JP3106097B2 - ガスバリア性包装材料用重合体組成物及びガスバリア性材料 - Google Patents
ガスバリア性包装材料用重合体組成物及びガスバリア性材料Info
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- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
表面に積層して食品、医薬品、化粧品や日用品等用の包
装材料の製造に好適なガスバリア性重合体組成物及びガ
スバリア性材料に関する。
形成してガスバリア性を付与するガスバリア性高分子と
して、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリビニ
ルアルコール(PVA)やエチレン−ビニルアルコール
共重合樹脂(EVOH)等が代表的なものとして知られ
ている。
ある為、焼却処理やリサイクル等の環境に優しい廃棄物
処理に難点が多い。又、PVAは溶融温度と熱分解温度
とが極めて近く、溶融押出等の成型が不可能であるだけ
でなく、その被膜は高湿度下では柔軟で強靭であるが、
低湿度下では柔軟性を失い、脆く破れ易くなる問題があ
る。そして、EVOHは溶融押出等の成型が可能である
が、PVAよりも高価であり、しかも低湿度下ではPV
Aよりもガスバリア性や可撓性が劣り、屈曲によって白
化したり割れ易くなる等の問題がある。
に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、優れた
ガスバリア性とともに成型性、耐屈曲性及び可撓性に優
れ、環境に優しい廃棄物処理或いはリサイクルが可能で
あり、安価なガスバリア性包装材料用重合体組成物及び
該組成物の被膜を有するガスバリア性材料を提供するこ
とである。
明によって達せられる。即ち、本発明は、被膜形成成分
として、ポリビニルアルコール90〜50重量%とラク
トンの開環重合体である脂肪族ポリエステル10〜50
重量%とからなるポリビニルアルコールに上記の脂肪族
ポリエステルがグラフトしたポリビニルアルコール系共
重合体を含有することを特徴とするガスバリア性包装材
料用重合体組成物、及びプラスチック基材の少なくとも
一方の表面に上記のポリビニルアルコール系共重合体を
含有する組成物の被膜を有することを特徴とするガスバ
リア性材料である。
本発明を更に詳細に説明する。本発明で使用する被膜形
成成分としてのポリビニルアルコールに脂肪族ポリエス
テルがグラフトしたポリビニルアルコール系共重合体
は、ポリビニルアルコールの存在下にラクトンを開環重
合することによって得ることができ、ポリビニルアルコ
ールの有するガスバリア性及び耐溶剤性を損なわずに優
れた可撓性、透明性及び成型性を有するグラフト共重合
体である。ポリビニルアルコールとしては、鹸化度が6
0モル%以上の酢酸ビニル単位を有するものが好まし
い。又、ポリビニルアルコールの重合度は20〜20,
000が好ましく、更に好ましくは200〜3,000
である。
ポリエステルを形成するラクトンであれば特に制限され
ないが、特に好ましいのはε−カプロラクトン類及びδ
−バレロラクトン類である。ε−カプロラクトン類とし
ては、例えば、ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−
カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロラクトン、モ
ノデシル−ε−カプロラクトン、モノプロピル−ε−カ
プロラクトン、モノデシル−ε−カプロラクトン等のモ
ノアルキル−ε−カプロラクトン;2個のアルキル基が
ε位置以外の炭素原子にそれぞれ置換しているジアルキ
ル−ε−カプロラクトン;3個のアルキル基がε位置以
外の炭素原子にそれぞれ置換しているトリアルキル−ε
−カプロラクトン;エトキシ−ε−カプロラクトン等の
アルコキシ−ε−カプロラクトン;シクロヘキシル−ε
−カプロラクトン等のシクロアルキル−ラクトン;ベン
ジル−ε−カプロラクトン等のアラルキル−ε−カプロ
ラクトン;フェニル−ε−カプロラクトン等のアリール
−ε−カプロラクトン等が挙げられる。
5−バレロラクトン、3−メチル−5−バレロラクト
ン、3,3−ジメチル−5−バレロラクトン、2−メチ
ル−5−バレロラクトン、3−エチル−5−バレロラク
トン等が挙げられる。これらのラクトンは、1種又は2
種以上で使用される。
テルのグラフト反応は、ポリビニルアルコールの乳化分
散液中や適当な溶剤の溶液中で上記のラクトンを開環重
合させることによっても得られるが、加熱によるポリビ
ニルアルコールの熱分解を伴うので、粉末状のポリビニ
ルアルコールと液状のラクトンとの混合物をテトラブチ
ルチタネート等の公知の開環重合触媒を用いて窒素気流
下に反応させる方法が好ましい。反応は、通常の反応容
器中で攪拌下に、或いは、一軸及び二軸押出機、バンバ
リーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等の混合機中で
溶融下に行うことができる。反応は80〜220℃で数
時間行う。通常の反応容器中での反応では、反応初期で
は白色粉末のポリビニルアルコールと液状ラクトンは不
均一な混合状態であるが、反応の進行とともに両者は均
一な混合状態となり、均一な反応生成物が得られる。こ
の方法では、高温度の反応であるにもかかわらず、ポリ
ビニルアルコールの熱分解は見られない。
肪族ポリエステルの量や分子量を変えることによって、
ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステルのそれぞれ
の特性を有する種々の共重合体が得られる。ポリビニル
アルコールに脂肪族ポリエステルがグラフとしたポリビ
ニルアルコール系共重合体における好ましい両重合体の
割合は、ポリビニルアルコールが50〜90重量%、脂
肪族ポリエステルが50〜10重量%である。この共重
合体においては、ポリビニルアルコールの有する耐溶剤
性、高強度、耐摩耗性及びガスバリヤー性と、脂肪族ポ
リエステルの有する可撓性、耐屈曲性、耐水性及び密着
性等の性能が発揮される。
合が90重量%を超え、脂肪族ポリエステルの割合が1
0重量%未満のポリビニルアルコール系共重合体では、
ガスバリア性能は優れているが、可撓性、耐屈曲性、耐
水性及び密着性が不充分となる。又、ポリビニルアルコ
ールの割合が50重量%未満で、脂肪族ポリエステルの
割合が50重量%を超えるポリビニルアルコール系共重
合体では、密着性、可撓性、耐屈曲性及び耐水性は優れ
ているが、ガスバリア性、耐溶剤性及び被膜強度は不充
分となる。より好ましい割合いは、ポリビニルアルコー
ルが60〜80重量%、脂肪族ポリエステルが40〜2
0重量%である。
必須成分であるポリビニルアルコールに脂肪族ポリエス
テルがグラフトしたポリビニルアルコール系共重合体に
加えて、必要に応じて添加剤を配合することが出来る。
添加剤としては、例えば、着色顔料、体質顔料、紫外線
吸収剤、紫外線安定剤、コロイダルシリカ、分散剤、防
カビ剤、艶消し剤等が挙げられる。本発明の組成物の形
態は、特に限定されず、例えば、溶液又は固体であって
もよい。
バリア性重合体組成物の被膜をプラスチック基材の少な
くとも一方の表面に形成してなるものである。本発明で
使用するプラスチック基材としては、従来から包装材料
として使用されている高分子材料はいずれも使用でき、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル;ナイロン−6、ナイロン−66等の
ポリアミド;ポリイミド等、或いはこれらの高分子の共
重合体等が挙げられる。又、これらの高分子材料には、
必要により、例えば、公知の帯電防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の添加剤を含ませることが
できる。
の表面に被膜を形成する方法としては、例えば、本発明
の組成物が固体の場合には、組成物を直接溶融成形して
フィルム或いはシート化し、これをプラスチック基材へ
ラミネートする方法が挙げられる。ラミネートに際して
は、例えば、ウレタン系、アクリル系等のドライラミネ
ート接着剤を介してラミネートを行うドライラミネート
成型法やサンドラミネーション法、或いはプラスチック
と該共重合体とを、例えば、共押出成型又は共射出成型
する共押出ラミネート法等を用いることができる。
えば、グラビアコーター、ナイフコーター、リバースコ
ーター、バーコーター、浸漬、刷け塗り、エアースプレ
ー、エアレススプレー等によってプラスチック基材表面
に塗布する溶液コート形成法等を用いることができる。
は、例えば、ポリビニルアルコール系共重合体の可溶性
溶剤の溶液として使用される。溶剤としては、例えば、
エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコー
ル等のグリコール類、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やイソ
プロパノール等の低級アルコールと水の混合液等を用い
ることができる。実用上低級アルコールと水の混合液が
好ましい。溶液の濃度は特に限定されず、例えば、10
〜50重量%である。
被膜は、そのままの状態(該共重合体を架橋させない状
態)でも可撓性、耐水性、耐溶剤性、ガスバリア性や強
度等に優れているが、被膜形成時に該共重合体中の水酸
基を利用して種々の架橋剤によって架橋させることによ
り、上記の特性が更に改善された被膜とすることができ
る。架橋剤としては、ポリビニルアルコール系共重合体
に残存する水酸基と反応するものはいずれも使用するこ
とができるが、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂やポリイソシアネート等が好ましい。
リア性材料は、必要により、ガスバリア性被膜の上にヒ
ートシール可能な熱可塑性樹脂層を更に積層したり、印
刷層を設けたり、或いは複数の樹脂を接着層を介して積
層した多積層体として使用することもできる。本発明の
ガスバリア性材料は、真空成型機、圧縮成型機、延伸ブ
ロー成型機等を用いて再加熱して延伸操作を加える方
法、或いは一軸又は二軸延伸機を用いて加熱延伸する方
法等によって、食品、医療品、化粧品、日用品等の包装
材料に適したものに加工される。
的に説明する。尚、特に断りのない限り、文中の部及び
%は重量基準である。 製造例1〜3 鹸化度98.5モル%のポリビニルアルコール(重合度
550)の粉末とε−カプロラクトンとを下記表1記載
の量比でテトラブチルチタネート触媒とともに反応容器
に仕込んで充分に混合し、窒素気流下に攪拌しながら1
℃/2〜3min.のレートで昇温した。150〜16
0℃に達するとこれまでの不均一系が徐々に均一系にな
り、180〜200℃では完全均一系となった。200
〜220℃で6時間反応させ、脂肪族ポリエステルがグ
ラフトしたポリビニルアルコール系共重合体を得た。
した。結果を表1に示す。 (1)数平均分子量 DMFの5%溶液としてGPCで測定。数平均分子量
は、標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。 (2)硬度 各製造例で得られた共重合体を160℃でプレス成型し
て得られてシートを用い、JIS K−6301に従い
A型硬度計で測定した。 (3)強度特性 上記のプレス成型シートから3号ダンベル試験片を作成
し、JIS K−7311に従って測定した。 (4)ビカット軟化点 JIS K−7206に従って測定した。
真空乾燥した後、ブラベンダーで各共重合体と酸化防止
剤とを混合して本発明の組成物を得た。得られた組成物
をキャストフィルム成型機を用い210℃で成型し、厚
みが2μmのフィルムを得た。これらのフィルムの酸素
透過率をガス透過率測定器(モダンコントローラ社製M
OCON OXTRAN−10/50A)を用いて測定
した。結果を表2に示す。
軸延伸ポリプロピレンフィルム(三菱化学社製)に積層
し、実施例1〜3と同様にして酸素透過率を測定した。
酸素透過率はそれぞれ実施例1〜3の場合と大差はなか
った。
アルコールの水溶液(15%濃度)からキャスト法によ
って厚みが20μmの被膜を得た。実施例と同様にして
酸素透過率を測定した。その結果を表2に示す。
レ社製)の厚みが20μmのフィルムの酸素透過率を実
施例と同様にして測定した。その結果を表2に示す。
いて測定した酸素透過率を表2に示す。
フィルムの状態で評価した。 ○:異常がない場合 △:白化及びわずかに亀裂が発生した場合 ×:著しく亀裂が発生した場合
体組成物は、ガスバリア性とともに成型性、強度及び可
撓性に優れた被膜を与え、この被膜を有する本発明のガ
スバリア性材料は食品、医療品、化粧品、日用品等の包
装材料等としてガスバリア性が要求される種々の用途に
使用することができる。又、本発明のガスバリア性重合
体組成物は、焼却しても有毒ガスや有害物質を発生しな
いので廃棄物処理も可能であり、生産性も高く、安価に
製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 被膜形成成分として、ポリビニルアルコ
ール90〜50重量%とラクトンの開環重合体である脂
肪族ポリエステル10〜50重量%とからなるポリビニ
ルアルコールに上記の脂肪族ポリエステルがグラフトし
たポリビニルアルコール系共重合体を含有することを特
徴とするガスバリア性包装材料用重合体組成物。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコールの鹸化度が、60
モル%以上である請求項1に記載のガスバリア性包装材
料用重合体組成物。 - 【請求項3】 脂肪族ポリエステルが、ε−カプロラク
トン類及び/又はδ−バレロラクトン類の開環重合体で
ある請求項1に記載のガスバリア性包装材料用重合体組
成物。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール系共重合体が、ポ
リビニルアルコールの存在下にラクトンを開環重合して
なる請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性重合
体組成物。 - 【請求項5】 プラスチック基材の少なくとも一方の表
面に、請求項1に記載のポリビニルアルコール系共重合
体を含有する組成物の被膜を有することを特徴とするガ
スバリア性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07245141A JP3106097B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | ガスバリア性包装材料用重合体組成物及びガスバリア性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07245141A JP3106097B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | ガスバリア性包装材料用重合体組成物及びガスバリア性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0967430A JPH0967430A (ja) | 1997-03-11 |
JP3106097B2 true JP3106097B2 (ja) | 2000-11-06 |
Family
ID=17129239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07245141A Expired - Lifetime JP3106097B2 (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | ガスバリア性包装材料用重合体組成物及びガスバリア性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3106097B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0594866U (ja) * | 1992-05-20 | 1993-12-24 | 株式会社トーツヤ | 透明ホログラム |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2912752B1 (fr) * | 2007-02-16 | 2012-10-05 | Arkema France | Procede de preparation d'un copolymere d'au moins un monomere cyclique |
FR2912751B1 (fr) | 2007-02-16 | 2012-07-13 | Arkema France | Procede de preparation de polylactones et polylactames |
-
1995
- 1995-08-31 JP JP07245141A patent/JP3106097B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0594866U (ja) * | 1992-05-20 | 1993-12-24 | 株式会社トーツヤ | 透明ホログラム |
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