JP3105905B2 - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JP3105905B2 JP02185707A JP18570790A JP3105905B2 JP 3105905 B2 JP3105905 B2 JP 3105905B2 JP 02185707 A JP02185707 A JP 02185707A JP 18570790 A JP18570790 A JP 18570790A JP 3105905 B2 JP3105905 B2 JP 3105905B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、パターン形成方法に係り、特にアルミニウ
ム・アルミニウム合金あるいはチタン・チタン化合物の
ドライエッチングにおけるレジストパターンにおけるエ
ッチング耐性の向上と、マスクに忠実なエッチングパタ
ーンの形成に関する。
(従来の技術) 半導体集積化技術の進歩に伴い、素子の微細化は進む
一方であり、パターン寸法の高精度化への要求が高まっ
ている。
一般に、半導体集積回路は、シリコン基板等の半導体
基板上に、所定のパターンの酸化シリコン等の絶縁性薄
膜や、多結晶シリコン・アルミニウム・タングステン等
の導電性薄膜等を積層することによって形成される。
これらの薄膜を所望のパターンに加工するためのリソ
グラフィ技術として、縮小投影方式による光露光技術が
用いられている。
この方式は、レチクルパターンを1/5〜1/10に縮小し
て、ステップアンドリピート法により投影し、感光性ポ
リマーからなるレジストを露光するものである。
この方式ではまず、この薄膜上に感光性のレジストを
塗布した後、光や紫外線を所望のパターンに従って照射
して該レジストを露光し、現像によって露光部又は未露
光部を選択的に除去する。
次に、このレジストパターンをマスクとして下地の薄
膜をエッチング加工した後、レジストを除去するという
方法がとられる。
しかし、半導体素子の集積度の増大に伴い、要求され
るパターンの最小寸法、及び寸法精度は小さくなる一方
であり、近年では、0.5μm程度の微細パターンの加工
が必要となってい このような微細なレジストパターンを用いて下地薄膜
を加工する1つの方法としてプラズマを用いる反応性イ
オンエッチング(RIE)技術が広く用いられている。こ
の方法は、例えば1対の平行平板電極を具備した真空容
器内に被加工膜の堆積された基板を設置し、容器内を真
空に下後、ハロゲン元素を含有する反応性ガスを導入
し、このガスに高周波電力を印加して放電させ、発生し
たプラズマを用いて前記被加工膜をエッチングする方法
である。
このエッチング方法によればプラズマ中の各種の粒子
の内、イオンが電極表面のイオンシースに発生する直流
電場によって加速され大きなエネルギーを持った状態で
被加工膜を衝撃し、イオン促進化学反応を起こす。この
ため、エッチングはイオンの入射方向に進み、アンダー
カットのない方向性エッチングが可能となる。
しかし、このイオン衝撃によってあらゆる材料が励起
または活性化されるため、ラジカルだけを利用するエッ
チングに比べると、物質固有の反応性の差がでにくく、
一般に材料の違いによるエッチング速度の比、すなわち
選択性が得られないという問題がある。
例えば、アルミニウムのエッチングではレジストのエ
ッチング速度が大きいため、パターン変換差が大きく、
高精度にパターンを形成できない、あるいはレジストと
のエッチング選択性が低いために、配線部分がエッチン
グされ、断線が生じる等の問題がある。
この問題を解決するため、多層レジスト法を用い、高
アスペクト比を有するパターンを形成しこれをマスクと
してエッチングする方法が提案されている。
すなわち、多層レジスト法の適用により得られるパタ
ーンは、 光露光リソグラフィ技術による反射波によるパターン
解像性の劣化の防止 ウエハ上に存在する凹凸形状の平坦化 RIEに対するレジストの耐性を高めるという作用を有
することから微細パターンの形成に行こうな手段であ
る。
しかし、高アスペクト比のパターンをマスクとして、
下地層をRIEにより加工する場合、エッチング速度のパ
ターン依存性(マイクロローディング効果)という問題
が生じる。
例えば、“M.Sehine等、Proc.of VLSI symp p6 San D
iego(1986),Proc.of Symp.on Dry Process p42.TOKYO
(1986)”によれば、塩素ガスを用いて単結晶シリコン
をエッチングした場合、アスペクト比が大きくなればな
る程、エッチング速度は低下することが報告されてい
る。
即ち、パターンサイズの大きいパターンではエッチン
グが終了しているにもかかわらず、パターンサイズの小
さいパターンではまだエッチングが終了せず不十分なも
のとなる。
従って、全てのパターンをエッチングし所望の加工を
実現させる為には、パターンサイズの小さいパターンで
の加工が終了するまで、エッチングを進めなければなら
ない。
この場合、パターンサイズの大きいパターンでは、オ
ーバエッチングとなり、被エッチング加工材料のパター
ン形状が劣化し、十分なパターン寸法精度を得ることが
できないという問題がある。
さらに、多層レジストプロセスにおいては薄膜の堆積
回数が増加し、堆積手段によっては下地層に荒れが生じ
たり、ミキシング層が形成されたりするなど、悪影響を
及ぼす可能性が生じる。また、堆積回数の増加分だけ加
工工程が増加する。従ってスループットが低下し、プロ
セスコストが高くなるという欠点がある。
また、上層の加工で生じたパターンの位置ずれ、パタ
ーン形状の変化は、下層レジストへ転写加工する場合は
大きな量となり、極めて高精度な加工、転写技術が必要
となるという欠点がある。
最近、アルミニウムとレジストとのエッチング選択性
を実現することのできる手段として、臭素を含むガスを
用いたエッチング法が報告されている。
例えば、“O.KroghO等、Semiconductor Internationa
l May 1988 P276"によれば、エッチングガスとしてHBr,
BBr3,Br2を含むガスを用いて、AlSiをプラズマエッチン
グし、エッチングガスの組み合わせおよびエッチング条
件の最適化を行うことにより、レジストとAlSiとのエッ
チング選択比は3〜10が実現できることが報告されてい
る。
しかしながら、臭素を含有したエッチングガスを用い
てAlのプラズマエッチングを実行した場合、レジストと
のエッチング選択比は大きく得られるものの、高精度の
垂直エッチングは難しいという問題がある。これは、Al
がエッチャントである塩素原子および分子あるいは臭素
原子および分子と常温で自然に反応し、等方形状になり
やすいためである。
そこで、垂直エッチングを行うためには、レジストの
スパッタ分解物で生じた不飽和種の重合膜AlあるいはAl
合金薄膜の側壁に形成し、この重号保護膜によってアン
ダーカットを抑制する事が可能である。
しかし、臭素を含むプラズマエッチングでは、レジス
トのエッチング速度が低いため、十分に側壁保護膜を堆
積することが困難である。また、塩素を含むプラズマエ
ッチングでは、前述の如くレジストがエッチング耐性に
乏しいという問題が生じる。
また、光露光リソグラフィ技術による解像性の劣化お
よびウエハ表面に平坦化を目的として、多層レジスト法
を用いたAlあるいはAl合金をエッチングする場合、エッ
チングマスクとして作用するのは中間層に用いる酸化シ
リコン膜等の無機薄膜であり、無機薄膜のエッチングで
は不飽和種が生じないため、側壁保護膜を形成する事が
できない。
このため、多層レジスト法を用いてAlあるいはAl合金
薄膜の高精度のパターン形成は、塩素原子あるいは分
子、臭素原子あるいは分子からなるエッチャントを含む
プラズマエッチングでは不可能であった。
(発明が解決しようとする課題) このように従来の単層レジスト工程による場合には、
被処理薄膜のレジストに対するエッチング選択比が小さ
いために、加工中のレジストの膜減りが激しく高精度の
パターンを得ることができないという問題があった。
さらに、レジストの膜減りに備えてレジストの膜厚を
厚くした場合、パターンのアスペクト比が大きくなり、
エッチング速度のパターン依存性が大きくパターン精度
の向上に限界があった。また、パターンの微細化に伴い
光露光技術における焦点深度は浅くなる傾向があり、レ
ジスト膜厚があつくなればなるほど、高精度なレジスト
パターン形状は困難になるという問題があった。
また、この問題を解決するために多層レジスト技術を
用いて垂直加工を実現しようとすると、前述したよう
に、十分に側壁保護膜を形成するためにレジスト分解物
が供給されず、高精度の異方性エッチングを行うことが
できないという問題があった。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、Alある
いはAl合金薄膜、TiあるいはTi合金薄膜のエッチング時
におけるレジスト膜の耐性を向上し、寸法変動が小さ
い、高精度のAlあるいはAl合金薄膜、TiあるいはTi合金
薄膜パターンを提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、 表面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金薄膜、
チタンあるいはチタン合金薄膜の形成された被処理基体
上に酸化シリコン膜または窒化シリコン膜からなるマス
クパターンを形成するマスクパターン形成工程と、ヨウ
素またはヨウ素化合物を含む反応性ガスを放電プラズマ
により励起し、前記被処理基体の温度を100℃以上に設
定した状態で、前記マスクパターンをマスクとして前記
薄膜を選択的にエッチングするエッチング工程とを含む
ことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、 表面にアルミニウムあるいはアルミニウム合金薄膜、
チタンあるいはチタン合金薄膜の形成された被処理基体
上にマスクパターンを形成するマスクパターン形成工程
と、塩素または臭素を含むガスに、ヨウ素またはヨウ素
化合物を添加した反応性ガスを放電プラズマにより励起
し、前記マスクパターンをマスクとして、該マスクパタ
ーン側壁にAlまたはTiのヨウ化物を形成させながらの前
記薄膜を選択的に異方性エッチングするエッチング工程
とを含むことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明に
おいて、 前記マスクパターンとして、酸化シリコン膜または窒
化シリコン膜を用いることを特徴とする。
(作用) 本発明者らは、放電プラズマ中にヨウ素を含むガスを
導入し、Alのエッチング速度を測定した結果、所定の温
度以上でAlはエッチングされるが、有機薄膜自体はほと
んどエッチングされないことが判明した。
さらに、有機薄膜パターンあるいは酸化シリコン膜か
らなるパターンをマスクとしてヨウ素ガスを含む放電プ
ラズマを用いてAlをエッチングしそのパターン形状を調
べた結果アンダーカットがない異方性エッチングパター
ンが得られることが判明した。
そこで、質量分析計を用いてエッチング中のガス分析
を行った結果、Al2I6、AlI3のピークが観察され、Alの
エッチャントがヨウ化物であることが明らかになった。
さらにオージェ分析を用いてエッチング後の有機薄膜パ
ターンおよびAl側壁を分析したところ表面に100Å程度
の膜厚のヨウ化アルミニウム層および酸化アルミニウム
層が形成されていることが明らかになった。
また、有機薄膜パターン上は多量のC−I結合によっ
て覆われていることも判明した。
ところで、ヨウ化物は蒸気圧が低いため、ヨウ素ガス
を用いてAlをエッチングするのは非常に困難であると推
測されており、Alのプラズマエッチングにヨウ素ガス化
学種を用いることはなかった。
本発明者らは、種々の実験の結果、ある温度以上のも
とではAlはヨウ素を含むプラズマによってエッチングさ
れ、そのエッチャントがAlI3であることを知得した。
また、エッチングマスクとして有機薄膜パターンを用
いた場合には、有機薄膜上に揮発性の極めて低いヨウ化
アルミニウム層およびヨウ化炭化水素層が形成され、有
機薄膜はほとんどエッチングされないことが判明した。
さらに、アルミニウムパターン側壁にもヨウ化アルミ
ニウム層が形成されるため、アンダーカットのない異方
性エッチングを実現することができることが明らかにな
った。
ここで、エッチングマスクは有機薄膜パターンに限ら
ず、酸化シリコン膜を用いた場合にもアルミニウムパタ
ーン側壁にヨウ化アルミニウム層が形成されている。
次に、従来用いられてきた塩素ガスプラズマ中にヨウ
素化合物ガスを微量添加してアルミニウムのエッチング
をおこなってみた。その結果、アルミニウム側壁表面に
ヨウ化アルミニウム層が形成されアンダーカットが防止
されることがわかった。また、このときのレジストのエ
ッチングも、、塩素ガスプラズマのみでエッチングした
場合と比較して大幅に抑制されている。
以上の結果、塩素ガス中にヨウ素化合物を添加するこ
とにより、Al側壁にヨウ化アルミニウムの保護膜を作成
するという効果があり、加工形状およびマスクに対する
選択比の改善に有効であることがあきらかとなり、有機
薄膜レジストに対するAlのエッチング選択比を高め微細
パターン加工を高精度に行うことが可能となる。
さらに、側壁のAlとヨウ素ガスとが反応してAl側壁に
安定なヨウ化アルミニウム層の保護膜を形成し、側壁の
Alとエッチングガス中の中性活性種の反応を抑制するた
め、アンダーカットが防止される。
また、ここで形成される保護膜はAlとヨウ素ガスとの
反応で形成されるものであるため、エッチングマスクと
して有機薄膜以外の材料を用いた場合、あるいは多層レ
ジスタ法を用いた場合にも、寸法変換差のない加工が実
現できる。
また、エッチングマスクに対するAlのエッチング選択
比が大きくなることから、マスクの膜厚を薄くすること
が可能となるため、アスペクト比が低減され、エッチン
グ速度のパターンサイズ依存性を小さくすることが可能
となる。
なお、このことはAlおよびAl合金のみならずTiおよび
Ti合金についてもあてはまり、同様の結果を得ることが
できた。
特に、臭素を主成分とする反応性ガスに、ヨウ素ある
いはヨウ素化合物ガスを添加したものを用いるようにす
れば、臭素によってよりレジストとの選択比を大きくす
ることができ、ヨウ素あるいはヨウ素化合物ガスによっ
て側壁に保護膜を形成することができるため、極めて高
精度のパターン形成が可能になる。
また、ヨウ素化合物としては、ヨウ化水素、塩化ヨウ
素、三塩化ヨウ素、臭化ヨウ素、三臭化ヨウ素、三ヨウ
化硼素、ヨウ化メチル、三ヨウ化メチル、ヨウ化シラ
ン、三ヨウ化シラン、四ヨウ化シラン、ヨウ化三塩化シ
ラン、ヨウ化三臭化シラン、二ヨウ化二塩化シラン、二
ヨウ化二臭化シラン、三ヨウ化塩化シラン、三ヨウ化臭
化シランあるいはこれらの混合物を用いるのが望まし
い。
さらに、放電プラズマとしては平行平板電極に高周波
電力を印加することにより得られるマイクロ波あるいは
電子線を印加することによって生成されたものが、均一
な反応を維持することができ良好なパターン形成に望ま
しい。
さらに磁界を用いることにより、選択比をより大きく
することができる。すなわち、磁界をかけることによ
り、レジストのエッチング速度は低下する一方、アルミ
ニウムのエッチング速度は増大する。これは磁場強度の
増加と共に、イオン密度が増加し、アルミニウムのエッ
チャントであるヨウ素イオンの量が増大するためにアル
ミニウムのエッチング速度が増加するものと考えられ
る。一方、磁場強度の増加と共に直流電圧(Vdc)は低
下し、入射するイオンエネルギーが低くなり、レジスト
のスパッタエッチング効果が抑制されるため、レジスト
のエッチング速度は低下するものと考えられる。
また、放電プラズマは1×10-2Torr以下の高真空で維
持するようにするのが、放電プラズマによって生成され
るイオンの平均自由工程を大きくし、垂直エッチングに
より有効となる。
さらに、従来の方法ではマスク材料として有機膜を用
いた場合にしか、側壁保護膜を形成することができず垂
直エッチングを行うことができなかったのに対し、本発
明は、マスク材料に依存することなく、AlまたはTiとヨ
ウ素との反応によって生じる化合物が側壁保護膜として
作用し、垂直エッチングを良好に行うことが可能とな
る。したがって、本発明は特にマスク材料として、酸化
シリコン膜、窒化シリコン膜などの無機膜を用いた場合
に、有効である。
(実施例) 以下本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に
説明する。
実施例1 第1図は、本発明の方法に用いられるドライエッチン
グ装置の概略構成図である。
このドライエッチング装置は、エッチング室10と、搬
入用予備室20と、搬出用予備室30とから構成され、エッ
チング室10と、搬入用予備室20および搬出用予備室30と
の間はそれぞれゲートバルブ21および31により仕切ら
れ、エッチング室を真空に保持したまま、それぞれ搬入
用予備室20および搬出用予備室30に配設されたゲートバ
ルブ22および32から被処理基体を搬入および搬出するこ
とができ、大気中の水分や酸素等の悪影響を避けること
ができるようになっている。23および33は基板載置台で
ある。
また、エッチング室10は、真空容器10a内に配設さ
れ、被処理基板11を載置するための第1の電極12と、こ
の第1の電極12に13.56MHzの高周波電圧を印加すべくブ
ロッキングキャパシタ13を介して接続された高周波電源
14と、第1の電極12を冷却するための冷却管15とを具備
し、塩素ガス供給ライン18aと、塩化硼素供給ライン18b
と、ヨウ化水素ガス供給ライン18cと、ヨウ素ガス供給
ライン18dとから、真空容器10a内に塩素、塩化硼素、ヨ
ウ化水素およびヨウ素を導入しつつ、この第1の電極12
と第2の電極を兼ねた真空容器10aの内壁との間に高周
波電圧が印加されるようになっている。ここで真空容器
10aはアースに接続されている。
この塩素ガス供給ライン18a、塩化硼素供給ライン18
b、ヨウ化水素ガス供給ライン18cおよびヨウ素ガス供給
ライン18dは、それぞれバルブa〜dと、流量調整器19a
〜19dを具備し、流量およびガス圧を所望の地に調整で
きるようになっている。
さらに、第2の電極10aの後方には、永久磁石16が設
置され、モータにより回転軸17のまわりで偏心回転せし
められ、この永久磁石16の発する100〜500ガウスの磁界
により10-3Torr台またはそれ以下の高真空でも高密度プ
ラズマを発生維持することが可能となるように構成され
ている。
次に、このドライエッチング装置を用いたエッチング
方法について説明する。
まず、第2図(a)に示すように、シリコン基板41表
面に膜厚0.8μmのアルミニウム薄膜42を堆積し、この
上層に、有機質薄膜として、東京応化製OFPR−5000と指
称されているフォトレジスト43を塗布、130℃10分間の
ベーキング処理を行なった後、パターニングする。
このようにして形成されたシリコン基板を試料として
上記エッチング装置を用いて、第2図(b)に示すよう
にエッチングを行い、エッチング速度およびエッチング
形状を測定した。
ここで、エッチングガスはHIとBCl3の混合ガス(総流
量100sccm:BCl3のHIに対する混合比(BCl3/HI)=1
%)、圧力は20Paとし、陰極上に載置される基板にはRF
電力を1W/cm2印加するようにした。このとき、基板温度
は190℃、ウェハ上での磁場強度は150ガウスとなるよう
にした。
このとき、Alが約0.5μm/分の速度でエッチングされ
たのに対し、レジストパターンのエッチング速度は0.02
μm/分であり、Alとレジストの選択比は約25である。比
較のために従来のCl2とBCl3の混合ガスを用いたエッチ
ングにおけるエッチング速度を測定した結果、選択比は
1.5程度であった。
この結果からも、本発明の方法によればヨウ素の添加
によりエッチング選択比が大幅に向上していることが分
かる。
また、アルミニウムパターンもパターンサイズ0.8μm
L/Sが断面垂直形状をなしている。
このようなヨウ素ガスを含有したプラズマエッチング
特性を調べるために、基板温度および磁場強度を変化さ
せて同様の測定を行った。
すなわち、前記試料と同様に、シリコン基板表面に、
有機質薄膜として、東京応化製OFPR−5000と指称されて
いるフォトレジストを塗布、130℃10分間のベーキング
処理を行なった後、上記装置を用いて、基板温度30〜25
0℃、磁場強度0〜200ガウスまで変化させ、同様のエッ
チング条件で80秒のエッチング処理を行いエッチング速
度を測定した。
第3図は、基板温度を変化させたときのAl層およびレ
ジスト層のエッチング速度と基板温度との関係を測定し
た結果を示す図である。
この図からも明らかなように、約120℃程度よりアル
ミニウム膜のエッチング速度は低下するものの、レジス
トのエッチング速度が大幅に低下するため、高いエッチ
ング選択比を得ることができた。また、200℃以上とし
たとき、レジストパターンの熱による劣化のために高精
度のパターン形成は得られなかったが、レジストパター
ンの熱による劣化の生じない温度範囲では、断面垂直形
状あるいは順テーパ形状のエッチングが可能となる。
さらに、基板温度を100℃より下げていくに従って、
アルミニウムのエッチング断面形状が順テーパ状に変化
することが判明した。従って、基板温度を変化させるこ
とにより、エッチング形状を制御する事が可能となる。
また、レジストパターンのエッチング速度が低下する
ため、膜減りを防止し、高精度のパターン形成を行うこ
とが可能となる。
第4図は、磁場強度を変化させ、エッチング速度を測
定した結果を示す図である。
この図からも明らかなように、磁場強度を変化させる
に従い、レジストのエッチング速度は低下する一方、ア
ルミニウムのエッチング速度は増大する事があきらかに
なった。これは磁場強度の増加と共に、イオン密度が増
加し、アルミニウムのエッチャントであるヨウ素イオン
の量が増大するためにアルミニウムのエッチング速度が
増加するものと考えられる。一方、磁場強度の増加と共
に直流電圧(Vdc)は低下し、入射するイオンエネルギ
ーが低くなり、レジストのスパッタエッチング効果が抑
制されるため、レジストのエッチング速度は低下するも
のと考えられる。
このようにして、臭化水素ガスを用いたプラズマエッ
チングにより、アルミニウム薄膜をレジスト膜に対して
高いエッチング選択比をもって高精度にエッチングする
ことができる。
実施例2 次に、本発明の第2の実施例として、多層レジスト法
を用いたアルミニウム−シリコン(Al−Si)パターンの
形成方法について説明する。
第5図は、本発明の第2の実施例に係るパターン形成
工程を示す断面図である。
まず、第5図(a)に示す如く、被エッチング試料と
して、シリコン基板51上にSiO2膜52を介して膜厚0.8μ
mのAl−Si(1%)膜53をスパッタ法により堆積したも
のを用意する。(ここでは、表面に段差をもつものとす
る。)そして、このAl−Si合金膜53上に平坦化層54とし
て膜厚約2.0μmのノボラック樹脂からなる有機質薄膜
を回転塗布法により塗布して表面を平坦化したのち、中
間層55としてスピンオングラス(SOG)を塗布する。さ
らにその上層に膜厚1.5μmのフォトレジスト(OFPR−5
000)を回転塗布法により堆積し、130℃10分のベーキン
グを行い、通常の光リソグラィによるパターニングを行
い、フォトレジスト56のパターンを形成した。
ついで、第5図(b)に示す如く、CF4ガスを用いたR
IEにより中間層55を加工する。
さらにこれをマスクとしてO2ガスを用いたRIEにより
平坦化層54をパターニングする(第5図(c))。この
工程でフォトレジスト56のパターンが除去され、このよ
うにして形成されたマスクは平坦化層54の上に中間層55
としてのSOGがのった2層構造となっている。
次に第5図(d)に示す如く、前記エッチング装置を
用い、1%のヨウ化水素を添加してなる塩素ガス(流量
100sccm)をエッチングガスとして用い、圧力3Pa、RF電
力密度1W/cm2、基板温度8000Åで、このパターン54,55
をマスクとして、Al−Si合金膜53を、100秒間(70秒+5
0%のオーバーエッチング)エッチングする。
このようにして、えぐれもなく所望のパターンが精度
良く得られた。
ところで、中間層として用いたSOGはO−S−Oを主
鎖とするシリコーンを主成分としているため、分解物が
発生し難く、側壁保護膜を形成しない。このため、塩素
ガスのみを用いて他の条件はまったく同様にしてエッチ
ングを行うと第6図に示すようなえぐれが生じる。
これらの比較からも、本発明の方法によれば、極めて
容易に高精度のパターン形成が可能となることがわか
る。
なお、ヨウ化水素ガス濃度を0.1〜10%の範囲で変化
させ加工形状を観察したところ、0.1〜3%の範囲では
形状、エッチング速度共にほとんど変化はみられなかっ
た。これに対し、3%を越えると、急速にエッチング速
度が低下し、特に斑点状にエッチングされない部分が残
る事が分かった。
これは、Alのヨウ化物が生成され、容易に除去されな
いためと考えられる。しかし、このエッチング速度の低
下および斑点状に発生するエッチングされない部分は、
基板温度を上昇させてエッチングを行うことにより改善
されることが判明した。
このようにして、塩素に微量のヨウ化水素を添加する
ことにより、Al−Si合金膜を寸法変換差なく選択エッチ
ングすることが可能となる。
しかも、この方法ではマスク材料として有機物を放出
しないSOG膜を用いることができるため、多層レジスト
プロセスにも適用でき、その有効性は極めて高いもので
ある。
なお、高アスペクト比のレジストパターンを形成する
為に3層レジスト法を用いたが、2層レジスト法及び単
層レジストを用いてもよい。
エッチング加工物としてAl膜およびAl−Si合金膜を用
いたが、この他TiおよびTi合金膜の加工にも適用可能で
ある。
実施例3 次に、本発明の第3の実施例としてTi膜のエッチング
方法について説明する。
まず、第7図(a)に示すように、シリコン基板61表
面に膜厚1μmのチタン薄膜62を堆積し、この上層に、
有機質薄膜として、東京応化製OFPR−5000と指称されて
いるフォトレジスト63を塗布、130℃10分間のベーキン
グ処理を行なった後、パターニングする。
このようにして形成されたシリコン基板を試料として
実施例1で用いたのと同様のエッチング装置を用いて、
第7図(b)に示すようにエッチングを行い、エッチン
グ速度およびエッチング形状を測定した。
ここで、エッチングガスはHIとBCl3の混合ガス(総流
量100sccm:BCl3のHIに対する混合比(BCl3/HI)=1
%)、圧力は20Paとし、陰極上に載置される基板にはRF
電力を1W/cm2印加するようにした。このとき、基板温度
は190℃、ウェハ上での磁場強度は150ガウスとなるよう
にした。
このとき、Tiが約0.12μm/分の速度でエッチングされ
たのに対し、レジストパターンのエッチング速度は0.05
μm/分であり、Tiとレジストの選択比は約20である。比
較のために従来のCl2とBCl3の混合ガスを用いたエッチ
ングにおけるエッチング速度を測定した結果、選択比は
1.5程度であった。
この結果からも、本発明の方法によればヨウ素の添加
によりエッチング選択比が大幅に向上していることが分
かる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形し
て実施することができる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明の方法によれば、Alある
いはAl合金薄膜、TiあるいはTi合金薄膜のプラズマエッ
チングに際し、ヨウ素、ヨウ素化合物ガスを含む反応性
ガスをエッチングガスとして用いるようにしているた
め、寸法変動を抑制し高精度のパターン形成を行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に用いられるエッチング装置を示
す図、第2図(a)および第2図(b)は本発明の第1
の実施例のパターン形成工程を示す図、第3図は本発明
の第1の実施例のパターン形成工程における基板温度と
エッチング速度との関係を示す図、第4図は本発明の第
1の実施例のパターン形成工程における磁場強度とエッ
チング速度との関係を示す図、第5図(a)乃至第5図
(d)は本発明の第2の実施例のパターン形成工程を示
す図、第6図は従来例の方法でエッチングを行った結果
を示す比較図、第7図(a)および第7図(b)は本発
明の第3の実施例のパターン形成工程を示す図である。 10……エッチング室、10a……真空容器、20……搬入用
予備室、3……搬出用予備室、21,22,31,32……ゲート
バルブ、33……基板載置台、11……被処理基板、12……
第1の電極、13……ブロッキングダイオード、14……高
周波電源、15……冷却管、16……永久磁石、17……回転
軸、18a……塩素ガス供給ライン、18b……塩化硼素供給
ライン、18c……ヨウ化水素ガス供給ライン、18d……ヨ
ウ素ガス供給ライン、a〜d……バルブ、19a〜19d……
流量調整器、41……シリコン基板、42……アルミニウム
薄膜、43……フォトレジスト、51……シリコン基板、52
……SiO2膜、53……Al−Si膜、54……平坦化層、55……
中間層、56……フォトレジスト、61……シリコン基板、
62……チタン薄膜、63……フォトレジスト。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にアルミニウムあるいはアルミニウム
    合金薄膜、チタンあるいはチタン合金薄膜の形成された
    被処理基体上に酸化シリコン膜または窒化シリコン膜か
    らなるマスクパターンを形成するマスクパターン形成工
    程と、 ヨウ素またはヨウ素化合物を含む反応性ガスを放電プラ
    ズマにより励起し、前記被処理気体の温度を100℃以上
    に設定した状態で、前記マスクパターンをマスクとして
    前記薄膜を選択的にエッチングするエッチング工程とを
    含むことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】表面にアルミニウムあるいはアルミニウム
    合金薄膜、チタンあるいはチタン合金薄膜の形成された
    被処理基体上にマスクパターンを形成するマスクパター
    ン形成工程と、 塩素または臭素を含むガスに、ヨウ素またはヨウ素化合
    物を添加した反応性ガスを放電プラズマにより励起し、
    前記マスクパターンをマスクとして、該マスクパターン
    側壁にAlまたはTiのヨウ化物を形成させながらの前記薄
    膜を選択的に異方性エッチングするエッチング工程とを
    含むことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 【請求項3】前記マスクパターンとして、酸化シリコン
    膜または窒化シリコン膜を用いることを特徴とする請求
    項2記載のパターン形成方法。
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