JP2731453B2 - サーマルヘッド用基板およびその製造方法 - Google Patents

サーマルヘッド用基板およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、サーマルプリンタに使用されるサーマルヘ
ッド用基板に係り、特に、アルミナ基板を用いたサーマ
ルヘッド用基板およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、サーマルプリンタに搭載するサーマルヘッド
は、例えば、複数個の発熱抵抗体を絶縁性基板上に直線
的に整列配置し、印字情報に従って該発熱抵抗体を選択
的に通電加熱させて、感熱記録紙に発色記録させるか、
あるいは、インクリボンのインクを溶融して普通紙に転
写記録するために用いられている。
第3図は従来のこの種のサーマルヘッドを示したもの
で、純度96%のアルミナ基板1上には、蓄熱層として機
能するガラスからなるグレーズ層2がその上面が断面形
状円弧状で厚みが40μm以上となるように形成されてい
る。また、このグやレーズ層2の上面には、Ta2N等から
なる複数個の発熱抵抗体3が、蒸着、スパッタリング等
により被着された後にエッチングを行なうことにより直
線状に整列して形成されている。前記各発熱抵抗体3の
上面両側部には、この発熱抵抗体3に対して給電するた
めの共通電極4aおよび個別電極4bがそれぞれ形成されて
おり、これらの各電極4a,4bは、例えば、Al,Cu,Au等の
軟質金属からなり、蒸着、スパッタリング等により所望
形状のパターンに形成されている。そして、前記各発熱
抵抗体3は、前記共通電極4aおよび個別電極4b間におい
て露出されてそれぞれ独立した1ドット相当分の発熱素
子3aを形成しており、この発熱抵抗体3の発熱素子3a
は、前記各電極4a,4b間に電圧を印加することにより発
熱されるようになっている。
また、前記発熱抵抗体3および各電極4a,4bの上面に
は、これらの各発熱抵抗体3および電極4a,4bを保護す
る約7〜10μmの膜厚の保護層5が形成されており、こ
の保護層5は、発熱抵抗体3を酸化による劣化から保護
するSiO2等からなるほぼ2μmの膜厚の耐酸化層6と、
この耐酸化層6上に積層されインクリボン等との接触に
よる摩耗から発熱抵抗体3および各電極4a,4bを保護す
るTa2O5等からなるほぼ5〜8μmの膜厚の耐摩耗層7
とから形成されており、この保護層5は、端子部以外の
すべての表面を覆うようになっている。この保護層5の
耐酸化層6および耐摩耗層7は、スパッタリング等の手
段によって順次形成され、その後、最終工程においてア
ルミナ基板1を分割して所望のサーマルヘッドチップを
得るようになっている。
このような従来のサーマルヘッドにおいては、このサ
ーマルヘッドをインクリボンを介して用紙に圧接させ、
所定の印字情報に基づいて所望のドットに対応する個別
給電層4bに通電することにより、その発熱抵抗体3の発
熱部3aを発熱させ、前記インクリボンのインクを前記用
紙に溶融転写させることにより、前記用紙上に所望の印
字を行なうようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、近年、サーマルヘッドの高速印字化ならび
に高密度化の要求が強まっているが、高速印字化のため
には、グレーズ層の厚みを例えば30μm以下と薄くして
放熱性を高め、熱応答性を改善する必要がある。さら
に、高速印字化によって通電周期が短かくなるため、印
字エネルギを得るには必然的にサーマルヘッドのドット
発熱温度を高くする必要があり、高信頼化のためにグレ
ーズ層2としては従来よりも耐熱性の高いものとする必
要がある。
また、高密度化のために、ドット密度が100μm以下
のファインピッチとなるため、グレーズ層2の結晶化に
よる表面の荒れや、グレーズ層2中の気泡の残存および
アルミナ基板1の凹凸を極力少なくすることが必要とな
るが、従来用いられていた純度96%のアルミナ基板1は
欠陥が多く高密度化に適合できなかった。
さらに、グレーズ層2を形成したとき、アルミナ基板
1とグレーズ層2の成分であるガラスとの間に何等かの
作用により気泡が多発する現象が見られていた。そし
て、耐熱グレーズ層2の形成においては、SiO2成分がよ
り多く溶融粘度が高くなるため、気泡の残存率が大とな
っていた。このため、気泡を除去しようとして、グレー
ズの焼成温度をより高温側にシフトすると、グレーズの
結晶化(失透)による表面の荒れが急激に大となってい
た。さらに、グレーズ層2を30μm以下と薄く焼成しよ
うとすると、グレーズの結晶化は極めて敏感なものとな
り、従来の純度96%のアルミナ基板1上に耐熱グレーズ
層2を薄く形成することは大変困難なことであった。
このように従来のアルミナ基板1と耐熱グレーズ層2
との間には、グレーズの気泡あるいは結晶化が生じてし
まう関係にあり、焼成温度条件の適値が少なく、グレー
ズ層2を薄く形成することが困難となっており、高速印
字化ならびに高密度化の要求に合致したサーマルヘッド
用基板が製造できないという重大な欠点があった。
本発明は、前述した点に鑑み、高速印字化ならびに高
密度化の要求に合致したサーマルヘッド用基板およびそ
の製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前述した目的を達成するため本発明に係るサーマルヘ
ッド用基板は、純度99%以上のアルミナからなるアルミ
ナ基板において表面に形成されているガラス質フラック
ス剤を除去した部位に耐熱グレーズ層を形成したことを
特徴としている。
また、本発明に係るサーマルヘッド用基板は、耐熱グ
レーズ層の厚みを30μm以下とすることができる。
さらに本発明に係るサーマルヘッド用基板の製造方法
は、純度99%以上のアルミナからなるアルミナ基板をフ
ッ酸系エッチング液に浸漬してアルミナ基板表面のガラ
ス質フラックス剤を除去した後、前記アルミナ基板上に
耐熱グレーズ層を塗布焼成することを特徴としている。
〔作 用〕
前述した構成からなる本発明によれば、純度99%以上
のアルミナ基板を用いているので、結晶粒径が小さくガ
ラス質フラックス量が少ない。また、ガラス質フラック
ス剤を除去した上に耐熱グレーズ層を焼成するので厚み
を薄くでき、しかも焼成を、結晶化の起らない低温で行
なうことができるためグレーズ層における気泡の発生と
結晶化の問題を解消することができる。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例により説明する。
第1図および第2図は本発明のサーマルヘッドを示す
もので、第1図に示す実施例は、基板上に全面グレーズ
層を形成した構成であり、第2図に示す実施例は基板上
に部分的にグレーズ層を形成したものである。
符号11は純度99%以上のアルミナにガラス質フラック
ス剤を含有してなるアルミナ基板であり、このアルミナ
基板11上には後述する方法により、ガラス転位点700℃
以上の耐熱グレーズ層12が形成され、これらのアルミナ
基板11および耐熱グレーズ層12により前記サーマルヘッ
ド用基板10が構成されている。この耐熱グレーズ1層12
上には、Ta2N、Ta−SiO2等からなる発熱抵抗体13、Al等
からなる電極14、ならびにSi3N4、SiCを主成分とする保
護層15が順次積層されているが、これらの発熱抵抗体1
3、電極14ならびに保護層15の構成は、前述した従来構
造と同じである。
本実施例のアルミナ基板11は、アルミナ平均粒径がほ
ぼ1μm弱のアルミナ粒子を用い、焼結時に添加するガ
ラス質フラックス剤の量は1%以下とされている。一般
には純度99.5%のアルミナからなるアルミナ基板11がこ
れに相当する。
前記アルミナ基板11を、フッ酸系エッチング剤、例え
ば、HF、HNO3およびH2Oを混合したフッ硝酸に浸漬し、
表面のガラス質フラックス剤を除去する。これは、アル
ミナ基板11の表面のガラス質フラックス剤を除去したア
ルミナ基板11上に耐熱グレーズ層12を焼成すると、気泡
がほとんど発生しなくなることを実験的に発見したこと
による。
これを従来のアルミナ純度がそれほど高くない純度96
%アルミナ基板に適用すると、ガラス質フラックス剤の
含有量が多いため、エッチング除去されたアルミナ基板
の表面の凹凸が著しく大となり、高密度配線(発熱抵抗
体が100μmピッチ以下)の形成において、多数の欠陥
が発生し、断線、ショート不良を多発させることになる
ため適切でない。
このため、ガラス質フラックス剤の含有量の少ない純
度99%以上のアルミナからなる本実施例のアルミナ基板
11を用いる必要がある。このような純度99%以上で結晶
粒径が小さいアルミナからなり、ガラス質フラックス剤
の含有量の少ないアルミナ基板11をベースとして、この
表面をHF系エッチング剤に浸漬して、洗浄することによ
りガラス質フラックス剤を除去することができ、このガ
ラス質フラックス剤を除去した部位のアルミナ基板11の
表面上にガラス転位点が700μm以上の耐熱グレーズ層1
2を30μm以下(10〜30μmの範囲が好適)の厚みにし
かも欠陥が少なく焼成することが可能となる。この結
果、耐熱グレーズ層12の焼成条件を、結晶化の起らない
低温側にシフトして条件設定ができ、したがって、気泡
と結晶化の問題を解消することができる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものでは
なく、必要に応じて種々の変更が可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、アルミナ基板表
面をフッ酸系エッチング剤によりエッチング処理するこ
とによって、所望の厚みの耐熱グレーズ層を、部分的あ
るいは全面的に欠陥が少なく形成できるので、高い信頼
性を有し、高速印字化ならびに高密度化の要求に合致す
るサーマルヘッド用基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ本発明に係るサーマルヘ
ッド用基板を適用したサーマルヘッドの縦断面図、第3
図は従来のサーマルヘッド用基板を適用したサーマルヘ
ッドの縦断面図である。 10……サーマルヘッド用基板、11……アルミナ基板、12
……耐熱グレーズ層、13……発熱抵抗体、14……電極、
15……保護層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】純度99%以上のアルミナからなるアルミナ
    基板において表面に形成されているガラス質フラックス
    剤を除去した部位に耐熱グレーズ層を形成したことを特
    徴とするサーマルヘッド用基板。
  2. 【請求項2】前記耐熱グレーズ層の厚みを30μm以下と
    したことを特徴とする請求項第1項記載のサーマルヘッ
    ド用基板。
  3. 【請求項3】純度99%以上のアルミナからなるアルミナ
    基板をフッ酸系エッチング液に浸漬してアルミナ基板表
    面のガラス質フラックス剤を除去した後、前記アルミナ
    基板上に耐熱グレーズ層を塗布焼成することを特徴とす
    るサーマルヘッド用基板の製造方法。
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