JP2005157014A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 静電荷像現像用トナーにおける定着性能や荷電性を十分に向上させて、長期にわたって良好な画像が安定して得られるようにする。
【解決手段】 少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、フッ素系アクリル樹脂微粒子とシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が融着されてコート層が形成された静電荷像現像用トナーにおいて、上記のコート層を形成する微粒子にワックスを含有させるようにしたり、この微粒子中の酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下になるようにした。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、フッ素系アクリル樹脂微粒子とシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が融着されてコート層が形成された静電荷像現像用トナーにおいて、上記のコート層を形成する微粒子にワックスを含有させるようにしたり、この微粒子中の酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下になるようにした。
【選択図】 なし
Description
この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置において、感光体に形成された静電荷像を現像するのに使用する静電荷像現像用トナー及びその製造方法に係り、静電荷像現像用トナーの定着性や荷電性を高めるようにした点に特徴を有するものである。
従来より、複写機やプリンター等の画像形成装置においては、感光体に形成された静電荷像を現像するのに静電荷像現像用トナーが使用されている。
そして、このような静電荷像現像用トナーを製造するにあたっては、樹脂中に着色剤やワックス等の添加剤を加え、これを加熱溶融させて混練し、この混練物を冷却させた後、これを粉砕して所定の粒径になった静電荷像現像用トナーを製造する粉砕法が広く用いられている。
しかし、このような粉砕法によって静電荷像現像用トナーを製造する場合、製造されたトナーの粒径のばらつきが大きく、生産効率が悪くて、コストが高くつき、特に粒径の小さいトナーを製造する場合には、収率が著しく低下する等の問題があった。
このため、近年においては、トナー粒子の形状や粒度分布を任意に制御できる静電荷像現像用トナーの製造方法として、懸濁重合法、乳化重合凝集法、乳化分散法等の湿式中での造粒法が注目されている。
ここで、懸濁重合法は、重合性単量体と重合開始剤と着色剤等とを成分とする重合組成物を分散媒体中で懸濁させて重合することによって造粒を行うものである。
また、乳化重合凝集法は、重合性単量体と重合開始剤等とを成分とする重合組成物を分散媒体中で乳化させて重合することにより造粒した微小樹脂粒子を、着色剤やワックス等と乳化状態で凝集させて造粒を行うものである。
また、乳化分散法は、結着樹脂と着色剤とを適当な有機溶剤に溶解又は分散させた着色樹脂溶液を水性媒体中において攪拌させて樹脂溶液の液滴を形成し、これを加熱してこの樹脂溶液の液滴から有機溶剤を除去させて造粒を行うものである。
しかし、上記のような湿式中での造粒法でトナーを製造する場合、トナーを水中で製造するため、製造されたトナーの荷電量が低くなってしまい、環境に対する荷電安定性が悪くなるという問題があった。
また、近年においては、トナーにおける定着性能や荷電性を向上させるため、珪素原子又はフッ素原子を有する重合性単量体の重合成分と、酸性極性基を有する重合性単量体の重合成分とを有する樹脂粒子を、結着樹脂と着色剤を含む着色粒子の表面に、塩析・凝集法によって融着させた後、疎水化処理した金属酸化物を添加させるようにした静電荷像現像用トナーが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記のような珪素原子又はフッ素原子を有する重合性単量体の重合成分と、酸性極性基を有する重合性単量体の重合成分とを有する樹脂粒子を、結着樹脂と着色剤を含む着色粒子の表面に融着させたトナーにおいても、依然としてトナーにおける定着性能や荷電性を十分に向上させることができないという問題があった。
特開2002−328489号公報
この発明は、複写機やプリンター等の画像形成装置において、感光体に形成された静電荷像を現像するのに使用する静電荷像現像用トナーにおける上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、この発明においては、静電荷像現像用トナーにおける定着性能や荷電性を十分に向上させて、長期にわたって良好な画像が安定して得られるようにすることを目的としている。
この発明における第1の静電荷像現像用トナーにおいては、上記のような課題を解決するため、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着させてコート層を形成するようにした。
また、この発明における第2の静電荷像現像用トナーにおいては、上記のような課題を解決するため、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着されてコート層が形成するようにした。
また、上記の第1の静電荷像現像用トナーを製造する第1の方法としては、少なくとも樹脂微粒子と着色剤とを凝集、融着させて着色樹脂粒子を製造する工程と、水系媒体中において上記の着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を凝集,融着させて、着色樹脂粒子の表面にコート層を形成する工程とを行うようにすることができる。
また、上記の第1の静電荷像現像用トナーを製造する第2の方法としては、少なくとも樹脂微粒子と着色剤粒子とが分散された分散液中においてこれらを凝集させて、着色樹脂粒子の凝集体を得る工程と、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が分散された分散液を添加させて、上記の着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させる工程と、上記の微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成する工程とを行うようにすることができる。
また、上記の第2の静電荷像現像用トナーを製造する第1の方法としては、少なくとも樹脂微粒子と着色剤とを凝集、融着させて着色樹脂粒子を製造する工程と、水系媒体中において上記の着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を凝集,融着させて着色樹脂粒子の表面にコート層を形成する工程とを行うようにすることができる。
また、上記の第2の静電荷像現像用トナーを製造する第2の方法としては、少なくとも樹脂微粒子と着色剤粒子とが分散された分散液中においてこれらを凝集させて、着色樹脂粒子の凝集体を得る工程と、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が分散された分散液を添加させて、上記の着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させる工程と、上記の微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成する工程とを行うようにすることができる。
この発明における第1の静電荷像現像用トナーにおいては、上記のように少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着させてコート層を形成するようにしたため、このトナーにおける荷電性能がフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子によって向上されると共に、これに含有されたワックスによってこのトナーにおける低温定着性能や耐オフセット性能が向上される。
この発明における第2の静電荷像現像用トナーにおいては、上記のように少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着させてコート層を形成するようにしたため、このトナーにおける荷電性能がフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子によって向上されると共に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が多いものに比べて、環境安定性も向上され、高温高湿度下においても適切に帯電されるようになる。
また、上記の第1及び第2の静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、それぞれの第1の方法に示すように、少なくとも樹脂微粒子と着色剤とを凝集、融着させて着色樹脂粒子を製造する工程と、水系媒体中において上記の着色樹脂粒子の表面に、上記の微粒子を凝集,融着させて、着色樹脂粒子の表面にコート層を形成する工程とを行うようにすると、得られるトナー粒子の粒径を制御することが容易になり、小粒径で粒径分布がシャープな第1及び第2の静電荷像現像用トナーを簡単に製造できるようになる。
また、上記の第1及び第2の静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、それぞれの第2の方法に示すように、少なくとも樹脂微粒子と着色剤粒子とが分散された分散液中においてこれらを凝集させて、着色樹脂粒子の凝集体を得る工程と、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、上記の微粒子が分散された分散液を添加させて、上記の着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させる工程と、このように微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成する工程とを行うようにすると、得られるトナー粒子の粒径を正確に制御することがさらに容易になり、小粒径で粒径分布がシャープな第1及び第2の静電荷像現像用トナーをより簡単に製造できるようになる。
以下、この発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナー及びその製造方法について説明する。
この発明の実施形態に係る第1の静電荷像現像用トナーにおいては、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着させてコート層を形成するようにした。
また、この発明の実施形態に係る第2の静電荷像現像用トナーにおいては、少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を融着させてコート層を形成するようにした。
ここで、上記の第1及び第2の静電荷像現像用トナーにおいて、上記の着色樹脂粒子における樹脂としては、静電荷像現像用トナーにおいて一般に用いられている公知の樹脂を使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂及び芳香族ビニル系樹脂等のラジカル重合型樹脂、ポリエステル系樹脂等の縮重合型樹脂等を単独又は複数組み合わせて用いることができ、トナーにおける低温での定着性を高めるためには、ガラス転移温度が80℃以下のものを用いることが好ましく、さらに環境安定性を高めるためには、ガラス転移温度が40℃〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲のものを用いることが好ましい。
また、着色樹脂粒子における着色剤としても、静電荷像現像用トナーにおいて一般に用いられている公知の着色剤を用いることができ、有機又は無機の各種の顔料又は染料を用いることができる。
ここで、黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイト等を用いることができる。
また、黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等を用いることができる。
また、橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等を用いることができる。
また、赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、鉛丹、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等を用いることができる。
また、紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を用いることができる。
また、青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー誘導体、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC等を用いることができる。
また、緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、フタロシアニングリーン等を用いることができる。
また、白色顔料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化スズ等を用いることができる。
また、体質顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト、カオリン等を用いることができる。
また、染料としては、例えば、ローズベンガル、トリフェニルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、ローダミン系染料、縮合アゾ系染料、フタロシアニン系染料等を用いることができる。
なお、これらの着色剤は、単独又は複数組み合わせて使用することができる。
ここで、トナーに含有させる着色剤の量が少ないと、十分な画像濃度が得られなくなる一方、着色剤の量が多くなりすぎると、トナーの定着性が低下するため、着色樹脂粒子と上記のコート層とを含むトナー全体の樹脂100重量部に対して、着色剤を1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部の範囲で含有されるようにする。
また、上記の着色樹脂粒子においては、上記の樹脂や着色剤の他に、荷電制御剤やワックスや磁性枌等の添加剤を添加させることができる。
ここで、荷電制御剤としては、従来から静電荷像現像用トナーに正又は負の荷電を与える物質として添加されている公知のものを使用することができる。
そして、トナーに正の荷電を与える正荷電制御剤としては、例えば、ニグロシンベースES(オリエント化学工業社製)等の二グロシン系染料;P−51(オリエント化学工業社製)、コピーチャージPX VP435(クラリアント社製)等の第四級アンモニウム塩;アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料及びPLZ1001(四国化成工業社製)等のイミダゾール化合物等を用いることができる。
また、トナーに負の荷電を与える負荷電制御剤としては、例えば、ボントロンS−22(オリエント化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業社製)等の金属錯体;チオインジゴ系顔料、コピーチャージNXVP434(ヘキストジャパン社製)等の第4級アンモニウム塩;ボントロンE−89(オリエント化学工業社製)等のカリックスアレーン化合物;LR147(日本カーリット社製)等のホウ素化合物;フッ化マグネシウム、フッ化カーボン等のフッ素化合物等を用いることができる。
また、上記のワックスとしても、静電荷像現像用トナーにおいて一般に使用されている公知のものを使用することができ、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィン系ワックス;ベヘン酸エステル、モンタン酸エステル、ステアリン酸エステル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;長鎖脂肪族アルコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと長鎖脂肪酸との(部分)エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等を用いることができる。なお、これらのワックスを添加させる場合、その量が少ないと、十分な離型性が得られない一方、その量が多くなりすぎると、トナーの帯電性等に悪影響を与えるため、着色樹脂粒子と上記のコート層とを含むトナー全体の樹脂100重量部に対して、着色樹脂粒子とコート層とを含むトナー全体におけるワックスの量が通常0.5〜12重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲になるようにする。
また、上記の磁性粉としても、静電荷像現像用トナーにおいて一般に使用されている公知のものを使用することができ、例えば、マグネタイト、γ−へマタイト、各種フェライト等を用いることができる。
そして、上記の着色樹脂粒子を製造するにあたっては、トナーを製造する場合と同様の方法を用いることができ、小粒径のものを安定して得るようにするためには、湿式中で造粒させる方法を用いることが好ましく、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、乳化重合凝集法、エマルジョン重合法、ミニエマルジョン重合法、非水分散重合法、乳化分散法等を用いることができる。
ここで、着色樹脂粒子を懸濁重合法により製造するにあたっては、例えば、前記の樹脂の製造に用いる重合性単量体と着色剤と重合開始剤と必要に応じて連鎖移動剤や前記の添加剤を加えた重合組成物を、分散媒体中にホモジナイザー等で懸濁させて油滴分散粒子を形成し、これを加熱させて上記の重合性単量体を重合させるようにする。
また、着色樹脂粒子を乳化重合凝集法により製造するにあたっては、例えば、前記の樹脂の製造に用いる重合性単量体と重合開始剤等とを乳化分散させて重合させた乳化重合体に着色剤や前記の添加剤を乳化分散させて凝集させるようにしたり、乳化させた添加剤の存在下で重合性単量体をシード乳化重合させて樹脂微粒子を得た後、これに着色剤等を凝集させるようにすることができる。
ここで、上記のように湿式中で造粒させて着色樹脂粒子を製造するにあたり、樹脂粒子を得るのに用いる重合性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル系モノマー又はメタクリル酸エステル系モノマー等を単独又は複数組み合わせて用いることができ、特に、製造コストやトナーの強度を高めるためには、スチレンやブチル(メタ)アクリレートが好適に用いられる。
また、スチレンとアルキル(メタ)アクリレートとを共重合させる場合、得られる樹脂のガラス転移温度が前記のように40℃〜80℃程度になるようにするため、スチレンとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合比を通常20:80〜90:10の重量比になるようにすることが好ましく、例えば、スチレンとブチルアクリレートの場合、重量比が40:60〜90:10、好ましくは60:40〜80:20の範囲になるようにする。
また、上記の樹脂粒子の分散安定性を高めるために、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル等の酸モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、N−ビニルピロリドン、ブタジエン等の他の重合性単量体を上記の重合性単量体に共重合させることが好ましい。しかし、上記の重合性単量体に対してこれらの他の重合性単量体を共重合させるにあたり、他の重合性単量体の共重合比が高くなりすぎると、得られるトナーの環境安定性が低下するため、上記の重合性単量体に対する他の重合性単量体の割合を通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下になるようにする。
また、得られる樹脂微粒子の脆弱性を改善するために、多官能ビニル化合物を共重合させることができ、このような多官能ビニル化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等を用いたジアクリレート化合物及びジメタクリレート化合物;ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールを用いたジアルリレート化合物、トリアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物、トリメタクリレート化合物等が挙げられる。なお、このような多官能ビニル化合物を共重合させる場合、その割合が多くなりすぎると、トナーの定着性が悪くなったり、OHP上の画像の透明性が悪くなるため、この多官能ビニル化合物の割合を、通常0.001〜5重量%、好ましくは0.003〜2重量%、より好ましくは0.01〜1重量%になるようにする。
また、トナーにおける定着性や耐オフセット性を向上させるためには、上記の樹脂粒子の最大ピーク分子量が、GPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算値で、通常7000〜20万、好ましくは2万〜15万、より好ましくは3万〜10万の範囲になるようにし、また分子量ピークは二つ以上あってもよいが単一ピークの方が好ましい。また、分子量分布のピークが肩を有していてもよく、高分子量側にテーリングしていてもよい。
また、上記の樹脂粒子の分子量分布を制御するため、上記の重合性単量体に対して連鎖移動剤を添加させることができ、このような連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、n−オクチルメルカプトプロピオン酸エステル、n−ドデシルメルカプトプロピオン酸エステル、n−へキシルメルカプトプロピオン酸エステル、n−ステアリルメルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、n−オクチルメルカプトグリコール酸エステル、n−デシルメルカプトグリコール酸エステル、n−ドデシルメルカプトグリコール酸エステル、2−エチルへキシルメルカプトグリコール酸エステル等のメルカプトグリコール酸エステル、ジスルフィド化合物等を用いることができる。
ここで、このような連鎖移動剤の添加量は、所望する分子量や分子量分布によって異なるが、一般的には、重合性単量体の重量に対して0.1〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
また、上記のような重合性単量体に着色剤等を加えた重合組成物を懸濁重合法によって重合させて着色樹脂粒子を得る場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系開始剤を用いることができる。
そして、上記のような重合組成物をホモミキサーやホモジナイザー等の高速攪拌式の分散機を用いて分散媒体中に懸濁させて油滴分散粒子を形成し、上記の重合開始剤の分解温度以上に加熱させて、油滴中における重合性単量体を重合させるようにする。なお、この温度は通常40〜150℃の範囲にすることが好ましい。
また、上記のように分散媒体中において分散させた油滴が凝集するのを防止するため、分散安定剤を添加することが好ましい。
ここで、上記の分散安定剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用することができ、これらの界面活性剤を2種以上併用してもよい。なお、負帯電性トナーの場合、分散安定剤としては、アニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤を用いることがトナーの帯電性を低下させないために好ましい。
ここで、カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
また、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウムなどの脂肪酸石鹸、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラルリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、スチリルフェニルポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖などが挙げられる。
なお、上記のような分散安定剤を重合中や重合終了後に追加して添加させることもでき、このようにすると、液滴の凝集や、造粒された着色樹脂粒子の凝集も防止されるようになる。
また、上記のように懸濁重合法により着色樹脂粒子を得る場合、着色樹脂粒子中に残留する重合性単量体の量が多いと、洗浄により分散安定剤を除去する際に着色樹脂粒子が凝集したり、またトナーを製造した場合にトナーから臭いが生じたり、トナーの帯電安定性が低下したり、トナーの軟化温度にバラツキが生じて定着性が悪くなるため、着色樹脂粒子中に残留する重合性単量体の量を少なくすることが好ましい。このため、上記のようにして懸濁重合させる場合、反応の前半を40℃〜80℃の低温で重合させ、反応の後半を80℃〜150℃の高温で重合させるようにしたり、プレポリマーを用いたりすることが望ましい。
また、上記のような重合性単量体に着色剤等を加えた重合組成物を乳化重合法やミニエマルジョン重合法によって重合させて着色樹脂粒子を得る場合、重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤を用いるようにする。
ここで、上記の重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化Tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−Tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸Tert−ブチル、過酢酸Tert−ブチル、過安息香酸Tert−ブチル、過フェニル酢酸Tert−ブチル、過メトキシ酢酸Tert−ブチル、過N−(3−トルイル)パルミチン酸Tert−ブチル等の過酸化物類;2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミン、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロへキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘプタンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等を用いることができる。
そして、前記のような重合組成物を乳化重合させる場合や分散液を調製する場合においては、乳化剤や分散安定剤として、上記の懸濁重合法の場合と同様のカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用することができる。
また、乳化重合凝集法によって着色樹脂粒子を得る場合には、上記の乳化重合法によって重合させた樹脂粒子の分散液と、着色剤の分散液等とを混合させて、樹脂粒子と着色剤等とを凝集させ、これを加熱して、上記のように凝集された凝集粒子を融合させて、着色樹脂粒子を得るようにする。
ここで、上記のように樹脂粒子と着色剤等とを凝集させるにあたっては、凝集剤を添加させるようにし、このような凝集剤としては、例えば、前記のイオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の水溶性界面活性剤類;塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類;塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩;酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩;ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩等を用いることができる。なお、凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮すると、このような凝集剤としては、無機酸の金属塩を用いることが好ましい。
また、上記の凝集剤の添加量は電荷の価数により異なるが、いずれも少量でよく、一価の場合には3重量%以下、二価の場合には1重量%以下、三価の場合は0.5重量%以下程度である。なお、トナーの環境安定性等を低下させないように、凝集剤の添加量は少ない方が好ましいため、価数の多い凝集剤を用いて、その添加量を少なくすることが好ましい。
一方、上記の着色樹脂粒子の表面に融着させてコート層を形成するフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子を製造するにあたっても、上記の着色樹脂粒子の場合と同様に、小粒径のものを安定して得るようにするためには、湿式中で造粒させる方法を用いることが好ましく、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
ここで、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子を得るのに用いる重合性単量体としては、例えば、下記の化学式(1)〜(11)に示すものを用いることができる。
(1)CH2=C(CH3)CO2CH2CF3
(2)CH2=C(CH3)CO2CH2(CF2)2H
(3)CH2=C(CH3)CO2CH2CF2CF3
(4)CH2=C(CH3)CO2CH2CF2CF2CF3
(5)CH2=C(CH3)CO2C2H4CF3
(6)CH2=CHCO2CH2CF3
(7)CH2=CHCO2CH2CF2CF3
(8)CH2=CHCO2CH2(CF2)2H
(9)CH2=CHCO2CH2CF2CF2CF3
(10)CH2=CHCO2C2H4CF3
(11)CH2=CHCO2C2H4C8F17
(2)CH2=C(CH3)CO2CH2(CF2)2H
(3)CH2=C(CH3)CO2CH2CF2CF3
(4)CH2=C(CH3)CO2CH2CF2CF2CF3
(5)CH2=C(CH3)CO2C2H4CF3
(6)CH2=CHCO2CH2CF3
(7)CH2=CHCO2CH2CF2CF3
(8)CH2=CHCO2CH2(CF2)2H
(9)CH2=CHCO2CH2CF2CF2CF3
(10)CH2=CHCO2C2H4CF3
(11)CH2=CHCO2C2H4C8F17
また、上記のシリコーン系アクリル樹脂微粒子を得るのに用いる重合性単量体としては、例えば、下記の化学式(12)〜(22)に示すものを用いることができる。
(12)CH2=CHCO2C2H4Si(OCH3)3
(13)CH2=C(CH3)CO2C3H6Si(OCH3)3
(14)CH2=C(CH3)CO2C2H4Si(OC2H5)3
(15)CH2=CHCO2C3H6Si(OCH3)3
(16)CH2=CHCO2C2H4Si(OC2H5)3
(17)CH2=CHCO2C4H8Si(OCH3)3
(18)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(OCH3)3
(19)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(OC2H5)3
(20)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(CH3)2(OC2H5)
(21)(CH2=CHCO2C2H4)2Si(CH3)(OC2H5)
(22)CH2=CHCO2C3H6Si(OSi(CH3)3)3
(13)CH2=C(CH3)CO2C3H6Si(OCH3)3
(14)CH2=C(CH3)CO2C2H4Si(OC2H5)3
(15)CH2=CHCO2C3H6Si(OCH3)3
(16)CH2=CHCO2C2H4Si(OC2H5)3
(17)CH2=CHCO2C4H8Si(OCH3)3
(18)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(OCH3)3
(19)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(OC2H5)3
(20)CH2=C(CH3)CO2C4H8Si(CH3)2(OC2H5)
(21)(CH2=CHCO2C2H4)2Si(CH3)(OC2H5)
(22)CH2=CHCO2C3H6Si(OSi(CH3)3)3
また、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子を得るにあたっては、上記のような重合性単量体に他の重合性単量体を共重合させることができ、共重合させる他の重合性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル系モノマー等を用いることができる。
また、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子における水中での分散安定性を高めるため、酸性基を有する重合性単量体を共重合させることができる。
そして、このような酸性基を有する重合性単量体としては、カルボン酸基やスルホン酸基等の酸基を有する重合性単量体を用いることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、イソプレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、4−スルホブチルメタクリートナトリウム、メタリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリルリン酸、ビニルリン酸等を用いることができる。
ここで、上記のような酸性基を有する重合性単量体を共重合させるにあたり、その量が多くなりすぎると、得られるトナーの環境安定性が悪くなり、特に高湿環境下での荷電量が低下するため、前記のように第2の静電荷像現像用トナーにおいては、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下になるようにしている。
また、前記の第1の静電荷像現像用トナーにおいては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子にワックスを含有させるようにしており、このワックスとしては、上記の着色樹脂粒子に用いるものと同様のものを使用することができる。なお、このようにフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子にワックスを含有させるにあたり、含有させるワックスの量が少ないと、得られるトナーの耐オフセット性を十分に向上させることができなくなる一方、その量が多くなりすぎると、得られるトナーの耐熱性や荷電性が低下するため、上記の樹脂微粒子中における樹脂100重量部に対して通常1〜25重量部、好ましくは3〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部含有させるようにする。
そして、上記のようなフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子からなる微粒子を着色樹脂粒子の表面に融着させてコート層を形成するにあたっては、前記の着色樹脂粒子の分散液に上記のような微粒子の分散液を加え、着色樹脂粒子の表面に上記の微粒子を凝集させ、これを加熱して、上記のように凝集された微粒子を着色樹脂粒子の表面に融着させてコート層を形成することができる。
ここで、上記のように着色樹脂粒子の表面に上記の微粒子を凝集させるにあたっては凝集剤を添加させるようにし、このような凝集剤としては、樹脂粒子と着色剤等とを凝集させるのに用いたものと同様の凝集剤を用いることができる。
また、上記のようにフッ素系アクリル樹脂微粒子やシリコーン系アクリル樹脂微粒子からなる微粒子を着色樹脂粒子の表面に融着させてコート層を形成するにあたっては、着色樹脂粒子を得る前の凝集体の状態で、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、上記の微粒子が分散された分散液を添加させて、着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させ、このように微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて、着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成することもできる。このようにすると、得られるトナー粒子の粒径を正確に制御することが容易になり、小粒径で粒径分布がよりシャープなトナーが簡単に製造できるようになる。
また、この発明の静電荷像現像用トナーにおいては外添剤を添加させることも可能であり、このような外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア等の微粉末からなる流動性向上剤;マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粒子;スチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂微粒子からなる抵抗調整剤及び滑剤等を使用することができる。なお、これらの外添剤の添加量は、所望する性能により適宜選定すればよく、通常トナー中における樹脂100重量部に対して0.05〜10重量部になるようにする。
以下、この発明の具体的な実施例に係る静電荷像現像用トナー及びその製造方法について説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例における静電荷像現像用トナーが優れていることを明らかにする。
実施例1〜6及び比較例1,2の静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、下記のようにして作製したフッ素系アクリル樹脂微粒子A1〜A5、フッ素系アクリル樹脂微粒子X及びシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1を用いるようにした。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子A1の作製)
攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水700重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.8重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水700重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.8重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水4重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが62.8重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(1)に示すフッ素系アクリルモノマーが10.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が1.7重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これをこれを75℃の温度条件で2時間重合させて、フッ素系アクリル樹脂微粒子A1を得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子A1においては、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.7重量%になっている。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子A2の作製)
フッ素系アクリル樹脂微粒子A2の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが78.0重量部、前記の化学式(6)に示すフッ素系アクリルモノマーが20.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が1.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子A2を得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子A2においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.5重量%になっている。
フッ素系アクリル樹脂微粒子A2の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが78.0重量部、前記の化学式(6)に示すフッ素系アクリルモノマーが20.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が1.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子A2を得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子A2においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.5重量%になっている。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子A3の作製)
フッ素系アクリル樹脂微粒子A3の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、n−ブチルアクリレートが39.5重量部、前記の化学式(8)に示すフッ素系アクリルモノマーが23.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が1.2重量部、メチルメタクリレートが35.8重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子A3を得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子A3においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.2重量%になっている。
フッ素系アクリル樹脂微粒子A3の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、n−ブチルアクリレートが39.5重量部、前記の化学式(8)に示すフッ素系アクリルモノマーが23.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が1.2重量部、メチルメタクリレートが35.8重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子A3を得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子A3においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.2重量%になっている。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子Xの作製)
フッ素系アクリル樹脂微粒子Xの作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが62.8重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(1)に示すフッ素系アクリルモノマーが10.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が3.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子Xを得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子Xにおいては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が3.5重量%になっている。
フッ素系アクリル樹脂微粒子Xの作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが62.8重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(1)に示すフッ素系アクリルモノマーが10.5重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が3.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の場合と同様にして、フッ素系アクリル樹脂微粒子Xを得た。なお、このフッ素系アクリル樹脂微粒子Xにおいては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が3.5重量%になっている。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子A4の作製)
攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水700重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.8重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水700重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.8重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが54.0重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(6)に示すフッ素系アクリルモノマーが20.0重量部、酸性基を有する単量体のアクリル酸が1.0重量部、n−オクチルメルカプタンが1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、フッ素系アクリル樹脂のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、上記の単量体混合液と同じスチレンが54.0重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(6)に示すフッ素系アクリルモノマーが20.0重量部、酸性基を有する単量体のアクリル酸が1.0重量部、n−オクチルメルカプタンが1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、ポリエステルワックス(WE−5:日本油脂社製)を14重量部の割合で加えて、ワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記のフッ素系アクリル樹脂のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させ、ワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂のラテックスを得た。
そして、このワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、これを80℃に昇温させた後、これに上記の単量体混合液と同じスチレンが54.0重量部、n−ブチルアクリレートが25.0重量部、前記の化学式(6)に示すフッ素系アクリルモノマーが20.0重量部、酸性基を有する単量体のアクリル酸が1.0重量部、n−オクチルメルカプタンが1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、80℃の温度条件で2時間重合させて、ワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4を得た。なお、このワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.0重量%になっている。
(フッ素系アクリル樹脂微粒子A5の作製)
フッ素系アクリル樹脂微粒子A5の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが55.0重量部、前記の化学式(8)に示すフッ素系アクリルモノマーが17.0重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が3.5重量部、n−ペンチルアクリレートが24.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4の場合と同様にして、ワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5を得た。なお、このワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が3.5重量%になっている。
フッ素系アクリル樹脂微粒子A5の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが55.0重量部、前記の化学式(8)に示すフッ素系アクリルモノマーが17.0重量部、酸性基を有する単量体のメタクリル酸が3.5重量部、n−ペンチルアクリレートが24.5重量部になったものを用い、それ以外は、上記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4の場合と同様にして、ワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5を得た。なお、このワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が3.5重量%になっている。
(シリコーン系アクリル樹脂微粒子B1の作製)
シリコーン系アクリル樹脂微粒子B1の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが56.0重量部、n−ブチルアクリレートが29.5重量部、前記の化学式(22)に示すシリコーン系アクリルモノマーが13.5重量部、酸性基を有する単量体のアクリル酸が1.0重量部になったものを用い、それ以外は、上記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4の場合と同様にして、ワックスが含有されたシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1を得た。なお、このワックスが含有されたシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.0重量%になっている。
シリコーン系アクリル樹脂微粒子B1の作製においては、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4において使用した単量体混合液の組成だけを変更し、単量体混合液として、スチレンが56.0重量部、n−ブチルアクリレートが29.5重量部、前記の化学式(22)に示すシリコーン系アクリルモノマーが13.5重量部、酸性基を有する単量体のアクリル酸が1.0重量部になったものを用い、それ以外は、上記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4の場合と同様にして、ワックスが含有されたシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1を得た。なお、このワックスが含有されたシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1においては、樹脂中における酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.0重量%になっている。
(実施例1)
実施例1においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例1においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液に、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが14.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが21.0重量部、n−ブチルアクリレートが6.0重量部、メタクリル酸が1.3重量部、2−メルカプトエチルオクタン酸エステルが1.1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、2−メルカプトエチルオクタン酸エステルが2.1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水300重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを12重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これにカーボンブラック(リーガル330:キャボット社製)84重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約5.7μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1の分散液を固形分換算で8.4重量部添加し、これらを混合攪拌させて着色樹脂粒子の表面にフッ素系アクリル樹脂微粒子A1を付着させた後、これにイオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして2時間かけて、上記の着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1を融着させてコート層を形成した。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が6.0μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例1の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例2)
実施例2においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例2においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが15.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が3.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが20.0重量部、n−ブチルアクリレートが5.0重量部、メタクリル酸が1.5重量部、n−オクチルメルカプタンが1.0重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが18重量部、メタクリル酸が3重量部、n−オクチルメルカプタンが1.8重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水300重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを12重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これにカーボンブラック(リーガル330:キャボット社製)84重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約5.2μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A2の分散液を固形分換算で12.8重量部添加し、これらを混合攪拌させて着色樹脂粒子の表面にフッ素系アクリル樹脂微粒子A2を付着させた後、これにイオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして2時間かけて、上記の着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A2を融着させてコート層を形成した。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が5.9μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例2の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例3)
実施例3においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例3においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが14.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが21.0重量部、n−ブチルアクリレートが6.0重量部、メタクリル酸が1.3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが1.1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが2.1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水320重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを18重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これに赤色顔料(PR122:大日精化社製)5.3重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約4.8μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A3の分散液を固形分換算で16.8重量部添加し、これらを混合攪拌させて着色樹脂粒子の表面にフッ素系アクリル樹脂微粒子A3を付着させた後、これにイオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして3時間かけて、上記の着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A3を融着させてコート層を形成した。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例3の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例4)
実施例4においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例4においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが13.0重量部、n−ブチルアクリレートが7.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが20.0重量部、n−ブチルアクリレートが7.0重量部、メタクリル酸が1.2重量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルが1.1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルが2.1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水320重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを18重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これに黄色顔料(ピグメントイエロー74:クラリアントジャパン社製)8.4重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約5.2μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A4の分散液を固形分換算で12.5重量部添加し、これらを混合攪拌させて着色樹脂粒子の表面に上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4を付着させた後、これにイオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして3時間かけて、上記の着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A4を融着させてコート層を形成した。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が5.8μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例4の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例5)
実施例5においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例5においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが14.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが21.0重量部、n−ブチルアクリレートが6.0重量部、メタクリル酸が1.3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが1.1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが2.1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水320重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを18重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これに赤色顔料(PR122:大日精化社製)5.3重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、温度30℃の条件の下で、これにイオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約4.8μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5の分散液を固形分換算で16.8重量部添加し、これらを混合攪拌させて着色樹脂粒子の表面に上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A5を付着させた後、これにイオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして3時間かけて、上記の着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A5を融着させてコート層を形成した。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が5.5μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例5の静電荷像現像用トナーを得た。
(実施例6)
実施例6においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
実施例6においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが14.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが21.0重量部、n−ブチルアクリレートが6.0重量部、メタクリル酸が1.3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが1.1重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、2−メルカプトプロピオン酸n−オクチルエステルが2.1重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水320重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを18重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これに赤色顔料(PR122:大日精化社製)5.3重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。なお、この着色樹脂粒子の分散液を光学顕微鏡により観察した結果、この着色樹脂粒子の体積平均粒径は約5.0μmであった。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、前記のワックスが含有されたシリコーン系アクリル樹脂微粒子A6の分散液を固形分換算で15重量部添加し、これらを混合攪拌させて30分間保持し、着色樹脂粒子の表面に上記のシリコーン系アクリル樹脂微粒子A6を付着させた。
その後、これにアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬社製)を2重量部添加した後、上記の反応フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌しながら105℃まで加熱し、これを3時間保持して、着色樹脂粒子の表面に付着された上記のシリコーン系アクリル樹脂微粒子A6を融着させてコート層を形成した後、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止し、その後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が5.6μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、実施例6の静電荷像現像用トナーを得た。
(比較例1)
比較例1においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
比較例1においては、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水600重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを1.4重量部溶解させた溶液を加え、窒素気流中において200rpmの攪拌速度で攪拌しながら80℃に昇温させた。
そして、この溶液にイオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.8重量部溶解させた溶液を添加し、温度を75℃にした後、これにスチレンが14.0重量部、n−ブチルアクリレートが4.0重量部、メタクリル酸が2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを75℃の温度条件で重合させて、第1のラテックスを得た。
また、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、スチレンが21.0重量部、n−ブチルアクリレートが6.0重量部、メタクリル酸が1.3重量部、t−ドデシルメルカプタンが1.0重量部の割合になった単量体混合液を加えると共に、パラフィンワックス(NHP0190:日本精蝋社製)を14重量部の割合で加え、これを85℃まで昇温させてワックスが含有された単量体混合液を調製した。
また、別の反応フラスコに、イオン交換水540重量部にドデシルスルホン酸ナトリウムを0.3重量部溶解させた溶液を加え、これを80℃に昇温させた後、これに上記の第1のラテックスを固形分換算で5.6重量部加え、さらに上記のワックスが含有された単量体混合液を加え、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により混合分散させて乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、イオン交換水50重量部に過硫酸カリウムを1重量部溶解させた溶液と、イオン交換水150重量部とを添加し、これを80℃に昇温させて3時間重合させて、ワックスが含有された第2のラテックスを得た。
また、この第2のラテックスに、イオン交換水40重量部に過硫酸カリウムを1.5重量部溶解させた溶液を添加し、温度を80℃にした後、スチレンが60重量部、n−ブチルアクリレートが19重量部、メタクリル酸が3重量部、t−ドデシルメルカプタンが2.0重量部の割合になった単量体混合液を30分かけて滴下し、これを80℃の温度条件で2時間重合させた後、30℃まで冷却させて、第3のラテックスを得た。
また、イオン交換水300重量部にn−ドデシル硫酸ナトリウムを12重量部溶解させた溶液を攪拌しながら、これにカーボンブラック(リーガル330:キャボット社製)84重量部を徐々に添加し、これをホモジナイザー(TKホモミキサー:特殊機化工業社製)により分散させて着色剤分散液を得た。
そして、攪拌装置と加熱冷却装置と濃縮装置と原料・助剤仕込み装置とを備えた反応フラスコに、イオン交換水を180重量部、前記の第3のラテックスを固形分換算で84重量部、上記の着色剤分散液を33重量部の割合で加え、これらを攪拌させ、温度を30℃にした後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを11.0に調製した。
次いで、これに、温度30℃の条件の下で、イオン交換水200重量部に塩化マグネシウム6水和物を2.4重量部溶解した溶液を10分間かけて添加し、その後、これを6分間かけて90℃まで昇温させて、着色樹脂粒子の分散液を得た。
そして、この着色樹脂粒子の分散液に、イオン交換水200重量部に塩化ナトリウムを16重量部溶解させた溶液を添加して粒子成長を停止させ、液温を85℃にして3時間かけて着色樹脂粒子を融着させた。
次いで、これを30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整して攪拌を停止させた後、これをろ過し、イオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥させて、体積平均粒径が6.0μmのトナー粒子を得た。
そして、上記のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理させて、比較例1の静電荷像現像用トナーを得た。
(比較例2)
比較例2においては、上記の実施例1の静電荷像現像用トナーにおいて、着色樹脂粒子の表面に融着させる微粒子に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子Xを使用し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、体積平均粒径が6.0μmになったトナー粒子を製造した。そして、このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理して、比較例2の静電荷像現像用トナーを得た。
比較例2においては、上記の実施例1の静電荷像現像用トナーにおいて、着色樹脂粒子の表面に融着させる微粒子に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子Xを使用し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、体積平均粒径が6.0μmになったトナー粒子を製造した。そして、このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(H−2000:ワッカー社製)を0.5重量部、疎水性酸化チタン(T−805:日本アエロジル社製)を0.5重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間混合処理して、比較例2の静電荷像現像用トナーを得た。
そして、上記のように製造した実施例1〜6及び比較例1,2の各静電荷像現像用トナーをそれぞれキャリアと混合させて、トナーの重量比率が5wt%になった各現像剤を調製し、各トナーにおける帯電性能を評価した。
ここで、キャリアとしては、下記のようにして製造したものを用いるようにした。
スチレンとメチルメタクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとメタクリル酸とが1.5:7:1:0.5の割合で共重合されたスチレン−アクリル系共重合体80重量部とブチル化メラミン樹脂20重量部とをトルエンで希釈して、固形分比が2%wtの樹脂溶液を調製した。
そして、平均粒径が30μmの焼成フェライト粉からなる芯材の表面に上記の樹脂溶液をスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し、これを乾燥させた後、これを熱風循環式オーブン中において140℃で2時間焼成し、その後、これを冷却し、目開き210μmと90μmのスクリーンメッシュを取り付けたフルイ振盪器を用いて解砕し、上記の樹脂溶液の塗布、焼成、解砕の各処理をさらに3回繰り返して行い、表面が樹脂で被覆されたキャリアを得た。なお、このキャリアの体積平均粒径は31μm、電気抵抗は約3×1010Ωcmであった。
そして、実施例1〜6及び比較例1,2の各静電荷像現像用トナーにおける帯電性能を評価するにあたっては、上記の各現像剤をそれぞれ温度25℃,湿度50%の環境下に24時間放置したものと、温度30℃,湿度85%の環境下に24時間放置したものとを準備し、それぞれ50ccの容量のポリエチレン瓶に入れ、1200rpmで90分間回転させた後、各静電荷像現像用トナーにおける帯電量(μC/g)を測定し、温度25℃,湿度50%の環境下に24時間放置した場合の結果をQ1、温度30℃,湿度85%の環境下に24時間放置した場合の結果をQ2として、下記の表1に示した。なお、この表においては、前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1〜A5、フッ素系アクリル樹脂微粒子X及びシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1における酸性基を有する単量体の重合成分の量をWa(wt%)として示した。
この結果から明らかなように、着色樹脂粒子の表面に前記のフッ素系アクリル樹脂微粒子A1〜A5、シリコーン系アクリル樹脂微粒子B1及びフッ素系アクリル樹脂微粒子Xを融着させてコート層を形成した実施例1〜6及び比較例2の各静電荷像現像用トナーは、上記のようなコート層を形成しなかった比較例1の静電荷像現像用トナーに比べて、帯電量が増加しており、特に高温高湿度下に放置した場合における帯電量の低下が大幅に抑制された。
また、実施例1〜6及び比較例2の各静電荷像現像用トナーを比較した場合、酸性基を有する単量体の重合成分の量Waが1.8重量%以下になったフッ素系アクリル樹脂微粒子A1〜A4及びシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1を融着させてコート層を形成した実施例1〜4,6の各静電荷像現像用トナーにおいては、さらに高温高湿度下に放置した場合における帯電量の低下がさらに抑制されていた。
また、上記の各現像剤をそれぞれ市販のデジタルフルカラー複写機(DiALTA Color CF3102:ミノルタ社製)に使用して1万枚のコピーを行い、初期及び1万枚後の画像特性を調べると共に、1万枚後の感光体におけるトナーの拭き残し及び感光体へのトナーの融着を調べ、これらの結果を下記の表2に示した。
ここで、画像特性の評価については、非常にきれい場合を◎、良好な場合を〇、部分的にがさつきがある場合を△、全体的にがさつきがある場合を×、画質が非常に悪い場合を××で示した。
また、拭き残しについては、拭き残しがなく良好な場合を○、一部に拭き残しが見られた場合を△、拭き残しが多くて画像に汚れが生じた場合を×で示した。
また、融着については、融着が発生しなかった場合を○、一部に小さな融着が発生した場合を△、大きな融着が発生した場合を×で示した。
この結果から明らかなように、着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量Waが1.8重量%以下になったフッ素系アクリル樹脂微粒子A1〜A4及びシリコーン系アクリル樹脂微粒子B1やワックスが含有されたフッ素系アクリル樹脂微粒子A5を融着させてコート層を形成した実施例1〜6の各静電荷像現像用トナーを使用した場合、上記のようなコート層を形成しなかった比較例1の静電荷像現像用トナーや、酸性基を有する単量体の重合成分の量Waが1.8重量%を越えていると共にワックスが含有されていないフッ素系アクリル樹脂微粒子Xを融着させてコート層を形成した比較例2の静電荷像現像用トナを使用した場合に比べて、1万枚後の画像特性が向上すると共に、感光体におけるトナーの拭き残しや感光体へのトナーの融着も抑制されるようになった。
Claims (8)
- 少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が融着されてコート層が形成されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 少なくとも樹脂と着色剤とを含有する着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が融着されてコート層が形成されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、上記のフッ素系アクリル樹脂微粒子とシリコーン系アクリル樹脂微粒子とに含有されている酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーにおいて、その体積平均粒径が3〜7μmの範囲であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 請求項1に記載した静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、少なくとも樹脂微粒子と着色剤とを凝集、融着させて着色樹脂粒子を製造する工程と、水系媒体中において上記の着色樹脂粒子の表面に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を凝集,融着させて、着色樹脂粒子の表面にコート層を形成する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1に記載した静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、少なくとも樹脂微粒子と着色剤粒子とが分散された分散液中においてこれらを凝集させて、着色樹脂粒子の凝集体を得る工程と、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、ワックスを含有するフッ素系アクリル樹脂微粒子とワックスを含有するシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が分散された分散液を添加させて、上記の着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させる工程と、上記の微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項2に記載した静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、少なくとも樹脂微粒子と着色剤とを凝集、融着させて着色樹脂粒子を製造する工程と、水系媒体中において上記の着色樹脂粒子の表面に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子を凝集,融着させて、着色樹脂粒子の表面にコート層を形成する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項2に記載した静電荷像現像用トナーを製造するにあたり、少なくとも樹脂微粒子と着色剤粒子とが分散された分散液中においてこれらを凝集させて、着色樹脂粒子の凝集体を得る工程と、この着色樹脂粒子の凝集体が分散された分散液中に、酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるフッ素系アクリル樹脂微粒子と酸性基を有する単量体の重合成分の量が1.8重量%以下であるシリコーン系アクリル樹脂微粒子とから選択される少なくとも1種の微粒子が分散された分散液を添加させて、上記の着色樹脂粒子の凝集体の表面に上記の微粒子を凝集させる工程と、上記の微粒子が表面に凝集された着色樹脂粒子の凝集体を加熱させて着色樹脂粒子を形成すると共に、その表面に上記の微粒子を融着させてコート層を形成する工程とを有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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JP2003396509A JP2005157014A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 静電荷像現像用トナー |
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JP2008208346A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-09-11 | Sanyo Chem Ind Ltd | 樹脂粒子 |
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-
2003
- 2003-11-27 JP JP2003396509A patent/JP2005157014A/ja active Pending
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