JP3108462B2 - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物

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JP3108462B2 JP03140948A JP14094891A JP3108462B2 JP 3108462 B2 JP3108462 B2 JP 3108462B2 JP 03140948 A JP03140948 A JP 03140948A JP 14094891 A JP14094891 A JP 14094891A JP 3108462 B2 JP3108462 B2 JP 3108462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物とデンプン系高分子とからなる生分解
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてのプラスチックス製のフ
ィルムや容器、農業用資材としてのプラスチックスフィ
ルムや結束用テープをはじめとするプラスチックス成形
物は、正規の処理ルート以外で廃棄されることがある。
この場合、該成形物は長年その形状を維持するため、深
刻な廃棄物公害を生じている。そこで、野外、田畑、河
川等に廃棄されるおそれのある成形物は、使用目的が達
成された後は土中や水中の微生物によりすみやかに分解
されることが望まれる。
【0003】このような背景から、生分解性成形物を得
るための生分解性組成物の研究開発が盛んに行われてい
る。これらの研究開発のうちエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(つまりエチレン−ビニルアルコール共重
合体)とデンプン系高分子とからなる生分解性ないし崩
壊性組成物については、次のような出願がなされてい
る。
【0004】特開平3−31333号公報には、エチレ
ン/ビニルアルコール共重合体および変性澱粉を含んで
なる生分解性プラスチック物品製造用ポリマー組成物で
あって、該エチレン/ビニルアルコール共重合体のエチ
レン含量が10〜90重量%であり、メルトフローイン
デックスが2〜50であるポリマー組成物が示されてい
る。ここでメルトフローインデックスは、230℃、2.
16Kgで測定した値である。該公報には、エチレン/ビニ
ルアルコール共重合体のより好ましい性質は以下の通り
であるとしている。
【0005】・ 極限粘度[η](ジメチルスルホキシ
ド中30℃): 0.5〜0.9 、好ましくは0.65〜0.80 ・ 分子量分布MW/Mn (テトラヒドロフラン中のGP
C): 1.3〜4 ・ 融点:180℃未満、好ましくは160〜170℃ ・ 加水分解度90〜99.9%
【0006】特開平2−14228号公報には、水を含
む分解澱粉および少なくとも1種の実質的に水不溶性の
合成熱可塑性ポリマーを含む溶融体から得られる配合ポ
リマー材料が示されている。この公報の出願の特許請求
の範囲の請求項4には、熱可塑性ポリマーとして、エチ
レン/酢酸ビニル−コポリマー、エチレン/ビニルアル
コール−コポリマー、エチレン/アクリル酸−コポリマ
ー、エチレン/アクリル酸エチル−コポリマー、エチレ
ン/アクリル酸メチル−コポリマー、ABS−コポリマ
ー、スチレン/アクリロニトリル−コポリマー、ポリア
セタールが用いられるとしてあり、このようにエチレン
/ビニルアルコール−コポリマーについても言及がある
が、エチレン/ビニルアルコール−コポリマーを用いた
実施例はあげられていない。
【0007】特開平3−24101号公報には、澱粉
を、高沸点可塑剤と尿素、アルカリ土類またはアルカリ
金属水酸化物およびこれらの混合物から選ばれた変性剤
と共に、可塑剤の沸点以下で120〜170℃の温度に
おいて澱粉を変性するのに十分な時間混合することから
なる生分解性プラスチック物品製造用変性澱粉組成物の
製法が示されている。該公報の実施例の直前の個所に
は、この変性澱粉組成物はエチレン/ビニルアルコール
共重合体と混合するのに適しているとの記載があり、実
施例5には、変性澱粉ペレット60重量%およびエチレ
ン/ビニルアルコール共重合体40重量%を押出機で押
出した例が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】エチレン−ビニルアル
コール共重合体とデンプン系高分子とからなる生分解性
ないし崩壊性組成物は、溶融成形時に熱分解しやすいデ
ンプン系高分子を多量に含む上、エチレン−ビニルアル
コール共重合体自身も汎用の熱可塑性樹脂の中では比較
的溶融成形性が難しい樹脂の一つであるので、両者の併
用系においてはロングラン成形時に目脂(メヤニ)、ゲ
ル、経時着色、フィッシュアイなどの成形物欠陥を生じ
やすいという問題点がある。上記の併用系において生分
解性ないし崩壊性成形物を安価にかつ安定して供給する
ためには、このロングラン成形性の問題を解決すること
が必要である。
【0009】しかるに、上記特開平3−31333号公
報においては、そこで使用するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体として、エチレン含量、ケン化度、メルト
フローインデックス、極限粘度(分子量に関連する指
標)、融点、分子量分布という一般的な指標を目安に好
ましいものを選択しているにとどまり、樹脂の溶融特性
についても融点とメルトフローインデックスに着目して
いるにすぎない。特開平3−31333号公報の実施例
を追試しても、初期成形性には特に問題はないものの、
ロングラン成形を行うと種々の成形物欠陥を生ずる。こ
れは、ロングラン成形に必要な溶融特性が見い出されて
いないためと思われる。
【0010】特開平2−14228号公報においては、
実際にエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた実
施例がなく、ましてその共重合体を用いたときのロング
ラン成形性については検討されていない。
【0011】特開平3−24101号公報の実施例5に
は、変性澱粉ペレット60重量%およびエチレン/ビニ
ルアルコール共重合体40重量%を押出機で押し出した
例が示されているが、該共重合体の溶融特性については
検討されておらず、また該共重合体を含めロングラン成
形性に関する検討がなされていない。
【0012】結局、上に引用した特開平3−31333
号公報、特開平2−14228号公報および特開平3−
24101号公報は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体)とデン
プン系高分子とからなる生分解性ないし崩壊性組成物に
関するバックグラウンドとしての技術を示しているにす
ぎず、この併用系におけるロングラン成形性は未解決事
項となっている。
【0013】本発明は、このような背景下において、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分
子との併用系におけるロングラン成形性を改良すること
を目的になされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の生分解性樹脂組
成物は、エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビニル
単位のケン化度が90モル%以上の組成を有し、210
℃における2160g荷重下のメルトフローインデック
スが1〜100g/10min であり、かつ温度250℃に6
0分間保ったときの溶融粘度η60と温度250℃に5分
間保ったときの溶融粘度η5 との比η60/η5 0.8〜
2.5であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)
と、デンプン系高分子(B) とからなること、および、そ
れらのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A) とデ
ンプン系高分子(B) との配合割合が重量比で70:30
〜30:70であること、を特徴とするものである。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と
しては、エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビニル
単位のケン化度が90モル%以上の組成を有するものが
用いられ、上記組成をはずれたときには、物性面やデン
プン系高分子との相溶性の点で不利となる。なお上記組
成を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は、
本発明の趣旨を損なわない限りにおいて、他の共重合可
能なモノマー(他のα−オレフィン、エチレン性不飽和
カルボン酸系化合物、ビニルエーテル、酢酸ビニル以外
のビニルエステル、エチレン性不飽和スルホン酸系化合
物、オキシアルキレン基含有モノマーなど)で共重合変
性されていてもよく、またオキシアルキレンエーテル
化、シアノエチル化、アセタール化、ウレタン化などの
「後変性」されたものであってもよい。
【0017】次に、上記組成を有するエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物の溶融特性については、まず21
0℃における2160g荷重下のメルトフローインデッ
クスが1〜100g/10min にあることが要求され、メル
トフローインデックスがこの範囲をはずれるときは、溶
融成形グレードとしての適格性を欠く。
【0018】そして本発明においては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の溶融特性として、温度250
℃に60分間保ったときの溶融粘度η60と温度250℃
に5分間保ったときの溶融粘度η5 との比η60/η5
0.8〜 2.5であることが要求され、この点が本発明のポ
イントである。η60/η5 0.8未満の場合、つまり減
粘傾向が許容範囲を越える場合には、ロングラン成形に
より目脂の発生、ゲルの混入、フィッシュアイの発生、
経時着色などの成形物欠陥や、ストランドやフィルムに
するときの成形不安定を生じ、η60/η5 2.5を越え
るとき、つまり増粘傾向が許容範囲を越える場合には、
ロングラン成形により目脂の発生、ゲルの混入、フィッ
シュアイの発生などの成形物欠陥を生ずる。そのため、
いずれの場合もロングラン成形そのものが困難となる。
【0019】なお上記における溶融粘度は、高化式フロ
ーテスターを用い、ノズル1mmφ×10mm、荷重10kg
/cm2の条件で測定したものである。このような条件下で
温度250℃におけるシリンダー中での滞留時間が5
分、60分のときの粘度を測定することにより、η5
η60が求められる。
【0020】このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物は、その重合法、ケン化法、重合度、ケン化
度、ケン化物後処理法、乾燥条件、添加物等によってそ
の性質が変るので一概にその製造法を規定することはで
きないが、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を
ケン化して製造されるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物の粉末、粒子、ペレットを酸、特に弱酸の水溶液
または強酸の水溶液で充分に洗浄し、さらに水洗によっ
て樹脂に付着した酸を除去し、乾燥することによって得
られる。
【0021】ここで弱酸としては、酢酸、プロピオン
酸、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、アゼライン酸、
グルタール酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸をはじめ通常pKa(25℃)が 3.5以上の
ものが用いられる。また上記弱酸による処理を行った
後、水洗の前または後にさらに稀薄な強酸、たとえばシ
ュウ酸、マレイン酸などpKa(25℃)が 2.5以下の
有機酸やリン酸、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸の水溶
液またはこれらの酸の塩の水溶液で処理することによっ
てもコントロール可能であるので、その使用が望まし
い。
【0022】上記の溶融特性の観点から市販のエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物のη60/η5 を見ると、
増粘傾向を示すもの、減粘傾向を示すものと千差万別で
あり、従来はη60/η5 につき考慮が払われていなかっ
たことがうかがえる。
【0023】デンプン系高分子としては、トウモロコシ
デンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、コムギデン
プン、キッサバデンプン、サゴデンプン、タピオカデン
プン、モロコシデンプン、コメデンプン、マメデンプ
ン、クズデンプン、ワラビデンプン、ハスデンプン、ヒ
シデンプン等の生デンプン;物理的変性デンプン(α−
デンプン、分別アミロース、湿熱処理デンプン等);酵
素変性デンプン(加水分解デキストリン、酵素分解デキ
ストリン、アミロース等);化学分解変性デンプン(酸
処理デンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、ジアルデヒド
デンプン等);化学変性デンプン誘導体(エステル化デ
ンプン、エーテル化デンプン、カチオン化デンプン、架
橋デンプン等)などがあげられる。なお、化学変性デン
プン誘導体のうちエステル化デンプンとしては、酢酸エ
ステル化デンプン、コハク酸エステル化デンプン、硝酸
エステル化デンプン、リン酸エステル化デンプン、尿素
リン酸エステル化デンプン、キサントゲン酸エステル化
デンプン、アセト酢酸エステル化デンプンなど、エーテ
ル化デンプンとしては、アリルエーテル化デンプン、メ
チルエーテル化デンプン、カルボキシメチルエーテル化
デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン、ヒド
ロキシプロピルエーテル化デンプンなど、カチオン化デ
ンプンとしては、デンプンと2−ジエチルアミノエチル
クロライドの反応物、デンプンと2,3−エポキシプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライドの反応物など、
架橋デンプンとしては、ホルムアルデヒド架橋デンプ
ン、エピクロルヒドリン架橋デンプン、リン酸架橋デン
プン、アクロレイン架橋デンプンなどがあげられる。
【0024】本発明のデンプン系高分子は含水物として
用いることもでき、この場合における含水率は8〜30
重量%とするのが適当である。これにより、着色、ヤ
ケ、コゲ、異物混入などを軽減させることが可能とな
る。
【0025】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と
デンプン系高分子含水物との配合割合は、重量比で7
0:30〜30:70に設定される。デンプン系高分子
含水物の割合が余りに少ないときは生分解性ないし崩壊
性が損なわれ、一方その割合が余りに多いときは成形物
の機械的物性が不足する。
【0026】本発明の樹脂組成物は、上述のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物およびデンプン系高分子を
主成分とするが、そのほか、可塑剤(多価アルコール、
尿素等)、樹脂成分(エチレン共重合体やその他のポリ
オレフィン、水素添加スチレン−ブタジエンゴム、ポリ
ウレタン、ポリアミド、ポリヒドロキシブチレート
等)、デンプン系高分子以外の天然高分子(多糖類系高
分子、セルロース系高分子、タンパク質系高分子等)、
熱安定剤、自動酸化剤、充填剤、着色剤、耐水化剤など
を含んでいてもよい。
【0027】特に、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスルトール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、マンニトール、ソルビトールなどの多価
アルコールや尿素の配合は有用であり、エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物およびデンプン系高分子の合計
量100重量部に対し20重量部程度までの範囲内で配
合することができる。
【0028】溶融成形法としては、主として押出成形法
(ブロー成形法を含む)が採用されるが、カレンダー成
形法、射出成形法なども採用することができる。押出成
形に際しては、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
およびデンプン系高分子を別々にあるいは同時に押出機
に供給して溶融混練を行って一旦ペレット化し、ついで
このペレットを押出機に供給して所期の形状に成形する
方法が好適に採用される。後段の溶融成形温度は、18
0℃以下に設定することが多い。デンプン系高分子が含
水物であるときは、ベント付き押出機を用いて押出物中
の含水率を5重量%以下にしてから後段の溶融成形に供
することが望ましい。
【0029】本発明の生分解性樹脂組成物により得られ
る成形物は、包装用資材(フィルム、シート、ボトル、
カップ、トレイ等);農業用資材(農業用フィルム、結
束テープ等);民生用資材(おむつのバックシート、買
物袋、ゴミ袋、綿棒軸、ボールペンやシャープペンのボ
ディ、ペン軸、ゴルフ用ティー、園芸用育苗ポット、衛
生ナプキン、ラベル、事務用ホルダー、バッグ、簡易包
装用開閉式ジャケット、玩具等)をはじめ、種々の用途
に用いることができる。
【0030】
【作用】本発明においては、エチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物として、温度250℃に60分間保ったと
きの溶融粘度η60と温度250℃に5分間保ったときの
溶融粘度η5 との比η60/η5 に着目した特定の溶融特
性を有するものを用いているため、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物とデンプン系高分子との重量比で7
0:30〜30:70の併用系であるにもかかわらず
すぐれたロングラン成形性を発揮する。
【0031】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0032】実施例1〜5、比較例1〜5 〈エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造〉 エチレン含量が44モル%、38モル%、32モル%ま
たは29モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の
メタノール溶液に水酸化ナトリウムを触媒として加えて
一次ケン化し、ついで得られた一次ケン化物を取り出し
て水中に分散させ、さらに水酸化ナトリウムを加えて二
次ケン化を行い、ケン化度99モル%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物を得た。得られたケン化物を水
洗し、さらに必要に応じて酢酸またはリン酸ナトリウム
の希薄水溶液で洗浄した後、乾燥した。これにより、後
の表1に示した特性値を有するエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物が得られた。
【0033】〈溶融成形およびロングラン成形性評価〉 上記で得たエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を二
軸押出機の主フィーダーから3kg/hr の割合で供給する
と共に、デンプン(コーンスターチ)100重量部に対
しグリセリン30重量部を混合した混合物を、上記の二
軸押出機のサイドフィーダーから4kg/hr 割合で供給
し、ダイスよりストランド状に押し出してから、ペレタ
イザーで直径3mm、長さ3mmの大きさにペレット化し
た。二軸押出機の温度条件は下記の通りに設定した。 1 2 3 4 5 200℃ 170℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃
【0034】このペレット化操作を連続3日間(比較例
の場合は1日または2日)行い、二軸押出機の吐出部に
おける目脂の発生の有無、ペレット中に混入するゲルの
有無、ペレットの着色の程度を調べた。また連続成形終
了後二軸押出機を解体点検し、劣化物の残留状況を調べ
た。
【0035】次に、上記で得られたペレット(成形開始
後3時間までのもの)を単軸押出機に供給して再度ペレ
ット化する操作を計6回繰り返し、最終的に得られたペ
レットをTダイを備えた単軸押出機に供給して30μm
厚さに製膜することにより、製膜したフィルム中に混入
するゲルの有無、フィッシュアイ発生の有無を調べた。
また製膜用の押出機を解体点検し、内部の劣化物の残留
状況を調べた。
【0036】この場合、ペレット化用の単軸押出機、製
膜用の単軸押出機の温度条件は下記の通りに設定した。 ペレット化用の単軸押出機 1 2 3 4 5 130℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 製膜用の単軸押出機 1 2 3 4 5 130℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃ 160℃
【0037】〈結果〉 ロングラン成形性の評価結果を表1に示す。使用したエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の特性値について
も併せて表1に示す。
【0038】 表1 実施例 比較例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 エチレン−酢酸ビニル共重合 体ケン化物の特性値 エチレン含量(モル%) 44 44 38 32 29 44 38 38 32 29 ケン化度(モル%) 99 99 99 99 99 99 99 99 99 99 メルトフローインデックス 12 12 25 3 8 12 8 25 3 8 (g/10min) 溶融粘度比η 60 /η 5 1.2 0.9 2.2 2.5 2.0 4.9 5.5 0.1 5.2 0.3 二軸押出機におけるロングラ ン成形性 継続日数 3 3 3 3 3 1 1 2 1 2 目脂 無 無 無 少 無 多 多 多 多 多 ゲル 無 無 無 無 無 多 多 有 多 有 経時着色 無 微 無 無 無 微 微 有 無 有 劣化物の残留(解体点検) 無 無 無 微 無 多 多 多 多 有 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ × × × × △ 6回繰り返しペレット化後、 製膜したときの製膜結果 ゲル 無 無 無 無 無 多 多 多 多 有 フィッシュアイ 無 無 無 無 無 多 多 多 多 多 劣化物の残留(解体点検) 無 無 無 微 無 多 多 多 多 多 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ × × × × ×
【0039】表1中、目脂、ゲル、経時着色、フィッシ
ュアイについては、無、微、少、有、多の5段階で判定
した。総合評価は、○(良好)、△(やや劣る)、×
(劣る)の3段階で判定した。
【0040】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分子と
の併用系であるにもかかわらず、従来未解決事項であっ
たロングラン成形性を顕著に改善することができる。従
って、この併用系の生分解性成形物を安価にかつ安定し
て供給することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−31333(JP,A) 特開 昭56−41204(JP,A) 特開 昭52−954(JP,A) 特公 昭55−19242(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 3/00 - 3/10 C08L 23/26 C08L 29/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビ
    ニル単位のケン化度が90モル%以上の組成を有し、2
    10℃における2160g荷重下のメルトフローインデ
    ックスが1〜100g/10min であり、かつ温度250℃
    に60分間保ったときの溶融粘度η60と温度250℃に
    5分間保ったときの溶融粘度η5 との比η60/η50.
    8〜 2.5であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A) と、デンプン系高分子(B) とからなること、およ
    び、それらのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A) とデンプン系高分子(B) との配合割合が重量比で7
    0:30〜30:70であること、を特徴とする生分解
    性樹脂組成物。
JP03140948A 1991-05-15 1991-05-15 生分解性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3108462B2 (ja)

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