JP3115882U - 透水マット - Google Patents

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吉輝 池田
量也 小川
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豊洋産業株式会社
チリ化成株式会社
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Abstract

【課題】 本考案の目的は、擁壁裏面に透水層を、特別の熟練を要せず、迅速かつ確実に、作業性よく、十分な接着力をもって取り付けることができる透水マットを提供することにある。
【解決手段】 本考案は、空隙のある芯材の外周を、透水性フィルターで巻いた、平面視ほぼ矩形で断面視ほぼ矩形のマット状物であって、該マット状物の一つの外表面に、ほぼ平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層を設けた透水マットを提供する。
【選択図】 図2

Description

本考案は、透水マットに関する。さらに詳しくは、擁壁の裏面に施工される透水層として好適な透水マットに関する。
土の崩壊を防ぐ目的で擁壁が構築されるが、擁壁には土圧のほか、地下水や降雨の浸透による水圧がかかり、時には水圧が擁壁の倒壊や滑動の原因となる。そのため、擁壁には浸透した水を排出するために、水抜き穴が設けられるが、水の排出をより速やかにするために、擁壁の裏面に透水層が設けられる。
透水層の材料として、以前は砂利や砕石などが用いられていたが、近年良質な石材が少なくなってきたことに加え、環境問題及び運搬費用の高騰等の要因も加わり、大量の砂利や砕石を入手するのが困難になってきた。そのため。最近では合成樹脂材料や不織布などの透水性素材で作られた透水マットが提案され、実用化されるまでになってきた。
透水マットとしては、空隙が大きく透水力の高い素材が用いられるが、土砂によって空隙が埋まるのを防ぐために、それを透水性があって土砂の浸入を防ぐことができる素材で巻いて透水マットとしたものが使用されている。
透水マットは、擁壁の裏面において使用されるが、擁壁を構築して土を埋戻す際に所定の位置から透水マットがずれてしまうため、ずれが生じないように、透水マットを取り付ける必要がある。取り付け手段として、釘止め、粘着テープ、接着剤などの手段で擁壁裏面に取り付けられるが、釘止めは擁壁を傷付けるため擁壁強度の低下を来たすという問題がある。また、従来公知の粘着テープや接着剤をつかって、擁壁裏面に貼着する方法では、擁壁との接着力が不足していたり、養生時間がかかったり、作業性に劣っていたりする問題があった。
本考案は、擁壁裏面に透水層を取り付けるのに、特別の熟練を要することなく、迅速かつ確実に取り付けることができる透水マットを提供するものである。
また本考案は、作業性がよく、十分な擁壁との接着力をもって擁壁に取り付けることができる透水マットを提供する。
本考案は、空隙のある芯材の外周を、透水性フィルターで巻いた平面視ほぼ矩形で、断面視ほぼ矩形のマット状物であって、該マット状物の一つの外表面に、平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層を設けた透水マットを提供する。
前記空隙のある芯材が、複数の合成樹脂製網状シートを重ね合わせたものである前記の透水マットは、本考案の好ましい態様である。
また、前記ホットメルト型接着剤が、合成ゴム系ホットメルト型接着剤である前記の透水マットは、本考案の好ましい態様である。
本考案により、擁壁裏面に取り付けるのに、特別の熟練を要することなく、迅速かつ確実に取り付けることができる透水マットが提供される。
本考案により提供される透水マットは、作業性がよく擁壁裏面に取り付けることができるものであり、透水マットは擁壁との十分な接着力をもって擁壁に取り付けられる。
本考案は、空隙のある芯材の外周を、透水性フィルターで巻いた平面視ほぼ矩形で、断面視ほぼ矩形のマット状物であって、該マット状物の一つの外表面に、平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層を設けた透水マットを提供するものである。
透水マットは、擁壁の裏面において使用されるものであるが、透水マットの使用態様の理解を助けるために、図1に擁壁の裏面に透水層として設けられた透水マットを示した。
図1では、高地盤Aと、低地盤Bの境界に擁壁2が構築されており。擁壁2には土中に浸透した水を排出するために水抜き穴Cが設けられている。擁壁2の裏面であって、土との間に水の排出をより速やかにするための透水層として透水マット1が設けられている。水が水抜き穴Cを経て排水溝Dに排出される。
本考案の透水マットは、空隙のある芯材の外周を、透水性フィルターで巻いた平面視ほぼ矩形で、断面視ほぼ矩形のマット状物である。
空隙のある芯材としては、特にその形状および材質には制限はないが、十分な透水性を持たせるために空隙の大きい形状をしたものであればよい。そのような芯材の好適な例としては、空隙率を高くした嵩高不織布、リブを立てた成形体であるリブ型立体成形物、板状ネット構造を有する成形体、網状構造シートを重ねたものなどを例示することができる。これら芯材の素材にも特に制限はないが、成形の容易さ及びコストなどの観点から合成樹脂製のものを好適に使用することができる。
ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂製網状シートを重ね合わせた芯材は、特に好適に使用することができるので好ましい芯材として挙げることができる。
芯材の外周を巻く透水性フィルターは、芯材よりは空隙が小さく芯材への土砂の浸入を防ぐことができる透水性のものが使用される。透水性フィルターとしては、不織布、織布などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。中でもオレフィン系樹脂などの合成樹脂製不織布が好適に使用される。
本考案のマット状物は、平面視矩形に成形した芯材を、その長辺側外周を透水性フィルターで巻いて、透水性フィルターの両端をヒートシール、ステイプラー型金属止め具などの方法でつなぎ合わせて形成させることができる。
本考案のマット状物の形状は、平面視ほぼ矩形であり、断面視ほぼ矩形のものが好ましい。本考案のマット状物の大きさは通常平面視矩形の巾が10〜100cm、好ましくは10〜50cm程度であり、長さが30cm以上、好ましくは30〜1000cmであることが望ましい。また、厚みは、7〜100mm程度であることが好ましい。
上記本考案のマット状物の一つの外表面に、ほぼ平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層を設けることによって本考案の透水マットを得る。
ホットメルト型接着剤は、本考案の透水マットをコンクリート製擁壁に押圧する結果、擁壁と透水マット間に、透水マットの位置を維持するに十分な接着力を発揮する接着剤であればいい。通常ホットメルト接着剤として市販されている熱溶融型接着剤から、本考案の目的に合致するものを適宜選択して使用することができる。
ホットメルト型接着剤として、主成分によってポリオレフィン系重合体やエチレンー酢酸ビニル共重合体などを主成分とするポリオレフィン系ホットメルト型接着剤、SISなどの熱可塑性エラストマーや合成ゴムなどを主成分とする合成ゴム系ホットメルト型接着剤などがあるが、合成ゴム系ホットメルト型接着剤がより好適に使用される。市販されたホットメルト型接着剤の一例として商品名アイメルト PA−17Aおよびニッタイトウを挙げることができる。
本考案のマット状物において、一つの外表面にほぼ平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層が設けられる。マット状物の両外表面にホットメルト型接着剤帯層を設けることは排除するものでないが、擁壁との接着力が確保できれば十分であるので。いずれか一方の外表面にホットメルト型接着剤帯層を設けるのが好ましい。
本考案におけるホットメルト型接着剤帯層は、ホットメルト型接着剤が連続して塗布されていてもいいし、断続的に塗布された結果ホットメルト型接着剤帯層を形成していてもよい。ホットメルト型接着剤が連続して塗布されている態様が作業性の点で好ましい。
また、本考案において、ホットメルト型接着剤帯層のほかに、ホットメルト型接着剤以外の接着剤、例えば公知の接着剤の層を設けることは差しつかえない。
ホットメルト型接着剤帯層は、通常のホットメルト型接着剤塗工方法を採用することができるので特に制限はない。例えば、ホットメルト型接着剤アプリケーターを使用して、アプリケーターを通じて接着剤コーターを使用して所望の厚さにホットメルト型接着剤を塗布することができる。またアプリケーターを通じてハンドガンやスプレーガンなどの手作業塗工機を使用して塗布してもよい。
ホットメルト型接着剤帯層を設ける位置は、平面視矩形の長辺からやや中心に寄った部分に対称の位置に長辺に沿って互いにほぼ平行となるように設けることが好ましい。この二条のホットメルト型接着剤帯層のほかに、必要に合わせてホットメルト型接着剤帯層を設けてもよいが、通常二条のホットメルト型接着剤帯層で十分である。
ホットメルト型接着剤帯層の巾は、通常1〜10cm、好ましくは2〜4cm程度であることが望ましい。
以下に図を使って本考案をより具体的に説明する。図2には、本考案の透水マットを示す俯瞰図が示されている。透水マットは平面視ほぼ矩形で、断面視ほぼ矩形である形状をしており、芯材6に透水フィルター5が巻かれてマット状物が形成されており、その外表面には、長辺からやや中心に寄った部分に対称の位置に長辺に沿って互いにほぼ平行となるようにホットメルト型接着剤帯層3が設けられている。図2では、ホットメルト型接着剤帯層3の上に離型シート4が貼着されている。これはホットメルト型接着剤帯層を保護し、施工現場で容易に剥離できて、剥離により現れた新鮮なホットメルト型接着剤層表面を擁壁に押圧して接着の目的を果たせるようにするためである。
図3は、本考案の透水シートの平面図である。外表面にホットメルト型接着剤帯層3が設けられており、図3によりホットメルト型接着剤帯層3の上に離型シート4が貼着されている様子がわかる。
図4は、本考案の透水シートの側面図である。芯材6は、樹脂製網状シートが積層されて形成されている。芯材6に透水フィルター5が巻かれており、上表面にはホットメルト型接着剤帯層3が設けられており、ホットメルト型接着剤帯層3の上に離型シート4が貼着されている。
図5は、図4の透水シートにおいて、樹脂製網状シートが積層されて形成されている芯材6を、ポリオレフィン製不織布である透水フィルター5が巻かれている様子がわかるように、透水フィルター5を一部めくった状態を示す俯瞰図である。図6には、図4の透水シートの芯材を構成する一枚の樹脂製網状シートの平面図が示されている。
本考案の透水シートは、上記したように矩形形状で上記したようなサイズとして、ホットメルト型接着剤帯層の上に離型シートが貼着された状態で施工現場に運ばれる。現場においては、必要に応じて施工に適当なサイズとなるように、端部をナイフまたはハサミで切断し、離型シートを剥離し、新鮮なホットメルト型接着剤表面を擁壁に押圧して、擁壁に用意に接着することができる。
本考案により提供される透水マットは、擁壁裏面に取り付けるのに、特別の熟練を要することなく、迅速かつ確実に取り付けることができる透水マットである。
本考案によって、透水マットを作業性がよく擁壁裏面に取り付けることが可能となる。
本考案によって提供される透水マットは、擁壁との十分な接着力をもって擁壁に取り付けられているので、擁壁裏面に透水層を形成させるための透水マットとして最適なものである。
擁壁に透水マットが設けられている様子を示す模式図である。 本考案の透水マットを示す俯瞰図である。 本考案の透水シートの平面図である。 本考案の透水シートの側面図である。 図4の本考案の透水シートにおいて、透水フィルターを一部めくった状態を示す俯瞰図である。 図4の本考案の透水シートにおいて、芯材を構成する樹脂製網状シートの平面図である。
符号の説明
1.透水マット
2.擁壁
3.ホットメルト型接着剤帯層
4.離型紙
5.透水フィルター
6.芯材
A.高地盤
B.低地盤
C.水抜き穴
D.排水溝

Claims (3)

  1. 空隙のある芯材の外周を、透水性フィルターで巻いた、平面視ほぼ矩形で断面視ほぼ矩形のマット状物であって、該マット状物の一つの外表面に、平行する少なくとも二条のホットメルト型接着剤帯層を設けた透水マット。
  2. 前記空隙の大きい芯材が、複数の合成樹脂製網状シートを重ね合わせたものであることを特徴とする請求項1に記載の透水マット
  3. 前記ホットメルト型接着剤が、合成ゴム系ホットメルト型接着剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の透水マット
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