JP2007217055A - 蓋材およびそれを用いた包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】当該成形容器に内容物を充填後、減圧状態となって成形容器が変形していた場合にも、成形容器の変形を防止可能であり、蓋材に用いる接着阻害層又は弱接着層の塗布量や形成位置をシビアに管理する必要がなく、衛生的であり、更に、包装体内の減圧状態をメチレンブルーを使用せずに外部から確認することが可能であり、内容物の保存安定性に優れた蓋材およびそれを用いた包装体を提供する。
【解決手段】本発明の蓋材1では、内部に内容物を収納する成形容器の蓋材として用いられる積層体であって、外側から、外層11としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層12として成形容器2とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、かつ、外層11と内層12との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3を封入することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、成形容器に内容物を充填後密封する蓋材およびそれを用いた包装体に関し、さらに詳しくは、包装体の蓋材が、衛生的で、内容物の変質防止し、密封後の包装体が減圧に応じて蓋材の一部が変形し、減圧による成形容器の変形を吸収できる蓋材およびそれを用いた包装体に関する。
従来の成形容器の蓋材は、基材フィルムとなる絵柄層を設けた二軸延伸フィルムと、易開封性をもつヒートシール層との積層フィルムより構成されていた。
しかしながら、そのような構成で、内容物を充填した後密封を施した場合、内容物やその充填・密封方法によっては、包装体の内部が減圧状態となり、成形容器が変形するという問題があった。例えば、沸点近くまで加熱した飽和蒸気圧をもつ液体を充填・密封した後包装体を冷却すると、包装体のヘッドスペースに存在する蒸気の液化や、温度差により包装体の内部圧力が低下し、成形容器が変形するという問題があった。
また、粉体、顆粒上の内容物や、熱い米飯などが含気状態で充填した後に、残留酸素により内容物が酸化を起こさないように脱酸素剤とともに包装・密封した包装体において、酸素が脱酸素剤に吸収されるにしたがって内部圧力が低下し、減圧状態になるにともなって成形容器が変形するという問題があった。
この欠点を解消した容器として、通気孔を設けた基材フィルムに接着阻害層又は弱接着層、更にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層からなる蓋材用積層体であって、前記接着阻害層又は弱接着層が、前記蓋材と成形容器とのヒートシール部以外に設けられた構成からなる蓋材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−6428号公報
しかしながら、特許文献1の蓋材では、外層と内層との層間に形成する接着阻害層又は弱接着層を、誤って蓋材のヒートシール部にまで塗布してしまうと、その部分がヒートシールされずに層間剥離してしまい、製品としての使用に耐えないという問題があった。
また、特許文献1の蓋材では、外層と内層との層間に形成する接着阻害層又は弱接着層の塗布量が少ないと、容器内が減圧となる際に、当該熱可塑性樹脂層が、接着阻害層又は弱接着層の部分で剥離できず、成形容器が変形してしまうという問題があった。
また、特許文献1の蓋材では、蓋材を構成する内層が外層とのヒートシール部近傍で貼り合わされて一体化しているため、蓋材を構成する内層の全面が延伸できず、成形容器が蓋材より先に変形しやすく、容器内が減圧された際に、蓋材の一部が変形するより先に容器側が変形してしまうという問題があった。
また、従来の蓋材を用いた包装体では、成形容器に脱酸素剤入り小袋を封入した状態で密封して使用するが、脱酸素剤入り小袋を誤って落としてしまったり、内容物に脱酸素剤が直接触れてしまうため、衛生面で問題があった。
また、上記の脱酸素剤には、通常、酸化還元により可逆的に変化する色素を添加して、包装体内の脱酸素状態の指標としてメチレンブルー(チアジン系塩基性染料)を用いるが、メチレンブルーの耐光年数が1年程度であるため、容器への保存期間が1年より長い場合には、包装体内の脱酸素状態を色により判断することが困難となるという問題があった。
本発明の課題は、従来、当該成形容器に内容物を充填後、減圧状態となって成形容器が変形していた場合にも、成形容器の変形を防止可能であり、蓋材に用いる接着阻害層又は弱接着層の塗布量や形成位置をシビアに管理する必要がなく、衛生的であり、更に、包装体内の減圧状態をメチレンブルーを使用せずに外部から確認することが可能であり、内容物の保存安定性に優れた蓋材およびそれを用いた包装体を提供することである。
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の蓋材では、内部に内容物を収納する成形容器の蓋材として用いられる積層体であって、外側から、外層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、
かつ、当該外層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする蓋材である。
また、本発明の蓋材では、内部に内容物を収納する成形容器の蓋材として用いられる積層体であって、外側から、外層として通気孔を設けた基材フィルム層と、中間層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、かつ、当該中間層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする蓋材である。
また、前記の蓋材において、前記の内層が、前記の成形容器に対してイージーピール性を有することを特徴とする蓋材である。
また、前記の蓋材において、前記の内層が、通気孔を設けた構成からなることを特徴とする蓋材である。
また、本発明の包装体は、内部に内容物を収納する成形容器と、当該成形容器に収納されている内容物と、当該成形容器を閉塞して密閉する蓋材とからなり、かつ当該蓋材が、外側から、外層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、かつ、当該外層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする包装体である。
本発明の蓋材は、成形容器を用いて密封した包装体の内部が減圧状態となった際、蓋材を構成する外層と内層が延伸して変形することにより、成形容器が変形することなく、包装体の減圧を吸収することが可能であり、更に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入して減圧状態を維持しても、成形容器が変形することがなく、また、蓋材を構成する外層と内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することによって、内容物の保存安定性にも優れると共に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤が直接内容物に接触することがなく、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤が包装体からの落下を防止するため、衛生性に優れる包装体を提供できる効果を奏する。
また、本発明の蓋材は、従来と比べて包装体の減圧量が少なくても、蓋材の一部が変形することによって、減圧後に、包装体の内部が減圧状態になっていることを目視にて確認することができるものである。
従って、脱酸素状態の指標としてメチレンブルーを使用せずに、内容物の保存期間が1年経過しても、成形容器を密封した蓋材の一部が変形することを視認することで、包装体の外部から減圧状態を確認することができる効果を奏する。
なお、成形容器内の減圧による成形容器の変形量は、成形容器の肉厚、成形容器内の被吸収ガス含有量、ガス置換の有無、といった包装条件の相違、また、気圧の低い高地で包装した包装体を低地に輸送するといった地理的要因、輸送及びハンドリング時の包装体の落下等の衝撃の度合いにより異なるものである。
本発明は、従来品と比較して、確実に容器の変形量の低減化を図れるものであるため、容器の変形を防止可能にするものである。
図1は、本発明に係る蓋材を用いた包装体の横断面図であり、図2は、本発明に係る蓋材を用いた包装体の縦断面図であり、図3は、図1の包装体の減圧状態を示す概略図であり、図4は、本発明に係る別態様の蓋材を用いた包装体の横断面図であり、図5は、図4の包装体の減圧状態を示す概略図である。
本発明に係る蓋材1は、図1に示すように、外層11としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層12として成形容器2とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層を積層し、外層11と内層12との層間に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3を封入し、外層11と内層12とを強ヒートシールして構成される。
そして、本発明に係る包装体10は、成形容器2に内容物5を充填して、容器のフランジ部6で蓋材1の周辺をヒートシールして密封して構成される。
本発明に係る蓋材1は、図2に示すように、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3が、外層11と内層12との層間に封入されているため、内容物の保存安定性に優れ、また、薬剤3が、直接、内容物に接触することがなく、衛生性に優れると共に、開封時に薬剤3が包装体から落下するのを防止することができるものである。
上記の包装体10において、包装体内の内容物の変質を促進するガスが、内層12を透過して内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3に吸収されるのに伴って、包装体の内部は減圧されるが、図3に示すように、蓋材1を構成する外層11と内層12とが、延伸して変形することで、包装体10内の減圧を吸収して、成形容器2が変形することなく、充填時の状態を保つことができるものである。
また、本発明に係る蓋材1は、外層11と内層12との層間に接着阻害層、弱接着剤層を形成していないため、接着阻害層、弱接着剤層の構成成分が、内層12の表面にブリードアウトすることなく、衛生性に優れ、また、蓋材の層間のヒートシール位置でヒートシール不良がない点で好ましい。
また、前記の内層が、前記の成形容器に対してイージーピール性を有するため、蓋材を手で容易に開封できるものである。
図4は、本発明に係る別態様の蓋材を用いた包装体の横断面図である。
本発明に係る蓋材1は、図4に示すように、外層13として通気孔7を設けた基材フィルム層と、中間層14としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層15として成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、中間層14と内層15との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3を封入し、外層13と中間層14と内層15とを強ヒートシールする構成からなる。
そして、本発明に係る包装体10は、成形容器2に内容物5を充填して、容器のフランジ部6で蓋材1の周辺をヒートシールして密封して構成される。
本発明に係る蓋材1は、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3が、中間層14と内層15との層間に封入されているため、内容物の保存安定性に優れ、また、薬剤3が、直接、内容物に接触することがなく、衛生性に優れると共に、開封時に薬剤3が包装体から落下するのを防止することができるものである。
上記の包装体10において、包装体内の内容物の変質を促進するガスが、内層15を透過して内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3に吸収されるのに伴って、包装体の内部は減圧されるが、図5に示すように、蓋材1を構成する中間層14と内層15とが、延伸して変形することで、包装体10内の減圧を吸収して、蓋材1を構成する外層13と成形容器2が変形することなく、充填時の状態を保つことができるものである。
また、本発明に係る蓋材1は、外層13と中間層14との層間に接着阻害層、弱接着剤層を形成していないため、接着阻害層、弱接着剤層の構成成分が、内層15の表面にブリードアウトすることなく、衛生性に優れ、また、容器内が減圧となる際に、外層13と中間層14の層間で容易に剥離するので、成形容器が変形しない点で好ましい。
また、上記において、蓋材1の外層13として通気孔7を設けた基材フィルム層を設けることによって、フィルム強度に優れ、流通過程において外部からの衝撃に耐え、また、印刷見当が合い易くなり、印刷適性に優れるので好ましい。
本発明に係る蓋材を構成する外層13は、通気孔を設ける基材フィルムであればよく、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール、ポリアミド、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体や、ポリカーボネートなどよりなる延伸あるいは未延伸のフィルム又はこれらの延伸フィルムにアルミニウム蒸着を施したものである。また、紙、アルミニウム箔と上記熱可塑性樹脂フィルムとの積層体を用いることもでき、これらのフィルムまたは積層体に、中間層14とヒートシール性をもつフィルムを貼り合わせて用いるのが通常であるが、単体で中間層14とヒートシール性をもつフィルムを外層13として用いても良い。なお、基材フィルムとなるポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコールのフィルムは、いわゆるガスバリアフィルムとして積層するものではなく、静電気による粉塵の付着防止フィルムとするものであり、またアルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムは金属光沢としての装飾効果を活用するものである。
中でも、特に印刷適性、後加工適性に優れたポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンやナイロン6の二軸延伸フィルムの厚みが6μm〜50μmのものが印刷適性などの加工適性に優れ、フィルム強度に優れるので、基材プラスチックフィルムとして好ましいものである。
外層13に設ける通気孔の形成方法は、特に限定されないが、例えば、表面に微細針状の構造をもつロールで連続的に回転して形成したり、スタンプで部分的に所望の位置に形成したり、レーザーなどにより形成することができる。
通気孔の大きさは、フィルムの通気度が、200cc/min〜100000cc/minが好ましい。フィルムの通気度が、200ccより少ないと、減圧に追随できず、成形容器が変形したりすることがあり、フィルムの通気度が、100000cc/minを超えると機能的には問題がないが、蓋材の外観が悪くなり好ましくない。
外層13の基材フィルム表面または裏面には、外層13が単体フィルムである場合はヒートシール部を除いて、グラビア印刷やフレキソ印刷又はシルクスクリーン印刷で絵柄層を形成でき、その塗布量固形物(以下、塗布量は固形物で記述する。)は0.1g/m2〜5g/m2程度が好ましい。
本発明に係る蓋材を構成する外層11または中間層14は、ガスバリア性の未延伸フィルムであって、内層15とヒートシール性を有すれば良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアミド、アクリル酸エステル又はメタクリ酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体や、ポリカーボネートなどよりなる単層または多層の未延伸のフィルム等を使用することができる。
中でも、遮断したいガスが酸素である場合、ポリエチレン樹脂層とエチレン・ビニルアルコール共重合体層とポリエチレン樹脂層の共押しフィルム、またはポリプロピレン樹脂層とエチレン・ビニルアルコール共重合体層とポリプロピレン樹脂層と共押しフィルムを用いることが好ましく、また、例えば遮断したいガスが水蒸気である場合、ポリプロピレンフィルム単体、またはポリエチレン樹脂層とポリプロピレン樹脂層との共押しフィルム等を用いることが好ましい。
本発明に係る蓋材を構成する内層12、15は、ガス透過性がある未延伸フィルムであり、外層11または中間層14とはヒートシールで強固に接着できることが好ましく、一方、成形容器とは、易剥離性をもつ弱ヒートシール強度を有すればよく、例えば、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリブテン1、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、あるいはナイロン6、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド、アクリル酸エステル又はメタクリ酸エステルを主成分とするアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体や、ポリカーボネートなどよりなる未延伸のフィルムである。
内層12、15は、更に、針、熱針、レーザー光線などで穿孔してガス透過度を大きくできる。
本発明に係る蓋材に封入する内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3としては、脱酸素剤、炭酸ガス吸収剤や、乾燥剤、除湿剤等を使用できる。
ガス吸収剤は、外層と内層とを相対して重ねるときいずれか一方のフィルムに貼着又は載置し、他のフィルムとを容器のヒートシール部、あるいは容器の周辺に相当する部分を仮接着することにより封入できる。
本発明に係る蓋材は、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3を層間に封入するため、内容物と薬剤が、直接接触しないため、衛生的で、開封時に容器から薬剤3が落下するのを防止できる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
成形容器2としては、厚さ0.6mmのポリプロピレン/エチレン・ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン共押しシートから成形し、縦150mm、横120mm、フランジ巾約10mm、高さ30mmのトレー状の容器を作成し、該容器に内容物5として、炊飯後に冷えた白飯を容器の上端から10mm程度まで、約150g充填し、更に、ペニシリウム種のカビ胞子懸濁液を接種した。
一方、外層13として、厚み12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(品名「E5102」東洋紡績株式会社製)と、厚み30μmのポリエチレンフィルム(品名「L4102」東洋紡績株式会社製)とをポリエステル・イソシアネート系の硬化型の接着剤層を介して積層して作製した。
次に、得られた外層13の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム側から、直径0.5mmの針状突起物で穿孔した。フィルムの通気度は、2500cc/minであった。
また、中間層14として、厚さ50μmのポリエチレン樹脂層/エチレン・ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン樹脂層の共押しフィルム(品名「G4400」大日本インキ化学工業株式会社製、酸素透過度30ml/(m2・d・MPa))を用いた。
また、内層15として、厚さ30μmのポリプロピレン用イージピールシーラント(品名「JME41−CA」株式会社DNPテクノフィルム製)を用いて、中間層側の面に、ダイヤモンド粉末を表面全体に接着させたローラーで未貫通の穿孔を形成した。フィルムの酸素透過度は、230000ml/(m2・d・MPa)であった。
更に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3として、脱酸素剤(品名「エージレス100」三菱化学(株)製)を用い、中間層14に貼着し、内層15とを相対して重ね、手動式トレーシーラーを用いて、シールヘッドで温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0秒で、外層と中間層と内層と成形容器2のフランジ部6とをヒートシールして密封して、実施例1の試料を作成した。
得られた包装体を2週間常温で放置した結果、包装体の内部の酸素ガスが脱酸素剤で吸収されるに伴って包装体の内部は減圧され体積が約2割減少し、蓋材の中間層14と内層15のみが伸びて変形することで、包装体の減圧を吸収した。したがって蓋材の外層13と中間層14に空間部を形成することで、成形容器2は変形をすることがなく、また、カビの繁殖も抑えられており、充填時の状態を保つことができた。
そして、実施例の外層と中間層と内層とは、強固にヒートシールされ、一方蓋材の内層と成形容器とは弱接着の易剥離性のものであった。
そして、容器から蓋材を剥離するとき、内層は、中間層との間で剥離したり、破れたりすることがなく成形容器から開封することができた。
成形容器2としては、厚さ0.6mmのポリプロピレン/エチレン・ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン共押しシートから成形し、縦240mm、横60mm、フランジ巾約7mm、高さ35mmのトレー状の容器を作成し、該容器に内容物5として、薬液を充填済みのシリンジを収納した。
一方、外層11として、厚さ50μmのポリエチレン樹脂層/エチレン・ビニルアルコール共重合体層/ポリエチレン樹脂層の共押しフィルム(品名「G4400」大日本インキ化学工業株式会社製、酸素透過度30ml/(m2・d・MPa))を用いた。
また、内層12として、厚さ30μmのポリプロピレン用イージピールシーラントを用いた。このフィルムの酸素透過度は、60000ml/(m2・d・MPa)であった。
更に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3として、脱酸素剤(品名「エージレス100」三菱化学(株)製)を用い、外層11と、内層15とを相対して重ねた間に脱酸素剤を収納し、手動式トレーシーラーを用いて、シールヘッドで温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0秒で、外層と内層と成形容器2のフランジ部6とをヒートシールして密封して、実施例1の試料を作成した。
得られた包装体を2週間常温で放置した結果、包装体の内部の酸素ガスが脱酸素剤で吸収されるに伴って包装体の内部は減圧され体積が減少し、蓋材の外層11と内層12が伸びて変形することで、包装体の減圧を吸収した。したがって蓋材の外層11と内層12に空間部を形成することで、成形容器2は変形をすることがなく、充填時の状態を保つことができた。
そして、実施例の外層と内層とは、強固にヒートシールされ、一方蓋材の内層と成形容器とは弱接着の易剥離性のものであった。
そして、容器から蓋材を剥離するとき、内層は、中間層との間で剥離したり、破れたりすることがなく成形容器から開封することができた。
そして、開封時に脱酸素剤を落下させることなく、内容物を取り出すことができた。
〔比較例1〕
成形容器2としては、実施例1と同じ材料を用いて、同様の製造方法で成形して作製した。該容器に内容物5として、炊飯後に冷えた白飯を容器の上端から10mm程度まで、約150g充填し、更に、ペニシリウム種のカビ胞子懸濁液を接種した。
一方、外層11として、厚み12μmのアルミナ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム〔品名「IB−PET−PUB」大日本印刷株式会社製、酸素透過度3ml/(m2・d・MPa)〕を用い、内層12として、厚さ30μmのポリプロピレン用イージピールシーラント〔品名「JME41−CA」株式会社DNPテクノフィルム製)〕とをポリエステル・イソシアネート系の硬化型の接着剤層を介してドライラミネーションして蓋材を作製した。
更に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3として、脱酸素剤(品名「エージレス100」三菱化学(株)製)を用い、内容物の上に載せて、蓋材の内層側を相対して重ね、手動式トレーシーラーを用いて、シールヘッドで温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0秒で、外層と内層と成形容器2のフランジ部6とをヒートシールして密封して、比較例1の試料を作成した。
得られた包装体を2週間常温で放置した結果、包装体の内部の酸素ガスが脱酸素剤で吸収されるに伴って包装体の内部は減圧され体積が約2割減少し、成形容器2が凹んで変形してしまい、凹んだ部分の先端が尖っており、充填時の状態を保つことができなかった。
〔比較例2〕
成形容器2としては、実施例2と同じ材料を用いて、同様の製造方法で成形して作製した。該容器に内容物5として、薬液を充填済みのシリンジを収納した。
一方、外層11として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(品名「E5102」東洋紡績株式会社製)を用い、一方の面に接着阻害剤17として、ポリアミドをバインダーとするワニスを縦180mm、横20mmの長方形に、塗布量が3g/m2でグラビア印刷して形成した。そして、ワニスを形成しない方の側から、直径0.5mmの針状突起物を3本/cm2の割合のローラーで穿孔した。
また、内層12として、厚さ30μmのポリプロピレン用イージピールシーラントを用いた。このフィルムの酸素透過度は、60000ml/(m2・d・MPa)であった。
そして、外層11の接着阻害剤17形成面側に、上記の内層12をポリエステル・イソシアネート系の硬化型の接着剤層16を介してドライラミネーションして蓋材を作製した。
更に、内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤3として、脱酸素剤(品名「エージレス100」三菱化学(株)製)を用い、内容物の上に載せた。
次いで、蓋材の内層12と成形容器2のフランジ部6とを相対して重ね、手動式トレーシーラーを用いて、シールヘッドで温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0秒で、蓋材と成形容器2のフランジ部6とをヒートシールして密封して、比較例2の試料を作成した。
得られた包装体を2週間常温で放置した結果、包装体の内部の酸素ガスが脱酸素剤で吸収されるに伴って包装体の内部は減圧され体積が減少したが、蓋材が延伸しなかったため、成形容器2が凹んで変形しまい、充填時の状態を保つことができなかった。
そして、内容物を取り出す際、脱酸素剤を誤って落下させてしまった。
本発明に係る蓋材およびそれを用いた包装体の用途は、例えば、飲食品、医薬品、化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の充填包装用袋として使用可能であり、特に制限は無い。
当該蓋材中にガス吸収材を収納した成形容器は、内容物を長期間間保管しても、減圧状態を維持した状態で、成形容器が変形することがなく、内容物の保存適性に優れる効果を奏する。
本発明に係る蓋材を用いた包装体の横断面図である。 本発明に係る蓋材を用いた包装体の縦断面図である。 図1の包装体の減圧状態を示す概略図である。 本発明に係る別の態様の蓋材を用いた包装体の横断面図である。 図4の包装体の減圧状態を示す概略図である。 従来の蓋材を用いた包装体の横断面図である。
符号の説明
1 蓋材
2 容器
3 ガス吸収剤
4 ヒートシール部
5 内容物
6 フランジ
7 通気孔
10 包装体
10´従来の包装体
11 外層
12 内層
13 外層
14 中間層
15 内層
16 接着剤層
17 接着阻害剤層

Claims (5)

  1. 内部に内容物を収納する成形容器の蓋材として用いられる積層体であって、
    外側から、外層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、
    かつ、当該外層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする蓋材。
  2. 内部に内容物を収納する成形容器の蓋材として用いられる積層体であって、
    外側から、外層として通気孔を設けた基材フィルム層と、中間層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、
    かつ、当該中間層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする蓋材。
  3. 前記の蓋材において、前記の内層が、前記の成形容器に対してイージーピール性を有することを特徴とする請求項1又は2記載の蓋材。
  4. 前記の蓋材において、前記の内層が、通気孔を設けた構成からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材。
  5. 内部に内容物を収納する成形容器と、当該成形容器に収納されている内容物と、当該成形容器を閉塞して密閉する、請求項1〜4のいずれかに記載の蓋材とからなり、かつ当該蓋材が、外側から、外層としてガスバリア性の未延伸フィルム層と、内層として当該成形容器とヒートシール可能なガス透過性の未延伸フィルム層とを順次積層する多層構成からなり、かつ、当該外層と当該内層との中間に内容物の変質を促進するガスを吸収する薬剤を封入することを特徴とする包装体。
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