JP3113548B2 - 消臭能を有する健康食品 - Google Patents

消臭能を有する健康食品

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JP3113548B2 JP07185340A JP18534095A JP3113548B2 JP 3113548 B2 JP3113548 B2 JP 3113548B2 JP 07185340 A JP07185340 A JP 07185340A JP 18534095 A JP18534095 A JP 18534095A JP 3113548 B2 JP3113548 B2 JP 3113548B2
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照雄 白石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は健康食品に係り、殊
に口臭、体臭、尿臭、便臭等の消臭効果をも有する健康
食品に係る。
【0002】
【従来の技術】最近、生活習慣、殊に食生活の変化に伴
い口臭や体臭が若年層のエチケット問題として話題とな
っており、又病臭や老人臭も介護における障害となって
いる。
【0003】従って、口臭除去剤や所謂「デオドラン
ト」がエチケット商品として種々市販されるに至ってい
る。これらの市販されている口臭除去剤やデオドラント
は、 (1) 口腔内の殺菌・消毒を基本とする含嗽剤、 (2) 口腔内の特定の悪臭成分を化学反応により分解乃至
中和する含嗽剤、及び (3) 香気、殊に最近では微香性を有する物質を含有する
溶液を口腔内に噴霧又は体表に塗布又は噴霧して口臭や
体臭をマスキングするものに大別される。
【0004】一方、近年クロレラやデュナリエラのよう
な単細胞藻類 (微細藻類) が粉末、錠剤、カプセル剤等
に加工・市販され健康食品として利用されている。これ
は微細藻類が植物の 1 種であり、藻体全体を食用に供
することができ、従って最近の自然食指向にマッチして
いるからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既述の口臭除去剤やデ
オドラントは効果が一時的なものであり、臭気の発生原
因を除くものではなく、従って極めて消極的なものであ
る。殊に、微香性芳香剤による臭気のマスキング法は幅
広い層に好評を博しているようであるが、或るヒトが好
ましいと感じる香気であっても、他のヒトには不快と感
じる場合が多々ある点に課題がある。
【0006】一方、単細胞藻類は蛋白、脂質、ビタミン
類等のヒトが必要とする成分に富んでおり、摂取し易い
健康食品として製剤化することができ、この際に健康に
有用な成分を更に配合し得るが、単細胞藻類を主体とす
る市販の健康食品に口臭、体臭等の臭気に対する消臭効
果を有する成分は認められない。
【0007】従って、本発明が解決しようとする基本的
な課題乃至発明の主たる目的は、口臭や体臭等の異臭を
消臭する機能を有し且つ同時に各種の栄養素を摂取し得
る健康食品を提供することにある。
【0008】本発明の総合的な目的は、上記の主目的に
関連して消臭能の強化された健康食品を提供することに
ある。
【0009】本発明の副次的な目的は上記の消臭能を有
する健康食品であって経口摂取が容易である形態のもの
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は藻類、殊に
微細藻類の研究に長年従事しており、その内でも藍藻類
は分化した核を有しておらず、構成成分として蛋白、ビ
タミン類、多糖類、種々のミネラルを豊富に含有してお
り、従って健康食品の素材として好ましく、更に乾燥状
態においても生命を維持する能力を有しており、しかも
硫黄化合物や窒素化合物等悪臭の要因となる物質を吸収
する可能性を有していることに着目し、研究を重ねた
処、アンモニア臭の発生を抑制する能力をその藻体が有
していることが確認され、本発明の端緒を得た。
【0011】そこで、藍藻類を食用化するに際して、当
該藻類の培養方法及び収穫方法、消臭効果を損なうこと
のない加工方法、保存安定性をもたらす方法等に関して
検討を進めた
【0012】尚、本発明が利用する藍藻類の藻体を含め
て、摂取された食物の体内滞留時間は 36 - 48 時間で
あるために、藍藻類の藻体が消化管内で充分な消臭能力
を発揮するためには、体内において藍藻類を生長・増殖
を促進させることが好ましいものと考えられ、この点に
関して検討を重ねた結果、クロレラ熱水抽出物が有効で
あることが判明し、この新たな知見及び藍藻類の藻体が
消臭能を有しているとの既述の新たな知見及び前記の藍
藻類の食用化研究の統合により本発明を完成するに至っ
た。
【0013】従って、本発明によれば、既述の主目的及
び総合的な目的は、藍藻類の藻体とクロレラ熱水抽出物
とを含有していることを特徴とする、消臭能を有する健
康食品により達成され、上記の基本的課題が解決され
る。
【0014】上記の副次的な目的は、上記の消臭能を有
する健康食品であって、錠剤又はカプセル剤の形態にな
れていることを特徴とする、健康食品により達成され
る。
【0015】本発明による健康食品の製造に使用される
藍藻類は、当然のことながら、既に食用として供された
実績があって、安全性が確認されているものから選択さ
れるべきであり、スピルリナ (Spirulina) 属又はノー
ストック (Nostoc) 属のものであることが好ましい。
【0016】本発明による健康食品において、錠剤化又
はカプセル剤化は常法により行なうことができる。錠剤
化する場合に賦形剤としては乳糖が好ましく、滑沢剤と
してはタルク、蔗糖脂肪酸エステルを例示することがで
きるが後者が好ましく、結合剤としては糖類、殊に還元
麦芽糖が好ましく、又抗酸化剤としてはビタミン Cや E
が好ましい。本発明による錠剤状健康食品には、更に
他の有用な成分、例えば消臭効果の期待される緑茶エキ
ス、マッシュルームエキス等を配合することができ、又
有用腸内細菌である乳酸菌等を配合することもできる。
これらの成分と、藍藻類の藻体粉末とを用いて顆粒化
し、ハードカプセルに充填してカプセル剤化することも
できる。
【0017】本発明による健康食品は油状懸濁液とな
し、ソフトカプセルに充填することもでき、この場合に
は栄養強化植物油、例えばレシチンやビタミン E を添
加した紫蘇油を用いることができる。
【0018】藍藻類は植物であり、光合成を行なって自
らのエネルギーとしている。従って、本発明において利
用する藍藻類を人工的に培養する場合には固形培地で生
育し得るように馴化させる必要性があり、このためには
寒天培地又はこれに準じた培養システムが要求される。
培養された藍藻は天日、真空又は凍結乾燥して乾燥藻体
となし、次いで粉砕機により粉末化され、本発明による
健康食品の主原料として使用される。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、製造例、参考製造例及び比
較試験例により本発明を更に詳細に且つ具体的に説明す
る。製造例 1 (錠剤状食品) 水道水に硝酸塩や燐酸塩を添加した MA 培地を容器に入
れ、該容器内の液面すれすれに綿布を張設した培養シス
テムによりスピルリナ属の藍藻 (Spirulinasp.) を培養
した。培養条件は pH 8.0、温度 30℃、照度 3000 ルッ
クスに設定された。充分に増殖した後に、綿布に付着し
た藍藻を掻き取り、藻体を凍結乾燥し、次いで粉砕機に
より処理して粉末化藻体を得た。この乾燥粉末 450g に
クロレラ熱水抽出物 50g を添加して混合し、硬化ヒマ
シ油とセラックをエタノールにそれぞれ 0.1 重量% 及
び 0.5 重量% 溶解させた溶液を上記の混合物に噴霧し
て被覆処理を施した。得られた被覆処理物 500g に、フ
ラクトオリゴ糖 400g、乳酸生菌 2.5 x 1011個、マッシ
ュルームエキス 500g、緑茶エキス 100g 及びパインフ
ァイバー1000g を添加し、V 型ミキサーにより均一状態
になるまで撹拌混合した。この混合物をローラーコンバ
クターにより 40 メッシュパスの顆粒状に造粒し、常法
により打錠して 1 個当り重量 250mg の卵形錠を得た。
この卵形錠の表面にセラックと炭酸カルシウムをコーテ
ィングした後に着色して錠剤状食品とした。
【0020】製造例 2 (錠剤状食品) クロレラ熱水抽出物を添加しなかった以外は、製造例 1
と全く同様に処理して同様な錠剤状食品を得た。
【0021】参考製造例 (錠剤状食品) マッシュルームエキスと、緑茶エキスと、パインファイ
バーとを混合し、常法により打錠して錠剤状食品を得
た。
【0022】製造例 3 (カプセル状食品) 製造例 1 と全く同様にして藍藻とクロレラ熱水抽出物
とを含有する被覆処理物を得た。この被覆処理物 500g
に、フラクトオリゴ糖 400g、乳酸生菌 4 x 1011 個、
マッシュルームエキス 500g 及び緑茶エキス 100g を添
加し、V 型ミキサーにより均一状態になるまで撹拌混合
した。大豆レシチン 10g と大豆抽出ビタミン E 50g と
を添加した紫蘇油 800g に、上記の混合粉末を添加し、
蜜蝋により粘度を 6500 - 8500cps に調整し、減圧下で
撹拌することにより均一な油性懸濁液を得た。この油性
懸濁液を、ゼラチンとグリセロールとからなるソフトカ
プセルに充填封入することにより所望のカプセル状食品
を得た。このソフトカプセルはラグビーボール型のオー
バル 5 号であり、封入量は 320mg である。
【0023】比較試験例 1 製造例 1 及び 2 により得られた錠剤状食品を乳鉢にて
粉末となし、この各粉末を一定量の MA 液体培地に入
れ、常法に従って培養を行ない、培養開始から48 時間
までのスピルリナの生長・増殖度合を調べた。結果は図
1 に示される通りであり、クロレラ熱水抽出物はスピ
ルリナの生長・増殖促進に有効であることが判明した。
【0024】比較試験例 2 製造例 1 及び参考製造例により得られた錠剤状食品を
被験品及び対照品として温度 40℃、相対湿度 75% に保
たれた保存試験器内に 3 ケ 月間にわたり保存し、その
間に経時的に採取し乳鉢にて粉末となし、この各粉末試
料をアンモニア及びビーフエキス含有培地に入れ、37℃
において 48 時間撹拌し、次いで培地中のアンモニア
濃度を測定し、その残存率を算出した。結果は下記の表
1 に示されている通りであり、本発明による錠剤状食
品はアンモニア分解能において優れており、又長期にわ
たり保存してもアンモニア分解能が低下しないことが判
明した。尚、参考製造例により得られる錠剤状食品は、
消臭効果が期待される緑茶エキス及びマッシュルームエ
キスを含有しており、確かにアンモニア分解能を有する
ことが確認されたが、その分解能は保存時間の経過と共
に急速に低下することが判明した。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明による健康食品は藍藻の藻体を含
有しており、この藻体はアンモニア分解能を有している
ので、本食品を喫食すれば消化管内で藻体が作用して口
臭、体臭等の発生を抑制することができ、又該健康食品
に配合されているクロレラ熱水抽出物は藍藻の生長・増
殖を促進して消臭効果の向上をもたらす。更に、錠剤又
はカプセル状食品とすることにより摂取が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロレラ熱水抽出物が藍藻の生長・増殖促進作
用を有することを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−139738(JP,A) 特開 昭61−185166(JP,A) 特開 平4−71471(JP,A) 特開 平4−237479(JP,A) 特開 平5−328938(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/337 A61K 7/32 - 7/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藍藻類の藻体とクロレラ熱水抽出物とを
    含有していることを特徴とする、消臭能を有する健康食
    品。
  2. 【請求項2】 藍藻類がスピルリナ属又はノーストック
    属のものであることを特徴とする、請求項 1 に記載の
    消臭能を有する健康食品。
  3. 【請求項3】 錠剤又はカプセル剤状を呈している、請
    求項 1 又は 2 に記載の消臭能を有する健康食品。
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