JP3111631B2 - スピーカ用ダンパー - Google Patents
スピーカ用ダンパーInfo
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- JP3111631B2 JP3111631B2 JP04128513A JP12851392A JP3111631B2 JP 3111631 B2 JP3111631 B2 JP 3111631B2 JP 04128513 A JP04128513 A JP 04128513A JP 12851392 A JP12851392 A JP 12851392A JP 3111631 B2 JP3111631 B2 JP 3111631B2
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- Japan
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- speaker
- damper
- fiber
- phenolic
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種音響機器に使用され
るスピーカ用ダンパーに関するものである。
るスピーカ用ダンパーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種のスピーカは図5に示すよう
に構成されていた。すなわちセンターポール1を有する
下部プレート2上にリング状のマグネット3およびリン
グ状の上部プレート4を組みこんで構成した磁気回路5
の上部プレート4にフレーム6を結合し、このフレーム
6の周縁部にガスケット7と共に振動板8を接着し、こ
の振動板8の中央部に前記磁気回路5に構成された磁気
ギャップ9に偏心することなくはまり込んだボイスコイ
ル10を結合し、このボイスコイル10のボビンの中間
部をダンパー11にて保持し、さらに振動板8の中央部
上面にダストキャップ12を組みこんで構成されてい
た。
に構成されていた。すなわちセンターポール1を有する
下部プレート2上にリング状のマグネット3およびリン
グ状の上部プレート4を組みこんで構成した磁気回路5
の上部プレート4にフレーム6を結合し、このフレーム
6の周縁部にガスケット7と共に振動板8を接着し、こ
の振動板8の中央部に前記磁気回路5に構成された磁気
ギャップ9に偏心することなくはまり込んだボイスコイ
ル10を結合し、このボイスコイル10のボビンの中間
部をダンパー11にて保持し、さらに振動板8の中央部
上面にダストキャップ12を組みこんで構成されてい
た。
【0003】ここでこの種のスピーカ用ダンパー11は
図6に示すような波型の形状であった。また従来のスピ
ーカ用ダンパー11の材質は木綿繊維、メタ系芳香族ポ
リアミド繊維、また両者の混紡繊維などがあった。木綿
繊維は2本の糸を撚ったものを経糸または緯糸としてこ
れらを織布にして使用しており、またメタ系芳香族ポリ
アミド繊維は単独の糸を織布にして使用している。これ
らの基材にフェノール樹脂を含浸し、加熱成形加工を行
い、スピーカ用ダンパー11を構成していた。
図6に示すような波型の形状であった。また従来のスピ
ーカ用ダンパー11の材質は木綿繊維、メタ系芳香族ポ
リアミド繊維、また両者の混紡繊維などがあった。木綿
繊維は2本の糸を撚ったものを経糸または緯糸としてこ
れらを織布にして使用しており、またメタ系芳香族ポリ
アミド繊維は単独の糸を織布にして使用している。これ
らの基材にフェノール樹脂を含浸し、加熱成形加工を行
い、スピーカ用ダンパー11を構成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】木綿繊維はコストは最
も安いが、湿度による変形が大きくまた大振幅時のスピ
ーカの最低共振周波数f0が大きく低下する課題があっ
た。メタ系芳香族ポリアミド繊維は木綿繊維よりは大振
幅時の最低共振周波数f0の低下については良好である
が、まだ低下率は高く、コストは最も高い。両者の混紡
品は材料比率が50%ずつであり、性能はやはり両者の
中間であり、満足できるものではない。
も安いが、湿度による変形が大きくまた大振幅時のスピ
ーカの最低共振周波数f0が大きく低下する課題があっ
た。メタ系芳香族ポリアミド繊維は木綿繊維よりは大振
幅時の最低共振周波数f0の低下については良好である
が、まだ低下率は高く、コストは最も高い。両者の混紡
品は材料比率が50%ずつであり、性能はやはり両者の
中間であり、満足できるものではない。
【0005】またいずれをとっても基材と形状保持する
ためのフェノール含浸剤とのなじみが悪く密着性が低い
ためにスピーカの歪みが高くなり、音質に悪影響を与え
ていた。
ためのフェノール含浸剤とのなじみが悪く密着性が低い
ためにスピーカの歪みが高くなり、音質に悪影響を与え
ていた。
【0006】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、スピーカの最低共振周波数f0の低下の少ない安定
したスピーカ用ダンパーを提供することを目的とするも
のである。
し、スピーカの最低共振周波数f0の低下の少ない安定
したスピーカ用ダンパーを提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、木綿繊維からなる複数の糸とフェノール系
繊維からなる糸を撚り線とし、これらを繊維状に織り込
んだ織布を基材とし、フェノール樹脂を含浸し熱成形加
工してスピーカ用ダンパーを構成している。
に本発明は、木綿繊維からなる複数の糸とフェノール系
繊維からなる糸を撚り線とし、これらを繊維状に織り込
んだ織布を基材とし、フェノール樹脂を含浸し熱成形加
工してスピーカ用ダンパーを構成している。
【0008】
【作用】基材に複数の木綿繊維の糸とフェノール繊維の
糸を撚り線とした織布を用いることにより、従来品であ
る木綿繊維が2本の撚り線であるため基材の引張強度が
向上し、大振幅時のダンパーの変形を非常に小さなもの
にすることができるため、最低共振周波数f0の低下も
少ない。また基材にフェノール繊維の糸を撚り線として
いるため、含浸剤のフェノール樹脂との密着性が向上
し、より基材と含浸剤が一体化し歪みが少なくなり音質
も良好となる。
糸を撚り線とした織布を用いることにより、従来品であ
る木綿繊維が2本の撚り線であるため基材の引張強度が
向上し、大振幅時のダンパーの変形を非常に小さなもの
にすることができるため、最低共振周波数f0の低下も
少ない。また基材にフェノール繊維の糸を撚り線として
いるため、含浸剤のフェノール樹脂との密着性が向上
し、より基材と含浸剤が一体化し歪みが少なくなり音質
も良好となる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例におけるスピーカ用ダ
ンパーについて画面を用いて説明する。図1は本発明の
実施例を示す要部の拡大斜視図であり、木綿繊維からな
る2本の糸13とフェノール繊維からなる1本の糸14
を撚って経糸15または緯糸16とし、これらを編み込
んで繊維状のダンパー基材とする。この基材にフェノー
ル樹脂を含浸し、さらに成形後の離型性を向上させるた
めのステアリン酸を含浸した後に、金型温度220℃、
成形時間5secの条件で成形加工し所定の形状に打ち
抜いて図2に示すダンパー17を構成した。
ンパーについて画面を用いて説明する。図1は本発明の
実施例を示す要部の拡大斜視図であり、木綿繊維からな
る2本の糸13とフェノール繊維からなる1本の糸14
を撚って経糸15または緯糸16とし、これらを編み込
んで繊維状のダンパー基材とする。この基材にフェノー
ル樹脂を含浸し、さらに成形後の離型性を向上させるた
めのステアリン酸を含浸した後に、金型温度220℃、
成形時間5secの条件で成形加工し所定の形状に打ち
抜いて図2に示すダンパー17を構成した。
【0010】本発明のダンパー17を用いた16cm口径
のスピーカの音圧周波数特性および第3次歪みを図3に
示す。従来品は木綿ダンバーを使用したスピーカであ
る。音圧周波数特性に差異はないが、特に第3次歪みが
低減している。
のスピーカの音圧周波数特性および第3次歪みを図3に
示す。従来品は木綿ダンバーを使用したスピーカであ
る。音圧周波数特性に差異はないが、特に第3次歪みが
低減している。
【0011】本発明のダンパー17を使用した口径が1
6cmのスピーカの経時変化における最低共振周波数f0
の変化率の推移を図4に示す。図4から明らかなように
本発明によるダンパー17を用いたスピーカの最低共振
周波数f0変化率は、従来の木綿ダンパーを用いたスピ
ーカの最低共振周波数f0変化率に比べ非常に少ないこ
とがわかる。
6cmのスピーカの経時変化における最低共振周波数f0
の変化率の推移を図4に示す。図4から明らかなように
本発明によるダンパー17を用いたスピーカの最低共振
周波数f0変化率は、従来の木綿ダンパーを用いたスピ
ーカの最低共振周波数f0変化率に比べ非常に少ないこ
とがわかる。
【0012】
【発明の効果】以上のように本発明のスピーカ用ダンパ
ーは構成されるため、基材とフェノール含浸剤とのなじ
みがよく、基材と樹脂が一体化するため歪みを低下させ
ることができ、最低共振周波数f0変化率の低下を防ぐ
ことのできる工業的価値の大なるものである。
ーは構成されるため、基材とフェノール含浸剤とのなじ
みがよく、基材と樹脂が一体化するため歪みを低下させ
ることができ、最低共振周波数f0変化率の低下を防ぐ
ことのできる工業的価値の大なるものである。
【図1】本発明の一実施例におけるスピーカ用ダンパー
の構成を示す要部の拡大斜視図
の構成を示す要部の拡大斜視図
【図2】同実施例におけるスピーカ用ダンパーを示す斜
視図
視図
【図3】同実施例によるダンパーを用いたスピーカと従
来のダンパーを用いたスピーカの出力音圧周波数特性図
来のダンパーを用いたスピーカの出力音圧周波数特性図
【図4】同実施例によるダンパーを用いたスピーカと従
来のダンパーを用いたスピーカの経時変化における最低
共振周波数f0変化を示す特性図
来のダンパーを用いたスピーカの経時変化における最低
共振周波数f0変化を示す特性図
【図5】従来のスピーカを示す半断面図
【図6】従来のダンパーを示す斜視図
13 木綿繊維の糸 14 フェノール繊維の糸 15 経糸 16 緯糸 17 ダンパー
Claims (2)
- 【請求項1】木綿繊維からなる複数の糸とフェノール系
繊維からなる糸を撚り線として経糸または緯糸とし、こ
れらを繊維状に織り込んだ織布を基材とし、フェノール
樹脂及びステアリン酸樹脂を含浸し所定の形状に成形し
たスピーカ用ダンパー。 - 【請求項2】経糸または緯糸の割合は、木綿繊維からな
る糸2または3に対して、フェノール系繊維からなる糸
が1または2である請求項1記載のスピーカ用ダンパ
ー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04128513A JP3111631B2 (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | スピーカ用ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04128513A JP3111631B2 (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | スピーカ用ダンパー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05328493A JPH05328493A (ja) | 1993-12-10 |
JP3111631B2 true JP3111631B2 (ja) | 2000-11-27 |
Family
ID=14986605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04128513A Expired - Fee Related JP3111631B2 (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | スピーカ用ダンパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3111631B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-21 JP JP04128513A patent/JP3111631B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05328493A (ja) | 1993-12-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |