JP3103648B2 - 伸縮性複合シート、その製造方法及び土木シート - Google Patents

伸縮性複合シート、その製造方法及び土木シート

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JP3103648B2 JP2605392A JP2605392A JP3103648B2 JP 3103648 B2 JP3103648 B2 JP 3103648B2 JP 2605392 A JP2605392 A JP 2605392A JP 2605392 A JP2605392 A JP 2605392A JP 3103648 B2 JP3103648 B2 JP 3103648B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合シート及びそれを製
造する方法に関し、特に強力、耐摩耗性等の機械的強度
に優れ、伸縮性に富むとともに、透気度及び耐水性に優
れた複合シート及びそれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】防水性
及び透気性を有するシート又はフィルムは、使い捨てお
むつ等の防漏シートとして、近年広く使用されるように
なってきた。
【0003】このような透気性フィルムは、一般にポリ
オレフィン樹脂に無機充填材を多量に充填し、溶融混練
してフィルム状に成形し、それを一軸又は二軸の延伸加
工で微多孔化することにより製造されている。このよう
な透気性フィルムにおいては、延伸により無機充填材を
起点として微細な破断が生じ、それにより1〜4μm程
度の孔径の気孔が形成されている。
【0004】しかし、このような透気性フィルムは延伸
フィルム特有の剛性のために、シャリシャリした紙のよ
うな感じを有し、ソフト感が要求される用途には適さな
いという問題がある。また引張強度、引裂強度等が十分
でないという問題がある。
【0005】またポリオレフィン樹脂に無機充填材とと
もに同種の低融点ポリマー、ゴム状重合物、オレフィン
系熱可塑性エラストマー等を添加することにより柔軟な
多孔質フィルムを製造する方法も提案されたが、透気性
が十分でないのみならずフィルム強度が劣るという問題
があった。
【0006】このような問題点を解決することを目的と
して、エチレン−プロピレン共重合体ゴムと、エチレン
−酢酸ビニル共重合体とを含有する組成物からなる延伸
フィルムを、その熱収縮開始温度以上の温度でメッシュ
状シートに熱間圧着することにより、前記延伸フィルム
を固着するとともに熱収縮させ、微多孔化してなる透気
性の複合フィルムの製造方法が種々提案されている(特
開昭64-14023号、特開平1-201340号、特開平2-59331
号、特開平2-80231 号、特開平3-128945号) 。
【0007】上記各方法により得られる複合フィルムあ
るいは複合シートは、優れたソフト感を有するとともに
機械的強度及び透気性に優れるものである。しかし、最
近は紙おむつ、スポーツウェア等の衣料の他に、座席用
のシートや土建用材料にいたる各種用途が検討されてお
り、良好な透気度、耐水性及びソフト感に加えて一層良
好な機械的強度と伸縮性を有し、かつ耐摩性、耐外傷
性、耐久性等のフィルムの機能の信頼性を向上したもの
が要求さるようになってきた。そのためには、フィルム
の伸縮性を妨げない伸縮性に富むニット等の布地を保護
材としてエラストマー組成物からなる延伸フィルムに熱
間圧着することが考えられる。
【0008】しかしながら、伸縮性に富むニット等 (特
に厚手のもの) を、前記エラストマー組成物からなる延
伸フィルムと熱間圧着すると、保護材により機械的強度
は向上するものの、エラストマー組成物からなる延伸フ
ィルムの有する良好な伸縮性を損なうか、熱間圧着の条
件によっては、延伸フィルムの微多孔化が過度に進行し
てしまい、透気度あるいは耐水性が大幅に低下してしま
うことがあり、必ずしも十分な機能を有する伸縮性複合
シートが得られなかった。
【0009】したがって本発明の目的は、機械的強度が
大きく、伸縮性に富むとともに、透気度が大きく、耐水
性に優れた複合シート及びその製造方法を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、特定のエラストマー組成物から
なるフィルムの両面に特定のヨコ編組織による両面編地
を特定の条件で熱間圧着してなる複合シートは、機械的
強度が大きく、伸縮性に富むとともに、透気度が大き
く、耐水性に優れていることを見出し、本発明に想到し
た。
【0011】すなわち本発明の伸縮性複合シートは、
(a) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム45〜70
重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共重合体25〜50重
量%と、(c) ポリエチレン5〜30重量%とからなる組成
物からなるフィルムの両面に、前記フィルムの100 %伸
長時荷重の1/2 以下の100 %伸長時荷重を有するヨコ編
組織による両面編地を貼合わせてなり、耐水度が80cm以
上で、透気度が0.02cc/cm2 ・秒以上であることを特徴
とする。
【0012】また、本発明の伸縮性複合シートの製造方
法は、(a) エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム
45〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共重合体25
〜50重量%と、(c) ポリエチレン5〜30重量%とからな
る組成物からフィルムを形成し、前記フィルムの両面に
前記フィルムの100 %伸長時荷重の1/2 以下の100 %伸
長時荷重を有するヨコ編組織による両面編地を120 〜16
0 ℃の温度及び2.0 〜3.5 kgf/cm2 圧力で、圧着ロール
のクリアランスを前記ヨコ編組織による両面編地の厚さ
の50〜75%として熱間圧着して、前記フィルムを前記ヨ
コ編組織による両面編地に固着するとともに熱収縮さ
せ、もって前記フィルムを微多孔化することを特徴とす
る。
【0013】本発明を以下詳細に説明する。本発明にお
いては、特定のエラストマー組成物のフィルムの両面に
特定のヨコ編組織による両面編地を特定条件で熱間圧着
することにより伸縮性複合シートを製造する。また上記
熱間圧着は、用途によりあらかじめ被貼物に接着剤によ
る処理を施しておいてもよい。
【0014】上記エラストマー組成物は、(a) エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体ゴムと、(b) エチレン−
酢酸ビニル共重合体と、(c) ポリエチレンとを含有して
なる。
【0015】本発明において(a) エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体ゴム(EPDM)とは、エチレン、プロピ
レン及びジエン系化合物を含む共重合体のことである。
前記ジエン系化合物としては、エチリデンノルボルネ
ン、1,4−ヘキサジエン、及びジシクロペンタジエンな
どがある。
【0016】上記エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)は、エチレンの含有率が60〜70モル%、
プロピレンの含有率が30〜40モル%、及びジエン系化合
物の含有率が1〜10モル%であることが好ましい。より
好ましい範囲は、エチレンが62〜66モル%、プロピレン
が33〜37モル%、及びジエン系化合物が3〜6モル%で
ある。
【0017】さらに、メルトインデックス( 190℃、2.
16kg荷重)は 0.1〜5.0 g/10分の範囲内が好ましく、
より好ましくは0.30〜1.0 g/10分であり、さらに好ま
しくは0.35〜0.50g/10分の範囲内である。
【0018】本発明で用いる(b) エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)は、酢酸ビニルの含有率が7.5 重量%以
上の共重合体である。特に酢酸ビニルの含有率が7.5 〜
30重量%の範囲内にあるエチレン−酢酸ビニル共重合体
を用いるのが好ましい。
【0019】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
のメルトインデックスは、通常15〜20g/10分( 190
℃、2.16kg荷重)の範囲にある。
【0020】本発明で用いる(c) ポリエチレンは、エチ
レンを主体とするポリマーであり、10重量%以下程度他
のα−オレフィンと共重合していてもよい。またそのメ
ルトインデックス(MI、190 ℃、2.16kg荷重) は0.1 〜
10g/10 分程度が好ましい。このようなポリエチレンと
しては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレンが挙げられる。これらのうちでは特
に低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンが好
ましい。
【0021】本発明において低密度ポリエチレン(LDPE)
とは、密度が0.89〜0.93g/cm3 程度の分枝状のポリエチ
レンのことである。このような低密度ポリエチレンのメ
ルトインデックス( 190℃、2.16kg荷重)は通常4〜8
g/10 分程度である。
【0022】また本発明において線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)は、エチレンに炭素数4〜8程度のα−オレ
フィンを10重量%以下程度共重合してなる分枝構造の少
ない直鎖状のポリエチレンであり、その密度は0.91〜0.
94g/cm3 程度である。このような線状低密度ポリエチレ
ンのメルトインデックス( 190℃、2.16kg荷重)は、通
常2〜6g/10分程度である。
【0023】上述したような(a) エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体ゴム(EPDM)と、(b) エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)と、(c) ポリエチレンとの配合割
合については、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
ゴムが45〜70重量%、好ましくは50〜60重量%であり、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が25〜50重量%、
好ましくは30〜40重量%であり、ポリエチレンが5〜30
重量%、好ましくは10〜20重量%である。
【0024】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM)の配合割合が45重量%未満では、得られるフ
ィルムの弾力性が低下し、また70重量%を超えると得ら
れるフィルムの成形性が低下する。
【0025】またエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
の配合割合が25重量%未満では成形性が低下し、一方50
重量%を超えると、成膜したフィルムの粘着性が大きく
なり取り扱いが困難となる。
【0026】さらにポリエチレンの配合割合が5重量%
未満では、得られるフィルムの成膜性の向上に効果がな
く、また30重量%を超ると得られるフィルムの伸縮性が
低下する。
【0027】さらに、本発明においては上記樹脂成分の
他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、色剤等
を適宜配合することができる。ただし、無機充填材の添
加はフィルムの薄膜化を困難にするため、行わない方が
好ましい。
【0028】次に上述したようなエラストマー組成物か
らなるフィルムを用いて伸縮性複合シートを製造する方
法について説明する。
【0029】まずエチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、ポリエチレン及び必要に応じて添加される各種添加
剤等の成分を混練する。上記混練は 150〜175 ℃の樹脂
温度で行うのが好ましい。
【0030】混練を行った後、フィルム状に成形する。
フィルムの厚さは50〜200 μmとするのが好ましい。50
μm未満では、機械的強度を必要とする用途において、
フィルムの強度が十分でなく、200 μmより厚いと通気
性を付与するための微細な貫通孔ができにくくなる。成
膜はインフレーション成形法(空冷法)により 120〜16
5 ℃の樹脂温度でブロー比(バッブルの直径/ダイスリ
ットの直径)が 2.0〜5.0 の範囲となるように行うのが
好ましい。
【0031】このようにして得られたエラストマー組成
物のフィルムは、非常に伸縮性に富む。この伸縮性を損
なわず、フィルムを保護し、伸縮性複合シートとしての
機械的性能を高めるために必要に応じて接着剤処理され
熱間圧着される材料としては、エラストマー組成物フィ
ルムの伸縮性を妨げず追随できる伸縮性を有するヨコ編
組織による両面編地が好ましい。
【0032】このような編地を編成するために用いられ
る素材としては、天然繊維、化学繊維、合成繊維等いず
れでもよいが、編地により伸縮性を与えるためには編成
される糸自体に伸縮性のあるものが好ましく、熱可塑性
合成繊維の仮撚加工糸を使用するのが好ましい。例え
ば、ポリエステルもしくはポリアミドマルチフィラメン
トの仮撚加工糸等が例示される。ただし、編糸素材は、
後述するエラストマー組成物のフィルムとの熱間圧着工
程で実質的に溶融したり熱収縮したりしないことが必要
てあるから、一般にその融点または二次転移点が前記フ
ィルムより少なくとも20℃以上高いことが必要である。
また、接着性の面からは糸に毛羽のある紡績糸が好まし
い。同様にフィラメントの場合には捲縮のある仮撚加工
糸が好ましい。いずれも熱間圧着時フィルムとのブリッ
ジ効果が期待できる。
【0033】また接着性の向上を目的として、生地、フ
ィルム、あるいは両方にあらかじめ接着剤処理を施して
もよい。この時の接着剤処理は、エラストマー組成物フ
ィルム、及び編地の伸縮性を損なわずに貼合できるもの
が好ましい。このような接着方法としては、パウダー
法、ドットプリント法、くもの巣状シート接着剤による
方法等が挙げられる。
【0034】編組織はフィルムの伸縮性に追従できる伸
縮性を得るためには、編目構造自体の変形により伸縮が
得られるヨコ編組織とする。
【0035】またフィルムを保護し、機械的性能を損な
わないためには、編目自体がある程度の厚みと、クッシ
ョン性を有する両面編機による両面編地とする。ただ
し、この両面編地は、貼合わせるフィルムの100 %伸長
時荷重の1/2 以下の100 %伸長時荷重を有することがフ
ィルムの伸縮性に追従するためには必要である。
【0036】このようなヨコ編組織による両面編地の厚
さは1〜5mm程度、好ましくは2〜3mmである。布地の
厚さが1mm未満では、伸縮性複合シートとしての十分な
強度が得られず、一方5mmを超えると後述する熱間圧着
によりエラストマー組成物のフィルムとの複合化及びそ
のエラストマー組成物のフィルムの微多孔化が困難とな
る。
【0037】エラストマー組成物のフィルムとヨコ編組
織による両面編地 (以下単に両面編地ともいう) との熱
間圧着は、120 〜160 ℃で行う。上記温度条件の範囲外
であると、フィルムと両面編地との固着及びフィルムの
熱収縮が十分でないか、又は微多孔が拡大し耐水性が低
下する。上記熱間圧着は一段で行う必要はなく、フィル
ムの固着と微多孔化を確実にするために、複数段に分け
て行うことができる。この場合、最初は比較的低い温度
で行い、次第に熱間圧着温度を高くしていくのが好まし
い。
【0038】さらに、前記熱間圧着は2.0 〜3.5g/cm2
の圧力で行う。2.0 kg/cm2 未満ではフィルムの固着が
十分でなく、3.5g/cm2 を超るとフィルム強度が低下す
るばかりか、得られる伸縮性複合シートの通気性が低下
する。より好ましい圧力条件は2.2 〜2.7 kg/cm2 であ
る。
【0039】フィルムと両面編地との熱間圧着におい
て、伸縮性のよいヨコ編組織による両面編地は低荷重で
伸縮して伸長変形する。エラストマー組成物のフィルム
を使用して、熱間圧着加工するのは、複合シートに伸縮
性を期待するためであり、編地にテンションをかけて伸
長した状態で加工したのでは、複合シートに伸縮性を付
与することができない。このため、貼付における熱間圧
着ゾーンへの編地、フィルムの供給は、無張力で行うの
が好ましく、後述するようにベルトコンベア方式でコン
ベアに乗せて供給するのが好ましい。ベルトコンベア方
式は、小ロットで短尺なものの加工も容易で、切り替え
ロスが少なく、両面張り加工が容易であり、また編地の
ような形状の不安定なものの加工に適する。
【0040】また、本発明における熱間圧着は、エラス
トマー組成物のフィルム面に、予めホットメルト系接着
剤を、全面あるいはスパイラル状等にスプレーした後に
行うことができる。このようなホットメルト系接着剤の
処理によって、得られる伸縮性複合シートは、透気性を
損なうことなく接着力(剥離強度)が大幅に向上する。
【0041】このようにして得られた伸縮性複合シート
は、熱間圧着による熱収縮によりフィルムが微多孔化し
ている。フィルムの微細孔は熱間圧着条件により多少異
なるが、一般に50μm程度の孔径を有するので、優れた
通気性を有するとともに耐水性にも優れている。
【0042】図1は本発明の熱間圧着を行うのに適する
ベルトコンベア方式による熱間圧着装置の一例を示す概
略図である。この熱間圧着装置はエラストマー組成物の
フィルム1と、ヨコ編組織による両面編地2, 2' とを
重ね合わせた状態で搬送する第一の搬送ベルト3と、加
熱用のヒータ4と、加熱された両面編地とエラストマー
組成物のフィルムとを搬送する第二の搬送ベルト5、
5' と、第二の搬送用ベルトの終着部に設けられた圧着
ロール6及び受けロール7と、第三の搬送ベルト8とか
らなり、各搬送用ベルトにはそれぞれベルト駆動用の複
数のロールが設けられている。また、加熱用のヒータ4
と、第二の搬送ベルト5、5' と、圧着ロール6及び受
けロール7とはボックス中に設けられており、それら全
体で加熱部9を形成している。
【0043】このような装置において、加熱用のヒータ
4の温度は、用いる両面編地の素材、厚さ等により異な
るが約100 ℃程度とすればよい。また圧着ロール6の温
度は140 〜150 ℃とすればよい。
【0044】ただし、上述した圧着条件に加え、本発明
においては、熱間圧着ロール6と受けロール7とのクリ
アランスは、両面編地1枚当りの厚さの50〜75%の厚さ
とする。このクリアランスが50%未満では、熱間圧着に
伴い形成された伸縮性複合シートの微多孔が拡大し、耐
水性が低下する。ここで、透気度が低下するか、耐水性
が低下するかは、圧着圧力と関係し、圧力が比較的低い
場合には、透気度が低下しやすく、また逆に高い場合に
は、耐水性が低下しやすい。
【0045】なお、図1において、第一乃至第三の搬送
ベルトは、テフロン等によりコーティングを施してある
のが好ましい。また、熱間圧着ロール6と受けロール7
は、その表面がテフロン等からなるものが好ましい。
【0046】このような装置においては、両面編地及び
エラストマーフィルムは引張されることなく、ベルトの
移動に伴い搬送されるので、両面編地が過度に伸長する
ことなく圧着が行なわれる。
【0047】このような条件でエラストマー組成物のフ
ィルムと両面編地とを熱間圧着して得られる伸縮性複合
シート10は、耐水性、通気性を有するとともに、かさ高
で伸縮性に富み、しかも、両面編地とフィルムとの接着
も強固である。具体的には耐水度 (JIS L1092 A法によ
り測定)が80cm以上、好ましくは100 〜120 cmであり、
透気度(JIS L1096 フラジール法により測定) が0.02cc
/cm 2 ・秒以上、好ましくは0.3 〜1.5 cc/cm 2 ・秒で
あり、熱間圧着されたフィルムと両面編地との剥離強度
が200 g/30 mm巾以上、好ましくは300 g以上/30 mm巾
である。耐水度が80cm未満、透気度0.02cc/ cm2 未満で
は本発明の初期の目的の達成が困難となる。
【0048】
【作用】本発明においては、特定のエラストマー組成物
からなるフィルムと特定のヨコ編組織による両面編地と
を、特定の条件で熱間圧着することにより伸縮性複合シ
ートを製造している。このような方法により得られる複
合シートは、良好な透気度を有するとともに耐水性に優
れているだけでなく、表面に積層される両面編地と、フ
ィルムとが伸縮性に富んでいる。
【0049】このようにして製造することにより、良好
な耐水度、透気度及び伸縮性の向上効果が得られる理由
については必ずしも明らかではないが、通常両面編地
と、エラストマー組成物からなるフィルムとを熱間圧着
すると、微多孔がほとんど形成されず、透気度が損なわ
れるか、あるいは拡大した微多孔が多数形成され、耐水
性が低下するかいずれかであるが、本発明の方法におい
ては、圧着の際のクリアランス及び圧着圧力を、微多孔
化が最適なものとなるような範囲に制御しているためで
あると考えられる。
【0050】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。実施例1 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM、ビ
スタロン3708、エクソン化学(株)製)60重量%と、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA 、DQDJ-3269 、日本
ユニカー(株)製)40重量%と、これらの合計90重量部
に対して、低密度ポリエチレン(LDPE、DFD0148 、日本
ユニカー(株)製)10重量部を添加してなる組成物を押
出機により溶融混練し、空冷インフレーション法により
下記の条件で成膜した。
【0051】ダイ径・・・150 mm 温度・・・・160 〜175 ℃ 押出量・・・60〜70 kg /時間 引取速度・・4〜6m/分
【0052】得られたエラストマー組成物のフィルムは
厚さ約120 μm、ブロー比は3.5 〜5.5 であった。
【0053】また、前記フィルムに対してチャック間20
0 mm、クロスヘッドスピード200mm/分、試験片幅50mmで
引張り試験を行ったところ、100 %伸長時荷重はタテ18
30gヨコ2120gであった。
【0054】一方、ポリエステル半延伸糸(225d−48f)
を2ヒータ延伸仮撚機を用い、ドローレシオ1.6 、ヒー
タ温度215 ℃で延伸仮撚を行い、2段ゾーンでリラック
スセットして150d−48f の2段仮撚加工糸を得た。これ
をモラート社製M48ダブルニット機に仕掛け、コンホ
ートリバース組織で目付270 g/m2 、厚さ2mm、のダ
ブルニット生地を得た。
【0055】このようにして得られたニット生地に対し
て同様にして引張り試験を行ったところ、100 %伸長時
荷重はタテ820 gヨコ740 gであり、これを2枚重ねで
測定した荷重はほぼこの値の2 倍であった。
【0056】次いでこれを開反し、図1に示す装置によ
り、上記エラストマー組成物のフィルムを2枚の編地で
サンドイッチ状に挟み、コンベアで搬送し、熱間圧着し
た。この際のヒータ温度は100 ℃、圧着ロールの温度は
140 ℃、圧着ロール圧2kgf/cm2 、圧着ロールのクリア
ランス (以下、圧着クリアランスという) は1.25mm、圧
着速度は5m/分とした。
【0057】このようにして得られた伸縮性複合シート
の加工条件を第1表に示す。また、この伸縮性複合シー
トの100 %伸長時荷重荷、耐水度、透気度及び接着力
(剥離強度) の測定結果を第2表に示す。
【0058】実施例2 実施例1においてエラストマー組成物のフィルムの厚さ
を140 μmとし、圧着条件を第1表に示すものとして、
伸縮性複合シートを製造した。
【0059】このようにして得られた伸縮性複合シート
の100 %伸長時荷重荷、耐水度、透気度及び接着力 (剥
離強度) を測定した。結果を第2表に示す。
【0060】実施例3 実施例1で得られたエラストマー組成物のフィルム(厚
さ120 μm) の両面に、あらかじめ合成ゴム系ホットメ
ルト接着剤 (日本フーラー(株)製 JHL-105-16-C)をス
パイラルスプレーガンを用いて間欠的に塗工した後、実
施例1と同様の加工条件で熱間圧着した。
【0061】熱間圧着前の接着材を塗布したフィルムの
100 %伸長時荷重荷は、タテ2010g、ヨコ2270gであっ
た。
【0062】このようにして得られた伸縮性複合シート
の100 %伸長時荷重荷、耐水度、透気度及び接着力 (剥
離強度) を測定した。結果を第2表に示す。
【0063】比較例1〜5 比較例として、ポリエステル綿混 (混率65:35) 40番手
紡績糸を用い、実施例1と同様にモラート社製M48ダ
ブルニット機に仕掛け、コンホートリバース組織で目付
308 g/m2 、厚さ2mm、のダブルニット生地を得た。
【0064】このようにして得られたニット生地に対し
て実施例1と同様にして引張り試験を行ったところ、10
0 %伸長時荷重はタテ820 g、ヨコ740 gであった。
【0065】このようにして得られた両面編地を使用
し、実施例1において圧着ロール圧を4kgf/cm2 とし、
圧着ロールクリアランスを0mmとした以外は同じ条件で
伸縮性複合シートを製造した(比較例1)。また実施例
2において圧着ロール圧を2kgf/cm2 及び4kgf/cm2
し、圧着ロールクリアランスを0mmとした以外は同様に
してそれぞれ伸縮性複合シートを製造した(比較例2及
び比較例3)。
【0066】また、紡績糸を使用して得た100 %伸長時
荷重がタテ1750gヨコ1530gの両面編地を使用した以外
は実施例1及び2と同様にして伸縮性複合シートを製造
した(比較例4及び比較例5)。
【0067】このようにして得られた伸縮性複合シート
の加工条件を第1表に示す。またこの伸縮性複合シート
の100 %伸長時荷重荷、耐水度、透気度及び接着力 (剥
離強度) の測定結果を第2表に示す。
【0068】
【0069】 第 1 表 (続 き)加 工 条 件 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 フィルムの厚さ (μm) 120 140 140 120 140 100%伸長時荷重 タテ(g) 1830 2170 2170 1830 2170 ヨコ(g) 2120 2530 2530 2120 2530 両面編地の厚さ (mm) 2 2 2 2 2 100%伸長時荷重 タテ(g) 820 820 820 1750 1750 ヨコ(g) 740 740 740 1530 1530 圧着条件 設定温度(℃) 140 145 145 140 145 圧着ロール圧 (kgf/cm2 ) 4.0 2.0 4.0 2.0 2.8 圧着ロールクリアランス (mm) 0 0 0 1.25 1.25 加工速度 (m/分) 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
【0070】
【0071】 第 2 表 (続 き)シートの物性 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 100 %伸長時荷重 タテ(g) 1870 2210 2190 3610 3700 ヨコ(g) 2150 2590 2580 3230 3310 耐水度(cm)(1) 7 150以上 12 90 110 透気度 (cc/cm2 ・秒) (2) 6.8 0 7.3 0.90 0.55 接着力 (g/30mm巾) (3) 857 280 933 395 506
【0072】(1) 耐水度:JIS L1092 A法(低水圧法)
により測定。 (2) 透気度:JIS L1096(フラジール法)により測定。 (3) 接着力:サンプルを30mm巾×150 mmにカットし、剥
離強度を引張試験機により測定。
【0073】第2表から明らかな通り、本発明の伸縮性
複合シートは耐水度の値が80cm以上であり、また大きな
透気度を有し、しかもエラストマー組成物のフィルムと
ポリエステルニットとの接着も強固であった。これに対
し、圧着ロールクリアランスを0mmとして製造した比較
例1〜3の伸縮性複合シートは、圧着圧力が4kgf/cm2
の場合 (比較例1、3)には、耐水度の値が80cm未満で
あり、また圧着圧力が2kgf/cm2 の場合 (比較例2)に
は、透気度の値が0 cc/cm2 ・秒であった。
【0074】また、フィルムの100 %伸長時荷重の1/2
以下の100 %伸長時荷重を有する編地をフィルムの両面
に熱間圧着した実施例1乃至3の伸縮性複合シートの10
0 %伸長時荷重は、ほぼフィルムの値と同様のものであ
り、保護材である編地がフィルムの伸長特性を妨げてい
ないことがわかる。これに対し、フィルムの100 %伸長
時荷重の1/2 を超える100 %伸長時荷重を有する編地を
フィルムの両面に熱間圧着した比較例4、5の伸縮性複
合シートの100 %伸長時荷重は、編地の値に近いものと
なっており、フィルムの有する伸縮性を妨げ、伸びやす
さ、すなわち低荷重伸長性を損なっている。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法におい
ては、特定のエラストマー組成物からなるフィルムの両
面に特定のヨコ編組織による両面編地を特定の条件で熱
間圧着することにより伸縮性複合シートを製造してい
る。このようにして得られる複合シートは、機械的強度
が大きく、クッション性や伸縮性に富むとともに、透気
度及び耐水性に優れるため、衣料、座席シート、乗物や
建物の内装用、土木用シートや建材等各種用途に広く使
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、伸縮性複合シートを製造する熱間圧
着装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・・フィルム 2,2' ・・ヨコ編組織による両面編地 3・・・第一の搬送ベルト 4・・・ヒータ 5,5' ・・・・・第二の搬送ベルト 6・・・圧着ロール 7・・・受けロール 8・・・第三の搬送ベルト 9・・・加熱部 10・・・伸縮性複合シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 英明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東燃化学株式会社 技術開発センター内 (72)発明者 滝 瑛一路 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社内 (72)発明者 越智 清一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 繊維技術センター内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) エチレン−プロピレン−ジエン共重
    合体ゴム45〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共
    重合体25〜50重量%と、(c) ポリエチレン5〜30重量%
    とからなる組成物からなるフィルムの両面に、前記フィ
    ルムの100 %伸長時荷重の1/2 以下の100 %伸長時荷重
    を有するヨコ編組織による両面編地を貼合わせてなり、
    耐水度が80cm以上で、透気度が0.02cc/ cm2 ・秒以上で
    あることを特徴とする伸縮性複合シート。
  2. 【請求項2】 (a) エチレン−プロピレン−ジエン共重
    合体ゴム45〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共
    重合体25〜50重量%と、(c) ポリエチレン5〜30重量%
    とからなる組成物からフィルムを形成し、前記フィルム
    の両面に前記フィルムの100 %伸長時荷重の1/2 以下の
    100 %伸長時荷重を有するヨコ編組織による両面編地を
    120 〜160 ℃の温度及び2.0 〜3.5 kgf/cm2 圧力で、圧
    着ロールのクリアランスを前記ヨコ編組織による両面編
    地の厚さの50〜75%として熱間圧着して、前記フィルム
    を前記ヨコ編組織による両面編地に固着するとともに熱
    収縮させ、もって前記フィルムを微多孔化することを特
    徴とする伸縮性複合シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 (a) エチレン−プロピレン−ジエン共重
    合体ゴム45〜70重量%と、(b) エチレン−酢酸ビニル共
    重合体25〜50重量%と、(c) ポリエチレン5〜30重量%
    とからなる組成物からなるフィルムの面に、前記フィ
    ルムの100 %伸長時荷重の1/2 以下の100 %伸長時荷重
    を有するヨコ編組織による両面編地を貼合わせてなり、
    耐水度が80cm以上で、透気度が0.02cc/ cm2 ・秒以上で
    あることを特徴とする土木シート。
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