JP3542763B2 - インターフェロン−γの産生を誘導する蛋白質 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、免疫担当細胞においてインターフェロン−γ(以下、「IFN−γ」と略記する。)の産生を誘導する新規な蛋白質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IFN−γは、抗ウイルス作用、抗腫瘍作用、免疫調節作用を有する蛋白質として知られ、抗原やマイトジェンによる刺激を受けた免疫担当細胞が産生すると云われている。これら生物作用ゆえに、IFN−γはその発見当初より抗腫瘍剤としての実用化が鶴首され、現在では脳腫瘍を始めとする悪性腫瘍一般の治療剤として精力的に臨床試験が進められている。現在入手し得るIFN−γは免疫担当細胞が産生する天然型IFN−γと、免疫担当細胞から採取したIFN−γをコードするDNAを大腸菌に導入してなる形質転換体が産生する組換え型IFN−γに大別され、上記臨床試験においては、これらのうちのいずれかが「外来IFN−γ」として投与されている。
【0003】
このうち、天然型IFN−γは、通常、培養株化した免疫担当細胞をIFN−γ誘導剤を含む培養培地で培養し、その培養物を精製することにより製造される。この方法では、IFN−γ誘導剤の種類がIFN−γの産生量や精製のし易さ、さらには、製品の安全性等に多大の影響を及ぼすと云われており、通常、コンカナバリンA、レンズ豆レクチン、アメリカヤマゴボウレクチン、エンドトキシン、リポ多糖などのマイトジェンが頻用される。しかしながら、これら物質は、いずれも分子に多様性があり、給源や精製方法に依って品質が変動し易く、誘導能の一定したIFN−γ誘導剤を所望量入手し難いという問題がある。くわえて、上記物質の多くは生体に投与すると顕著な副作用を示したり、物質に依っては毒性を示すものすらあり、生体に直接投与してIFN−γの産生を誘導するのが極めて困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
斯かる状況に鑑み、この発明の目的は、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する新規な蛋白質を提供することにある。
【0005】
この発明の別の目的は、斯かる蛋白質をコードするDNAを提供することにある。
【0006】
この発明のさらに別の目的は、斯かるDNAと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な組換えDNAを提供することにある。
【0007】
この発明のさらに別の目的は、斯かる組換えDNAを適宜宿主に導入してなる形質転換体を提供することにある。
【0008】
この発明のさらに別の目的は、組換えDNA技術を応用した当該蛋白質の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記第一の課題を、下記の理化学的性質を有する蛋白質により解決するものである。
(1) 分子量
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾過法で測定
すると、分子量19,000±5,000ダルトンを示す。
(2) 等電点
クロマトフォーカシング法で測定すると、4.8±1.0に等電点
を示す。
(3) 部分アミノ酸配列
配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配列を有する

(4) 生物作用
免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する。
【0010】
この発明は、上記第二の課題を、斯かる蛋白質をコードするDNAにより解決するものである。
【0011】
この発明は、上記第三の課題を、斯かるDNAと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な組換えDNAにより解決するものである。
【0012】
この発明は、上記第四の課題を、斯かるDNAと自律複製可能なベクターを含んでなる複製可能な組換えDNAを適宜宿主に導入してなる形質転換体により解決するものである。
【0013】
この発明は、上記第五の課題を、当該蛋白質を産生し得る形質転換体を栄養培地で培養し、産生した蛋白質を培養物から採取してなる蛋白質の製造方法により解決するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の蛋白質は、上記したごとく、従来公知の蛋白質には見られない独特の理化学的性質を具備しており、免疫担当細胞に作用させると、IFN−γの産生を誘導する。
【0015】
この発明のDNAは、自律複製可能な適宜ベクターに挿入して組換えDNAとし、この組換えDNAを、本来、当該蛋白質を産生しないけれども、容易に増殖させることのできる宿主に導入して形質転換体とすることにより、当該蛋白質の産生を発現する。
【0016】
この発明の複製可能な組換えDNAは、本来、当該蛋白質を産生しないけれども、容易に増殖させることのできる宿主に導入して形質転換体とすることにより、当該蛋白質の産生を発現する。
【0017】
この発明の形質転換体は、培養すると、当該蛋白質を産生する。
【0018】
斯かる形質転換体をこの発明の製造方法にしたがって培養すれば、所望量の蛋白質が比較的容易に得られる。
【0019】
以下、実施例、実験例等に基づきこの発明を説明するに、この発明は、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する新規な蛋白質の発見に基づくものである。本発明者が、哺乳類由来の細胞が産生するサイトカイン類につき研究していたところ、マウスの肝臓中にIFN−γの産生を誘導する従来未知の全く新規な物質が存在することを見出した。カラムクロマトグラフィーを中心とする種々の精製方法を組合せてこの物質を単離し、その性質・性状を調べたところ、その本質は蛋白質であり、次のような理化学的性質を有するものであることが判明した。
(1) 分子量
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法又はゲル濾過法で測定
すると、分子量19,000±5,000ダルトンを示す。
(2) 等電点
クロマトフォーカシング法で測定すると、4.8±1.0に等電点
を示す。
(3) 部分アミノ酸配列
配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配列を有する

(4) 生物作用
免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する。
【0020】
次に、これら理化学的性質を解明するに到った一連の実験について説明する。
【0021】
【実験例1】<精製蛋白質の調製>
8週齢の雌CD−1マウス600匹の腹腔内にコリネバクテリウム・パルバム(ATCC11827)を60℃で1時間加熱して調製した死菌体を1mg/匹注射投与し、通常一般の方法で7日間飼育後、静脈内に大腸菌由来の精製リポ多糖を1μg/匹注射投与した。1乃至2時間後、頚椎を脱臼させてマウスを屠殺し、心臓採血後、肝臓を摘出し、8倍容の50mM燐酸緩衝液(pH7.3)中、ホモゲナイザーにより破砕して抽出した。抽出物を約8,000rpmで20分間遠心分離し、得られた上清約9lに飽和硫酸アンモニウムを含む50mM燐酸緩衝液(pH7.3)を硫酸アンモニウムが45%飽和になるように加え、4℃で18時間静置後、約8,000rpmで30分間遠心分離して当該蛋白質を含む上清約19lを得た。
【0022】
この上清を予め1M硫酸アンモニウムを含む50mM燐酸緩衝液(pH7.3)で平衡化させておいたファルマシア製『フェニルセファロース』約4.6lのカラムに負荷し、カラムを新鮮な同一緩衝液で洗浄後、1Mから0.2Mに下降する硫酸アンモニウムの濃度勾配下、50mM燐酸緩衝液(pH7.3)をSV0.57で通液した。硫酸アンモニウム濃度が0.8M付近のときに溶出した当該蛋白質を含む画分約4.8lを採取し、膜濃縮し、20mM燐酸緩衝液(pH6.5)に対して4℃で18時間透析後、予め20mM燐酸緩衝液(pH6.5)で平衡化させておいたファルマシア製『DEAE−セファロース』約250mlのカラムに負荷した。カラムを新鮮な同一緩衝液で洗浄後、0Mから0.2Mに上昇する塩化ナトリウムの濃度勾配下、カラムに20mM燐酸緩衝液(pH6.5)をSV1.2で通液したところ、当該蛋白質が0.13M付近の塩化ナトリウム濃度で溶出した。
【0023】
当該蛋白質を含む溶出液約260mlを採取し、濃縮し、25mMビス−トリス緩衝液(pH7.1)に対して4℃で18時間透析後、予め新鮮な同一の緩衝液で平衡化させておいたファルマシア製『Mono−P』約24mlのカラムに負荷し、pH7からpH4に下降するpH勾配下、カラムに10%(v/v)ポリバッファー74(pH4.0)を通液したところ、pHが約4.8のときに当該蛋白質が溶出した。当該蛋白質を含む溶出液約23mlを採取し、濃縮し、予め7mM燐酸水素二ナトリウム、3mM燐酸二水素ナトリウム及び139mM塩化ナトリウムからなる混液(pH7.2)で平衡化させておいたファルマシア製『スーパーデックス 75』のカラムに負荷し、新鮮な同一混液を通液してゲル濾過クロマトグラフィーしたところ、分子量19,000ダルトン付近に当該蛋白質が溶出した。当該蛋白質を含む画分を採取し、濃縮して下記の実験例2に供した。収量は、マウス1匹当たり約0.6μgであった。
【0024】
【実験例2】
<蛋白質の理化学的性質>
【0025】
【実験例2−1】<分子量>
実験例1で調製した精製蛋白質をユー・ケー・レムリが『ネーチャー』、第227巻、第680〜685頁(1970年)に報告している方法に準じ、還元剤の非存在下でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動したところ、分子量19,000±5,000ダルトンに相当する位置にIFN−γ誘導能ある主たるバンドが観察された。なお、このときの分子量マーカは、ウシ血清アルブミン(67,000ダルトン)、オボアルブミン(45,000ダルトン)、大豆トリプシンインヒビター(20,100ダルトン)及びα−ラクトアルブミン(14,400ダルトン)であった。
【0026】
【実験例2−2】
<等電点>
精製蛋白質を常法にしたがってクロマトフォーカシングしたところ、4.8±1.0に等電点を示した。
【0027】
【実験例2−3】
<部分アミノ酸配列>
実験例1で調製した精製蛋白質を含む水溶液の一部をとり、約50μlまで濃縮した。濃縮物に3%(w/v)SDS、60%(v/v)グリセロール及びジチオトレイトール60mg/mlからなる混液25μlを加え、50℃で30分間インキュベート後、15%(w/v)ポリアクリルアミドゲル上に移し、常法にしたがって電気泳動した。その後、ゲルを0.1%(w/v)クーマシーブリリアントブルーR250を含む50%(v/v)水性メタノールと10%(v/v)酢酸水溶液の混液に浸漬して染色し、12%(v/v)水性メタノールと7%(v/v)酢酸水溶液の混液で繰返し濯いで脱色し、蒸留水中に18時間浸漬して洗浄後、ゲルよりクーマシーブリリアントブルー染色された当該蛋白質を含む部分を切出し、凍結乾燥した。
【0028】
次に、乾燥ゲルをシグマ製『TPCKトリプシン』2μg/mlを含む100mM炭酸水素ナトリウム、0.5mM塩化カルシウム及び0.02%(v/v)Tween 20水溶液からなる混液0.6mlに浸漬し、37℃で18時間インキュベートして蛋白質をトリプシン消化した。そして、消化物を遠心分離して上清を採取する一方、沈澱部を0.001%(v/v)Tween 20を含む1%(v/v)水性トリフルオロ酢酸1mlに浸漬し、室温下で4時間振盪後、遠心分離し上清を採取した。新たに生じた沈澱を0.001%(v/v)Tween 20を含む70%(v/v)水性トリフルオロ酢酸、0.001%(v/v)Tween 20を含む50%(v/v)水性トリフルオロ酢酸及び50%(v/v)水性アセトニトリルの順序で上記と同様に処理し、得られた上清と上記で得られた上清をプールし、250μlまで濃縮後、遠心濾過した。
【0029】
斯くして得られたペプチド断片を含む水溶液を、予め0.1%(v/v)水性トリフルオロ酢酸で平衡化させておいた東ソー製高速液体クロマトグラフィー用カラム『HPLC ODS−120T』に負荷し、カラムを0.1%(v/v)水性トリフルオロ酢酸で洗浄後、溶出液中のペプチド濃度を吸光光度計により214nm及び280nmの波長下でモニタしながら、0%(v/v)から70%(v/v)に上昇する水性アセトニトリルの濃度勾配下、カラムに0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸を0.5ml/分の流速で通液した。そして、通液開始から約75分後又は約55分後に溶出した画分(以下、それぞれ『ペプチド断片A』又は『ペプチド断片B』と云う。)を別々に採取した。このときの溶出パターンを図1に示す。
【0030】
パーキン・エルマー製プロテイン・シーケンサ『473A型』を使用し、常法にしたがってこれらペプチド断片A及びBのアミノ酸配列を調べたところ、それぞれ、配列表における配列番号1又は2に示すアミノ酸配列を有していた。
【0031】
【実験例2−4】
<生物作用>
【0032】
【実験例2−4】
<(a)免疫担当細胞におけるIFN−γ産生の誘導>
8週齢の雌BDF1マウスから脾臓を摘出し、血清無含有のRPMI1640培地(pH7.4)中で分散し、新鮮な同一培地で洗浄後、ゲイ緩衝液(pH8.0)中に浸漬して溶血させた。得られた脾細胞を10%(v/v)牛胎児血清を補足したRPMI1640培地(pH7.4)に細胞密度1×10個/mlになるように懸濁した後、和光純薬工業製細胞分離用ナイロンウールカラムに負荷し、5%COインキュベータ中、37℃で1時間インキュベートした。その後、カラムに10%(v/v)牛胎児血清を補足したRPMI1640培地(pH7.4)を通液してT細胞を採取し、新鮮な同一培地で洗浄し、下記のIFN−γ誘導試験に供した。
【0033】
細胞密度1×10個/mlになるようにRPMI1640培地(pH7.4)に浮遊させたマウスT細胞を96ウエルマイクロプレート上に0.15mlずつとり、精製蛋白質を10%(v/v)牛胎児血清を補足したRPMI1640培地(pH7.4)で適宜希釈して0.05ml加えた後、0.5μg/mlコンカナバリンAの存在下又は非存在下で5%COインキュベータ中、37℃で24時間培養した。その後、各ウエルから培養上清を0.1mlずつ採取し、産生したIFN−γを通常の酵素免疫測定法により測定した。同時に、精製蛋白質を省略した以外は同一の系を設け、これを上記と同様に処置して対照とした。なお、IFN−γの標準品には、米国国立公衆衛生研究所から入手した標準マウスIFN−γ(Gg02−901−533)を使用し、国際単位(IU)に換算して表示した。
【0034】
その結果、対照系において有意なIFN−γの産生が認められなかったのに対して、精製蛋白質を加えた系では顕著なIFN−γの産生が認められ、0.02乃至10μg/mlの用量で、コンカナバリンAの非存在下でマウスT細胞1×10個当たり約2乃至200IU、コンカナバリンAの存在下で約2乃至2,000IUのIFN−γが産生していた。このことは、当該蛋白質に免疫担当細胞におけるIFN−γの産生を誘導する作用のあることを裏付けている。
【0035】
なお、この発明を通じて当該蛋白質の1単位とは、コンカナバリンAの存在下で上記のとおり試験したときに、IFN−γを160IU誘導する蛋白質の量と定義する。
【0036】
【実験例2−4】
<(b)キラー細胞の細胞障害性増強>
100μg/mlカナマイシン、5×10−5M 2−メルカプトエタノール及び10%(v/v)牛胎児血清を含むRPMI1640培地(pH7.2)に実験例2−4(a)と同様に調製したマウス脾細胞を細胞密度1×10個/mlになるように浮遊させ、組換え型ヒトインターロイキン2を0、1、5又は10u/ml加えた後、25ml容培養フラスコに収容した。培養フラスコ内の細胞浮遊液に精製蛋白質を0、0.8、4、20又は100単位/ml加え、5%COインキュベータ中、37℃で72時間培養し、新鮮なRPMI1640培地(pH7.2)で洗浄後、脾細胞を予め放射性クロム酸ナトリウムで標識したYAC−1細胞(ATCC TIB160)とともに効果細胞/標的細胞比20:1又は40:1の割合で新鮮なRPMI1640培地(pH7.2)に浮遊させた。細胞浮遊液を96ウェルマイクロプレートにとり、5%COインキュベータ中、37℃で4時間培養し、培養上清中の51Crによる放射能をガンマカウンタにより測定した。結果を表1に示す。
【0037】
表1の結果は、この発明の蛋白質にキラー細胞による細胞障害性を有意に増強する性質があり、しかも、その性質がインターロイキン2により顕著に増強されることを示している。
【0038】
【表1】
Figure 0003542763
【0039】
以上のような理化学的性質を有する蛋白質は未だ知られておらず、新規物質であると判断される。そこで、本発明者が、マウス肝細胞からmRNAを単離し、これを鋳型に前記実験例2−3で明らかにした部分アミノ酸配列に基づき化学合成したプライマーの存在下でRT−PCR反応させて当該蛋白質を部分コードするDNA断片を採取し、これをプローブにして上記mRNAから別途作製したcDNAライブラリーを鋭意検索した結果、471塩基対からなる、配列表における配列番号4に示す5´末端からの塩基配列のDNA断片が得られた。この塩基配列を解読したところ、当該蛋白質は、157個のアミノ酸からなる、配列表における配列番号3に示すN末端からのアミノ酸配列を有していることが判明した。なお、配列表における配列番号3において、符号「Xaa」を付して示したアミノ酸は、メチオニン又はトレオニンを意味するものとする。
【0040】
配列表における配列番号3及び4に示すアミノ酸配列及び塩基配列を解明するに到った一連の操作を要約すると、次のようになる。
(1) クロマトグラフィーを中心とする種々の精製方法を組合せてマウス肝細胞から当該蛋白質を単離し、高度に精製した。
(2) 精製蛋白質をトリプシンで消化し、消化物から2種類のペプチド断片を単離し、そのアミノ酸配列を決定した。
(3) マウス肝細胞からmRNAを採取し、これを鋳型に上記部分アミノ酸配列に基づき化学合成したオリゴヌクレオチドのプライマーの存在下でRT−PCR反応させてDNA断片を調製する一方、それら部分アミノ酸配列に基づき別途化学合成したオリゴヌクレオチドをプローブにしてそれらDNA断片を検索し、当該蛋白質を部分コードするDNA断片を採取した。
(4) 別途、前記mRNAを鋳型にcDNAライブラリーを作製し、これに上記で調製したDNA断片をプローブにしてハイブリダイズさせ、顕著な会合を示す形質転換体を採取した。
(5) 形質転換体からcDNAを採取し、その塩基配列を決定し、解読するとともに、解読したアミノ酸配列と前記部分アミノ酸配列を比較して、その塩基配列が当該蛋白質をコードしていることを確認した。
【0041】
次の実験例3では、上記の工程(3)乃至(5)を中心に具体的に説明するが、本例で用いた手法自体は斯界において公知であり、例えば、ティー・マニャティス等『モレキュラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル』、1989年、コールド・スプリング・ハーバー発行や、村松正実『ラボマニュアル遺伝子工学』、1988年、丸善出版発行などにも詳述されている。
【0042】
【実験例3】
<DNAの塩基配列と蛋白質のアミノ酸配列>
【0043】
【実験例3−1】
<全RNAの調製>
実験例1と同様にして調製したマウス肝細胞を湿重で3gとり、これを6Mグアニジンイソチオシアナート、10mMクエン酸ナトリウム及び0.5%(w/v)SDSからなる混液(pH7.0)20mlに浸漬し、ホモゲナイザーで破砕した。次に、常法にしたがって、35ml容遠心管に5.7M塩化セシウムを含む0.1M EDTA(pH7.5)を25ml注入し、その上部に細胞破砕物を10ml重層し、この状態で20℃、25,000rpmで20時間超遠心分離後、RNA画分を採取した。このRNA画分を15ml容遠心管にとり、等容量のクロロホルム/イソブタノール混液(4:1)を加え、5分間振盪し、4℃、10,000rpmで10分間遠心分離した後、水層部を採取し、2.5倍容のエタノールを加え、−20℃で2時間静置して全RNAを沈澱させた。この沈澱を採取し、75%(v/v)水性エタノールで洗浄後、滅菌蒸留水0.5mlに溶解して下記の実験に供した。なお、全RNAの収量は約4mgであった。
【0044】
【実験例3−2】
<蛋白質を部分コードするDNA断片の調製>
実験例3−1で得た全RNA 1μgに25mM塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液(100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.3)、500mM塩化カリウム)を2μl、1mM dNTPミックスを8μl、1単位/μlのRNaseインヒビターを1μl、2.5単位/μlの逆転写酵素を1μl及び2.5μMランダムヘキサマーを1μl加え、滅菌蒸留水で20μlとした。混合物を0.5ml容反応管にとり、常法にしたがって25℃で10分間、42℃で30分間、99℃で5分間、5℃で5分間インキュベートして逆転写酵素反応させ、第一ストランドcDNAを含む水溶液を得た。
【0045】
この第一ストランドcDNA水溶液20μlに25mM塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液を8μl、2.5単位/μlアンプリタックDNAポリメラーゼを0.5μl、さらに、センスプライマー又はアンチセンスプライマーとしてプライマー1及びプライマー2をそれぞれ1pmolずつ加え、滅菌蒸留水で100μlとした。そして、常法により、混合物を94℃で1分間、45℃で2分間、72℃で3分間の順序でインキュベートするサイクルを40回繰返して反応させ、第一ストランドcDNAを鋳型に当該蛋白質を部分コードするDNA断片を増幅した。なお、プライマー1及びプライマー2は、配列表の配列番号1及び2におけるPro−Glu−Asn−Ile−Asp−Asp−Ile又はPhe−Glu−Asp−Met−Thr−Asp−Ileで表わされるアミノ酸配列に基づき化学合成したオリゴヌクレオチドであり、それぞれ、5´−ATRTCRTCDATRTTYTCNGG−3´又は5´−TTYGARGAYATGACNGAYAT−3´で表わされる塩基配列を有していた。
【0046】
このようにして得たPCR産物の一部をとり、常法により2%(w/v)アガロースゲル上で電気泳動して分画し、ナイロン膜上に移し取り、0.4N水酸化ナトリウムで固定し、2×SSCで洗浄し、風乾後、5×SSPE、5×デンハルト液、0.5%(w/v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNAを含むプレハイブリダイゼーション混液に浸漬し、65℃で3時間インキュベートした。別途、プローブ1として、配列表の配列番号1におけるPhe−Glu−Glu−Met−Asp−Proで表わされるアミノ酸配列に基づき5´−TTYGARGARATGGAYCC−3´で表わされる塩基配列のオリゴヌクレオチドを化学合成し、[γ−32P]ATPとT4ポリヌクレオチドキナーゼにより同位体標識した。このプローブ1を1pmolとり、これと5×SSPE、5×デンハルト液、0.5%(w/v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNAを含む混液にナイロン膜を浸漬し、45℃で24時間インキュベートしてハイブリダイズさせた。ナイロン膜を6×SSCで洗浄し、常法によりオートラジオグラフィーしたところ、目的とするDNA断片がPCR産物に含まれていた。
【0047】
次に、残りのPCR産物に宝酒造製プラスミドベクター『pT7ブルーT』を50ngと適量のT4 DNAリガーゼを加え、さらに、100mM ATPを最終濃度1mMまで加えた後、16℃で18時間インキュベートしてプラスミドベクターにDNA断片を挿入し、得られた組換えDNAをコンピテントセル法によりファルマシア製大腸菌『NoVa Blue』株に導入して形質転換体とした。得られた形質転換体を10g/lバクトトリプトン、2.5g/l塩化ナトリウム、15g/lバクトアガー、100mg/lアンピシリン、40mg/lX−Gal及び23.8mg/lイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(以下、「IPTG」と略記する。)を含むプレート培地に植菌し、37℃で24時間培養してコロニーを形成させた。常法にしたがって、プレート培地にナイロン膜を載置し、約30秒間静置してコロニーを移取った後、ナイロン膜を剥離し、0.5N水酸化ナトリウム及び1.5M塩化ナトリウムを含む混液に7分間浸漬して溶菌した。その後、ナイロン膜を1.5M塩化ナトリウムを含む0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.2)に3分間浸漬し、2×SSCで洗浄し、0.4N水酸化ナトリウムに20分間浸漬して固定し、5×SSCでさらに洗浄し、風乾後、5×SSPE、5×デンハルト液、0.5%(w/v)SDS及び100μg/ml変性サケ精子DNAを含むプレハイブリダイゼーション混液に浸漬し、65℃で3時間インキュベートした。その後、常法にしたがってナイロン膜にプローブ1をハイブリダイズさせ、6×SSCで洗浄後、前記と同様にオートラジオグラフィーし、プローブ1と顕著な会合を示した形質転換体をプレート培地から採取した。
【0048】
この形質転換体をアンピシリン100μg/mlを含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、37℃で18時間培養後、培養物から菌体を採取し、通常のアルカリ−SDS法により組換えDNAを採取した。ジデオキシ法により調べたところ、この組換えDNAは配列表の配列番号4に示す塩基配列における第85乃至281番目に相当する塩基配列のDNA断片を含んでいた。
【0049】
【実験例3−3】
<mRNAの調製>
実験例3−1で得た全RNAを含む水溶液を0.05mlとり、これに1mM二ナトリウム−EDTAと0.1%(w/v)SDSを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)を0.5ml加えて全量を1mlとした。混合物に日本ロシュ製オリゴ(dT)30ラテックス『オリゴテックス−dT30スーパー』を1ml加え、65℃で5分間加熱して変性させた後、直ちに氷浴中で3分間冷却した。5M塩化ナトリウムを0.2mlを加え、37℃で10分間インキュベートし、25℃、10,000rpmで10分間遠心分離し、上清を除いて得られたペレット状の沈澱に滅菌蒸留水0.5mlを加えて懸濁させ、65℃で5分間インキュベートしてオリゴテックスからmRNAを溶出させた。回収したmRNAは約5μgであった。
【0050】
【実験例3−4】
<cDNAライブラリーの作製>
アマシャム製cDNAクローニングキット『cDNA合成システム・プラス』を使用し、実験例3−3で調製したmRNAからcDNAライブラリーを作製した。すなわち、1.5ml容反応管に第一ストランドcDNA合成用溶液4μl、ピロリン酸ナトリウム溶液1μl、ヒト胎盤リボヌクレアーゼインヒビター溶液1μl、デオキシヌクレオチド三燐酸混合液2μl及びオリゴdTプライマー溶液1μlをこの順序で加え、さらに、実験例3−3で得たmRNAを2μg加えた後、滅菌蒸留水で19μlとした。混合物に逆転写酵素20単位を含む溶液1μlを加え、42℃で40分間インキュベートして第一ストランドcDNAを含む反応物を得た。
【0051】
反応物に第二ストランドcDNA合成用溶液を37.5μl、大腸菌由来のリボヌクレアーゼHを0.8単位、DNAポリメラーゼIを23単位この順序で加え、滅菌蒸留水で100μlとした後、12℃で60分間、22℃で60分間インキュベートし、T4 DNAポリメラーゼを2単位加え、37℃でさらに10分間インキュベートして第二ストランドcDNAを含む反応物を得た。反応物に0.25M EDTA(pH8.0)を4μl加えて反応を停止させた後、常法によりフェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させてcDNAを採取した。
【0052】
このようにして得たcDNAにL/K緩衝液を2μl、Eco RIアダプターを250ピコモル、T4 DNAリガーゼを2.5単位この順序で加え、滅菌蒸留水で20μlとした後、15℃で16時間インキュベートしてcDNA両端にEco RIアダプターを連結した。反応物に0.25M EDTAを2μl加えて酵素を失活させ、常法により分子篩クロマトグラフィーにより未反応のEco RIアダプターを除去し、L/K緩衝液を40μlとT4ポリヌクレオチドキナーゼを80単位加え、滅菌蒸留水で全量400μlとし、37℃で30分間インキュベートしてEco RI切断部位をメチル化した後、反応物をフェノール/クロロホルム抽出及びエタノール沈澱してDNAを採取した。DNAに適量のλgt10アームを含むL/K緩衝液を1.5μlとT4 DNAリガーゼを2.5単位加え、滅菌蒸留水で全量15μlとし、15℃で16時間インキュベートしてライゲートした後、通常の生体外パッケージングを適用して組換えλDNAを含むファージを得た。
【0053】
【実験例3−5】
<組換えDNAのクローニング>
アマシャム製大腸菌NM514株に実験例3−4で調製したファージを常法により感染させた後、10g/lバクトトリプトン、5g/lバクトイーストエキストラクト、10g/l塩化ナトリウム及び15g/lバクトアガーを含む寒天培地(pH7.0)に植菌し、37℃で6時間培養してプラークを形成させた。寒天培地にナイロン膜を載置し、約30秒間静置してプラークをナイロン膜上に移取った後、ナイロン膜を剥離し、先ず、0.5M水酸化ナトリウムと1.5M塩化ナトリウムを含む水溶液に2分間、次に、1.5M塩化ナトリウムを含む0.5Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)に5分間浸漬した。ナイロン膜を5×SSCで濯ぎ、風乾後、5×SSPE、5×デンハルト溶液、0.5%(w/v)SDS及びサケ精子DNAを100μg/ml含む混液に浸漬し、65℃で3時間インキュベートした。その後、ナイロン膜をアマシャム製DNA標識キット『レディ・プライムDNA標識システム』を用いて 32 P標識した実験例3−2で得たプローブ2としてのDNA断片の適量と5×SSPE、5×デンハルト溶液、0.5%(w/v)SDS及びサケ精子DNAを100μg/ml含む混液中、60℃で20時間インキュベートしてハイブリダイズさせ、以後、前記と同様にオートラジオグラフィーして、プローブ2に顕著な会合を示したファージDNAクローンを採取した。
【0054】
常法にしたがってこのクローンを大腸菌中で増幅し、菌体から組換えDNAを抽出した。組換えDNAを制限酵素Eco RIで切断する一方、プラスミドベクターpUC19(ATCC37254)を同じ制限酵素で切断し、得られたDNA断片とプラスミド断片を常法によりDNAリガーゼで連結して組換えDNAとした。そして、この組換えDNAを通常のコンピテントセル法により大腸菌JM109株(ATCC53323)に導入し、形質転換体を得た。
【0055】
【実験例3−6】
<塩基配列とアミノ酸配列の決定>
実験例3−5で調製した形質転換体をL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、37℃で18時間振盪培養した。培養物から形質転換体を採取し、通常のアルカリ−SDS法により処理してこの発明のDNAを含む組換えDNAを得た。蛍光光度計を使用する自動シーケンサにより分析したところ、この組換えDNAは配列表における配列番号5に示す5´末端からの塩基配列を含んでおり、その塩基配列を解読したところ、同じく配列番号5に示すN末端からのアミノ酸配列をコードしていることが示唆された。このアミノ酸配列においては、その第79乃至103番目又は第26乃至43番目に配列表における配列番号1及び2に示す部分アミノ酸配列が含まれており、このことは、この発明の蛋白質が配列表における配列番号3に示すN末端からのアミノ酸配列を有するものであり、マウス肝臓においては、当該蛋白質が配列表における配列番号4に示す5´末端からの塩基配列を有するDNAによりコードされていることを示している。
【0056】
以上説明したように、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する蛋白質は、本発明者の長年に亙る研究の一成果として見出されたものであり、従来公知の蛋白質には見られない独特の理化学的性質を具備している。この発明は、組換えDNA技術を応用することにより、この蛋白質を創製しようというものである。以下、実施例等を参照しながら、この発明の蛋白質とその製造方法等につき、具体的に説明する。
【0057】
この発明でいう蛋白質とは、特定の理化学的性質を具備する、天然由来の蛋白質及び組換えDNA技術により創製された蛋白質全般を意味する。この発明の蛋白質は、通常、一部又は全部が解明されたアミノ酸配列を有しており、その一例として、例えば、配列表における配列番号3に示すN末端からのアミノ酸配列かそれに相同的なアミノ酸配列が挙げられる。配列番号3のアミノ酸配列に相同的なアミノ酸配列を有する変異体は、所期の生物作用を実質的に変えることなく、配列番号3のアミノ酸配列におけるアミノ酸の1個又は2個以上を他のアミノ酸で置換することにより得ることができる。なお、同じDNAであっても、それを導入する宿主や、そのDNAを含む形質転換体の培養に使用する栄養培地の成分・組成、培養温度・pHなどに依っては、宿主内酵素によるDNA発現後の修飾などにより、所期の生物作用を保持しているものの、配列番号3のアミノ酸配列におけるN末端付近のアミノ酸が1個又は2個以上欠失したり、N末端に1個又は2個以上のアミノ酸が新たに付加した変異体の産生することがある。斯かる変異体も、それが免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導するかぎり、当然、この発明の蛋白質に包含される。
【0058】
この発明の蛋白質は、それをコードするDNAを含む形質転換体を栄養培地で培養し、産生した蛋白質を培養物から採取することにより製造することができる。この発明で使用する形質転換体は、例えば、配列表における配列番号4に示す5´末端からの塩基配列若しくはそれに相同的な塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列のDNAを適宜宿主に導入することにより得ることができる。なお、上記塩基配列は、遺伝子の縮重を利用して、コードするアミノ酸配列を変えることなく、塩基の1個又は2個以上を他の塩基で置き換えてもよい。また、DNAが宿主中で実際に当該蛋白質の産生を発現するために、当該蛋白質又はその相同変異体をコードする塩基配列における塩基の1個又は2個以上を他の塩基で適宜置換し得ることは云うまでもない。
【0059】
この発明で使用するDNAは、それが前述のような配列を有するかぎり、それが天然に由来するものか人為的に合成されたものであるかは問わない。天然の給源としては、例えば、マウスの肝臓が挙げられ、その細胞からはこの発明のDNAを含む遺伝子が得られる。すなわち、例えば、コリネバクテリウム・パルバム、BCG、マイトジェン、リポ多糖などの細網内皮系刺激物質で刺激しておいたマウスから肝臓を摘出し、破砕後、全RNAを単離する。この全RNAをオリゴ(dT)セルロース、オリゴ(dT)ラテックスなどで処理してポリ(A)RNAとした後、蔗糖濃度勾配などにより分画してmRNAを単離する。このmRNAを鋳型に逆転写酵素とポリメラーゼを作用させて二重鎖cDNAとし、これを自律複製可能な適宜ベクターに挿入し、得られた組換えDNAを大腸菌などの適宜宿主に導入して形質転換体とする。この形質転換体を栄養培地で培養し、培養物にコロニーハイブリダイゼーション法を適用してこの発明の蛋白質をコードするDNAを含む形質転換体を採取する。斯くして得られた形質転換体を通常一般の方法により処理すれば、この発明のDNAが得られる。一方、この発明のDNAを人為的に合成するには、例えば、配列表における配列番号4に示す塩基配列に基づいて化学合成するか、配列表における配列番号3に示すアミノ酸配列をコードするDNAを自律複製可能な適宜ベクターに挿入して組換えDNAとし、これを適宜宿主に導入して得られる形質転換体を培養し、培養物から菌体を分離し、その菌体から当該DNAを含むプラスミドを採取すればよい。
【0060】
斯かるDNAは、通常、組換えDNAの形態で宿主に導入される。組換えDNAは、通常、DNAと自律複製可能なベクターを含んでなり、DNAが入手できれば、通常一般の組換えDNA技術により比較的容易に調製することができる。斯かるベクターの例としては、例えば、pKK223−2、pGEX−2T、pRL−λ、pBTrp2 DNA、pUB110、YEp13、Tiプラスミド、Riプラスミド、pBI121などのプラスミドベクターが挙げられ、このうち、この発明のDNAを大腸菌、枯草菌、酵母などの原核生物で発現させるにはpKK223−2、pGEX−2T、pRL−λ、pBTrp2 DNA、pUB110、YEp12が、また、動物由来の細胞で発現させるにはTiプラスミド、Riプラスミド、pBI121が好適である。
【0061】
斯かるベクターにこの発明のDNAを挿入するには、斯界において通常一般の方法が採用される。具体的には、先ず、この発明のDNAを含む遺伝子と自律複製可能なベクターとを制限酵素及び/又は超音波により切断し、次に、生成したDNA断片とベクター断片とを連結する。遺伝子及びベクターの切断にヌクレオチドに特異的に作用する制限酵素、とりわけ、II型の制限酵素、詳細には、Sau 3AI、Eco RI、Hind III、Bam HI、Sal I、Xba I、Sac I、Pst Iなどを使用すれば、DNA断片とベクター断片を連結するのが容易となる。DNA断片とベクター断片を連結するには、必要に応じて、両者をアニーリングした後、生体内又は生体外でDNAリガーゼを作用させればよい。斯くして得られた組換えDNAは、適宜宿主に導入して形質転換体とし、これを培養することにより無限に複製可能である。
【0062】
この発明による組換えDNAは、大腸菌、枯草菌、放線菌、酵母を始めとする適宜の宿主に導入することができる。宿主が大腸菌の場合には、宿主を組換えDNAとカルシウムイオンの存在下で培養すればよく、一方、宿主が枯草菌の場合には、コンピテントセル法やプロトプラスト法を適用すればよい。形質転換体をクローニングするには、コロニーハイブリダイゼーション法を適用するか、栄養培地で培養し、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する蛋白質を産生するものを選択すればよい。
【0063】
斯くして得られる形質転換体は、栄養培地で培養すると、菌体又は細胞内外に当該蛋白質を産生する。栄養培地には、通常、炭素源、窒素源、ミネラル、さらには、必要に応じて、アミノ酸やビタミンなどの微量栄養素を補足した通常一般の液体培地が使用され、個々の炭素源としては、澱粉、澱粉加水分解物、グルコース、果糖、蔗糖などの糖質が、また、窒素源としては、例えば、アンモニア又はアンモニウム塩、尿素、硝酸塩、ペプトン、酵母エキス、脱脂大豆、コーンスティープリカー、肉エキスなどの含窒素無機乃至有機物が挙げられる。形質転換体を斯かる栄養培地に植菌し、栄養培地を温度25乃至65℃、pH2乃至8に保ちつつ、通気攪拌などによる好気的条件下で約1乃至10日間培養すれば、当該蛋白質を含む培養物が得られる。この培養物はIFN−γ誘導剤としてそのまま使用可能ではあるが、通常は使用に先立ち、必要に応じて、超音波や細胞壁溶解酵素により菌体を破砕した後、濾過、遠心分離などにより当該蛋白質を菌体若しくは菌体破砕物から分離し、精製する。精製には菌体又は菌体破砕物を除去した培養物に、例えば、濃縮、塩析、透析、分別沈澱、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、ゲル電気泳動、等電点電気泳動などの生理活性物質を精製するための斯界における通常一般の方法が採用でき、必要に応じて、これら方法を適宜組合せればよい。そして、最終使用形態に応じて、精製した蛋白質を濃縮・凍結乾燥して液状若しくは固状にすればよい。
【0064】
前述のとおり、この発明の蛋白質は、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する性質を有する。この性質により、この発明の蛋白質は、細胞培養法によりIFN−γを製造の際の誘導剤として、さらには、IFN−γに感受性を有する、例えば、エイズや尖圭コンジロムなどのウイルス性疾患、腎臓癌、肉芽腫、菌状息肉症、脳腫瘍などの悪性腫瘍、関節リウマチやアレルギー症などの免疫疾患に対する治療剤・予防剤として有用である。
【0065】
この発明の蛋白質は、通常、免疫担当細胞を培養してIFN−γを製造するための培養培地に共存させるか、IFN−γ感受性疾患の治療・予防のために哺乳類の体内に直接投与される。すなわち、前者の用途においては、哺乳類の末梢血から分離される白血球や、例えば、HBL−38細胞、MO細胞、Jurkat細胞、EL−4細胞、L12−R4細胞などの培養株化された免疫担当細胞をこの発明の蛋白質を含む適宜の培養培地に浮遊させる。必要に応じて、培養培地にマイトジェンやインターロイキン2、抗CD3抗体などのT細胞刺激物質を加え、培養培地を温度約30乃至40℃、pH約5乃至8に保ちつつ、培養培地を適宜新鮮なものと取替えながら、通常一般の方法により約1乃至100時間培養する。斯くして得られる培養物を生理活性物質を精製するための通常一般の方法、すなわち、濃縮、塩析、透析、分別沈澱、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、ゲル電気泳動、等電点電気泳動などの1種若しくは2種以上を適宜組合せて適用することにより、IFN−γを採取することができる。
【0066】
一方、IFN−γ感受性疾患の治療・予防のためには、哺乳類の体内にこの発明によるIFN−γ誘導剤を直接投与すればよい。具体的には、この発明のIFN−γ誘導剤を投与に適した適宜剤型に調製後、哺乳類に経口投与するか、例えば、皮内、皮下、筋肉内、静脈内又は腹腔内に注射投与する。この発明の蛋白質を投与し得る哺乳類はヒトに限定されず、例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サルなどの哺乳動物であってもよい。この発明の蛋白質は強力なIFN−γ誘導能を有することから、一般に少量で所期のIFN−γ産生を誘導でき、また、毒性が極めて低いことから、多量投与しても重篤な副作用を惹起することがない。したがって、この発明の蛋白質は、使用に際して用量を厳密に管理しなくても、所望のIFN−γ産生を迅速に誘導できる利点がある。
【0067】
くわえて、この発明の蛋白質はキラー細胞による細胞障害性を増強する性質が顕著なことから、インターロイキン2や腫瘍壊死因子と適宜併用することにより、養子免疫療法による肺癌、腎臓癌、乳癌などの固形癌を含む悪性腫瘍の治療における治療効果や副作用の改善に顕著な効果を発揮する。
【0068】
以下、形質転換体を用いるこの発明による蛋白質の製造につき、実施例に基づいて具体的に説明する。
【0069】
【実施例1】
<複製可能な組換えDNAと形質転換体>
宝酒造製PCRキット『GeneAmp RNA PCR Kit』を使用し、実験例3−1の方法により得た全RNAから第一ストランドcDNAを調製した。すなわち、0.5ml容反応管に25mM塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液を2μl、1mM dNTPミックスを8μl、1単位/μlのRNaseインヒビターを1μl、2.5単位/μlの逆転写酵素を1μl、2.5μMランダムヘキサマーを1μl及び実験例3−1の方法により得た全RNA 1μgをとり、滅菌蒸留水で20μlとした。そして、混合物を25℃で10分間、42℃で30分間、99℃で5分間、5℃で5分間この順序でインキュベートして第一ストランドcDNA含む反応物を得た。
【0070】
この反応物を20μlとり、これに25mM塩化マグネシウムを4μl、10×PCR緩衝液を8μl、2.5単位/μlアンプリタックDNAポリメラーゼを0.5μl、配列表の配列番号3におけるN末端又はC末端付近のアミノ酸配列に基づき化学合成した5´−CGAGGGATCGAACTTTGGCCGACTTC−3´又は5´−CGAGGAATTCCTAACTTTGATGTAAG−3´で表わされる塩基配列のセンスプライマー及びアンチセンスプライマーの適量を加え、滅菌蒸留水で100μlとした。次に、常法により、この混合物を94℃で1分間、55℃で2分間、72℃で3分間この順序でインキュベートするサイクルを40回繰返し、得られたPCR産物を制限酵素Bam HI及びEco RIで切断してBam HI−Eco RI DNA断片を得た。
【0071】
このDNA断片を適量の滅菌蒸留水中に100ngとり、これに、予め制限酵素Bam HI及びEco RIで切断しておいたファルマシア製プラスミドベクター『pGEX−2T』を10ng、適量のT4 DNAリガーゼ及び10mM ATPを最終濃度1mMになるように加えた後、16℃で18時間インキュベートした。得られた組換えDNAをコンピテントセル法により大腸菌DH5(ATCC53868)株に導入して形質転換体とし、これをアンピシリン50μg/mlを含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、37℃で18時間培養した後、通常のアルカリ−SDS法により組換えDNAを抽出した。
【0072】
この組換えDNAを『pMGTG−1』と命名するとともに、その構造をジデオキシ法により調べたところ、図2に見られるように、このpMGTG−1においては、配列表における配列番号4に示す塩基配列のMGTG cDNAがTacプロモータ及びグルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子の下流に連結されていた。
【0073】
【実施例2】
<形質転換体による蛋白質の製造>
実施例1の方法で得た形質転換体をアンピシリン50μg/mlを含むL−ブロス培地(pH7.2)に植菌し、振盪しながら37℃で18時間種培養した。種培養物を1%(v/v)の割合で新鮮な18lの同一培地に植菌し、37℃で通気攪拌培養した。そして、波長650nmにおける培養物の吸光度が約0.6に達した時点でIPTGを最終濃度1mMまで加え、さらに5時間培養した。その後、遠心分離により培養物から菌体を採取し、150mM塩化ナトリウム、16mM燐酸水素二ナトリウム及び4mM燐酸二水素ナトリウムを含む混液(pH7.3)に浮遊させ、常法により超音波処理後、菌体破砕物を遠心分離し、上清を採取した。
【0074】
この上清を予め150mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化させておいたファルマシア製『グルタチオン・セファロース4B』カラムに負荷し、新鮮な同一緩衝液で洗浄後、カラムに5mM還元型グルタチオンを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を通液して蛋白質を溶出させた。次いで、蛋白質を含む画分に採取濃度が2.5mMになるように塩化カルシウムを加えるとともに、トロンビンを1,000単位加え、25℃で18時間インキュベートし、反応物を予め150mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化させておいたグルタチオン・セファロース4Bカラムに通液して非吸着画分を採取した。その後、この画分を濃縮し、凍結乾燥したところ、比活性約5×10単位/mg蛋白質の当該蛋白質を含む固状物が培養物1l当たり約3mgの収量で得られた。
【0075】
実験例2と同様にしてこの精製蛋白質の理化学的性質を調べたところ、この精製蛋白質は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動方法又はゲル濾過法により測定すると分子量19,000±5,000ダルトンを、また、クロマトフォーカシング法により測定すると4.8±1.0に等電点を示した。さらに、実験例2−4の方法により試験したところ、精製蛋白質は、コンカナバリンAの非存在下及び存在下で免疫担当細胞におけるIFN−γ産生をよく誘導し、また、キラー細胞の細胞障害性も顕著に増強した。これは、組換えDNA技術によっても、当該蛋白質を製造し得ることを裏付けるものである。
【0076】
【発明の効果】
この発明は、免疫担当細胞においてIFN−γの産生を誘導する新規な蛋白質の発見に基づくものである。この発明の蛋白質は、通常、アミノ酸配列の一部又は全部が解明された物質であり、免疫担当細胞において安定したIFN−γ誘導能を発揮する。これにより、この発明の蛋白質は、細胞培養法によりIFN−γを製造するためのIFN−γ誘導剤として、さらには、IFN−γに感受性を有するウイルス性疾患、悪性腫瘍、免疫疾患一般に対する治療剤・予防剤として多種多様の用途を有することとなる。
【0077】
この発明の蛋白質は強力なIFN−γ誘導能を有することから、一般に少量で所期のIFN−γ産生を誘導でき、また、毒性が極めて低いことから、多量投与しても重篤な副作用を惹起することがない。したがって、この発明の蛋白質は、使用に際して用量を厳密に管理しなくても、所望のIFN−γ産生を迅速に誘導できる利点がある。くわえて、この発明の蛋白質はキラー細胞による細胞障害性を増強する性質が顕著なことから、インターロイキン2や腫瘍壊死因子と適宜併用することにより、養子免疫療法による肺癌、腎臓癌、乳癌などの固形癌を含む悪性腫瘍の治療における治療効果や副作用の改善に顕著な効果を発揮する。
【0078】
斯くも有用なるこの発明の蛋白質は、これをコードするこの発明のDNAを利用することにより、所望量を容易に製造することができる。
【0079】
この発明は、斯くも顕著な作用効果を発揮するものであり、斯界に貢献すること誠に多大な意義のある発明であると言える。
【0080】
【配列表】
Figure 0003542763
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【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の蛋白質をトリプシン消化して得られるペプチド断片の高速液体クロマトグラフィーにおける溶出パターンを示す図である。
【図2】この発明による組換えDNAであるpMGTG−1の構造を示す図である。
【符号の説明】
MGTG cDNA : この発明の蛋白質をコードするcDNA
Ptac : tacプロモータ
GST : グルタチオンSトランスフェラーゼ遺伝子
Amp R : アンピシリン耐性遺伝子
pBR322ori : 大腸菌における複製開始点

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  1. インターフェロン−γに感受性を有する疾患に対する治療剤・予防剤の製造のための、配列表における配列番号3(ただし、「Xaa」はメチオニン又はトレオニンを意味するものとする。)に示すアミノ酸配列又は、そのアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加したアミノ酸配列を有し、免疫担当細胞においてインターフェロン−γの産生を誘導するとともに、キラー細胞による細胞傷害性を増強する蛋白質の使用方法
  2. インターフェロン−γ誘導剤の製造のための、配列表における配列番号3(ただし、「Xaa」はメチオニン又はトレオニンを意味するものとする。)に示すアミノ酸配列又は、そのアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加したアミノ酸配列を有し、免疫担当細胞においてインターフェロン−γの産生を誘導するとともに、キラー細胞による細胞傷害性を増強する蛋白質の使用方法
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