JP3107519B2 - 廃棄物投入用ダンピング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ごみ処理設備に
おける廃棄物投入用ダンピング装置の安全柵に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のダンピング装置は、図５、６に示
すように、ごみピット１に近接したプラットフォーム２
に廃棄物を受入れるダンピングボックス３が設けられ、
このダンピングボックス３はその底部前端の横軸４を中
心として、油圧シリンダなどの駆動手段５により同図鎖
線のごとく上下方向に回動自在になっている。ダンピン
グボックス３は、底板６と、左右の側壁７と、底板６の
両側で下方に固着された補強材８、底板６を補強するた
めの多数の部材（図示省略）などよりなる。

【０００３】廃棄物の収集車Ａは、図５に示すように後
向きでダンピングボックス３に近付き、スロープ９を乗
り上げてダンピングボックス３内に進出したのち、徐々
に廃棄物を落下させながら前進することにより廃棄物
（ごみ）ａをダンピングボックス３内に投入する。その
投入された廃棄物ａは人力により危険物が除去されたの
ち、駆動手段５を作動させることにより、ダンピングボ
ックス３を鎖線で示すように傾動させ（ダンプさせ）、
廃棄物ａをごみピット１へ投入する。ごみピット１内の
廃棄物ａはコンベアＣにより破砕機、圧縮機などの処理
機に搬送される。

【０００４】このようなダンピング装置において、実開
平５−８２９０７号公報等に示されているように、ダン
ピングボックス３の後側に退去可能な安全柵を設け、こ
の安全柵により、ダンプ時、ダンピングボックス３の下
方への人の立ち入りを禁止している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記安全柵により、ダ
ンプ時の危険は回避されるが、上述のダンピングボック
ス３内の危険物等を人力により除去するには、一般に、
作業者がダンピングボックス３内に入ってその作業を行
なっている。このため、その作業者が、誤って、ごみピ
ット１へ転落する恐れがある。

【０００６】この発明は、上記作業者のごみピットへの
転落の問題を解決することを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明は、上述の廃棄物投入用ダンピ
ング装置において、そのダンピングボックス前面に安全
柵を設け、この安全柵は、前記ダンピングボックスが水
平状態のとき、その前面を覆い、ダンピングボックスの
上方への回動とともに、その前面から退去してダンピン
グボックスからごみがごみピット内に投入可能となるも
のとしたのである。

【０００８】このようにすれば、ダンピングボックスの
水平状態時には、その前面が常に安全柵によって覆われ
ていることとなり、上述の危険物等の除去はその水平状
態の作業のため、作業者のごみピットへの落下はその安
全柵によって防止される。

【０００９】請求項２記載の発明は、上記発明の安全柵
の作用機構を具体的にしたものであり、ダンピングボッ
クスの前面付近両側のプラットフォーム上に左右一対の
支柱を立設し、その両支柱間に上記安全柵をその上縁両
端でもって揺動自在に取付け前記ダンピングボックスに
は上方に突出する係合部材を設けて、この係合部材はダ
ンピングボックスの上方への回動につれて前記安全柵に
当接しその安全柵を上方に回動して上記ごみをごみピッ
ト内に投入可能とするものであり、かつ、ダンピングボ
ックスの前面にはダンピングボックスが水平状態のとき
に、安全柵がごみピット側へ回動することを阻止する係
止手段を設けた構成としたものである。

【００１０】請求項３記載の発明は、上記係止手段を具
体的にしたものであり、上記ダンピングボックスの底面
に上記安全柵の下縁に対向して設けた突部から成り、こ
の突部は、その上面が前側上向きの傾斜面となって、そ
の傾斜面の前側が、ダンピングボックスが水平状態のと
きに、前記安全柵の下縁より上位にあり、ダンピングボ
ックスの上方への回動につれて安全柵下縁の揺動範囲か
ら退去するようになっている構成としたのである。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１はこの発明の好適な実施の形
態のダンピング装置を示す概略側面図で、図２は図１の
右側面図である。これらの図において、従来技術と同一
のものは、同一の符号を付して説明は省略し、異なる点
のみを説明する。

【００１２】１１は安全柵で、ダンピングボックス３の
前面側でごみピット１に近接して設けられている。この
安全柵１１は、棒状柵部材１５を並設して回動軸１４に
固着したものであり、プラットフォーム２に設けられた
左右一対の支柱１２間に軸受１３を介して上下方向に回
動自在（揺動自在）になっている。なお、柵部材１５の
左右の幅は、ダンピングボックス３の内幅より少し狭く
している。

【００１３】また、ダンピングボックス３の側壁７の上
には、安全柵１１に近接した位置に係合部材１６が設け
られている。この実施の形態では、係合部材１６は、ダ
ンピングボックス３に固着された支持部材１７とその上
部に設けられた筒状体１８よりなり、筒状体１８の頂面
は回動軸１４より、少し低い高さに設定している。

【００１４】そして、ダンピングボックス３の前端付近
で、底板６の上には、安全柵１１がごみピット１側へ移
動することを阻止する係止手段としての突起１９が設け
られている。

【００１５】この実施の形態は以上の構成であり、つぎ
にその作用を説明すると、まず、ダンピングボックス３
内に投入された廃棄物ａは、危険物等を人力により除去
されるが、作業員がダンピングボックス３内に入って作
業をしても、安全柵１１が設けられており、ダンピング
ボックス３が水平状態のときは、突起１９により、安全
柵１１がごみピット１側へ傾動することを阻止されてい
るので、作業員が誤って、ごみピット１へ落下する恐れ
はない。

【００１６】つぎに、ダンピングボックス３内の危険物
等を除去した後、駆動手段５を作動させ、ダンピングボ
ックス３を横軸４を中心にして、鎖線で示したように傾
動させて、廃棄物ａをごみピット１へ投入する。このと
き、ダンピングボックス３が傾くので、突起１９と柵部
材１５の係止がとかれるとともに、係合部材１６の頂部
筒状体１８が、柵部材１５と係合し、回動軸１４を中心
として安全柵１１を鎖線で示したように上方向へ回動さ
せる。すなわち、係合部材１６により安全柵１１を強制
的に押圧するので、柵部材１５と係止手段である突起１
９との間に廃棄物ａがあっても、安全柵１１を回動させ
ることができる。また、突起１９は、前方ほど上方へ傾
斜させ、柵部材１５と突起１９との間に廃棄物ａがあっ
ても、廃棄物ａが後方へ移動しやすいようにしている。
このように、ダンピングボックス３からごみピット１へ
廃棄物ａを投入する際に、安全柵１１が障害になるよう
なことはなく、廃棄物ａをスムーズにごみピット１へ投
入することができる。この作用順序を図４（ａ）〜
（ｄ）に示す。

【００１７】ごみピット１への投入が終わり、再びダン
ピングボックス３を水平に戻すと、安全柵１１は自重に
より垂直な状態に戻るとともに、係止手段である突起１
９により、安全柵１１がごみピット１側へ傾動すること
を阻止される。

【００１８】図３は別の実施の形態で、突起１９を別も
のではなく、ダンピングボックス３の底板６で形成した
ものであり、その底板６の前方が上方へ傾斜した傾斜部
２０となっており、この傾斜部２０が安全柵１１がごみ
ピット１側へ傾斜することを阻止する係止手段となって
いる。底板６の前方が傾斜部２０となっているのは、ダ
ンピングボックス３が傾動する際に、ダンピングボック
ス３の前端がプラットフォーム２と干渉することを防ぐ
ため、あるいは、横軸４を設けるための高さを確保する
ためであり、ダンピングボックス３の前方を除いて底板
６の高さを低くすることができる。

【００１９】このように、底板６の前方を傾斜部２０と
することにより、前述した実施の形態と同様に、安全柵
１１がごみピット１側へ傾動することを阻止し、ダンピ
ングボックス３が上方へ移動するときは、傾斜部２０と
安全柵１１の係止がとかれる。

【００２０】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成したか
ら、ダンピングボックスが水平のときは、安全柵によ
り、作業員が誤ってごみピットに転落することを防止
し、ダンピングボックスが上方へ傾動するときは、安全
柵も傾動するので安全柵が廃棄物をごみピットへ投入す
る障害になることはない。したがって、作業員の安全性
向上に寄与することができる。

【００２１】また、安全柵の回動のために、電動機など
の新たな駆動手段を用いる必要がないため、安全柵の設
置費用が安価で済み、しかも新たな駆動手段を必要とし
ないので維持管理が容易という利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施形態の正面図

【図２】同実施形態の右側面図

【図３】他の実施形態の正面図

【図４】実施形態の作用説明図

【図５】ごみ処理設備の概略図

【図６】従来のダンピング装置の正面図

【符号の説明】

１ ごみピット ２ プラットフォーム ３ ダンピングボックス ４ 横軸 ５ 油圧シリンダ ６ 底板 ７ 側壁 ８ 補強材 ９ スロープ １１ 安全柵 １２ 支柱 １３ 軸受 １４ 回動軸 １５ 柵部材 １６ 係合部材 １７ 支持部材 １８ 筒状体 １９ 突起（係止手段） ２０ 傾斜部（係止手段） ａ ごみ（廃棄物）

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ごみピット１に近接してダンピングボッ
   クス３をプラットフォーム２上に設け、このダンピング
   ボックス３は、その前端を前記ごみピット１の上縁に回
   動自在に支持して、駆動手段５により上下方向に傾斜可
   能とした廃棄物投入用ダンピング装置において、 上記ダンピングボックス３の前面に安全柵１１を設け、
   この安全柵１１は、前記ダンピングボックス３が水平状
   態のとき、その前面を覆い、ダンピングボックス３の上
   方への回動とともに、その前面から退去してダンピング
   ボックス３からごみａが上記ごみピット１内に投入可能
   となるものである廃棄物投入用ダンピング装置。
2. 【請求項２】 上記ダンピングボックス３の前面付近両
   側のプラットフォーム２上に左右一対の支柱１２を立設
   し、その両支柱１２間に上記安全柵１１をその上縁両端
   でもって、揺動自在に取付け、前記ダンピングボックス
   ３には上方に突出する係合部材１６を設けて、この係合
   部材１６は、ダンピングボックス３の上方への回動につ
   れて前記安全柵１１に当接しその安全柵１１を上方に回
   動してダンピングボックス３内のごみａを上記ごみピッ
   ト１内に投入可能とするものであり、かつ、ダンピング
   ボックス３の前面にはダンピングボックス３が水平状態
   のときに、安全柵１１がごみピット１側へ回動すること
   を阻止する係止手段を設けたことを特徴とする請求項１
   記載の廃棄物投入用ダンピング装置。
3. 【請求項３】 上記係止手段は、上記ダンピングボック
   ス３の底面に上記安全柵１１の下縁に対向して設けた突
   部１９、２０から成り、この突部１９、２０はその上面
   が前側上向きの傾斜面となって、その傾斜面の前側が、
   ダンピングボックス３が水平状態のときに、前記安全柵
   １１の下縁より上位にあり、ダンピングボックス３の上
   方への回動につれて安全柵１１下縁の揺動範囲から退去
   するようになっていることを特徴とする請求項２記載の
   廃棄物投入用ダンピング装置。