JP3111656B2 - 窒化ケイ素焼結体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

窒化ケイ素焼結体の製造方法及び製造装置

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JP3111656B2
JP3111656B2 JP04184416A JP18441692A JP3111656B2 JP 3111656 B2 JP3111656 B2 JP 3111656B2 JP 04184416 A JP04184416 A JP 04184416A JP 18441692 A JP18441692 A JP 18441692A JP 3111656 B2 JP3111656 B2 JP 3111656B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化ケイ素(Si
34)焼結体の製造方法、並びにその製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素焼結体の製造においては、原
料の窒化ケイ素粉末にY23、Al23、MgO等の焼
結助剤を添加混合し、混合粉末を成形した後、その成形
体をN2ガス又はN2ガスを含む不活性ガス雰囲気中にお
いて、1800℃程度の高温で焼結している。又、上記
のごとく高温で焼結が行われるため、焼結に用いる焼成
炉は図2に例示する焼結炉のごとく、断熱材4等の炉
材、加熱ヒーター5等の加熱源、並びに成形体を保持す
る治具2等は、炭素系材料で構成するのが通常である。
【0003】最近では、緻密で且つ強度等の特性に優れ
た窒化ケイ素焼結体を得るため、原料粉末や焼結条件等
について各種の検討がなされている。その中で焼成雰囲
気に関しては、例えば特公昭58−49509号公報に
おいて、高温での窒化ケイ素の熱分解を抑制するため
に、N2ガス雰囲気を加圧して窒素圧1.5〜50kg/
cm2で焼結する方法が開示されている。
【0004】又、特公平3−1270号公報には、原料
である窒化ケイ素粉末の表面に含まれるSiO2の蒸発
や窒化を防ぎ焼結体の表面特性を改善するため、N2
ス雰囲気にCO2ガス又はCO2ガスとCOガスを混合
し、このCO2ガスの分離反応によりO2を発生させて酸
素分圧を高めることにより、窒化ケイ素粉末に含まれる
SiO2の蒸発や窒化を抑制する方法が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法に
より製造される窒化ケイ素焼結体は、いずれの場合にも
焼成ガス雰囲気に接している焼結体の表面が少なからず
変質し、機械的特性を劣化させていると言う問題があっ
た。
【0006】そこで従来は、この変質層を研削加工等に
より除去していたが、窒化ケイ素焼結体は難加工性であ
るため変質層の除去が容易ではなかった。又、変質状態
や変質層の厚さが焼結バッチにより異なる上、変質層が
厚い程又変質層の厚さのバラツキが大きい程加工取り代
を多くしなければならないため、コストの上昇及び生産
性の大幅な低下を招いていた。
【0007】本発明はかかる従来の事情に鑑み、表面の
変質層が殆どなく高密度で機械的特性に優れた窒化ケイ
素焼結体を安定して製造する方法、並びにそのために使
用する簡単な製造装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の窒化ケイ素焼結体の製造方法においては、
窒化ケイ素粉末と焼結助剤との混合粉末を成形し、成形
体をNガス又はNガスを含む不活性ガスの雰囲気中
で焼結する窒化ケイ素焼結体の製造方法において、焼成
炉の炉材及び加熱源より内側に少なくとも内面が炭素系
材料以外の耐熱性材料で構成された隔壁を設け、この隔
壁で形成された炉芯室内に前記成形体を直接配置するか
又は炭素系材料以外の耐熱材料からなる治具に保持して
配置し、該炉芯室内に前記雰囲気ガスを直接導入するこ
とにより、焼結中の成形体と接する前記雰囲気中のCO
濃度を30モルppm以下とすることを特徴とする。
【0009】又、本発明の焼成炉を有する窒化ケイ素焼
結体の製造装置は、焼成炉の炉材及び加熱源より内側に
隔壁を設けて構成した炉芯室と、炉芯室内に直接N2
ス又はN2ガスを含む不活性ガスを導入する雰囲気ガス
導入管とを備え、前記隔壁の少なくとも炉芯室内側の面
が炭素系材料以外の耐熱性材料で構成され、炉芯室内に
成形体を直接配置するか又は炭素系材料以外の耐熱性材
料からなる治具に保持して配置するようにしたことを特
徴とする。
【0010】
【作用】本発明者らは、従来の製造方法により得られる
窒化ケイ素焼結体の表面が変質する原因について研究を
重ねた結果、焼結中の焼成ガス雰囲気成分の分析、炉内
の析出物の分析、焼結体の減量率等の検討から、焼成ガ
ス雰囲気に含まれるCOが表面変質層の形成に大きくか
かわっていることを突き止めた。
【0011】即ち、従来の焼成炉は通常ヒーターや炉材
として黒鉛や炭素繊維等の炭素系材料を使用しているの
で、吸着等により炉内に残存している水分や空気中の酸
素とこれら炭素系材料とが高温で反応してCOが生成す
る。更にこのCOが、Y23やAl23等の酸化物であ
る焼結助剤及び窒化ケイ素粉末に含まれ焼結助剤として
作用するSiO2を還元し、ガス化させる。その結果、
雰囲気ガスと接触している成形体の表面で焼結助剤やS
iO2の量や組成が変化し、得られる焼結体の表面に変
質層が形成されるのである。
【0012】例えばSi34粉末中のSiO2の場合、
下記化1に示す反応より雰囲気中のCOと反応してSi
Oとなって気化し、これが化2の反応により炉内の炭素
系材料により還元されて再びCOを生成する:
【化1】SiO2+CO→SiO↑+CO2
【化2】SiO+2C→SiC+CO↑
【0013】又、上記化1で生成されたCO2も下記化
3のごとく炭素系材料により還元されて再びCOを生成
する。更に成形体を炭素系材料の治具に接触させて焼結
した場合も、下記化4によりSiO2が炭素により直接
還元されてSiOとCOを生成する:
【化3】CO2+C→2CO↑
【化4】SiO2+C→SiO↑+CO↑
【0014】この様に一旦焼結助剤やSiO2の揮散が
生じると、連鎖的に雰囲気中のCO量が増加して行くた
め、COと焼結助剤等との反応が成形体の内部にまで進
行し易い。又、焼成炉中の水分や残留空気の量、雰囲気
ガスの流量、成形体の量等により、焼成炉中に生成する
CO濃度が変化するため、焼成ロット毎に表面変質層の
厚さや状態が変わり、機械的特性が変動する結果とな
る。
【0015】そこで本発明者らは、上記化1ないし化4
に示すような反応の連鎖を断ち切るため、焼成中に成形
体と接する雰囲気中のCO濃度を低減させることを検討
し、焼成雰囲気として用いるNガス又はNガスを含
む不活性ガス中のCO濃度を30モルppm以下にする
ことによって、成形体からのSiOや焼結助剤の揮散
をなくすことができ、得られる焼結体表面における変質
層の生成が大幅に抑制されることを見いだし、本発明に
至ったものである。
【0016】尚、焼成ガス雰囲気中のCO濃度が30
ルppmを越えると、焼結体表面の変質が急激に進行
し、変質層の厚さが層化する。CO濃度が皿に増加する
に従って、表面ばかりでなく内部からも焼結助剤やSi
の揮散が激しくなり、これらにより形成される液相
が変化するため焼結性が低下し、全体的に緻密な焼結体
が得られなくなる。
【0017】又、本発明方法によれば、焼結助剤やSi
34粉末中のSiO2の揮散がないので、従来方法に比
べて低温での焼結が可能である。即ち、従来は焼結性の
低下を補うため1700〜1900℃程度の高い焼結温
度が一般的であったが、本発明方法での焼結温度は13
00〜1800℃が適当であり、更には1400〜17
50℃が好ましく、この温度範囲内で焼結体の相対密度
が96%以上となるように焼結助剤の種類や添加量に応
R>じて焼結温度を設定すればよい。尚、焼結温度が13
00℃未満では、焼結助剤による液相の形成がなく焼結
が進行しない。
【0018】更に、本発明方法では窒化ケイ素の熱分解
が始まる1800℃以下の温度で焼結を行うので、N2
ガスやN2ガスを含む焼成雰囲気の圧力は大気圧で良
く、若しくは1.0〜1.1気圧の範囲であって良い。こ
のため、従来一般的であった加圧N2ガス雰囲気を使用
する場合に比べ、雰囲気を加圧するための設備や操作が
不要となり、コスト及び生産性の点で非常に有利であ
る。
【0019】上記方法により得られた窒化ケイ素焼結体
は、更に10気圧以上のN2ガス雰囲気中において13
00〜1800℃の温度で2次焼結することにより、一
層緻密化を図り機械的特性を向上させることができる。
この2次焼結において、温度が1300℃未満あるいは
2ガス雰囲気が10気圧未満の場合は緻密化の効果が
得られず、温度が1800℃を越えると緻密化と同時に
結晶粒の不均一成長が生じ、微細組織が変化するので好
ましくない。尚、2次焼結における雰囲気中のCO濃度
は、特に制御する必要はない。
【0020】次に、本発明の窒化ケイ素焼結体の製造装
置について説明する。従来の焼成炉は図2に示すごとく
断熱材4等の炉材、加熱ヒーター5、及び必要に応じて
成形体1を保持するため使用する治具2等は全て炭素系
材料で構成されていた。これに対し、本発明の焼成炉で
は、これらを全て炭素系材料以外の耐熱性材料で構成す
るか、若しくは炭素系材料で構成する場合には、残留し
ている水分や空気と炭素系材料との反応により生成した
COが成形体に接触するのを防止することにより、成形
体と接する雰囲気中のCO濃度を30モルppm以下に
抑えることができる
【0021】例えば、図1に示すように、焼結されるべ
き成形体1と焼成炉の外壁3の内側に設けた断熱材4等
の炉材及び加熱ヒーター5等の加熱源との間に隔壁9を
設置し、隔壁9全体又は隔壁9のうち炉芯室10の内側
の面を炭素系材料以外の耐熱性材料で構成する。炭素系
材料以外の耐熱性材料としては、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、窒化ホウ素等が好ましい。尚、成形体1の保持に治
具2を用いる場合、この治具2も炭素系材料以外の耐熱
性材料で構成する。
【0022】更に、図1の焼成炉では、N2ガス又はN2
ガスを含む不活性ガスを雰囲気ガス導入管6から炉芯室
10内へ直接導入する。雰囲気ガスは隔壁9の隙間を通
して雰囲気ガス排出管7から排出させるが、炉芯室10
内の圧力を炉内圧力より高めに設定することにより、炉
芯室10の外で炭素系材料と空気等との反応により生成
したCOガスが炉芯室10内に混入するのを防止するこ
とが望ましい。炉芯室10内の成形体1に接している雰
囲気中のCO濃度は、雰囲気ガス測定孔8から雰囲気ガ
スを常時サンプリングし、連続的に分析測定する。
【0023】又、隔壁9により炉芯室10を形成しない
場合には、断熱材等の炉材、加熱ヒーター等の加熱源、
治具等を全て炭素系材料以外の耐熱性材料で構成するこ
とにより、COの生成を抑え、成形体に接する雰囲気中
のCO濃度を30ppm以下にすることが可能である。
例えば、高アルミナ質の断熱材や、SiC又はタングス
テン等の加熱ヒーターを用いるが、この場合は焼成ガス
雰囲気中での加熱ヒーターの耐久性ないし寿命の問題か
ら、1500℃以下の焼結温度を採用することが好まし
い。
【0024】
【実施例】実施例1 平均粒径0.4μmのSi34粉末(α結晶化率96
%)91重量%に、焼結助剤として平均粒径0.8μm
のY23粉末4.5重量%、平均粒径0.4μmのAl2
3粉末2.5重量%、平均粒径0.5μmのAlN粉末
1.0重量%及び平均粒径0.5μmのMgO粉末1.0
重量%を添加し、ナイロン製ボールミルによりエタノー
ル中で100時間の湿式混合を行い、乾燥して混合粉末
とした。得られた混合粉末を3000kg/cm2でC
IP成形し、縦横が共に65mmで厚さが6.2mmの
成形体を作製した。
【0025】この成形体を図1又は図2に示す2種類の
焼成炉を用い、且つ下記表1に示す材質の治具を使用
し、雰囲気ガス導入管から下記表1に示す初期CO濃度
のNガスを導入しながら、1.0気圧の雰囲気圧力に
て1450℃で4時間、引き続き1580℃で2時間の
焼結を実施した。尚、いずれの焼成炉も黒鉛ヒーター及
び炭素系断熱材を使用し、図1の焼成炉の隔壁9にはS
iCを使用した。焼成中の炉芯室内の雰囲気ガスを、雰
囲気ガス測定孔8から採取してCO濃度を連続的に測定
し、結果を表1に併せて示した。尚、本発明におけるC
O濃度の単位はモルppmであるが、以下実施例におい
ては表を含め単にppmと表示する。
【0026】
【表1】 (注)表中の*を付した試料は比較例である(以下同
じ)。
【0027】得られた各焼結体の相対密度、焼結後の減
量率、及び室温での3点曲げ強度を測定し、結果を表2
に示した。尚、相対密度はアルキメデス法により求めた
嵩密度を理論密度で除した値であり、3点曲げ強度はJ
IS R1601に準じて、引張面が焼結したままの焼
結面である場合と、表面から0.1mm、0.3mm、
0.5mm及び1.0mmの深さまでダイヤモンド砥粒
(#800)で研削加工した研削面である場合について
測定した。
【0028】
【表2】 焼結体の 焼結体 3 点 曲 げ 強 度 (kg/mm2) 相対密度 減量率 未研削 研削面(研削加工取り代) 試料 (%) (%) 焼結面 0.1mm 0.3mm 0.5mm 1.0mm a 98.2 0.15 85.4 105.2 108.0 104.2 105.0 b 98.2 0.15 85.5 103.6 103.0 106.7 105.1 c 97.8 0.18 79.3 101.3 102.5 99.8 101.0 d 97.9 0.20 79.8 101.2 99.5 100.4 102.9 e 97.4 0.25 78.7 97.9 100.0 98.5 100.3 f* 97.0 0.89 75.4 83.2 98.3 98.0 97.6 g* 94.5 2.37 49.8 53.0 62.4 75.5 83.9 h* 96.5 1.45 67.5 65.4 75.7 95.8 96.3 i* 95.5 2.00 53.2 56.8 67.8 89.8 95.4
【0029】表2から明らかなように、焼結中における
雰囲気中のCO濃度を30ppm以下に制御した本発明
の試料a〜eでは、取り代0.1mmの研削加工により
強度が焼結体内部とほぼ同等になり、表面の変質が極め
て軽微であることが判る。これに対して、CO濃度が3
0ppmを越える比較例の試料f〜iでは表面の変質層
が厚く、特に焼結体の減量率の大きい試料gとiでは変
質による強度低下が内部にまで及び、しかも緻密化も不
十分で焼結性の低下が認められる。特に典型的な本発明
例である試料aと従来の焼成炉を用いた試料iを比較す
れば、本発明によるCO濃度の低減作用並びに焼結体表
面の変質防止効果が明瞭である。
【0030】実施例2 実施例1で得た試料a〜eの焼結体を、更に100気圧
のN2ガス雰囲気中において1650℃で2時間の2次
焼結を行い、それぞれ試料a’〜e’の焼結体を得た。
各焼結体を実施例1と同様の測定に供し、求めた相対密
度及び3点曲げ強度を表3において示した。下記表3の
結果から、2次焼結により更に焼結体の強度を向上させ
得ること、及び2次焼結による表面変質は極めて少な
く、取り代0.1mmの研削加工で内部と変わらない強
度が得られることが判る。
【0031】
【表3】 焼結体の 3 点 曲 げ 強 度 (kg/mm2) 相対密度 未研削 研削面(研削加工取り代) 試料 (%) 焼結面 0.1mm 0.3mm 0.5mm 1.0mm a’ 100 87.0 155.1 152.3 153.0 154.5 b’ 100 85.5 154.0 153.4 151.6 153.8 c’ 99.9 80.0 154.2 151.5 152.2 152.5 d’ 99.9 79.3 152.8 152.0 153.9 153.0 e’ 99.9 79.4 153.5 151.7 151.0 152.6
【0032】実施例3 実施例1と同様に作製した成形体を、前記表1の試料a
及びiと同じ条件で繰り返し5回焼結を行い、それぞれ
ロットの異なる5つの試料a−1〜a−5及びi−1〜
i−5を得た。各ロット毎に焼結中に測定した雰囲気中
のCO濃度と共に、得られた各焼結体について実施例1
と同様の測定を行って求めた結果を表4に示した。
【0033】
【表4】 焼結中CO 焼結体の 焼結体 3点曲げ強度(kg/mm2) 濃度(ppm) 相対密度 減量率 研削面(研削加工取り代) 試料 最高値 (%) (%) 0.1mm 0.5mm 1.0mm a−1 2 98.2 0.15 104.3 106.7 105.2 a−2 2 98.3 0.14 105.0 104.9 103.0 a−3 4 98.2 0.15 103.8 106.0 104.2 a−4 3 98.1 0.16 105.6 103.3 108.9 a−5 2 98.2 0.15 107.0 106.5 109.4 i−1* 165 95.9 1.78 60.2 90.5 94.3 i−2* 200 95.1 2.05 54.3 66.6 93.8 i−3* 79 97.1 0.87 82.7 97.0 96.4 i−4* 100 96.6 1.30 65.4 96.0 97.1 i−5* 138 96.0 1.59 63.5 94.9 95.1
【0034】上記表4から、図2に示す焼成炉を用いた
従来の方法では、焼結毎に雰囲気中のCO濃度が変動
し、それに伴って得られる焼結体の表面変質層の厚さに
相当大きなバラツキが生じるのに対し、本発明の方法で
はCO濃度の変動が少なく、従ってロット間のバラツキ
が極めて少なく安定した品質の焼結体が得られることが
判る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、焼結中に焼結体と接す
る雰囲気中のCO濃度を30モルppm以下に低減させ
ることにより、機械的強度を低下させる原因となる表面
変質層が極めて少なく、高密度で機械的特性に優れた窒
化ケイ素焼結体を安定して得ることができる。
【0036】得られる焼結体は表面変質層が極めて少な
いので、これを除去するための研削加工に要する負荷が
大幅に低減され、しかも従来に比べて低温且つ低圧での
焼結が可能となるので、コストの削減及び生産性の向上
に多大な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒化ケイ素焼結体の製造装置の一
例を示す概略断面図である。
【図2】従来の窒化ケイ素焼結体の製造装置を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1 成形体 2 治具 3 外壁 4 断熱材 5 加熱ヒーター 6 雰囲気ガス導入管 7 雰囲気ガス排出管 8 雰囲気ガス測定孔 9 隔壁 10 炉芯室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−219065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/584

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素粉末と焼結助剤との混合粉末
    を成形し、成形体をNガス又はNガスを含む不活性
    ガスの雰囲気中で焼結する窒化ケイ素焼結体の製造方法
    において、焼成炉の炉材及び加熱源より内側に少なくと
    も内面が炭素系材料以外の耐熱性材料で構成された隔壁
    を設け、この隔壁で形成された炉芯室内に前記成形体を
    直接配置するか又は炭素系材料以外の耐熱材料からなる
    治具に保持して配置し、該炉芯室内に前記雰囲気ガスを
    直接導入することにより、焼結中の成形体と接する前記
    雰囲気中のCO濃度を30モルppm以下とすることを
    特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記雰囲気の圧力を大気圧若しくは1.
    0〜1.1気圧の範囲とし、1300〜1800℃の温
    度で焼結することを特徴とする、請求項1記載の窒化ケ
    イ素焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法により得られた焼
    結体を、10気圧以上のN2ガス雰囲気中において13
    00〜1800℃の温度で2次焼結することを特徴とす
    る窒化ケイ素焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素粉末と焼結助剤の混合粉末か
    らなる成形体を焼結するための焼成炉を有する窒化ケイ
    素焼結体の製造装置において、焼成炉の炉材及び加熱源
    より内側に隔壁を設けて構成した炉芯室と、炉芯室内に
    直接N2ガス又はN2ガスを含む不活性ガスを導入する雰
    囲気ガス導入管とを備え、前記隔壁の少なくとも炉芯室
    内側の面が炭素系材料以外の耐熱性材料で構成され、炉
    芯室内に成形体を直接配置するか又は炭素系材料以外の
    耐熱性材料からなる治具に保持して配置するようにした
    ことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造装置。
JP04184416A 1992-06-18 1992-06-18 窒化ケイ素焼結体の製造方法及び製造装置 Expired - Lifetime JP3111656B2 (ja)

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