JP2003276144A - 生分解性ポリエステル積層フィルム - Google Patents
生分解性ポリエステル積層フィルムInfo
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- JP2003276144A JP2003276144A JP2002088210A JP2002088210A JP2003276144A JP 2003276144 A JP2003276144 A JP 2003276144A JP 2002088210 A JP2002088210 A JP 2002088210A JP 2002088210 A JP2002088210 A JP 2002088210A JP 2003276144 A JP2003276144 A JP 2003276144A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】生分解性を損なうことなく、防湿性が改良され
た生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。 【解決手段】ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルからなる
生分解性ポリエステルフィルム基材層の少なくとも片面
に好ましくは粘度平均分子量が1000〜7000の範
囲にある低分子量ポリオレフィン層が積層されてなる、
生分解性を損なうことなく、防湿性が改良された生分解
性ポリエステル積層フィルムに関する。
た生分解性ポリエステル積層フィルムを提供する。 【解決手段】ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルからなる
生分解性ポリエステルフィルム基材層の少なくとも片面
に好ましくは粘度平均分子量が1000〜7000の範
囲にある低分子量ポリオレフィン層が積層されてなる、
生分解性を損なうことなく、防湿性が改良された生分解
性ポリエステル積層フィルムに関する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防湿性が改良された生
分解性ポリエステル積層フィルムに関する。
分解性ポリエステル積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性フィルムは、土壌中や水中で加
水分解や生分解を受け、徐々に崩壊や分解が進み、最後
には微生物の作用で分解物へと変化するものである。そ
のようなフィルムとして、ポリ乳酸等の脂肪族系ポリエ
ステル樹脂や芳香族系ポリエステル樹脂、ポリビニルア
ルコール、酢酸セルロース、デンプン等から成形したフ
ィルムが知られており、中でも、ポリ乳酸を用いた二軸
延伸フィルムは、包装用フィルムとして大量に用いられ
ているニ軸延伸ポリプロピレンフィルムに似て、透明
性、剛性に優れることから、包装用フィルムとして一部
で使用されている。しかしながら、かかるポリ乳酸二軸
延伸フィルムは、ニ軸延伸ポリプロピレンフィルムに比
べると防湿性(水蒸気バリヤー性)に劣ることから包装
用フィルムとしての利用範囲が限られている。
水分解や生分解を受け、徐々に崩壊や分解が進み、最後
には微生物の作用で分解物へと変化するものである。そ
のようなフィルムとして、ポリ乳酸等の脂肪族系ポリエ
ステル樹脂や芳香族系ポリエステル樹脂、ポリビニルア
ルコール、酢酸セルロース、デンプン等から成形したフ
ィルムが知られており、中でも、ポリ乳酸を用いた二軸
延伸フィルムは、包装用フィルムとして大量に用いられ
ているニ軸延伸ポリプロピレンフィルムに似て、透明
性、剛性に優れることから、包装用フィルムとして一部
で使用されている。しかしながら、かかるポリ乳酸二軸
延伸フィルムは、ニ軸延伸ポリプロピレンフィルムに比
べると防湿性(水蒸気バリヤー性)に劣ることから包装
用フィルムとしての利用範囲が限られている。
【0003】生分解性ポリエステルフィルムの防湿性を
改良する方法として、ポリ乳酸を主成分とするフィルム
と再生セルロースフィルムとからなるフィルムが提案さ
れている(特開平5−38784号公報)が、再生セル
ロース自体がポリオレフィン等に比べ防湿性に劣ること
から、得られるフィルムは未だ防湿性が不十分である。
改良する方法として、ポリ乳酸を主成分とするフィルム
と再生セルロースフィルムとからなるフィルムが提案さ
れている(特開平5−38784号公報)が、再生セル
ロース自体がポリオレフィン等に比べ防湿性に劣ること
から、得られるフィルムは未だ防湿性が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ポリ
乳酸等の脂肪族系ポリエステル樹脂や芳香族系ポリエス
テル樹脂等の生分解性ポリエステルフィルムが本来有す
る生分解性を損なうことなく、防湿性に優れた二軸延伸
フィルムを開発することを目的とした。
乳酸等の脂肪族系ポリエステル樹脂や芳香族系ポリエス
テル樹脂等の生分解性ポリエステルフィルムが本来有す
る生分解性を損なうことなく、防湿性に優れた二軸延伸
フィルムを開発することを目的とした。
【0005】
【発明の概要】本発明は、生分解性ポリエステルフィル
ムからなる基材層の少なくとも片面に低分子量ポリオレ
フィン層が積層されてなることを特徴とする防湿性に優
れた生分解性ポリエステル積層フィルムを提供すること
にある。そして、好ましくは、生分解性ポリエステルと
して、ポリ乳酸及び芳香族ポリエステル、特にスルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
を含む芳香族系ポリエステルから選択され、低分子量ポ
リオレフィンとして粘度平均分子量が1000〜700
0の範囲にあり、又、低分子量ポリオレフィンが低分子
量エチレン系重合体である生分解性ポリエステル積層フ
ィルムを提供することにある。
ムからなる基材層の少なくとも片面に低分子量ポリオレ
フィン層が積層されてなることを特徴とする防湿性に優
れた生分解性ポリエステル積層フィルムを提供すること
にある。そして、好ましくは、生分解性ポリエステルと
して、ポリ乳酸及び芳香族ポリエステル、特にスルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
を含む芳香族系ポリエステルから選択され、低分子量ポ
リオレフィンとして粘度平均分子量が1000〜700
0の範囲にあり、又、低分子量ポリオレフィンが低分子
量エチレン系重合体である生分解性ポリエステル積層フ
ィルムを提供することにある。
【0006】
【発明の具体的な説明】生分解性ポリエステル
本発明の基材層を構成する生分解性ポリエステルフィル
ムの原料である生分解性ポリエステルは、種々公知の生
分解性ポリエステルであり、具体的にはポリ乳酸、ある
いはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
酸、ドデカン二酸、シクロペンタンジカルボン酸および
シクロヘキサンジカルボン酸等の通常、炭素数が4〜1
2の二塩基性カルボン酸とエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ペンタメ
チレングリコール、1,8−オクチレングリコール、ナ
ノメチレングリコール、デカメチレングリコール等の通
常、炭素数が2〜10のグリコールから任意に選ばれた
1種あるいは2種以上のジカルボン酸とグリコールの脱
水縮合あるいはそれに続く脱グリコール反応により得ら
れる生分解性を有する脂肪族ポリエステル、あるいは芳
香族ジカルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
からなる生分解性を有する芳香族系ポリエステルであ
る。これらの中でも、融点が150℃以上のポリ乳酸及
び芳香族ポリエステル、特にスルホン酸金属塩基を核置
換基として有する芳香族ジカルボン酸を含む芳香族系ポ
リエステルが、防湿性能、酸素バリア性能、透明性、強
度、柔軟性といったフィルム物性に優れるので好まし
い。
ムの原料である生分解性ポリエステルは、種々公知の生
分解性ポリエステルであり、具体的にはポリ乳酸、ある
いはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二
酸、ドデカン二酸、シクロペンタンジカルボン酸および
シクロヘキサンジカルボン酸等の通常、炭素数が4〜1
2の二塩基性カルボン酸とエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、ペンタメ
チレングリコール、1,8−オクチレングリコール、ナ
ノメチレングリコール、デカメチレングリコール等の通
常、炭素数が2〜10のグリコールから任意に選ばれた
1種あるいは2種以上のジカルボン酸とグリコールの脱
水縮合あるいはそれに続く脱グリコール反応により得ら
れる生分解性を有する脂肪族ポリエステル、あるいは芳
香族ジカルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
からなる生分解性を有する芳香族系ポリエステルであ
る。これらの中でも、融点が150℃以上のポリ乳酸及
び芳香族ポリエステル、特にスルホン酸金属塩基を核置
換基として有する芳香族ジカルボン酸を含む芳香族系ポ
リエステルが、防湿性能、酸素バリア性能、透明性、強
度、柔軟性といったフィルム物性に優れるので好まし
い。
【0007】ポリ乳酸
生分解性ポリエステルの例である本発明に係わるポリ乳
酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳
酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、更
にはL−乳酸とD−乳酸の混合物(ラセミ体)であるポ
リ(DL−乳酸)等の乳酸の単独重合体、及び乳酸を主
成分とし、乳酸以外の共重合可能なコモノマーを少割
合、例えばグリコール酸50重量%未満、好ましくは3
0重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で
共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物等の乳
酸を主成分とする重合体である。乳酸と共重合可能なコ
モノマーとしては、例えば3−ヒドロキシブチレート、
カプロラクトン、グリコール酸などを挙げることができ
る。これらの中でも乳酸のみからなる単独重合体は透明
性に優れているので好ましく使用できる。かかるポリ乳
酸の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知の
いずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合
法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物
を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポリ乳酸を得
ることができる。
酸は、乳酸の構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳
酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、更
にはL−乳酸とD−乳酸の混合物(ラセミ体)であるポ
リ(DL−乳酸)等の乳酸の単独重合体、及び乳酸を主
成分とし、乳酸以外の共重合可能なコモノマーを少割
合、例えばグリコール酸50重量%未満、好ましくは3
0重量%以下、より好ましくは10重量%以下の割合で
共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物等の乳
酸を主成分とする重合体である。乳酸と共重合可能なコ
モノマーとしては、例えば3−ヒドロキシブチレート、
カプロラクトン、グリコール酸などを挙げることができ
る。これらの中でも乳酸のみからなる単独重合体は透明
性に優れているので好ましく使用できる。かかるポリ乳
酸の重合法としては、縮重合法、開環重合法など公知の
いずれの方法を採用することができる。例えば、縮重合
法ではL−乳酸またはD−乳酸あるいはこれらの混合物
を直接脱水縮重合して任意の組成を持ったポリ乳酸を得
ることができる。
【0008】また、開環重合法では乳酸の環状2量体で
あるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いなが
ら、触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。ラク
チドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳
酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−
乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応
じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性を
有するポリ乳酸を得ることができる。
あるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いなが
ら、触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。ラク
チドにはL−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳
酸の2量体であるD−ラクチド、さらにL−乳酸とD−
乳酸からなるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応
じて混合して重合することにより任意の組成、結晶性を
有するポリ乳酸を得ることができる。
【0009】ポリ乳酸の分子量増大を目的として少量の
鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ
化合物、酸無水物などを使用できる。ポリ乳酸の重量平
均分子量は通常6万〜100万の範囲にあり、この範囲
を下回る場合は用途によっては実用物性がほとんど発現
されない虞があり、一方、上回る場合には、溶融粘度が
高すぎ成形加工性に劣る虞がある。
鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ
化合物、酸無水物などを使用できる。ポリ乳酸の重量平
均分子量は通常6万〜100万の範囲にあり、この範囲
を下回る場合は用途によっては実用物性がほとんど発現
されない虞があり、一方、上回る場合には、溶融粘度が
高すぎ成形加工性に劣る虞がある。
【0010】芳香族ポリエステル
生分解性ポリエステルの他の例である本発明に係わる芳
香族ポリエステルは、生分解性を有するものであり、好
ましくはスルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳
香族ジカルボン酸を1共重合成分として含むポリエステ
ルであり、より具体的には、芳香族ジカルボン酸、脂肪
族グリコール、およびスルホン酸金属塩基を核置換基と
して有する芳香族ジカルボン酸、それに必要に応じて脂
肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸を
加え、それらの成分間で重縮合反応を行って得られるポ
リエステルであることが望ましい。芳香族ポリエステル
の好ましい組成は、芳香族ジカルボン酸成分に由来する
単位が30〜49.9モル%、脂肪族グリコール成分に
由来する単位が35〜50モル%、スルホン酸金属塩基
を置換基として有する芳香族または脂肪族ジカルボン酸
成分に由来する単位が0.1〜5モル%、および脂肪族
ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分に
由来する単位が0〜30モル%(ここで、全単位の合計
が100モル%になる)である。また得られるフィルム
に可撓性、生分解性等の性能を付与し、また向上させる
ために、さらに脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸を共重合成分として加えた多成分系のポ
リエステルであってもよい。そのような芳香族ポリエス
テルは、特表平5−507109号公報、特表平6−5
05040号公報、特表平6−505513号公報等に
詳しい。
香族ポリエステルは、生分解性を有するものであり、好
ましくはスルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳
香族ジカルボン酸を1共重合成分として含むポリエステ
ルであり、より具体的には、芳香族ジカルボン酸、脂肪
族グリコール、およびスルホン酸金属塩基を核置換基と
して有する芳香族ジカルボン酸、それに必要に応じて脂
肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸を
加え、それらの成分間で重縮合反応を行って得られるポ
リエステルであることが望ましい。芳香族ポリエステル
の好ましい組成は、芳香族ジカルボン酸成分に由来する
単位が30〜49.9モル%、脂肪族グリコール成分に
由来する単位が35〜50モル%、スルホン酸金属塩基
を置換基として有する芳香族または脂肪族ジカルボン酸
成分に由来する単位が0.1〜5モル%、および脂肪族
ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分に
由来する単位が0〜30モル%(ここで、全単位の合計
が100モル%になる)である。また得られるフィルム
に可撓性、生分解性等の性能を付与し、また向上させる
ために、さらに脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸を共重合成分として加えた多成分系のポ
リエステルであってもよい。そのような芳香族ポリエス
テルは、特表平5−507109号公報、特表平6−5
05040号公報、特表平6−505513号公報等に
詳しい。
【0011】本発明に係わる芳香族ポリエステルは、そ
の重量平均分子量が、10,000〜500,000の
範囲が好ましい。また、そのメルトフローレートは、A
STM D−1238に準拠し、220℃、2160g
荷重下で測定した値が、0.1〜100(g/10分)
であることが好ましい。分子量およびメルトフローレー
トが前記の範囲内にあると、押出成形に適した溶融粘度
を示し、また二軸延伸フィルムとしての十分な機械的強
度を有する。
の重量平均分子量が、10,000〜500,000の
範囲が好ましい。また、そのメルトフローレートは、A
STM D−1238に準拠し、220℃、2160g
荷重下で測定した値が、0.1〜100(g/10分)
であることが好ましい。分子量およびメルトフローレー
トが前記の範囲内にあると、押出成形に適した溶融粘度
を示し、また二軸延伸フィルムとしての十分な機械的強
度を有する。
【0012】低分子量ポリオレフィン
本発明の生分解性ポリエステルフィルムからなる基材層
の少なくとも片面に積層される低分子量ポリオレフィン
層となる低分子量ポリオレフィンは、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−
メチルー1ペンテン等の炭素数2から10のα―オレフ
ィンの単独若しくは共重合体であり、通常、粘度平均分
子量が1000〜7000、好ましくは1000〜60
00の範囲にある。粘度平均分子量が1000未満のも
のは、基材層に積層して得られる積層フィルムの耐摩耗
性、塗膜強度等に劣る虞があり、一方、7000を越え
るものは、得られる積層フィルムの生分解性が低下する
傾向にある。また、これら低分子量ポリオレフィンは、
種々公知の方法、例えば、溶融状態にあるワックスを、
約120乃至200℃、好ましくは約140乃至170
℃で酸素含有ガスと接触させ、酸化した酸化物であって
も、あるいは、低分子量ポリオレフィンにマレイン酸、
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその誘導体
成分をグラフト共重合してなるグラフト変性物であって
もよい。
の少なくとも片面に積層される低分子量ポリオレフィン
層となる低分子量ポリオレフィンは、エチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−
メチルー1ペンテン等の炭素数2から10のα―オレフ
ィンの単独若しくは共重合体であり、通常、粘度平均分
子量が1000〜7000、好ましくは1000〜60
00の範囲にある。粘度平均分子量が1000未満のも
のは、基材層に積層して得られる積層フィルムの耐摩耗
性、塗膜強度等に劣る虞があり、一方、7000を越え
るものは、得られる積層フィルムの生分解性が低下する
傾向にある。また、これら低分子量ポリオレフィンは、
種々公知の方法、例えば、溶融状態にあるワックスを、
約120乃至200℃、好ましくは約140乃至170
℃で酸素含有ガスと接触させ、酸化した酸化物であって
も、あるいは、低分子量ポリオレフィンにマレイン酸、
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその誘導体
成分をグラフト共重合してなるグラフト変性物であって
もよい。
【0013】これら、低分子量オレフィン重合体の中で
も、エチレンの単独重合体あるいはエチレンを主体とし
た重合体等のエチレン系重合体が好ましく、特に融点が
90〜135℃、より好ましくは110〜135℃の範
囲にあり、且つ、密度が0.90〜0.95g/c
m3、より好ましくは0.91〜0.94g/cm3の
範囲にあるものが防湿性に優れる。またかかる低分子量
ポリオレフィンには得られる積層フィルムの防湿性能を
より向上させる目的で粒径0.1〜5μmのヘクトライ
ト等の無機層状化合物を配合してもよい。また、得られ
る積層フィルムの生分解速度を向上させる目的で他の各
種生分解性のプラスチックを配合してもよい。
も、エチレンの単独重合体あるいはエチレンを主体とし
た重合体等のエチレン系重合体が好ましく、特に融点が
90〜135℃、より好ましくは110〜135℃の範
囲にあり、且つ、密度が0.90〜0.95g/c
m3、より好ましくは0.91〜0.94g/cm3の
範囲にあるものが防湿性に優れる。またかかる低分子量
ポリオレフィンには得られる積層フィルムの防湿性能を
より向上させる目的で粒径0.1〜5μmのヘクトライ
ト等の無機層状化合物を配合してもよい。また、得られ
る積層フィルムの生分解速度を向上させる目的で他の各
種生分解性のプラスチックを配合してもよい。
【0014】生分解性ポリエステル積層フィルム
本発明の生分解性ポリエステル積層フィルムは、生分解
性ポリエステルフィルムからなる基材層の少なくとも片
面に低分子量ポリオレフィン層が積層されてなる。基材
層及び低分子量ポリオレフィン層の厚さは用途に応じて
種々決定されるが、通常、基材層の厚さが、20〜10
0μm、好ましくは25〜50μm、低分子量ポリオレ
フィン層の厚さが、0.1〜5μm、好ましくは0.5
〜3μmの範囲にある。
性ポリエステルフィルムからなる基材層の少なくとも片
面に低分子量ポリオレフィン層が積層されてなる。基材
層及び低分子量ポリオレフィン層の厚さは用途に応じて
種々決定されるが、通常、基材層の厚さが、20〜10
0μm、好ましくは25〜50μm、低分子量ポリオレ
フィン層の厚さが、0.1〜5μm、好ましくは0.5
〜3μmの範囲にある。
【0015】本発明の生分解性ポリエステル積層フィル
ムは種々公知の方法で得られるが、低分子量ポリオレフ
ィンは溶融粘度が低いので、通常は、予め製造した生分
解性ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、低分子
量ポリオレフィンの水性分散体を被覆して乾燥する方法
が好ましい。基材層となる生分解性ポリエステルフィル
ムは無延伸フィルムでも、一軸あるいは二軸延伸フィル
ムでもよいが、ニ軸延伸フィルムが得られる積層フィル
ムの機械的強度、防湿性等に優れるので好ましい。
ムは種々公知の方法で得られるが、低分子量ポリオレフ
ィンは溶融粘度が低いので、通常は、予め製造した生分
解性ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、低分子
量ポリオレフィンの水性分散体を被覆して乾燥する方法
が好ましい。基材層となる生分解性ポリエステルフィル
ムは無延伸フィルムでも、一軸あるいは二軸延伸フィル
ムでもよいが、ニ軸延伸フィルムが得られる積層フィル
ムの機械的強度、防湿性等に優れるので好ましい。
【0016】低分子量ポリオレフィンの水性分散体とし
ては、通常、粒子径が0.01〜10μm、好ましくは
0.1〜9μmの低分子量ポリオレフィン粒子を水に分
散した分散体である。又、基材層に被覆(塗布)した
後、乾燥を速やかに行えるようにアルコールを0〜50
溶液重量%、好ましくは10〜30溶液重量%含む水性
分散体にしておいても良い。低分子量ポリオレフォンの
水性分散体には生分解性ポリエステルフィルムとの接着
性若しくは濡れ性改良のために水系イソシアネート系接
着材、セロソルブ系等の有機溶剤、粘度調整剤、防かび
剤、静防剤などを添加することができる。水性分散体の
濃度は、コーティングに支障のない範囲で高い方が良
い。通常10〜50%、好ましくは20〜40%であ
る。最適な粘度は塗布方法や製造速度により異なるが、
例えば、グラビアロールコーティングにおいては200
cps以下が好ましい。
ては、通常、粒子径が0.01〜10μm、好ましくは
0.1〜9μmの低分子量ポリオレフィン粒子を水に分
散した分散体である。又、基材層に被覆(塗布)した
後、乾燥を速やかに行えるようにアルコールを0〜50
溶液重量%、好ましくは10〜30溶液重量%含む水性
分散体にしておいても良い。低分子量ポリオレフォンの
水性分散体には生分解性ポリエステルフィルムとの接着
性若しくは濡れ性改良のために水系イソシアネート系接
着材、セロソルブ系等の有機溶剤、粘度調整剤、防かび
剤、静防剤などを添加することができる。水性分散体の
濃度は、コーティングに支障のない範囲で高い方が良
い。通常10〜50%、好ましくは20〜40%であ
る。最適な粘度は塗布方法や製造速度により異なるが、
例えば、グラビアロールコーティングにおいては200
cps以下が好ましい。
【0017】低分子量ポリオレフィン水性分散体の塗布
方法は、従来使用されているものが利用できる。例え
ば、ダイレクトグラビアコーティング、グラビアオフセ
ットコーティング、アークグラビアコーティング、グラ
ビアリバースコーティング等のグラビアコーティング、
トップフィードリバースロールコーティング、ボトムフ
ィードリバースロールコーティング、ノズルフィードリ
バースロールコーティング等のリバースロールコーティ
ング、キスロールコーテイング、マイヤーバーコーティ
ング、ドクターブレードコーティング、及びエアーナイ
フコーティングなどが挙げられる。これらの中でもグラ
ビアコーティング、特にグラビアリバースコーティング
が好ましい。
方法は、従来使用されているものが利用できる。例え
ば、ダイレクトグラビアコーティング、グラビアオフセ
ットコーティング、アークグラビアコーティング、グラ
ビアリバースコーティング等のグラビアコーティング、
トップフィードリバースロールコーティング、ボトムフ
ィードリバースロールコーティング、ノズルフィードリ
バースロールコーティング等のリバースロールコーティ
ング、キスロールコーテイング、マイヤーバーコーティ
ング、ドクターブレードコーティング、及びエアーナイ
フコーティングなどが挙げられる。これらの中でもグラ
ビアコーティング、特にグラビアリバースコーティング
が好ましい。
【0018】生分解性ポリエステルフィルムと低分子量
ポリオレフィンとの接着性、耐水性をより改良するため
に、基材層の表面に下塗り剤としてイソシアネート系な
どの接着剤を生分解性ポリエステルフィルムに塗布して
おいた方が好ましい。かかる下塗り剤の塗布量は、通
常、固形分重量で50〜150mg/m2の範囲が好ま
しい。前記被覆用組成物の塗布量は、通常、固形分重量
で0.1〜5g/m2、好ましくは0.5〜2g/m2
の範囲にある。また上記下塗り剤の濡れを良くするため
0.1〜25W/m2・分のコロナ放電処理を行うこと
が好ましい。
ポリオレフィンとの接着性、耐水性をより改良するため
に、基材層の表面に下塗り剤としてイソシアネート系な
どの接着剤を生分解性ポリエステルフィルムに塗布して
おいた方が好ましい。かかる下塗り剤の塗布量は、通
常、固形分重量で50〜150mg/m2の範囲が好ま
しい。前記被覆用組成物の塗布量は、通常、固形分重量
で0.1〜5g/m2、好ましくは0.5〜2g/m2
の範囲にある。また上記下塗り剤の濡れを良くするため
0.1〜25W/m2・分のコロナ放電処理を行うこと
が好ましい。
【0019】低分子量ポリオレフィンの水性分散体を塗
布した生分解性ポリエステル積層フィルムの乾燥温度
は、通常、50〜120℃、好ましくは60〜90℃の
範囲がよい。乾燥温度が低いと、良好な被膜が形成され
なかったり、乾燥時間を長くすることを必要とし、生産
性が低下する虞がある。一方、乾燥温度が高すぎると、
代表的な生分解性ポリエステルフィルムであるポリ乳酸
等の耐熱性が低いフィルムは乾燥時に軟化してシワが発
生する虞がある。また低分子量ポリオレフィンを融解し
防湿膜とするには乾燥と同時又は乾燥後に120〜16
0℃の熱処理を行う必要がある。かかる熱処理は生分解
性ポリエステルフィルムに負荷を与えるため、オーブン
等で端部を固定しながら行うのが望ましく、また紙また
はデンプンシートにラミネートした後に容器成形の金型
の熱で成形と同時に熱処理を行っても良い。
布した生分解性ポリエステル積層フィルムの乾燥温度
は、通常、50〜120℃、好ましくは60〜90℃の
範囲がよい。乾燥温度が低いと、良好な被膜が形成され
なかったり、乾燥時間を長くすることを必要とし、生産
性が低下する虞がある。一方、乾燥温度が高すぎると、
代表的な生分解性ポリエステルフィルムであるポリ乳酸
等の耐熱性が低いフィルムは乾燥時に軟化してシワが発
生する虞がある。また低分子量ポリオレフィンを融解し
防湿膜とするには乾燥と同時又は乾燥後に120〜16
0℃の熱処理を行う必要がある。かかる熱処理は生分解
性ポリエステルフィルムに負荷を与えるため、オーブン
等で端部を固定しながら行うのが望ましく、また紙また
はデンプンシートにラミネートした後に容器成形の金型
の熱で成形と同時に熱処理を行っても良い。
【0020】
【発明の効果】本発明の生分解性ポリエステル積層フィ
ルムは、高い機械的強度を有し、かつ優れた水蒸気ガス
バリヤー性を有するので、高い水蒸気バリア性能が必要
なため、従来ポリオレフィンフィルムしか使用できなか
った乾物等の食品包装も可能となり、内容物(食品)も
含めたコンポストごみの回収、処理が容易になり、生分
解性プラスチック製品の用途を大きく広げることができ
る。その他発明の利用形態として、紙とのラミを用いた
食品または廃棄用のコンポスト容器等が挙げられる。
又、かかる生分解性ポリエステル積層フィルムを紙、パ
ルプモールドまたはデンプン混練樹脂に積層して包装材
料、トレー、容器等として利用することもできる。
ルムは、高い機械的強度を有し、かつ優れた水蒸気ガス
バリヤー性を有するので、高い水蒸気バリア性能が必要
なため、従来ポリオレフィンフィルムしか使用できなか
った乾物等の食品包装も可能となり、内容物(食品)も
含めたコンポストごみの回収、処理が容易になり、生分
解性プラスチック製品の用途を大きく広げることができ
る。その他発明の利用形態として、紙とのラミを用いた
食品または廃棄用のコンポスト容器等が挙げられる。
又、かかる生分解性ポリエステル積層フィルムを紙、パ
ルプモールドまたはデンプン混練樹脂に積層して包装材
料、トレー、容器等として利用することもできる。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実
施例に制約されるものではない。
明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実
施例に制約されるものではない。
【0022】実施例及び比較例で得られた積層体の物性
値は以下の方法で測定した。 (1)光学特性 日本電色工業社製 ヘイズメーター300Aを用いてヘ
イズ、平行光線透過率(PT)及びグロスを測定した。 (2)透湿度 JIS Z0208 防湿包装材料の透湿度試験(カッ
プ法)による。
値は以下の方法で測定した。 (1)光学特性 日本電色工業社製 ヘイズメーター300Aを用いてヘ
イズ、平行光線透過率(PT)及びグロスを測定した。 (2)透湿度 JIS Z0208 防湿包装材料の透湿度試験(カッ
プ法)による。
【0023】実施例及び比較例で使用した原料は次の通
りである。 (1)低分子量ポリエチレンの水性分散体(PO−1) 低分子量ポリエチレンの物性:密度:0.92g/cm
3、針入度法硬度(JIS K2207):3、融点:
110℃、粘度平均分子量:4000水性分散体の物
性:固形分濃度:40重量%、pH:9、粘度:100
0CP、粒径:4μm (2)低分子量ポリエチレンの水性分散体(PO−2) 低分子量ポリエチレンの物性:密度:0.95g/cm
3、融点:132℃、粘度平均分子量:4000 水性分散体の物性:固形分濃度:40重量%、pH:
9、粘度:1000CP、粒径:7μm (3)生分解性ポリエステル:以下の組成からなるスル
ホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合体
として含む生分解性ポリエステル樹脂を用いた。共重合
体のモノマー組成:テレフタル酸45モル%、エチレン
グリコール37モル%、ジエチレングリコール9モル
%、5−スルホ−イソフタル酸ナトリウム1モル%、ヒ
ドロキシ酢酸8モル%。共重合体の密度:1.35(g
/cm3)、融点:200℃、メルトフローレート(2
20℃、2160g荷重):15(g/10分)。
りである。 (1)低分子量ポリエチレンの水性分散体(PO−1) 低分子量ポリエチレンの物性:密度:0.92g/cm
3、針入度法硬度(JIS K2207):3、融点:
110℃、粘度平均分子量:4000水性分散体の物
性:固形分濃度:40重量%、pH:9、粘度:100
0CP、粒径:4μm (2)低分子量ポリエチレンの水性分散体(PO−2) 低分子量ポリエチレンの物性:密度:0.95g/cm
3、融点:132℃、粘度平均分子量:4000 水性分散体の物性:固形分濃度:40重量%、pH:
9、粘度:1000CP、粒径:7μm (3)生分解性ポリエステル:以下の組成からなるスル
ホン酸金属塩基を有する芳香族ジカルボン酸を共重合体
として含む生分解性ポリエステル樹脂を用いた。共重合
体のモノマー組成:テレフタル酸45モル%、エチレン
グリコール37モル%、ジエチレングリコール9モル
%、5−スルホ−イソフタル酸ナトリウム1モル%、ヒ
ドロキシ酢酸8モル%。共重合体の密度:1.35(g
/cm3)、融点:200℃、メルトフローレート(2
20℃、2160g荷重):15(g/10分)。
【0024】生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムの
製造:ブルックナー社の逐次二軸延伸機を用いて製膜し
た。上記生分解性ポリエステル樹脂をオーブン中で予備
乾燥し、押出機(60mmφ、シリンダー設定温度:2
30℃)中へ供給して溶融した。押出機先端に設けたT
ダイからフィルム状に押出し、キャストロールで30℃
に冷却し、厚さ250μmのシートを成形した。次に、
逐次二軸延伸工程で、このシートを60℃で3.0倍縦
延伸し、次いで60℃で3.2倍横延伸し、引き続き1
80℃で20秒間熱処理(ヒートセット)を行った。そ
の後、フィルム両面にコロナ放電処理を施し、厚さ25
μmの生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムを得た。
製造:ブルックナー社の逐次二軸延伸機を用いて製膜し
た。上記生分解性ポリエステル樹脂をオーブン中で予備
乾燥し、押出機(60mmφ、シリンダー設定温度:2
30℃)中へ供給して溶融した。押出機先端に設けたT
ダイからフィルム状に押出し、キャストロールで30℃
に冷却し、厚さ250μmのシートを成形した。次に、
逐次二軸延伸工程で、このシートを60℃で3.0倍縦
延伸し、次いで60℃で3.2倍横延伸し、引き続き1
80℃で20秒間熱処理(ヒートセット)を行った。そ
の後、フィルム両面にコロナ放電処理を施し、厚さ25
μmの生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムを得た。
【0025】実施例1
上記生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムの片面にイ
ソシアネート系接着剤(三井武田ケミカル株式会社製タ
ケネートA−3:1gに同A−310:12gを酢酸エ
チル187gで希釈し固形分3.4%液にする)を、マ
イヤーバーを用いて固形分重量で100 mg/m2塗
布し、60℃で10秒間乾燥した。次いで、前記低分子
量ポエチレン水性分散体(PO−1)をマイヤーバーを
用いて固形分重量で 2.0g/m2になるように塗布
した後、ドライヤーを用いて70℃で20秒間乾燥し積
層フィルムを得た。尚、それぞれの塗布液は界面活性剤
として花王株式会社製ラウリルエーテルPOE(13,
3)商品名エマルゲン120を0.4wt%加えてあ
る。得られた積層フィルムを厚み3mmのガラス板に固
定し四方を4cm間隔でクリップで固定し、熱による収
縮を抑えて強制対流型高温槽(イズミ製作所製オーブ
ン)に入れ、160℃×5分の条件で熱固定処理を行っ
た。得られた積層フィルムの物性値を表1に示す。
ソシアネート系接着剤(三井武田ケミカル株式会社製タ
ケネートA−3:1gに同A−310:12gを酢酸エ
チル187gで希釈し固形分3.4%液にする)を、マ
イヤーバーを用いて固形分重量で100 mg/m2塗
布し、60℃で10秒間乾燥した。次いで、前記低分子
量ポエチレン水性分散体(PO−1)をマイヤーバーを
用いて固形分重量で 2.0g/m2になるように塗布
した後、ドライヤーを用いて70℃で20秒間乾燥し積
層フィルムを得た。尚、それぞれの塗布液は界面活性剤
として花王株式会社製ラウリルエーテルPOE(13,
3)商品名エマルゲン120を0.4wt%加えてあ
る。得られた積層フィルムを厚み3mmのガラス板に固
定し四方を4cm間隔でクリップで固定し、熱による収
縮を抑えて強制対流型高温槽(イズミ製作所製オーブ
ン)に入れ、160℃×5分の条件で熱固定処理を行っ
た。得られた積層フィルムの物性値を表1に示す。
【0026】実施例2
実施例1で用いたは低分子量ポリエチレン水性分散体
(PO−1)に代えて、低分子量ポリエチレン水性分散
体(PO−2)を用いる以外は実施例1と同様に行い積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性値を表
1に示す。
(PO−1)に代えて、低分子量ポリエチレン水性分散
体(PO−2)を用いる以外は実施例1と同様に行い積
層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性値を表
1に示す。
【0027】実施例3
実施例2で用いた低分子量ポリエチレン水性分散体(P
O−2)に代えて、低分子量ポリエチレン水性分散体
(PO−2)に更に1,4−ブタンジオール・コハク酸
エステルの水性分散体(昭和高分子社製 商品名ビオノ
ーレエマルジョンOLX−7527、融点:93〜95
℃、ガラス転移点:−45℃、結晶化度:20〜35
%、比重:1.3、水生分散体の物性:固形分濃度:5
0〜56重量%、pH:4〜6、粘度:100CP、粒
径:1〜2μm)を固形分中に12重量%配合し、更に
10000rpmで1分間攪拌して得た水性分散体を用
いる以外は実施例2と同様に行い積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの物性値を表1に示す。
O−2)に代えて、低分子量ポリエチレン水性分散体
(PO−2)に更に1,4−ブタンジオール・コハク酸
エステルの水性分散体(昭和高分子社製 商品名ビオノ
ーレエマルジョンOLX−7527、融点:93〜95
℃、ガラス転移点:−45℃、結晶化度:20〜35
%、比重:1.3、水生分散体の物性:固形分濃度:5
0〜56重量%、pH:4〜6、粘度:100CP、粒
径:1〜2μm)を固形分中に12重量%配合し、更に
10000rpmで1分間攪拌して得た水性分散体を用
いる以外は実施例2と同様に行い積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの物性値を表1に示す。
【0028】比較例1
前記フィルム両面にコロナ放電処理した厚さ25μmの
生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムの物性値を比較
例1として表1に示す。
生分解性ポリエステル二軸延伸フィルムの物性値を比較
例1として表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示した結果から明らかなように、低
分子量ポリエチレン層が積層されてなる生分解性ポリエ
ステル二軸延伸積層フィルム(実施例1〜実施例3)
が、低分子量ポリエチレン層を有しない生分解性ポリエ
ステル二軸延伸フィルムに比べ、透湿度が改良されてい
る。
分子量ポリエチレン層が積層されてなる生分解性ポリエ
ステル二軸延伸積層フィルム(実施例1〜実施例3)
が、低分子量ポリエチレン層を有しない生分解性ポリエ
ステル二軸延伸フィルムに比べ、透湿度が改良されてい
る。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4F100 AK03B AK03C AK04B AK04C
AK41A BA02 BA03 BA06
BA10B BA10C EJ38A JA09B
JA09C JC00A YY00B YY00C
Claims (7)
- 【請求項1】生分解性ポリエステルフィルムからなる基
材層の少なくとも片面に低分子量ポリオレフィン層が積
層されてなることを特徴とする生分解性ポリエステル積
層フィルム。 - 【請求項2】生分解性ポリエステルフィルムが、二軸延
伸されてなる請求項1記載の生分解性ポリエステル積層
フィルム。 - 【請求項3】低分子量ポリオレフィンが、粘度平均分子
量が1000〜7000の範囲にある請求項1記載の生
分解性ポリエステル積層フィルム。 - 【請求項4】低分子量ポリオレフィンが、低分子量エチ
レン系重合体である請求項1又は3記載の生分解性ポリ
エステル積層フィルム。 - 【請求項5】生分解性ポリエステルが、ポリ乳酸である
請求項1記載の生分解性ポリエステル積層フィルム。 - 【請求項6】生分解性ポリエステルが、芳香族系ポリエ
ステルである請求項1記載の生分解性ポリエステル積層
フィルム。 - 【請求項7】芳香族系ポリエステルがスルホン酸金属塩
基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸を含む芳
香族系ポリエステルである請求項6記載の生分解性ポリ
エステル積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002088210A JP2003276144A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 生分解性ポリエステル積層フィルム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002088210A JP2003276144A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 生分解性ポリエステル積層フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003276144A true JP2003276144A (ja) | 2003-09-30 |
Family
ID=29207472
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002088210A Pending JP2003276144A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 生分解性ポリエステル積層フィルム |
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Country | Link |
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-
2002
- 2002-03-27 JP JP2002088210A patent/JP2003276144A/ja active Pending
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