JP2856980B2 - 光ヘッド - Google Patents

光ヘッド

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JP2856980B2
JP2856980B2 JP4164311A JP16431192A JP2856980B2 JP 2856980 B2 JP2856980 B2 JP 2856980B2 JP 4164311 A JP4164311 A JP 4164311A JP 16431192 A JP16431192 A JP 16431192A JP 2856980 B2 JP2856980 B2 JP 2856980B2
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一彦 黒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク装置な
どに設けられ、カー効果により偏光方向が回転した戻り
光を2つの異なる偏光成分に分離し、それぞれの光を検
出する光ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク装置では、再生出力を得
るために、偏光分離が行われ、カー効果により偏光方向
が回転したディスクからの戻り光は、このカー回転角を
検出するための2つの偏光成分に分離される。図9は、
従来の偏光分離手段を使用した光磁気ディスク装置用の
光学系の構成を示し、図10は図9の(a)と(b)の
経路における偏光状態を示している。半導体レーザ1か
ら発せられたレーザ光はコリメートレンズ2により平行
光となり、ビームスプリッタ3に対しS波成分として入
射して反射され、さらに全反射プリズム4にて反射され
て対物レンズ5によりディスクDの記録面に集光され
る。
【0003】ディスクDの記録面からの反射戻り光は、
対物レンズ5と全反射プリズム4を経て戻るが、ディス
クDの光磁気記録面における記録パターンにより、戻り
光には図10(a)に示すようなカー効果によるカー回
転角(±θk)が与えられる。この戻り光は、ビームス
プリッタ3を透過して1/2波長板9を通過するが、こ
の波長板9を通過することにより図10(b)に示すよ
うに偏光方向が45度回転させられる。さらに戻り光
は、ウォラストンプリズム6にて2つの偏光成分に分離
され、受光レンズ7aと7bを経てピンホトダイオード
8により受光される。
【0004】ウォラストンプリズム6にて直交成分であ
るP波成分とS波成分とに分離された2つの光束Baと
Bbは、ピンホトダイオード8の2つの受光部8aと8
bとにより受光される。この受光部8aと8bのそれぞ
れにて受光されるP波成分とS波成分のそれぞれの受光
量は図10(b)にてPdとSdで示す通りである。受
光部8aと8bにおける受光量PdとSdの差を求める
ことにより戻り光のカー回転角(+θkまたは−θk)
が検出されMO再生信号となる。また、2つの受光部8
a,8bのどちらか一方を4分割することにより、フォ
ーカスとトラッキングのエラー信号を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成の光学
系には以下に列記する問題点がある。 (1)従来の光学系では、光学部品がそれぞれ独立して
設けられているために部品点数が多くなり、また光路長
が全体として長くなって、小型化に限界がある。
【0006】(2)上記従来の光学系は、受光部8aと
8bとで、カー回転角が与えられた偏光成分を検出する
ために、別体の1/2波長板9を使用して図10(b)
に示すように戻り光の偏光方向を45度回転させてい
る。よって1/2波長板9を設ける分だけ光学部品の部
品点数が多くなり、またこの1/2波長板9を位置決め
して固定するための構造が必要になる。
【0007】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、最少の部品にて小型に構成できる光ヘッドを提供
することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ヘッドは、発
光部からの光が入射する第1のプリズムと、この第1の
プリズムに接合された第2のプリズムと、両プリズムの
接合部に形成された偏光膜と、前記偏光膜により反射さ
れ第1のプリズムを経た光を記録媒体に集光させる集光
レンズと、記録媒体にて反射され前記第1のプリズムな
らびに偏光膜および第2のプリズムを経た戻り光を検知
する受光部とを有し、前記偏光膜は、入射された光の直
線偏向成分を第1のプリズム内に反射し且つカー効果に
より偏光方向が回転した戻り光を第2のプリズム内に透
過させるものであり、前記第2のプリズムは、偏光方向
が回転した戻り光を、常光成分と異常光成分に分離する
ための異方性光学材料により形成され、前記受光部に
は、前記第2のプリズムにより分離された常光成分と異
常光成分をそれぞれ検出する検出部が設けられており、
前記第2のプリズムの前記検出側の出射面が前記検出部
の受光面に対して傾斜していることを特徴とするもので
ある。
【0009】
【作用】上記手段では、発光部からの光が、2つのプリ
ズムの接合部に形成された偏光膜により反射され第1の
プリズムを経て集光レンズにより集光され、記録媒体に
照射される。記録媒体のカー効果により偏光方向が回転
した戻り光は、第1のプリズム内を経て偏光膜を通過し
て第2のプリズムに至る。第2のプリズムでは常光成分
と異常光成分とで屈折率が相違するため、前記偏光方向
が回転した戻り光は、常光と異常光に分離され異なる経
路を進み、受光部の異なる検出部によりそれぞれの成分
が受光される。この成分の差を検出することにより再生
出力を得ることができる。また戻り光が前記検出部へ出
射する前記第2のプリズムの出射面が検出部の受光面に
対して傾斜していることにより、前記出射面を利用して
非点収差を得ることができ、それによりシリンドリカル
レンズ等を別に設けなくても済み、部品点数を削減して
光ヘッドを小型化することができる。また、常光成分と
異常光成分の分離角度を大きくでき、両成分を検出部で
確実に分離して受光できる。
【0010】
【実施例】以下本発明の実施例を図面により説明する。
図1は本発明による光ヘッドの第1実施例の部品構成を
示す正面図、図2は第2のプリズムのみを示す正面図、
図3は図2の右側面図である。図1に示す光ヘッド10
は、シャーシ11に各光学素子が搭載されており、この
シャーシ11が図示しない弾性支持部材に支持されてフ
ォーカス補正ならびにトラッキング補正方向へ微動自在
に支持されている。またシャーシ11とこれを前記弾性
支持部材を介して支持している固定部との間に磁気駆動
回路が設けられ、この磁気駆動回路により光ヘッド10
がフォーカスとトラッキングのそれぞれの補正方向へ微
駆動されるようになっている。
【0011】シャーシ11には互いに接合された第1の
プリズム12と第2のプリズム13とが固定されてい
る。第1のプリズム12は等方性光学材料例えばBK−
7などのガラス材料により形成されている。この第1の
プリズム12の出射側の反射面には全反射膜14が形成
されている。第2のプリズム13は水晶などの異方性結
晶材料により形成されている。第1のプリズム12と第
2のプリズム13との接合部は入射光に対して45度の
角度となっており、この接合部に偏光膜15が形成され
ている。この偏光膜15はP波成分の100%を透過
し、またS波成分の20%を透過し80%を反射させる
ものである。第2のプリズム13の出射面13aは、図
示下面13bに対し90度以下の角度γを有している。
すなわち図1では下面13bと直角をなす仮想垂直面を
fにより示しているが、出射面13aはこの仮想垂直面
f(およびy軸)に対して傾斜した面となっている。
【0012】第1のプリズム12の反射面に形成された
前記全反射膜14により反射された光は、対物レンズ1
6によりディスクDの記録面に集光される。シャーシ1
1に設けられた半導体レーザ20からの発散光は、この
対物レンズ16により集光されディスクDに照射される
ものであり、この対物レンズ16により有限系の集光路
が形成されている。
【0013】第2のプリズム13から出射された常光成
分αと異常光成分βは、受光基板21に設けられた2つ
の受光部22と23により受光検出される。図8(a)
に示すように受光部22と23は、それぞれ4分割の受
光検出部A1ないしD1を有している。ここで、前記第
1のプリズム12は等方性光学材料により形成され、例
えばBK−7のガラス材料の場合屈折率はn=1.51
である。また図3に示すように、第2のプリズム13で
は直交座標x−yに対して光学軸が45度傾いている。
この第2のプリズム13は例えば水晶のような異方性光
学材料の場合、常光成分αに対する屈折率はnα=1.
54であり、異常光成分βに対する屈折率はnβ=1.
55である。
【0014】次に上記光ヘッドの動作について説明す
る。図4(a)(b)はディスクDからの戻り光Mの偏
光状態を説明するものであり、同図(a)(b)は、そ
れぞれ図1の光ヘッド10の(a)(b)の位置におけ
る光の偏光状態を示している。半導体レーザ20から出
射された発散レーザ光は、第1のプリズム12内に入
り、偏光膜15にS波成分として入射する。偏光膜15
では、S波成分の80%が反射されるので、この80%
の反射光は第1のプリズム12内を経て全反射膜14に
より反射され、対物レンズ16により集束されてディス
クDに照射される。ディスクDは例えば光磁気により情
報が記録されており、この記録面から反射された戻り光
Mには図4(a)に示すように、記録情報に対応したカ
ー効果によりカー回転角(+θk)または(−θk)が
与えられる。
【0015】この戻り光Mは対物レンズ16から第1の
プリズム12内に戻り、全反射膜14により反射され、
偏光膜15に入射する。偏光膜15ではP波成分が10
0%透過され、S波成分が20%透過されるので、第2
のプリズム13内に入った戻り光M1は、カー効果によ
るカー回転角(±θk)が図4(b)に示すように強調
される。
【0016】また図3に示すように、第2のプリズム1
3では、偏光方向(x方向)に対して光学軸が45度回
転しているため、前記戻り光M1の常光成分αは図3の
α方向の成分となり、異常光成分βは図3のβ方向の成
分となる。ここで第2のプリズム13では、常光成分α
と異常光成分βとで屈折率が相違するため、第1のプリ
ズム12から第2のプリズム13に入射した光は、屈折
率の相違により図1にてαとβとで示す経路に分離され
る。第2のプリズム13の出射面13aはy軸に対して
傾斜しているため、この傾斜により前記常光成分αと異
常光成分βの分離角がさらに強調され、それぞれの成分
が受光部22と23に受光される。なお出射された光の
分離角をさらに凹レンズにより拡大してもよい。
【0017】図8(a)に示すように、受光部22によ
る常光成分αの全受光量をE1、受光部23による異常
光成分βの全受光量をE2とすると、情報再生信号(M
O信号)はMO=E1−E2で得られる。また第2のプ
リズム13の出射面13aはy軸に対して傾斜している
ので、この出射面13aからの出射光には非点収差が生
じている。よって受光部22では非点収差法によりフォ
ーカスエラー信号FE=(A1+C1)−(B1+D
1)が得られ、トラッキングエラー信号はプッシュプル
法によりTE=(A1+B1)−(C1+D1)で求め
られる。また、図8(b)のように受光部を8分割にし
て、フォーカスエラー信号を受光部22からFE1=
(A1+C1)−(B1+D1)、受光部23からFE
2=(A2+C2)−(B2+D2)と求め、FE1+
FE2によりフォーカスエラー信号を得ることも可能で
ある。同様にしてトラッキングエラー信号もTE1=
(A1+B1)−(C1−D1)、TE2=(A2+B
2)−(C2−D2)からTE1+TE2により求めら
れる。
【0018】なお、フォーカスエラー信号の検出はシリ
ンドリカルレンズを使用した非点収差法によっても検出
可能であり、またトラッキングエラー信号は回折格子を
付加すれば3ビーム法によっても検出可能である。な
お、第1のプリズム12と第2のプリズム13の形状
は、図1の実施例に限られず、例えば図5に示す形状で
あってもよい。図5に示す実施例では、半導体レーザ2
0からの光が、第1のプリズム12に対し側面から入射
し、S波成分として偏光膜15により反射され、全反射
膜14により反射されて対物レンズに送られる。ディス
クからの戻り光は、偏光膜15を透過し、第2のプリズ
ム13の出射面13aから常光成分αと異常光成分βに
分離されて出射される。
【0019】また図6の実施例では、半導体レーザ20
から出射され、偏光膜15により反射され第1のプリズ
ム12を経た光がコリメートレンズ31により並行光と
なる。さらにプリズム33により反射され対物レンズ1
6によりディスクDに集光される。ディスクからの戻り
光は偏光膜15を透過し第2のプリズム13により常光
成分αと異常光成分βとに分離され、さらに凹レンズ3
2により分離角が強調されてそれぞれ受光部22と23
により受光される。この場合(イ)側の構成部品を固定
光学系とし、(ロ)側のプリズム33と対物レンズ16
を移動光学系とし、この移動光学系のみをディスクDに
沿って図示左右方向へ移動させてもよい。さらに、図7
に示すように、第1のプリズム12、第2のプリズム1
3、半導体レーザ20、受光基板21などをケース40
内に収納してパッケージ化してもよい。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明では、第1のプリズ
ムと第2のプリズムを接合することにより、ビームスプ
リッタとしての機能と、光分離プリズムとしての機能を
発揮させることができ、さらに戻り光が前記検出部へ出
射する前記第2のプリズムの出射面が検出部の受光面に
対して傾斜していることにより、前記出射面を利用して
非点収差を得ることができ、それによりシリンドリカル
レンズ等を別に設けなくても済み、部品点数を削減して
光ヘッドを小型化することができる。また、常光成分と
異常光成分の分離角度を大きくでき、両成分を検出部で
確実に分離して受光できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ヘッドの第1実施例の部品構成
を示す正面図、
【図2】第2のプリズムを示す正面図、
【図3】図2のプリズムの右側面図、
【図4】(a)(b)は図1に示す光ヘッドの各部にお
ける戻り光の偏光状態を示す説明図、
【図5】本発明による光ヘッドの第2実施例を示す部分
斜視図、
【図6】本発明の光ヘッドの第3実施例を示す正面図、
【図7】本発明の光ヘッドの第4実施例を示す正面図、
【図8】受光部の構造を示す側面図、
【図9】従来の光ヘッドを示す部品構成図、
【図10】(a)(b)は従来の光ヘッドの各光経路部
分の偏光状態をS波成分とP波成分を直交座標にして示
す説明図、
【符号の説明】
10 光ヘッド 11 シャーシ 12 第1のプリズム 13 第2のプリズム 14 全反射膜 15 偏光膜 16 対物レンズ 21 受光基板 22,23 受光部 D ディスク M,M1 戻り光 α 常光成分 β 異常光成分
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−129049(JP,A) 特開 平4−89643(JP,A) 特開 平4−123344(JP,A) 特開 平4−123343(JP,A) 特開 平4−123342(JP,A) 特開 平4−132034(JP,A) 実開 昭62−133212(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 551 G11B 7/135

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光部からの光が入射する第1のプリズ
    ムと、この第1のプリズムに接合された第2のプリズム
    と、両プリズムの接合部に形成された偏光膜と、前記偏
    光膜により反射され第1のプリズムを経た光を記録媒体
    に集光させる集光レンズと、記録媒体にて反射され前記
    第1のプリズムならびに偏光膜および第2のプリズムを
    経た戻り光を検知する受光部とを有し、前記偏光膜は、
    入射された光の直線偏向成分を第1のプリズム内に反射
    し且つカー効果により偏光方向が回転した戻り光を第2
    のプリズム内に透過させるものであり、前記第2のプリ
    ズムは、偏光方向が回転した戻り光を、常光成分と異常
    光成分に分離するための異方性光学材料により形成さ
    れ、前記受光部には、前記第2のプリズムにより分離さ
    れた常光成分と異常光成分をそれぞれ検出する検出部が
    設けられており、前記第2のプリズムの前記検出側の出
    射面が前記検出部の受光面に対して傾斜していることを
    特徴とする光ヘッド。
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