JP3112358U - ハイバリア容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部から内容物(重炭酸含有薬液)を容易に視認することができ、かつ、内容物を変質させることなく保存できるハイバリア容器を提供する。
【解決手段】重炭酸含有薬液1を封入するための薬液室2を有する袋体3が透明な炭酸ガス透過性フィルムで形成され、袋体3の外側に、透明なバリアフィルム4を被覆してなるハイバリア容器であって、透明なバリアフィルム4の炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下であり、かつ、袋体3とバリアフィルム4との間に、炭酸ガス検知手段5が封入されている。
【選択図】 図2

Description

本考案は、重炭酸含有薬液を封入するための透明な袋体の外側を透明なバリアフィルムで被覆した二重構造のハイバリア容器に関する。
各種食品、飲料、薬品等を保護するために、バリアフィルムで形成した外袋内に容器本体を収容するようにしたバリア容器は公知であるが、全体が嵩高くなり、また、外袋と容器本体がそれぞれ別工程で製作される上に外袋に広い面積のバリアフィルムを必要とするためコスト高にもなる。一方、容器本体をバリア層を含む多層フィルム構成で形成しようとすると、フィルム自体が厚くなり過ぎて柔軟性が欠如してしまうことが懸念される。また、そのフィルム同士を貼り合わるために接着剤を用いると、その接着剤が溶出して内容物に混入するような不具合も懸念される。
そこで、容器本体の外側をバリアフィルムで覆い、その周縁部を溶着等で容器本体に一体化させた容器が種々提案されている。例えば、薬液を収容する容器本体の一側に不透明な水分・ガス非透過性バリアフィルムを剥離可能に弱シールで溶着する一方、他側に透明な水分・ガス遮断性バリアフィルムを溶着し、かつ、前記水分・ガス非透過性バリアフィルムと容器本体の間の空間に脱酸素剤、乾燥剤を収容し、さらに、その空間と他側の空間とを連通させた容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルミ箔積層フィルムやアルミ蒸着フィルム等の水分・ガスを完全に遮断する不透明なバリアフィルムを容器本体に剥離可能に弱シールすることで被覆し、容器本体内に収容した薬液等の収容物を保護すると共に、必要に応じてバリアフィルムを剥離することで、収容物を容器外から簡単に視認できるようにした容器も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、液剤を収容する液剤区画室と乾燥薬剤を収容する薬剤区画室が弱シール部を介して流体密に区画され、薬剤区画室のリヤシートがアルミ箔層及び吸水槽を有するフレキシブルなシートで構成されると共に、薬剤区画室のフロントシートが、水分不透過性かつ酸素不透過性のフレキシブルかつ透明なシートで構成され、更にこのフロントシートがアルミ層を有するフレキシブルなカバーシートによって分離可能にシールされ被覆されている可撓性複室容器が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、内袋の外側を、ガスに対してハイバリアな外袋で被覆した二重輸液容器も提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、ヒートシール可能な合成樹脂からなる内層、接着剤樹脂及びそれよりも比較的に接着強度の弱い接着性樹脂からなる中間層、ガスバリア性基材の外層からなる積層体、 の内層同士をヒートシールして得られた包装体からなり、その包装体の外層の少なくとも一部分が、包装体の上端から下端まで連続的に剥離可能に構成し、下端部には内容物注出用の合成樹脂製のスパウトを熱融着により一体化させた経腸栄養剤投与用包装体も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2003−292055号公報 特開2003−267451号公報 特開平8−280775号公報 特開平2−126853号公報 実開平5−24040号公報
しかし、上記特許文献1のように、容器本体の片面(一側)に不透明な水分・ガス非透過性バリアフィルムを貼り付ける場合、透明な水分・ガス遮断性バリアフィルムが貼り付けられている他側からのみしか内容物の判別ができず内容物の視認性に問題がある。このような点については、特許文献3でも同じである。また、漏れ検知用のインジケータを封入する場合には、特許文献1のように、両面の空間部を連通させるための貫通孔の形成等の面倒な措置が必要とされる。
特許文献2、5のように、容器本体の両面を不透明なバリアフィルムで被覆してしまうと、漏れ検知用のインジケータを用いることができなくなる。また、特許文献4の場合、ハイバリアな外袋が、どの程度のガスバリア性を有するのか不明であり、その作用効果を奏するための裏付けとなる技術的な説明がなく、適切な評価ができない。例えば、重炭酸含有薬液を収納する場合、特許文献4に記載のように、外袋の素材としてナイロン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を用いると、充分なガスバリア性を確保するためには、フィルム自体が厚くなり過ぎて柔軟性が欠如してしまうことが懸念される。また、EVAでは、湿度が高くなるとガスバリア性が低下するため、上述のように、重炭酸含有薬液のような液剤を収容する場合には問題となる。
本考案は、このような実情に鑑みてなされ、外部から内容物(重炭酸含有薬液)を容易に視認することができ、かつ、内容物を変質させることなく保存できるハイバリア容器を提供することを目的とする。
(1)本考案のハイバリア容器は、重炭酸含有薬液1を封入するための薬液室2を有する袋体3が透明な炭酸ガス透過性フィルムで形成され、前記袋体3の外側に、透明なバリアフィルム4を被覆してなるハイバリア容器であって、
前記透明なバリアフィルム4の炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下であることを特徴とする。
このような構成によれば、重炭酸含有薬液1を収容している袋体3が、炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下のバリアフィルム4で被覆されているため、ハイバリア容器内を炭酸ガス雰囲気に保持することができ、重炭酸含有薬液1を変質させることなく保存することができる。また、重炭酸含有薬液1を収容している袋体3と、その袋体3を被覆しているバリアフィルム4が透明であるため、重炭酸含有薬液1を外部から明確に視認することができ変質があった場合や異物の混入があった場合の判別も容易となる。なお、炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・dayより高くなると、ハイバリア容器内を炭酸ガス雰囲気に保持することができなくなる。
このようなバリアフィルム4に用いる素材は、例えば、無機酸化物の蒸着フィルムとして、アルミナ、シリカ等をPET(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、PP等に蒸着することにより得られる。また、有機バリアフィルムとしては、PVA(ポリビニルアルコール)、EVOH(エチレン−ビニルアルコールコポリマー)等を素材とすることができる。
(2)前記バリアフィルム4の炭酸ガス透過率が0.1mL/m2 ・day以下であってもよい。このようにすれば、ハイバリア容器内をより長い期間にわたって炭酸ガス雰囲気に保持することができ、重炭酸含有薬液1の保存状態がより一層向上する。なお、炭酸ガス透過率が0.1mL/m2 ・dayより高くなると、ハイバリア容器内における炭酸ガス雰囲気に保持できる期間が短くなる。
(3)前記袋体3とバリアフィルム4との間に、炭酸ガス検知手段5が封入されてもよい。このようにすれば、袋体3やバリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したもの等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が変化するため炭酸ガス検知手段5が変色するので、これを外部から容易に視認することができる。なお、炭酸ガス検知手段5は、固体状のものであれば、袋体3とバリアフィルム4の間の空間部に封入すればよく、炭酸ガス検知用インキ組成物では、薬液室2と対応する袋体3の外側又はバリアフィルム4の内側の適所に塗布又は印刷すればよい。
(4)前記袋体3とバリアフィルム4との間に、脱酸素剤が封入されてもよい。このようにすれば、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透して薬液室2内の酸素を吸収して薬液室2を常に無酸素状態にすることができるため、重炭酸含有薬液1に酸素によって変質する成分が含まれている場合に、保存性が向上する。また、バリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したもの等も含む)が発生しても、脱酸素剤が酸素を吸収できる限りにおいて、袋体3とバリアフィルム4の間に侵入した酸素を吸収して薬液室2への酸素の侵入を防ぐことができる。
(5)前記(4)項に記載の前記脱酸素剤が、炭酸ガス発生型酸素吸収剤であってもよい。このようにすれば、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透して薬液室2内の酸素を吸収して薬液室2を常に無酸素状態にすることができるため、重炭酸含有薬液1に酸素によって変質する成分が含まれている場合に、保存性が向上する。また、炭酸ガス検知手段5と共に、炭酸ガス発生型酸素吸収剤を封入する場合には、炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができるため、バリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。さらに、重炭酸含有薬液1の充填時等に袋体3とバリアフィルム4の間に、たとえ酸素が存在していても、炭酸ガス発生型酸素吸収剤で吸収することができるため、充填時に袋体3とバリアフィルム4の間の酸素を除去する手間が省け製作容易となる。なお、炭酸ガス含有ガスは、例えば、炭酸ガスと不活性ガス(例えば、窒素ガス)の混合ガスであってもよい。
(6)前記薬液室2におけるヘッドスペース8が炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されてもよい。このようにすれば、薬液から炭酸ガスを揮発させないようにすることができ、重炭酸含有薬液1の長期安定保存が可能となる。また、炭酸ガス濃度を高くすることによって、薬液中に炭酸ガスを溶け込ませてph値を下げることもできる。また、袋体3とバリアフィルム4の間に炭酸ガス検知手段5を設けている場合、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透して炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができる。従って、バリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。なお、炭酸ガス含有ガスは、例えば、炭酸ガスと不活性ガス(例えば、窒素ガス)の混合ガスであってもよい。
(7)前記袋体3とバリアフィルム4との間の空間部9が炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されてもよい。このようにすれば、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透してヘッドスペース8が炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されるため、重炭酸含有薬液1の長期安定保存が可能となる。また、炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができるため、バリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。なお、炭酸ガス含有ガスは、例えば、炭酸ガスと空気、或いは、炭酸ガスと不活性ガス(例えば、窒素ガス)の混合ガスであってもよい。
(8)前記袋体3を形成する透明な炭酸ガス透過性フィルムの炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・day以上であってもよい。このようにすれば、袋体3とバリアフィルム4の間に炭酸ガス検知手段を封入する場合には良好な応答性を得ることができる。また、脱酸素剤を封入する場合には、薬液室2内を完全な無酸素状態にすることができる。適度な柔軟性が得られる程度のフィルム厚として袋体3を形成する場合、500mL/m2 ・day以上の炭酸ガス透過率を得られる素材としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等のオレフィン系樹脂がある。なお、炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・dayより低いと、炭酸ガス検知手段の応答性が低下したり、薬液室2内の無酸素状態化を達成できなくなることが懸念される。
(9)前記袋体3は、前記薬液室2を含めて二室以上に仕切られ、前記バリアフィルム4が、前記薬液室2の外側にのみ被覆されてもよい。このようにすれば、バリアフィルム4の使用面積を必要最小限に止めることができるため、コスト低減効果が得られる。また、口部の部分を炭酸ガスバリア性とする必要がないので、さらなるコスト低減効果が得られる。
(10)前記薬液室2と他の室6との間は弱シール部7で仕切られていてもよい。このようにすれば、他の室6を空室とすればガスバリア措置を施さなくてもよくなるため、コスト低減効果が得られる。
(11)前記袋体3の厚さを150〜300μmに設定してもよい。このようにすれば、適度の柔軟性と必要な強度を確保することができる。なお、厚さが150μm未満であると、必要な強度が得られなくなる。厚さが300μmを超えると、袋体として必要な柔軟性が得られなくなる。
(12)前記バリアフィルム4の厚さを100〜150μmに設定してもよい。このようにすれば、バリアフィルム4を多層に構成しても適度の柔軟性と必要な強度を確保することができる。なお、厚さが100μm未満であると、必要な強度が得られなくなる。厚さが150μmを超えると、袋体として必要な柔軟性が得られなくなる。
本考案のハイバリア容器は、重炭酸含有薬液を封入するための透明な炭酸ガス透過性フィルムで形成された袋体の外側を、炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下の透明なバリアフィルムで被覆するので、重炭酸含有薬液を変質させることなく保存することができる。また、袋体とバリアフィルムが透明であるため、重炭酸含有薬液を外部から明確に視認することができ、変質があった場合の判別も容易となる。
以下に、本考案の最良の実施の形態に係るハイバリア容器について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1はハイバリア容器の正面図、図2は断面図である。これらの図にて、符号1は重炭酸含有薬液、2は、重炭酸含有薬液1を収容するための薬液室、3は、薬液室2を有する袋体で、二枚合わせの透明な炭酸ガス透過性フィルムで形成され、その炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・day以上のものが用いられる。4は、袋体3の外側に被覆される透明なバリアフィルムで、その炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下、好ましくは0.1mL/m2 ・day以下のものが用いられる。5は、袋体3とバリアフィルム4の間の空間部9に封入された炭酸ガス検知手段としての炭酸ガスインジケータである。なお、図1では、バリアフィルム4をハッチングで示し、図中、 a,bはバリアフィルム4,4同士の端縁の溶着部、cは袋体3を構成する二枚のフィルム同士の端縁の溶着部、dは、薬液室2の両側縁の溶着部で、袋体3を構成する二枚のフィルムの外側にバリアフィルム4,4を被せて四枚重ねに溶着している。
袋体3を形成する透明な炭酸ガス透過性フィルムの素材としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等のオレフィン系樹脂が好ましい。また、透明なバリアフィルム4の素材としては、例えば、無機酸化物の蒸着フィルムとして、アルミナ、シリカ等をPET(ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、PP等に蒸着することにより得られる。また、有機バリアフィルムとしては、PVA(ポリビニルアルコール)、EVOH(エチレン−ビニルアルコールコポリマー)等を用いることができる。
本実施の形態では、透明なバリアフィルム4を、例えば、図2に示すように、3層に構成している。その素材としては、即ち、図2の拡大図に示すように、外層にナイロン41、中間層にアルミナ蒸着PET42、内層(シーラント層)にPE43をそれぞれ採用している。このような3層構成のラミネートフィルムは、適度な柔軟性が得られるフィルム厚となり、かつ、必要な強度を備えている。
袋体3は、重炭酸含有薬液1を収容する薬液室2と、薬液取出時に破断可能な弱シール部7(クロスのハッチングで示す)で仕切られた空室(本考案の他の室)6を有し、その空室6には薬液取出用の口栓12が設けられている。そして、薬液室2の表裏両面のみをバリアフィルム4で被覆するようにその周縁部同士が溶着等により接合され、上述のように、袋体3とバリアフィルム4の間に空間部9が形成され、空室6の両側は袋体3が露出した状態となる。これにより、バリアフィルム4の面積を少なくすることができ、かつ、口栓12をガスバリア性にしなくてもよくなるためコスト安を実現することができる。
また、バリアフィルム4,4同士の溶着部aから若干内側寄りに離れた袋体3の溶着部cにリング状の溶着部eで囲まれた吊り下げ用の孔13を形成している。この溶着部eは、バリアフィルム4,4と袋体3を構成する二枚のフィルムの合計四枚を重ねて溶着しているが、その孔13の両側におけるバリアフィルム4,4と袋体3との間の空間部9,9は、溶着部aと溶着部b,bで囲まれるバリアフィルム4,4間の空間10に連通している。従って、表裏の空間部9,9では、炭酸ガス雰囲気が同一になる。なお、孔13の周縁が溶着部eで囲まれているためバリア性が確保される。
上述の炭酸ガス検知手段5は、固体状のものであれば、袋体3とバリアフィルム4の間の空間部9に封入すればよく、炭酸ガス検知用インキ組成物では、薬液室2と対応する袋体3の外側又はバリアフィルム4の内側の適所に塗布又は印刷すればよい。このような炭酸ガス検知手段5と共に、空間部9に脱酸素剤(図示省略)を一緒に封入してもよい。その脱酸素剤としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製の「エージレス」(商品名)がある。また、脱酸素剤に代えて炭酸ガス発生型酸素吸収剤を封入してもよい。その炭酸ガス発生型酸素吸収剤としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製の「エージレスG」(商品名)、「エージレスGM」(商品名)や、凸版印刷株式会社製の鮮度保存剤Cタイプ(商品名)等がある。
このように構成されるハイバリア容器では、重炭酸含有薬液1を収容している袋体3が、炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下(好ましくは0.1mL/m2 ・day以下)のバリアフィルム4で被覆されているため、ハイバリア容器内を炭酸ガス雰囲気に安定に保持することができ、重炭酸含有薬液1を変質させることなく保存することができる。なお、バリアフィルム4の炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・dayより高くなると、ハイバリア容器内を炭酸ガス雰囲気に保持することができなくなる。
また、重炭酸含有薬液1を収容している袋体3と、その袋体3を被覆しているバリアフィルム4が透明であるため、重炭酸含有薬液1を外部から明確に視認することができ変質があった場合の判別も容易となる。また、袋体3が、薬液室2を含めて二室以上に仕切られ、バリアフィルム4が、薬液室2の外側にのみ被覆されているので、バリアフィルム4の使用面積を必要最小限に止めることができるためコスト低減効果が得られる。また、薬液室2と空室6との間が弱シール部7で仕切られているため、空室6に対しては、ガスバリア措置を施さなくてもよくなるためコスト低減効果が得られる。
そして、袋体3とバリアフィルム4との間に炭酸ガス検知手段5が封入されているので、袋体3やバリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したもの等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が変化するため炭酸ガス検知手段5が変色反応を呈し、これを外部から容易に視認することができる。従って、変質した重炭酸含有薬液1を誤って投与するような重大なトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
また、袋体3とバリアフィルム4との間に脱酸素剤が封入されていると、炭酸ガス透過性フィルム(炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・day以上)からなる袋体3を透して薬液室2内の酸素を吸収して薬液室2内を常に無酸素状態にすることができるため、重炭酸含有薬液1の保存性がより一層向上する。また、バリアフィルム4にピンホールやシール不良(製造過程で発生したもの等も含む)が発生しても、脱酸素剤が酸素を吸収できる限りにおいて、袋体3とバリアフィルム4の間に侵入した酸素を吸収して薬液室2への酸素の侵入を防ぐことができる。なお、袋体3の炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・dayより低いと、炭酸ガス検知手段の応答性が低下したり、薬液室2内の無酸素状態化を達成できなくなることが懸念される。
その脱酸素剤に代えて、炭酸ガス発生型酸素吸収剤を封入すれば、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透してヘッドスペース8が炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されるため、重炭酸含有薬液1の長期安定保存が可能となる。また、炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができるため、袋体3にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。さらに、重炭酸含有薬液1の充填時等に袋体3とバリアフィルム4の間に、たとえ酸素が存在していても、炭酸ガス発生型酸素吸収剤で吸収することができるため、充填時に袋体3とバリアフィルム4の間の酸素を除去する手間が省け製作容易となる。
このようなハイバリア容器では、薬液室2におけるヘッドスペース8を炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換してもよい。このようにすれば、重炭酸含有薬液1の長期安定保存が可能となる。また、袋体3とバリアフィルム4の間に炭酸ガス検知手段5を設けている場合、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透して炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができる。従って、袋体3にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。なお、炭酸ガス含有ガスは、例えば、炭酸ガスと不活性ガス(例えば、窒素ガス)の混合ガスであってもよい。
また、袋体3とバリアフィルム4との間の空間部9を炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換してもよい。このようにすれば、炭酸ガス透過性フィルムからなる袋体3を透してヘッドスペース8が炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されるため、重炭酸含有薬液1の長期安定保存が可能となる。また、炭酸ガス検知手段5の周りを炭酸ガス雰囲にすることができるため、袋体3にピンホールやシール不良(製造過程で発生したものや素材自体に欠陥がある場合等も含む)が発生すると、炭酸ガス検知手段5の周りの炭酸ガスの雰囲気状態が直ちに変化するため炭酸ガス検知手段5が変色し、これを外部から容易に視認することができ、炭酸ガス検知手段5の応答性を向上させることができる。
〔実施例〕
図1及び図2に示すような弱シール部7を介して薬液室2と空室6を有するハイバリア容器を製作し、薬液室2に8%の炭酸水素ナトリウム注射液を充填した。その後、炭酸ガス透過率が0.1mL/m2 ・dayのバリアフィルム2枚(4)で薬液室2の両面を覆い、その四方の周縁を溶着した。そして、袋体3とバリアフィルム4の間の空間部9に炭酸ガスインジケータ(炭酸ガス検知手段)5を封入し同空間部9を炭酸ガスで置換した。
なお、バリアフィルム4は、素材として、外側から厚さ12μmのナイロン41、厚さ12μmのアルミナ蒸着PET、厚さ25μmのPE(シーラント層)を用い、炭酸ガス加圧下で108度で20分間加熱滅菌処理をした。また、袋体3には厚さ260μmのPEを用いた。一方、炭酸ガスインジケータ5については、フェノールレッド10mgに0.28%の炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて溶解し、500mLとした。この内、0.5mLを、縦型3方シール機によって、厚さ50μmのPEフィルム中に封入し、縦30mm×横15mmの炭酸ガスインジケータ5を作成した。
上記ハイバリア容器を、25℃・60%RH及び40℃・75%RHの状態で3カ月保存したところ、炭酸含有量、ph値共にほとんど変化は認められなかった。また、炭酸ガスインジケータ5の変色も認められず、ピンホールやシール不良等の発生はなく、薬液の変質も発生していないことを確認することができた。
なお、本考案は、実施の形態に限定されることなく、考案の要旨を逸脱しない限りにおいて、適宜、必要に応じて、設計変更や改良等を行うのは自由であり、例えば、ハイバリア容器の形状は、その上半部が二等辺三角形状に形成されてもよい。
本考案の実施の形態に係るハイバリア容器の正面図である。 同断面図である。
符号の説明
1…重炭酸含有薬液、2…薬液室、3…袋体、4…バリアフィルム、5…炭酸ガス検知手段、6…他の室、7…弱シール部、8…ヘッドスペース、9…空間部

Claims (12)

  1. 重炭酸含有薬液(1)を封入するための薬液室(2)を有する袋体(3)が透明な炭酸ガス透過性フィルムで形成され、前記袋体(3)の外側に、透明なバリアフィルム(4)を被覆してなるハイバリア容器であって、
    前記透明なバリアフィルム(4)の炭酸ガス透過率が1.0mL/m2 ・day以下であることを特徴とするハイバリア容器。
  2. 前記バリアフィルム(4)の炭酸ガス透過率が0.1mL/m2 ・day以下であることを特徴とする請求項1に記載のハイバリア容器。
  3. 前記袋体(3)とバリアフィルム(4)との間に、炭酸ガス検知手段(5)が封入されることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイバリア容器。
  4. 前記袋体(3)とバリアフィルム(4)との間に、脱酸素剤が封入されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のハイバリア容器。
  5. 前記脱酸素剤が、炭酸ガス発生型酸素吸収剤であることを特徴とする請求項4に記載のハイバリア容器。
  6. 前記薬液室(2)におけるヘッドスペース(8)が、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のハイバリア容器。
  7. 前記袋体(3)とバリアフィルム(4)との間の空間部(9)が、炭酸ガス又は炭酸ガス含有ガスで置換されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のハイバリア容器。
  8. 前記袋体(3)を形成する透明な炭酸ガス透過性フィルムの炭酸ガス透過率が500mL/m2 ・day以上であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のハイバリア容器。
  9. 前記袋体(3)は、前記薬液室(2)を含めて二室以上に仕切られ、前記バリアフィルム(4)が、前記薬液室(2)の外側にのみ被覆されることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のハイバリア容器。
  10. 前記薬液室(2)と他の室(6)との間は弱シール部(7)で仕切られることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のハイバリア容器。
  11. 前記袋体(3)の厚さを150〜300μmに設定したことを特徴とする請求項1乃至10 の何れかに記載のハイバリア容器。
  12. 前記バリアフィルム(4)の厚さを100〜150μmに設定したことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載のハイバリア容器。
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