JP3490527B2 - 光ヘッド - Google Patents

光ヘッド

Info

Publication number
JP3490527B2
JP3490527B2 JP03047395A JP3047395A JP3490527B2 JP 3490527 B2 JP3490527 B2 JP 3490527B2 JP 03047395 A JP03047395 A JP 03047395A JP 3047395 A JP3047395 A JP 3047395A JP 3490527 B2 JP3490527 B2 JP 3490527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical axis
optical
plane
analyzer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03047395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08279201A (ja
Inventor
章兵 小林
健 山崎
昭彦 吉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP03047395A priority Critical patent/JP3490527B2/ja
Publication of JPH08279201A publication Critical patent/JPH08279201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3490527B2 publication Critical patent/JP3490527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスクに対し
情報の再生及び記録のうち少なくとも一方を行う光磁気
ディスク装置などに用いられ、カー効果により偏光方向
が回転した戻り光を常光及び異常光に分離し、それぞれ
の光を検出する光ヘッドに関する。
【0002】
【従来技術】光磁気ディスク装置では、再生出力を得る
ために、カー効果により偏光方向が回転した光磁気ディ
スクからの戻り光は、このカー回転角を検出するための
検光子によって2つの偏光成分に分離される。例えば特
開平5−334760号公報(以下、従来技術と呼ぶ)
には一軸性複屈折を有する光学部材より成る検光子が開
示されている。以下、従来技術について説明する。
【0003】図7に示す光ヘッド110は、シャーシ2
0に各光学素子が搭載されており、図示しない弾性支持
部材に支持されてフォーカス補正ならびにトラッキング
補正方向へ微動自在に支持されている。シャーシ20に
は互いに接合された第1のプリズム16と第2のプリズ
ム17とが固定されている。第1のプリズム16は等方
性光学材料例えばBK−7などのガラス材料により形成
されている。この第1のプリズム16の出射側の反射面
には全反射膜が形成されている。第2のプリズム17は
水晶などの異方性結晶材料により形成されている。第1
のプリズム16と第2のプリズム17との接合部は入射
光に対して45度の角度となっており、この接合部に偏
光膜15が形成されている。この偏光膜15はP波成分
の100%を透過し、またS波成分の20%を透過し8
0%を反射させるものである。第2のプリズム17の出
射面は図示下面に対し90度以下の角度γを有してい
る。即ち図7では下面と直角をなす仮想垂直面をfによ
り示しているが、出射面はこの仮想垂直面f(およびy
軸)に対して傾斜した面となっている。また第2のプリ
ズム17は図8に示すように直交座標xyに対して光学
軸が45度傾いている。
【0004】第2のプリズム17から出射された常光成
分αと異常光成分βは、受光基板に設けられた2つの受
光部18と19により受光検出される。図9(a)に示
すように受光部18は、それぞれ4分割の受光検出部A
1ないしD1を有している。次に上記光ヘッド110の
作用について説明する。図10(a)、(b)は光磁気
ディスクDからの戻り光の偏光状態を説明するためのも
のであり、同図(a)、(b)は、それぞれ図7の光ヘ
ッド110の(a)、(b)の位置における光の偏光状
態を示している。半導体レーザ1から出射された発散レ
ーザ光は、第1のプリズム16内に入り、偏光膜15に
S波成分として入射する。偏光膜15では、S波成分の
80%が反射されるので、この80%の反射光は第1の
プリズム16内を経て全反射膜により反射され、対物レ
ンズ3により集束されて光磁気ディスクDに照射され
る。光磁気ディスクDの記録面から反射された戻り光に
は図10(a)に示すように、記録情報に対応したカー
効果によりカー回転角(+θk)または(−θk)が与
えられる。
【0005】この戻り光は対物レンズから第1のプリズ
ム16内に戻り、全反射膜により反射され、偏光膜15
に入射する。偏光膜15ではP波成分が100%透過さ
れ、S波成分が20%透過されるので、第2のプリズム
17内に入った戻り光は、カー効果によるカー回転角
(±θk)が図10(b)に示すように強調される。ま
た図8に示すように、第2のプリズム17では、偏光方
向(x)方向に対して光学軸が45度回転しているた
め、前記戻り光の常光成分αは図8のα方向の成分とな
り、異常光成分βは図8のβ方向の成分となる。ここで
第2のプリズム17では、常光成分αと異常光成分βと
で屈折率が相違するため、第1のプリズム16から第2
のプリズム17に入射した光は、屈折率の相違により図
7にてαとβとで示す経路に分離される。第2のプリズ
ム17の出射面はy軸に対して傾斜しているため、この
傾斜により前記常光成分αと異常光成分βの分離角がさ
らに強調され、それぞれの成分が受光部18と19に受
光される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術に開
示されている第2のプリズム17は検光子としての機能
を果たしており、第2プリズム17は戻り光を常光成分
αはα方向に、異常光成分βはβ方向に分離している。
しかし分離後の常光成分αの強度と異常光成分βの光強
度について何ら説明がない。常光成分αの光強度と異常
光成分βの光強度は光学軸方向と密接な関係にある。第
2プリズム17は偏光方向(x軸)に対して光学軸が4
5度回転していることが記載されているが、これだけで
は分離される常光成分αの強度と異常光成分βの光強度
を等しくすることができない場合がある。
【0007】例えば、第2プリズム17をニオブ酸リチ
ウムより形成したとする。ニオブ酸リチウムは常光の屈
折率と異常光の屈折率の差が大きいため、α方向とβ方
向とに常光成分αと異常光成分βとを分離したときの分
離角を大きくすることをできる。しかしニオブ酸リチウ
ムの屈折率があまりに大きいため、第1プリズム16と
第2プリズム17の接合部で大きな屈折が起こり、α方
向およびβ方向が戻り光の光軸に対して0度ではなくな
り、光学軸の方向が、常光成分αまたは異常光成分βに
対して45度方向に見えなくなる。
【0008】簡単なため第1プリズム16と第2プリズ
ム17の接合部に偏光膜が無いものと仮定して、第1プ
リズム16を屈折率が1.51のガラスとし第2プリズ
ム17を常光の屈折率が2.286で異常光の屈折率が
2.2のニオブ酸リチウムとしたとき、x方向に偏光し
た戻り光が常光成分αと異常光成分βとに分離されたと
きのそれぞれの強度を求めると、戻り光の強度を1とし
たとき、常光成分αの強度は0.40、異常光成分の強
度は0.51となる。
【0009】このような常光成分αと異常光成分βの光
強度の差は、再生信号の振幅を低下させるといった不具
合を生じさせる。また、第1プリズム16と第2プリズ
ム17の接合部における偏光膜15の特性についても、
P波成分とS波成分との位相差εについて何ら説明がな
い。もし、P波成分とS波成分との位相差εが大きい
と、P波成分から分離された常光成分(異常光成分)と
S波成分から分離された常光成分(異常光成分)との位
相が合わず、常光成分αと異常光成分βの強度差より得
られる再生信号の振幅はcos εに比例して低下する
という欠点がある。
【0010】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、光磁気記録媒体に対し情報の再生及び記録のうち少
なくとも一方を行う光磁気記録再生装置などに用いら
れ、再生信号の振幅を低下させることのない光ヘッドを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
させるために、1.光源と、光源からの光束を光磁気記
録媒体に対し集光照射させる光学系と、前記光磁気記録
媒体からの戻り光が入射され、該戻り光を内部で常光束
および異常光束に分離する検光子と、前記検光子によっ
て分離された前記2光束をそれぞれ受光する光検出器と
を有する光ヘッドにおいて、前記検光子は一軸性複屈折
を有する光学部材より形成され、前記検光子の前記戻り
光が入射される平面をxy平面とし、該平面の法線方向
をz軸とし、前記戻り光の光軸がzx平面内を進行し、
かつ前記戻り光の光軸の進行方向のx成分とz成分が共
に正となる直交座標系xyzを定義し、θを前記戻り光
の光軸とz軸との成す角、δを44度乃至46度または
−44度乃至−46度の範囲の定数、α及びβを平面を
表わす互いに独立な変数としたとき、前記検光子の光学
軸を、
【0012】
【数2】
【0013】で表わされる平面Aと平行な面内に存在さ
せた。 2.前記第1項記載の光ヘッドにおいて、前記検光子の
光学軸は前記異常光束の光軸の光線の波面法線と直交さ
せた。 3.前記第1項または2項記載の光ヘッドにおいて、前
記検光子の前記反射光束を入射させる平面に、前記平面
に入射させる反射光束のP偏光成分及びS偏光成分の位
相差が−60度乃至60度以内とさせる特性を有する偏
光膜を形成した。
【0014】
【作用】前記第1項及び第2項について図2を用いて説
明する。7aは光磁気ディスクにより元の偏光方向に対
して偏光方向がカー回転角だけ回転された光束(光軸
I)が斜めに入射する検光子7の平面である。検光子7
の平面7aと等方性プリズム6の平面6aとは、例えば
光学コンタクトで接合されている。
【0015】光軸Iの光束は、元の偏光方向がP偏光ま
たはS偏光となるように平面7aに入射し平面7aを透
過して、検光子7内部で常光束と異常光束とに分離され
る。なお、検光子7が正の一軸性複屈折を有する光学部
材よりなる場合と、負の一軸性複屈折を有する光学部材
よりなる場合とで、図中光軸OとEで表わされる2つの
光束のうちどちらが常光束で、どちらが異常光束かが特
定できないが、以降の説明において、この不特定性のた
めに混乱が生じることは無いため、光軸Oで表わされる
光束を常光束とし、光軸Eで表わされる光束を異常光束
とする。このとき光軸Iの方向と光軸Oまたは光軸Eと
の方向が成す角度は0度ではないものとする。
【0016】平面7aをxy平面とし、平面7aの法線
方向をz軸方向とする直交座標系xyzを定義する。さ
らに、光軸Iがzx平面内で、かつ、光軸Iの光線の進
行方向のx成分とz成分が共に正となるようにする。検
光子7の常光の屈折率をn1、等方性プリズム6の屈折
率をn0、光軸Iの平面7aへの入射角をφ、常光束の
光軸Oとz軸とのなす角をθとすると、スネルの法則よ
【0017】
【数3】
【0018】が成り立つ。上式より求まる角度θを用い
て次式で表わす平面Aを(1)式で定義する。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、δは44度乃至46度または−4
4度乃至−46度の範囲内の定数で、αとβは平面を表
わす互いに独立な変数である。座標系xyzをy軸まわ
りに角度θだけ回転させた座標系x´y´z´を考え、
x´y´z´座標系において平面Aは、
【0021】
【数5】
【0022】と表わせる。このことにより、z´軸方向
から平面Aを見たとき、平面Aはx´軸から角度δだけ
傾いた直線に見える。一方、z´軸方向から見たとき、
x軸方向とy軸方向はそのままそれぞれx´軸方向とy
´軸方向に見える。したがって、検光子7の光学軸が平
面Aに平行であれば、光軸Iの光束がP偏光またはS偏
光で入射したとき、光軸Oの方向(z´軸方向)から見
て、偏光方向と光学軸方向とがなす角度はδまたは90
度−δに見える。δは44度乃至46度または−44度
乃至−46度の範囲内の定数であるから、分離される光
軸Oの常光束と光軸Eの異常光束の強度はほぼ等しく分
離される。その結果、常光束と異常光束との強度の差よ
り得られる再生信号の振幅の低下が生じない。
【0023】前記第3項については図6を用いて説明す
る。検光子7の平面7aに偏光膜11を設ける。この偏
光膜11のP偏光の透過率をp、S偏光の透過率をsと
する。尚、この偏光膜11は入射してきた光束のP偏光
成分とS偏光成分の位相差を−60度乃至60度以内に
する特性を有している。光磁気ディスクにより元の偏光
方向に対して偏光方向がカー回転角θkだけ回転された
光軸Iなる光束が検光子7に入射して、常光束と異常光
束に分離され、それらの光強度の差により再生信号が得
られる。このとき平面7aに入射するP偏光とS偏光の
位相差をεとすると、得られる再生信号は、
【0024】
【数6】
【0025】に比例する。すなわち、εが−60度乃至
60度以内であれば再生信号の低下を1/2以下に押さ
えることができる。ただし、位相差は−180度乃至+
180度の範囲で定義するものにする。
【0026】
【実施例】図1乃至図2は本発明の第1実施例を示すも
のである。図1は光ヘッドの概略を示すものである。光
ヘッドは光源としての半導体レーザ1、半導体レーザ1
からの発散光を平行光にするコリメータレンズ2、光磁
気ディスクDの記録面上に光スポットを形成させる対物
レンズ3、偏光膜4が形成され光磁気ディスクからの戻
り光の光路を変更させるビームスプリッタ5、ビームス
プリッタ5から出射された戻り光が導かれる集光レンズ
10、集光レンズ10によって集光された戻り光が入射
する等方性光学部材からなる等方性プリズム6、等方性
プリズム6に接合され戻り光を常光および異常光に分離
させる一軸性複屈折を有するニオブ酸リチウムから成る
プリズム(以下、検光子と呼ぶ)7、検光子7から出射
される常光および異常光の2つの光束を受光する光検出
器8および9を有する。
【0027】さらに光ヘッド100について詳細に説明
をすると、半導体レーザ1からの発散光はビームスプリ
ッタ5に入射し、偏光膜4に入射する。この偏光膜4は
S偏光成分の反射率が80%以上、P偏光成分の透過率
が50%以上の特性を有している。本実施例では半導体
レーザ1からの出射光をP偏光でもってビームスプリッ
タ5に入射させているので、その50%以上が偏光膜4
で透過される。ビームスプリッタ5で出射された光束は
対物レンズ3に入射され、光磁気ディスクDにスポット
を照射させる。
【0028】ここで、光磁気ディスクDには情報が磁化
の方向として記録されているので、光磁気ディスクDで
反射される戻り光の偏光方向は、磁化の方向に応じて反
対方向にわずかに回転したものとなる。したがって、再
び偏光膜4に入射する戻り光はS偏光成分を含むことに
なる。この光磁気ディスクDからの戻り光は、偏光膜4
の作用により、P偏光成分の50%未満、及びS偏光成
分の80%以上が偏光膜4を反射して、集光レンズ10
に入射する。集光レンズによって集光された戻り光は等
方性プリズム6及び検光子7に入射し、検光子7の一軸
性複屈折結晶の作用により常光と異常光とに分離され
る。常光及び異常光はそれぞれ光検出器8及び9上にス
ポットとして集光される。そして光検出器8の受光領域
からの出力と光検出器9の受光領域からの出力の差分を
とることで再生信号が得られる。
【0029】次に図2を用いて等方性プリズム6と検光
子7とについて説明する。なお説明の便宜上、図2は図
1の状態から等方性プリズム6と検光子7を時計まわり
に約135度回動させている。7aは光磁気ディスクD
により元の偏光方向に対して偏光方向がカー回転角だけ
回転された戻り光の光束(光軸をIとする)が斜めに入
射する面である。検光子7の平面7aと等方性プリズム
の平面6aとは、光学コンタクトで接合されている。
【0030】検光子7は一軸性複屈折を有する光学部材
であるニオブ酸リチウムより形成されている。ニオブ酸
リチウムの常光の屈折率は2.286、異常光の屈折率
は2.2である。等方性プリズム6は屈折率1.51の
ガラスより形成させている。光軸Iの平面7aへの入射
角φを45度、δを45度とし、(1)式で表わされる
平面Aに平行で光軸Iに垂直になるように光学軸を設定
する。この方向は、
【0031】
【数7】
【0032】となる。ただし、θは(2)式より27.
8445度、αは0でない変数である。 光軸Iの光束
が、元の偏光方向がP偏光になるように平面7aに入射
したとき、光軸Iの光束の光強度を1とすると、光軸O
の光束の光強度は0.492、光軸Eの光束の光強度は
0.499となり、ほぼ等分に分離される。また、S偏
光成分の反射率50%以上、P偏光成分の透過率が80
%以上の特性を有する偏光膜4´にS偏光でもって出射
する半導体レーザ1を備える図3に示す光学ヘッド10
1を用いた場合、光軸Iの光束が、元の偏光方向がS偏
光となるように平面7aに入射したとき、光軸Iの光束
の光強度を1とすると、光軸Oの光束の光強度は0.4
55、光軸Eの光束の光強度は0.456となり、やは
りほぼ等分に分離される。
【0033】したがって、本実施例の光ヘッド用検光子
によれば常光束と異常光束との光強度の差がなくなるの
で、カー効果によって偏光方向が回転された戻り光がこ
の光ヘッド用検光子で常光束と異常光束に分離される
と、再生信号の振幅は最大となり、再生信号の振幅を低
下させることはない。次に本発明の第2実施例を図4を
参照して説明する。本実施例は、第1実施例の変形例で
あり、入射角φを45度、δを45度とし、検光子7の
光学軸を(1)式で表わされる平面Aに平行で、かつ、
光軸Eの光線の波面法線と直交するように設定した。
【0034】ニオブ酸リチウムで形成された検光子7の
異常光の屈折率n2=2.2を用いて、波面法線とz軸
との成す角ψは、
【0035】
【数8】
【0036】より求まり、かつ波面法線はzx平面内に
ある。光学軸を上記した通り設定した場合、光軸Iの光
束が元の偏光方向がS偏光となるように平面7aに入射
したとき、光軸Iの光束の光強度を1とすると、光軸O
の光束の光強度は0.455、光軸Eの光束の光強度は
0.456となり、ほぼ等分に分離される。また、光軸
Iの光束が、元の偏光方向がP偏光となるように平面7
aに入射したとき、光軸Iの光束の光強度を1とする
と、光軸Oの光束の光強度は0.492、光軸Eの光束
の光強度は0.500となり、やはりほぼ等分に分離さ
れる。
【0037】したがって本実施例の光ヘッド用検光子を
用いることで、常光束と異常光束との光強度の差を極め
て小さくすることができるので、光磁気ディスクからの
情報信号成分が重畳された戻り光が該光ヘッドに入射さ
れた場合には、再生信号の振幅を最大となりその振幅を
低下させることがない。また、光学軸の方向と光軸Eの
光線の波面法線の方向が直交するので、光軸Eの光線の
屈折率は、ニオブ酸リチウムの異常光の屈折率n2=
2.2に等しくなり、常光の屈折率との差が最大にな
り、光軸Oの方向と光軸Eの方向との成す角を大きくで
き、常光束と異常光束を確実に分離できる利点がある。
【0038】次に第3実施例を図2を参照して説明す
る。本実施例では一軸性複屈折を有する光学部材である
ルチルを用いて検光子を形成している。ルチルの常光の
屈折率は2.616、異常光の屈折率は2.903であ
る。
【0039】第1実施例と同様、光軸Iの平面7aへの
入射角φを45度、δを45度とし、(1)式で表わさ
れる平面Aに平行で、光軸Iに垂直になるように検光子
7の光学軸を設定する。このとき、光軸Iの光束が、元
の偏光方向がS偏光となるように平面7aに入射したと
き、光軸Iの光束の光強度を1とすると、光軸Oの光束
の光強度は0.419、光軸Eの光束の光強度は0.4
16となり、ほぼ等分に分離される。
【0040】なお、ルチルの場合、常光の屈折率と異常
光の屈折率の差が大きいので、光軸Iの光束が、元の偏
光方向がP偏光となるように平面7aに入射する場合
は、δの値を45度から補正する必要がある。光軸Iの
平面7aへの入射角φを45度、δを45.5度とし、
(1)式で表わされる平面Aに平行で、光軸Iに垂直に
なるように検光子7aの光学軸を設定する。このとき、
光学軸Iの光束が、元の偏光方向がP偏光となるように
平面7aに入射したとき、光軸Iの光束の光強度を1と
すると、光軸Oの光束の光強度は0.490、光軸Eの
光束の光強度は0.485となり、ほぼ等分に分離され
る。
【0041】よってルチルで形成した検光子を光ヘッド
に用いても、第1実施例および第2実施例と同様に、常
光と異常光を確実に、それもそれぞれの光強度をほぼ等
分に分離させることができるので、再生信号の振幅を低
下させることがない。次に第4実施例を図2を参照して
説明する。本実施例では検光子7をルチルで形成し、検
光子7の光学軸を(1)式で表わされる平面Aに平行
で、かつ、平面7aに平行になるように光学軸を設定す
る。
【0042】光軸Iの平面7aへの入射角φを45度、
δを45.2度とし、光軸Iの光束が元の偏光方向がS
偏光となるように平面7aに入射したとき、光軸Iの光
束の光強度を1とすると、光軸Oの光束の光強度は0.
418、光軸Eの光束の光強度は0.416となり、ほ
ぼ等分に分離される。また、光軸Iの平面7aへの入射
角φを45度、δを44.5度とし、光軸Iの光束が元
の偏光方向がP偏光となるように平面1aに入射したと
き、光軸Iの光束の光強度を1とすると、光軸Oの光束
の光強度は0.487、光軸Eの光束の光強度は0.4
82となり、やはりほぼ等分に分離される。
【0043】したがって第4実施例においても、常光束
と異常光束との強度との差により得られる再生信号の振
幅が低下することのない、光ヘッド用検光子が可能とな
る。なお、第1実施例乃至第4実施例では等方性プリズ
ム6を光学系の一部として用いていたが、等方性プリズ
ム6を光学系から省いてもよい。その場合には等方性プ
リズム6の屈折率の代わりに空気の屈折率を用いて
(2)式から角度θを求めることになる。
【0044】次に本発明の第5実施例を図5を参照して
説明する。本実施例の光学系は等方性プリズムが除かれ
た構成となっている。検光子7は一軸性複屈折を有する
光学部材である水晶で形成されている。水晶の常光の屈
折率は1.54、異常光の屈折率は1.55である。光
軸Iの平面7aへの入射角φを45度、δを45度と
し、検光子7の光学軸は、(1)式で表わされる平面A
に平行で、光軸Iに垂直になるように設定されている。
【0045】光軸Iの光束が、元の偏光方向がS偏光と
なるように検光子7の平面7aに入射したとき、光軸I
の光束の光強度を1とすると、光軸Oの光束の光強度は
0.449、光軸Eの光束の光強度は0.449とな
り、ほぼ等分に分離される。光軸Iの光束が、元の偏光
方向がP偏光となるように検光子7の平面7aに入射し
たとき、光軸Iの光束の光強度を1とすると、光軸Oの
光束の強度は0.495、光軸Eの光束の光強度は0.
494となり、ほぼ等分に分離される。
【0046】本実施例では第1実施例乃至第4実施例と
異なり等方性プリズムを省略したが、屈折率がガラスの
屈折率に近い一軸性複屈折を有する光学部材である水晶
で検光子を形成し、光ヘッドにその検光子を用いると、
第1実施例乃至第4実施例と同様に常光束と異常光束と
の光強度の差を小さくすることができ、再生信号の振幅
を低下させることがない。
【0047】なお、第1実施例乃至第5実施例での光軸
Iなる光束の入射角φは45度に限定されるものではな
い。また、検光子7の形状は二等辺三角形プリズムであ
る必要はなく、多角形や平板、楔型でもよい。更に、δ
の値は−44度乃至−46度の範囲で設定してもよい。
【0048】次に第6実施例を図6を用いて説明する。
検光子7は一軸性複屈折を有する光学部材である水晶よ
り形成されている。水晶の常光の屈折率は1.54、異
常光の屈折率は1.55である。尚、検光子7の光学軸
の方向は第5実施例と同じ方向とする。検光子7の平面
7aには偏光膜11が形成されている。光磁気ディスク
で反射し、元の偏光方向に対して偏光方向がカー回転角
だけ回転された光束は、偏光膜11を透過して検光子7
の平面7aにある入射角をもって入射される。
【0049】本実施例で用いる偏光膜11は屈折率1.
46のSiO2 と屈折率2.25のTiO2 を交互に積
層することで形成されている。具体的には空気側から2
44nm、101nm、183nm、304nm、19
6nm、117nm、188nm、107nm、166
nm、92nm、140nm、75nm、113nm、
242nm、109nm、73nm、134nm、25
8nm、135nmの厚さでSiO2 とTiO2 を交互
に積層されている。偏光膜11はそれ自体単独では機能
することはなく、空気と水晶で挟まれた状態でその特性
を発揮する。空気の屈折率を1.0とし、水晶の屈折率
1.54のガラスと見做したとき、波長780nmの光
軸Iなる光束を偏光膜11に入射角φ=45度で入射さ
せると、P偏光成分は99.66%透過し、S偏光成分
は30.52%透過する。
【0050】またこの偏光膜11は透過したP偏光成分
とS偏光成分との位相差を−60度乃至60度以内にす
る特性を有しており、本実施例では偏光膜11を透過し
たP偏光成分とS偏光成分の位相差は−0.93度とな
った。上記した偏光膜11が施された検光子7に光軸I
の光束が元の偏光方向がS偏光となるように平面7aに
入射したとき、光軸Iの光束の光強度を1とすると、分
離される光軸Oの光線の強度は0.1677、光軸Eの
光束の光強度は0.1677となり、ほぼ等分となる。
例えばカー回転角を1度と仮定したとき、偏光方向が+
1度回転した光軸Iの光束は、光強度0.1779の光
軸Oの光束と、光強度0.1577の光軸Eの光束とに
分離される。また偏光方向が−1度回転した光軸Iの光
束は光強度0.1577の光軸Oの光束と、光強度0.
1779の光軸Eの光束に分離される。偏光方向がカー
回転角だけ回転したときの光軸Oの光束の光強度と光軸
Eの光束の光強度との差は、
【0051】
【数9】
【0052】となる。一方、偏光膜11の特性はp(P
偏光透過率)、s(S偏光透過率)、ε(偏光膜11透
過後のP偏光成分およびS偏光成分の位相差)、θk
(カー回転角)とすると、p=0.9966、s=0.
3052、ε=−0.93度、θk=1度、であるの
で、(4)式を用いると、
【0053】
【数10】
【0054】となり、(7)と(8)はほぼ一致する。
すなわち、検光子7の平面7aに入射するP偏光成分と
S偏光成分の位相差が偏光膜11でもって小さくされて
いるので、再生信号の振幅の低下を小さくできる。尚、
偏光膜11に入射するときの戻り光のP偏光成分とS偏
光成分との位相差は何度であってもよい。
【0055】よって本実施例の偏光膜を施した検光子を
光ヘッドに用いれば、再生信号の振幅を低下させること
がない。また、偏光膜11をガラスと一軸性複屈折を有
する光学部材とで挟んで構成してもよい。また更に、本
実施例では光軸Iの光束の波長を780nmで説明した
が、波長を変更してもそれに伴い偏光膜の構成を変更さ
せることで同様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1及び2記載
の光ヘッドによれば、元の偏光方向の光を検光子でもっ
て常光と異常光にほぼ等しく分離できるので、カー効果
によって偏光方向が回転された戻り光を検光子にて常光
と異常光に分離したとき、その光強度の差が最大とな
り、再生信号の振幅を低下させることがない。
【0057】また請求項3記載の光ヘッドによれば、入
射してくる光束のP偏光成分とS偏光成分の位相差を−
60度乃至60度の範囲に抑える特性を有する偏光膜を
検光子に設け、検光子にP偏光成分とS偏光成分との位
相差が小さい光を入射させることで、再生信号の振幅を
低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ヘッドの光学系の概略を示す図で
ある。
【図2】 本発明の第1実施例における光ヘッドの等方
性プリズム及び検光子を示す図である。
【図3】 本発明の他の光ヘッドの光学系の概略を示す
図である。
【図4】 本発明の第2実施例における光ヘッドの等方
性プリズム及び検光子を示す図である。
【図5】 本発明の第5実施例における光ヘッドの検光
子を示す図である。
【図6】 本発明の第6実施例における光ヘッドの検光
子及び偏光膜を示す図である。
【図7】 従来の光ヘッドの光学系の概略を示す図であ
る。
【図8】 従来の第2プリズムの右側面図を示す図であ
る。
【図9】 従来の受光部の構造を示す側面図である。
【図10】 (a)及び(b)は図6に示す光ヘッドの
各部における戻り光の偏光状態を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 3 対物レンズ 4 偏光膜 5 ビームスプリッタ 6 等方性プリズム 7 検光子 8,9 受光素子 100,101 光学ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−334760(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/10 - 11/105 G11B 7/12 - 7/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、光源からの光束を光磁気記録媒
    体に対し集光照射させる光学系と、前記光磁気記録媒体
    からの戻り光が入射され、該戻り光を内部で常光束およ
    び異常光束に分離する検光子と、前記検光子によって分
    離された前記2光束をそれぞれ受光する光検出器とを有
    する光ヘッドにおいて、前記検光子は一軸性複屈折を有
    する光学部材より形成され、前記検光子の前記戻り光が
    入射される平面をxy平面とし、該平面の法線方向をz
    軸とし、前記戻り光の光軸がzx平面内を進行し、かつ
    前記戻り光の光軸の進行方向のx成分とz成分が共に正
    となる直交座標系xyzを定義し、θを前記戻り光の光
    軸とz軸との成す角、δを44度乃至46度または−4
    4度乃至−46度の範囲の定数、α及びβを平面を表わ
    す互いに独立な変数としたとき、前記検光子の光学軸
    は、 【数1】 で表わされる平面Aと平行な面内にあることを特徴とす
    る光ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ヘッドにおいて、 前記検光子の光学軸は前記異常光束の光軸の光線の波面
    法線と直交することを特徴とする光ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光ヘッドにおい
    て、前記検光子の前記戻り光を入射させる平面に、前記
    平面に入射させる前記戻り光のP偏光成分及びS偏光成
    分の位相差が−60度乃至60度以内とさせる特性を有
    する偏光膜を形成したことを特徴とする光ヘッド。
JP03047395A 1995-02-06 1995-02-20 光ヘッド Expired - Fee Related JP3490527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03047395A JP3490527B2 (ja) 1995-02-06 1995-02-20 光ヘッド

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-17785 1995-02-06
JP1778595 1995-02-06
JP03047395A JP3490527B2 (ja) 1995-02-06 1995-02-20 光ヘッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08279201A JPH08279201A (ja) 1996-10-22
JP3490527B2 true JP3490527B2 (ja) 2004-01-26

Family

ID=26354348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03047395A Expired - Fee Related JP3490527B2 (ja) 1995-02-06 1995-02-20 光ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3490527B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08279201A (ja) 1996-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2798185B2 (ja) 光磁気式情報再生装置用光学ヘッド
JP2982965B2 (ja) 光学式読み取り装置
JPH05109143A (ja) 光学ピツクアツプ装置
JPH07294739A (ja) 偏光分離素子
JP3362912B2 (ja) ビーム整形及びビーム分離装置
JP3490527B2 (ja) 光ヘッド
JP3439903B2 (ja) 光ディスク装置用光学ヘッド
JPH07121923A (ja) 光学式ピックアップヘッド装置
JP2624691B2 (ja) 磁気光学ヘッド
JP2856980B2 (ja) 光ヘッド
JP2888280B2 (ja) 光ヘッド装置
JPH0729233A (ja) 光磁気ヘッド
JPS63181145A (ja) 磁気光学ヘツド
JPH09102148A (ja) 光ヘッド
JP3558963B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2878510B2 (ja) 光ヘッド
JPH07272337A (ja) 光ヘッド
JPH0845127A (ja) 光ヘッド
JPH11250472A (ja) 光学ヘッド
JPH03134838A (ja) 光磁気再生装置用光ヘッド
JPH0855378A (ja) 光ヘッド
JPS62293543A (ja) 光磁気記録装置
JPH05234173A (ja) 光ディスク装置
JPH02118936A (ja) 光磁気記録媒体からの信号検出装置
JPH05151634A (ja) 光磁気記録媒体用光学ヘツド

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031021

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees