JP3109231B2 - 正帯電性静電荷像現像用トナー - Google Patents

正帯電性静電荷像現像用トナー

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JP3109231B2
JP3109231B2 JP04092465A JP9246592A JP3109231B2 JP 3109231 B2 JP3109231 B2 JP 3109231B2 JP 04092465 A JP04092465 A JP 04092465A JP 9246592 A JP9246592 A JP 9246592A JP 3109231 B2 JP3109231 B2 JP 3109231B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法等において、光導電性感光体表面に形成
される静電荷像を現像する際に使用し得るトナーに関
し、より詳しくは、クリーニング性に優れると共に高解
像度画像の形成に適した正帯電性静電荷像現像用トナー
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光導電性感光体表面に形成された
静電荷像を現像する際に用いられるトナーの製造方法と
しては、例えば、特公昭63−45101号公報、特開
昭64−50060号公報等で提案されている方法、す
なわち、結着樹脂を構成する重合性モノマー、着色剤、
必要に応じて加えられるその他のトナー特性付与剤(電
荷制御剤、磁性粉体およびその他添加剤等)からなるモ
ノマー混合物を、水分散媒中で懸濁重合して直接トナー
粒子として取り出す方法が知られている。
【0003】上記懸濁重合法は、高解像度でかつ鮮明な
複写画像を得るのに必要とされる微粒子トナーがきわめ
て容易かつ経済的に製造できる点で優れているが、該懸
濁重合法によって得られるトナー(以下、「懸濁重合ト
ナー」という)は、エージング中やランニング中に感光
体表面へのトナー付着、いわゆるクリーニング不良が生
じることが知られており、特にこの現象は該懸濁重合に
よるトナーが正帯電性トナーである場合に顕著となる。
【0004】トナーに対するクリーニング不良の改善方
法としては、例えば、特公昭48−8141号公報で提
案されているポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビ
ニリデン等の表面エネルギーの低い重合体を添加する方
法、特公昭51−1130号公報で提案されている摩擦
帯電列が硫黄より小さい塗着性のない重合体を添加する
方法、特開昭50−120631号公報で提案されてる
摩擦帯電列が硫黄より小さい塗着性のない重合体とコロ
イド状シリカ等の研磨剤を添加する方法、あるいは、特
開昭52−84741号公報で提案されているポリスチ
レン粒子を添加する方法等が知られているが、これら方
法によるクリーニング性の改善効果は、トナーの一般的
な製造法である溶融混練・粉砕法によって得られるトナ
ーに対しては顕著に認められるものの、懸濁重合による
トナーに対してはその効果があまり見られず、また、上
記各方法における添加剤は、トナー粒子の摩擦帯電能の
低下に与える影響が大きく、カブリの増加につながり、
特にこの現象は高温高湿時に顕著となる等の問題点があ
る。
【0005】一方、懸濁重合トナーにおけるクリーニン
グ性不良の改善方法として、無乳化剤乳化重合法によっ
て得られる重合体粒子を添加する方法が提案されている
(特公平2−3172号公報)が、一般に無乳化剤乳化
重合によって得られる重合体粒子は粒子径が500nm
前後と比較的大きく、帯電性も弱いため、高解像度画像
を得るのに好ましいとされている粒子径15μm以下の
トナーと組み合わせて用いた場合、ランニング中に該重
合体粒子がトナー粒子の表面から脱落してキャリアや感
光体表面に付着し、いわゆるPCカブリという現象が生
じ、画像特性を著しく低下させるという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き現状に鑑み、懸濁重合法によって得られるトナーにお
ける上記のごとき問題点の解消を目的になされたもの
で、PCカブリおよびクリーニング不良といった欠点が
なく、高解像度でかつ高品質の複写画像を形成し得る正
帯電性静電荷像現像用トナーを提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によって提供され
る正帯電性静電荷像現像用トナー(以下、「本発明トナ
ー」という)は、結着樹脂成分としてのメチルメタクリ
レートを必須成分とするアクリル系モノマーとスチレン
とからなるモノマー成分、着色剤及び正帯電性電荷制御
剤を少なくとも含有するモノマー混合物を懸濁重合して
得られる着色樹脂粒子と、アニオン性界面活性剤の存在
下にメチルメタクリレートを乳化重合して得られる負帯
電性重合体微粒子(以下、「乳化重合体微粒子」とい
う)の混合物からなることを特徴とするものである。
【0008】上記構成からなる本発明トナーが、正帯電
性の懸濁重合トナーであるにもかかわらず、PCカブリ
が発生せずかつクリーニング性にも優れる理由について
は必ずしも明らかではないが、およそ次のようであろう
と推定される。
【0009】すなわち、正帯電性トナーにおいては、オ
ゾン発生の点からその帯電量が+10μc/g程度とな
るように設定されるのが一般的であるが、懸濁重合トナ
ーでは電荷制御剤の混合が不均一となり易く、帯電量の
分布が広くなるため、該懸濁重合トナーの帯電量を+1
0μc/g程度に設定すると、逆帯電および低帯電のト
ナー粒子が多く共存することとなる。この逆帯電および
低帯電トナー粒子はキャリアとの接触力が弱く、現像剤
ボックスでの攪拌中にトナー粒子がキャリアから脱離す
るいわゆるトナー飛散の現象を生じ、この飛散粒子が感
光体表面に付着してPCカブリの一因となるものと推定
される。
【0010】したがって、本発明トナーにおいては、着
色樹脂粒子の結着樹脂として、帯電序列において正帯電
特性の強いメチルメタクリレートモノマーを必須成分と
するモノマー成分によって構成し、該結着樹脂自体にあ
る程度の帯電特性が得られるようにして逆帯電ないし低
帯電性の着色樹脂粒子の発生を抑制するようにし、さら
に、かくして得られた着色樹脂粒子に、該着色樹脂粒子
とは反対電荷の負帯電性を示す乳化重合体微粒子を外部
添加剤として加え、該着色樹脂粒子および乳化重合体微
粒子の相互作用によって上記本発明の目的を達成し得た
ものである。
【0011】以下、本発明トナーを構成する成分および
その製造方法等について説明する。
【0012】モノマー成分;本発明において用いられる
モノマー成分は、重合によって着色樹脂粒子の結着樹脂
を構成する成分であり、メチルメタクリレートを必須成
分とするアクリル系モノマーとスチレンとの組み合わせ
からなるもので、スチレンと共に用いられるアクリル系
モノマーはその全部または一部がメチルメタクリレート
であることが必須である。アクリル系モノマーにおける
メチルメタクリレート以外のアクリル系モノマーの具体
例としては、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル類およびメチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート等のアクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0013】上記スチレンとアクリル系モノマーとから
なるモノマー成分にいて、メチルメタクリレートモノマ
ーは、モノマー成分中に10〜40重量%の範囲で含有
するのが好ましく、20〜30重量%の範囲で含有する
のが特に好ましい。メチルメタクリレートモノマーの含
有率が10重量%未満では逆帯電性ないし低帯電性の着
色樹脂粒子の発生を抑制する効果に乏しく、40重量%
を超えると熱ローラ定着用トナーとして用いた場合、溶
融粘度が増大して定着性に劣るようになる。
【0014】また、上記モノマー成分には、その一部と
して架橋性モノマーを少割合(好ましくはモノマー成分
中に3重量%以下)混合して用いることができ、かかる
架橋剤の併用は、重合によって形成される結着樹脂中に
部分的な三次元架橋構造が形成され、これによって得ら
れるトナーの非オフセット性を向上させることができ
る。用いることのできる架橋剤としては、1分子中に少
なくとも2個の共重合性不飽和基を有する化合物、例え
ばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート等のモノ、ジまたはポリア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレートのような多
価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類、ジビニル
ベンゼン等が挙げられる。
【0015】着色剤;本発明において用いられる着色剤
としては特に制限されるものではなく、電子写真業界で
慣用されているものの中から適宜選択して用いることが
できる。その一例としては、カーボンブラック、表面処
理を施したグラフト化カーボンブラック、カルコオイル
ブルー(C.I. No.azoee Blue 3)、デュポンオイルレッ
ド(C.I. No.26105)、マラカイトグリーンオクサレー
ト(C.I. No.42000)、キノリンイエロー(C.I. No.470
05)、ローズベンガル(C.I. No.45435)、ニグロシン
染料(C.I. No.504158)、フタロシアニンブルー(C.I.
No.74160)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.7710
3)、ランプブラック(C.I. No.77266)等およびこれら
の混合物を挙げることができ、これら着色剤は十分な濃
度の可視象が形成されるに必要な割合で配合され、一般
的には、結着剤樹脂を構成するモノマー成分100重量
部当たり1〜20重量部程度、好ましくは2〜7重量部
の範囲で使用される。
【0016】正帯電性電荷制御剤;本発明において用い
られる正帯電性電荷制御剤は、得られる着色樹脂粒子に
正帯電特性を付与するための成分であり、その具体例と
しては、ニグロシン染料のような電子供与性染料、アル
コキシ化アミン、アルキルアミド、第4級アンモニウム
塩化合物およびそのポリマー、リンもしくはタングステ
ンの単体ないしその化合物、モリブデン酸キレート顔
料、ふっそ系界面活性剤、疎水性シリカ等の正帯電性を
示す電荷制御剤を挙げることができる。
【0017】上記正帯電性電荷制御剤は、得られる着色
樹脂粒子が+5〜+25μc/gの帯電量となるような
配合量で用いられ、一般的には重合性ビニルモノマー1
00重量部に対し0.01〜3.0重量部の範囲、特に
0.03〜1.0重量部の範囲で用いるのが好ましい。帯
電量が+5μc/g未満では着色樹脂粒子の必須成分と
してメチルメタクリレートを用いてもクリーニング性が
不良となるという欠点を生じ、帯電量が+25μc/g
を超えると負帯電性の乳化重合体微粒子を添加しても帯
電量が高く十分な画像濃度を得ることが難しいという欠
点が生じる。
【0018】その他のトナー特性付与剤;本発明におい
ては、上記モノマー成分、着色剤および正帯電性電荷制
御剤の他に、得られるトナーの特性改善の目的で、電子
写真業界で慣用されている種々のトナー特性付与剤を必
要に応じて適宜加えることができる。一例としては、ト
ナーの耐オフセット性を向上させる目的で離型性を有す
る物質(例えば、高級脂肪酸類もしくはその金属塩類、
天然ワックス類、ポリオレフィン等の合成ワックス類、
高級脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物類、ア
ルキレンビス脂肪酸アミド類、フッソ樹脂、シリコン樹
脂等)を、モノマー成分100重量部当たり1〜10重
量部の範囲で用いることができる。
【0019】また、本発明トナーを一成分系トナーとし
て用いる場合には、磁性粉が用いられ、その具体例とし
てはマグネタイト、フェライトを始めとする鉄、コバル
ト、ニッケル等の強磁性を示す金属もしくは合金または
これら元素を含む化合物、あるいは強磁性元素を含まな
いが適当な熱処理を行なうことによって強磁性を示すよ
うになる合金、例えば、マンガン−銅−アルミニウム、
マンガン−銅−錫等のマンガンと銅を含むホイスラー合
金、二酸化クロム等を挙げることができ、これら磁性粉
の平均粒子径は0.1〜1μmの範囲であるのが好まし
く、またその配合量としては、前記モノマー成分100
重量部当たり一般的には20〜70重量部、好ましくは
40〜70重量部の範囲とすることができる。
【0020】着色樹脂粒子の製造;本発明における着色
樹脂粒子を製造するための方法に特別な制限がなく、従
来公知の懸濁重合処方が採用できる。具体的には、上記
モノマー成分、着色剤、正帯電性電荷制御剤、必要に応
じて加えられるその他のトナー特性付与剤および上記モ
ノマー成分を重合せしめるための適宜な重合開始剤の所
望量を、ホモミキサーないしホモジナイザー等の高速攪
拌装置で充分に混合してモノマー混合物とし、このモノ
マー混合物を適宜な分散剤を含有する水系分散媒中に攪
拌下に懸濁せしめ、常法に従って懸濁重合し、重合反応
終了後に適宜の後処理、例えば、生成した重合体粒子表
面に残留する分散剤を除去した後、ろ過、デカンテーシ
ョン、遠心分離等の適宜な方法で重合体粒子を回収し、
乾燥することによって球状の着色樹脂粒子として取り出
すことができる。
【0021】上記懸濁重合を行なう際に用いることので
きる分散剤としては、特に限定するものではないが、分
散剤が生成する着色樹脂粒子表面に残留した場合、高温
高湿時のトナー特性に悪影響を及ぼすことがあるので、
重合反応終了後の後処理工程で除去の容易な難水溶性無
機質微粉体、具体的には第3燐酸カルシウム、燐酸マグ
ネシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイト等の微粉体を用いるの
が好ましい。
【0022】また、懸濁重合に際して用いることのでき
る重合開始剤としては、2,2'−アゾビス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1'−アゾビス−(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始
剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物
系重合開始剤が挙げられ、これら開始剤は、それぞれ単
独で用いることができるが、得られるトナーに所望の特
性を付与するために2種またはそれ以上を混合して用い
ることができる。
【0023】上記懸濁重合によって得られる着色樹脂粒
子の粒子径は、平均粒子径が3〜15μmであるのが好
ましく、特に5〜12μmであるのが好ましい。かかる
粒子径範囲の樹脂粒子を得るには、懸濁重合処方におけ
る重合条件、例えば、重合時の攪拌形態、攪拌速度もし
くは分散剤の量等を適宜に調節することによって容易に
得ることができる。なお、以上のようにして得られる着
色樹脂粒子は、比較的粒度分布が揃っているので、その
ままでも本発明トナーに使用し得るが、場合によっては
粒度をさらに揃えるために、分級工程を常法にしたがっ
て行なってもよい。
【0024】乳化重合体微粒子;本発明トナーに用いら
れる乳化重合体微粒子は、ノンコートフェライトキャリ
アもしくはノンコート鉄粉キャリア等、電子写真用途で
慣用されている種々のキャリアで摩擦帯電されたとき、
負帯電性を示す粒子であることが重要で、かかる負帯電
性重合体微粒子を上記着色樹脂粒子に混合して用いる
と、着色樹脂粒子の帯電量が適度にコントロールされ、
画像濃度の高い高品質の複写画像が形成される。また、
この乳化重合体微粒子は、反対電荷によって着色樹脂粒
子表面に強固に付着して一種の複合化粒子を形成するの
で、懸濁重合トナーが球状であることによって生じるク
リーニング性不良という欠点の改善にも有効であり、さ
らに大量コピー中に乳化重合体微粒子が着色樹脂粒子表
面から脱落することがなく、PCカブリといった欠点も
解消できる。
【0025】従って、本発明における乳化重合体微粒子
は、該粒子の重合体を構成するモノマーとしてメチルメ
タクリレートモノマーを用いること、該モノマーをアニ
オン性界面活性剤を乳化剤として含有する水性媒体中で
乳化重合して製造することを必須要件とするものであ
る。
【0026】なお、上記乳化重合体微粒子におけるメチ
ルメタクリレートモノマーには、その一部として、該メ
チルメタクリレートと共重合可能な他のビニルモノマ
ー、例えばスチレン、o−、m−またはp−ビニルトル
エン等のスチレン類およびその誘導体類、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート等のメタクリル酸エステル類およびメチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸
エステル類等を、得られる乳化重合体微粒子の負帯電性
を損なわない範囲で用いることもできる。
【0027】また、乳化重合に際して用いられる乳化剤
がアニオン性界面活性剤であることが、本発明において
は特に重要であり、該乳化剤がアニオン性界面活性剤で
ない場合、得られる乳化重合体微粒子は負帯電性を示さ
ず、したがって上記着色樹脂粒子と組み合わせて用いた
場合、ランニング中に乳化重合体微粒子が着色樹脂粒子
表面から脱落し、キャリヤ表面に付着したり感光体表面
に付着したりするという欠点が生じるようになる。ま
た、該乳化剤は、メチルメタクリレートモノマー100
重量部に対して0.05〜2重量部の配合量で用いるの
が好ましく、配合量が0.05重量部未満であると機械
安定性が不良となり、凝集粒が多くなる欠点があり、2
重量部を超えると得られる乳化重合体微粒子の吸湿性が
増大し、かかる粒子を着色樹脂粒子に添加した場合、最
終的に得られる本発明トナーの高温高湿特性を低下させ
るという欠点が生じるようになる。
【0028】上記乳化重合体粒子の粒子径は、50〜3
50nmであるのが好ましく、平均粒子径が50nm未
満では乳化重合体微粒子相互の粉体凝集力の方が強くな
り、着色樹脂粒子と均一に混合され難くなり、350n
mを超えると着色樹脂粒子に対する付着力が弱くなり、
ランニング中に乳化重合体微粒子が着色樹脂粒子表面か
ら脱落し易く、この脱落粒子がキャリアや感光体表面に
付着して画像特性を低下させるようになる。
【0029】トナーの製造;本発明トナーは、上記着色
樹脂粒子と上記乳化重合体微粒子とを、該着色樹脂粒子
100重量部に対して乳化重合体微粒子を、好ましくは
0.05〜0.5重量部の範囲で、特に好ましくは0.1
〜0.3重量部の混合比で、ヘンシルミキサー等を用い
たドライブレンド処方により均一に混合することによっ
て得られる。乳化重合体微粒子の混合量が0.05重量
部未満では帯電量の調整が不十分でクリーニング性の改
善効果が充分に発現されず、0.5重量部を超えると着
色樹脂粒子の帯電量を著しく低下させる他、該乳化重合
体微粒子が着色樹脂粒子表面から脱落し易くなり、得ら
れるトナーの帯電特性を低下させるようになる。
【0030】
【実施例】本発明を、以下の実施例に基づいてさらに詳
細に説明する。なお、以下の実施例中の各成分の配合量
は、特にことわりのない限り重量部で示した。
【0031】〔着色樹脂粒子の製造例−1〕メチルメタ
クリレート27g、スチレン55gおよびブチルアクリ
レート18gの組成からなるモノマー成分、架橋剤
(1,3-ブチレングリコールジメタクリレート)1.2
g、正電荷制御剤(オリエント化学社製、ニグロシンベ
ース EX)0.1g、カーボンブラック(三菱化成社
製、カーボンブラックMA-40)5gおよび重合開始
剤(2,2'-アゾビスイソブチロニトリル)6gを、約
10,000rpmで10分間攪拌混合してモノマー混
合物を調製した。
【0032】別にイオン交換水900g中に第3燐酸カ
ルシウム20gおよびアルキルナフタレンスルホン酸ソ
ーダ0.15gを加えて分散媒体を準備し、この分散媒
体中に上記で調製したモノマー混合物を加え、デイスパ
ー型分散機を用い3,000rpmの攪拌下、90℃で
1時間懸濁重合してモノマー混合物の重合を完了させ、
重合反応終了後の反応生成物を冷却し、脱水→水洗→脱
水→乾燥の各工程を経て着色樹脂粒子(A)を得た。得ら
れた着色樹脂粒子は球状で、平均粒子径は9.2μmで
あった。また東芝ケミカル社製ブローオフ測定機を用い
て測定した帯電量は+9.4μc/gであった。
【0033】〔着色樹脂粒子の製造例−2〕上記着色樹
脂粒子の製造例−1におけるモノマー成分の組成を、メ
チルメタクリレート8g、スチレン74gおよびブチル
アクリレート18gとした以外は全く同様にして着色樹
脂粒子(B)を製造した。
【0034】〔着色樹脂粒子の製造例−3〕上記着色樹
脂粒子の製造例−1におけるモノマー成分の組成を、メ
チルメタクリレート35g、スチレン47gおよびブチ
ルアクリレート18gとした以外は全く同様にして着色
樹脂粒子(C)を製造した。
【0035】〔着色樹脂粒子の製造例−4〕上記着色樹
脂粒子の製造例−1におけるモノマー成分の組成を、ス
チレン82gおよびブチルアクリレート18gとし、正
電荷制御剤のニグロシンベース EXを0.2gとした以
外は全く同様にして着色樹脂粒子(D)を製造した。
【0036】〔着色樹脂粒子の製造例−5〕上記着色樹
脂粒子の製造例−1におけるモノマー成分の組成を、ス
チレン59g、ブチルアクリレート13gおよびエチル
メクリレート28gとし、正電荷制御剤のニグロシンベ
ース EXを0.2gとした以外は全く同様にして着色樹
脂粒子(E)を製造した。
【0037】〔乳化重合体微粒子の製造例−1〕過硫酸
カリウム0.5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.3gを、イオン交換水400gに溶解させてなる分
散媒体中に、メチルメタクリレート100gを加え、3
00rpmの攪拌下、75℃で1時間乳化重合してモノ
マーの重合を完了させた。重合反応終了後の反応生成物
を冷却しした後、スプレードライヤーにて乾燥して乳化
重合体微粒子(a)を得た。得られた重合体微粒子は、平
均粒子径約100nmの一次粒子の凝集した20〜30
μmの粉体であり、またその帯電量は、−180μc/
gであった。
【0038】〔乳化重合体微粒子の製造例−2〕上記乳
化重合微粒子の製造例−1の処方におけるアニオン性界
面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを除いた
以外は全く同様にして乳化重合体微粒子(b)を製造し
た。得られた乳化重合体微粒子の平均粒子径は500n
mであり、その帯電量は+12μc/gであった。
【0039】〔乳化重合体微粒子の製造例−3〕上記乳
化重合微粒子の製造例−1の処方中、過硫酸カリウムに
代えて和光純薬社製「V−50」0.3gを用い、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダに代えてカチオン系界面
活性剤(日本乳化剤社製、R−5)0.4gを用いた以
外は全く同様にして重合体微粒子(c)を製造した。得ら
れた重合体微粒子の平均粒子径は150nmであり、そ
の帯電量は+218μc/gであった。
【0040】実施例1、2、および、比較例1 上記で得られた着色樹脂粒子(A)と乳化重合体微粒子
(a)をヘンシルミキサーにてドライブレンドしてトナー
を得、得られたトナーの性能を下記評価方法で評価し、
評価結果を下記に示した。
【0041】評価方法 (1) 帯電量(μc/g);東芝ケミカル社、ブローオ
フ測定機を用いて測定する。 (2) クリーニング性;市販の静電複写機(シャープ社
製、SF−8570)を用いてランニングテストを行な
い、複写10000枚目について、複写画像の画像特性
および感光体表面へのトナーの付着状態を観察してクリ
ーニング性を評価する。
【0042】評価結果 例番号 混合比(A)/(a) 帯電量 ク リ ー ニ ン グ 性 実施例1 100部/0.2部 + 8.4 感光体表面へのトナーの付着がなく良好 実施例2 100部/0.5部 + 6.4 感光体表面に白色重合体微粒子わずかに 付着 比較例1 100部/0部 +10.6 画像濃度低い
【0043】実施例3、4、および、比較例2〜5 上記各製造例で得られた着色樹脂粒子と乳化重合体微粒
子を用い、着色樹脂粒子100部に対し乳化重合体微粒
子0.2部の混合比でそれぞれの粒子を組み合わせ、上
記実施例同様に混合してトナーを製造し、トナー特性を
評価した。評価結果は下記の通りであった。
【0044】評価結果 例番号 粒子の組合せ 帯電量 ク リ ー ニ ン グ 性 実施例3 (B)/(a) + 8.5 感光体表面にトナーがわずか付着する が画像特性は良好 実施例4 (C)/(a) +10.8 クリーニング性良好、定着性わずかに 低下 比較例2 (D)/(a) + 9.8 エージング中にPCカブリ発生 比較例3 (E)/(a) + 9.2 クリーニング不良 比較例4 (A)/(b) + 9.5 感光体表面に白色重合体微粒子付着 比較例5 (A)/(c) +21.4 画像濃度低い
【0045】
【発明の効果】本発明の正電荷像現像用トナーは、上記
特定のモノマー混合物を懸濁重合して得られる正帯電性
の着色樹脂粒子と、該着色樹脂粒子とは反対電荷の負帯
電性を示す乳化重合体微粒子とから構成されいるので、
画像濃度の高い高品質の複写画像が形成でき、また、着
色樹脂粒子と乳化重合体微粒子との結合が反対電荷によ
って強固であるので、ランニング試験中においても該乳
化重合体微粒子が着色樹脂粒子表面から脱落することが
なく、従ってPCカブリといった欠点の発生が防止でき
る。さらに、本発明トナーは、着色樹脂粒子と乳化重合
体微粒子とが反対電荷による結合で形成された一種の複
合化粒子であるので、従来の懸濁重合トナーにおける欠
点、すなわち球状であるために生じるクリーニング不良
という現象も有効に防止できる等、きわめて実用性の高
い発明ということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−186854(JP,A) 特開 昭63−52151(JP,A) 特開 平1−257853(JP,A) 特開 平1−113762(JP,A) 特開 平1−116648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂成分としてのメチルメタクリレ
    ートを必須成分とするアクリル系モノマーとスチレンと
    からなるモノマー成分、着色剤及び正帯電性電荷制御剤
    を少なくとも含有するモノマー混合物を懸濁重合して得
    られる着色樹脂粒子と、アニオン性界面活性剤の存在下
    にメチルメタクリレートを乳化重合して得られる負帯電
    性重合体微粒子の混合物からなることを特徴とする正帯
    電性静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 前記結着樹脂成分としてのモノマー成分
    が、10〜40重量%のメチルメタクリレートを含有し
    てなるものである請求項1に記載の正帯電性静電荷像現
    像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記粒子混合物が、前記着色樹脂粒子1
    00重量部に対して前記負帯電性重合体微粒子0.05
    〜0.5重量部を混合してなるものである請求項1に記
    載の正帯電性静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 前記着色樹脂粒子が、平均粒子径3〜1
    5μmの球状粒子である請求項1に記載の電子写真用ト
    ナー。
  5. 【請求項5】 前記重合体微粒子の粒子径が、平均粒子
    径50〜350nmである請求項1に記載の正帯電性静
    電荷像現像用トナー。
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