JP3107911B2 - サーマルプリントヘッド - Google Patents
サーマルプリントヘッドInfo
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- JP3107911B2 JP3107911B2 JP16750392A JP16750392A JP3107911B2 JP 3107911 B2 JP3107911 B2 JP 3107911B2 JP 16750392 A JP16750392 A JP 16750392A JP 16750392 A JP16750392 A JP 16750392A JP 3107911 B2 JP3107911 B2 JP 3107911B2
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- Japan
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- protective film
- sialon
- titanium nitride
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- heating resistor
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ等におけ
る印字ヘッドとして使用されるサーマルプリントヘッド
の改良に関するものである。
る印字ヘッドとして使用されるサーマルプリントヘッド
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜型のサーマルプリントヘッ
ドは、図7に示すように、セラミック製のヘッド基板1
の上面に、ガラス製のグレーズ層2をヘッド基板1の長
手方向に延びるように形成すると共に、例えば、Ta−
SiO2 等から成る発熱抵抗体層3を形成し、更に、こ
の発熱抵抗体層3の上面に、当該発熱抵抗体層3を前記
グレーズ層2に沿って部分的に発熱するためのアルミ等
から成る多数本の給電用導体膜4を形成したのち、これ
らの全体の表面を、保護膜5にて覆うように構成してい
る。
ドは、図7に示すように、セラミック製のヘッド基板1
の上面に、ガラス製のグレーズ層2をヘッド基板1の長
手方向に延びるように形成すると共に、例えば、Ta−
SiO2 等から成る発熱抵抗体層3を形成し、更に、こ
の発熱抵抗体層3の上面に、当該発熱抵抗体層3を前記
グレーズ層2に沿って部分的に発熱するためのアルミ等
から成る多数本の給電用導体膜4を形成したのち、これ
らの全体の表面を、保護膜5にて覆うように構成してい
る。
【0003】ところで、前記保護膜5には、当該保護膜
5に対して記録紙がプラテン等によって押圧されながら
擦り付けられることにより、高い耐磨耗性と、給電用導
体膜4及び発熱抵抗体層3に対して高い電気絶縁性とを
有することが要求される。
5に対して記録紙がプラテン等によって押圧されながら
擦り付けられることにより、高い耐磨耗性と、給電用導
体膜4及び発熱抵抗体層3に対して高い電気絶縁性とを
有することが要求される。
【0004】そこで、先行技術としての特開平2−23
8956号公報は、前記の保護膜5の材料として、高い
耐磨耗性と高い電気絶縁性とを有するSi−Al−O−
N系の化合物から成るサイアロンを使用することを提案
している。
8956号公報は、前記の保護膜5の材料として、高い
耐磨耗性と高い電気絶縁性とを有するSi−Al−O−
N系の化合物から成るサイアロンを使用することを提案
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した先行
技術に使用するサイアロンは、耐酸化性及び耐磨耗性に
優れているものの、その熱膨張率及び熱伝導率は、前記
発熱抵抗体層3、給電用導体膜4及びグレーズ層2を構
成する材料における熱膨張率及び熱伝導率よりも低いこ
とにより、このサイアロン製の保護膜5と、発熱抵抗体
層3、給電用導体膜4及びグリーズ層2との間における
熱膨張率の差が大きいから、発熱・印字と冷却とを繰り
返している間に、前記熱膨張率の大きい差によって、保
護膜5に熱歪みによる亀裂が発生し、発熱抵抗体層3及
び給電用導体膜4の破壊が多発すると言う問題を招来す
るばかりか、サイアロンの保護膜における熱伝導率が低
いことにより、発熱抵抗体層における発熱に不均一化、
ひいては、印字むらが発生すると言う問題もあった。
技術に使用するサイアロンは、耐酸化性及び耐磨耗性に
優れているものの、その熱膨張率及び熱伝導率は、前記
発熱抵抗体層3、給電用導体膜4及びグレーズ層2を構
成する材料における熱膨張率及び熱伝導率よりも低いこ
とにより、このサイアロン製の保護膜5と、発熱抵抗体
層3、給電用導体膜4及びグリーズ層2との間における
熱膨張率の差が大きいから、発熱・印字と冷却とを繰り
返している間に、前記熱膨張率の大きい差によって、保
護膜5に熱歪みによる亀裂が発生し、発熱抵抗体層3及
び給電用導体膜4の破壊が多発すると言う問題を招来す
るばかりか、サイアロンの保護膜における熱伝導率が低
いことにより、発熱抵抗体層における発熱に不均一化、
ひいては、印字むらが発生すると言う問題もあった。
【0006】本発明は、前記サイアロンに対して窒化チ
タンを添加することにより、その熱膨張率及び熱伝導率
を高くすることができる点に着目して、このことを利用
して、前記の問題を解消することを技術的課題とするも
のである。
タンを添加することにより、その熱膨張率及び熱伝導率
を高くすることができる点に着目して、このことを利用
して、前記の問題を解消することを技術的課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を達成す
るため本発明は、「ヘッド基板の上面に、グレーズ層、
発熱抵抗体層及び複数本の給電用導体膜を形成し、更
に、これらの全体を覆う保護膜を形成して成るサーマル
プリントヘッドにおいて、前記保護膜を、下層における
比較的薄い厚さの第1保護膜と、上層における比較的厚
い厚さの第2保護膜との二層に構成し、前記第1保護膜
をシリコン酸化物にて形成する一方、前記第2保護膜
を、Si−Al−O−N系の化合物から成るサイアロン
に対する窒化チタンの添加にて電気絶縁性を静電気が帯
電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタンサイアロ
ンにて形成する。」と言う構成にした。
るため本発明は、「ヘッド基板の上面に、グレーズ層、
発熱抵抗体層及び複数本の給電用導体膜を形成し、更
に、これらの全体を覆う保護膜を形成して成るサーマル
プリントヘッドにおいて、前記保護膜を、下層における
比較的薄い厚さの第1保護膜と、上層における比較的厚
い厚さの第2保護膜との二層に構成し、前記第1保護膜
をシリコン酸化物にて形成する一方、前記第2保護膜
を、Si−Al−O−N系の化合物から成るサイアロン
に対する窒化チタンの添加にて電気絶縁性を静電気が帯
電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタンサイアロ
ンにて形成する。」と言う構成にした。
【0008】
【作 用】図5は、前記したSi−Al−O−N系の
化合物から成るサイアロンに対して、窒化チタン(Ti
N)を適宜添加した窒化チタンサイアロンにおける熱伝
導率を、各種の窒化チタン含有量について測定した場合
の図である。
化合物から成るサイアロンに対して、窒化チタン(Ti
N)を適宜添加した窒化チタンサイアロンにおける熱伝
導率を、各種の窒化チタン含有量について測定した場合
の図である。
【0009】また、図6は、同じく前記Si−Al−O
−N系の化合物から成るサイアロンに対して、窒化チタ
ン(TiN)を適宜添加した窒化チタンサイアロンにお
ける熱膨張率を、各種の窒化チタン含有量について測定
した場合の図である。
−N系の化合物から成るサイアロンに対して、窒化チタ
ン(TiN)を適宜添加した窒化チタンサイアロンにお
ける熱膨張率を、各種の窒化チタン含有量について測定
した場合の図である。
【0010】これらの図より明らかなように、サイアロ
ンに窒化チタンを適宜添加したことにより、この窒化チ
タンサイアロンにおける熱伝導率及び熱膨張率は、窒化
チタンの含有量に比例して高くなるのであり、しかも、
この窒化チタンサイアロンにおける硬さは、窒化チタン
の添加によっては殆ど変化することがなく、前記Si−
Al−O−N系の化合物から成るサイアロンと同等程度
の耐磨耗性を有するのであった。しかし、その反面、前
記窒化チタンサイアロンは、窒化チタンの添加によって
電気抵抗率が逆に急激に低くなって、電気絶縁性が大幅
に低下するのであった。
ンに窒化チタンを適宜添加したことにより、この窒化チ
タンサイアロンにおける熱伝導率及び熱膨張率は、窒化
チタンの含有量に比例して高くなるのであり、しかも、
この窒化チタンサイアロンにおける硬さは、窒化チタン
の添加によっては殆ど変化することがなく、前記Si−
Al−O−N系の化合物から成るサイアロンと同等程度
の耐磨耗性を有するのであった。しかし、その反面、前
記窒化チタンサイアロンは、窒化チタンの添加によって
電気抵抗率が逆に急激に低くなって、電気絶縁性が大幅
に低下するのであった。
【0011】そこで、本発明においては、保護膜を、下
層における比較的薄い厚さの第1保護膜と、上層におけ
る比較的厚い厚さの第2保護膜との二層に構成し、前記
第1保護膜をシリコン酸化物にて形成する一方、前記第
2保護膜を、Si−Al−O−N系の化合物から成るサ
イアロンに対する窒化チタンの添加にて電気絶縁性を静
電気が帯電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタン
サイアロンにて形成すると言う構成にしたのである。
層における比較的薄い厚さの第1保護膜と、上層におけ
る比較的厚い厚さの第2保護膜との二層に構成し、前記
第1保護膜をシリコン酸化物にて形成する一方、前記第
2保護膜を、Si−Al−O−N系の化合物から成るサ
イアロンに対する窒化チタンの添加にて電気絶縁性を静
電気が帯電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタン
サイアロンにて形成すると言う構成にしたのである。
【0012】すなわち、シリコン酸化物は、高い電気絶
縁性を有するから、このシリコン酸化物にて第1保護膜
を形成することにより、第2保護膜を、電気絶縁性を静
電気が帯電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタン
サイアロンにて形成しても、これら各保護膜より下層の
給電用導体膜及び発熱抵抗体層に対して高い電気絶縁性
を確保することができる。
縁性を有するから、このシリコン酸化物にて第1保護膜
を形成することにより、第2保護膜を、電気絶縁性を静
電気が帯電し難くなる程度まで低くして成る窒化チタン
サイアロンにて形成しても、これら各保護膜より下層の
給電用導体膜及び発熱抵抗体層に対して高い電気絶縁性
を確保することができる。
【0013】これに加えて、前記シリコン酸化物製の第
1保護膜における厚さを薄くし、その上層の第1保護膜
を、前記したように高い熱伝導率及び熱膨張率を有する
窒化チタンサイアロンにて形成して、その厚さを厚くし
たことにより、保護膜の全体としての熱伝導率及び熱膨
張率を、当該保護膜を先行技術のようにサイアロン製に
する場合により、高くすることができ、その結果、給電
用導体膜及び発熱抵抗体層を覆う保護膜の全体に対し
て、硬い性質と、高い電気絶縁性とを確保した状態のも
とで、高い熱伝導率と、高い熱膨張率とを付与すること
ができるのである。
1保護膜における厚さを薄くし、その上層の第1保護膜
を、前記したように高い熱伝導率及び熱膨張率を有する
窒化チタンサイアロンにて形成して、その厚さを厚くし
たことにより、保護膜の全体としての熱伝導率及び熱膨
張率を、当該保護膜を先行技術のようにサイアロン製に
する場合により、高くすることができ、その結果、給電
用導体膜及び発熱抵抗体層を覆う保護膜の全体に対し
て、硬い性質と、高い電気絶縁性とを確保した状態のも
とで、高い熱伝導率と、高い熱膨張率とを付与すること
ができるのである。
【0014】
【発明の効果】従って、本発明によると、.保護膜の
全体における熱膨張率を、これよりも下層における給電
用導体膜、発熱抵抗体層及びグレーズ層における熱膨張
率に近付けて、その間における熱膨張率の差を小さくす
ることができるから、熱歪みに起因して給電用導体膜及
び発熱抵抗体層に破壊が発生することを確実に低減でき
る。.保護膜の全体における熱伝導率を高くすること
ができて、発熱抵抗体層における発熱の均一化を図るこ
とができるから、印字むらの発生を大幅に低減できる。
.保護膜のうち表面側における第2保護膜を、Si−
Al−O−N系の化合物から成るサイアロンに対する窒
化チタンの添加にて電気絶縁性を静電気が帯電し難くな
る程度まで低くして成る窒化チタンサイアロンにて形成
したことにより、給電用導体膜及び発熱抵抗体層に静電
気の帯電による破壊が発生することを、前記第2保護膜
にて確実に低減できる。と言う効果を有する。
全体における熱膨張率を、これよりも下層における給電
用導体膜、発熱抵抗体層及びグレーズ層における熱膨張
率に近付けて、その間における熱膨張率の差を小さくす
ることができるから、熱歪みに起因して給電用導体膜及
び発熱抵抗体層に破壊が発生することを確実に低減でき
る。.保護膜の全体における熱伝導率を高くすること
ができて、発熱抵抗体層における発熱の均一化を図るこ
とができるから、印字むらの発生を大幅に低減できる。
.保護膜のうち表面側における第2保護膜を、Si−
Al−O−N系の化合物から成るサイアロンに対する窒
化チタンの添加にて電気絶縁性を静電気が帯電し難くな
る程度まで低くして成る窒化チタンサイアロンにて形成
したことにより、給電用導体膜及び発熱抵抗体層に静電
気の帯電による破壊が発生することを、前記第2保護膜
にて確実に低減できる。と言う効果を有する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を、その製造方法と一
緒に、図1〜図4の図面について説明する。
緒に、図1〜図4の図面について説明する。
【0016】図1及び図2は、セラミック製のヘッド基
板11の上面に、ガラス製のグレーズ層12をヘッド基
板11の長手方向に延びるように形成すると共に、例え
ば、Ta−SiO2 等から成る発熱抵抗体層13を形成
し、更に、この発熱抵抗体層13の上面に、当該発熱抵
抗体層13を前記グレーズ層12に沿って部分的に発熱
するためのアルミ等から成る多数本の給電用導体膜14
を形成したものを示すものである。
板11の上面に、ガラス製のグレーズ層12をヘッド基
板11の長手方向に延びるように形成すると共に、例え
ば、Ta−SiO2 等から成る発熱抵抗体層13を形成
し、更に、この発熱抵抗体層13の上面に、当該発熱抵
抗体層13を前記グレーズ層12に沿って部分的に発熱
するためのアルミ等から成る多数本の給電用導体膜14
を形成したものを示すものである。
【0017】このようにして、上面にグレーズ層12、
発熱抵抗体層13及び給電用導体膜14を形成したヘッ
ド基板11の全体を、高真空度に保持したスパッタリン
グ容器内に入れて、当該ヘッド基板11の上面における
上方に、シリコン酸化物のターゲットを配設して、この
ターゲットと前記ヘッド基板11との間にターゲット電
圧を印加すると言うスパッタリングを行うことにより、
図3に示すように、厚さ1ミクロンのシリコン酸化物に
よる第1保護膜15aを形成する。
発熱抵抗体層13及び給電用導体膜14を形成したヘッ
ド基板11の全体を、高真空度に保持したスパッタリン
グ容器内に入れて、当該ヘッド基板11の上面における
上方に、シリコン酸化物のターゲットを配設して、この
ターゲットと前記ヘッド基板11との間にターゲット電
圧を印加すると言うスパッタリングを行うことにより、
図3に示すように、厚さ1ミクロンのシリコン酸化物に
よる第1保護膜15aを形成する。
【0018】次いで、前記第1保護膜15aを形成した
ヘッド基板11を、再び、高真空度に保持したスパッタ
リング容器内に入れて、当該ヘッド基板11の上面にお
ける上方に、Si−Al−O−N系の化合物であるサイ
アロンと窒化チタン(TiN)とを適宜比率で混合した
のち焼結して成る窒化チタン−サイアロンの焼結ターゲ
ットを配設して、この焼結ターゲットと前記ヘッド基板
11との間にターゲット電圧を印加すると言うスパッタ
リングを行うことにより、図4に示すように、50Wt
%の窒化チタンを含む窒化チタンサイアロン製の第2保
護膜15bを、その厚さを6ミクロンにして形成して、
この第2保護膜15bと、前記第1保護膜15aとの両
方によって、保護膜15の全体を形成するのである。
ヘッド基板11を、再び、高真空度に保持したスパッタ
リング容器内に入れて、当該ヘッド基板11の上面にお
ける上方に、Si−Al−O−N系の化合物であるサイ
アロンと窒化チタン(TiN)とを適宜比率で混合した
のち焼結して成る窒化チタン−サイアロンの焼結ターゲ
ットを配設して、この焼結ターゲットと前記ヘッド基板
11との間にターゲット電圧を印加すると言うスパッタ
リングを行うことにより、図4に示すように、50Wt
%の窒化チタンを含む窒化チタンサイアロン製の第2保
護膜15bを、その厚さを6ミクロンにして形成して、
この第2保護膜15bと、前記第1保護膜15aとの両
方によって、保護膜15の全体を形成するのである。
【0019】なお、前記保護膜15のうち窒化チタンサ
イアロン製の第2保護膜15bは、焼結ターゲットを使
用することに代えて、サイアロンのターゲットと、窒化
チタンのターゲットとの二つのターゲットを使用してス
パッタリングを行うことによって形成するようにしても
良いのである。
イアロン製の第2保護膜15bは、焼結ターゲットを使
用することに代えて、サイアロンのターゲットと、窒化
チタンのターゲットとの二つのターゲットを使用してス
パッタリングを行うことによって形成するようにしても
良いのである。
【0020】このように、保護膜15を、第1保護膜1
5aと、第2保護膜15bとで構成するにおいて、第1
保護膜15aを高い電気絶縁性を有するシリコン酸化物
にて形成したことにより、この第1保護膜15aよりも
上層の第2保護膜15bを、電気絶縁性を静電気が帯電
し難くなる程度まで低くして成る窒化チタンサイアロン
にて形成しても、これら各保護膜15より下層の給電用
導体膜4及び発熱抵抗体層3に対して高い電気絶縁性を
確保することができる。
5aと、第2保護膜15bとで構成するにおいて、第1
保護膜15aを高い電気絶縁性を有するシリコン酸化物
にて形成したことにより、この第1保護膜15aよりも
上層の第2保護膜15bを、電気絶縁性を静電気が帯電
し難くなる程度まで低くして成る窒化チタンサイアロン
にて形成しても、これら各保護膜15より下層の給電用
導体膜4及び発熱抵抗体層3に対して高い電気絶縁性を
確保することができる。
【0021】一方、前記シリコン酸化物製の第1保護膜
15aにおける厚さを1ミクロンと言うように薄くし、
その上層の第1保護膜15bを、前記したように高い熱
伝導率及び熱膨張率を有する窒化チタンサイアロンにて
形成して、その厚さを6ミクロンと言うように厚くした
ことにより、保護膜15の全体としての熱伝導率及び熱
膨張率を高くすることができ、その結果、給電用導体膜
4及び発熱抵抗体層3を覆う保護膜15の全体に対し
て、硬い性質と、高い電気絶縁性とを確保した状態のも
とで、高い熱伝導率と、高い熱膨張率とを付与すること
ができるのである。
15aにおける厚さを1ミクロンと言うように薄くし、
その上層の第1保護膜15bを、前記したように高い熱
伝導率及び熱膨張率を有する窒化チタンサイアロンにて
形成して、その厚さを6ミクロンと言うように厚くした
ことにより、保護膜15の全体としての熱伝導率及び熱
膨張率を高くすることができ、その結果、給電用導体膜
4及び発熱抵抗体層3を覆う保護膜15の全体に対し
て、硬い性質と、高い電気絶縁性とを確保した状態のも
とで、高い熱伝導率と、高い熱膨張率とを付与すること
ができるのである。
【0022】そして、前記した実施例において製造した
サーマルプリントヘッドについて、そのステップストレ
ステストを行ったところ、その耐電圧特性を、前記先行
技術のように保護膜をサイアロンにした場合よりも約
1.3倍にアップすることができるのであり、且つ、耐
パルス性をも向上できるのであった。
サーマルプリントヘッドについて、そのステップストレ
ステストを行ったところ、その耐電圧特性を、前記先行
技術のように保護膜をサイアロンにした場合よりも約
1.3倍にアップすることができるのであり、且つ、耐
パルス性をも向上できるのであった。
【0023】なお、前記保護膜15のうちシリコン酸化
物製の第1保護膜15aにおける厚さは、保護膜15の
全体としての熱伝導率及び熱膨張率を高くすることのた
めに出来るだけ薄くすることが必要であるが、電気絶縁
性を確保することの意味から0.1〜4.0ミクロンに
するのが好ましい。また、窒化チタンサイアロン製の第
2保護膜15bにおける厚さは、前記第1保護膜15a
における厚さの約3〜30倍にすることが好ましい。
物製の第1保護膜15aにおける厚さは、保護膜15の
全体としての熱伝導率及び熱膨張率を高くすることのた
めに出来るだけ薄くすることが必要であるが、電気絶縁
性を確保することの意味から0.1〜4.0ミクロンに
するのが好ましい。また、窒化チタンサイアロン製の第
2保護膜15bにおける厚さは、前記第1保護膜15a
における厚さの約3〜30倍にすることが好ましい。
【0024】また、本発明は、前記実施例のように、薄
膜型サーマルプリントヘッドにおける保護膜に適用する
場合に限らず、例えば、実開昭62−50948号公報
及び実開平1−158136号公報等に記載されている
ような厚膜型サーマルプリントヘッドにおける保護膜に
対しても適用できることは勿論である。
膜型サーマルプリントヘッドにおける保護膜に適用する
場合に限らず、例えば、実開昭62−50948号公報
及び実開平1−158136号公報等に記載されている
ような厚膜型サーマルプリントヘッドにおける保護膜に
対しても適用できることは勿論である。
【図1】ヘッド基板の上面にグレーズ層及び発熱抵抗体
層並びに給電用導体膜を形成した状態の要部拡大断面図
である。
層並びに給電用導体膜を形成した状態の要部拡大断面図
である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】前記ヘッド基板の上面に第1保護膜を形成した
状態の要部拡大断面図である。
状態の要部拡大断面図である。
【図4】前記ヘッド基板の上面に第2保護膜を形成した
状態の要部拡大断面図である。
状態の要部拡大断面図である。
【図5】サイアロンに対する窒化チタンの含有量と熱伝
導率との関係を示す図である。
導率との関係を示す図である。
【図6】サイアロンに対する窒化チタンの含有量と熱膨
張率との関係を示す図である。
張率との関係を示す図である。
【図7】従来における薄膜型サーマルプリントヘッドの
要部拡大断面図である。
要部拡大断面図である。
11 ヘッド基板 12 グレーズ層 13 発熱抵抗体層 14 給電用導体膜 15 保護膜 15a 第1保護膜 15b 第2保護膜
Claims (1)
- 【請求項1】ヘッド基板の上面に、グレーズ層、発熱抵
抗体層及び複数本の給電用導体膜を形成し、更に、これ
らの全体を覆う保護膜を形成して成るサーマルプリント
ヘッドにおいて、前記保護膜を、下層における比較的薄
い厚さの第1保護膜と、上層における比較的厚い厚さの
第2保護膜との二層に構成し、前記第1保護膜をシリコ
ン酸化物にて形成する一方、前記第2保護膜を、Si−
Al−O−N系の化合物から成るサイアロンに対する窒
化チタンの添加にて電気絶縁性を静電気が帯電し難くな
る程度まで低くして成る窒化チタンサイアロンにて形成
することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16750392A JP3107911B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | サーマルプリントヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16750392A JP3107911B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | サーマルプリントヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH068501A JPH068501A (ja) | 1994-01-18 |
JP3107911B2 true JP3107911B2 (ja) | 2000-11-13 |
Family
ID=15850896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16750392A Expired - Fee Related JP3107911B2 (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | サーマルプリントヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3107911B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10129021A (ja) * | 1996-10-25 | 1998-05-19 | Fuji Photo Film Co Ltd | 感熱記録システム |
US6448993B1 (en) | 1997-07-22 | 2002-09-10 | Rohm Co., Ltd. | Construction of thermal print head and method of forming protective coating |
JP6499251B1 (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-10 | アオイ電子株式会社 | サーマルヘッド |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP16750392A patent/JP3107911B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH068501A (ja) | 1994-01-18 |
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