JP3109018B2 - インターフェロン−γの産生を誘導する蛋白質 - Google Patents

インターフェロン−γの産生を誘導する蛋白質

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JP3109018B2
JP3109018B2 JP06184162A JP18416294A JP3109018B2 JP 3109018 B2 JP3109018 B2 JP 3109018B2 JP 06184162 A JP06184162 A JP 06184162A JP 18416294 A JP18416294 A JP 18416294A JP 3109018 B2 JP3109018 B2 JP 3109018B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、免疫担当細胞において
インターフェロン−γ(以下、「IFN−γ」と略記す
る。)の産生を誘導する新規な蛋白質に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】IFN−γは、抗ウイルス作用、抗腫瘍
作用、免疫調節作用を有する蛋白質として知られ、抗原
やマイトジェンによる刺激を受けた免疫担当細胞が産生
すると云われている。これら生物作用ゆえに、IFN−
γはその発見当初より抗腫瘍剤としての実用化が鶴首さ
れ、現在では脳腫瘍を始めとする悪性腫瘍一般の治療剤
として精力的に臨床試験が進められている。現在入手し
得るIFN−γは免疫担当細胞が産生する天然型IFN
−γと、免疫担当細胞から採取したIFN−γをコード
するDNAを大腸菌に導入してなる形質転換体が産生す
る組換え型IFN−γに大別され、上記臨床試験におい
ては、これらのうちのいずれかが「外来IFN−γ」と
して投与されている。
【0003】このうち、天然型IFN−γは、通常、培
養株化した免疫担当細胞をIFN−γ誘導剤を含む培養
培地で培養し、その培養物を精製することにより製造さ
れる。この方法では、IFN−γ誘導剤の種類がIFN
−γの産生量や精製のし易さ、さらには、製品の安全性
等に多大の影響を及ぼすと云われており、通常、コンカ
ナバリンA、レンズ豆レクチン、アメリカヤマゴボウレ
クチン、エンドトキシン、リポ多糖などのマイトジェン
が頻用される。しかしながら、これら物質は、いずれも
分子に多様性があり、給源や精製方法に依って品質が変
動し易く、誘導能の一定したIFN−γ誘導剤を所望量
入手し難いという問題がある。くわえて、上記物質の多
くは生体に投与すると顕著な副作用を示したり、物質に
依っては毒性を示すものすらあり、生体に直接投与して
IFN−γの産生を誘導するのが極めて困難であった。
【0004】
【発明により解決すべき課題】斯かる状況に鑑み、この
発明の目的は、免疫担当細胞においてIFN−γの産生
を誘導する新規な蛋白質を提供することにある。
【0005】この発明の別の目的は、斯かる蛋白質をコ
ードするDNAを提供することにある。
【0006】この発明のさらに別の目的は、斯かるDN
Aと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な組
換えDNAを提供することにある。
【0007】この発明のさらに別の目的は、斯かる組換
えDNAを適宜宿主に導入してなる形質転換体を提供す
ることにある。
【0008】この発明のさらに別の目的は、組換えDN
A技術を応用した当該蛋白質の製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記第一の
課題を、下記の理化学的性質を有する蛋白質により解決
するものである。 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾
過法で測定すると、分子量19,000±5,000ダ
ルトンを示す。 (2) 等電点 クロマトフォーカシング法で測定すると、4.8±1.
0に等電点を示す。 (3) 部分アミノ酸配列 配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配
列を有する。 (4) 生物作用 免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する。
【0010】この発明は、上記第二の課題を、斯かる蛋
白質をコードするDNAにより解決するものである。
【0011】この発明は、上記第三の課題を、斯かるD
NAと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な
組換えDNAにより解決するものである。
【0012】この発明は、上記第四の課題を、斯かるD
NAと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な
組換えDNAを適宜宿主に導入してなる形質転換体によ
り解決するものである。
【0013】この発明は、上記第五の課題を、当該蛋白
質を産生し得る形質転換体を栄養培地で培養し、産生し
た蛋白質を培養物から採取してなる蛋白質の製造方法に
より解決するものである。
【0014】
【作用】この発明の蛋白質は、上記したごとく、従来公
知の蛋白質には見られない独特の理化学的性質を具備し
ており、免疫担当細胞に作用させると、IFN−γの産
生を誘導する。
【0015】この発明のDNAは、自律複製可能な適宜
ベクターに挿入して組換えDNAとし、この組換えDN
Aを、本来、当該蛋白質を産生しないけれども、容易に
増殖させることのできる宿主に導入して形質転換体とす
ることにより、当該蛋白質の産生を発現する。
【0016】この発明の複製可能な組換えDNAは、本
来、当該蛋白質を産生しないけれども、容易に増殖させ
ることのできる宿主に導入して形質転換体とすることに
より、当該蛋白質の産生を発現する。
【0017】この発明の形質転換体は、培養すると、当
該蛋白質を産生する。
【0018】斯かる形質転換体をこの発明の製造方法に
したがって培養すれば、所望量の蛋白質が比較的容易に
得られる。
【0019】以下、実施例、実験例等に基づきこの発明
を説明するに、この発明は、免疫担当細胞においてIF
N−γの産生を誘導する新規な蛋白質の発見に基づくも
のである。本発明者が、哺乳類由来の細胞が産生するサ
イトカイン類につき研究していたところ、マウスの肝臓
中にIFN−γの産生を誘導する従来未知の全く新規な
物質が存在することを見出した。カラムクロマトグラフ
ィーを中心とする種々の精製方法を組合せてこの物質を
単離し、その性質・性状を調べたところ、その本質は蛋
白質であり、次のような理化学的性質を有するものであ
ることが判明した。 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾
過法で測定すると、分子量19,000±5,000ダ
ルトンを示す。 (2) 等電点 クロマトフォーカシング法で測定すると、4.8±1.
0に等電点を示す。 (3) 部分アミノ酸配列 配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配
列を有する。 (4) 生物作用 免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する。
【0020】次に、これら理化学的性質を解明するに到
った一連の実験について説明する。
【0021】
【実験例1 精製蛋白質の調製】8週齢の雌CD−1マ
ウス600匹の腹腔内にコリネバクテリウム・パルバム
(ATCC11827)を60℃で1時間加熱して調製
した死菌体を1mg/匹注射投与し、通常一般の方法で
7日間飼育後、静脈内に大腸菌由来の精製リポ多糖を1
μg/匹注射投与した。1乃至2時間後、頸椎を脱臼さ
せてマウスを屠殺し、心臓採血後、肝臓を摘出し、8倍
容の50mM燐酸緩衝液(pH7.3)中、ホモゲナイ
ザーにより破砕して抽出した。抽出物を約8,000r
pmで20分間遠心分離し、得られた上清約9lに飽和
硫酸アンモニウムを含む50mM燐酸緩衝液(pH7.
3)を硫酸アンモニウムが45%飽和になるように加
え、4℃で18時間静置後、約8,000rpmで30
分間遠心分離して当該蛋白質を含む上清約19lを得
た。
【0022】この上清を予め1M硫酸アンモニウムを含
む50mM燐酸緩衝液(pH7.3)で平衡化させてお
いたファルマシア製『フェニルセファロース』約4.6
lのカラムに負荷し、カラムを新鮮な同一緩衝液で洗浄
後、1Mから0.2Mに下降する硫酸アンモニウムの濃
度勾配下、50mM燐酸緩衝液(pH7.3)をSV
0.57で通液した。硫酸アンモニウム濃度が0.8M
付近のときに溶出した当該蛋白質を含む画分約4.8l
を採取し、膜濃縮し、20mM燐酸緩衝液(pH6.
5)に対して4℃で18時間透析後、予め20mM燐酸
緩衝液(pH6.5)で平衡化させておいたファルマシ
ア製『DEAE−セファロース』約250mlのカラム
に負荷した。カラムを新鮮な同一緩衝液で洗浄後、0M
から0.2Mに上昇する塩化ナトリウムの濃度勾配下、
カラムに20mM燐酸緩衝液(pH6.5)をSV1.
2で通液したところ、当該蛋白質が0.13M付近の塩
化ナトリウム濃度で溶出した。
【0023】当該蛋白質を含む溶出液約260mlを採
取し、濃縮し、25mMビス−トリス緩衝液(pH7.
1)に対して4℃で18時間透析後、予め新鮮な同一の
緩衝液で平衡化させておいたファルマシア製『Mono
−P』約24mlのカラムに負荷し、pH7からpH4
に下降するpH勾配下、カラムに10%(v/v)ポリ
バッファー74(pH4.0)を通液したところ、pH
が約4.8のときに当該蛋白質が溶出した。当該蛋白質
を含む溶出液約23mlを採取し、濃縮し、予め7mM
燐酸水素二ナトリウム、3mM燐酸二水素ナトリウム及
び139mM塩化ナトリウムからなる混液(pH7.
2)で平衡化させておいたファルマシア製『スーパーデ
ックス 75』のカラムに負荷し、新鮮な同一混液を通
液してゲル濾過クロマトグラフィーしたところ、分子量
19,000ダルトン付近に当該蛋白質が溶出した。当
該蛋白質を含む画分を採取し、濃縮して下記の実験例2
に供した。収量は、マウス1匹当たり約0.6μgであ
った。
【0024】
【実験例2 蛋白質の理化学的性質】
【0025】
【実験例2−1 分子量】実験例1で調製した精製蛋白
質をユー・ケー・レムリが『ネーチャー』、第227
巻、第680〜685頁(1970年)に報告している
方法に準じ、還元剤の非存在下でSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動したところ、分子量19,000±
5,000ダルトンに相当する位置にIFN−γ誘導能
ある主たるバンドが観察された。なお、このときの分子
量マーカは、ウシ血清アルブミン(67,000ダルト
ン)、オボアルブミン(45,000ダルトン)、大豆
トリプシンインヒビター(20,100ダルトン)及び
α−ラクトアルブミン(14,400ダルトン)であっ
た。
【0026】
【実験例2−2 等電点】精製蛋白質を常法にしたがっ
てクロマトフォーカシングしたところ、4.8±1.0
に等電点を示した。
【0027】
【実験例2−3 部分アミノ酸配列】実験例1で調製し
た精製蛋白質を含む水溶液の一部をとり、約50μlま
で濃縮した。濃縮物に3%(w/v)SDS、60%
(v/v)グリセロール及びジチオトレイトール60m
g/mlからなる混液25μlを加え、50℃で30分
間インキュベート後、15%(w/v)ポリアクリルア
ミドゲル上に移し、常法にしたがって電気泳動した。そ
の後、ゲルを0.1%(w/v)クーマシーブリリアン
トブルーR250を含む50%(v/v)水性メタノー
ルと10%(v/v)酢酸水溶液の混液に浸漬して染色
し、12%(v/v)水性メタノールと7%(v/v)
酢酸水溶液の混液で繰返し濯いで脱色し、蒸留水中に1
8時間浸漬して洗浄後、ゲルよりクーマシーブリリアン
トブルー染色された当該蛋白質を含む部分を切出し、凍
結乾燥した。
【0028】次に、乾燥ゲルをシグマ製『TPCKトリ
プシン』2μg/mlを含む100mM炭酸水素ナトリ
ウム、0.5mM塩化カルシウム及び0.02%(v/
v)Tween 20水溶液からなる混液0.6mlに
浸漬し、37℃で18時間インキュベートして蛋白質を
トリプシン消化した。そして、消化物を遠心分離して上
清を採取する一方、沈澱部を0.001%(v/v)T
ween 20を含む1%(v/v)水性トリフルオロ
酢酸1mlに浸漬し、室温下で4時間振盪後、遠心分離
し上清を採取した。新たに生じた沈澱を0.001%
(v/v)Tween 20を含む70%(v/v)水
性トリフルオロ酢酸、0.001%(v/v)Twee
n 20を含む50%(v/v)水性トリフルオロ酢酸
及び50%(v/v)水性アセトニトリルの順序で上記
と同様に処理し、得られた上清と上記で得られた上清を
プールし、250μlまで濃縮後、遠心濾過した。
【0029】斯くして得られたペプチド断片を含む水溶
液を、予め0.1%(v/v)水性トリフルオロ酢酸で
平衡化させておいた東ソー製高速液体クロマトグラフィ
ー用カラム『HPLC ODS−120T』に負荷し、
カラムを0.1%(v/v)水性トリフルオロ酢酸で洗
浄後、溶出液中のペプチド濃度を吸光光度計により21
4nm及び280nmの波長下でモニタしながら、0%
(v/v)から70%(v/v)に上昇する水性アセト
ニトリルの濃度勾配下、カラムに0.1%(v/v)ト
リフルオロ酢酸を0.5ml/分の流速で通液した。そ
して、通液開始から約75分後又は約55分後に溶出し
た画分(以下、それぞれ『ペプチド断片A』又は『ペプ
チド断片B』と云う。)を別々に採取した。このときの
溶出パターンを図1に示す。
【0030】パーキン・エルマー製プロテイン・シーケ
ンサ『473A型』を使用し、常法にしたがってこれら
ペプチド断片A及びBのアミノ酸配列を調べたところ、
それぞれ、配列表における配列番号1又は2に示すアミ
ノ酸配列を有していた。
【0031】
【実験例2−4 生物作用】
【0032】
【実験例2−4(a) 免疫担当細胞におけるIFN−
γ産生の誘導】8週齢の雌BDF1マウスから脾臓を摘
出し、血清無含有のRPMI1640培地(pH7.
4)中で分散し、新鮮な同一培地で洗浄後、ゲイ緩衝液
(pH8.0)中に浸漬して溶血させた。得られた脾細
胞を10%(v/v)牛胎児血清を補足したRPMI1
640培地(pH7.4)に細胞密度1×107個/m
lになるように懸濁した後、和光純薬工業製細胞分離用
ナイロンウールカラムに負荷し、5%CO2インキュベ
ータ中、37℃で1時間インキュベートした。その後、
カラムに10%(v/v)牛胎児血清を補足したRPM
I1640培地(pH7.4)を通液してT細胞を採取
し、新鮮な同一培地で洗浄し、下記のIFN−γ誘導試
験に供した。
【0033】細胞密度1×107個/mlになるように
RPMI1640培地(pH7.4)に浮遊させたマウ
スT細胞を96ウエルマイクロプレート上に0.15m
lずつとり、精製蛋白質を10%(v/v)牛胎児血清
を補足したRPMI1640培地(pH7.4)で適宜
希釈して0.05ml加えた後、0.5μg/mlコン
カナバリンAの存在下又は非存在下で5%CO2インキ
ュベータ中、37℃で24時間培養した。その後、各ウ
エルから培養上清を0.1mlずつ採取し、産生したI
FN−γを通常の酵素免疫測定法により測定した。同時
に、精製蛋白質を省略した以外は同一の系を設け、これ
を上記と同様に処置して対照とした。なお、IFN−γ
の標準品には、米国国立公衆衛生研究所から入手した標
準マウスIFN−γ(Gg02−901−533)を使
用し、国際単位(IU)に換算して表示した。
【0034】その結果、対照系において有意なIFN−
γの産生が認められなかったのに対して、精製蛋白質を
加えた系では顕著なIFN−γの産生が認められ、0.
02乃至10μg/mlの用量で、コンカナバリンAの
非存在下でマウスT細胞1×106個当たり約2乃至2
00IU、コンカナバリンAの存在下で約2乃至2,0
00IUのIFN−γが産生していた。このことは、当
該蛋白質に免疫担当細胞におけるIFN−γの産生を誘
導する作用のあることを裏付けている。
【0035】なお、この発明を通じて当該蛋白質の1単
位とは、コンカナバリンAの存在下で上記のとおり試験
したときに、IFN−γを160IU誘導する蛋白質の
量と定義する。
【0036】
【実験例2−4(b) キラー細胞の細胞障害性増強】
100μg/mlカナマイシン、5×10-5M 2−メ
ルカプトエタノール及び10%(v/v)牛胎児血清を
含むRPMI1640培地(pH7.2)に実験例2−
4(a)と同様に調製したマウス脾細胞を細胞密度1×
107個/mlになるように浮遊させ、組換え型ヒトイ
ンターロイキン2を0、1、5又は10u/ml加えた
後、25ml容培養フラスコに収容した。培養フラスコ
内の細胞浮遊液に精製蛋白質を0、0.8、4、20又
は100単位/ml加え、5%CO2インキュベータ
中、37℃で72時間培養し、新鮮なRPMI1640
培地(pH7.2)で洗浄後、脾細胞を予め放射性クロ
ム酸ナトリウムで標識したYAC−1細胞(ATCC
TIB160)とともに効果細胞/標的細胞比20:1
又は40:1の割合で新鮮なRPMI1640培地(p
H7.2)に浮遊させた。細胞浮遊液を96ウェルマイ
クロプレートにとり、5%CO2インキュベータ中、3
7℃で4時間培養し、培養上清中の51Crによる放射能
をガンマカウンタにより測定した。結果を表1に示す。
【0037】表1の結果は、この発明の蛋白質にキラー
細胞による細胞障害性を有意に増強する性質があり、し
かも、その性質がインターロイキン2により顕著に増強
されることを示している。
【0038】
【表1】
【0039】以上のような理化学的性質を有する蛋白質
は未だ知られておらず、新規物質であると判断される。
そこで、本発明者が、マウス肝細胞からmRNAを単離
し、これを鋳型に前記実験例2−3で明らかにした部分
アミノ酸配列に基づき化学合成したプライマーの存在下
でRT−PCR反応させて当該蛋白質を部分コードする
DNA断片を採取し、これをプローブにして上記mRN
Aから別途作製したcDNAライブラリーを鋭意検索し
た結果、471塩基対からなる、配列表における配列番
号4に示す5´末端からの塩基配列のDNA断片が得ら
れた。この塩基配列を解読したところ、当該蛋白質は、
157個のアミノ酸からなる、配列表における配列番号
3に示すN末端からのアミノ酸配列を有していることが
判明した。なお、配列表における配列番号3において、
符合「Xaa」を付して示したアミノ酸は、メチオニン
又はトレオニンを意味するものとする。
【0040】配列表における配列番号3及び4に示すア
ミノ酸配列及び塩基配列を解明するに到った一連の操作
を要約すると、次のようになる。 (1) クロマトグラフィーを中心とする種々の精製方
法を組合せてマウス肝細胞から当該蛋白質を単離し、高
度に精製した。 (2) 精製蛋白質をトリプシンで消化し、消化物から
2種類のペプチド断片を単離し、そのアミノ酸配列を決
定した。 (3) マウス肝細胞からmRNAを採取し、これを鋳
型に上記部分アミノ酸配列に基づき化学合成したオリゴ
ヌクレオチドのプライマーの存在下でRT−PCR反応
させてDNA断片を調製する一方、それら部分アミノ酸
配列に基づき別途化学合成したオリゴヌクレオチドをプ
ローブにしてそれらDNA断片を検索し、当該蛋白質を
部分コードするDNA断片を採取した。 (4) 別途、前記mRNAを鋳型にcDNAライブラ
リーを作製し、これに上記で調製したDNA断片をプロ
ーブにしてハイブリダイズさせ、顕著な会合を示す形質
転換体を採取した。 (5) 形質転換体からcDNAを採取し、その塩基配
列を決定し、解読するとともに、解読したアミノ酸配列
と前記部分アミノ酸配列を比較して、その塩基配列が当
該蛋白質をコードしていることを確認した。
【0041】次の実験例3では、上記の工程(3)乃至
(5)を中心に具体的に説明するが、本例で用いた手法
自体は斯界において公知であり、例えば、ティー・マニ
ャティス等『モレキュラー・クローニング・ア・ラボラ
トリー・マニュアル』、1989年、コールド・スプリ
ング・ハーバー発行や、村松正実『ラボマニュアル遺伝
子工学』、1988年、丸善出版発行などにも詳述され
ている。
【0042】
【実験例3 DNAの塩基配列と蛋白質のアミノ酸配
列】
【0043】
【実験例3−1 全RNAの調製】実験例1と同様にし
て調製したマウス肝細胞を湿重で3gとり、これを6M
グアニジンイソチオシアナート、10mMクエン酸ナト
リウム及び0.5%(w/v)SDSからなる混液(p
H7.0)20mlに浸漬し、ホモゲナイザーで破砕し
た。次に、常法にしたがって、35ml容遠心管に5.
7M塩化セシウムを含む0.1M EDTA(pH7.
5)を25ml注入し、その上部に細胞破砕物を10m
l重層し、この状態で20℃、25,000rpmで2
0時間超遠心分離後、RNA画分を採取した。このRN
A画分を15ml容遠心管にとり、等容量のクロロホル
ム/イソブタノール混液(4:1)を加え、5分間振盪
し、4℃、10,000rpmで10分間遠心分離した
後、水層部を採取し、2.5倍容のエタノールを加え、
−20℃で2時間静置して全RNAを沈澱させた。この
沈澱を採取し、75%(v/v)水性エタノールで洗浄
後、滅菌蒸留水0.5mlに溶解して下記の実験に供し
た。なお、全RNAの収量は約4mgであった。
【0044】
【実験例3−2 蛋白質を部分コードするDNA断片の
調製】実験例3−1で得た全RNA 1μgに25mM
塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液(10
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.3)、500mM
塩化カリウム)を2μl、1mM dNTPミックスを
8μl、1単位/μlのRNaseインヒビターを1μ
l、2.5単位/μlの逆転写酵素を1μl及び2.5
μMランダムヘキサマーを1μl加え、滅菌蒸留水で2
0μlとした。混合物を0.5ml容反応管にとり、常
法にしたがって25℃で10分間、42℃で30分間、
99℃で5分間、5℃で5分間インキュベートして逆転
写酵素反応させ、第一ストランドcDNAを含む水溶液
を得た。
【0045】この第一ストランドcDNA水溶液20μ
lに25mM塩化マグネシウムを4μl、10×PCR
緩衝液を8μl、2.5単位/μlアンプリタックDN
Aポリメラーゼを0.5μl、さらに、センスプライマ
ー又はアンチセンスプライマーとしてプライマー1及び
プライマー2をそれぞれ1pmolずつ加え、滅菌蒸留
水で100μlとした。そして、常法により、混合物を
94℃で1分間、45℃で2分間、72℃で3分間の順
序でインキュベートするサイクルを40回繰返して反応
させ、第一ストランドcDNAを鋳型に当該蛋白質を部
分コードするDNA断片を増幅した。なお、プライマー
1及びプライマー2は、配列表の配列番号1及び2にお
けるPro−Glu−Asn−Ile−Asp−Asp
−Ile又はPhe−Glu−Asp−Met−Thr
−Asp−Ileで表わされるアミノ酸配列に基づき化
学合成したオリゴヌクレオチドであり、それぞれ、5´
−ATRTCRTCDATRTTYTCNGG−3´又
は5´−TTYGARGAYATGACNGAYAT−
3´で表わされる塩基配列を有していた。
【0046】このようにして得たPCR産物の一部をと
り、常法により2%(w/v)アガロースゲル上で電気
泳動して分画し、ナイロン膜上に移し取り、0.4N水
酸化ナトリウムで固定し、2×SSCで洗浄し、風乾
後、5×SSPE、5×デンハルト液、0.5%(w/
v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNAを
含むプレハイブリダイゼーション混液に浸漬し、65℃
で3時間インキュベートした。別途、プローブ1とし
て、配列表の配列番号1におけるPhe−Glu−Gl
u−Met−Asp−Proで表わされるアミノ酸配列
に基づき5´−TTYGARGARATGGAYCC−
3´で表わされる塩基配列のオリゴヌクレオチドを化学
合成し、[γ−32P]ATPとT4ポリヌクレオチドキ
ナーゼにより同位体標識した。このプローブ1を1pm
olとり、これと5×SSPE、5×デンハルト液、
0.5%(w/v)SDS及び100μg/ml変性サ
ケ精子DNAを含む混液にナイロン膜を浸漬し、45℃
で24時間インキュベートしてハイブリダイズさせた。
ナイロン膜を6×SSCで洗浄し、常法によりオートラ
ジオグラフィーしたところ、目的とするDNA断片がP
CR産物に含まれていた。
【0047】次に、残りのPCR産物に宝酒造製プラス
ミドベクター『pT7ブルーT』を50ngと適量のT
4 DNAリガーゼを加え、さらに、100mM AT
Pを最終濃度1mMまで加えた後、16℃で18時間イ
ンキュベートしてプラスミドベクターにDNA断片を挿
入し、得られた組換えDNAをコンピテントセル法によ
りファルマシア製大腸菌『NoVa Blue』株に導
入して形質転換体とした。得られた形質転換体を10g
/lバクトトリプトン、2.5g/l塩化ナトリウム、
15g/lバクトアガー、100mg/lアンピシリ
ン、40mg/lX−Gal及び23.8mg/lイソ
プロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(以下、
「IPTG」と略記する。)を含むプレート培地に植菌
し、37℃で24時間培養してコロニーを形成させた。
常法にしたがって、プレート培地にナイロン膜を載置
し、約30秒間静置してコロニーを移取った後、ナイロ
ン膜を剥離し、0.5N水酸化ナトリウム及び1.5M
塩化ナトリウムを含む混液に7分間浸漬して溶菌した。
その後、ナイロン膜を1.5M塩化ナトリウムを含む
0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)に3分間浸
漬し、2×SSCで洗浄し、0.4N水酸化ナトリウム
に20分間浸漬して固定し、5×SSCでさらに洗浄
し、風乾後、5×SSPE、5×デンハルト液、0.5
%(w/v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子
DNAを含むプレハイブリダイゼーション混液に浸漬
し、65℃で3時間インキュベートした。その後、常法
にしたがってナイロン膜にプローブ1をハイブリダイズ
させ、6×SSCで洗浄後、前記と同様にオートラジオ
グラフィーし、プローブ1と顕著な会合を示した形質転
換体をプレート培地から採取した。
【0048】この形質転換体をアンピシリン100μg
/mlを含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、
37℃で18時間培養後、培養物から菌体を採取し、通
常のアルカリ−SDS法により組換えDNAを採取し
た。ジデオキシ法により調べたところ、この組換えDN
Aは配列表の配列番号4に示す塩基配列における第85
乃至281番目に相当する塩基配列のDNA断片を含ん
でいた。
【0049】
【実験例3−3 mRNAの調製】実験例3−1で得た
全RNAを含む水溶液を0.05mlとり、これに1m
MEDTAと0.1%(w/v)SDSを含む10mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を0.5ml加え、
滅菌蒸留水で全量を1mlとした。混合物に日本ロシュ
製オリゴd(T)30ラテックス『オリゴテックス−d
T30スーパー』を1ml加え、65℃で5分間加熱し
て変性させた後、直ちに氷浴中で3分間冷却した。その
後、5M塩化ナトリウムを0.2ml加え、37℃で1
0分間インキュベートし、25℃、10,000rpm
で10分間遠心分離し、上清を除いて得られたペレット
状の沈澱に滅菌蒸留水0.5mlを加えて懸濁させ、6
5℃で5分間インキュベートしてオリゴテックスからm
RNAを溶出させた。回収したmRNAは約5μgであ
った。
【0050】
【実験例3−4 cDNAライブラリーの作製】アマシ
ャム製cDNAクローニングキット『cDNA合成シス
テム・プラス』を使用し、実験例3−3で調製したmR
NAからcDNAライブラリーを作製した。すなわち、
1.5ml容反応管に第一ストランドcDNA合成用溶
液4μl、ピロリン酸ナトリウム溶液1μl、ヒト胎盤
リボヌクレアーゼインヒビター溶液1μl、デオキシヌ
クレオチド三燐酸混合液2μl及びオリゴdTプライマ
ー溶液1μlをこの順序で加え、さらに、実験例3−3
で得たmRNAを2μg加えた後、滅菌蒸留水で19μ
lとした。混合物に逆転写酵素20単位を含む溶液1μ
lを加え、42℃で40分間インキュベートして第一ス
トランドcDNAを含む反応物を得た。
【0051】反応物に第二ストランドcDNA合成用溶
液を37.5μl、大腸菌由来のリボヌクレアーゼHを
0.8単位、DNAポリメラーゼIを23単位この順序
で加え、滅菌蒸留水で100μlとした後、12℃で6
0分間、22℃で60分間インキュベートし、T4 D
NAポリメラーゼを2単位加え、37℃でさらに10分
間インキュベートして第二ストランドcDNAを含む反
応物を得た。反応物に0.25M EDTA(pH8.
0)を4μl加えて反応を停止させた後、常法によりフ
ェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させて
cDNAを採取した。
【0052】このようにして得たcDNAにL/K緩衝
液を2μl、Eco RIアダプターを250ピコモ
ル、T4 DNAリガーゼを2.5単位この順序で加
え、滅菌蒸留水で20μlとした後、15℃で16時間
インキュベートしてcDNA両端にEco RIアダプ
ターを連結した。反応物に0.25M EDTAを2μ
l加えて酵素を失活させ、常法により分子篩クロマトグ
ラフィーにより未反応のEco RIアダプターを除去
し、L/K緩衝液を40μlとT4ポリヌクレオチドキ
ナーゼを80単位加え、滅菌蒸留水で全量400μlと
し、37℃で30分間インキュベートしてEco RI
切断部位をメチル化した後、反応物をフェノール/クロ
ロホルム抽出及びエタノール沈澱してDNAを採取し
た。DNAに適量のλgt10アームを含むL/K緩衝
液を1.5μlとT4 DNAリガーゼを2.5単位加
え、滅菌蒸留水で全量15μlとし、15℃で16時間
インキュベートしてライゲートした後、通常の生体外パ
ッケージングを適用して組換えλDNAを含むファージ
を得た。
【0053】
【実験例3−5 組換えDNAのクローニング】アマシ
ャム製大腸菌NM514株に実験例3−4で調製したフ
ァージを常法により感染させた後、10g/lバクトト
リプトン、5g/lバクトイーストエキストラクト、1
0g/l塩化ナトリウム及び15g/lバクトアガーを
含む寒天培地(pH7.0)に植菌し、37℃で6時間
培養してプラークを形成させた。寒天培地にナイロン膜
を載置し、約30秒間静置してプラークをナイロン膜上
に移取った後、ナイロン膜を剥離し、先ず、0.5M水
酸化ナトリウムと1.5M塩化ナトリウムを含む水溶液
に2分間、次に、1.5M塩化ナトリウムを含む0.5
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)に5分間浸漬し
た。ナイロン膜を5×SSCで濯ぎ、風乾後、5×SS
PE、5×デンハルト溶液、0.5%(w/v)SDS
及び変性サケ精子DNAを100μg/ml含む混液に
浸漬し、65℃で3時間インキュベートした。その後、
ナイロン膜をアマシャム製DNA標識キット『レディ・
プライムDNA標識システム』を用いて32P標識した
実験例3−2で得たプローブ2としてのDNA断片の適
量と5×SSPE、5×デンハルト溶液、0.5%(w
/v)SDS及び変性サケ精子DNAを100μg/m
l含む混液中、60℃で20時間インキュベートしてハ
イブリダイズさせ、以後、前記と同様にオートラジオグ
ラフィーして、プローブ2に顕著な会合を示したファー
ジDNAクローンを採取した。
【0054】常法にしたがってこのクローンを大腸菌中
で増幅し、菌体から組換えDNAを抽出した。組換えD
NAを制限酵素Eco RIで切断する一方、プラスミ
ドベクターpUC19(ATCC37254)を同じ制
限酵素で切断し、得られたDNA断片とプラスミド断片
を常法によりDNAリガーゼで連結して組換えDNAと
した。そして、この組換えDNAを通常のコンピテント
セル法により大腸菌JM109株(ATCC5332
3)に導入し、形質転換体を得た。
【0055】
【実験例3−6 塩基配列とアミノ酸配列の決定】実験
例3−5で調製した形質転換体をL−ブロス培地(pH
7.2)に植菌し、37℃で18時間振盪培養した。培
養物から形質転換体を採取し、通常のアルカリ−SDS
法により処理してこの発明のDNAを含む組換えDNA
を得た。蛍光光度計を使用する自動シーケンサにより分
析したところ、この組換えDNAは配列表における配列
番号5に示す5´末端からの塩基配列を含んでおり、そ
の塩基配列を解読したところ、同じく配列番号5に示す
N末端からのアミノ酸配列をコードしていることが示唆
された。このアミノ酸配列においては、その第79乃至
103番目又は第26乃至43番目に配列表における配
列番号1及び2に示す部分アミノ酸配列が含まれてお
り、このことは、この発明の蛋白質が配列表における配
列番号3に示すN末端からのアミノ酸配列を有すること
あり、マウス肝臓においては、当該蛋白質が配列表にお
ける配列番号4に示す5´末端からの塩基配列を有する
DNAによりコードされていることを示している。
【0056】以上説明したように、免疫担当細胞におい
てIFN−γの産生を誘導する蛋白質は、本発明者の長
年に亙る研究の一成果として見出されたものであり、従
来公知の蛋白質には見られない独特の理化学的性質を具
備している。この発明は、組換えDNA技術を応用する
ことにより、この蛋白質を創製しようというものであ
る。以下、実施例等を参照しながら、この発明の蛋白質
とその製造方法等につき、具体的に説明する。
【0057】この発明でいう蛋白質とは、特定の理化学
的性質を具備する、天然由来の蛋白質及び組換えDNA
技術により創製された蛋白質全般を意味する。この発明
の蛋白質は、通常、一部又は全部が解明されたアミノ酸
配列を有しており、その一例として、例えば、配列表に
おける配列番号3に示すN末端からのアミノ酸配列かそ
れに相同的なアミノ酸配列が挙げられる。配列番号3の
アミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を有する変異体
は、所期の生物作用を実質的に変えることなく、配列番
号3のアミノ酸配列におけるアミノ酸の1個又は2個以
上を他のアミノ酸で置換することにより得ることができ
る。なお、同じDNAであっても、それを導入する宿主
や、そのDNAを含む形質転換体の培養に使用する栄養
培地の成分・組成、培養温度・pHなどに依っては、宿
主内酵素によるDNA発現後の修飾などにより、所期の
生物作用を保持しているものの、配列番号3のアミノ酸
配列におけるN末端付近のアミノ酸が1個又は2個以上
欠失したり、N末端に1個又は2個以上のアミノ酸が新
たに付加した変異体の産生することがある。斯かる変異
体も、それが免疫担当細胞においてIFN−γの産生を
誘導するかぎり、当然、この発明の蛋白質に包含され
る。
【0058】この発明の蛋白質は、それをコードするD
NAを含む形質転換体を栄養培地で培養し、産生した蛋
白質を培養物から採取することにより製造することがで
きる。この発明で使用する形質転換体は、例えば、配列
表における配列番号4に示す5´末端からの塩基配列若
しくはそれに相同的な塩基配列又はそれらに相補的な塩
基配列のDNAを適宜宿主に導入することにより得るこ
とができる。なお、上記塩基配列は、遺伝子の縮重を利
用して、コードするアミノ酸配列を変えることなく、塩
基の1個又は2個以上を他の塩基で置き換えてもよい。
また、DNAが宿主中で実際に当該蛋白質の産生を発現
するために、当該蛋白質又はその相同変異体をコードす
る塩基配列における塩基の1個又は2個以上を他の塩基
で適宜置換し得ることは云うまでもない。
【0059】この発明で使用するDNAは、それが前述
のような配列を有するかぎり、それが天然に由来するも
のか人為的に合成されたものであるかは問わない。天然
の給源としては、例えば、マウスの肝臓が挙げられ、そ
の細胞からはこの発明のDNAを含む遺伝子が得られ
る。すなわち、例えば、コリネバクテリウム・パルバ
ム、BCG、マイトジェン、リポ多糖などの細網内皮系
刺激物質で刺激しておいたマウスから肝臓を摘出し、破
砕後、全RNAを単離する。この全RNAをオリゴ(d
T)セルロース、オリゴ(dT)ラテックスなどで処理
してポリ(A)+RNAとした後、蔗糖濃度勾配などに
より分画してmRNAを単離する。このmRNAを鋳型
に逆転写酵素とポリメラーゼを作用させて二重鎖cDN
Aとし、これを自律複製可能な適宜ベクターに挿入し、
得られた組換えDNAを大腸菌などの適宜宿主に導入し
て形質転換体とする。この形質転換体を栄養培地で培養
し、培養物にコロニーハイブリダイゼーション法を適用
してこの発明の蛋白質をコードするDNAを含む形質転
換体を採取する。斯くして得られた形質転換体を通常一
般の方法により処理すれば、この発明のDNAが得られ
る。一方、この発明のDNAを人為的に合成するには、
例えば、配列表における配列番号4に示す塩基配列に基
づいて化学合成するか、配列表における配列番号3に示
すアミノ酸配列をコードするDNAを自律複製可能な適
宜ベクターに挿入して組換えDNAとし、これを適宜宿
主に導入して得られる形質転換体を培養し、培養物から
菌体を分離し、その菌体から当該DNAを含むプラスミ
ドを採取すればよい。
【0060】斯かるDNAは、通常、組換えDNAの形
態で宿主に導入される。組換えDNAは、通常、DNA
と自律複製可能なベクターを含んでなり、DNAが入手
できれば、通常一般の組換えDNA技術により比較的容
易に調製することができる。斯かるベクターの例として
は、例えば、pKK223−2、pGEX−2T、pR
L−λ、pBTrp2 DNA、pUB110、YEp
13、Tiプラスミド、Riプラスミド、pBI121
などのプラスミドベクターが挙げられ、このうち、この
発明のDNAを大腸菌、枯草菌、酵母などの原核生物で
発現させるにはpKK223−2、pGEX−2T、p
RL−λ、pBTrp2 DNA、pUB110、YE
p13が、また、動物由来の細胞で発現させるにはTi
プラスミド、Riプラスミド、pBI121が好適であ
る。
【0061】斯かるベクターにこの発明のDNAを挿入
するには、斯界において通常一般の方法が採用される。
具体的には、先ず、この発明のDNAを含む遺伝子と自
律複製可能なベクターとを制限酵素及び/又は超音波に
より切断し、次に、生成したDNA断片とベクター断片
とを連結する。遺伝子及びベクターの切断にヌクレオチ
ドに特異的に作用する制限酵素、とりわけ、II型の制
限酵素、詳細には、Sau 3AI、Eco RI、H
ind III、Bam HI、Sal I、Xba
I、Sac I、Pst Iなどを使用すれば、DNA
断片とベクター断片を連結するのが容易となる。DNA
断片とベクター断片を連結するには、必要に応じて、両
者をアニーリングした後、生体内又は生体外でDNAリ
ガーゼを作用させればよい。斯くして得られた組換えD
NAは、適宜宿主に導入して形質転換体とし、これを培
養することにより無限に複製可能である。
【0062】この発明による組換えDNAは、大腸菌、
枯草菌、放線菌、酵母を始めとする適宜の宿主に導入す
ることができる。宿主が大腸菌の場合には、宿主を組換
えDNAとカルシウムイオンの存在下で培養すればよ
く、一方、宿主が枯草菌の場合には、コンピテントセル
法やプロトプラスト法を適用すればよい。形質転換体を
クローニングするには、コロニーハイブリダイゼーショ
ン法を適用するか、栄養培地で培養し、免疫担当細胞に
おいてIFN−γの産生を誘導する蛋白質を産生するも
のを選択すればよい。
【0063】斯くして得られる形質転換体は、栄養培地
で培養すると、菌体又は細胞内外に当該蛋白質を産生す
る。栄養培地には、通常、炭素源、窒素源、ミネラル、
さらには、必要に応じて、アミノ酸やビタミンなどの微
量栄養素を補足した通常一般の液体培地が使用され、個
々の炭素源としては、澱粉、澱粉加水分解物、グルコー
ス、果糖、蔗糖などの糖質が、また、窒素源としては、
例えば、アンモニア又はアンモニウム塩、尿素、硝酸
塩、ペプトン、酵母エキス、脱脂大豆、コーンスティー
プリカー、肉エキスなどの含窒素無機乃至有機物が挙げ
られる。形質転換体を斯かる栄養培地に植菌し、栄養培
地を温度25乃至65℃、pH2乃至8に保ちつつ、通
気撹拌などによる好気的条件下で約1乃至10日間培養
すれば、当該蛋白質を含む培養物が得られる。この培養
物はIFN−γ誘導剤としてそのまま使用可能ではある
が、通常は使用に先立ち、必要に応じて、超音波や細胞
壁溶解酵素により菌体を破砕した後、濾過、遠心分離な
どにより当該蛋白質を菌体若しくは菌体破砕物から分離
し、精製する。精製には菌体又は菌体破砕物を除去した
培養物に、例えば、濃縮、塩析、透析、分別沈澱、ゲル
濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、クロマトフォーカシング、ゲル電気泳動、
等電点電気泳動などの生理活性物質を精製するための斯
界における通常一般の方法が採用でき、必要に応じて、
これら方法を適宜組合せればよい。そして、最終使用形
態に応じて、精製した蛋白質を濃縮・凍結乾燥して液状
若しくは固状にすればよい。
【0064】前述のとおり、この発明の蛋白質は、免疫
担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する性質を有
する。この性質により、この発明の蛋白質は、細胞培養
法によりIFN−γを製造の際の誘導剤として、さらに
は、IFN−γに感受性を有する、例えば、エイズや尖
圭コンジロムなどのウイルス性疾患、腎臓癌、肉芽腫、
菌状息肉症、脳腫瘍などの悪性腫瘍、関節リウマチやア
レルギー症などの免疫疾患に対する治療剤・予防剤とし
て有用である。
【0065】この発明の蛋白質は、通常、免疫担当細胞
を培養してIFN−γを製造するための培養培地に共存
させるか、IFN−γ感受性疾患の治療・予防のために
哺乳類の体内に直接投与される。すなわち、前者の用途
においては、哺乳類の末梢血から分離される白血球や、
例えば、HBL−38細胞、MO細胞、Jurkat細
胞、EL−4細胞、L12−R4細胞などの培養株化さ
れた免疫担当細胞をこの発明の蛋白質を含む適宜の培養
培地に浮遊させる。必要に応じて、培養培地にマイトジ
ェンやインターロイキン2、抗CD3抗体などのT細胞
刺激物質を加え、培養培地を温度約30乃至40℃、p
H約5乃至8に保ちつつ、培養培地を適宜新鮮なものと
取替えながら、通常一般の方法により約1乃至100時
間培養する。斯くして得られる培養物を生理活性物質を
精製するための通常一般の方法、すなわち、濃縮、塩
析、透析、分別沈澱、ゲル濾過クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォ
ーカシング、ゲル電気泳動、等電点電気泳動などの1種
若しくは2種以上を適宜組合せて適用することにより、
IFN−γを採取することができる。
【0066】一方、IFN−γ感受性疾患の治療・予防
のためには、哺乳類の体内にこの発明によるIFN−γ
誘導剤を直接投与すればよい。具体的には、この発明の
IFN−γ誘導剤を投与に適した適宜剤型に調製後、哺
乳類に経口投与するか、例えば、皮内、皮下、筋肉内、
静脈内又は腹腔内に注射投与する。この発明の蛋白質を
投与し得る哺乳類はヒトに限定されず、例えば、マウ
ス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、
ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サルなどの哺乳動物であっ
てもよい。この発明の蛋白質は強力なIFN−γ誘導能
を有することから、一般に少量で所期のIFN−γ産生
を誘導でき、また、毒性が極めて低いことから、多量投
与しても重篤な副作用を惹起することがない。したがっ
て、この発明の蛋白質は、使用に際して用量を厳密に管
理しなくても、所望のIFN−γ産生を迅速に誘導でき
る利点がある。
【0067】くわえて、この発明の蛋白質はキラー細胞
による細胞障害性を増強する性質が顕著なことから、イ
ンターロイキン2や腫瘍壊死因子と適宜併用することに
より、養子免疫療法による肺癌、腎臓癌、乳癌などの固
形癌を含む悪性腫瘍の治療における治療効果や副作用の
改善に顕著な効果を発揮する。
【0068】以下、形質転換体を用いるこの発明による
蛋白質の製造につき、実施例に基づいて具体的に説明す
る。
【0069】
【実施例1 複製可能な組換えDNAと形質転換体】宝
酒造製PCRキット『GeneAmp RNA PCR
Kit』を使用し、実験例3−1の方法により得た全
RNAから第一ストランドcDNAを調製した。すなわ
ち、0.5ml容反応管に25mM塩化マグネシウムを
4μl、10×PCR緩衝液を2μl、1mM dNT
Pミックスを8μl、1単位/μlのRNaseインヒ
ビターを1μl、2.5単位/μlの逆転写酵素を1μ
l、2.5μMランダムヘキサマーを1μl及び実験例
3−1の方法により得た全RNA 1μgをとり、滅菌
蒸留水で20μlとした。そして、混合物を25℃で1
0分間、42℃で30分間、99℃で5分間、5℃で5
分間この順序でインキュベートして第一ストランドcD
NA含む反応物を得た。
【0070】この反応物を20μlとり、これに25m
M塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液を8
μl、2.5単位/μlアンプリタックDNAポリメラ
ーゼを0.5μl、配列表の配列番号3におけるN末端
又はC末端付近のアミノ酸配列に基づき化学合成した5
´−CGAGGGATCGAACTTTGGCCGAC
TTC−3´又は5´−CGAGGAATTCCTAA
CTTTGATGTAAG−3´で表わされる塩基配列
のセンスプライマー及びアンチセンスプライマーの適量
を加え、滅菌蒸留水で100μlとした。次に、常法に
より、この混合物を94℃で1分間、55℃で2分間、
72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクル
を40回繰返し、得られたPCR産物を制限酵素Bam
HI及びEco RIで切断してBam HI−Ec
o RI DNA断片を得た。
【0071】このDNA断片を適量の滅菌蒸留水中に1
00ngとり、これに、予め制限酵素Bam HI及び
Eco RIで切断しておいたファルマシア製プラスミ
ドベクター『pGEX−2T』を10ng、適量のT4
DNAリガーゼ及び10mM ATPを最終濃度1m
Mになるように加えた後、16℃で18時間インキュベ
ートした。得られた組換えDNAをコンピテントセル法
により大腸菌DH5(ATCC53868)株に導入し
て形質転換体とし、これをアンピシリン50μg/ml
を含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、37℃
で18時間培養した後、通常のアルカリ−SDS法によ
り組換えDNAを抽出した。
【0072】この組換えDNAを『pMGTG−1』と
命名するとともに、その構造をジデオキシ法により調べ
たところ、図2に見られるように、このpMGTG−1
においては、配列表における配列番号4に示す塩基配列
のMGTG cDNAがTacプロモータ及びグルタチ
オンSトランスフェラーゼ遺伝子の下流に連結されてい
た。
【0073】
【実施例2 形質転換体による蛋白質の製造】実施例1
の方法で得た形質転換体をアンピシリン50μg/ml
を含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、振盪し
ながら37℃で18時間種培養した。種培養物を1%
(v/v)の割合で新鮮な18lの同一培地に植菌し、
37℃で通気撹拌培養した。そして、波長650nmに
おける培養物の吸光度が約0.6に達した時点でIPT
Gを最終濃度1mMまで加え、さらに5時間培養した。
その後、遠心分離により培養物から菌体を採取し、15
0mM塩化ナトリウム、16mM燐酸水素二ナトリウム
及び4mM燐酸二水素ナトリウムを含む混液(pH7.
3)に浮遊させ、常法により超音波処理後、菌体破砕物
を遠心分離し、上清を採取した。
【0074】この上清を予め150mM塩化ナトリウム
を含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平
衡化させておいたファルマシア製『グルタチオン・セフ
ァロース4B』カラムに負荷し、新鮮な同一緩衝液で洗
浄後、カラムに5mM還元型グルタチオンを含む50m
Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を通液して蛋白質
を溶出させた。次いで、蛋白質を含む画分に採取濃度が
2.5mMになるように塩化カルシウムを加えるととも
に、トロンビンを1,000単位加え、25℃で18時
間インキュベートし、反応物を予め150mM塩化ナト
リウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)で平衡化させておいたグルタチオン・セファロース
4Bカラムに通液して非吸着画分を採取した。その後、
この画分を濃縮し、凍結乾燥したところ、比活性約5×
105単位/mg蛋白質の当該蛋白質を含む固状物が培
養物1l当たり約3mgの収量で得られた。
【0075】実験例2と同様にしてこの精製蛋白質の理
化学的性質を調べたところ、この精製蛋白質は、SDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾過法に
より測定すると分子量19,000±5,000ダルト
ンを、また、クロマトフォーカシング法により測定する
と4.8±1.0に等電点を示した。さらに、実験例2
−4の方法により試験したところ、精製蛋白質は、コン
カナバリンAの非存在下及び存在下で免疫担当細胞にお
けるIFN−γ産生をよく誘導し、また、キラー細胞の
細胞障害性も顕著に増強した。これは、組換えDNA技
術によっても、当該蛋白質を製造し得ることを裏付ける
ものである。
【0076】
【発明の効果】この発明は、免疫担当細胞においてIF
N−γの産生を誘導する新規な蛋白質の発見に基づくも
のである。この発明の蛋白質は、通常、アミノ酸配列の
一部又は全部が解明された物質であり、免疫担当細胞に
おいて安定したIFN−γ誘導能を発揮する。これによ
り、この発明の蛋白質は、細胞培養法によりIFN−γ
を製造するためのIFN−γ誘導剤として、さらには、
IFN−γに感受性を有するウイルス性疾患、悪性腫
瘍、免疫疾患一般に対する治療剤・予防剤として多種多
様の用途を有することとなる。
【0077】この発明の蛋白質は強力なIFN−γ誘導
能を有することから、一般に少量で所期のIFN−γ産
生を誘導でき、また、毒性が極めて低いことから、多量
投与しても重篤な副作用を惹起することがない。したが
って、この発明の蛋白質は、使用に際して用量を厳密に
管理しなくても、所望のIFN−γ産生を迅速に誘導で
きる利点がある。くわえて、この発明の蛋白質はキラー
細胞による細胞障害性を増強する性質が顕著なことか
ら、インターロイキン2や腫瘍壊死因子と適宜併用する
ことにより、養子免疫療法による肺癌、腎臓癌、乳癌な
どの固形癌を含む悪性腫瘍の治療における治療効果や副
作用の改善に顕著な効果を発揮する。
【0078】斯くも有用なるこの発明の蛋白質は、これ
をコードするこの発明のDNAを利用することにより、
所望量を容易に製造することができる。
【0079】この発明は、斯くも顕著な作用効果を発揮
するものであり、斯界に貢献すること誠に多大な意義の
ある発明であると言える。
【0080】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Ile Ile Ser Phe Glu Glu Met Asp Pro Pro Glu Asn Ile Asp Asp Ile Gln 1 5 10 15 Ser Asp Leu Ile Phe Phe Gln Lys 20 25
【0081】配列番号:2 配列の長さ:18 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの種類:中間部フラグメント 配列 Gln Pro Val Phe Glu Asp Met Thr Asp Ile Asp Gln Ser Ala Ser Glu Pro 1 5 10 15 Gln
【0082】配列番号:3 配列の長さ:157 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Asn Phe Gly Arg Leu His Cys Thr Thr Ala Val Ile Arg Asn Ile Asn Asp 1 5 10 15 Gln Val Leu Phe Val Asp Lys Arg Gln Pro Val Phe Glu Asp Met Thr Asp 20 25 30 Ile Asp Gln Ser Ala Ser Glu Pro Gln Thr Arg Leu Ile Ile Tyr Met Tyr 35 40 45 50 Lys Asp Ser Glu Val Arg Gly Leu Ala Val Thr Leu Ser Val Lys Asp Ser 55 60 65 Lys Xaa Ser Thr Leu Ser Cys Lys Asn Lys Ile Ile Ser Phe Glu Glu Met 70 75 80 85 Asp Pro Pro Glu Asn Ile Asp Asp Ile Gln Ser Asp Leu Ile Phe Phe Gln 90 95 100 Lys Arg Val Pro Gly His Asn Lys Met Glu Phe Glu Ser Ser Leu Tyr Glu 105 110 115 Gly His Phe Leu Ala Cys Gln Lys Glu Asp Asp Ala Phe Lys Leu Ile Leu 120 125 130 135 Lys Lys Lys Asp Glu Asn Gly Asp Lys Ser Val Met Phe Thr Leu Thr Asn 140 145 150 Leu His Gln Ser 155
【0083】配列番号:4 配列の長さ:471 配列の型:核酸 配列 AACTTTGGCC GACTTCACTG TACAACCGCA GTAATACGGA ATATAAATGA CCAAGTTCTC 60 TTCGTTGACA AAAGACAGCC TGTGTTCGAG GATATGACTG ATATTGATCA AAGTGCCAGT 120 GAACCCCAGA CCAGACTGAT AATATACATG TACAAAGACA GTGAAGTAAG AGGACTGGCT 180 GTGACCCTCT CTGTGAAGGA TAGTAAAAYG TCTACCCTCT CCTGTAAGAA CAAGATCATT 240 TCCTTTGAGG AAATGGATCC ACCTGAAAAT ATTGATGATA TACAAAGTGA TCTCATATTC 300 TTTCAGAAAC GTGTTCCAGG ACACAACAAG ATGGAGTTTG AATCTTCACT GTATGAAGGA 360 CACTTTCTTG CTTGCCAAAA GGAAGATGAT GCTTTCAAAC TCATTCTGAA AAAAAAGGAT 420 GAAAATGGGG ATAAATCTGT AATGTTCACT CTCACTAACT TACATCAAAG T 471
【0084】配列番号:5 配列の長さ:471 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 配列の特徴 起源 生物名:マウス 配列の特徴 配列を表わす記号:1−471 mat peptide 配列 AAC TTT GGC CGA CTT CAC TGT ACA ACC GCA GTA ATA CGG AAT ATA AAT 48 Asn Phe Gly Arg Leu His Cys Thr Thr Ala Val Ile Arg Asn Ile Asn 1 5 10 15 GAC CAA GTT CTC TTC GTT GAC AAA AGA CAG CCT GTG TTC GAG GAT ATG 96 Asp Gln Val Leu Phe Val Asp Lys Arg Gln Pro Val Phe Glu Asp Met 20 25 30 ACT GAT ATT GAT CAA AGT GCC AGT GAA CCC CAG ACC AGA CTG ATA ATA 144 Thr Asp Ile Asp Gln Ser Ala Ser Glu Pro Gln Thr Arg Leu Ile Ile 35 40 45 TAC ATG TAC AAA GAC AGT GAA GTA AGA GGA CTG GCT GTG ACC CTC TCT 192 Tyr Met Tyr Lys Asp Ser Glu Val Arg Gly Leu Ala Val Thr Leu Ser 50 55 60 GTG AAG GAT AGT AAA AYG TCT ACC CTC TCC TGT AAG AAC AAG ATC ATT 240 Val Lys Asp Ser Lys Xaa Ser Thr Leu Ser Cys Lys Asn Lys Ile Ile 65 70 75 80 TCC TTT GAG GAA ATG GAT CCA CCT GAA AAT ATT GAT GAT ATA CAA AGT 288 Ser Phe Glu Glu Met Asp Pro Pro Glu Asn Ile Asp Asp Ile Gln Ser 85 90 95 GAT CTC ATA TTC TTT CAG AAA CGT GTT CCA GGA CAC AAC AAG ATG GAG 336 Asp Leu Ile Phe Phe Gln Lys Arg Val Pro Gly His Asn Lys Met Glu 100 105 110 TTT GAA TCT TCA CTG TAT GAA GGA CAC TTT CTT GCT TGC CAA AAG GAA 384 Phe Glu Ser Ser Leu Tyr Glu Gly His Phe Leu Ala Cys Gln Lys Glu 115 120 125 GAT GAT GCT TTC AAA CTC ATT CTG AAA AAA AAG GAT GAA AAT GGG GAT 432 Asp Asp Ala Phe Lys Leu Ile Leu Lys Lys Lys Asp Glu Asn Gly Asp 130 135 140 AAA TCT GTA ATG TTC ACT CTC ACT AAC TTA CAT CAA AGT 471 Lys Ser Val Met Phe Thr Leu Thr Asn Leu His Gln Ser 145 150 155
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蛋白質をトリプシン消化して得られ
るペプチド断片の高速液体クロマトグラフィーにおける
溶出パターンを示す図である。
【図2】この発明による組換えDNAであるpMGTG
−1の構造を示す図である。
【符号の説明】 MGTG cDNA この発明の蛋白質をコードす
るcDNA Ptac tacプロモータ GST グルタチオンSトランスフェ
ラーゼ遺伝子 Amp R アンピシリン耐性遺伝子 pBR322ori 大腸菌における複製開始点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:19) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/54 C12N 15/24 C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA(STN) REGISTRY(STN) GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq Swissport/PIR/Genes eq

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する蛋白質。 (1) 分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾
    過法で測定すると、分子量19,000±5,000ダ
    ルトンを示す。 (2) 等電点 クロマトフォーカッシング法で測定すると、4.8±
    1.0に等電点を示す。 (3) 部分アミノ酸配列 配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配
    列を有する。 (4) 生物作用 免疫担当細胞においてインターフェロン−γの産生を誘
    導する。
  2. 【請求項2】 配列表における配列番号3(ただし、
    「Xaa」はメチオニン又はトレオニンを意味するもの
    とする。)に示すアミノ酸配列又は、そのアミノ酸配列
    において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若
    しくは付加したアミノ酸配列を有し、免疫担当細胞にお
    いてインターフェロン−γの産生を誘導する蛋白質。
  3. 【請求項3】 配列表における配列番号1又は2に示す
    アミノ酸配列からなるペプチド断片。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3のいずれかに記載の蛋白
    又はペプチド断片をコードするDNA。
  5. 【請求項5】 配列表における配列番号4に示す塩基配
    、又は、その塩基配列において、1若しくは複数個の
    塩基が欠失、置換若しくは付加した塩基配列、又は、そ
    れらに相補的な塩基配列又は、それらの塩基配列にお
    ける塩基の1個又は2個以上を、遺伝子の縮重に基づ
    き、それがコードするアミノ酸配列を変えることなく他
    の塩基で置換した塩基配列を含有する請求項4に記載の
    DNA。
  6. 【請求項6】 マウスの肝臓に由来する請求項4又は5
    に記載のDNA。
  7. 【請求項7】 複製可能な組換えDNAとして自律複製
    可能なベクターに挿入された請求項4、5又は6に記載
    のDNA。
  8. 【請求項8】 適宜宿主に導入された請求項4、5、6
    又は7に記載のDNA。
  9. 【請求項9】 宿主が大腸菌である請求項8に記載のD
    NA。
  10. 【請求項10】 請求項4乃至7のいずれかに記載のD
    NAを適宜の宿主に導入してなる形質転換体を栄養培地
    で培養し、産生した蛋白質を培養物から採取してなる蛋
    白質の製造方法。
  11. 【請求項11】 DNAが配列表における配列番号4に
    示す塩基配列、又は、その塩基配列において、1若しく
    は複数個の塩基が欠失、置換若しくは付加した塩基配
    、又は、それらに相補的な塩基配列又は、それらの
    塩基配列における塩基の1個又は2個以上を、遺伝子の
    縮重に基づき、それがコードするアミノ酸配列を変える
    ことなく他の塩基で置換した塩基配列と自律複製可能
    なベクターを含んでなる組換えDNAとしての形態にあ
    る請求項10に記載の蛋白質の製造方法。
  12. 【請求項12】 DNAがマウスの肝臓に由来する請求
    項10又は11に記載の蛋白質の製造方法。
  13. 【請求項13】 宿主が大腸菌である請求項10、11
    又は12に記載の蛋白質の製造方法。
  14. 【請求項14】 産生した蛋白質を濃縮、塩析、透析、
    分別沈澱、ゲル濾過クロマトグフィー、イオン交換クロ
    マトグフィー、疎水性クロマトグフィー、アフィニティ
    ークロマトグフィー、クロマトフォーカシング、ゲル電
    気泳動及び等電点電気泳動から選ばれる1種若しくは2
    種以上の精製方法により採取する請求項10、11、1
    2又は13に記載の蛋白質の製造方法。
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