JP2837963B2 - サーマルヘッド - Google Patents

サーマルヘッド

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JP2837963B2
JP2837963B2 JP2409470A JP40947090A JP2837963B2 JP 2837963 B2 JP2837963 B2 JP 2837963B2 JP 2409470 A JP2409470 A JP 2409470A JP 40947090 A JP40947090 A JP 40947090A JP 2837963 B2 JP2837963 B2 JP 2837963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルヘッド、特に表
面平滑性及び硬度に優れた保護層を有するサーマルプリ
ンタ用厚膜型サーマルヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタに搭載されるサーマル
ヘッドは、例えば複数個の発熱抵抗体素子を同一基板上
に配列し、印字すべき情報に従ってこの発熱抵抗体素子
を通電加熱させてインクリボンを介して記録紙に転写記
録するために用いられる。
【0003】図6にこのサーマルヘッドの断面図が示さ
れており、絶縁基板1上にはガラスからなるグレーズ層
2が形成されており、このグレーズ層2の上に共通電極
用導体3及び個別電極用導体4がAu等によって形成さ
れる。さらに、この電極用導体の間隙にRuO2 などか
らなる発熱抵抗体層5が形成され、ガラス等の保護層6
が形成される。
【0004】そして、個別電極用導体4に情報に応じて
選択的に電圧が印加されると、発熱抵抗体層5が発熱
し、この熱が伝わって保護層6の表面の発熱部が発熱し
てインクリボンなどに発色エネルギーが与えられること
となる。
【0005】ここで、保護層6としては通常SiO2
PbO−B2 O等のガラスが用いられ、このガラスの耐
熱性や硬度を向上させるため通常α−Al2 3 などの
フィラーが添加される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の保
護層にはフィラーを添加したガラスが用いられており、
通常フィラーの平均粒径は0.7〜0.8μmで20〜
30wt%添加されており、ガラスの表面粗度Raは
0.1〜0.20μm程度である。
【0007】しかしながら、表面粗度Raが0.1μm
以上であるとこの保護層6に当接して移動する記録紙に
傷が生じ印字変質が悪化してしまうため、従来より、こ
の表面粗度を低下させるべく例えばPbO−SiO2
の場合にはPbOの量を増加させてその軟化点を低下さ
せることが提案されている。しかしながら、この方法で
は表面粗度は確かに低下するがサーマルヘッドの保護層
としての重要なファクターである耐磨耗性、すなわち硬
度が逆に低下してしまう問題があった。
【0008】図7にガラス軟化点と硬度の関係を示す。
ガラス軟化点が低下すると硬度(図8においてはヌープ
硬度で示す)が著しく低下することがわかる。
【0009】そこで、保護層のガラス系を変化させず、
添加するフィラー量を減少させることにより表面粗度を
低下させることも考えられるが、本来フィラーは硬度を
増加させるべく導入されたものであり、従ってフィラー
の量を減じると所望の硬度が得られなくなる問題があっ
た。
【0010】図8にガラスに添加するフィラー量と硬度
との関係を示す。フィラー量を減じると表面粗度は低下
するが逆に硬度は劣化してしまうことがわかる。
【0011】本発明は上記従来の課題に鑑みなされたも
のであり、その目的は硬度及び表面平滑性共に優れた保
護層を有するサーマルヘッドを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るサーマルヘッドは保護層を形成する
iO 2 −PbO−Al 2 3 −CdO系ガラスにフィラー
としてAl 2 3 を20〜30重量%添加し、フィラーの
平均粒径を1μmから2μmの範囲内に設定し、かつそ
の表面粗度を0.1μm以下に設定したことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】このように、本発明はフィラーの形状、すなわ
ちフィラーの平均粒径を変化させることにより所望の特
性を得るものである。
【0014】本願出願人は従来着目されていなかったフ
ィラーの平均粒径に着目し、このフィラー粒径がガラス
の表面粗度に大きな影響を与えることを見い出し、この
フィラーの平均粒径を1μmから2μmの範囲内に設定
することにより硬度を劣化させずに表面粗度を低下させ
ることができることを見出だしたものである。
【0015】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明に係るサーマ
ルヘッドの好適な実施例を説明する。
【0016】本実施例のサーマルヘッドの構成は従来と
ほぼ同様であり、アルミナセラミックなどの絶縁性基板
1上にグレーズ層2が形成され、このグレーズ層2の上
に共通電極用導体3及び個別電極用導体4がAu等によ
って形成される。さらに、この電極用導体の間隙にRu
2 などからなる発熱抵抗体層5が形成され、ガラス等
の保護層6が焼成形成される。
【0017】本実施例において特徴的なことは、このよ
うな構成におけるサーマルヘッドにおいて、保護層6を
形成するガラスに添加されるフィラー量の粒径を制御
し、保護層6の表面平滑性を硬度を低下させることなく
向上させた点にある。
【0018】図1には保護層6に用いられるガラス系、
このガラス系に添加されるフィラーの種類、フィラーの
添加量及びフィラーの平均粒径を変化させて保護層6の
表面粗度Ra及びヌープ硬度を測定した結果が示されて
いる。ここで、表面粗度Raは形成された保護層6表面
を粗さ計にて走査し、その偏位量を測定したものであ
る。
【0019】まず、実施例1においてはガラス系として
SiO2 −PbO−B2 3 を用い、フィラーとしては
α−Al23 、フィラーの添加量は25%、フィラー
の平均粒径は0.7μmとした。この時、表面粗度Ra
は0.08μmと良好であったが、ヌープ硬度は540
と低く、耐磨耗性の点で十分ではなかった。
【0020】そこで、実施例2においてはガラス系をS
iO2 −PbO−Al2 3 −CdOに変更し、フィラ
ーの種類、添加量、平均粒径は実施例1と同一にして表
面粗度Ra及びヌープ硬度を測定した。その結果、ヌー
プ硬度は600と向上したが、表面粗度は0.13μm
と悪化し、印字後の記録紙に紙傷が多数発生していた。
ヌープ硬度が600と高かったのはガラス系をSiO2
−PbO−Al2 3 −CdOを用いたからと考えら
れ、一方表面粗度が0.13μmと悪かったのは以下の
理由によるものと考えられる。
【0021】すなわち、図4に示されるようにフィラー
粒径が0.8μmの場合、Pb0,SiO2 からなるガ
ラスネットワーク内に多数のフィラーが入り込み、フィ
ラーの融点はガラスに比べ高いためガラスの融点及び軟
化点が上昇すると考えられる。このように軟化点が上昇
すると焼成時のガラスの流れが悪くなるためこのように
表面粗度が悪化したものと考えられる。
【0022】そこで、実施例3においてはガラス系、フ
ィラーの種類、添加量は実施例2と同一にしてフィラー
の平均粒径を1.3μmと大きくし、表面粗度及びヌー
プ硬度を測定した。すると、表面粗度は0.06μmと
向上し、かつヌープ硬度も598と良好であった。さら
に、実施例4においてはフィラー平均粒径をさらに1.
8μmと大きくして表面粗度とヌープ硬度を測定した結
果、表面粗度0.06μm、ヌープ硬度578と良好な
結果を得ることができた。
【0023】さらに、実施例5においてはフィラーの平
均粒径を2.5μmと大きくした場合の保護層を形成し
て表面粗度及びヌープ硬度を測定した。
【0024】ところが、この実施例5の場合においては
その表面粗度は表面粗さ計で検出できるレベルを越えた
粗さを示し、数値化することが不能で記録紙にも多数の
大きな穴が生じていた。このように、フィラーの平均粒
径が2.5μmと大きくなった場合に表面粗度が悪化す
るのは以下の理由によるものと考えられる。
【0025】すなわち、図5に示されるようにフィラー
の平均粒径を2.5μmと大きくするとフィラーの添加
量は同一であるためフィラーの粒子数は少なくなり、ガ
ラスネットワーク内に入り込むフィラーの量も少なくな
る。すると、焼成時のガラスの流れは良くなるが、フィ
ラーの平均粒径が大きいためフィラーの存在するところ
だけガラスの流れが悪くなり、従って突起が生じ易く表
面粗度が悪化したと考えられる。
【0026】なお、比較のためフィラーの添加量を12
%及び0%とした場合の表面粗度及びヌープ硬度も測定
したが(実施例6及び実施例7)、それぞれヌープ硬度
が480及び246と低く、耐摩耗性の点でサーマルヘ
ッドに用いることはできなかった。これは、勿論フィラ
ーの添加量が少なく、フィラーの耐熱性向上機能及び硬
度向上機能が得られなかったことによる。
【0027】このように、フィラーの添加量は従来と同
一の25wt%とし、フィラーの平均粒径を1μm〜2
μmに設定することにより、ヌープ硬度を低下させずに
表面粗度Ra≦0.1μmを達成することができた。
【0028】なお、図2にフィラーの粒径と表面粗度と
の関係を、そして図3にフィラーの粒径とヌープ硬度と
の関係を示す。フィラーの粒径を1〜2μmに設定する
ことにより表面粗度が低下、すなわち表面が平滑化し、
かつヌープ硬度はほとんど変化しないことがわかる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサー
マルヘッドによれば、表面の平滑性及び硬度に優れた保
護層を有するサーマルヘッドを得ることができ、紙傷の
少ない高品質の印字を行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサーマルヘッドの各実施例におけ
る表面粗度とヌープ硬度との関係を示す説明図である。
【図2】実施例におけるフィラー粒径と表面粗度との関
係を示すグラフ図である。
【図3】実施例におけるフィラー粒径とヌープ硬度との
関係を示すグラフ図である。
【図4】ガラスネットワークにおけるフィラーの混入状
態を示す説明図である。
【図5】ガラスネットワークにおけるフィラーの混入状
態を示す説明図である。
【図6】サーマルヘッドの断面図である。
【図7】ガラス軟化点とヌープ硬度との関係を示すグラ
フ図である。
【図8】フィラー量とヌープ硬度及び表面粗度との関係
を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 グレーズ層 3 共通電極用導体 4 個別電極用導体 5 発熱抵抗体層 6 保護層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたグレーズ層と、 このグレーズ層上に形成された発熱抵抗体層と、 この発熱抵抗体層に電力を供給する給電体層と、 この給電体層及び前記発熱抵抗体層上に形成された保護
    層と、 を有するサーマルヘッドにおいて、 前記保護層はフィラーとしてAl 2 3 が20〜30重量
    添加されたSiO 2 −PbO−Al 2 3 −CdO系
    ラスからなり、かつ前記フィラーの平均粒径が1μmか
    ら2μmの範囲内にあってその表面粗度が0.1μm以
    下であることを特徴とするサーマルヘッド。
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