JP3115680B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3115680B2
JP3115680B2 JP04038106A JP3810692A JP3115680B2 JP 3115680 B2 JP3115680 B2 JP 3115680B2 JP 04038106 A JP04038106 A JP 04038106A JP 3810692 A JP3810692 A JP 3810692A JP 3115680 B2 JP3115680 B2 JP 3115680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の一つとして静電誘導
サイリスタがある。図2は、従来の静電誘導サイリスタ
の要部構成をあらわす。従来の静電誘導サイリスタ51
は、図2にみるように、半導体基板52におけるベース
領域用のn- 領域(高比抵抗領域)53の表面部分にカ
ソード領域用のn+ 領域54とゲート領域用のp+ 領域
55が、ゲート領域がカソード領域を挟むような形で形
成されている。一方、半導体基板52の裏面部分はアノ
ード領域用のp+ 領域56となっている。そして、カソ
ード領域にはカソード電極64が、ゲート領域にはゲー
ト電極65が、アノード領域にはアノード電極66がそ
れぞれコンタクトするように設けられている。
【0003】静電誘導サイリスタ51は、このようにカ
ソード領域とアノード領域の間にベース領域を備えてお
り、ゲート電極65に印加する電圧信号でベース領域に
おける空乏層コントロールを行いカソード・アノード間
を流れる電流のオン・オフを制御するようになってい
る。そして、この静電誘導サイリスタ51はノーマルオ
フ型(ゲート電極65の印加電圧=0Vで電流がオフす
るタイプ)が汎用的である。このノーマルオフ型の場
合、ゲート領域用のp+ 領域55は、不純物を高い濃度
で深く拡散して形成されていると同時に間隔Lが狭くな
るように形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
静電誘導サイリスタは、ゲート・カソード間の逆耐圧特
性が十分でなく、スイッチング速度やアプリケーション
面で問題がある。すなわち、ゲート領域の間隔Lが狭い
ために、n+ 領域54およびp+ 領域55におけるpn
接合部(ダイオード)の逆耐圧が低く、ゲート・カソー
ド間の逆耐圧特性が十分でないのである。そのため、ノ
イズ、逆起電力等による誤動作、破壊等の心配があって
パワーエレクトロニクス回路に対する適性が低く、高速
遮断を可能とする高逆電圧駆動が出来ないため、実用性
が十分とは言いがたい。
【0005】前記事情に鑑み、この発明は、ゲート・カ
ソード間の逆耐圧特性の改善が図れる半導体装置を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる半導体装置は、半導体基板の表面
部分にカソード領域用の第1導電型不純物拡散領域とゲ
ート領域用の第2導電型不純物拡散領域が形成されてい
る半導体装置における前記ゲート領域用の第2導電型不
純物拡散領域の表面内側部分には、第2導電型不純物高
濃度領域とこの高濃度領域を側方で囲んでいる第1導電
型不純物領域とを形成するようにしている。
【0007】この発明にかかる半導体装置の種類として
は、ノーマルオフ型静電誘導サイリスタやノーマルオフ
型静電誘導トランジスタなどが挙げられるが、これらに
限らない。なお、この発明においては、第1導電型がn
型の場合は第2導電型はp型であり、第1導電型がp型
の場合は第2導電型はn型である。以下、説明の便宜
上、第1導電型がn型、第2導電型がp型の場合を例に
とって説明する。
【0008】この発明の半導体装置のゲート領域用のp
型不純物拡散領域における高濃度領域以外の部分は不純
物が比較的低濃度であるが、p型不純物の具体的な濃度
の程度は、例えば、高濃度領域以外の比較的濃度の低い
部分のp型不純物濃度が1×1013cm-3〜1×1015
cm-3の範囲にあれば、高濃度領域の部分のp型不純物
濃度は1×1019cm-3〜1×1020cm-3の範囲にあ
る。
【0009】
【作用】この発明の半導体装置は、ゲート領域用のp型
不純物拡散領域の表面部分内側にはp型不純物高濃度領
域があるため、ゲート領域の間隔が狭いノーマリイオフ
型であっても、それ以外の部分のp型不純物濃度を低く
抑えておいて、ゲート・カソード間の逆耐圧特性の改善
を図ることができる。p型不純物高濃度領域以外の部分
のp型不純物濃度を低く抑えておくと、ゲート領域・カ
ソード領域間のpn接合部の不純物濃度が低くなり、空
乏層はゲート領域内に大きく広がるようになるため、p
n接合部の逆耐圧が高くなるからである。
【0010】ただ、空乏層が拡がり過ぎるとリーチスル
ーによる耐圧劣化を招く心配があるが、p型不純物高濃
度領域の側方にあるn型不純物領域のチャネルストッパ
的な作用で空乏層の拡がり過ぎは抑えるため心配ない。
それと、p型不純物濃度を低く抑えることにより、スイ
ッチング特性劣化などの心配もあるが、表面部分内側の
p型不純物高濃度領域で抵抗増大が抑えるなどしてスイ
ッチング特性などに悪影響が出ることが防がれるため心
配ない。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。この発
明は下記の実施例に限らない。図1は、実施例のノーマ
リイオフ型の静電誘導サイリスタの要部構成をあらわ
す。実施例の静電誘導サイリスタ1は、半導体基板2に
おけるベース領域用のn-領域(高比抵抗領域)3の表
面部分にカソード領域用のn+ 領域4とゲート領域用の
p領域5が、ゲート領域がカソード領域を挟むような形
で形成されている。一方、半導体基板2の裏面部分はア
ノード領域用のp+ 領域6となっている。また、カソー
ド領域にはカソード電極14が、ゲート領域にはゲート
電極15が、アノード領域にはアノード電極16がそれ
ぞれコンタクトするように設けられている。
【0012】そして、静電誘導サイリスタ1のゲート領
域用のp領域5の表面内側部分には、図1にみるよう
に、p+ 領域(p型不純物高濃度領域)7とp+ 領域7
を側方で囲んでいるn+ 領域(n型不純物領域)8とが
形成されており、ゲート・カソード間の逆耐圧特性を適
切な形で改善することができることは前述した通りであ
る。
【0013】静電誘導サイリスタ1におけるベース領域
用のn- 領域(高比抵抗領域)3のn型不純物の濃度は
1×1012cm-3〜1×1013cm-3の範囲であり、ゲ
ート領域でのn+ 領域8のn型不純物の濃度は1×10
19cm-3〜1×1020cm-3の範囲であり、ゲート領域
でのp+ 領域7のp型不純物の濃度は1×1019cm -3
〜1×1020cm-3の範囲であり、p+ 領域7以外の部
分のp型不純物の濃度は1×1013cm-3〜1×1015
cm-3の範囲である。このような設定濃度でノーマリイ
オフ型となるように拡散領域が形成されているのであ
る。
【0014】なお、静電誘導サイリスタ1は、カソード
領域とアノード領域の間にベース領域を備えており、ゲ
ート電極15に印加する電圧信号でベース領域における
空乏層コントロールを行いカソード・アノード間を流れ
る電流のオン・オフを制御するものであることは言うま
でもない。
【0015】
【発明の効果】以上に述べたように、この発明の半導体
装置は、ゲート領域用の第2導電型不純物拡散領域の表
面内側部分には第2導電型不純物高濃度領域と第1導電
型不純物領域があるため、第2導電型不純物高濃度領域
以外の部分の第2導電型不純物濃度を他の特定の低下を
招かないようにして低く抑えてゲート・カソード間の逆
耐圧特性を改善することが出来、その結果、ノイズ、逆
起電力等による誤動作、破壊等の心配が減ってパワーエ
レクトロニクス回路に対する適性が良くなり、また、高
速遮断を可能とする高逆電圧駆動もできるようになり、
実用性の高い半導体デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の静電誘導サイリスタの要部構成をあら
わす断面図である。
【図2】従来の静電誘導サイリスタの要部構成をあらわ
す断面図である。
【符号の説明】
1 静電誘導サイリスタ 2 半導体基板 4 n+ 領域 5 p領域5 7 p+ 領域 8 n+ 領域

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面部分にカソード領域用
    の第1導電型不純物拡散領域とゲート領域用の第2導電
    型不純物拡散領域が形成されている半導体装置におい
    て、前記ゲート領域用の第2導電型不純物拡散領域の表
    面内側部分には、第2導電型不純物高濃度領域とこの高
    濃度領域を側方で囲んでいる第1導電型不純物領域とが
    形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 第2導電型不純物拡散領域における高濃
    度領域以外の部分の第2導電型不純物濃度が1×1013
    cm-3〜1×1015cm-3であり、高濃度領域の部分の
    第2導電型不純物濃度が1×1019cm-3〜1×1020
    cm-3である請求項1記載の半導体装置。
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