JP3108179U - 放熱フィンを具備する端子板を用いる太陽電池モジュール用端子ボックス - Google Patents

放熱フィンを具備する端子板を用いる太陽電池モジュール用端子ボックス Download PDF

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Abstract

【課題】ダイオードの温度上昇を抑えることができ、部品点数の増加を抑え、さらに装置小型化の要求にも適合する太陽電池モジュール用端子ボックスを得る。
【解決手段】2個の外部接続端子板11a、11bと、1個以上の中間端子板12a、12bを配置し、これらの端子板を、ダイオード13a、13b、13cを介して接続した端子ボックス1であって、外部接続端子板は、それぞれ第1端子部を有し、かつ、第1端子部の一方表面であるケーブル接続側表面に外部接続ケーブルが接続され、中間端子板は、第2冷却フィン部22a、22bを持ち、第2端子部の表面から計測して、フィンの頂上がより突出している側の中間端子板表面と第1端子部のケーブル接続側表面が同一方向を向くように、各端子板をボックス内に配置した。
【選択図】図1

Description

本考案は、太陽光発電システムを構成する太陽電池モジュールを相互に接続するための端子ボックス、及び太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物に関するものである。
太陽光発電システムにおいて、複数の太陽電池モジュールは端子ボックスを介して電気的に接続される。端子ボックスは複数の端子板を有し、各端子板はダイオードを介して電気的に接続されている。各端子板には、太陽電池モジュールに含まれる太陽電池セルストリングから延設される出力電線が接続される。
上述の端子ボックス中のダイオードは、電流が流れると発熱する。ダイオードの温度が設計耐熱温度よりも上昇すると、ダイオードの性能の低下や寿命の短縮などが起こり得る。
このダイオードの温度上昇を抑える太陽電池モジュール用端子ボックスとして、モジュールの出力電線用接続端子の他に、中継端子台を備え、ダイオードを中継端子台を介して接続し、さらには、当該端子ボックス筺体を隔壁で区分し、隔壁内に各ダイオードを配置し、ダイオード個々の発する熱の伝導を遮断した端子ボックスが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−214528号公報
しかし、上述した従来の端子ボックスは、ダイオードの熱を遮断することにより局所的な温度上昇を防ぐものであり、積極的な放熱の対策を講じたものではない。また、中継端子板やジャンパー線を導入すれば、組み付け部品点数が増加し、労力と費用の増大につながる。
一方、端子ボックスは小型化することが望ましい。端子ボックスは、太陽電池モジュールに固着し、その出力電線を端子板に固定・接続した後に、通常、内部空間にシリコン樹脂などの水密充てん剤を充てんする。このため端子ボックスの空間体積が増加すると、必要となる水密充てん剤量が増加する。また、端子ボックスが大型化すれば、樹脂などの外壁材料等も必要量が増加する。さらに、端子ボックスが大型化すれば、太陽光を効率よく利用するための、太陽電池モジュールの配置の自由度が減少する問題点も生じる。
そこで、本考案は、ダイオードの温度上昇を抑えることができ、部品点数の増加を抑え、さらに装置小型化の要求にも適合する太陽電池モジュール用端子ボックスを得ることを課題とする。
また、本考案は、上記した端子ボックスと太陽電池モジュールの電気的接続物を得ることを課題とする。
本考案のその他の課題は、以下の本考案の説明より明らかになる。
本考案の一の態様にかかる端子ボックスは、ボックス内に太陽電池モジュールの出力電線が接続される2個の外部接続端子板と、1個以上の中間端子板を配置し、前記2個の外部接続端子板と前記1個以上の中間端子板の各々を、ダイオードを介して電気的に直列接続した端子ボックスであって、前記2個の外部接続端子板は、それぞれ第1端子部を有し、第1端子部に前記出力電線を受容し、かつ、第1端子部の一方表面であるケーブル接続側表面(53)ないしケーブル接続側表面の上方に延設されたケーブル接続部分(43a、43b)に外部接続ケーブルが接続され、前記中間端子板は、第2端子部(21a)と、第2端子部の表面(33a)と角度10度以上90度以下の交角(αa)で交わる表面(24a)を有する第2冷却フィン部(22a)からなり、第2端子部は前記出力電線を受容し、第2端子部の表面と第2冷却フィン部の表面側頂上間の距離(d1)と、第2端子部の表面と第2冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d2)が異なり、第2端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側(39)と、第1端子部のケーブル接続側表面(53)が同一方向を向くように、前記2個の外部接続端子板と前記1個以上の中間端子板を前記ボックス内に配置した端子ボックスである。
本一の態様にかかる端子ボックスは中間端子板に冷却フィンを設けた。
従来の端子ボックスにおいては、外部接続端子板には外部接続用のケーブルが接続されており、当該外部接続用ケーブルがある程度放熱体の役割を果たすことに対して、中間端子板には放熱の手段が無くダイオードからの発熱が蓄熱される。このため、本考案にかかる端子ボックスは、最も放熱手段を必要とする中間端子板に冷却フィン部を設けたものである。
また、当該冷却フィン部は中間端子板の表裏方向の空間に設けたものであり、冷却フィン付中間端子板、ひいては端子ボックス全体の平面空間の節約を図っている。
さらに、当該冷却フィン部は中間端子板の表面から表裏方向に異なる高さである。そして、外部接続端子板のケーブル接続面と、中間端子板の冷却フィンがより突出している側の面は同一方向を向いている。このようにして、外部接続ケーブルの断面厚さに起因して必然的に必要となる端子ボックスの一定厚さを、当該冷却フィンの突出高さを収容する厚さ(あるいはその一部分)に使用した。これにより、冷却フィンを表裏方向に設けたことに起因する端子ボックスの厚さの増大を可能な限り防止したものである。
本考案の一の態様にかかる端子ボックスの好ましい実施態様にあっては、前記2個の外部接続端子板のうちで、前記ダイオードのn型半導体側に接続されるN外部接続端子板は、第1端子部(41a)と、第1端子部の表面と角度10度以上90度以下の交角で交わる表面を有する第1冷却フィン部(42)からなり、第1端子部の表面と第1冷却フィン部の表面側頂上間の距離(d3)と、第1端子部の表面と第1冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d4)が異なり、第1端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側(59)と、第1端子部のケーブル接続側表面(53)が同一面側にあってもよい。
p型半導体とn型半導体を接合したpn接合構造のダイオードに通電した場合には主としてn型半導体側が発熱する。本好ましい実施態様において、ダイオードのn型半導体側(カソード)に接続される外部接続端子に冷却フィンを設けた。よって、端子ボックス全体の放熱がより良好となる。
当該冷却フィン部は、前記中間端子板の冷却フィン部と同様に、外部接続端子板の表裏方向に設けて、平面空間の節約を図ると共に、外部接続端子板の表面から表裏方向に異なる高さとし、より突出している側の面を外部接続端子板のケーブル接続面としている。これにより、端子ボックスの厚さの増大を可能な限り防止している。
本考案の一の態様にかかる端子ボックスの他の好ましい実施態様にあっては、前記N外部接続端子板の第1冷却フィン部と第1端子部は、単一の板状体の一部分を折り曲げて第1冷却フィン部とし残余の部分を第1端子部とし、前記中間端子板の第2冷却フィン部と第2端子部は、単一の板状体の一部分を折り曲げて第2冷却フィン部とし残余の部分を第2端子部としたものであってもよい。
本好ましい実施態様において、中間端子板とN外部接続端子板は単一の板状体の一部分を折り曲げて冷却フィン部としている。これにより容易に加工でき、部品点数の増加のない端子板を用いる端子ボックスが提供される。
本考案の他の態様にかかる端子ボックスは、ボックス内に太陽電池モジュールの出力電線が接続される2個の外部接続端子板を配置し、前記2個の外部接続端子板をダイオードを介して電気的に直列接続した端子ボックスであって、前記2個の外部接続端子板は、それぞれ第1端子部を有し、第1端子部に前記出力電線を受容し、かつ、第1端子部の一方表面であるケーブル接続側表面ないしケーブル接続側表面の上方に延設されたケーブル接続部分に外部接続ケーブルが接続され、前記2個の外部接続端子板のうちで、前記ダイオードのn型半導体側に接続されるN外部接続端子板は、第1端子部と、第1端子部の表面と角度10度以上90度以下の交角で交わる表面を有する第1冷却フィン部からなり、第1端子部の表面と、第1冷却フィン部の表面側頂上間の距離と、第1端子部の表面と第1冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d2)が異なり、第1端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側と、第1端子部のケーブル接続側表面が同一面側にある端子ボックスである。
本一の態様にかかる考案は、一対の外部接続端子板のみを配設した端子ボックスにおいて、前記好ましい実施態様における冷却フィン部付N外部接続端子板と同様なN外部接続端子板を用いるものである。これにより、一対の外部接続端子板のみを配設した端子ボックスにあっても放熱手段を設け、かつ、大型化を防止した端子ボックスを得ることができる。
本考案の一の態様にかかる太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物は、太陽電池モジュールと本考案の一の態様にかかる端子ボックスからなり、太陽電池モジュールの出力電線と、第1端子部及び第2端子部を、電気的に接続した太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物である。
本一の態様にかかる太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物は、太陽電池モジュールの裏面や側端面に端子ボックスが接着剤などで固定接続される接続物と、太陽電池モジュールと端子ボックスは電気的に接続されるが、両者が離れて配置される接続物を含む。
本考案によれば、ダイオードの温度上昇を抑えることができ、部品点数の増加を抑え、さらに装置小型化の要求にも適合する太陽電池モジュール用端子ボックスを得ることができる。
また、本考案によれば、太陽電池モジュールの配置の自由度をより制限することなく、端子ボックス内のダイオードの温度上昇を抑えることができる、太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物を得ることができる。
以下に実施例により、本考案にかかる端子ボックスをさらに説明する。この考案の実施例に記載されている部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この考案の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本考案にかかる端子ボックス1の説明図である。
端子ボックス1は、外部接続端子板であるN外部接続端子板11aとP外部接続端子板11b、中間端子板12a、12bを有する。N外部接続端子板11aはケーブル接続部43aで外部接続ケーブル14aと接続されている。同様にP外部接続端子板11bはケーブル接続部43bで外部接続ケーブル14bと接続されている。中間端子板11aはダイオード13bを介して中間端子板12bに接続されている。
ダイオード13a、13b、13cはp型半導体とn型半導体を接合したpn接合ダイオードである。ダイオード13aの一方の端子17aはn型半導体から延設されている。ダイオード13cの一方の端子16cはp型半導体から延設されている。
箱体61は底板65に出力電線挿通口64を有し、また一の側壁62にケーブル挿通口63を有している。蓋66は箱体61に嵌合する。箱体61内にN外部接続端子板11a、P外部接続端子板11b、中間端子板12a、12bなどが収容されている。
図示しない太陽電池モジュールは、3個のセルストリング(複数の太陽電池セルを結線した単位)を有し、各々のセルストリングから延設されるリボン状の出力電線は、出力電線挿通口64を通過して、端子ボックス1内に導かれている。出力電線6bは中間端子板12aに接続されている。出力電線6cは中間端子板12bに接続されている。出力電線6dはP外部接続端子板11bに接続されている。
N外部接続端子板11aの一部分は、第1冷却フィン部42となっている。中間端子板12aの一部分は第2冷却フィン部22aとなっている。中間端子板12bの一部分は第2冷却フィン部22bとなっている。
図2はN外部接続端子板11aと中間端子板12aの拡大説明図である。中間端子板12aは第2端子部21aと第2冷却フィン部22aからなる。第2端子部21aにダイオード13aのp型半導体から延設されるP端子(アノード端子)16aが接続され、また出力電線6bが接続されている。また貫通穴37は図示しないダイオード13bのN端子を受容する貫通穴である。
中間端子板12aは、単一の厚さ0.6mmの銅板を複数回折り曲げて第2冷却フィン部22aを形成し、残余の部分を第2端子部21aとしたものである。中間端子板12aの大きさの一例は、第2端子部約15mm×約20mm、第2冷却フィン部約20mm×約20mm、厚さ6mmである。
N外部接続端子板11aは、第1端子部41aと第1冷却フィン部42からなる。第1端子部41aにダイオード13aのn型半導体から延設されるN端子(カソード端子)17aが接続されている。また第1端子部41aに出力電線6aが接続されている。さらに第1端子部41aの表面側にケーブル接続部43aが立設され、ここに外部接続ケーブル14aの芯線15aが接続されている。
N外部接続端子板11aは単一の厚さ0.6mmの銅板を複数回折り曲げて第1冷却フィン部42を形成し、残余の部分を第1端子部41aとしたものである。N外部接続端子板11aの大きさの一例は、第1端子部約45mm×約14mm、第1冷却フィン部約10mm×約9mm、厚さ5mmである。また、外部接続ケーブルの断面厚さの一例は約6mm(被覆を含む)である。
中間端子板12aと外部接続端子板11aの製作方法は、上述の折り曲げによる製作に限られない。例えばダイキャスト法により製作することもできる。さらに冷却フィン部は、例えば図3(a)に示すように平板の表面にフィン31pを立設して第2冷却フィン部22pを形成してもよい。このフィンの向きもなんら限定されず図3(b)に示すようにフィン31qを紙面横方向に立設してもよい。また、フィンは平板状でも曲板状でもよい。さらには、端子板の表裏面の両面にフィンを立設してもよい。
上述したフィン部の形状、作成方法はN外部接続端子板の一部である第1冷却フィン部についても同じである。
図4は端子板の冷却フィン部の表面と端子部の表面の関係を示す説明図である。
(a)は単一の板状体の一部分を折り曲げて冷却フィン部を形成した場合の中間端子板の部分拡大説明図である。図中24aは第2冷却フィン部の表面である。33aは第2端子部の表面である。表面24aの接面32aと、第2端子部の表面33aは交角αaで交わり(図中に表面33aと平行な平面を34aで示している)、交角αaは10度以上90度以下である。ここで交角αaは接面32aと平面33aが交又して作る2つの角度のうちで小さいほうの角度である。また第2冷却フィン部の表面24aが曲面の場合には、接面32aは、表面24a上での微小面における接面の交角Δαaの1次微分値がゼロからゼロになるまでの間での平均値(表面側(裏面側)頂上から裏面側(表面側)頂上に至るまでの接面の交角の平均値)を採用する。
(b)は板状体にフィンを立設して冷却フィン部を形成した場合の中間端子板の部分拡大説明図である。図中24qは第2冷却フィン部の表面である。33qは第2端子板の表面である。表面24qの接面32qと端子部の表面33qは交角αqで交わり、(図中に表面33qと平行な平面を34qで示している)αqは10度以上90度以下である。交角αqの値、フィン部の表面が曲面の場合の接面32qの取り扱いについては、(a)の中間端子板について説明したと同様である。
続いて冷却フィンの表裏方向高さとその方向について説明する。
図5は端子ボックス1中での中間端子板とN外部接続端子板のフィン高さと向きを説明する断面説明図である。
中間端子板12aに関して、第2冷却フィン部の表面側頂上25の位置を矢印27で示し、第2端子部21aの表面33の位置を矢印35で示し、第2冷却フィン部の裏面側頂上28の位置を矢印30で示している。線分d1は矢印27と矢印35間の距離を示している。線分d2は矢印35と矢印30間の距離を示している。すなわち線分d1は、第2端子部21の表面33と第2冷却フィン部22の表面側頂上25の距離である。線分d2は第2端子部21aの表面33と第2冷却フィン部22aの裏面側頂上28間の距離である。本実施例の場合d1>d2である。したがって、中間端子板12aの表面と裏面を比較すると第2端子部の表面33に対して、フィンがより突出している側は表面側すなわち矢印39の方向である。
図5には図示しない、中間端子板12bについても、第2端子部の表面に対して、フィンがより突出している側は矢印39の方向である。
N外部接続端子板11aに関して、第1端子部41aにおいてケーブル接続部分43aは、紙面上で上にある表面53の上方に延設されている。したがって、第1端子部41aの表面と裏面のうちで、N外部接続端子板のケーブル接続側は表面53側であり、その方向を矢印58で示している。
図5に図示しないP外部接続端子板についても、ケーブル接続の構造はN外部接続端子板と同じであり、そのケーブル接続側表面は、矢印58の方向に配置されている。
端子ボックス中で矢印39と矢印58を同一方向に向けて、中間端子板と外部接続端子板を配置することにより、外部接続ケーブルの断面厚さに起因して必然的に必要となる端子板の厚さ空間を冷却フィン収容空間の全部あるいは一部分として利用する結果、端子板の大型化を防止することができる。
本実施例において、矢印39と矢印58は、箱体61の表(蓋66側)を向いているが、両矢印が底板65の方向を向いてもよく、また、両矢印が一の側壁の方向を向いてもよい。
ここで、複数のフィンの高さが異なる場合には、最大高さのフィンを選択し、その頂上を表面側頂上(及び/または裏面側頂上)とする。さらに平板の一方表面にフィンを立設した場合には、事実上表面側頂上または裏面側頂上部がないので、当該平板の裏面(または表面)を裏面側頂上(または表面側頂上)とする。
図6に示すように、外部接続ケーブル14pの芯線15Pが折り曲げられて、第1端子部41pに接続される場合には、ケーブル接続側表面は53pで示す表面(紙面上側)である。なお、外部接続ケーブルの芯線がほぼ直線状態で、第1端子部に接続される場合にも、ケーブル接続側表面は、当該ケーブル芯線が接続される表面を意味する。
次にN外部接続端子板11aの第1冷却フィン部について説明する。
図5を参照して、N外部接続端子板11aに関して、第1冷却フィン部42の表面側頂上45の位置を矢印47で示し、第1端子部41aの表面53の位置を矢印55で示し、第1冷却フィン部42の裏面側頂上48の位置を矢印50で示している。
線分d3は矢印47と矢印55間の距離を示している。線分d4は矢印50と矢印55間の距離を示している。本実施例の場合d3>d4である。したがって第1端子部の表面53に対してフィンがより突出している側は矢印59の方向である。
N外部接続端子板11aにおいて、第1端子部のケーブル接続側表面とフィンがより突出している側は同一面にある。
フィンの高さが異なる場合、平板の一方表面にフィンを立設した場合、頂上の定め方は、中間端子板のフィンについて説明した事項を、N外部接続端子板の第1冷却フィン部に当てはめて定める。
なお、P外部接続端子板にも冷却フィン部を設けることは任意である。
以上説明したN外部接続端子板は同様の構成で、中間端子板のない(一対の外部接続端子板のみの)端子ボックスに適用することができる。
また、本考案は、その趣旨を損なわない形で種々に変形して実施することができる。外部接続端子板及びまたは中間端子板の第1及びまたは第2冷却フィン部を銅板などの電気良導体で作成した場合には、外観上明瞭に区分される第1、第2端子部を設けなくても、第1及びまたは第2冷却フィン部の一部分に出力電線や外部接続ケーブルを受容することができる。この場合にも、出力電線や外部接続ケーブルを受容する微小な面を第1、第2端子部と観念して、「冷却フィンがより突出している側の面を外部接続端子板のケーブル接続面とする」などの本考案の構成要件を満足する限り、本考案の技術範囲に含まれる。
続いて、太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物およびその接続方法を説明する。
太陽電池モジュールの一方基板面に設けた透穴を通過して、太陽電池モジュールから引き出した出力電線を、箱体61の出力電線挿通口64を通して箱体61内に導入する。この状態で、端子ボックス1と太陽電池モジュールの接触面に接着剤を塗布して、端子ボックスを太陽電池モジュールに固着する。
続いて、出力電線6a、6dを外部接続端子板の第1端子部に、半田付けにより電気的に接続し、また出力電線6b、6cを中間端子板の第2端子部に、半田付けにより電気的に接続する。その後、箱体61内に水密充てん剤(例えばシリコン樹脂)を充てんし、蓋66が取り付けられる。
2本の出力電線のみが取り出される太陽電池モジュールの場合には、中間端子板のない(一対の外部接続端子板のみの)端子ボックスが使用され、出力電線を外部接続端子板の第1端子部に、半田付けにより電気的に接続する。その他の接続方法は、上記の中間端子板を有する端子ボックスと太陽電池モジュールの接続方法に等しい。
また、太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物は、太陽電池モジュールの裏面や側端面に端子ボックスが接着剤などで固定接続される接続物に限定されるものではなく、太陽電池モジュールから出力電線を延設して、太陽電池モジュールと端子ボックスが互いに離れて配置されていても、電気的に接続されている限り、接続物に含まれるものである。
(実験例)
本考案にかかる端子ボックスに通電し、ダイオードの温度を測定した。
実験に使用した端子ボックスは、N外部接続端子板、中間端子板、P外部接続端子板を各々1ヶずつ有している。N外部接続端子板は第1冷却フィン部を有し、中間端子板は第2冷却フィン部を有している。このN外部接続端子板と中間端子板は上記実施例中の1例として示した大きさである。P外部接続端子板は第1冷却フィン部を有していない。
ダイオードはpn接合構造の平板状であって、1辺の長さ5mmの正方形状のダイオード素子に平板状のN側リード端子と線状のP側リード端子を接続し、N側リード端子の裏面を除く接続部分をエポキシ樹脂被覆したものである。当該ダイオードをN外部接続端子板と中間端子板、中間端子板とP外部接続端子板間に接続した。N外部接続端子板とP外部接続端子板には外部接続ケーブルを半田付けにより固定・接続した。
中間端子板とP外部接続端子板間に位置するダイオードのN側リード端子に温度測定用の熱電対を接着剤で固定した。その後、端子ボックスの空隙部にシリコン樹脂を充てんした。なお、端子板の大きさは約120mm×100mm×10mmであった。また、各端子板に出力電線は接続していない。
比較対照の端子ボックスは、上記N外部接続端子板の第1冷却フィン部を切り落とし、上記中間端子板の第2冷却フィン部を切り落として、同様に組み立てた端子ボックスである。
これら端子ボックスを75℃の恒温槽に入れ、外部接続ケーブルを通じて8Aと10Aの電流を1時間通電し、通電終期のダイオードの温度を測定した。
温度測定の結果を表1に示した。
Figure 0003108179
以上のように端子板に冷却フィン部を付けることによりダイオードの温度上昇が抑制された。
本考案にかかる端子ボックスは、太陽光発電システムを構成する太陽電池モジュールを相互に接続するために利用することができる。
本考案にかかる太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物は、太陽光発電システムを構成する部分品として利用することができる。
端子ボックスの説明図である。 N外部接続端子板と中間端子板の拡大説明図である。 変形実施例にかかる冷却フィン部の形状の説明図である。 端子板の冷却フィン部の表面と端子部の表面の関係を説明する説明図である。 中間端子板とN外部接続端子板のフィンの高さと端子板の向きを説明する断面説明図である。 変形実施例にかかる外部接続ケーブルと端子板の接続を説明する説明図である。
符号の説明
1 端子ボックス
6 太陽電池モジュールの出力電線
11a N外部接続端子板
11b P外部接続端子板
12a、12b 中間端子板
13a、13b、13c ダイオード
14a、14b 外部接続ケーブル
17a ダイオードのn型半導体側から延設されるN端子
21a 第2端子部
22a、22b 第2冷却フィン部
24a 第2冷却フィン部の表面
25 第2冷却フィン部の表面側頂上
28 第2冷却フィン部の裏面側頂上
41a 第1端子部
42 第1冷却フィン部
45 第1冷却フィン部の表面側頂上
48 第1冷却フィン部の裏面側頂上
d1 第2端子部の表面と第2冷却フィン部の表面側頂上間の距離を示す線分
d2 第2端子部の表面と第2冷却フィン部の裏面側頂上間の距離を示す線分
d3 第1端子部の表面と第1冷却フィン部の表面側頂上間の距離を示す線分
d4 第1端子部の表面と第1冷却フィン部の裏面側頂上間の距離を示す線分
αa 第2冷却フィン部表面と第2端子部表面の交角

Claims (5)

  1. ボックス内に太陽電池モジュールの出力電線が接続される2個の外部接続端子板と、1個以上の中間端子板を配置し、前記2個の外部接続端子板と前記1個以上の中間端子板の各々を、ダイオードを介して電気的に直列接続した端子ボックスであって、
    前記2個の外部接続端子板は、それぞれ第1端子部を有し、第1端子部に前記出力電線を受容し、かつ、第1端子部の一方表面であるケーブル接続側表面(53)ないしケーブル接続側表面の上方に延設されたケーブル接続部分(43a、43b)に外部接続ケーブルが接続され、
    前記中間端子板は、第2端子部(21a)と、第2端子部の表面(33a)と角度10度以上90度以下の交角(αa)で交わる表面(24a)を有する第2冷却フィン部(22a)からなり、
    第2端子部は前記出力電線を受容し、
    第2端子部の表面と第2冷却フィン部の表面側頂上間の距離(d1)と、第2端子部の表面と第2冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d2)が異なり、
    第2端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側(39)と、第1端子部のケーブル接続側表面(53)が同一方向を向くように、前記2個の外部接続端子板と前記1個以上の中間端子板を前記ボックス内に配置した端子ボックス。
  2. 前記2個の外部接続端子板のうちで、前記ダイオードのn型半導体側に接続されるN外部接続端子板は、
    第1端子部(41a)と、第1端子部の表面と角度10度以上90度以下の交角で交わる表面を有する第1冷却フィン部(42)からなり、
    第1端子部の表面と第1冷却フィン部の表面側頂上間の距離(d3)と、第1端子部の表面と第1冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d4)が異なり、
    第1端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側(59)と、第1端子部のケーブル接続側表面(53)が同一面側にあることを特徴とする請求項1記載の端子ボックス。
  3. 前記N外部接続端子板の第1冷却フィン部と第1端子部は、単一の板状体の一部分を折り曲げて第1冷却フィン部とし残余の部分を第1端子部とし、
    前記中間端子板の第2冷却フィン部と第2端子部は、単一の板状体の一部分を折り曲げて第2冷却フィン部とし残余の部分を第2端子部としたものである請求項2記載の端子ボックス。
  4. ボックス内に太陽電池モジュールの出力電線が接続される2個の外部接続端子板を配置し、前記2個の外部接続端子板をダイオードを介して電気的に直列接続した端子ボックスであって、
    前記2個の外部接続端子板は、それぞれ第1端子部を有し、第1端子部に前記出力電線を受容し、かつ、第1端子部の一方表面であるケーブル接続側表面ないしケーブル接続側表面の上方に延設されたケーブル接続部分に外部接続ケーブルが接続され、
    前記2個の外部接続端子板のうちで、前記ダイオードのn型半導体側に接続されるN外部接続端子板は、
    第1端子部と、第1端子部の表面と角度10度以上90度以下の交角で交わる表面を有する第1冷却フィン部からなり、
    第1端子部の表面と、第1冷却フィン部の表面側頂上間の距離と、第1端子部の表面と第1冷却フィン部の裏面側頂上間の距離(d2)が異なり、
    第1端子部の表面との前記距離が大となる表面側頂上側または裏面側頂上側と、第1端子部のケーブル接続側表面が同一面側にある端子ボックス。
  5. 太陽電池モジュールと請求項1乃至4いずれか記載の端子ボックスからなる太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物であって、
    太陽電池モジュールの出力電線と、第1端子部及び第2端子部を、電気的に接続した太陽電池モジュールと端子ボックスの接続物。
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