JP2000043200A - 生分解性多層成形品 - Google Patents

生分解性多層成形品

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JP2000043200A
JP2000043200A JP10211054A JP21105498A JP2000043200A JP 2000043200 A JP2000043200 A JP 2000043200A JP 10211054 A JP10211054 A JP 10211054A JP 21105498 A JP21105498 A JP 21105498A JP 2000043200 A JP2000043200 A JP 2000043200A
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cellulose acetate
plasticizer
acetylation
weight
biodegradable
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Katsuaki Matsubayashi
克明 松林
Mikiko Ishizaki
美紀子 石崎
Naohiko Tsujimoto
直彦 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解速度を制御し、環境中で使用した場
合、必要な期間物性を維持し、その後速やかに生分解さ
せることのできる成形品を提供すること。 【解決手段】 酢化度30〜51%のセルロースアセテ
ートおよび可塑剤を主成分とするセルロースアセテート
系組成物からなる支持体の片面及び/又は両面に酢化度
52〜56%のセルロースアセテートおよび可塑剤を主
成分とするセルロースアセテート系組成物からなる層を
設けることを特徴とする生分解性セルロースアセテート
系多層成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形、射出成
形などの成形加工によるプラスチック成形品に関し、特
に、環境保護に適した生分解性のセルロースアセテート
系成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護に向けた認識が深まるな
かでプラスチック廃棄物の処理問題が重要視され、溶融
成形方法でフィルム、シート、容器とし農業、園芸用途
向けに使用するものについては、自然界で容易に分解す
る生分解性樹脂を、あるいは溶融紡糸で繊維化した不織
布等の使い捨て用途向けに使用するものについては、コ
ンポスト化が可能な生分解性樹脂を原料として用いる気
運が高まっている。
【0003】こうした状況下、各種の生分解性ポリエス
テル樹脂が溶融成形、溶融紡糸のための用途としても開
発されているが、価格が高く普及するには至っていな
い。一方、天然物を原料とする多糖類系は、生分解性と
安全性に加えて価格が安く原料が安定供給可能なことか
ら期待されているが、現在までのところ、生分解性ポリ
エステル樹脂並みの物性を有するものが得られていな
い。
【0004】また、価格、物性の他に生分解性樹脂を用
いた場合の問題点として、生分解速度が樹脂の化学構造
と成形方法に由来する高次構造で決まってしまうため、
生分解速度を変更することが難しく、環境中で使用した
場合、必要な期間物性を維持させて、その後速やかに分
解させるような生分解速度の制御ができないことが挙げ
られる。例えば、結晶性の生分解性ポリエステル樹脂の
場合、化学構造とともに成形方法により決まる高次構造
で生分解速度が決まり、厚さと形状を変える以外には、
生分解性速度を簡単に制御することができない。そのた
め、化学構造の異なる生分解性ポリエステルを組み合わ
せることで全体の生分解速度を制御する試みもあるが、
土壌中の微生物によって生分解速度が決まるため、定ま
った環境下でないと生分解速度は制御できない。そこ
で、特開平9−107809に記載されているように、
生分解性樹脂に非生分解性樹脂を組み合わせて、必要な
期間物性を維持した後速やかに分解させるような複合品
の提案もなされているが、分解されない成分が残るた
め、用途が限定される。
【0005】他方、多糖類系の中でセルロースを原料と
し汎用樹脂として広く使用されているセルロースアセテ
ートは、セルロースを完全にアセチル化した後部分ケン
化することで製造されており、近年酢化度56%程度の
ものについても、生分解速度は遅いが、脱アセチル化に
より酢化度が低下し、その後生分解が進行することが知
られるようになった(C. M. Buchanan et
al.、 J. Appl.Poly. Sci.、 47、170
9(1993)他)。また、酢化度の低下とともに生分
解性速度が速くなることは、以前より知られている。一
方、セルロースアセテートは、融点と熱分解温度が近接
しているため溶融成形による成型加工が困難で、通常可
塑剤を添加した組成物として使用されるので非晶性とな
り、その結果高次構造が発現しにくく、成形方法に依存
せず酢化度によって生分解速度をある程度制御可能と考
えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生分解性を制
御するため酢化度を変化させると、生分解速度を変更す
ることはできるが、環境中で使用した場合、必要な期間
物性を維持させて、その後速やかに生分解させるような
生分解速度の制御はできない。そこで、本発明の目的
は、生分解速度を制御し、環境中で使用した場合、必要
な期間物性を維持し、その後速やかに生分解させること
のできる成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は下記の構成を採用する。即ち、本発明の第
1は、酢化度30〜51%のセルロースアセテートおよ
び可塑剤を主成分とするセルロースアセテート系組成物
からなる支持体の片面及び/又は両面に酢化度52〜5
6%のセルロースアセテートおよび可塑剤を主成分とす
るセルロースアセテート系組成物からなる層を設けるこ
とを特徴とする生分解性セルロースアセテート系多層成
形品である。
【0008】また、本発明の第2は、本発明の第1に記
載されたセルロースアセテート系組成物の少なくとも一
つが、更に脂肪族ポリエステル系、多糖類系、ポリビニ
ルアルコール系から選ばれる少なくとも1種類の生分解
性重合物を含有することを特徴とする生分解性セルロー
スアセテート系多層成形品である。
【0009】また、本発明の多層成形品の支持体及び支
持体の片面及び/又は両面に設けられる層は、溶融成形
方法により形成されても良い。また、支持体の片面及び
/又は両面に設けられる層は、酢化度52〜56%のセ
ルロースアセテートおよび可塑剤を主成分とする生分解
性セルロースアセテート系組成物の溶液を塗布すること
により形成されても良い。
【0010】本発明者らは、セルロースアセテートは酢
化度によって生分解速度を制御できるが、一種類のみで
は、「必要な期間は物性を維持し、その後は速やかに分
解するもの」が得られないので、酢化度の異なるものを
併用することを考え、本発明に至った。
【0011】具体的には、酢化度54%前後のセルロー
スアセテートは、生分解速度が比較的遅く、51%を下
回ると生分解速度が速くなってくるので、環境に直接接
する部分に生分解速度が比較的遅い層を薄く設けて一定
期間当初の物性を維持させ、またその内側に使用した後
速やかに生分解させることができるように生分解速度の
速い層を設けることで、物性の維持と生分解速度の制御
を両立させることをできることがわかった。つまり、全
体の厚さを変えずに環境に直接接する層と支持体となる
内側の層との厚さの比をただ単に変えることで、当初の
物性を有する期間を成形方法に関わりなく簡単に制御で
きることがわかった。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるセルロースア
セテートは、針葉樹晒クラフトパルプや溶解パルプのよ
うなセルロースパルプ或いはリンターを酢酸によって予
備処理した後、硫酸のような酸性触媒の存在下無水酢酸
を用いて酢化し、次いで中和と熟成を行うという公知の
方法で得られ、酢化度56%以下の本質的生分解性が確
認されているものが用いられる。セルロースアセテート
の生分解速度は、酢化度の低下とともに速くなるが、5
1%以下になるとそれが顕著になり、更に酢化度が低下
するとセルロースとほぼ同程度まで速くなる。
【0013】また、可塑剤に用いる生分解性化合物の種
類によって生分解速度が変化する場合もあり、この効果
を利用することもできるが、可塑剤の配合量が低い場合
には、全体の生分解速度に与える影響は小さい。
【0014】一方、酢化度が30%未満では、可塑剤と
の相溶性が低下し、フィルム、シート、容器等の成形品
において十分な物性が得られないので実用に適さない。
したがって、本発明では生分解速度が比較的遅い酢化度
54%前後のセルロースアセテートと生分解速度の速い
30〜51%のものが用いられる。また、生分解速度を
調節する目的で、酢化度の異なる2種類以上のセルロー
スアセテートを混合して使用してもよい。
【0015】酢化度の測定は、公知の中和滴定法に従い
NaOH量から求められる。セルロースアセテートの平
均重合度については、通常使用されている70〜250
の範囲であれば、生分解性に関しては、大きく影響を与
えない。
【0016】セルロースアセテートの配合量に関して
は、セルロースアセテートおよび可塑剤の全重量当り5
0〜85重量%が好ましく、50重量%未満では強度が
低下し、また85重量%を越えると、溶融成形の場合は
成形温度が高くなりすぎ、セルロースアセテート及び可
塑剤の熱安定性が低下して好ましくない。
【0017】本発明に使用される可塑剤としては、生分
解性が知られセルロースアセテートの可塑化に使用され
る種々の可塑剤、例えばエチレングリコール、グリセリ
ン等の多価アルコール、ジエチルアジペート、ジエチル
サクシネート、グリセリンジアセテート、グリセリント
リアセテート等の脂肪族エステル、ポリエチレンアジペ
ートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール等の
2塩基酸とグリコールからなり平均分子量400〜50
00の範囲のポリアルキレンアルカノエートポリオー
ル、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトン
トリオール等で平均分子量400〜5000のポリカプ
ロラクトンポリオール等が挙げられる。可塑剤の配合量
については、15〜50重量%であることが好ましい。
15重量%未満では、セルロースアセテートに十分な熱
可塑性を付与することができないため、溶融成形する場
合は成形温度が高くなり、また、50重量%を越える
と、可塑剤の移行、強度の低下の問題が生じてくるので
好ましくない。
【0018】本発明のセルロースアセテートと可塑剤か
らなる組成物に、相溶化することが可能な重合物を、物
性を改良する目的で配合することは可能である。この場
合配合可能な重合物として、脂肪族ポリエステルでは、
ポリプロピオラクトン、ポリブチロラクトン、ポリバレ
ロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペ
ート、ポリエチレンサクシネート等あるいはこれらの混
合物またはコポリマー、また同じく脂肪族ポリエステル
として、ポリエステル成分がポリカプロラクトンジオー
ル、ポリエチレンアジペートジオール、ポリエチレンサ
クシネートジオール等あるいはこれらの混合物またはコ
ポリマーを主成分とし、脂肪族ジイソシアネートあるい
は脂肪族ジエポキシド等で鎖延長したもの等が挙げられ
る。多糖類系では、セルロースプロピオネート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースブチレー
ト、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロ
ース誘導体と澱粉誘導体等が挙げられる。一方、ポリビ
ニルアルコール系では、ポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニルアルコール等が挙げられる。これら重合物の平
均分子量は、物性を改良する目的から1〜10万程度が
好ましい。
【0019】配合量は、必要な物性を付与しかつ生分解
速度に悪影響を与えないために、前記セルロースアセテ
ートと可塑剤の合計100重量部に対して5〜30重量
部の範囲であることが好ましい。
【0020】本発明には必要に応じて要求される性能を
損なわない範囲内で熱劣化防止、熱着色防止用の安定剤
として弱有機酸、フェノール化合物、エポキシ化合物、
フォスフェイト化合物、チオフォスフェイト化合物等を
単独または2種類以上混合して添加してもよい。また、
その他酸化チタン等の無機系光分解促進剤、有機酸系の
生分解促進剤、滑剤、帯電防止剤、潤滑剤等の添加剤を
配合することは何らさしつかえない。
【0021】生分解性は土壌中に埋設するか、或いはJ
IS−K−6950に準拠して、重量減少等から評価す
ることは可能であるが、この試験は易分解性試験方法な
ので、本質的生分解性を調べるにあたっては、ASTM
−D−5338あるいはセルロースアセテート及び可塑
剤として使用されている化合物に馴化した微生物を含む
土壌、活性汚泥等の制御された環境を用いることもでき
る。
【0022】本発明で用いられるセルロースアセテー
ト、可塑剤、生分解性重合物及び添加剤の混合に際し
て、ニーダー、2軸混練機、ロールミル、バンバリーミ
キサー等通常使用されているものなら特に制限はなく用
いられる。なお、混合を容易にするために粉砕機により
予めセルロースアセテートの粒子を50メッシュより細
かく粉砕しておくことが好ましい。また、混練物は気泡
等の混入をできるだけ少なくするために、ストランドダ
イ等を用いてストランドとし、その後ペレタイザーでペ
レットにしておくことが望ましい。また、ペレットにし
た生分解性セルロースアセテート系組成物は、押出成形
に加えて射出成形、ブロー成形等の溶融成形方法によ
り、フィルム、シート、容器等の製造に利用できる。ま
た溶融成形に先立ち、溶融時の加水分解、気泡発生を防
止するために、含水率を0.1重量%以下に乾燥するこ
とが好ましい。
【0023】本発明で用いられる酢化度30〜51%の
セルロースアセテートと可塑剤を主成分とする組成物か
らなる支持体の片面及び/又は両面に酢化度52〜56
%のセルロースアセテートおよび可塑剤を主成分とする
生分解性セルロースアセテート系組成物からなる層を設
けてなる多層成形品を溶融成形のうちの押出成形により
製造する方法としては、共押出により一度に成形するこ
とも、或いは単層押出により予め設けられた支持体の片
面及び/又は両面に、単層押出で積層して成形すること
も可能である。
【0024】本発明で用いる押出成形による製造は、前
記した混練組成物を公知の押出成形機において加熱溶融
した後、180〜250℃でTダイ或いはリングダイか
ら押出し、押出された溶融物を引取り装置、空気圧等に
より延伸させてフィルム、シートを形成する方法であ
る。ここで、押出成形の際の温度は、ダイ内部の温度を
いう。
【0025】押出成形温度については、250℃を越え
ると、セルロースアセテートおよび可塑剤の熱安定性が
低下し、熱分解、加水分解が顕著になり好ましくない。
一方、180℃未満まで低下させると、組成物の溶融粘
度が高く成形加工性が低下する。押出成形をはじめとす
る溶融成形方法は現在ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート等の樹脂を用いて、種々の
用途で使用されており、溶媒を必要とするキャスト法に
比べ生産性の高い方法である。
【0026】本発明で用いられる酢化度30〜51%の
セルロースアセテートと可塑剤を主成分とする組成物か
らなる支持体の片面及び/又は両面に、酢化度52〜5
6%のセルロースアセテートおよび可塑剤を主成分とす
る生分解性セルロースアセテート系組成物からなる層を
設ける別の方法として、該組成物をアセトン、水/エタ
ノールのような溶剤に溶解させるか、或いはエマルジョ
ンとして水に分散させて塗料とし、コーターにより支持
体表面に該塗料を塗布し、その後溶剤或いは水を乾燥除
去させて積層することもできる。この場合、塗布に用い
ることのできるコーターとして、通常この分野で使用さ
れるバーコーター、ブレードコーター、グラビアコータ
ー、マイクログラビアコーター、オフセットグラビアコ
ーター等が挙げられる。
【0027】本発明では、生分解性を有するセルロース
アセテート系多層成形品を極めて生産性が高い方法で得
ることができ、従来オレフィン系の成形品が使用されて
きた機能包材等の包装分野、マルチ等の農業資材分野、
結露防止フィルム等の建材分野等において、環境中で使
用される用途に適用できる。
【0028】
【実施例】以下実施例、比較例により本発明を更に詳し
く説明するが、これらに限定されるものではない。 <実施例1>絶乾全重量当たり針葉樹材からの溶解パル
プ13重量%、硫酸2重量%、無水酢酸35重量%及び
氷酢酸50重量%からなる混合物を、36℃で3時間ア
セチル化を行い、反応後反応物を酢酸カリウムで中和
し、その後60℃で3時間加水分解し、精製、乾燥して
酢化度54%、平均重合度180のセルロースアセテー
トフレークを得た。また、同様な方法で酢化度45%、
平均重合度150のセルロースアセテートフレークを得
た。次に、これらセルロースアセテートフレークを粉砕
機で微粉末にし、このうち酢化度54%のセルロースア
セテートについては、セルロースアセテートと可塑剤の
全重量当り70重量%を、平均分子量1200のポリエ
チレンアジペートジオール30重量%とヘンシェルミキ
サーで混合した後、二軸混練機を用いて205℃で混練
した。混練された溶融物は、内径3mmのストランドダ
イを通してストランドとして吐出させ、冷却した後3m
mにカットしてペレットとした。一方、酢化度45%の
セルロースアセテートについては、セルロースアセテー
トと可塑剤の全重量当り75重量%を、平均分子量96
0のポリエチレンサクシネートジオール25重量%とヘ
ンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機を用いて2
00℃で混練した。混練された溶融物は、内径3mmの
ストランドダイを通してストランドとして吐出させ、冷
却した後3mmにカットしてペレットとした。これらペ
レットは、80℃に加熱した熱風乾燥機中で10時間乾
燥させ、その後3層共押出用Tダイに接続されたエクス
トルーダー型押出機に前者が上下層、後者が支持体とな
る内側層になるように供給し、上下層と内側層の各押出
成形温度225、230℃で、上下層と内側層のリップ
巾各0.10、0.70mmの共押出用Tダイを通して
吐出させ、吐出させた溶融物を引取り装置により引取速
度30m/minで引取りフィルム化し多層成形品を得
た。多層成形品の各層の厚さは、上下層はいずれも0.
010mm、内側(支持体)は0.078mmであっ
た。得られた多層成形品の強度及び生分解性は以下に示
す方法で評価した。
【0029】<評価方法> (1)強度 JIS−K−7127に準拠して、破断強度を測定し
た。 (2)生分解性 押出成形したフィルムは、縦横10cm巾にカットした
後、東京都江東区の野外の土中(東京都江東区東雲1丁
目10番6号、王子製紙(株)新技術研究所敷地内)2
5cmの深さに埋設し、1、3、6、9、12ヶ月経過
後に取り出し、形態変化、重量変化から3段階に評価し
た(○:形態変化、重量減少とも著しい、△:形態変
化、重量変化が認められる、×:形態変化、重量変化が
認められない)。
【0030】<実施例2>実施例1と同様な酢化度45
%のセルロースアセテート75重量%と平均分子量96
0のポリエチレンサクシネートジオール25重量%をヘ
ンシェルで混合し、2軸混練機で混練し、ペレタイザー
でペレット化した後、単層のTダイにより支持体層を押
出成形し0.091mmのフィルムを作成した。次に、
実施例1と同様な酢化度の54%セルロースアセテート
85重量%と平均分子量1200のポリエチレンアジペ
ートジオール15重量%からなる組成物を固形分濃度が
10重量%になるようにアセトンに溶かして塗料とし、
バーコーターで絶乾の塗布層が上下層とも0.005m
mの厚さになるように塗布し、乾燥後多層成形品を得
た。多層成形品は実施例1と同様に評価した。
【0031】<比較例1>実施例1において上下層に使
用した酢化度54%のセルロースアセテート70重量%
と平均分子量1200のポリエチレンアジペートジオー
ル30重量%からなるセルロスアセテート系組成物のみ
を用いてTダイで押出成形した以外は実施例1と同様に
してフィルム成形品を製造し、評価した。
【0032】<比較例2>実施例1において内側の支持
体層に使用した酢化度45%のセルロースアセテート7
5重量%と平均分子量960のポリエチレンサクシネー
トジオール25重量%からなるセルロスアセテート系組
成物のみを用いてTダイで押出成形した以外は実施例1
と同様にしてフィルム成形品を製造し、評価した。
【0033】実施例、比較例に用いたセルロースアセテ
ートの酢化度、配合量、可塑剤の種類、平均分子量、配
合量を表1に示した。また、得られたフィルムの強度、
生分解性測定結果を表2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明は、生分解速度の異なるセルロー
スアセテート系組成物を組み合わせて多層にすること
で、生分解速度を制御し、環境中で使用した場合、必要
な期間物性を維持し、その後速やかに生分解させること
のできる成形品を提供するという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AJ03A AJ03B AJ03C AJ06A AJ06B AJ06C AK21A AK21B AK21C AK41A AK41B AK41C AL05A AL05B AL05C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C BA16 BA28 GB01 GB16 JA20A JA20B JA20C JC00A JC00B JC00C JL00 YY00A YY00B YY00C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢化度30〜51%のセルロースアセテ
    ートおよび可塑剤を主成分とするセルロースアセテート
    系組成物からなる支持体の片面及び/又は両面に酢化度
    52〜56%のセルロースアセテートおよび可塑剤を主
    成分とするセルロースアセテート系組成物からなる層を
    設けることを特徴とする生分解性セルロースアセテート
    系多層成形品。
  2. 【請求項2】 前記の各セルロースアセテート系組成物
    の少なくとも一方が、更に脂肪族ポリエステル系、多糖
    類系、ポリビニルアルコール系から選ばれる少なくとも
    1種類の生分解性重合物を含有することを特徴とする請
    求項1に記載の生分解性セルロースアセテート系多層成
    形品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003276122A (ja) * 2002-03-25 2003-09-30 Keiwa Inc 防水シート及びこれを用いた使捨用袋
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