JP3106047B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

光ピックアップ装置

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JP3106047B2
JP3106047B2 JP05302947A JP30294793A JP3106047B2 JP 3106047 B2 JP3106047 B2 JP 3106047B2 JP 05302947 A JP05302947 A JP 05302947A JP 30294793 A JP30294793 A JP 30294793A JP 3106047 B2 JP3106047 B2 JP 3106047B2
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圭男 吉田
訓明 岡田
幸夫 倉田
裕之 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学式情報再生装置に
関し、より詳しくは、光学系の小型集積化が図れ、光磁
気ディスク装置等に好適に用いられ得る光ピックアップ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度で多大の情報を記録することがで
きる光ディスクは、近年多くの分野において利用が進め
られている。このような光ディスクを情報記録媒体とす
る光学式情報再生装置においては、光ピックアップ装置
(以下光ピックアップと称する)の小型軽量化が特に重
要な課題である。この課題を解決するために、光ピック
アップの光学系に回折素子を用いることは非常に有効で
あり、これまでにも幾つかの提案がなされている。
【0003】図6は光学系に回折素子を用いた光ピック
アップの第1の従来例を示す。ここに示された光ピック
アップは、Y.Yoshida et al.:'' Three Beam CD Optica
l Pickup using a Holographic Optical Element, ''Pr
oc. Optical Data Strage Technologies, SPIE 1401,(1
990),p58. に記載されたものである。
【0004】この光ピックアップにおいては、半導体レ
ーザ101から出射される発散光が、第1の回折素子1
02によって0次回折光(メインビーム)と、トラッキ
ングずれを検出するための±1次回折光(サブビーム)
とに分割される。分割された発散光は、第2の回折素子
103を透過し、コリメートレンズ104、対物レンズ
105によって光ディスク106の情報記録面上に集光
される。そして、発散光の中のメインビームは、光ディ
スク106上に集光スポット108aを形成し、サブビ
ームは2個の集光スポット108b、108cを形成す
る。
【0005】一方、光ディスク106からの反射光は、
対物レンズ105によって再び光学系に取り込まれ、コ
リメートレンズ104を通過した後、第2の回折素子1
03に回折され、その回折光は光検出器107上に集光
される。
【0006】ここで、図6に示すように、第1の回折素
子102のパターンは直線が一定の間隔で並設されたも
のになっている。また、第2の回折素子103のパター
ンは反射光を光検出器107に集光するのに適した曲線
を並設したものになっている。
【0007】現状の光学式情報再生装置では、対物レン
ズ105によって円盤状の光ディスク106上で光束を
直径1μm程度のスポット光に集光し、かつ、その情報
トラック112に追従させる必要がある。このため、フ
ォーカス制御用の信号を検出するフォーカス検出機構
と、トラッキング制御用の信号を検出するトラッキング
検出機構とが必要不可欠なものになる。以下に、これら
の検出機構の詳細を説明する。
【0008】(フォーカス検出機構)まず、フォーカス
検出機構について説明する。前述した第2の回折素子1
03はほぼ円形であり、分割線DLで2分割された2個
の半円形領域103a、103bを有する。一方、光検
出器107は、4本の分割線A、B、C、Dによって分
割された5個の光検出部107a、107b、107
c、107dおよび107eを有する。
【0009】第1の回折素子102によって回折され、
光ディスク106に集光された後、反射されるメインビ
ームの反射光のうち、第2の回折素子103の一方の半
円形領域103aによって回折された光は、光検出器1
07に集光され、分割線A上に集光スポット111aを
形成する。これに対して、他方の半円形領域103bに
よって回折された光は、光検出部107c上に集光スポ
ット111a′を形成する。
【0010】また、光ディスク106に集光され、集光
点108bを形成した後、反射されるサブビームの反射
光は、光検出部107d上に2つの集光スポット111
b′,111b′を形成する。光ディスク106に集光
され、集光点108cを形成した後、反射されるサブビ
ームの反射光は、光検出部107e上に2つの集光スポ
ット111c、111c′を形成する。
【0011】このような構成においては、半導体レーザ
101からの発散光が対物レンズ105によって光ディ
スク106上に正確に焦点を結んでいるとき、即ち合焦
点状態のときには、第2の回折素子103の半円形領域
103aからの回折光の集光スポット111aが、図7
(b)に示すように、光検出器107の分割線A上の1
点に形成される。このため、光検出部107a及び10
7bの出力が等しくなる。
【0012】一方、何らかの理由で光ディスク106が
対物レンズ105に接近したときには、回折光の集光点
は光検出器107の後方に形成される。そのため、この
ときには、図7(a)に示すように、集光スポット11
1aは光検出部107aにおいて半円形状に広がる。逆
に、光ディスク106が対物レンズ105から遠ざかっ
たときには、回折光の集光点は光検出器107の前方に
形成される。そのため、このときには、図7(c)に示
すように、集光スポット111aは光検出部107bに
おいて半円形状に広がる。
【0013】従って、光検出部107a、107bの出
力信号をそれぞれS1、S2とすると、フォーカス誤差
信号FESは、下記式の演算を行えば得られる。この
演算は、具体的には引算器によって行われる。
【0014】FES=S1−S2… このようにしてフォーカス誤差信号FESが得られる
と、このサーボ信号に基づき、図示されないアクチュエ
ータが対物レンズ105を駆動し、これにより情報トラ
ック112上に集光スポット108aが結ばれるように
制御される。
【0015】(トラッキング検出機構)次に、上記光ピ
ックアップにおけるトラッキング検出機構について説明
する。図8は光ディスク106上の集光スポットと情報
トラック112の位置関係を示す。図8(b)に示すよ
うに、2つのサブビームの集光スポット108b、10
8cはメインビームの集光スポット108aを中央にし
て情報トラック112の方向において対称な位置関係に
あり、かつ情報トラック112に対して互いに反対の方
向に僅かにずれて位置している。
【0016】もし、図8(a)に示すように、何らかの
理由で情報トラック112が集光スポット108aに対
して図上左側にずれたときには、集光スポット108b
はほぼ情報トラック112の上に位置するので、その反
射光の強度は低下する。これに対して、集光スポット1
08cは情報トラック112から離れるので、その反射
光の強度は増加する。
【0017】一方、図8(c)に示すように、情報トラ
ック112が集光スポット108aに対して図上右側に
ずれたときには、上記と逆の現象が生じる。即ち、集光
スポット108bは情報トラック112から離れるの
で、その反射光の強度は増加し、集光スポット108c
はほぼ情報トラック112の上に位置するので、その反
射光の強度は低下する。
【0018】そして、集光スポット108b、108c
の反射光は、それぞれ光検出部107d、107e上に
集光されるので、光検出部107d、107eの出力信
号をS4、S5とすると、トラッキング誤差信号TES
は、下記式の演算を行えば得られる。この演算も引算
器によって行われる。
【0019】FES=S4−S5… このようにしてトラッキング誤差信号TESが得られる
と、このサーボ信号に基づき、図示されないアクチュエ
ータが対物レンズ105を駆動し、これにより情報トラ
ック112上に集光スポット108aが結ばれるように
制御される。
【0020】図9は、図6に示した第1の従来例を更に
具体化した光ピックアップを示す。この光ピックアップ
においては、第1の回折素子102および第2の回折素
子103は、ガラス基板109の下面および上面にそれ
ぞれエッチングにより形成されている。半導体レーザ1
01および光検出器107は、気密に封止された箱状の
キャンパッケージ110内に配置されている。
【0021】図10は光学系に回折素子を用いた光ピッ
クアップの第2の従来例を示す。この光ピックアップは
いわゆる1ビーム方式の光ピックアップである。簡単の
ために、図9と共通の要素には同一の番号を付した。第
2の従来例が第1の従来例と異なる点は、ガラス基板1
14の下面にのみ回折素子113が形成されている点
と、光検出器115が4分割されている点であり、半導
体レーザ101および光検出器107は、第1 の従来例
と同様に、気密に封止された箱状のキャンパッケージ1
10内に配置されている。
【0022】第2の従来例におけるフォーカス検出機構
およびトラッキング検出機構は、第1の従来例のそれと
重複する部分が多いので、ここでは省略する。詳細はY.
Kurata et al.:'' CD Optical Pickup using a Compute
r Generated Holographic Optical Element,'' Proc. O
ptical Data Strage and Scanning Technologies, SPIE
1139,(1989),p161.に記載されている。
【0023】以上に述べたような回折素子を用いて光学
系を小型集積化した光ピックアップは、光源と光検出器
が同一パッケージ内に配置されているため、耐環境性能
に優れ、また小型軽量、低価格であるという特徴を有す
る。
【0024】ところで最近では、光ディスクの普及に伴
い、書き換え可能な光ディスクとして光磁気ディスクが
注目を集めている。そして、そのピックアップの光学系
にも回折素子が用いられている。
【0025】図11は光学系に回折素子を用いた光磁気
ディスク用ピックアップの従来例を示す。この光磁気デ
ィスク用ピックアップにおいては、半導体レーザ201
から出射される発散光が、回折素子202を0次光とし
て透過し、コリメートレンズ203によって平行光に変
換され、続いて複合プリズム204を透過した後、45
°ミラー205および対物レンズ206を経て光磁気デ
ィスク207上に集光される。
【0026】光磁気ディスク207からの反射光は、対
物レンズ206によって再び光学系内に取り込まれ、そ
の一部は複合プリズム204とコリメートレンズ203
を透過した後、回折素子202により回折されて光検出
器209上に集光され、フォーカスずれ(フォーカシン
グエラー)およびトラッキングずれ(トラッキングエラ
ー)の検出に使用される。回折素子202のパターンは
ここには図示しないが、回折光を光検出器209上に集
光させるのに適した曲線が並設されたものになってい
る。
【0027】フォーカス検出機構およびトラッキング検
出機構は、前述した光ピックアップの従来例のそれと重
複する部分が多いので、ここでは省略する。詳細は佐藤
他:''3.5インチ光磁気ディスク用ピックアッ
プ,''シャープ技報,第50号,pp20-24(1991)に記載
されている。
【0028】一方、複合プリズム204内で二度反射さ
れてウォラストンプリズム210に達する残りの反射光
は、該ウォラストンプリズム210で異なる2つの偏光
に分離された後、集光レンズ211によって2分割フォ
トダイオード212上に集光される。従って、この2分
割フォトダイオード212の出力の差を取れば、情報信
号が再生される。
【0029】図12は光磁気信号の検出原理を示す。周
知のように、光磁気ディスクでは例えばP偏光の光を媒
体に照射すると、照射位置の磁気の方向に応じて偏光方
向がθk又は−θkだけ回転して反射される。この偏光
面の回転方向が情報信号になるのであるが、これを検出
するためには、一般には反射光を図12に示すような±
45°方位の偏光成分に分離し、この2偏光成分の強度
の差を取ることがなされている。そのため、これに適す
るように前記ウォラストンプリズム210の結晶方位が
決められている。
【0030】また、前記偏光面の回転角θk又は−θk
は1°程度の微小角である。そのため、複合プリズム2
04の反射面213には、偏光面の回転量を見掛け上大
きくして信号のS/N比を向上させるため、例えばS偏
光は100%、P偏光は20%反射するような偏光特性
が付与されている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】前述した光ピックアッ
プの第1の従来例および第2の従来例は、回折素子を用
いて光学系を小型集積化し、光源と光検出器を同一パッ
ケージ内に配置したため小型軽量であり、再生専用およ
び追記型ディスク装置に好適である。また、耐環境性に
優れる。しかし、光磁気信号を検出する機能がないた
め、書き換え可能な光磁気ディスク装置には適用できな
い。
【0032】一方、光磁気ディスク用ピックアップの従
来例では、回折素子の採用により一応は光学系の小型軽
量化が図られている。しかし、光磁気信号を検出する光
学系には未だプリズムが用いられており、このことが根
本的な小型軽量化の妨げになっている。また、偏光分離
に用いられるウォラストンプリズムは、高価な水晶から
つくられるため、光ピックアップのコストダウンを図る
上での障害になっている。
【0033】本発明は上記従来の問題を解決するもので
あり、その目的は、書き換え可能な光磁気ディスク装置
に適用でき、しかも小型軽量で、かつ低コストの光ピッ
クアップ装置を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の光ピックアップ
装置は、光源と、前記光源からの光を記録担体上に集光
させると共に、前記記録担体からの反射光を集光する光
学系と、前記反射光の光路内に設けられて、前記反射光
の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段によっ
て分岐された反射光を集光して、情報信号を検出する情
報信号検出部と、前記光分岐手段を透過した残りの反射
光を集光して、制御信号を検出する制御信号検出部とを
備えた光ピックアップ装置であって、前記光分岐手段
が、所定の格子ピッチで形成された凸部を有し、前記
部に光源からの光の波長よりも短い周期を有する周期構
造が、前記光源の偏光方向と90°をなし、且つ前記凸
部の格子方向と略45°をなすように重畳されたレリー
フ型ホログラムであり、前記情報信号検出部が、反射光
の偏光状態を検出する光導波路素子であことにより
上記目的が達成される。
【0035】
【0036】
【作用】光の波長より短い周期を有する周期構造が重畳
されたレリーフ型ホログラムでは、構造複屈折のため
に、周期構造に平行な偏光成分と周期構造に直交する偏
光成分とで回折効率が異なる。この性質を利用すること
により、プリズムを用いることなく反射光の一部が、情
報信号検出部に導かれる。ここで、情報信号検出部とし
て光導波路素子を用いると、情報信号検出部でもプリズ
ムを用いることなく反射光の偏光状態が検出される。従
って、このような構成によれば、プリズムを用いること
なく高品位の情報信号を検出できる。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0038】図1および図2は本発明の光ピックアップ
装置を示す。この光ピックアップは、光磁気ディスク用
の光ピックアップである。以下にその構成を動作と共に
説明する。
【0039】半導体レーザ1から上方に向けて出射され
る発散光は、第1のガラス基板2の下面に設けられた第
1の回折素子3によって0次回折光(メインビーム)
と、トラッキングずれを検出するための±1次回折光
(サブビーム)とに分割される。続いて、分割された発
散光は、第1のガラス基板2の上面に設けた第2の回折
素子4と、該第1のガラス基板2の上に重ね合わされた
第2のガラス基板5の上面に設けた第3の回折素子6と
を順に透過し、コリメートレンズ7に導かれる。続い
て、コリメートレンズ7により平行光にされた光ビーム
は、対物レンズ8によって光磁気ディスク9上に集光さ
れる。
【0040】一方、光磁気ディスク9からの反射光は、
対物レンズ8によって再び光学系に取り込まれてコリメ
ートレンズ7を透過し、その一部が第3の回折素子6に
より回折されて光導波路素子11上に集光される。
【0041】ここで第3の回折素子6および光導波路素
子11は、それぞれ本発明の光ピックアップ装置におけ
る光分岐手段および情報信号検出部である。図2に示す
ように、光導波路素子11は、光検出器15が形成され
たシリコン基板16を有する。シリコン基板16の表面
には、光導波路13と、光導波路13内に回折光を導く
光結合器12と、光導波路13を伝播する2つの偏光、
即ちTE偏光とTM偏光とを分離する偏光分離素子14
とが形成されている。光導波路素子11上に集光された
回折光は、光結合器12によって光導波路13内に導か
れ、偏光分離素子14によりTE偏光とTM偏光とに分
離されて、光検出器15に入射する。光検出器15は、
TE偏光とTM偏光との出力の差を演算して光磁気信
号、即ち情報信号を再生する。
【0042】第3の回折素子6を透過した残りの反射光
は、第2の回折素子4によって回折され、5分割光検出
器10に入射する。5分割光検出器10は、本発明の光
ピックアップ装置における制御信号検出部であり、5分
割光検出器10からの電気信号を演算処理することによ
り、フォーカス制御およびトラッキング制御のための制
御信号が得られる。
【0043】そして、光源である半導体レーザ1、光導
波路素子11および5分割光検出器10は、気密に封止
されたキャンパッケージ20内に配置されている。ま
た、第1のガラス基板2および第2のガラス基板5は、
キャンパッケージ20の上に重ねて配置されている。キ
ャンパッケージ20は円筒状になっている。
【0044】以下に、本発明光ピックアップ装置におけ
る光磁気信号(情報信号)の検出原理および制御信号の
検出原理を説明する。
【0045】(光磁気信号の検出原理)図3は第3の回
折素子6、5分割光検出器10および光導波路素子11
の位置関係を示す平面図であり、コリメートレンズ7か
らこれらを見た状態を示す。X軸とY軸の交点が光軸で
あり、5分割光検出器10は光軸から−X方向に適当な
距離偏位し、光導波路素子11はX軸から−45°だけ
偏位してそれぞれ配置されている。
【0046】図4は第3の回折素子6の表面構造を示す
斜視図である。第3の回折素子6は、格子ピッチAを有
するレリーフ型ホログラムであり、各格子の表面には、
光源からの光の波長よりも短い周期Bを有する周期構造
が、X軸に平行に形成されている。
【0047】ここで、光の波長より短い周期構造中で
は、偏光方向によって屈折率が異なる構造複屈折と呼ば
れる現象が生じる。このため、図3および図4に示した
ような第3の回折素子6では、周期構造に平行な偏光成
分(X方向成分)と、周期構造に直交する偏光成分(Y
方向成分)とで回折効率が異なり、格子溝の深さを調節
することにより周期構造に平行な偏光成分は殆ど回折さ
れ、周期構造に直交する偏光成分は余り回折されないよ
うな状態にすることができる。
【0048】そして、例えば光源である半導体レーザ1
から出射されるレーザ光の偏光方位がY軸方向となるよ
うにしておくと、半導体レーザ1から出射された光が光
磁気ディスク9へ向かって進行するときには、第3の回
折素子6で回折される光が少なくなるので、より多くの
光が光磁気ディスク9に到達するようになり、光を有効
に利用できる。一方、光磁気ディスク9で反射され、Y
軸からθkまたは−θkだけ偏光面が回転した反射光
は、第3の回折素子6でX方向成分は殆ど回折される
が、Y軸方向成分はあまり回折されないため、回折光の
偏光面の回転が見掛け上大きくなり、結果的にS/N比
のよい光磁気信号が検出される。
【0049】図5は光導波路13内の偏光を示す。第3
の回折素子6からの回折光は、X軸に対して−45°方
向に回折されるので、反射光の−45°方位の偏光成分
は、光導波路素子11内にTMモードとして励起され、
+45°方位の偏光成分は、光導波路素子11内にTE
モードとして励起される(図12参照)。それぞれの偏
光成分は偏光分離素子14により空間的に分離され、光
検出器15に入射して電気信号に変換される。これによ
り、光磁気信号、即ち情報信号が検出される。そして、
光検出器15の電気信号の差を取ることにより、情報が
再生される。この差分は、図3に示す引算器21により
行われる。
【0050】(制御信号の検出原理)次に、制御信号の
検出原理について説明する。第3の回折素子6を透過し
た残りの反射光は、上述したように、第2の回折素子4
によって回折され、5分割光検出器10に入射する。
【0051】第2の回折素子4は、上述した光ピックア
ップの第1の従来例に用いられた第2の回折素子103
に対応するものであって、図1に示すように、ほぼ円形
をなし、半円形の2つの領域4a、4bに分割されてい
る。そのパターンは、光磁気ディスク9からの反射光を
5分割光検出器10上に集光させるのに適した曲線パタ
ーンになっている。
【0052】また、5分割光検出器10は、第1の従来
例の光検出器107に対応するものであって、その光検
出部107a、107b、107c、107dおよび1
07eにそれぞれ対応する5つの光検出部10a、10
b、10c、10dおよび10eを有する。
【0053】第1の回折素子3によって回折され、光磁
気ディスク9上に集光された後、反射されるメインビー
ムのうち、第2の回折素子4の一方の領域4aで回折さ
れた光は、5分割光検出器10の光検出部10a、10
bを分割する分割線L(図3参照)上に、他方の領域4
bで回折された光は5分割光検出器10の光検出部10
c上に、それぞれ集光スポットを形成する。
【0054】また、光磁気ディスク9上に2つの集光ス
ポットを形成した後、反射される2つのサブビームの反
射光のうち、一方のサブビームの反射光は5分割光検出
器10の光検出部10d上に集光スポットを形成する。
他方のサブビームの反射光は5分割光検出器10の光検
出部10e上に集光スポットを形成する。
【0055】そして、5分割光検出器10の光検出部1
0a、10bの出力差を検出し、上記式の演算を行え
ば、上記第1の従来例と同様にフォーカス誤差信号FE
Sを得ることができる。同様に、光検出部10d、10
eの出力差を検出し、上記式の演算を行えば、上記第
1の従来例と同様にトラッキング誤差信号TESを得る
ことができる。
【0056】上記の説明のように、本発明の光ピックア
ップ装置は、光の波長より短い周期を有する周期構造が
重畳されたレリーフ型ホログラムからなる第3の回折素
子6を介して、光磁気ディスク9からの反射光の一部を
光導波路素子11に導いて、光磁気信号を検出する構成
をとるため、プリズムを用いることなく、高品位の光磁
気信号を検出することができる。このため、光磁気信号
を検出するための光学系と制御信号を検出するための光
学系とが一体化され、それぞれの光学系における信号検
出部(光導波路素子11と5分割光検出器10)が、光
源である半導体レーザ1と共にキャンパッケージ20内
に適切に配置される。
【0057】なお、制御信号検出部、即ちフォーカス検
出機構およびトラッキング検出機構は、上記実施例に限
定されるものではなく、例えば第2の回折素子4での分
割の仕方や各領域内での格子線の方向、更には制御信号
検出用の光検出器(5分割光検出器10)の形状等は自
由に選択することができる。従って、上述した光ピック
アップの第2の従来例のように1ビーム法でトラッキン
グずれを検出することも可能である。
【0058】また、光検出器(5分割光検出器10およ
び光導波路素子11内の光検出器15)と共に、電流−
電圧変換や信号増幅のための電子回路をシリコン基板上
に作製すれば、外部雑音に影響され難くなるなどの効果
を奏することができる。
【0059】更に、第1のガラス基板2と第2のガラス
基板5を接着剤を介して接合する場合は、図2に示すよ
うに、第2の回折素子4に対向する上側のガラス基板5
の下面に凹部17を設けるとよい。そのようにすると、
接着剤が第2の回折素子4に及ぶことがなく、回折素子
4の特性低下が防止されるからである。
【0060】
【発明の効果】本発明の光ピックアップ装置は、このよ
うに、光の波長より短い周期を有する周期構造が重畳さ
れたレリーフ型ホログラムを介して、光導波路素子に記
録媒体からの反射光を導いて情報信号を検出する構成を
とるため、情報信号検出のための光学系からプリズムを
排除できる。従って、情報信号検出のための光学系と制
御信号検出のための光学系とを一体に作製することがで
き、更には、それぞれの光学系における信号検出部を光
源と共に同一パッケージ内に配置することもできる。こ
のため、例えば光磁気ディスク用ピックアップに適用し
て、その大幅な小型軽量化および光学部品点数の削減が
可能になる。また、そのパッケージングにより耐環境性
能が向上する。更に、高価な水晶を使用するウォラスト
ンプリズムが不要になるので、大幅なコストダウンが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明光ピックアップ装置の概略構成を示す斜
視図。
【図2】本発明光ピックアップの一部を拡大して示す断
面図。
【図3】本発明光ピックアップ装置における光導波路素
子、制御信号検出部および光分岐手段の位置関係を示す
平面図。
【図4】光分岐手段の詳細構造を示す斜視図。
【図5】光導波路内の偏光を示す平面図。
【図6】光ピックアップの第1の従来例を示す概略斜視
図。
【図7】フォーカス制御信号の検出原理を示す模式図。
【図8】トラッキング制御信号の検出原理を示す模式
図。
【図9】第1の従来例を具体化した光ピックアップの斜
視図。
【図10】光ピックアップの第2の従来例を示す斜視
図。
【図11】光磁気ディスク用ピックアップの従来例の概
略構成を示す斜視図。
【図12】光磁気信号の検出原理を示す模式図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 第1のガラス基板 5 第2のガラス基板 3 第1の回折素子 4 第2の回折素子 6 第3の回折素子 7 コリメートレンズ 8 対物レンズ 9 光磁気ディスク 10 5分割光検出器 11 光導波路素子 12 光結合器 13 光導波路 14 偏光分離素子 15 光検出器 16 シリコン基板 20 キャンパッケージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉田 幸夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山本 裕之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 南 功治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−79050(JP,A) 特開 昭61−122943(JP,A) 「続・わかりやすい光ディスク」オプ トロニクス社(平成2年5月21日)P 98,P109〜110 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/135

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源からの光を記録担体上
    に集光させると共に、前記記録担体からの反射光を集光
    する光学系と、前記反射光の光路内に設けられて、前記
    反射光の一部を分岐する光分岐手段と、前記光分岐手段
    によって分岐された反射光を集光して、情報信号を検出
    する情報信号検出部と、前記光分岐手段を透過した残り
    の反射光を集光して、制御信号を検出する制御信号検出
    部とを備えた光ピックアップ装置であって、前記 光分岐手段が、所定の格子ピッチで形成された凸部
    を有し、前記凸部に光源からの光の波長よりも短い周期
    を有する周期構造が、前記光源の偏光方向と90°をな
    し、且つ前記凸部の格子方向と略45°をなすように
    畳されたレリーフ型ホログラムであり、前記 情報信号検出部が、反射光の偏光状態を検出する光
    導波路素子であることを特徴とする光ピックアップ装
    置。
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