JP3113931U - 揮発性有機化合物測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 酸化炉21を有し試料ガス12中の揮発性有機化合物(VOC)を酸化してCO2を発生しつつ通過させる測定流路20と、試料ガス12をそのまま通過させる比較流路30と、測定流路および比較流路の流出ガスの赤外線吸収信号を検出する赤外線ガス分析計51と、検出信号の強度差に基づいて試料ガス中の揮発性有機化合物濃度(VOC0)を計測するVOC濃度計測部52と、試料ガスに元々含まれる共存CO2濃度(CO2 *)情報の入力を行う共存CO2情報入力部54と、入力された共存CO2濃度に関する情報に基づいてVOC濃度計測部で計測された揮発性有機化合物濃度(VOC0)を補正した補正揮発性有機化合物濃度(VOCC)を算出する補正演算部53とを備えるようにしている。
【選択図】図1
Description
ここで、VOCとは、大気中に排出され、又は飛散したときに気体である有機化合物をいい、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、スチレン等の有機溶剤がVOCに含まれる。
例えば、有機溶剤を用いる塗装工場、接着工場、印刷工場、洗浄工場等あるいは化学製品貯蔵所等の施設は、屋外に排出する排出ガスにVOCが含まれるために排出規制の対象となる。そのためVOCを排出する施設では、VOCの排出量を測定することが必要となる。
ガス導入部10には、ガス導入口11が設けてあり、サンプリング容器に採取した分析対象の試料ガス12、あるいはスパン校正用ガス13(スパン校正のため有機化合物を含有する標準ガス)、あるいはゼロ点校正用ガス14(ゼロ点校正のためのCO2および有機化合物を含まない標準ガス)が適宜に導入される。ガス導入口11の出口側は、測定流路20および比較流路30のそれぞれの入口側に接続してある。
比較流路30は、ガス導入口11と三方電磁弁41とを配管で接続してあり、ガス導入口11から流出するガスを、酸化炉21を通過させずそのまま三方電磁弁41に送ることができるようにしてある。三方電磁弁41の出口側は共通流路40に接続してある。
共通流路40は、三方電磁弁41から流出するガスに含まれる水分を除去する電子クーラ23、ガスを送り出すポンプ24が接続されている。共通流路40の出口側はガス分析部50に接続してある。
赤外線ガス分析計51は流通型のガスセルSを有しており、ガスセルSには共通流路40から流出するガスが送り込まれる。赤外線ガス分析計51は、ガスセルSの赤外線吸収強度を周知技術である回転セクタによる時分割制御によって検出し、強度信号を生成し、VOC濃度計測部52に送るようにしてある。
三方電磁弁41が測定流路20側を開成した状態に切り換わると、測定流路20を流れるガスは、酸化触媒が充填された酸化炉21を通過する際に、ガス中のVOCが酸化されてCO2に変換され、その後、ハロゲンスクライバ22でハロゲンガスが除去され、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計51のガスセルSに送られる。このときのガスセルSでは、試料ガス12中に元々含まれていたCO2とVOC由来のCO2とを合わせたCO2濃度に応じた赤外線吸収信号が検出され、VOC濃度計測部52に送られることになる。
比較流路30aは、電子クーラ23と同一の電子クーラ33と、ポンプ24と同一のポンプ34が接続されている。
この赤外線ガス分析計55は比較流通型ガスセルを有しており、一方のガスセルSには測定流路20aから流出するガスが送り込まれ、他方のガスセルRには比較流路30aから流出するガスが送り込まれるようにしてある。
測定流路20aを流れるガスは、酸化触媒が充填された酸化炉21を通過する際に、ガス中のVOCが酸化されてCO2に変換され、ハロゲンスクラバ22でハロゲンガスが除去され、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計55のガスセルSに送られる。このときのガスセルSでは、試料ガス12中に元々含まれていたCO2とVOC由来のCO2とを合わせたCO2濃度に応じた赤外線吸収信号が検出されることになる。
赤外線ガス分析計55は、回転セクタによる時分割制御によって、交互に測定流路20aと比較流路30aとのそれぞれの赤外線吸収信号を検出し、その強度差信号を生成し、VOC濃度計測部52に送る。
そして、VOC濃度計測部56は、赤外線ガス分析計55から送られてきた強度差信号に基づいて、試料ガス12中に含まれるVOC量の炭素数に換算した量を計測する。
図2は、CO2濃度と非分散型赤外線ガス分析計の検出信号(測定値)との関係を説明する図である。このうち、図2(a)は実際の関係を示す図であり、図2(b)はCO2濃度が低い場合のみ適用しうる近似的な関係を示す図である。図2(a)に見られるように、実際の関係はランベルトベールの式に従う対数関数を示している。これに対し、CO2濃度が低い領域(すなわち図2(a)の原点近傍)は、図2(b)に見られるように、直線関係として扱うこともできる。
また、共存CO2を含む試料ガスについて測定する場合であっても、これまではその影響は無視し、共存CO2濃度が零であるときと同様の演算処理による計測を行っていた。
ましてや、煙道や排気ガス等の燃焼後の気体を試料ガスとして採取する場合は、通常の大気よりも共存CO2を高濃度で含有する場合もあり、さらに大きな測定誤差を発生することになりかねない。
その一方で、共存CO2情報入力部から、試料ガスに元々含まれる共存CO2濃度(CO2 *)情報の入力を行う。例えば、大気ベースの試料ガスの場合は、大気中に含まれるCO2濃度値である370PPMを共存CO2濃度情報として入力する。補正演算部は、入力された共存CO2濃度(CO2 *)情報、予め求めた共存CO2濃度とVOC濃度との関係、および、VOC濃度計測部で計測された揮発性有機化合物濃度(VOC0)とに基づいて、補正した補正揮発性有機化合物濃度(VOCC)を算出する。
上記考案において、補正演算部は、次式(1)により揮発性有機化合物濃度(VOC0)から補正揮発性有機化合物濃度(VOCC)を算出するようにしてもよい。
VOCC=VOC0×(1+A×CO2 *) ・・・(1)
ここで、 Aは赤外線ガス分析計の特性により定まる補正係数(一定値)
CO2 *は入力された共存CO2濃度
これによれば、共存CO2濃度計測部が、基準ガスを赤外線ガス分析計に導入したときの検出信号と試料ガスを比較流路から流出させて赤外線ガス分析計に導入したときの検出信号との強度差に基づいて共存CO2濃度を算出する。共存CO2濃度情報入力部は、算出された共存CO2濃度を入力することにより、試料ガス中の共存CO2濃度が未知であったとしても、これを算出することができ、算出した共存CO2濃度を用いて補正演算を行うことができる。
最初に、共存CO2濃度が既知である試料ガスを測定する場合の実施形態について説明する。例えば、大気ベースで採取した試料ガスでは、共存CO2濃度は、概ね370PPM程度であることが既知である。
図1は、本考案の第1の実施形態であるVOC計1の概略構成を示すブロック図である。VOC計1は、図6の単セル型ガスセルを用いたVOC計100を基本構造としてこれを改良したものであり、ガス導入部10、測定流路20、比較流路30、共通流路40、ガス分析部50、流路選択部60とからなる。図1において、図6と同じものについては同符号を付すことにより、説明を一部省略する。
ガス導入部10は、ガス導入口11が設けてあり、サンプリング容器に採取した分析対象の試料ガス12(サンプリングチューブにより連続的に採取する試料ガスであってもよい)、あるいはスパン校正用ガス13(スパン校正のため有機化合物を含有する標準ガス)、あるいはゼロ点校正用ガス14(ゼロ点校正のためのCO2および有機化合物を含まない標準ガス)が電磁バルブ群15の開閉により適宜に導入される。電磁バルブ群15は流路選択部60により切換制御される。ガス導入口11の出口側は、測定流路20および比較流路30のそれぞれの入口側に接続してある。
比較流路30は、ガス導入口11と三方電磁弁41とを配管で接続してあり、ガス導入口11から流出するガスを、酸化炉21を通過させずそのまま三方電磁弁41に送ることができるようにしてある。三方電磁弁41の出口側は共通流路40に接続してある。
共通流路40は、三方電磁弁41から流出するガスに含まれる水分を除去する電子クーラ23、ガスを送り出すポンプ24が接続されている。共通流路40の出口側はガス分析部50に接続してある。
共存CO2濃度入力部54は、入力装置から共存CO2濃度が入力できるようにしてある。例えば、大気ベースの試料ガスの場合は、共存CO2濃度が、概ね370PPM程度であることがわかっているので、その値を入力する。
補正演算部53は、このような共存CO2濃度とVOC検出感度との関係をテーブルとして記憶するか、関係式を抽出し、補正式として記憶するようにしている。
VOCC=VOC0×(1+A×CO2 *) ・・・(1)
ここで、 Aは赤外線ガス分析計の特性により定まる補正係数(一定値)
CO2 *は入力された共存CO2濃度
なお、補正係数Aは、共存CO2濃度やVOC濃度が既知の標準ガスを用いた校正作業により予め求めるようにしている。
流路選択部60の制御により、バルブ群15のうち、試料ガス12のバルブが開かれて、試料ガス12がガス導入口11から導入され測定が開始されると、試料ガス12は分析流路20と比較流路30とに分岐する。
流路選択部60の制御により、三方電磁弁41が測定流路20側を開成した状態に切り換わると、測定流路20を流れるガスは、酸化触媒が充填された酸化炉21を通過する際に、ガス中のVOCが酸化されてCO2に変換され、その後、ハロゲンスクライバ22でハロゲンガスが除去され、電子クーラ23で水分が除去されて赤外線ガス分析計51のガスセルSに送られる。このときのガスセルSでは、試料ガス12中の共存CO2とVOC由来のCO2とを合わせたCO2濃度に応じた赤外線吸収信号が検出される。そしてリファレンスセル側の赤外線吸収信号との強度差信号がVOC濃度計測部52に送られる。
このようにして、共存CO2による影響を除去した(補正)揮発性有機化合物濃度(VOCC)を求めることができる。
次に、共存CO2濃度が未知である試料ガスを測定する場合について説明する。図4は、本考案の他の実施形態であるVOC計2の概略構成を示すブロック図である。図中、図1と同じものは同符号を付すことにより説明を省略する。
VOC計2では、図1のVOC計1に対し、図4に示すように、CO2吸収部材71に大気を通過させることにより大気中のCO2が除去された基準ガスを生成し、生成した基準ガスを導入する基準ガス導入部70が形成してある。CO2吸収部材71には、例えばソーダライムが用いられる。基準ガス導入部70は、三方電磁弁41の後の流路位置に介在させた三方電磁弁72に接続するようにしてあり、三方電磁弁72は、流路選択部60により切換制御される。
上述したVOC計2では、別途に基準ガス導入部70を設けて基準ガスを導入するようにしたが、これに代えて、図5に示すように、ガス導入部10に接続されているCO2を含まないゼロ点校正用ガス14を基準ガスとして用いてもよい。すなわち、ガス導入部10のうちのゼロ点校正用ガス14からの流路と比較流路30とにより、基準ガス導入部70aが形成されることになる。この場合、試料ガス12とゼロ点校正用ガス14(基準ガス)とを、比較流路30を通過させて交互に赤外線ガス分析計51に送ることにより、同様の手順で共存CO2濃度を計測することができる。
12 試料ガス
14 ゼロ点校正用ガス
15 電磁バルブ群
20 測定流路
21 酸化炉
22 ハロゲンスクラバ
30 比較流路
40 共通流路
41 三方電磁弁
50 ガス分析部
51 赤外線ガス分析計
52 VOC濃度計測部
53 補正演算部
54 共存CO2情報入力部
55 赤外線ガス分析計
60 流路選択部
70、70a 基準ガス導入部
71 CO2吸収部材
73 共存CO2濃度計測部
Claims (3)
- 試料ガス導入部と、酸化炉を有し導入された試料ガス中の揮発性有機化合物(VOC)を酸化してCO2を発生しつつ通過させる測定流路と、導入された試料ガスをそのまま通過させる比較流路と、前記測定流路からの流出ガスおよび前記比較流路からの流出ガスそれぞれに含まれるCO2による赤外線吸収を検出する赤外線ガス分析計と、測定流路からの流出ガスおよび比較流路からの流出ガスについて赤外線ガス分析計で検出された検出信号の強度差に基づいて試料ガス中の揮発性有機化合物濃度(VOC0)を計測するVOC濃度計測部とを備えた揮発性有機化合物測定装置において、
試料ガスに元々含まれる共存CO2濃度(CO2 *)の入力を行う共存CO2情報入力部と、
入力された共存CO2濃度に基づいてVOC濃度計測部で計測された揮発性有機化合物濃度(VOC0)を補正した補正揮発性有機化合物濃度(VOCC)を算出する補正演算部とを備えたことを特徴とする揮発性有機化合物測定装置。 - 補正演算部は、次式(1)により揮発性有機化合物濃度(VOC0)から補正揮発性有機化合物濃度(VOCC)を算出することを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物測定装置。
VOCC=VOC0×(1+A×CO2 *) ・・・(1)
ここで、 Aは赤外線ガス分析計部に応じて予め定められた補正係数(一定値)
CO2 *は入力された共存CO2濃度 - CO2を含まない基準ガスを赤外線ガス分析計に導入する基準ガス導入部と、
基準ガスを赤外線ガス分析計に導入したときの検出信号と試料ガスを比較流路から流出させて赤外線ガス分析計に導入したときの検出信号との強度差に基づいて共存CO2濃度を算出する共存CO2濃度計測部とをさらに備え、共存CO2情報入力部は算出された共存CO2濃度の入力を行うことを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機化合物測定装置。
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JP2005004708U JP3113931U (ja) | 2005-06-22 | 2005-06-22 | 揮発性有機化合物測定装置 |
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CN112082950A (zh) * | 2020-09-12 | 2020-12-15 | 山东诺蓝信息科技有限公司 | 一种基于无线传输技术的挥发性有机物VOCs检测设备 |
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2005
- 2005-06-22 JP JP2005004708U patent/JP3113931U/ja not_active Ceased
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CN112082950B (zh) * | 2020-09-12 | 2024-04-30 | 山东诺蓝信息科技有限公司 | 一种基于无线传输技术的挥发性有机物VOCs检测设备 |
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