JP3113918U - 揮発性有機化合物測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 CO標準ガスを用意することなく、酸化触媒の劣化を判断するVOC計を提供する。
【解決手段】 ガス導入部10と、酸化触媒が充填された酸化炉21を有し導入された試料ガス中の揮発性有機化合物を酸化してCOを発生しつつ通過させる測定流路20と、導入された試料ガスをそのまま通過させる比較流路30と、測定流路20および比較流路30から流出するガス中のCOとを検出するガス分析部50とを備え、ガス導入部10から有機化合物含有ガスが測定流路20に送り込まれているときに流量調整部60により測定流路を流れるガスの流量を変更し、流量変更前後に測定流路20から流出するガスについて検出されるCOの変化に基づいて酸化触媒の劣化を判定する劣化判定部を備える。
【選択図】図1

Description

本考案は、工場から採取した排出ガス等の試料ガス中に含まれる揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds: 以下、VOCともいう)の測定を行う揮発性有機化合物測定装置(以下、VOC計ともいう)に関し、さらに詳細には、酸化触媒を用いてVOCをCO(二酸化炭素)に変換したときのCO量を測定することにより、CO量からVOC量を測定する揮発性有機化合物測定装置に関する。
ここで、VOCとは、大気中に排出され、又は飛散したときに気体である有機化合物をいい、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、スチレン等の有機溶剤がVOCに含まれる。
大気汚染を防ぐには、工場等から発生する粉塵、煤煙などの排出規制を行うことが必要であり、大気汚染防止法等による大気環境の法的規制がなされている。近年、世界各国ではVOC全体に対する規制が始められており、日本でもVOCの排出量を削減するため、VOCの法規制がなされようとしている。
例えば、有機溶剤を用いる塗装工場、接着工場、印刷工場、洗浄工場等あるいは化学製品貯蔵所等の施設は、屋外に排出する排出ガスにVOCが含まれるために排出規制の対象となる。そのためVOCを排出する施設では、VOCの排出量を測定することが必要となる。
VOC量を測定する揮発性有機化合物測定装置(VOC計)として、酸化触媒を用いてVOCをCOに変換し、そのときのCO変換量を、非分散型赤外線ガス分析計を用いて測定することにより、CO量からVOC量を測定するVOC計が用いられている(例えば特許文献1参照)。
ここで非分散型赤外線ガス分析計は、測定対象ガス(ここではCO)をガスセルに導入し、測定対象ガス固有の吸収波長の光を含む赤外光源をガスセルの一端側に取り付けてガスセルに照射し、他端側に設けた検出器によりその吸収波長の光の吸収強度を測定することにより、ガスセル内の測定対象ガスの濃度を計測する。
図5は、従来の非分散型赤外線ガス分析計を用いたVOC計100の構成を説明するブロック図である。このVOC計100は、ガス導入部10、測定流路20、比較流路30、共通流路40、ガス分析部50とからなる。
ガス導入部10には、ガス導入口11が設けてあり、サンプリング容器に採取した分析対象の試料ガス12、あるいはスパン校正用ガス13(スパン校正のため有機化合物を含有する標準ガス)、あるいはゼロ点校正用ガス14(ゼロ点校正のためのCOおよび有機化合物を含まない標準ガス)が適宜に導入される。ガス導入口11の出口側は、測定流路20および比較流路30のそれぞれの入口側に接続してある。
測定流路20は、白金等の酸化触媒が充填された酸化炉21、酸化炉21から流出するガスに含まれる塩化水素、フッ化水素等のハロゲンガスを除去してCOを通過させるためのハロゲンスクラバ22が設けられ、流路を切り換える三方電磁弁41に接続してある。
比較流路30は、ガス導入口11と三方電磁弁41とを配管で接続してあり、ガス導入口11から流出するガスを、酸化炉21を通過させずそのまま三方電磁弁41に送ることができるようにしてある。三方電磁弁41の出口側は共通流路40に接続してある。
共通流路40は、三方電磁弁41から流出するガスに含まれる水分を除去する電子クーラ23、ガスを送り出すポンプ24が接続されている。共通流路40の出口側はガス分析部50に接続してある。
ガス分析部50は、赤外線ガス分析計51と、赤外線ガス分析計51の検出信号を演算処理する信号処理部52とからなる。
赤外線ガス分析計51は流通型のガスセルSと封入型のガスセルRとからなるリファレンス型ガスセルを有しており、ガスセルSには共通流路40から流出するガスが送り込まれ、他方のガスセルRはガス濃度一定のリファレンスガスが封入されている。赤外線ガス分析計51は、ガスセルSとガスセルRとの赤外線吸収強度を、周知技術である回転セクタによる時分割制御によって交互に検出して強度差信号を生成し、信号処理部52に送るようにしてある。
信号処理部52は、CPU、ROM、RAM、入出力装置等のハードウェアおよびハードウェアを制御するソフトウェアとからなるコンピュータ(このコンピュータは装置全体の制御も行う)により構成され、赤外線ガス分析計51からの信号に基づいて、ガス濃度を算出する処理を行う。
このVOC計100の計測動作を説明する。試料ガス12がガス導入口11から導入され測定が開始されると、導入された試料ガス12は、分析流路20と比較流路30とに分岐する。
三方電磁弁41が測定流路20側を開成した状態に切り換わると、測定流路20を流れるガスは、酸化触媒が充填された酸化炉21を通過する際に、ガス中のVOCが酸化されてCOに変換され、その後、ハロゲンスクライバ22でハロゲンガスが除去され、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計51のガスセルSに送られる。このときのガスセルSでは、試料ガス12中に元々含まれていたCOとVOC由来のCOとを合わせたCO濃度に応じた赤外線吸収信号が検出される。そしてリファレンスセル側の赤外線吸収信号との強度差信号が信号処理部52に送られる。
一方、三方電磁弁41が比較流路30側を開成した状態に切り換わると、比較流路30を流れるガスは、そのまま三方電磁弁41を通過し、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計51のガスセルSに送られる。このときガスセルSには、ガス中のVOCが酸化されることなくそのまま送られてきているので、試料ガス12中に元々含まれていたCO濃度に応じた赤外線吸収信号が検出される。そして、リファレンスセル側の赤外線吸収信号との強度差信号が信号処理部52に送られることになる。
そして、信号処理部52は、交互に検出された測定流路20と比較流路30との流出ガスによる信号の強度差を求めることにより、試料ガス12中に含まれるVOC量を炭素数に換算した量として計測する。このようにして計測されたVOC量は炭素数が1の揮発性有機化合物の容量に換算した容量比百万分率「ppmC」として表される。
図6は、他の従来例である非分散型赤外線ガス分析計を用いたVOC計200の構成を説明するブロック図である。このVOC計200は、ガス導入部10、測定流路20a、比較流路30a、ガス分析部50aとからなる。なお、図6において、図5と同じものは同符号を付すことにより説明の一部を省略する。
測定流路20aには、酸化炉21、ハロゲンスクラバ22、電子クーラ23、ポンプ24が接続され、ガスを送り出すポンプ24が接続されている。
比較流路30aは、電子クーラ23と同一の電子クーラ33と、ポンプ24と同一のポンプ34が接続されている。
ガス分析部50aは、赤外線ガス分析計55と、赤外線ガス分析計55の検出信号を演算処理する信号処理部56とからなる。
この赤外線ガス分析計55は比較流通型ガスセルを有しており、一方のガスセルSには測定流路20aから流出するガスが送り込まれ、他方のガスセルRには比較流路30aから流出するガスが送り込まれるようにしてある。
VOC計200の計測動作を説明する。試料ガス12がガス導入口11から導入され測定が開始されると、試料ガス12が分析流路20aと比較流路30aとに分岐する。
測定流路20aを流れるガスは、酸化触媒が充填された酸化炉21を通過する際に、ガス中のVOCが酸化されてCOに変換され、ハロゲンスクラバ22でハロゲンガスが除去され、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計55のガスセルSに送られる。このときのガスセルSでは、試料ガス12中に元々含まれていたCOとVOC由来のCOとを合わせたCO濃度に応じた赤外線吸収信号が検出されることになる。
一方、比較流路30aを流れるガスは、電子クーラ33で水分が除去されて赤外線ガス分析計55のガスセルRに送られる。このときガスセルRには、ガス中のVOCが酸化されることなくそのまま送られてきているので、試料ガス12中に元々含まれていたCO濃度に応じた赤外線吸収信号が検出されることになる。
赤外線ガス分析計55は、回転セクタによる時分割制御によって、交互に測定流路20aと比較流路30aとのそれぞれの赤外線吸収信号を検出し、その強度差信号を生成し、信号処理部56に送る。この信号処理部56も、図5の信号処理部52と同様のコンピュータで構成されている。
そして、信号処理部56は、赤外線ガス分析計55から送られてきた強度差信号に基づいて、試料ガス12中に含まれるVOC量の炭素数に換算した量を計測する。
特開平8−101187号公報
VOC計では、装置が正常に機能することを確認し、装置の性能・特性を確認するために、試料ガス12を導入して測定を行う前に、ゼロ点調整およびスパン調整のための校正が行われる。
校正作業は、ゼロ点調整については、有機化合物を含まないゼロ点校正用ガス14を導入してガス分析計の調整が行われ、スパン調整については濃度が既知の有機化合物(例えば空気をベースとするプロパンガス)を含んだスパン校正用ガス13を導入してガス分析計の調整が行われる。
ところで、工場等から排出されるVOCには、塩素、有機シリコン、有機リン等の触媒毒が含まれている。これら触媒毒は、酸化炉21内の酸化触媒を劣化させ、ひいてはVOCの酸化効率を低下させる影響を及ぼすことになる。
上述したような、校正用ガス13を導入して行うスパン校正では、触媒の酸化効率が劣化したことによる影響も含めた校正がなされるため、触媒が劣化しているか否かは判断できない。しかしながら、触媒の劣化が進むと、VOCの種類に応じて、酸化効率が変化することとなり、正確なVOC測定が困難になる。
触媒の酸化効率の劣化は、ガス分析部50(50a)の赤外線ガス分析計51(55)に対して、CO標準ガス(CO濃度が既知のガス)を用いて赤外線ガス分析計51(55)単独での校正を行った後に、VOC濃度既知のスパン校正用ガス(例えばVOCとしてプロパンガスを含有するガス)を、ガス導入部10から酸化炉21を介して流すことにより確認できるが、赤外線ガス分析計51(55)単独での校正が必要となり、煩雑である。しかも、濃度既知のCO標準ガスを別途に用意しておく必要がある。
そこで、本考案は赤外線ガス分析計(ガス分析部)単独での校正が必要なく、しかも、CO標準ガスを用意することなく、酸化触媒の劣化を判断することができる揮発性有機化合物測定装置(VOC計)を提供することを目的とする。
また、本考案は、スパン校正用ガスあるいは濃度が一定のVOCガスがあれば、触媒の劣化判断をすることができる揮発性有機化合物測定装置(VOC計)を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本考案に係る揮発性有機化合物測定装置(VOC計)は、試料ガスや校正ガスを導入するガス導入部と、酸化触媒が充填された酸化炉を有し導入された試料ガス中の揮発性有機化合物を酸化してCOを発生しつつ通過させる測定流路と、導入された試料ガスをそのまま通過させる比較流路と、測定流路から流出するガス中のCOと比較流路から流出するガス中のCOとを検出するガス分析部とを備えた揮発性有機化合物測定装置において、ガス導入部から有機化合物を含有する校正ガスまたは試料ガスが測定流路に送り込まれているときに測定流路を流れるガスの流量を変更する流量調整部と、流量調整部による流量変更前後に測定流路から流出するガスについてのガス分析部により検出されるCOの変化に基づいて酸化触媒の劣化を判定する劣化判定部を備えるようにしている。
この考案によれば、酸化触媒の酸化効率の劣化判定を行う場合に、ガス導入部から有機化合物含有ガスを測定流路に送り込む。有機化合物含有ガスは、酸化炉で触媒酸化反応によってCOに変換されるガスであればよく、例えば、スパン校正用ガスを用いることが好ましいが、これに限られず、濃度一定のVOCを含有するガスであれば試料ガスであってもよい。
酸化触媒が劣化していない場合、測定流路内を連続的に流れている有機化合物含有ガスは効率よく酸化され、測定流路を流れるガス中の有機化合物全体が完全にCOに変換される。
これに対し、酸化触媒が劣化している場合、測定流路に有機化合物含有ガスを所定流量で連続的に流すと、流量が多すぎると酸化触媒は有機化合物含有ガスを効率よく酸化することができないために、一部の有機化合物はCOに変換されずに、そのまま流出される。この場合にガス分析部で検出されるCO濃度は低くなる。
一方、流量調整部によって測定流路を流れるガス流量を制限することにより、測定流路を流れる有機化合物含有ガスが酸化触媒に接する時間が長くなるために、たとえ酸化触媒が劣化していたとしても、酸化反応が充分に進む。そのため、測定流路を通過する有機化合物全体がCOに変換され、CO濃度の高いガスが流出することになる。
したがって、流量調整部により測定流路を流れる有機化合物含有ガスの流量を変更し、変更前後のCO濃度をガス分析部によって検出することにより、変更前後の変動量が一定限度を超えると劣化したものと判断することができる。
本考案の揮発性有機化合物測定装置(VOC計)によれば、装置の校正作業のために本来装備しているスパン校正用ガスやその他の有機化合物を含有するガスを用いて、酸化触媒の劣化を判定することができ、劣化判定のためにCO標準ガスを用意する必要がなくなる。
また、劣化判定に校正用ガスを用いる場合は、スパン校正時に同時に触媒劣化判定を行うことができる。また、劣化判定に一定濃度のVOCを含む試料ガスを用いる場合は、試料ガス測定中であっても触媒劣化の判定を行うことができる。
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
上記考案において、流量調整部は、測定流路からガス分析部入口に至るまでの流路の一部に並行するように形成され通過ガス流量が制限される流量制限路と、流量制限路に流路を切り換える切換弁とにより構成されるようにしてもよい。
ここで流量制限路は、例えば、配管径が他の測定流路の配管径より小さいキャピラリ管を用いてもよいし、狭窄部を形成した配管を用いてもよい。
これによれば、切換弁により一時的に流量制限路に切り換え、その後、再び切り換えることで元の流量に戻すことができるので、劣化判定後に、簡単に元の状態に戻すことができる。
上記考案において、流量調整部は、測定流路からガス分析入口に至るまでの流路の一部に形成される流量調整弁とフローメータとにより構成され、さらに、流量変更を促す指示画面を表示する表示部を備えるようにしてもよい。
これによれば、表示部に流量変更を促す指示画面を表示することにより、作業者に流量調整弁による流量変更動作を促す。作業者が指示に従って操作することにより、安全確実に手動作業による劣化判定を行うことができる。
以下、本考案にかかる揮発性有機化合物測定装置(VOC計)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本考案は以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
(実施形態1)
図1は、本考案の第1の実施形態であるVOC計1の概略構成を示すブロック図である。図において、図5と同じものについては、同符号を付すことにより、説明を一部省略する。
このVOC計1は、ガス導入部10、測定流路20、比較流路30、共通流路40、ガス分析部50、流量調整部60とからなる。
ガス導入部10には、ガス導入口11が設けてあり、サンプリング容器に採取した分析対象の試料ガス12(サンプリングチューブにより連続的に採取する試料ガスであってもよい)、あるいはスパン校正用ガス13、あるいはゼロ点校正用ガス14が電磁バルブ群15の開閉により適宜に導入される。電磁バルブ群15は流路選択部42により制御される。流路選択部42は、後述する流量切換部63、信号処理部52、劣化判定部53とともに、CPU、ROM、RAM、入出力装置等のハードウェアと、制御用ソフトウェアとからなるコンピュータにより構成され、制御用ソフトウェアによる処理が行われる。
ガス導入口11の出口側は、測定流路20および比較流路30のそれぞれの入口側に接続してある。
測定流路20は、白金等の酸化触媒が充填された酸化炉21、ハロゲンスクラバ22が接続してあり、その後には流量調整部60が接続され、さらに流路を切り換える三方電磁弁41に接続してある。
流量調整部60は、測定流路20の一部分である部分流路65から分岐し、キャピラリ管で構成される流量制限路61と、部分流路65と流量制限路61とを切り換える三方電磁弁62と、三方電磁弁62の切換制御を行う流量切換部63とから構成される。
比較流路30は、ガス導入口11の出口側と三方電磁弁41とを配管で接続してあり、ガス導入口11から流出するガスを、酸化炉21を通過させずそのまま三方電磁弁41に送ることができるようにしてある。三方電磁弁41の出口側は共通流路40に接続してある。
共通流路40は、三方電磁弁41、三方電磁弁41から流出するガスに含まれる水分を除去する電子クーラ23、ガスを送り出すポンプ24が接続されている。三方電磁弁41の切換制御は流路選択部42により行われ、一定間隔(例えば10秒間隔)で、測定流路20から流出するガスと比較流路30から流出するガスとを交互に共通流路40に送る。共通流路40の出口側はガス分析部50に接続してある。
ガス分析部50は、赤外線ガス分析計51と、赤外線ガス分析計51の検出信号を演算処理する信号処理部52と、信号処理部52の信号に基づいて酸化触媒の劣化を判定する劣化判定部53とからなる。
赤外線ガス分析計51は、リファレンス型ガスセルを有しており、ガスセルSには共通流路40から流出するガスが送り込まれ、他方のガスセルRはガス濃度一定のリファレンスガスが封入されている。赤外線ガス分析計51は、ガスセルSとガスセルRとの赤外線吸収強度を交互に検出して強度差信号を生成し、信号処理部52に送るようにしてある。
信号処理部52は、赤外線ガス分析計51からの信号に基づいて、ガス濃度(ここではCO濃度)を算出する処理を行う。
劣化判定部53は、流量切換部63と連動して動作し、信号処理部52により算出された流量変更前後の流出ガスについてのCO濃度変化の有無に基づいて、酸化触媒の劣化判定を行う。
次に、VOC計1の動作について説明する。ここでは、スパン校正時に触媒劣化の判定を行う場合を説明する。
ゼロ点調整のために、校正用ガスを有機化合物やCOを含まないゼロ点校正用ガス14(例えば高純度空気)にし、測定流路20、比較流路30にガスを導入し、そのときの赤外線ガス分析計51の出力信号を採取して、ゼロ点を定める。
続いて、スパン校正のために、校正用ガスがゼロ点校正用ガス14から既知濃度のプロパンガスを含んだ大気ベースのスパン校正用ガス13に変更される。スパン校正用ガスによる赤外線ガス分析計51の出力信号を採取することによりスパン校正を行う。
スパン校正の際には、流路選択部42は三方電磁弁41の切換操作を行って測定流路20と比較流路30とが一定間隔(例えば10秒間隔)で交互に切り換わるようにし、赤外線ガス分析計51によりそれぞれの流路から流出するガスの赤外線吸収信号を検出し、スパン校正を行う。
以上が通常の校正作業であるが、引き続き、スパン校正用ガスを用いて触媒劣化の判定を行う。劣化判定の際は、流路選択部42の制御によって、三方電磁弁41が測定流路20側を開成する。
そして、流量切換部63の制御によって、三方電磁弁62が、ガスを通過させる流路を、部分流路65から流量制限路61に切り換える。これにより、測定流路20を流れるガス流量が制限される。具体的には、例えば、部分流路65を流れる流量が1L/minであるとき、流量制限路61に切り換えることにより、流量が0.8L/minに制限される。
そして、流量切換の前後において信号処理部52で算出されるCO濃度の経時変化データを採取する。
このときの、測定例を図2に示す。触媒が劣化していないときは、三方電磁弁62の切換により流量制限路61側に切り換わってガス流量が変化しても、図2(a)に示すようにほとんどCO濃度は変化しない。それに対し、触媒が劣化しているときは、図2(b)に示すように、ガス流量が小さくなると、CO濃度が増加するため、段差が生じる。
劣化判定部53は、例えば、CO濃度変化量がCO濃度の3%を越えた場合に、触媒の劣化が進んだと判定する。そして、劣化を知らせるためのメッセージを図示しない出力画面に表示したり、警報音を発したりして知らせる。
(実施形態2)
図3は、本考案の他の一実施形態であるVOC計2の概略構成を示すブロック図である。実施形態1で説明したVOC計1と同じものについては、同符号を付すことにより説明の一部を省略する。
VOC計2は、図6(従来例)で説明した比較流通型ガスセルの赤外線ガス分析計を用いたものであり、ガス導入部10、測定流路20a、比較流路30a、ガス分析部50a、流量調整部60とから構成される。
ガス導入部10は、基本的に図1のガス導入部10と同じ構成である。
測定流路20aは、酸化炉21、ハロゲンスクラバ22が接続してあり、その後には流量調整部60が接続され、さらに電子クーラ23、ポンプ24が接続され、ガス分析部50aの赤外線ガス分析計55に接続してある。
流量調整部60は、測定流路20aの一部分である部分流路65から分岐し、キャピラリ管で構成される流量制限路61と、部分流路65と流量制限路61とを切り換える三方電磁弁62と、三方電磁弁62の切換制御を行う流量切換部63とから構成される。流路切換部63は、後述する信号処理部56、劣化判定部53とともに、CPU、ROM、RAM等のハードウェアと、制御用ソフトウェアとからなるコンピュータにより構成され、制御用ソフトウェアによる処理が行われる。
比較流路30aは、電子クーラ23と同一の電子クーラ33、ポンプ24と同一のポンプ34が接続され、ガス分析部50aの赤外線ガス分析計55に接続してある。
ガス分析部50aは、赤外線ガス分析計55と、赤外線ガス分析計55の検出信号を演算処理する信号処理部56と、信号処理部56の信号に基づいて酸化触媒の劣化を判定する劣化判定部53とからなる。
赤外線ガス分析計55は、比較流通型ガスセルを有しており、一方のガスセルSには測定流路20aから流出するガスが送り込まれ、他方のガスセルRには比較流路30aから流出するガスが送り込まれるようにしてある。赤外線ガス分析計55は、回転セクタによる時分割制御によって、交互に測定流路20aと比較流路30aとのそれぞれの赤外線吸収信号を検出し、その強度差信号を生成し、信号処理部56に送る。そして、信号処理部56は、赤外線ガス分析計55から送られてきた強度差信号に基づいて、ガス濃度(CO濃度)を算出する処理を行う。
劣化判定部53は、流量切換部63と連動して動作し、信号処理部56により算出された流量変更前後の流出ガスについてのCO濃度変化の有無に基づいて、酸化触媒の劣化判定を行う。
次に、VOC計2の動作について説明する。スパン校正時に触媒劣化の判定を行う場合、実施形態1と同様の手順により、まずゼロ点調整を行い、さらに、スパン校正を行い、スパン校正用ガスを用いて、劣化判定を行う。劣化判定時の動作については、三方電磁弁41の制御がない点以外は、実施形態1のときと同じである。すなわち、流量切換部63の制御によって三方電磁弁62を作動し、ガスを通過させる流路を部分流路65から流量制限路61に切り換える。これにより、測定流路20を流れるガス流量が制限される。そして、流量切換の前後において信号処理部56で算出されたCO濃度の経時変化データを採取する。劣化判定部53は、CO濃度変化がCO濃度の3%を越えた場合に、触媒の劣化が進んだと判定する。そして、劣化を知らせるためのメッセージを図示しない出力画面に表示したり、警報音を発したりして知らせる。
(実施形態3)
図4は、本考案の第3の実施形態であるVOC計3の概略構成を示すブロック図である。図において、図1と同じものについては、同符号を付すことにより、説明を省略する。
このVOC計3は、ガス導入部10、測定流路20、共通流路40、ガス分析部50、流量調整部60a、表示部70とからなる。
このうち、ガス導入部10、比較流路30、ガス分析部50の構成については、図1と同じ構成であるが、図1では測定流路20に設けていた流量調整部60に代えて、共通流路40に流量調整部60aを設けている。
流量調整部60aは、ニードル弁66と、フローメータ67とから構成される。流量調整部60aは、フローメータ67に表示される流量を確認しながら、手動で流量を調整することができるようにしてある。
また、VOC計3では、表示制御部71により表示が行われる表示部70が設けてあり、表示部70に作業指示の画面表示を行うことにより、オペレータに必要な処理や設定を行うことを促すようにしている。
次にVOC計3での動作を説明する。スパン校正時に触媒劣化の判定を行う場合、実施形態1と同様の手順により、まずゼロ点調整を行い、さらに、スパン校正を行い、スパン校正用ガスを用いて、劣化判定を行う。
劣化判定時の動作を説明する。流路選択部42により測定流路20aが開成するように三方電磁弁41が制御される。この状態で、表示制御部71により表示部70に、「スパンガスを流量1L/minにして分析計に導入して下さい」との表示が行われ、測定者に流量設定を促して、所定時間(例えば10秒)待機する。測定者はその間に流量設定を行う。設定が完了すれば、図示しない入力装置から設定完了の入力を行う。あるいは、10秒の時間経過を待ってもよい。
設定完了の入力を受けるか、あるいは設定された待ち時間が終了すると、信号処理部52がそのときのCO濃度を算出する。
続いて、表示制御部71により表示部70に「スパンガスを流量0.8L/minにして分析計に導入して下さい」との表示が行われ、測定者に流量設定の変更を促して、所定時間(例えば10秒)待機する。測定者が流量設定の変更が完了すると、図示しない入力装置から設定完了の入力を行う。あるいは、10秒の時間経過を待つ。設定完了の入力を受けるか、あるいは設定された待ち時間が終了すると、信号処理部52がそのときのCO濃度を算出する。
劣化判定部53が、2つの状態について算出されたCO濃度を比較し、CO濃度が予め設定した許容幅(例えば3%)を超えた場合に触媒の劣化が進んだと判定する。そして、劣化を知らせるためのメッセージを表示画面70に表示したり、警報音を発したりして知らせる。
なお、上述した実施形態では、いずれもスパン校正用ガスを用いて劣化判定を行うこととしたが、これに限られず、一定濃度のVOCを含有する試料ガス12を用いて、試料測定中に劣化判定を行うようにしてもよい。この場合も、三方電磁弁41を切り換えるだけで実質的に同様の動作を行うことにより、劣化判定を行うことができる。
また、上記実施形態では、COを検出するために赤外線ガス分析計を用いたが、COを検出できるものであれば、原理上、赤外線ガス分析計以外の分析計を用いた場合でも、本考案を適用することができる。
本考案は、揮発性有機化合物測定装置(VOC計)に利用することができる。
本考案に係るVOC計の第1の実施例を示す概略的な構成図。 劣化触媒または非劣化触媒を用いた場合の赤外線ガス分析計による出力変化を示す図。 本考案に係るVOC計の第2の実施例を示す概略的な構成図。 本考案に係るVOC計の第3の実施例を示す概略的な構成図。 従来の揮発性有機化好物測定装置の概略構成図。 従来の揮発性有機化好物測定装置の概略構成図。
符号の説明
10 ガス導入部
12 試料ガス
13 スパン校正用ガス
14 ゼロ点構成用ガス
15 電磁バルブ群
20、20a 測定流路
21 酸化炉
30、30a 比較流路
40 共通流路
41 三方電磁弁
42 流路選択部
50、50a ガス分析部
51 赤外線ガス分析計(リファレンス型)
52 信号処理部
53 劣化判定部
55 赤外線ガス分析計(比較流通型)
56 信号処理部
60 流量調整部
61 流量制限路
62 三方電磁弁
63 流量切換部
70 表示部

Claims (3)

  1. 試料ガスや校正ガスを導入するガス導入部と、酸化触媒が充填された酸化炉を有し導入された試料ガス中の揮発性有機化合物を酸化してCOを発生しつつ通過させる測定流路と、導入された試料ガスをそのまま通過させる比較流路と、測定流路から流出するガス中のCOと比較流路から流出するガス中のCOとを検出するガス分析部とを備えた揮発性有機化合物測定装置において、
    ガス導入部から有機化合物を含有する校正ガスまたは試料ガスが測定流路に送り込まれているときに測定流路を流れるガスの流量を変更する流量調整部と、
    流量変更前後に測定流路から流出するガスについてのガス分析部により検出されるCOの変化に基づいて酸化触媒の劣化を判定する劣化判定部を備えたことを特徴とする揮発性有機化合物測定装置。
  2. 流量調整部は、測定流路からガス分析部入口に至るまでの流路の一部に並行するように形成され通過するガス流量が制限される流量制限路と、流量制限路に流路を切り換える切換弁とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物測定装置。
  3. 流量調整部は、測定流路からガス分析入口に至るまでの流路の一部に形成される流量調整弁とフローメータとにより構成され、
    さらに、流量変更を促す指示画面を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物測定装置。
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