m,6H),4.11(dd,J
=4および13Hz,1H),7.26(d,J=7Hz,1H),7.49(t,J
=7Hz,2H),7.61(t,J=7Hz,1H),7.98(d,J=7Hz,2
H),8.04(d,J=7Hz,1H). 分析値C15H18N3O7P・0.5H2Oに対する計算値: C,45.93;H,4.84;N,10.71 実測値:C,46.04;H,4.67;N,10.71 実施例19.(S)−N1−〔(3−ヒドロキシ−2−ホス
ホニルメトキシ)プロピル〕シトシンの製造 先の実施例で得られた粗製ペルシリル化(S)−N4
ベンゾイル−N1−[(3)−ヒドロキシ−2−ホスホニ
ルメトキシ)プロピル]シトシン(289g)を濃NH4OH(8
50ml)に溶解し、室温で4時間かくはんした。水性反応
混合物をCH2Cl2(2×600ml)で抽出してベンズアミド
を大部分除去し、そして次に濾過し、そして水溶液のpH
が中性となるまで真空濃縮した。濃縮溶液を水で希釈し
て800mlの容量とし、そしてエタノール(600ml)を加え
た。生成物を、pHを濃HCl(65ml)を慎重に加えて3.0に
調節して沈澱させた。得られた濃厚スラリーを室温で1
時間かくはんし、次に0〜5℃に16時間保存した。固体
生成物を濾集し、水−エタノール(2:1、2×150ml)で
洗い、40℃で恒量となるまで真空乾燥すると、2工程後
(22S)から収率78%で(S)−HPMPC(105g)が得られ
た。この物は、キラルHPLCで測定して所望しない(R)
−異性体5%を含有していた。水性スラリーを40%NaOH
溶液でpH=6に調節し、次いで濃HClでpH=3で再沈澱
させることにより粗生成物を2度結晶化させることによ
り、所望しない(R)−異性体のレベルを2.4、90重量
%回収率に減少させた。
融点:260℃(分解). 〔α〕=−86.65(C=0.40,H2O). 1H NMR(D2O):d3.59−3.67(m,2H),3.79−3.94(m,
4H),4.20(dd,J=3および14Hz,1H),6.17(d,J=8Hz,
1H),7.90(d,J=8Hz,1H). 分析値C8H14N3O6・2H2Oに対する計算値: C,30.48;H,5.75;N,13.33 実測値:C,30.30;H,5.70;N,13.25 実施例20.(±)−N1−〔(3−ヒドロキシ−2−ホス
ホニルメトキシ)プロピル〕シトシンの製造 (±)−HPMPCの合成を、(±)−トリチルオキシメ
チルオキシランおよびN4−ベンゾイルシトシンから出発
して5工程(実施例15、16、17、18および19)の後で、
42.4%収率で達成した。
実施例21.(R)−N1−〔(3−ヒドロキシ−2−ホス
ホニルメトキシ)プロピル〕シトシンの製造 (S)−HPMPCについて開示した方法に従って、
(S)−グリシドール(88%ee)およびN4−ベンゾイル
シトシンから標記化合物(R)−HPMPCを製造した。
実施例22.(±)−〔(3−ヒドロキシ−2−ホスホニ
ルメトキシ)プロピル〕ウラシルの製造 2N水酸化ナトリウム(4.5ml)中の(±)−N1
〔(2−ジエチルホスホニル−3−ヒドロキシ)−プロ
ピル〕シトシン(0.228g、0.68モル)の溶液を82℃に60
時間加熱した。反応はそのHPLCで指示される如く完了し
た。このものを室温でダウェックス50×8(H+)形態で
酸性化し、そして濾過し、それから樹脂を水(30ml)で
洗った。濾液を蒸発させると、固体として標記化合物
(0.157g、82.4%が得られた。
1H NMR(D2O):3.16−3.29(m,1H),2.55−4.17(m,9
H),5.87(d,J=7.9Hz,1H),7.72(d,J=7.9Hz,1H).
フロントページの続き (72)発明者 ベミシッチー,ピューショーザム アメリカ合衆国ニューヨーク州 13057 イースト シラキューズ チルドン ドライブ―1,507 (72)発明者 ブロードフエラー,ポール アール アメリカ合衆国ニューヨーク州 13207 シラキューズ ウエールズレイ ロー ド 108 (72)発明者 ホーエル,ヘンリー ジー アメリカ合衆国ニューヨーク州 13078 ジェームズビル ゲーテス ロード ノース 4114 (72)発明者 サピノ,チェスター ジュニア アメリカ合衆国ニューヨーク州 13057 イースト シラキューズ フエザント ロード 6451 (56)参考文献 Nucleosides & nuc leotides;vol.9(No. 6)p745−769(1990) Journal of Medici nal Chemistry;vol. 33(No.6)p1797−1800(1990) Collection of Cze choslovak Chemical Communications;vo l.54(No.9)p2470−2501 (1989) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 239/47 C07D 473/00 C07F 9/6512 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、Bはプリン又はピリミジン塩基である)の化合
    物を製造する方法において、 (a)塩基の存在下にB′を式(II a)の化合物 と反応させて式(III a)の化合物 を生成させ、次いでヒドロキシ基を保護して式(III
    b)の化合物 を生成させるかもしくは塩基の存在下にB′を式(II
    b)の化合物 と反応させて式(III b)の化合物 を生成させ、 (式(II b)、(III a)及び(III b)において、B′
    はプリン又はピリミジン塩基であるか、又は適宜保護さ
    れたプリン又はピリミジン塩基であり、R1はヒドロキシ
    保護基である) (b)式(III b)の化合物と塩基とを反応させ、次に
    式(IV)のホスホネート を反応させて式(V)の中間体 (式中、Lは脱離基であり、そしてR2は炭素数1〜5を
    有する低級アルキル基である)を生成させ、 しかる後、 (c)R1、R2およびプリンもしくはピリミジン塩基上の
    保護基がある場合はこれを水素原子で置換せしめて式
    (I)の生成物を生成せしめることを特徴とする上記製
    造方法。
  2. 【請求項2】B′を式(II b)の化合物と反応させて式
    (III b)の化合物を形成させる請求の範囲1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】式(III b)の化合物のR1がトリフェニル
    メチルである請求の範囲2記載の方法。
  4. 【請求項4】B′がシトシンまたはN4−保護シトシンで
    ある請求の範囲2記載の方法。
  5. 【請求項5】N1−[(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル
    メトキシ)プロピル]シトシンの製法において、 (a)塩基の存在下にB′を式(II b)の化合物と反応
    させて式(III b)の化合物を形成させ、 ここでB′はシトシンまたはN4−保護シトシンであり、
    そしてR1はトリフェニルメチル型ヒドロキシ保護基であ
    り; (b)式(III b)の化合物を塩基で処理し、次いで式
    (IV) のホスホネートで処理して式(V) の中間体を形成させ、ここでLはトシレート、メシレー
    トおよびトリフレートから選択される脱離基であり、そ
    してR2は1〜5個の炭素原子を有する低級アルキル基で
    あり;そして (c)R1、R2および存在するときはシトシンの保護基を
    水素で置換してBがシトシンである式(I)の化合物を
    形成させる 各工程を包含することを特徴とする上記製法。
  6. 【請求項6】B′がN4−ベンゾイルシトシンであり、そ
    してR1がトリフェニルメチルである請求の範囲5記載の
    方法。
  7. 【請求項7】B′がシトシンである式(III b)の化合
    物をジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応さ
    せて式(XVI) (式中R1は前記に定義のとおりである)の化合物を形成
    させる工程を更に包含する請求の範囲5記載の方法。
  8. 【請求項8】式 〔式中、R1は前記に定義のとおりであり、そしてR3は水
    素または−CH2−P(O)(OR2(ここでR2は1〜5
    個の炭素原子を有する低級アルキルである)である〕を
    有する化合物。
  9. 【請求項9】式 (式中R1およびR3は前記に定義のとおりである)を有す
    る化合物。
  10. 【請求項10】R1がトリフェニルメチルである請求項8
    記載の化合物。
  11. 【請求項11】R1がトリフェニルメチルである請求項9
    記載の化合物。
  12. 【請求項12】R3水素である請求項8記載の化合物。
  13. 【請求項13】R3が−CH2−P(O)(OR2である請
    求項8記載の化合物。
  14. 【請求項14】化合物(II a)又は(II b)が、一方の
    立体異性体のみであり、実質的に他方の立体異性体を含
    まない請求の範囲1または5記載の方法。
  15. 【請求項15】一方の立体異性体が(R)−クリシドー
    ルである請求の範囲14記載の方法。
  16. 【請求項16】一方の立体異性体が(S)−トリフェニ
    ルメトキシメチルオキシランである請求の範囲14記載の
    方法。
  17. 【請求項17】生成物が(S)−N1−[3−ヒドロキシ
    −2−(ホスホニルメトキシ)プロピル]シトシンであ
    る請求の範囲1または5記載の方法。
  18. 【請求項18】塩基が水素化金属又は金属アルコキサイ
    ドである請求の範囲1または5記載の方法。
  19. 【請求項19】塩基が水素化ナトリウムである請求の範
    囲18記載の方法。
  20. 【請求項20】式(I a)又は(I b) (式中、Bはプリン又はピリミジン塩基である)の化合
    物を製造する方法において、 (a)塩基の存在下にB′を式(II b)の化合物 と反応混合物中で反応させて中間体(III b)を生成さ
    せ、 次いで反応混合物から中間体(III b)を分離すること
    なしに、中間体(III b)を式(IV) のホスホネートと反応させて式(V) の中間体を生成させ、 (式中、B′はプリン又はピリミジン塩基又は適宜保護
    されたプリン又はピリミジン塩基であり、R1はヒドロキ
    シ保護基であり、Lは脱離基であり、そしてR2は炭素数
    1〜5を有するアルキル基から選ばれるホスホン酸保護
    基である) しかる後、 (b)R1ヒドロキシ保護基及び任意にR2又はB′の保護
    基を水素で置換して式(I a)又は(I b)の生成物を生
    成することを特徴とする上記方法。
  21. 【請求項21】R1を酸性媒質で処理して水素で置換する
    請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】式(III b)の化合物のR1がトリフェニ
    ルメチルでありそしてR2がエチル又はイソプロピルであ
    る請求項20記載の方法。
  23. 【請求項23】B′がシトシン又はN4−保護シトシンで
    ある請求項20記載の方法。
  24. 【請求項24】方法を不活性極性中性溶媒で実施する請
    求項20記載の方法。
  25. 【請求項25】B′がN4−ベンゾイルシトシンでありそ
    してR1がトリフェニルメチルである請求項20記載の方
    法。
  26. 【請求項26】B′がシトシンである式(III b)の化
    合物をジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応
    させて式(VXI) (式中、R1はヒドロキシ保護基である)の化合物を生成
    する工程を更に包含する請求項20記載の方法。
  27. 【請求項27】化合物(II b)が(S)−トリフェニル
    メトキシメチルオキシランである請求項20記載の方法。
  28. 【請求項28】生成物が(S)−N1−[3−ヒドロキシ
    −2−(ホスホニルメトキシ)プロピル]シトシンであ
    る請求項20記載の方法。
  29. 【請求項29】塩基が水素化金属又は金属アルコサイド
    である請求項20記載の方法。
  30. 【請求項30】塩基が水素化ナトリウムである請求項29
    記載の方法。
  31. 【請求項31】溶媒がジメチルホルムアミドである請求
    項24記載の方法。
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