JP3109338B2 - インク噴射装置及びその駆動方法。 - Google Patents

インク噴射装置及びその駆動方法。

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JP3109338B2
JP3109338B2 JP22416993A JP22416993A JP3109338B2 JP 3109338 B2 JP3109338 B2 JP 3109338B2 JP 22416993 A JP22416993 A JP 22416993A JP 22416993 A JP22416993 A JP 22416993A JP 3109338 B2 JP3109338 B2 JP 3109338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が上げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−252750
号公報に開示されているせん断モード型である。
【0005】図5に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置1は、圧電セラミックスプレート2とカ
バープレート10とノズルプレート14と基板41とか
ら構成されている。
【0006】その圧電セラミックスプレート2には、ダ
イヤモンドブレード等により切削加工された複数の溝3
が形成されている。また、その溝3の側面となる隔壁6
は矢印5の方向に分極されている。それらの溝3は同じ
深さであり、かつ平行である。また、それら溝3の深さ
は圧電セラミックスプレート2の一端面15に近づくに
つれて徐々に浅くなっており、一端面15付近には浅溝
7が形成されている。そして、溝3の内面には、その両
側面の上半分に金属電極8がスパッタリング等によって
形成されている。また、浅溝7の内面には、その側面及
び底面に金属電極9がスパッタリング等によって形成さ
れている。これにより、溝3の両側面に形成された金属
電極8は浅溝7に形成された金属電極9によって電気的
に接続されている。
【0007】次に、カバープレート10は、セラミック
ス材料または樹脂材料等から形成されている。また、カ
バープレート10には、研削または切削加工等によっ
て、インク導入口16及びマニホールド18が形成され
ている。そして、圧電セラミックスプレート2の溝3加
工側の面とカバープレート10のマニホールド18加工
側の面とがエポキシ系接着剤20(図7参照)によって
接着される。従って、インク噴射装置1には、溝3の上
面が覆われて横方向に同じ間隔を有する複数のインク流
路であるインク室4(図7参照)が構成される。図7に
示すように、そのインク室4は長方形断面の細長い形状
であり、全てのインク室4内には、インクが充填され
る。
【0008】図5に示すように、圧電セラミックスプレ
―ト2及びカバープレート10の端面に、各インク室4
の位置に対応した位置にノズル12が設けられたノズル
プレート14が接着される。このノズルプレート14
は、ポリアルキレン(例えばエチレン)、テレフタレー
ト、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、酢酸
セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0009】そして、圧電セラミックスプレート2の溝
3の加工側に対して反対側の面には、基板41が、エポ
キシ系接着剤等によって接着されている。その基板41
には各インク室4の位置に対応した位置に導電層のパタ
―ン42が形成されている。その導電層のパターン42
と浅溝7の底面の金属電極9とは、周知のワイヤボンデ
ィングによって導線43で接続されている。
【0010】次に、制御部のブロック図を示す図6によ
って、制御部の構成を説明する。基板41に形成された
導電層のパターン42は各々個々にLSIチップ51に
接続されている。また、クロックライン52、データラ
イン53、電圧ライン54及びアースライン55もLS
Iチップ51に接続されている。LSIチップ51は、
クロックライン52から供給される連続したクロックパ
ルスに基づいて、データライン53上に現れるデータに
応じて、どのノズル12からインク滴の噴射を行うべき
かを判断する。そして、駆動するインク室4内の金属電
極8に導通する導電層のパターン42に、電圧ライン5
4の電圧Vを印加する。また、駆動するインク室4以外
の金属電極8に導通する導電層のパターン42にはアー
スライン55の電圧0Vを印加する。
【0011】次に、図7を用いて、インク噴射装置1の
動作を説明する。駆動電圧が印加される前の各隔壁6の
状態を図7(a)に示す。LSIチップ51が、所要の
データに従って、例えばインク噴射装置1のインク室4
cからインクの噴出を行なうと判断する。すると、イン
ク室4cに、すなわち金属電極8dと8eとに正の駆動
電圧Vが印加され、金属電極8cと8fとが接地され
る。図7(b)に示すように、隔壁6bには矢印13b
の方向の駆動電界が発生し、隔壁6cには矢印13cの
方向の駆動電界が発生する。すると、駆動電界方向13
b及び13cは分極方向5とが直交しているため、隔壁
6b及び6cは、圧電厚みすべり効果により、この場
合、インク室4cの内部方向に急速に変形する。この変
形によってインク室4cの容積が減少してインク圧力が
急速に増大し、圧力波が発生して、インク室4cに連通
するノズル12(図5参照)からインク滴が噴射され
る。
【0012】また、駆動電圧Vの印加が停止されると、
隔壁6b及び6cが変形前の位置(図7(a)参照)に
戻るためインク室4c内のインク圧力が徐々に低下す
る。すると、図示しないインクタンクからインク供給口
16(図5)及びマニホールド18(図5)を通してイ
ンク室4c内にインクが供給される。
【0013】なお、インク噴射の効率を向上させるた
め、通常上記分極5の方向を図9の矢印71のように反
対方向にし、正の電圧を印加することによって、まず隔
壁6b及び6cをお互いに離れるように変形させて、そ
の後電圧の印加を停止することによって、隔壁6b及び
6cが変形前の位置に戻し、インク滴を噴射させる。
【0014】ここで、上記のような駆動方法を用いた場
合の各インク室4内におけるインク噴射時の圧力波の挙
動について、図8のタイミングチャートと図9のインク
噴射装置断面図を参照しながら具体的に説明する。
【0015】まず、図9(b)のインク室4cからイン
クを噴射するために、当該インク室4cに対し図8
(a)で示す噴射用電圧パルスCを与える(ここで、あ
るインク室4に対して電圧を与えることは、そのインク
室4に面する電極8に電圧を印加することを言う)。す
ると、最初の立ち上がりで隔壁6bと6cはお互いに離
れるように動く(図9(b)参照)。インク室4cの体
積が増えて、ノズル12付近を含むインク室4c内の圧
力が減少する(図8(b))。この状態を図8中のL/
aで示される間だけ維持する。すると、その間マニホー
ルド18(図5)からインクが供給される。
【0016】なお、上記L/aはインク室4内の圧力波
がインク室4の長手方向(マニホールド18からノズル
プレート14まで、またはその逆)に対して、片道伝播
するに必要な時間であり、インク室4の長さLとインク
中での音速aによって決まる。圧力波の伝播理論による
と、前記の立ち上げからちょうどL/aの時間を立つと
インク室4c内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、
このタイミングに合わせてインク室4cに印加されてい
る電圧を0Vに戻す(図8(a))。すると、隔壁6b
と6cは変形前の状態(図9(a))に戻り、インクに
圧力が加えられる。その時、前記正に転じた圧力と隔壁
6b、6cが変形前の状態に戻って、発生した圧力とが
たし合わされ、図8(b)に示すような比較的高い圧力
Pcがインク室4c内のインクに与えられて、インクが
ノズル12から噴出される。
【0017】上述した構成のインク噴射装置1を用いて
記憶媒体にイメージ情報を形成するにあたっては、その
構造上明らかに少なくとも隣接するインク室4から同時
にインクを噴射することはできない。そのため例えば特
開平2−150355号公報に記述されたようにインク
室4を奇数のものと偶数のものの2つのグループに分け
て交互に噴射させる方法を用いる。さらに前記特開がこ
のような方法を用いた場合各インク室4間の相互干渉い
わゆるクロストークが大きいときには、その改善方法と
してインク室をお互いまたがる3つ以上のグループ(例
えばグループが3つの場合は、図7においてインク室4
aと4dが、インク室4bと4eが、インク室4cと4
fがそれぞれ同一グループのメンバーである)に分けて
順次にローテーションして、各インク室4に駆動電圧を
印加して駆動することを提唱されている。
【0018】次に、上記インク室4を互いまたがる3つ
のグループに分けて順次にローテーションして駆動する
場合を、図10および図11を用いて説明する。グルー
プ分けでは、図11中インク室4a1、4a2はAグル
―プ、インク室4b1、4b2はBグループ、インク室
4c0、4c1、4c2はCグループとする。なお、図
11は、表記および説明を簡略化するため、インク室4
の数を限定して、電極、接着層などの記入は省略した。
【0019】図10は駆動電圧波形を示すタイミングチ
ャートであり、(a)、(b)、(c)および(d)に
波形は、それぞれインク室4a1、4b1、4c1およ
び4a2に印加する駆動電圧波形である。このような駆
動電圧波形を各インク室4に印加したときの各隔壁6の
変形を図11に示す。まず、インク室4a1および4a
2からインクを噴射するため、それぞれのインク室4a
1、4a2に電圧パルスVa1とVa2を同時に印加す
る。すると、各隔壁6が図11(b)のように変位し、
上記変位によってAグループのインク室4a1と4a2
に負の圧力が発生する。このような変位は時間t1から
t2の間、つまり上記L/a間だけ維持される。そうす
ると時間t2において、インク室4a1と4a2内に生
じた負の圧力波は圧力伝播理論によって逆転して正の圧
力に転じる。これに合わせて電圧パルスVa1とVa2
が立ち下がり、前記変形した各隔壁6が変形前の形(図
11(a))に戻る。
【0020】この動作によって、インク室4a1と4a
2の体積が減り、正の圧力が生じる。この正の圧力が前
記負から正に転じた圧力とが合成され、大きな正の圧力
となり、インク室4a1と4a2内のインクをノズルか
ら押し出す。
【0021】なお、印字パターンに応じて、インクの噴
射が行わないインク室に対しては、上記の電圧パルスを
与えなければ良い。また、グループB、Cの動作につい
てはグループAと全く同様に説明され、図11(c)に
Bグループに駆動電圧波形を印加したときの隔壁6の変
形状態を示す。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
駆動方法をそのまま用いたとき、3つのグループに分け
て駆動するにもかかわらず、印字パターンに対応したイ
ンクの噴射を行うために、全インク室4に印加する駆動
電圧は、全て独立して印加しなければならず、インク室
4の数と同数の駆動回路が必要であり、インク室4の数
と同数の導電層パターン42が必要である。
【0023】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、駆動回路ならびにパターンを大
幅に減らすことができるインク噴射装置及びその駆動方
法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
請求項1の駆動方法では、分極された圧電素子で少な
くとも一部が形成された隔壁と、前記隔壁で分離された
複数のインク室と、電圧が印加されて圧電素子の前記分
極方向と略直交する電界を発生するために前記隔壁に設
けられた電極とを有し、前記インク室の両電極に電圧を
印加して両隔壁を変形させてインクを噴射するインク噴
射装置の駆動方法において、前記複数のインク室を、
一及び第二グループのインク室の間に第三グループのイ
ンク室が位置するよう、少なくとも3つのグループに分
割し、前記第一グループもしくは前記第二グループのイ
ンク室からインクを噴射する際には、第一もしくは第二
グループの全インク室の電極に電圧を印加すると共に、
噴射すべきでない第一もしくは第二グループのインク室
に対しては、そのインク室に隣接する前記第三グループ
のインク室の電極に電圧を印加し、噴射すべき第一もし
くは第二グループのインク室に対しては、そのインク室
に隣接する第三グループのインク室の電極に電圧を印加
させないことにより、印字パターンに対応したインク室
からインクを噴射させ、前記第三グループのインク室か
らインクを噴射する際には、印字パターンに対応した第
三グループのインク室の電極に電圧を印加してインクを
噴射させることを特徴とする。
【0025】また、請求項2のインク噴射装置では、分
極された圧電素子で少なくとも一部が形成された隔壁
と、前記隔壁で分離された複数のインク室と、電圧が印
加されて圧電素子の前記分極方向と略直交する電界を発
生するために前記隔壁の両側に設けられた電極とを有
し、前記インク室の両電極に電圧を印加して両隔壁を変
形させてインクを噴射するインク噴射装置において、前
記複数のインク室を、第一及び第二グループのインク室
の間に第三グループのインク室が位置するよう、少なく
とも3つのグループに分割し、前記第一グループの各イ
ンク室の電極を共通導電層に接続するとともに、第二グ
ループの各インク室の電極を他の共通導電層に接続し、
前記第三グループの各インク室の電極を複数の独立導電
層にそれぞれ接続したことを特徴とする。
【作用】上記の特徴を有する駆動方法では、前記第一グ
ループもしくは前記第二グル―プのインク室からインク
を噴射する際には、第一もしくは第二グループの全イン
ク室の電極に電圧を印加すると共に、噴射すべきでない
第一もしくは第二グループのインク室に対しては、その
インク室に隣接する前記第三グループのインク室の電極
に電圧を印加して、噴射すべきでない第一もしくは第二
グループのインク室と第三グループのインク室とが共有
する隔壁の両側の電極の電位を同電位にすることによ
り、その隔壁を変形させなくし、噴射すべき第一もしく
は第二グループのインク室に対しては、そのインク室に
隣接する第三グループのインク室の電極に電圧を印加さ
せないことにより、噴射すべき第一もしくは第二グルー
プのインク室の両側の隔壁を変形させて印字パターンに
対応したインク室からインクを噴射させ、前記第三グル
ープのインク室からインクを噴射する際には、印字パタ
ーンに対応した第三グループのインク室の電極に電圧を
印加して、第三グループのインク室の両隔壁を変形させ
てインクを噴射させる。
【0026】そして、上記の駆動制御は、前記第一グル
ープの各インク室の電極を共通導電層に接続するととも
に、第二グループの各インク室の電極を他の共通導電層
に接続し、前記第三グループの各インク室の電極を複数
の独立導電層にそれぞれ接続することで、実現される。
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。尚、従来技術と同一の部分には同一
の符号を付し、その説明を省略する。また、インク噴射
装置の基本的な構造は図5に示す従来技術と同じである
が、外部との電気的接続をするために基板41上に形成
される導電層のパターン42及びワイヤボンディングの
接続方法が従来技術と異なる。また、分極の方向は図5
の矢印5と反対方向の矢印71(図9)方向である。な
お、本実施例の基本的な動作は前記従来技術のように、
インク室4を互いまたがるA、B、C3つのグループに
分けて順次にローテーションして駆動する方法に基づ
く。
【0027】図1は本実施例のヘッド基板上に形成され
る導電層のパターンおよびワイヤボンディングの接続方
法を示す図である。基板49には2本の共通導電層4
5、47と複数の独立導電層46がパターニングされて
いる。各インク室4の両側の隔壁6の電極8に導通する
電極9と前記導電層45、46、47との接続には導線
43を用いるが、接続は図示の如く、共通導電層45、
独立導電層46の一本、共通導電層47に、という様に
順番に施される。つまり、Aグループのインク室4は全
て共通導電層45に、Cグループのインク室4は全て共
通導電層47に、また、Bグループのインク室4はそれ
ぞれ独立して、独立導電層46に接続される。
【0028】本実施例の駆動電圧波形および駆動電圧波
形を印加した場合の噴射装置の動作図2および図3を用
いて説明する。
【0029】図2は本実施例の噴射装置に印加する駆動
電圧のタイミングチャートを示す。図2(a)の電圧波
形Laは、Aグループのインク室4に導通する共通導電
層45に印加されるものであり、Aグループの全てのイ
ンク室4は印字パターンによらず、この電圧波形Laが
印加される。同様に、図2(c)の電圧波形Lcは、C
グループのインク室4に導通する共通導電層47に印加
されるものであり、Cグループの全てのインク室4は印
字パターンによらず、この電圧波形Lcが印加される。
そして、図2(b)の電圧波形Lb1はBグループのイ
ンク室4に導通する独立導電層46の一つに印加される
ものであり、Bグループの個々のインク室4に対して、
それぞれ独立した電圧波形が用いられ、印字パターンに
基づいて電圧パルスが印加される。なお、ここでは電圧
波形Lb1がBグループのインク室4b1(図3)に印
加されるものとする。
【0030】図3は、図2の各駆動電圧波形を各グルー
プのインク室4に印加したときの各インク室4の隔壁6
の動きを示す。ここで、インクを噴射する動作を図2の
タイミングチャートに沿って、時間的に追って説明す
る。
【0031】最初に、どのインク室4にも駆動パルスが
印加されていないときの各隔壁6の状態を図3(a)に
示す。そして、第一タイミングで電圧波形Laの駆動パ
ルスVaが共通導電層45を介してAグループの全ての
インク室4に印加され、各隔壁6の状態が図3(b)に
示すようになり、インク室4a1の両隔壁6c0と6a
1及びインク室4a2の両隔壁6c1と6a2が互い離
れるように変形し、このパルスVaが終了した時点で、
上記変形した隔壁6c0、6a1、6c1、6a2が変
形前(図3(a))の状態に戻り、インク室4a1及び
インク室4a2からインクが噴射される。その後、第二
タイミングで電圧波形Lb1の駆動パルスVb1が独立
導電層46を介してインク室4b1に印加され、インク
室4b1から上記インク室4a1、4a2で説明したの
と同様にインクが噴射される。第三タイミングで電圧波
形Lcの駆動パルスVcが共通導電層47を介してイン
ク室4c1に印加され、上記と同様にインクが噴射され
る。
【0032】上記では、A、B、C各グループのインク
室4から常に順番にインクの噴射を行わせる例を説明し
たが、次は印字パターンに基づいて、特定のインク室4
のみからインクを噴射させる駆動方法について説明す
る。
【0033】本実施例では、Aグループ及びCグループ
の全てのインク室4が、それぞれ共通導電層45及び4
7に接続されているため、この2グループにつていて
は、特定のインク室4に駆動パルスを与えないようにす
ることはできない。このため、例えば図3のインク室4
a1からのインク噴射を行わないときでも、第一タイミ
ングで電圧波形Laの駆動パルスVaが共通導電層45
を介してインク室4a1に印加されてしまう。ここで本
実施例では、インク室4a1からインクを噴射させない
ために、駆動パルスVaと同一な第一タイミングでイン
ク室4b1に対し制動パルスVbaを独立導電層46を
介して印加する。この制動パルスVbaが印加されるこ
とによって隔壁6a1の両側の電位差が0に保たれ、図
3(c)に示すように隔壁6a1が変形しない。
【0034】したがって、インク室4a1内に生じた圧
力は隔壁6c0によるもののみで、インク室4a1内の
圧力が通常インク噴射時の圧力の半分しかなく、インク
は噴射されない。同様な原理によって第三タイミングで
制動パルスVbcを用いて、隔壁6b1の変形を制御
し、インク室4c1からのインク噴射が制御できる。な
お、Bグループのインク室4b1のインク噴射は、駆動
パルスVb1を印加するか否かによって従来と同様に制
御できる。Bグループの各インク室4はそれぞれ独立導
電層46に接続されているので、個々のインク室4に対
して独立した電圧波形Lbが印加できる。よって、本実
施例のインク噴射装置1において、全てのインク室4か
らのインク噴射が制御できる。
【0035】以上説明したように、本実施例のインク噴
射装置の駆動方法によれば、Aグループ及びCグループ
の全インク室4には第一タイミング及び第三タイミング
で駆動パルスVa及びVcが印加され、Bグループのイ
ンク室4には、Aグループ及びCグループのインク室4
から噴射を制御する制動パルスVba、VbcとBグル
―プのインク室4から噴射させる駆動パルスVb1が印
加されるので、Aグループ及びCグループのインク室4
は共通導電層45及び47に電気的に接続され、Bグル
―プのインク室4はそれぞれ独立導電層46に接続され
る。このため、Bグループのインク室4に駆動パルス及
び制動パルスを印加するための駆動回路はBグループの
インク室4の数だけ必要であるが、Aグループ及びCグ
ループの全インク室4に駆動パルスを印加するための駆
動回路は、Aグループに一個、Cグループに一個でよ
い。
【0036】従って、任意な印字パターンを印字するた
めの独立した制御信号の数が、インク噴射装置1の全イ
ンク室4の数の1/3+2しか必要とされず、独立した
駆動回路の数を従来技術の1/3+2に減少することが
でき、駆動回路の小型化、低コスト化ができる。また、
駆動回路とインク噴射装置1の電気的接点数も従来技術
の1/3+2に減少することができ、電気的な接続不良
や短絡などのトラブルの発生回数が減少し、信頼性が向
上される。さらに、噴射装置の基板49上に形成される
導電層の数を従来技術の1/3+2に減少させることが
でき、導電層パターンの形成工程において、加工コスト
の低減をはかることができる。
【0037】このように、駆動回路が減少すると、特
に、インク室を用紙幅に一列に並べたラインヘッドの場
合、インク室が数千個設けられるので、本実施例のイン
ク噴射装置の駆動方法は非常に効果的である。
【0038】上記の実施例ではインクを噴射させる駆動
パルスに単純な矩形パルスを用いたが、単純な矩形パル
ス以外の駆動パルスを用いても差し支えない。本実施例
の別の実施例として、例えば図4に示す正と負の両方に
振るような駆動パルスを用いても良い。この場合、駆動
パルスと制動パルスが同様な波形で、タイミングがあっ
ていれば、制動される隔壁6は変形しない。したがっ
て、前記実施例と同様にインクの噴射が制御できる。
【0039】また、前記制動パルスの形状が必ずしも駆
動パルスと同様なものである必要はない。この場合前記
制動される隔壁6が必ずしも完全に変形しないようには
ならないが、制動パルスが印加されるときにインクが噴
射しないのであれば、制動パルスの形状は問わない。
【0040】また、前記制動パルスの印加タイミングが
必ずしも駆動パルスと一致する必要はない。この場合前
記制動される隔壁6が必ずしも完全に変形しないように
はならないが、制動パルスが印加されるときにインクが
噴射しないのであれば、制動パルス印加タイミングは問
わない。
【0041】また、前記制動パルスの形状と前記制動パ
ルスの印加タイミングの最も適切な組み合わせによって
設定される制動パルスを用いることによって、インクの
噴射に対する制御が最適化することができる。
【0042】また、本実施例では、インク室4を3つの
グループに分けていたが、3つ以上のグループに分けて
もよい。例えば、A、B、C、Dの4つのグループの場
合は、A及びCグループを共通導電層に接続し、B及び
Dグループを独立導電層に接続して駆動させる。また、
A、B、C、D、Eの5つのグループの場合は、A、
C、Dグループを共通導電層に接続し、B及びEグルー
プを独立導電層に接続して駆動させる。
【0043】
【発明の効果】本発明のインク噴射装置及びその駆動方
法によれば、任意な印字パターンを印字するための独立
した制御信号の数が、全インク室の数より少なく、独立
した駆動回路の数を従来技術より減少させることがで
き、駆動回路の小型化、低コスト化ができる。また、駆
動回路と噴射装置の電気的接点数も従来技術より減少さ
せることができ、電気的な接続不良や短絡などのトラブ
ルの発生回数を減少させ、信頼性を向上させることがで
きる。さらに、噴射装置の基板上に形成される導電層の
数を従来技術より減少させることができ、導電層パター
ンの形成工程において、加工コストの低減をはかること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置の電気的接
続を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例のインク噴射装置に印加する
電圧波形を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の一実施例のインク噴射装置の動作を示
す説明図である。
【図4】本発明の別の実施例のインク噴射装置に印加す
る電圧波形を示すタイミングチャートである。
【図5】従来技術のせん断モード型インク噴射装置を示
す斜視図である。
【図6】従来技術の制御部を示す説明図である。
【図7】従来技術のせん断モード型インク噴射装置の動
作を示す説明図である。
【図8】従来技術のインク噴射装置の他の電圧波形を示
すタイミングチャートである。
【図9】従来技術のインク噴射装置の他の動作を示す説
明図である。
【図10】従来技術のインク噴射装置のインク室を3つ
のグループに分けたときの電圧波形を示すタイミングチ
ャートである。動作を示す説明図である。
【図11】従来技術のインク噴射装置のインク室を3つ
のグループに分けたときの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インク噴射装置 2 圧電セラミックスプレート 4 インク室 6 隔壁 8 電極 9 電極 45 共通導電層 46 独立導電層 47 共通導電層 71 分極方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極された圧電素子で少なくとも一部
    が形成された隔壁と、前記隔壁で分離された複数のイン
    ク室と、電圧が印加されて圧電素子の前記分極方向と略
    直交する電界を発生するために前記隔壁の両側に設けら
    れた電極とを有し、前記インク室の両電極に電圧を印加
    して両隔壁を変形させてインクを噴射するインク噴射装
    置の駆動方法において、 前記複数のインク室を、第一及び第二グループのインク
    室の間に第三グループのインク室が位置するよう、少な
    くとも3つのグループに分割し、 前記第一グループもしくは前記第二グループのインク室
    からインクを噴射する際には、第一もしくは第二グルー
    プの全インク室の電極に電圧を印加すると共に、噴射す
    べきでない第一もしくは第二グループのインク室に対し
    ては、そのインク室に隣接する前記第三グループのイン
    ク室の電極に電圧を印加し、噴射すべき第一もしくは第
    二グループのインク室に対しては、そのインク室に隣接
    する第三グループのインク室の電極に電圧を印加させな
    いことにより、印字パターンに対応したインク室からイ
    ンクを噴射させ、 前記第三グループのインク室からインクを噴射する際に
    は、印字パターンに対応した第三グループのインク室の
    電極に電圧を印加してインクを噴射させることを特徴と
    するインク噴射装置の駆動方法。
  2. 【請求項2】 分極された圧電素子で少なくとも一部
    が形成された隔壁と、前記隔壁で分離された複数のイン
    ク室と、電圧が印加されて圧電素子の前記分極方向と略
    直交する電界を発生するために前記隔壁の両側に設けら
    れた電極とを有し、前記インク室の両電極に電圧を印加
    して両隔壁を変形させてインクを噴射するインク噴射装
    置において、 前記複数のインク室を、第一及び第二グループのインク
    室の間に第三グループのインク室が位置するよう、少な
    くとも3つのグループに分割し、 前記第一グループの各インク室の電極を共通導電層に接
    続するとともに、第二グループの各インク室の電極を他
    の共通導電層に接続し、前記第三グループの各 インク室
    の電極を複数の独立導電層にそれぞれ接続したことを特
    徴とするインク噴射装置。
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