JP3115572B2 - デジタル・ワイプ発生器 - Google Patents

デジタル・ワイプ発生器

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、デジタル・ワイプ発生器、特に、エリアシ
ングのないデジタル・ワイプを実行するデジタル・ワイ
プ発生器に関する。
[従来の技術] 映像放送分野において、ワイプとは、通常、映像プロ
ダクション・スイッチャにおいて、2つの映像信号源間
での遷移であり、この遷移は所定の幾何学的パターンに
従う。ワイプ発生器は、映像スイッチング回路の映像混
合器を制御する波形を発生することにより、所定の幾何
学的パターンを生成する。第7図に示す如き従来のワイ
プ発生器は、波形発生器部と、ソリッド発生器部と、マ
トリクス発生器部と、クリップ/利得部とを具えてい
る。この波形発生器部は、水平(H)及び垂直(V)カ
ウンタと、回転乗算マトリクスと、波形X及びYを発生
する絶対値回路とを具えている。これらX及びY波形
は、典型的には、反転及び/又は回転できる傾斜波及び
/又は3角波である。ソリッド発生器部は、演算回路を
含んでおり、X及び/又はY波形を種々の方法で合成し
て、「ソリッド」と呼ぶ第3波形VSを発生する。クリッ
プ/利得部は、このソリッドに応じて、従来動作を実行
し、ワイプ波形を発生する。なお、クリップ点は、ワイ
プ遷移の空間位置に関係し、利得は、ワイプ遷移のなだ
らかさに関係する。マトリクス発生器部は、ルックアッ
プ・テーブルにより得たワイプ波形である「マトリク
ス」ワイプを発生する。なお、このルックアップ・テー
ブルは、H及びVカウンタ出力によりアドレス指定す
る。
[発明が解決しようとする課題] 現在のワイプ発生器は、一般に、アナログ技術を用い
ている。しかし、デジタル・スイッチャと共に用いるに
は、デジタル・ワイプ発生器が求められている。そのた
めの単純なアプローチは、アナログ・ワイプ発生器の出
力を取り出し、適当なアナログ・デジタル(A/D)変換
器により、このアナログ信号をデジタル化することであ
る。しかし、このアプローチでは、歪によりノイズが生
じる。すなわち、円パターンが小さいとき、その縁が失
われる。他のアプローチでは、アナログ技術をそのまま
デジタル設計に置き換える。デジタル技術による現在の
装置では、エリアシングの問題が生じる。すなわち、完
全に水平又は垂直でない線の縁に、一般に「ジャギー」
と呼ばれる階段効果が現れる。
準ピクセル分解能(1ピクセル未満の分解能)を維持
して種々のデジタル・ワイプを実行できると共に、総て
の大きさに対して一定の形のワイプ・パターンを維持し
たデジタル・ワイプを実行する際に、エリアシングのな
いデジタル・ワイプ発生器が望まれている。
したがって、本発明の目的は、エリアシングのないデ
ジタル・ワイプを実行できるデジタル・ワイプ発生器の
提供にある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明によれば、波形発生器(第1発生手段)は、入
力同期信号からX及びY波形を発生する。これら波形
は、マイクロプロセッサへの操作者の入力により決ま
る。ワイプ・ソリッド発生器(第2発生手段)にて、こ
れらX及びY波形を合成して、ワイプ・ソリッド(WS)
波形を発生する。次に、混合手段にて、この波形を用
い、種々の映像信号を混合して、所望の映像信号出力を
発生する。曲線を含むワイプ・パターンに対しては、平
方根処理が必要である。X及びY波形を2乗し、加算
し、プリシフト(前処理シフト)するので、これら算術
演算結果の所定数の上位ビットのみを用いて、ルックア
ップ・テーブルをアドレス指定する。このルックアップ
・テーブルから得た結果を、プリシフトのビット数の半
分だけホスト・シフト(後処理シフト)して、最終出力
を得る。
本発明の目的、効果及びその他の新規な特徴は、添付
図を参照した以下の詳細な説明より明かになろう。
[実施例] 第1図は、本発明によるデジタル・ワイプ発生器のブ
ロック図である。このデジタル・ワイプ発生器10は、第
7図に示す従来のアナログ・ワイプ発生器と同様の基本
的なアーキテクチャを採用している。波形発生器(デジ
タル波形発生手段)12は、複合映像同期入力を受ける。
そして、この波形発生器12は、回転に関連したマルチプ
ライア(掛け算器)と、位置調整用の加算器と、サイン
及びコサイン関数発生器と共に、従来のH及びVカウン
タを用い、16ビット・ワードのデジタル形式S10.5に
て、X及びY出力デジタル波形を発生する。これらX及
びY出力デジタル波形は、振幅が夫々表示のX(水平)
方向及びY(垂直)方向の原点からの距離に対応する傾
斜波(階段波)を表す。なお、このデジタル・ワードの
Sは、符号ビットであり、下位5ビットは、分数部分で
ある。これらX及びY波形をデジタル・ワイプ・ソリッ
ド発生器(第2発生手段)14に入力して、ワイプ・ソリ
ッド(WS)出力デジタル波形を発生する。このWS波形を
混合器16に入力する。この混合器(混合手段)16には、
ルミナンス信号(YIN)、クロミナンス信号(CIN)、
キー信号(KIN)及びマスク信号(MIN)の如き他のデ
ジタル入力信号も供給される。混合器16は、WS信号に応
じて入力信号を合成し、ルミナンス信号(YOUT)、ク
ロミナンス信号(COUT)、キー信号(KOUT)及びマス
ク信号(MOUT)の如き対応する所望の出力信号を発生
する。バス18により、波形発生器12、ワイプ・ソリッド
発生器14及び混合器16を相互接続する。このバスには、
マイクロプロセッサ20も接続する。マイクロプロセッサ
20は、バス18に接続された種々のモジュールに、入出力
(I/O)ポートを介して受けた入力に応じて、適切な制
御波形信号、データ信号及びクロック信号を供給する。
ワイプ・ソリッド発生器14の詳細を第2図に示す。X
及びY波形を、マトリクス/合成器(マトリクス及び合
成手段)22、論理演算ユニット(ALU:演算手段)24及び
円発生器26に夫々入力する。バス18からの種々の制御波
形及びクロックの制御に応じて、ALU24及び円発生器26
は、X及びY波形に適切な処理を行う。ALU24は、バス1
8からの操作者入力に対応するワイプ・ソリッド情報
と、X及びY波形とから、上述のワイプ・ソリッドに対
応する信号を発生する。特に、ワイプ・ソリッドが円形
(曲線パターン)を含む場合、この部分のワイプ・ソリ
ッドに対応する信号(曲線パターン)は、ALU24ではな
く、専用の円発生器26により発生する。その結果を、マ
トリクス/合成器22に入力して、所望のワイプ・パター
ン波形WSを発生する。このマトリクス/合成器22は、X
及びY波形をラスタ走査の位置情報として、ALU24及び
円発生器26の各出力信号を合成して、最終的なワイプ・
パターン波形WSを発生する。なお、WS=F(X、Y)で
あり、これらは、総て、バス18を介してマイクロプロセ
ッサ20が制御する。第7図に示す如きマトリクス・ワイ
プ用の従来のマトリクスPROMは、波形発生器12内のH及
びVカウンタにより駆動する。しかし、デジタル・ワイ
プ発生器10において、総ての波形はデジタルであり、こ
れら波形のいくつかがマトリクス/合成器22内のマトリ
クスPROMを駆動できる。X及びY波形を用いることによ
り、マトリクス・パターンの回転/アスペクト比形式の
操作が可能になる。
第3図に示す円発生器26は、基本的な演算関数 OUT=sqrt(X**2+Y**2) (Xの2乗とYの2乗との和の平方根)を実行し、所望
の曲線出力を発生する。よって、円発生器26は、曲線パ
ターン発生手段として動作する。X及びY波形をマルチ
プライア28及び30に夫々入力する。これらマルチプライ
ア28及び30の結果の積(Xの2乗及びYの2乗)を加算
器32に入力して、これら積を加算する。加算器32の中間
出力をエンコーダ34及びプリシフト器36に入力する。エ
ンコーダ34は、加算器32の出力内の最初のゼロの数(最
上位ビットからの連続したゼロの数)を求め、この数に
応じてプリシフト器36用の適切なシフト・コマンドを発
生し、シフト・アップによりその出力を正規化する。加
算器出力の最初のゼロの後において最上位ビットとなる
ビット以降のビットであるプリシフト器36の出力は、平
方根ルックアップ・テーブル(LUT)38のアドレスとし
て作用する。平方根ルックアップ・テーブル38の出力を
ポスト・シフト器40に入力してシフト・ダウンすること
により、プリ・シフトを補償する。このシフトの量は、
プリシフト器36のシフト量の半分にエンコーダ34が決め
る。ポスト・シフト器40の出力は、所望の曲線出力であ
り、この出力をワイプ・ソリッド発生器14のマトリクス
/合成器22に入力する。実現を容易にするため、プリシ
フト・コマンドを偶数の整数で構成するので、ポスト・
シフト・コマンドは、整数である。
第4図は、混合器16のブロック図である。ワイプ・ソ
リッド発生器14からのWS波形を分離/変更回路42に供給
する。この回路42は、ミラー(鏡)イメージ・パターン
を発生するが、もし望むならば、外部の信号源からの信
号MINを用い、バス18のデータが決定した利得増加の後
に、WS波形に加算し、分離ワイプ・ソリッド(SWS)波
形を出力する。この分離/変更回路42からのSWS波形を
複数のクリップ/利得回路44及び46に入力して、キー信
号を発生し、種々の混合回路52及び54を駆動する。これ
ら混合回路は、映像遷移を実際に実行する。本発明に適
するデジタル・クリップ/利得回路は、1986年11月14日
に出願したリチャード・エイ・ジャクソンの米国特許出
願第931382号(特開昭63−211881号に対応)「デジタル
・クリップ及び利得回路」に開示されている。ワイプ・
ソリッド発生器14のいくつかの機能は、単一のサンプル
期間中に0から1に急激にステップするWS波形を発生す
る。これは、ナイキスト定理に背くと共にジャギーを生
じるので、クロップ・クリップ/利得回路44及び境界ク
リップ/利得回路46と、混合回路52及び54との間にフィ
ルタ回路56を挿入する。このフィルタ回路56は、単純な
4点2次元フィルタでもよく、混合回路52及び54に入力
するキー信号を確実に、常に帯域内にして、ステップ縁
を有するマトリクス・パターンの回転を可能にする。制
御バス18により境界マット発生器50を制御する。このマ
ット発生器50は、YIN、CIN及びKIN成分を有する第1
映像(映像1)を混合するための適切な境界マットを発
生する。第5図は、第4図の混合器16に対応する種々の
信号を表す。境界クリップ/利得回路46の出力をろ波し
た信号(BM)を第1混合回路52に入力して、第1映像及
びマット間の混合を行う。クロップ・クリップ/利得回
路44の出力をろ波した信号CMを第2混合回路54に入力し
て、第2映像(映像2)及び第1混合回路52の出力間の
混合を行い、映像出力信号を発生する。この出力信号
は、映像1及び映像2の間に境界マットのあるワイプと
なる。
クリップ/利得回路44及び46は、例えば、16ビットの
分解能で動作し、その入力ワイプ・パターンSWSは、あ
る数の分数ビットを有する数値の形式なので、準ピクセ
ル分解能を達成できる。これは、元のサンプリング比率
を2**n(2のn乗)倍したサンプリング比率まで内
挿補間した信号と等価である。なお、nは、分数ビット
の数に等しい。次に、元の比率を10分の1にして、キー
信号を得る。例えば、 ライン1及び2は、キー(及び映像)信号のサンプリン
グ点を表す。ライン1′及び2′は、映像のサンプリン
グ比率の4倍のサンプリング比率における、即ち、2ビ
ット分数分解能における0から1への遷移を表す。この
遷移が、右に、ライン1から2に移動すると、この映像
の変形は、滑らかな内挿補間であり、実際の位置を維持
する。映像サンプルの時点のみにおいて、出力が必要な
ので、他の点は計算せず、ハードウエアを高速な比率で
実行させる必要がない。この結果、エリアシングのない
デジタル・ワイプとなる。
ワイプ・パターンが回転したとき、ソース反復及びタ
ーゲット反復の差が明かになる。ターゲット反復をワイ
プ・パターンとし、反復したパターンの各独立した要素
は、それ自体の中心の周りで回転する。操作者が定めた
ように、ソース反復は、その中心の周囲で全反復ワイプ
・パターンを回転させる。波形発生器12にて、X及びY
傾斜/3角波形を乗算し、最上位ビットをなくすことによ
り、反復を行って、多くの傾斜/3角波形を発生する。タ
ーゲット反復は、この回転マトリクスの前に、この動作
を実行する一方、ソース反復は、回転マトリクスの後に
行う。
波形発生器12にて、利得を回転マトリクス乗算に加味
することにより、アスペクト比を実現する。これら要素
を加味する方法は、アスペクト比がソースかターゲット
のいずれかにより決める。アスペクト比がターゲットな
らば、回転パターンはその形状を変化させない。アスペ
クト比がソースならば、ワイプ・パターンが回転するに
つれ、このワイプ・パターンの形状が変化する。
最後にセグメント化したワイプ・パターンは、2パス
・ワイプであり、第1パス、即ち遷移の最初の半分にお
いて、定めた「セグメント」にてのみ、通常のワイプが
生じる。第2パス、即ち遷移の後半の半分は、第1パス
にて変更されていないセグメントをワイプする。よっ
て、このワイプが完了する。これらセグメントは、等し
く調整可能な大きさの部分であり、これら部分はX又は
Y波形により駆動できる。セグメントは、任意のワイプ
・パターンに供給できる変更子である。第6図は、本発
明に用いるセグメント発生器のブロック図である。X及
びYセグメント発生器62及び64は、マイクロプロセッサ
20の制御により、X及びY波形の適切な最下位ビットか
ら1ビット波形を発生する。これらセグメント発生器62
及び64からのセグメント化された波形の制御により、変
調器66は、ソリッド波形をその最大値又は最小値のいず
れかにする。例えば、選択したセグメント波形が「1」
である第1パスにおいて、ワイプ・ソリッド波形を最大
とし、これら領域からワイプが生じるのを禁止する。セ
グメント波形が「0」である第2パス期間中、ワイプ・
ソリッド波形をその最小値として、以前に達成した「ワ
イプ」状態を維持する一方、通常のワイプが、残りの領
域にて生じる。変調器66は、これらセグメント波形の
「論理積」を求めて、これらを同時に使用可能にする。
[発明の効果] 上述の如く、本発明のデジタル・ワイプ発生器は、デ
ジタル・ワイプを行うためのデジタル・ワイプ・ソリッ
ド波形を発生するために、X及びYデジタル波形信号か
ら所望の曲線パターンを発生する曲線パターン発生手段
を用いる。この曲線パターン発生手段は、複数のデジタ
ル波形の夫々の2乗の和を表す中間出力を計算し、この
中間出力を正規化して、中間出力の最上位ビット側から
のゼロの後の所定数のビットのみを用いる。すなわち、
この所定数のビットは、分数ビットを用いて、シフトを
行ったものとなる。これを用いて、中間出力の平方根を
表す平方根出力を発生し、この平方根出力をシフトす
る。よって、改善された所望の曲線パターンを出力でき
るので、エリアシングのないデジタル・ワイプを実行で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のデジタル・ワイプ発生器のブロック
図、第2図は本発明に用いるデジタル・ワイプ・ソリッ
ド発生器のブロック図、第3図は本発明に用いる平方根
回路のブロック図、第4図は本発明に用いる混合器のブ
ロック図、第5図は第4図の動作を説明するための信号
を表す図、第6図は本発明に用いるセグメント発生器の
ブロック図、第7図は従来例を示すブロック図である。 12はデジタル波形発生手段、16は混合手段、22はマトリ
クス及び合成手段、24は演算手段、26は曲線パターン発
生手段を夫々示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操作者の入力及び映像同期信号から、振幅
    が夫々表示のX(水平)方向及びY(垂直)方向の原点
    からの距離に対応する傾斜波である所望ワイプ・パター
    ンを表すX及びYデジタル波形を発生するデジタル波形
    発生手段と、 上記X及びYデジタル波形に対して上記操作者の入力に
    応じた演算処理を行う演算手段と、 上記操作者の入力に応じて、上記X及びYデジタル波形
    から所望の曲線パターンを発生する曲線パターン発生手
    段と、 上記X及びYデジタル波形をラスタ走査の位置情報とし
    て上記演算手段及び上記曲線パターン発生手段の出力と
    マトリクス処理及び合成して、上記所望ワイプ・パター
    ンを形成するデジタル・ワイプ・ソリッド波形を発生す
    るマトリクス及び合成手段と、 上記デジタル・ワイプ・ソリッド波形に応じて複数の外
    部信号を混合して、上記複数の外部信号間で所望のワイ
    プ遷移を行う混合手段とを具え、 上記曲線パターン発生手段が、 上記X及びYデジタル波形の夫々の2乗の和を表す中間
    出力を計算する手段と、 上記中間出力を正規化して、上記中間出力の最上位ビッ
    ト側からのゼロの後の所定数のビットのみを用いてアド
    レスする手段と、 上記アドレスを用いて、上記中間出力の平方根を表す平
    方根出力を発生する手段と、 上記平方根出力をシフトして上記所望の曲線パターンを
    発生する手段と を有することを特徴とするデジタル・ワイプ発生器。
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